眠れなくて小説書いてたから晒す

  • 1121/10/15(金) 05:34:21

    1500字くらいで超短いけど初めて完結させられたのでここに供養する
    読み返してないからぐちゃぐちゃだと思う。お手柔らかに頼む。でも感想はほしい(わがまま)

    次のレスに載っける。画像は文庫ページメーカーで作った1ページ目

  • 2121/10/15(金) 05:36:00

    「…よし」
    満足感と静かな喜び、そしてかすかな疲労を含んだ呟きを無意識に残して、青年は立ち上がった。
    よく晴れた秋の夜、人里離れた森の奥の小さな工房は、差し込む月明かりで実験道具と資料の山の散らかり放題が浮き彫りである。窓際の作業台には、使いかけの薬品の瓶や試験管、鮮やかな色の覗く原石、石の削りかすの着いた小刀、燃料の切れかけた酒精灯などが雑多に転がされているが、台の面積の大半を占有しているのは、色だけは夜空のように美しい、半透明の歪な硝子細工のような形の出来損ない達であった。青年は知識の確かなことは間違いないが、手先の不器用さに限って昔からどうにもならないのである。
    青年はようやく作り上げた濃紺の胡蝶蘭を慎重に掌に収めると、そろそろと散らかった狭い部屋を後にした。

    ――この小さな“城”が全てだった私が、外の広い世界を知ってからもう十年が経とうとしている。“外”を知らぬまま育ち、ちっぽけな世界に退屈し、御伽噺の夢物語を追い求めて小手先の錬金術をこねくり回していた私は、あの日君と出会わなければずっとつまらぬ少年のまま、変わることはなかっただろう。君はきっと知らないだろうが、途方に暮れて“城”の門を叩いた迷い子が、どれほど私にとって衝撃的で、眩しくて、そして胸を高鳴らせたことか。森の出口どころか“外”があることすら知っているか怪しい私に驚きはしても、嗤いも軽蔑もせず、むしろ楽しそうに街へと連れ出し、“外”を教えてくれたことへの感謝を、私は忘れることはない。それだけではない。それまで惰性で続けていた研究が、しかし君が目を輝かせて覗き込んできた途端にとても素晴らしい魔法のように思えもしたものである。私の幼い夢物語に真剣な興味を示し、さまざまな思いつきを話してくれたからこそ、私の夢は幻に消えずにすんだのだから…。――

  • 3121/10/15(金) 05:36:30

    ボーンと鳴った柱時計の音に、青年ははっと顔を上げた。もう午前四時を過ぎている。
    錬金術に没頭していると時間を忘れるのは常だが、物語を読み耽って育った青年は、機会こそ少ないものの言葉を綴るのにも熱を入れすぎてしまうのである。
    筆記具を置いて今書き終えたところまでを何となく眺めていると、やはり仰々しすぎるような気もしてくる。
    (これはまた、「あなたは売れない詩人か何か?」と呆れられるのだろうな)
    かつて夢を語ったその口調への辛辣なご指摘である。自分でも思うところはあるが、物語に憧れていただけの錬金術師の端くれに対して無情ではなかろうか。青年は一人苦笑したが、初めて貰った手紙が数年ぶりの再会について書かれていて、浮ついているところがないとは言えないのでこれくらいは許してほしい、と心の中で言い訳をした。
    続きは明日にしようかとも思ったが、読み返して書き直したい気持ちになるのも嫌だからもうこのまま書き終えてしまおう、と再び筆記具を手に取った。

    ――少し感傷に浸りすぎた。今と未来の話をしよう。
    君から突然手紙を貰ったから驚いた。しかも、こちらに帰ってこれそうだなんて。数年ぶりだから正直舞い上がっている。何を書けばいいのか、自分でもよく分からなくなってきているが、ひとつ伝えたいことだけは今ここに書いておく。
    君の知らせを聞いて、私は真っ先にあるものを作り始めた。考えるより先に体が動いてしまった。返事が遅くなってすまない。
    それは改めて感謝を込めるとともに、君の未来の幸福を願うものだ。楽しみにしていてほしい。
    詳しいことは追って合わせることにしよう。再会を心待ちにしている。それまでどうかお元気で。――

    筆記具を置き、白み始めた空を横目に青年はぐっと伸びをした。
    ―寝て起きたら、読み返すのもそこそこにさっさと封をして出してしまおう。
    数時間前の空をそのまま写し取ったような胡蝶蘭をちらりと見て、青年は寝室へと歩いて行った。

  • 4121/10/15(金) 05:37:49

    以上終わり。
    めちゃくちゃ緊張してきた。ていうか2時間くらい書いて1500しか書けないのか…世の字書き達化け物じゃないか…?

  • 5二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 06:18:08

    しっとりした雰囲気で私はけっこう好き
    人物の関係性はあえてはっきり言わずにぼかしてるのかな?いいSSって感じ

  • 6二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 06:46:10

    素直に感想言っていいなら、改行が少なく読みにくかった。目が滑る

  • 7121/10/15(金) 07:04:25

    >>5

    ありがとう…!

    色々ぼかしてるのはこういう単発短編でどういう風に設定開示していけばいいかわからなかったのもある

  • 8121/10/15(金) 07:05:58

    >>6

    それは確かに

    今まで話を書くことだけで体裁の整え方とか考えたことなかった

  • 9二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 08:10:43

    一晩で考えてそれだけアウトプットできたなら上出来では?
    後半になるにつれ、より句読点の位置が適当になってしまっているように思いました。上にもありましたが改行も相まって、やや読みづらく感じました。
    表現などは綺麗で、場景も目に浮かびました。
    金曜の朝からいい刺激です。ありがとうございました。

  • 10二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 08:32:48

    >>9

    表現だけは頑張って手を抜かないようにしたからそう言って貰えて凄く嬉しい、ありがとう

    後半力尽き始めてそのままなのはいつもの悪い癖だな、今度からは時間置いて読み返して整えるくらいはできるようになろう

  • 11121/10/15(金) 09:42:29

    文庫メーカーで体裁整えたやつが気に入ったので上げておく
    1ページ

  • 12121/10/15(金) 09:42:49

    2ページ

  • 13121/10/15(金) 09:43:12

    3ページ

  • 14121/10/15(金) 09:43:34

    4ページ。終わり。満足

  • 15二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 15:24:16

    改行が少ないというよりは、一文に情報を詰めすぎなんだと思う。
    その結果改行が少ないというか。
    ここに来るような人間はひねた文章(暴言)よりもあっさり読みやすい文章を好みそうである(偏見)

  • 16121/10/15(金) 16:42:26

    >>15

    なるほど…読み返してみたら確かに一文が長いな

    何を意識すれば短くあっさりまとめられるのかは分からないけど

  • 17二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 16:43:57

    文庫メーカーだと改行の件は気にならないな
    こういう場所だと改行多めにしないと読みづらいのは仕方ないね

  • 18二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 16:46:52

    >>17

    自己レス

    2ページ目はどこかで改行挟んだ方がいいとは思う

    文章の雰囲気はとても好き

  • 19二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 16:58:46

    >窓際の作業台には、使いかけの薬品の瓶や試験管、鮮やかな色の覗く原石、石の削りかすの着いた小刀、燃料の切れかけた酒精灯などが雑多に転がされているが、台の面積の大半を占有しているのは、色だけは夜空のように美しい、半透明の歪な硝子細工のような形の出来損ない達であった。


    ・これが1文は長すぎる

    ・結局何が台の面積の大半を埋めているのかよく分からない。

     何かの工作物……ここより後の方読んだ感じ錬金術で作った何か?なんだろうとは思うけど


    文体というのか話の雰囲気は好き

  • 20二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 17:03:33

    レスしてから思ったけど胡蝶蘭の試作品ないし失敗作なのかな
    胡蝶蘭を作るっていうのがピンと来なかった。詳しくないけど軽く調べた感じ
    夜空みたいな色の花でもないようだし。その辺が錬金術の技なのかな?

  • 21二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 17:16:41

    >>16

    文を短くする≠端折るなことだけは気を付けておくれ

    >>19の指摘点であれば


    >窓際の作業台には、使いかけの薬品の瓶や試験管、鮮やかな色の覗く原石、石の削りかすの着いた小刀、燃料の切れかけた酒精灯などが雑多に転がされている。しかし、台の面積の大半を占有しているのは、色だけは夜空のように美しい、半透明の歪な硝子細工のような形の出来損ない達であった。


    にするだけでも2文になるし、さらに道具の細かい描写を入れて分割するのも手かも。


    >窓際の作業台には、使いかけの薬品の瓶や試験管、鮮やかな色の覗く原石、燃料の切れかけた酒精灯などが雑多に転がされている。特に石の削りかすの着いた小刀は、抜き身のまま放り出されていて、月明かりに鈍い光を反射している。そんな作業台の大半を占有しているのは~


    みたいな? 文章の長さは好みの問題だし、上のが正しいとも限らないけどね

  • 22121/10/15(金) 17:21:17

    うおおいっぱいアドバイス来ててうれしみ…ありがとう…


    >>20

    胡蝶蘭を象ったガラス細工みたいなもの、っていうふんわりしたイメージのまま書いちゃったから確かに分かりにくいね

    錬金術で作ったものであることが分かれば何でも良かったんだけど、伝わりにくいからここは改善点かな…


    >>21

    凄い綺麗な文だ

    接続詞のしかしを使うと逆説が強すぎるかなと思ったけど読んでみるとそうでもないね

    あと後半の小刀の描写凄い好き


    胡蝶蘭なのは花言葉がそれっぽかったのと、夜空の色なのは最後の文が描きたかっただけです…

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