- 1二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 21:25:18
- 2二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 21:25:50
「うおっ!?」
突然の浮遊感に襲われる。腰を掴まれた感触、アケボノが自分の体を持ち上げ肩車をしてくれたのだった。
「どうかな〜?こうしたら、月まで手が届きそうかも?」
「はは、そうかもしれないね」
アケボノの体は学園の誰よりも大きい。見上げてみると、ため息がもれた。
「おぉ……!」
山頂からでも月が近いとは思っていたが、こうするだけで何倍にも強く輝いて見える。
月は儚いものではなくて、こんなにも力強く暗闇を照らしていたのか。
もう一度、できるだけ高く腕を伸ばす。たとえ幻だとしても、その眩い宝石をどうしても手に入れたくなった。
ぐっと、先程よりももっと強く。
もちろん手応えは欠けらも無いが……月光の端くれくらいは掴めただろうか。 - 3二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 21:26:26
「ありがとう……もう降ろしてもらって大丈夫だよ」
「よいしょ……どうだった?お月様、掴めたかなあ?」
「残念ながら、あと少し届かなかったかな。けれど、今まで生きてきた中で一番大きく見えたよ」
冗談混じりの会話のつもりだったのだが、アケボノは首を横に振った。
「ううん……トレーナーさんはちゃーんと、お月様を手に入れたよ♪ちょっと指を広げてみて?」
「?わかった……」
一体どういうことだろうか。じっと掌を見つめてみたが、特に変わった様子は━━━
「はい、どうぞ〜☆」
そっとアケボノの掌が、一回り小さい僕のそれを包み込んだ。
繋がりが解かれるとそこには、まん丸い玉がひとつ。 - 4二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 21:26:59
「おっきな満月団子、召し上がれ♪」
ほのかな甘い香りが夜風に乗って運ばれてきた。
「確かに美味しそうなお月様を手に入れられたよ……ありがとう!」
事前に準備していたのだろう、アケボノの用意周到さに感心するばかりだ。
再び腰掛け、今度は団子に舌づつみを打ちながら夜空を楽しむ。3つ目の団子を飲み込んだアケボノが口を開いた。
「月が綺麗ですねって言うけれど、あたしはそれだけじゃないと思うんだ〜」
「月は、美味しいんだよ〜♪」
タッパーの中に残った団子はひとつ、アケボノが手にとり、僕の口へと差し出した。
「むぐっ」
「でしょ?」
「っん……ああ、とっても」
夜闇の中でも、月明かりがほんのりと照らすアケボノの嬉しそうな笑顔がはっきりと見える。
そして彼女はなにか意味ありげに、繰り返し呟くのだった。
「月が━━━美味しいね♪」 - 5二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 21:29:55
世間はあいにくの天気ですが今日は中秋の名月です
前回のちゃんこ
After War Hishi Akebono|あにまん掲示板ふう……なんとか下山できて良かったねトレーナーさん!それにしても、今回の遭難はとってもボーノな体験だったねえ……。まさかあんなところに次元の裂け目が出来てたなんて!向こうの世界は4本足であたしと同じく…bbs.animanch.comちゃんこまとめ
【自作SSまとめ】M99星雲ちゃんこの国|あにまん掲示板ボーノの供給が増えることを願って書き続けてきたSSが2桁の大台に乗ったので、一旦まとめてみたいと思います1.原初のボーノ。想像以上の高評価を頂き、ss投稿を続けるきっかけとなりましたhttps://b…bbs.animanch.com - 6二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 21:30:51
ボーノで書くという苦行で念能力強化してる?
- 7二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 21:38:58
よく書いてくれた
- 8二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 22:36:44
季節に合わせて書いてくれるの風情があるよね…
外に見に行ったけどホントにまん丸で美味しそうで、彼らの見てる景色を見れてるみたいな趣があって良い - 9二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 22:37:20
ボーノ……
- 10二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 22:38:23
ガンダムXスレかと思ったら良いSSだった
ありがとう…… - 11二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 22:39:39
これは…ボーノ流のI Love You じゃな?
- 12二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 22:42:02
スレ主はボーノとガンダムエックスが好きなんやね
ええやん