- 11ver5.622/09/13(火) 18:00:32
ここだけウタが、エレジアでの真実を知った直後、ウタウタの実を有効利用したいSSGによって攫われ、本人が音楽兵器に改造させられてしまった世界線。
なお、改造手術をされている間は、ずっとシャンクスとルフィに助けを求めていたため、海賊嫌いのウタやわだかまりなどを考え続けた余裕は無くなっています。
初スレ
https://bbs.animanch.com/board/1015556/?res=192
スレ主は止まない雨はないと思っています。
いつか虹をかけ晴れてくれる!!
- 2二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:05:43
晴れろ...
晴れろ... - 3二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:05:44
もう次スレ!?
- 4二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:06:11
何!?完走したのか!?
- 5二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:06:12
ここから晴れることを信じて…
- 6二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:06:13
久々にみたよここまでの大型爆弾
- 7二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:07:05
ここから晴れるまでの間に土砂降り来るの俺知ってるからな
- 81ver5.622/09/13(火) 18:08:42
- 9二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:09:11
いやあまさかあにまんウタ地獄度ランキングでワースト狙えるウタが誕生するとは…
- 10二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:09:30
- 11二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:10:29
セラフィムを吸収して新しい概念を生み出すとは…
読めなかった!このリハクの目をもってしても! - 12二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:10:47
- 13二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:11:31
- 14二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:13:09
だめだ晴れる気がまるでしない
「アッチが夢だったんだ!」とかやる気じゃないだろうな… - 15ハピエンお願いします22/09/13(火) 18:20:43
- 16二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:21:09
このレスは削除されています
- 17二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:21:51
晴らす=死亡だったら許さんからなマジで!!
- 18二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:23:51
- 19二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:24:21
このレスは削除されています
- 20二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:28:26
晴れをかなり楽しみにしてる
- 21二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:36:57
- 22二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:43:51
- 23二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 18:58:24
重い……!!!!
- 24二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 19:00:36
思ったんだけどこれウタが一生曇り続ける鬱エンドと曇らせから晴れるハッピーエンドどっちのルートがあっても面白くないか?
- 25二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 19:16:15
徹夜して待つより明日に備えることをお前に教える
- 261ver5.622/09/13(火) 19:16:58
- 27二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 20:04:20
メカ娘はかわいい
みんな知ってるよな - 281ver5.622/09/13(火) 20:55:39
- 29二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 20:57:12
このレスは削除されています
- 30二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 20:59:20
幸福と呪い(まじない)でしょ。多分きっと。おそらく。メイビー
- 31二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 21:17:19
え、ボ卿の最後の「あふれんばかりの…」みたいなあれじゃないの
- 32二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 00:55:26
助けて太陽神…
- 33二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 01:06:04
とりあえず、あれの所業を知ったら海軍でも大分離反する。或いは命令違反で独自に行動する。
ゴッドバレー事件でガープとロジャーが手を組んだように世界政府打倒のために海賊(麦わら大船団+(生きていたら)白ひげ海賊団+赤髪海賊団+百十海賊団+ビッグ・マム海賊団+クロス・ギルド及び呼びかけに応じた海賊達)&革命軍&海軍(藤虎・ガープを筆頭とした仁義を持った海兵達)という現代版「幻のグランドライン冒険記!」以上の超ドリームチームが結成し、世界政府・天竜人・五老星に宣戦布告。
ここぞというタイミングで黒ひげのアホ共が水を差すことをしてきそうだけど。 - 34二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 01:06:05
- 35二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 05:48:57
祝福もおまじないに入るかどうか
- 361ver5.622/09/14(水) 10:46:51
夢を見ていた。とても幸せな夢。大切なあの人と会える夢。笑いあえる夢。手を握れる夢。嬉しかったな。あとは…夢でもいいから歌えれば言うことはなし、まぁ無理なんだけどね。
研究員たちの呼び声によって起きる。ここ最近はずっと寝てばかりだった体の節々が痛い…なんてこともない便利な体になったもんだ。あーあ、ずっと夢の中に居たかったな。
私は心を閉ざしていく。今見た夢を宝箱にしまうように大事に鍵をかける。決して見つからないように。
「今日はどこで“ライブ”をすればいいんですか?」
あの初ライブからどれだけ時間が経っただろうか。もうわからない。それでもあれから何度も“ライブ”をさせられた。何度も何度も何度も何度も。歓声も声援もない一人っきりの“ライブ”。コーラスは銃声、バックダンサーは私が操り互いに殺しあう人たち。非加盟国、海賊、革命軍、多くの人たちに私の歌を聞かせた。けれど、最後まで聞いてくれた人はいなかった。
『今日はシャボンディ諸島で歌ってもらう』
シャボンディ諸島。前海軍本部の近隣にあった巨大な樹木によって作られた島らしい。どう考えても世界政府のお膝元。ここで歌えと?ついに海軍は堕ちるところまで堕ちたんだね。って、これ以上堕ちる何かがあるわけないか。海軍にも、私にも。
どうせ私も同罪なんだ。逆らうことなんてできはしない。
「シャボンディ諸島は多くの海賊が集まる場所ですからね。海賊を標的に実験を行うんですか?」
『実験……?あぁ、違う。今回は上からの命令だ。大衆向けのただのライブを行え』
「は…?」
ただのライブを行え?兵器に改造された私に?大量殺人犯になり下がった私に?自分で歌うことさえできなくなった私に、今更みんなの前で歌えと?
どの口が言ってんのさ!!!!
『パフォーマンスだよ。音楽兵器だと醜聞が悪いだろ?あくまでお前は表向きには、海軍広報音楽隊の“歌でみんなを幸せにしたい”歌姫UTAだ。よかったな、もともと海賊嫌いだったんだろ?海軍が籍をお前のために作ってくれるってよ』
いらないいらない!!誰がそんなものくれと頼んだ!!誰が海軍に入りたいって言った!!
『そういうことだ。お前は余計なことを考えず、ただ笑いながら民衆に向けて歌えばいいんだ。よろしく頼んだぞ歌姫』
そう言い残して研究員たちは部屋から出ていった…。
ワタシハヘイキ?ソレトモウタヒメ? - 37二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 10:56:41
- 38二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 10:57:31
このイッチの曇らせ力・・・
まいった、ちょっとかてない - 39二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 10:58:08
回想パートの胸糞でストレスを溜める段階
反撃パート待ってるよ - 40二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 11:03:10
- 41二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 11:10:09
海軍に強制されてるとはいえ、自分が犯した罪があまりにも重すぎて、仮にルフィに再会出来たとしても
「ルフィ、助けて」じゃなくて
「ルフィ、助(こ◯)して」
って言ってもおかしくないだろ、これは…… - 42二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 11:13:34
- 43二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 11:43:03
ちょっと違うけどバガレンのニーナを思い出しちゃった。ここから死ぬ以外に救いがあるんですか?
- 44二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 11:44:10
1が死は救いじゃないと言った上で救いがあると言ったんだ。信じろ。
- 45二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 13:02:39
全部ベガパンクが悪いから(震え声)
- 46二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 18:13:43
晴れない曇らせのまま落ちないでくれ……!
- 47二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 20:52:37
保守
- 48二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 22:33:51
シャンクス、ありがとうございました
- 49二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 23:22:00
死なないなら植物状態でこの世の苦しみから解放されて救われるENDかな?
- 50二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 23:22:41
インペルダウンにぶち込まれる楽しみにしておいてください!
- 51二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 05:54:45
ホシュホシュの実
- 52二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 06:43:05
たのむ!晴れてくれ!
- 53二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 06:51:50
最低なんだこいつ!
- 54二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 13:00:32
やはり曇らせるだけ曇らせて即退散とは
- 55Part1の>>58だよ22/09/15(木) 13:15:01
Part1でシーザー介入のウタを救済するSSを書いてるものだよ。
続きを練ろうと色々してたら、Part2いってて驚いたよ。
そして曇りが全く晴れてないことに驚いたよ。
短いけどこれから(私の中で)曇りが晴れる前段階を書いたので少しでも救われたらうれしいよ
曇りが晴れるときその1――地獄を見たシャンクス!!なんでだよぉお!!
かつて親に置いていかれたとき
――地獄を見た
気をつけろ!ウタは化け物だ!!
自分がエレジアを滅ぼした悪魔だと知ったとき
――地獄を見た
やめて!それだけは!お願いだから!!!
歌手の命と言える喉を奪われたとき
――地獄を見た
やめて!!やめて!!なんで...
自身の能力のせいで罪のない人達が死んでいったとき
――地獄を見た
――地獄を見た
――地獄地獄地獄地獄地獄地獄地獄地獄地獄地獄地獄地獄地獄地獄!!!!
...幼馴染との誓いも新時代のマークも、自分のアイデンティティも無くした。
もうこれ以上の地獄はないと思った。
...そう思ってたのに
「お前、ウタだろ!俺だよ俺!!」
その幼馴染と仲間達を自分の手で殺すことになるなんて
――嗚呼、もし次に目覚めるときはどうかこの地獄が少しでもマシになりますように...
もうワタシからなにも奪わないで
「ウタ!起きてくれ!もう大丈夫だ!!」telegra.ph - 56二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 14:58:56
🐲🔥🍲🔥
- 571ver5.622/09/15(木) 17:13:46
(1/3)
シャボンディ諸島に到着した私は護送車に乗せられて連れていかれた。観光地として有名らしいけど、当然観光なんかできるわけもない。
名目上この慰安ライブは海軍の音楽隊による突発ライブだ。そのため会場を用意するのではなく路上ステージが私、PX-UTAではない歌姫UTAの初ライブとなる。これ見よがしにステージの背景には海軍と世界政府の旗が掲げられており、道行く人たちは何か始まるのかと遠巻きに眺める人たちも少なくはない。もっとも誰もこれから私のライブが始まることを知らないだろうけど。
私はこれに勝手に競争心を抱いた。ここで周りを引き付ける魅力がないのであれば、私は歌姫ではなくただの音楽兵器に過ぎないのだと言われているように感じるからだ。確かにもう私の歌はない。
それでも…このライブは私のものだ!!
「みんな!!初めまして、UTAだよ!!」
私は被っていたマントを脱ぎ棄てて、海軍が用意したライブ衣装で身を乗り出す。突如として現れた私に周囲は驚いた反応を示すが、当然歓声を上げる観客はいない。私の所属と今日のライブの趣旨の説明を行っていくがいまいち掴みはよくない。やっぱり歌で掴むしかない。そう考えていた時だ。
『おい、あれウタじゃないか!?』
『本当だ!髪色とか変わってたから一瞬わからなかった!』
心臓が握られる感覚に襲われた。数名の歩行者が私を指さして驚いていたのだ。
『なに?有名な子なの?』
『ほら、一年前くらいに姿を消したウタだよ!新時代を歌ってた!!』
『そんな子がいたんだ』
『無事でよかった。海賊嫌いって言ってたからてっきり海賊に…』
『なんだ、海軍の音楽隊に入ってるのってそういうわけなんだ!』
私のこと、覚えてくれてる人たちがいたんだ。それだけで私のほんの少しの勇気をくれる。私は口元を押さえ、涙を流すのを堪えた。ずっと笑顔でライブを行うこと。これが命令だからだ。数名の気づきはやがて他の歩行者たちにも興味をひかせ、いつの間にか路上ステージには人の輪が作られていた。もちろんこれだけの人数では足りないが。歌を聞いてくれる人がいる。それだけで……。
今更私に誰かを笑顔にする歌が歌えるの?
うるさいうるさい!
私は脳内に過ぎった言葉をかき消すようにマイクを握った。
「それじゃみんな!盛り上がっていこうね!!!」
『『『うぉおおおお!!』』』 - 581ver5.622/09/15(木) 17:16:12
- 591ver5.622/09/15(木) 17:25:25
>>57 (2/3)
私は海軍が指定した歌を歌いあげる。悔しいがいい曲だし、ライブの演出も路上ライブにしては力を入れている。何より自分の体を思い通りに動かすことでライブを盛り上げられている自覚はある。忌々しい。
それでも、歌い始めてからみるみるうちに人の輪は大きくなっており、歓声も段違いになっていた。みんな笑顔で私のライブを聞いてくれている。手を振れば振り返してくれる。合いの手を入れてくれる。
私、これからも歌っていいのかな。このライブが、このライブが成功すれば。…もう、兵器として歌わなくてもよくなるかな。そんなこと無理なことは私が一番わかり切っている。それでもこの一瞬だけは、PX-UTAじゃなくてウタとして歌えているはず。
ようやく一曲目が歌い終わる。その瞬間、大歓声が生まれた。老若男女問わず、わたしの歌に拍手を向けてくれており、笑顔があふれていた。こんなライブ、久しぶりだった。
(そうだ、あの人たちも久しぶりの私のライブ、喜んでくれたかな?)
私に勇気をくれた。UTAではないウタを覚えてくれていた人たち。今回のライブはあの人たちに向けて歌ったところもあるんだから。私はPXの力を生かして飛び上がり、上から一望する。
しかし、彼らの姿はなかった。
「なん…で」
いや、いないというのは語弊がある。彼らの姿は確かに確認できた。観客の輪の中ではなく。離れた路地で、海軍からお金をもらっている彼らの姿が…。このときの私はサクラというものを知らなかったが、ウタのことを声に出していた人たち全員が海軍からお金を貰っていた事実になんとなく理解してしまった。彼らはお金でウタのことを呼んだにすぎないのだと…。
『『『U!T!A!U!T!A!』』』
地面に降り立った私に、周りの民衆はコールを送ってくれる。けど、これはウタにではなくUTAに送られているもの。人殺しの歌に送られた応援。もう、ウタの歌を愛してくれる人はいない。ここにいるのはUTAを愛している人たちだ。
「あ、あ“ぁ……」
私の足元には死体が積みあがっている。積みあがった死体をステージに歌っている。
「皆、私…わ“たし!!」
『『『U!T!A!U!T!A!』』』
「ッ……さ、最後まで盛り上がっていこうね!!」
『『『わぁああああああああ!!』』』
もう、歌なんか嫌いだ。そう思いながら私―UTA―は歌い続けた。
- 60二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 17:28:12
人心
- 61二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 17:30:03
なぁ晴れるのかい…?
- 62二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 17:36:15
- 631ver5.622/09/15(木) 17:36:20
(2.5/3)
『最高だったよ!UTAのライブ!!』
『素敵だったわぁ。あなたの歌に勇気を貰った!!』
「ははっ……ありがとう、ございます」
およそ一時間に及ぶライブはさらに盛り上がりを見せ、一曲目が終わったときに比べて数倍の人の輪が出来上がっていた。みんな歌い終わった私に感想を投げてくれる。けれどUTAの歌を褒めてくれる、それは私にとってはあまりにも残酷なことだった。ウタを知っていた人達は海軍の自演だった。はぁアホらしい…。
『明日はソウルキングのライブがあるっていうのに、こんな歌姫にも出会えたなんて最高だよ!!』
「…ソウルキング?」
『今話題沸騰中の人気ミュージシャンだよ!!』
そう言った一人が懐からチラシを一枚見せてくれた。そこには面白い骨の写真が載っていた。いや、なんでアフロ?この人もミュージシャンなんだ。いや、“も”って言い方はこの人に失礼か。見れば、観客の中にもこのソウルキングのグッズを持ってる人が多くおり、明日のライブを待ちわびている様子が見て取れた。
『歌姫UTA、お時間です』
「あ、はい。このチラシ……」
『あげるよ!興味津々で見てたし、UTAちゃんもソウルキングのこと興味あるんでしょ!!』
「え、あ、ありがとう……!」
チラシを受け取った私は護送車の中に連れ込まれ再び軍艦へと運ばれていく。そんな中、チラシを眺めていた私に研究員の一人が声をかけてきた。
『何のチラシを眺めている』
「ソウルキングってミュージシャンのチラシだけど、なんですか?チラシを眺めるのも禁止ですか?」
『っ、兵器の癖に可愛くない女だ』
兵器扱いなのか、女扱いなのかはっきりしなよ。
そう言えば、ここに連れてこられてから誰かのライブなんて聞いたことがなかったな。
- 641ver5.622/09/15(木) 17:39:18
(3/3)
今日のライブの鬱憤もあった私は思い切ってわがままを言った。
「ねぇ……私、このライブ聞きに行きたい」
『は?何を言っている。ダメに決まっているだろ』
「PX-UTAの性能向上のためのデータ収集になると判断します」
無理を承知でそれっぽい言葉を並べてみると予想外に、研究員たちが話し合い始めた。
え、言ってみるもんだね。
『いいだろう。チケットの入手は無理だが、裏方からなら聞かせてやるよう手配する』
「…断られると思った。私にそんな自由をくれるなんて」
『我々もソウルキングの名は耳にしている。そのデータが取れるのであればお前の癇癪に付き合ってやるのもやぶさかでない。当然監視はつけさせてもらうがな』
珍しいこともあるんだね。それにしてもソウルキングか…なんだかルフィが好きそうな面白い骸骨だなぁ。
どんな歌を歌うんだろう、そう思いながら私は眠りについた。
- 65二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 17:48:50
- 66Part1の>>58だよ22/09/15(木) 17:58:24
シーザー介入ウタ救済SSの人だよ。
ベガパンクについて色々調べたら、いくらなんでもここまではやるかなー?って思ってベガパンク救済+ウタちゃんを改造したやつらに天誅くだすSSを書いたよ。
自己解釈が多いので気をつけてね。
ある愚かな研究員達の話PX-UTAについて少し話をしよう。元々PX-UTAは現在運用されているパシフィスタのプロトタイプとして制作された。
元々ベガパンクはウタウタの力を持つ人間を改造人間にし世界平和に貢献しようとしていた。
しかし、彼は気がついた。
世界平和のためにこれ一体だときつくね?あれつーかこれ悪魔の実の量産ができないと無理だな。
これに気がついた彼は直ぐに計画を中止し、パシフィスタを別の形に完成させることを目指した。
ここで、ベガパンクはミスを犯してしまった。
――破棄する予定の計画書を別の研究員...よりにもよってシーザー派の研究員達に渡ってしまったのだ。
シーザー派の研究員達は少し前にシーザーが追い出され自分達の扱いが悪くなっていたことに不満を持っていた。
そんな彼らに計画書が渡るとどうなるか?
答えは簡単だ。
ウタウタの能力者を見つけたら、この計画を実行し、ベガパンクを見返してやる。
彼らにはそんな気持ちがあった。
もしこの場にシーザー・クラウンがいたら、彼はこう言うだろう。
『ベガパンクの野郎の計画書があっただぁッ!?捨てろ!!そんなもん!!俺はぁそんなもの頼らなくてもアイツ以上の兵器を作れる!!!』…telegra.ph - 67二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 19:12:17
乙
- 681ver5.622/09/15(木) 19:22:21
続きはまた明日書きます
- 69二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 20:07:39
ほしゅ
- 70二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 00:51:03
ほしゅ
- 71二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 00:59:04
ここからソウルキングに会わせるの人の心案件すぎるだろ。
相手はガチの魂を揺さぶる演奏をする男だぞ…… - 72二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 07:08:14
保守
- 73二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 15:46:29
ほっしゅ
- 74二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 21:40:11
ほ!
- 75二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 02:03:23
保守
- 76二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 07:55:13
保守
- 77二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 14:36:49
ほしゅ
- 78二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 21:34:52
保守
- 79二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 01:54:44
ほ
- 80二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 07:10:45
🍢そろそろふやけてきた
- 81二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 15:13:02
続きがないなら…他のやつが書くしかないよなァ…? 🐊🖊
- 82二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 16:35:21
スレ主〜!このままじゃ雨の降りすぎで洪水が起こっちゃうよ〜カームバッッッック〜!
- 83二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 20:14:47
スレ主ー早く来てくれーーー!!
- 84二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 01:41:05
救いが…このウタちゃんに救いが欲しいんです!
- 85二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 01:59:40
どうか幸せになってほしい
- 86二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 11:20:08
ほしゅふは
- 87二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:25:43
はい保守
- 881ver5.622/09/19(月) 19:46:29
ライブを見せてくれるとか言っておきながら、結局いつも通りの検査や実験を行っていたらライブの時間に大幅に遅れてしまった。まぁ初めから期待はしていなかったが…。
護衛という名の監視員数名に連れられて会場に着いたときには、会場の熱気は最高潮にまで盛り上がっており、アンコールの掛け声が響き渡っていた。どうやら次が最後の一曲らしい。最後列ではあるものの、段差がある分よく見えた。
「どうせなら、最初から聞いて居たかったな…」
私がそうつぶやくと、視界の端に見覚えのあるマントを羽織った人影が見えた。あれは海軍?どうしてこんなライブ会場に。ソウルキングの護衛、な訳ないか。となると誰か海賊でもこの会場に紛れ込んでいるのかな。今の私には関係ないけど。
そうこうしているうちに、ステージ上にライブ衣装に身を纏ったアフロの骸骨が現れた。
「待たせたんだぜ!Everybody!!」
『『『キャ~~~!!!』』』
あれがソウルキング、なんて言うか圧倒される何かを感じた。うん、ルフィなら間違いなく一目で仲間にしたいというようなそんな面白そうな骸骨さんだった。彼はギターを一鳴らしすると、軽そうな口を重たく開いた。何か重要そうな発表でもあるのかな。
私自身もなぜかその言葉を聞き逃すまいと耳を傾ければ、隣から銃声が響き渡った!?
「ライブを中止しろ!!」
さっきの海軍!?どうして!?観客にも動揺が走る。その疑問はすぐに海軍が教えてくれた。ルンバー海賊団副船長代理!?ソウルキングは海賊だった?って何その手配書、骸骨じゃない!データデータ、懸賞金3300万ベリー、鼻歌のブルック…。確かに骨になったらあんな顔かもしれない。ん?データにまだ続きが……え。
『加えて現在は!海賊麦わらのルフィの仲間であるという情報も入っている!!』
あの人が、ルフィの仲間? - 89二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:47:51
続きキター!
- 901ver5.622/09/19(月) 19:48:00
すまない、RED三回目を見に行ってから
ずっと俺はなんでウタちゃんをこんな目に合わせてるんだ?
ってスレ主も曇っていた…… - 911ver5.622/09/19(月) 20:05:05
会場中が不安と驚愕に包まれていた。当然だろう、みんなのソウルキングが海賊であったなんて知れば。それもルフィ…あの麦わらの一味であるならば。確かにデータには、2年前のシャボンディ諸島の一件で、ソウルキングらしき骨の船員も確認できた。本当に彼が麦わらの一味の音楽家なんだ……。
『でもよ、麦わらのルフィは死んだって…』
そうだ。真実がどうであれ、ルフィは死んだものだと思われている。二年間も表舞台に出ていないのだ。当然だろう。私は信じたくない思いから、既に意味をなしていない心臓部分をぎゅっと握りしめた。
ステージ上では、おそらくソウルキングのマネージャーらしき人たちが揉めていた。当然だろう、これだけのスターが全てを台無しにしたんだ。少なくとも彼らはもう終わりだ。もちろんソウルキング自身も。
せめてルフィの仲間の最後をと、目を逸らさずにいれば、ソウルキングがともに舞台に立っていた仲間たちに何やら声をかけていた。そしてピックを手に持つ。まさかこの状況でライブを続けるつもり?無茶だ。他の人たちだって演奏してくれるわけがない。
「大丈夫、私の音楽は“力”を得たんだぜ」
音楽が力?何さそれ、ソウルキングも私と同じようにウタウタの実みたいな悪魔の実でも食べたの?
「一味においては、冒険を盛り上げるのが私の務め…!」
そうだね。海賊は歌うんだ。どんな宴も音楽家がいなくちゃいまいち盛り上がれない。仲間と喜びを形にする、それが音楽家の役目。……わかってるじゃん。
「“麦わらのルフィ”死亡説?バカバカしい、世界に伝えてくれだぜ!」
そうだよね、決まってるよね。
「海賊“麦わらのルフィ”は生きている!!!」
ル“フ”ィは生きてるんだね、ソウルキング!!
- 921ver5.622/09/19(月) 20:42:02
「いずれ世界の海の“王”になる男…!!奴の船出にィ静けさなんて似合わねェ!!OH BABY!!」
ソウルキングのビートに観客が盛り上がる。何でさ、彼は海賊。それなのに、彼の何がここまでみんなの心をつかんでいるの?
「最後のソウル!聴いてくれ!!YEAH!!」
『馬鹿者、ライブは中止と!』
海軍が彼のライブを中止させようとすると、周りのファンが海軍に立てついてまで彼のライブを妨害させまいとしていた。
『黙れ海軍!』
『もう一曲聴かせて!彼に歌わせてあげて!』
『そうだ!ソウルキングが何者だろうと構わねェ!』
「ホラ音楽は味方です!!」
何でよ!どうしてさ!!なんでみんな海軍に逆らってまで彼の歌を聞こうとするの!?
私は昔の癖を思い出すように足で何度も地面をたたいていた。
彼は悪魔の実の力で観客を操っているわけではない。私と違う。ただ純粋に、観客が彼の歌を聴きたいと動いているのだ。
何であの人はあんなにも楽しそうなの!自分が捕まるかもしれないって時に歌えるの!?
どうして…。
どうして、私はあんな風に歌えないの…。
- 93二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 20:43:04
改造されちゃったからね(無慈悲
- 94二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 20:43:20
ひかえめにいってかわいそう
- 951ver5.622/09/19(月) 20:43:48
「“NEW WORLD!!”」
「あっ……」
新世界、そう意味する彼の歌。
新時代、そう意味した私の歌。
「あ“、あ”ぁ……」
いつの間にか忘れていた。魂が震える歌。
ルフィとシャンクスが褒めてくれた。みんなでバカしながら笑いあった宴。
彼の隣にいたマネージャーたちは銃を下ろしていた。ソウルキングと共に演奏する人たちは人生最高のライブにしようとしていた。皆が皆、ソウルキングの最後の歌を魂に刻み込もうと盛り上がっていた。
いくら完璧な音程、完璧なリズム、完璧な歌を歌おうとも彼には絶対勝てない。
だって、だって、自分が楽しいと思えない歌で誰かを笑顔にすることなんて絶対にできないもん!!!
歌いたい!!わ“た”し“も、私も彼みたいに……!!
私は自分の喉を何度も何度も叩いた。
痛くはない。それがとても痛い。
「あ“、ぁぁああああ”あ“あ”あ“”!!!!!」
私の慟哭は、彼への声援と共に消えていった。
そして彼も、ファンへの最後の歌声とともに消えていった。
○◇○
今日はここまで
- 96二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 20:45:14
バカ野郎!貴方がしっかりと救いのある終わりまでやってくれないと僕たちも曇るんだよ!
- 971ver5.622/09/19(月) 20:46:39
保守してくれてた皆さんには感謝しかないぜbaby!
ゴハッ(吐血) - 98二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 20:52:49
あーあ。
ルフィの船には世界最高の音楽家が乗ってるね。
上位互換だね。
あーあ。 - 99二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 20:54:10
- 1001ver5.622/09/19(月) 20:58:19
- 101二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:00:53
- 102二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 00:58:43
保守しとくぜ
- 103二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 06:12:51
新時代と新世界、ほんとひどい
- 104二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 11:30:16
保守!
- 105二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 19:40:40
保守
- 106二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:01:33
保守
- 107二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 06:11:38
保守
- 108二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 14:30:31
保守
- 109二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 19:37:35
改めて読み返したが、アームカバー雑に捨てられてるのホントしんどい
- 110二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 00:00:10
保守
- 111二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 05:32:41
Keep
- 112二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 13:05:18
保守
- 113二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 18:20:05
先生‥この曇りはいつ晴れるんですか?
- 114二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 19:10:33
保守
- 115二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 00:16:33
ほっしゅ
- 116二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 08:11:02
ほ
- 117二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 15:52:11
保守
- 118二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 18:39:00
- 119二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:46:00
一応保守
- 120二次創作好きの匿名さん22/09/23(金) 23:16:40
保守代わりのバッドエンド『トットムジカ』
細かい設定は個々人の裁量に任せる自己満足ですがお目汚し失礼します。
絶望の中を微睡むウタ。家族を失い、夢を失い、歌を失い、彼女には罪と絶望だけが残った。死ぬことも許されず兵器としての生を強要される日々は彼女にとって耐え難い苦痛であった。
せめて、何も考えないようにと意識を空想の世界へ飛ばすことだけが彼女の楽しみであった。つまるところ、単なる現実逃避である。
空想の世界はどこまでも彼女に優しい。彼女の髪は憧れの父シャンクスを思わせる赤色と、遠く離れた幼馴染ルフィの純真さを思わせる白色の2色で彩られる。彼女の左腕には新時代の象徴のついたアームカバーがつけられ、身につける衣装は彼女が好きだった食べ物やキャラクターのワッペンが盛られたフード付きのパーカー。その下には彼女の魅力を増すワンピース衣装を身につける。その体は傷はおろかシミ一つ無い綺麗な肌。
そして、好きなように好きなだけ歌を歌うんだ。
『新時代』だけじゃない。今まで聞いたことのある様々な名曲を自分がカバーする。自分だけの新しいオリジナル曲だって作れる。だって歌えるんだ!自分の意志で自分が歌いたいように、自分の癖を出して歌えるんだ!
空想の世界で歌を唄う中で、一人の観客がやってきた。小さな子供だ。着ている服から察するに、女の子のようだ。彼女は古ぼけた楽譜を体全体で抱きしめながらウタの歌を聴いている。
リズムに合わせて体を揺らし、キラキラとした目をウタへ向ける。
そんな観客の姿にウタはこみあげてくるものを感じていた。それは、彼女が歌を唄う原初の理由。
ウタは彼女に感謝を感じてこう言った。
「ねぇ、何かリクエストとかある?何でも歌ってあげる」
「ほんと?」
じゃあ、そう言いながら彼女は持っていた楽譜をウタに託した。そこに書かれた旋律はウタにとって既知のものであった。 - 121二次創作好きの匿名さん22/09/23(金) 23:17:07
『TOT MUSICA』
あの日もそうだった。エレジアの国中へ自身の歌声を届けたあの日も、その楽譜は現れた。自分を歌ってほしいと、願うように。
強制されることはなかった。
あの日のように、ウタは自分の意志で歌った。誰に強制されるわけでもなく、ただ歌った。
あの日のように、何が起こるのかも知らず。
瞬間、現実世界のウタに異変が発生した。彼女を強大なオーラが包み込み突風が巻き起こる。
周囲の人間が軒並み吹き飛ばされ誰も近づけず、ただ時間が過ぎることを待つしかなかった。
手も、声も、信号も、銃弾も、彼女には届かない。
空が割れ、大地が悲鳴を上げた時、絶望を体現せし存在は見参した。
トットムジカの楽曲は、唯一ウタワールドから現実へ干渉することが出来る歌である。
ウタの空想の世界とウタワールドを繋げることで、発動条件を満たしたのだ。
魔王トットムジカは負の感情より生じる。ウタウタの実の能力者が負の感情に支配されている状況は、魔王にとって多少の融通を利かせるには充分であった。更に僥倖な事に、蹂躙すべき多くの人間が能力者の近くにいる。
ウタは守られており、手出しはできない。
ウタは現実世界では自分の意志で歌を歌えないため、ウタワールドにはウタだけがいる。
完全無欠にして堅牢堅固。
魔王は誰にも止めることができず、ただ愚者を滅するのみ。
魔王の進撃は止まらず、後には何も残らない。
負の感情の集合体たる魔王を討伐し歌姫を救い出す勇者など現れない。 - 122二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 04:56:59
- 123二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 05:01:36
やっぱムジカヤベーわ
- 124二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 13:22:01
また一つバッドエンドができてる…
- 125二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:56:47
保守
- 126二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:16:34
保守…続け…
- 1271ver5.622/09/25(日) 00:21:43
- 128二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 01:33:27
それは面と向かって(排除対象)なのか?それとも影から見る(不意打ち)なのか!?
- 129二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 01:57:26
>>127きたかっ!
- 130二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 07:03:16
wktk
- 131二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:06:23
期待待機
- 132二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 16:36:07
保守
- 133二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 23:20:20
ほし
- 1341ver5.622/09/26(月) 00:19:49
『応答しろ、応答しろPX-UTA!』
誰…もう放っておいてよ。私はもう、歌いたくない、歌いたい、歌いたくない、歌いたい、うたいたくないたいないたいないたいないたい……。
『海賊麦わらのルフィを発見した!!』
ルフィ……?ルフィがここにいるの……?
『偽物騒動があったが本物だ!本物もこのシャボンディ諸島に来ていた!!』
そう言えばソウルキングが言ってたっけ。ルフィは生きてるって。そっかここで、二年前にバラバラになったシャボンディ諸島で合流するからここに来てたんだ。まぁそれを知って私にどうしろっていうのさ。
今更どんな顔してルフィに会えばいいのさ。ルフィだってきっと私のことなんて覚えてないよ…。
『旧型のPXが麦わらに一撃でやられやがった!!』
すごいね。本当に二年間で強くなったんだね。きっと私でも勝てないくらい強く。なったんだね…。いや、そんなことないか。ウタウタの実の力を使えば……。誰も私を…。
『これはチャンスだ!麦わらをお前が仕留めれば再び研究が!!見ろ、あそこに麦わらが!!』
五月蠅い五月蠅い!!ほっといてよ!!私はもう歌いたくないんだ!!誰も私の歌を聴かないんだ!!
向こうから絶え間なく流れてくる音声。戦闘音。そして指令。その全てが私の神経を逆なでした。もう私は何もしたくない。だって聞いちゃったんだもん。音楽の力を。音楽をこよなく愛する人たちの叫びを。
私には…私にはもう!!あの人たちみたいに音楽を愛せ、愛せなッ――。
『海賊王に!!俺は!!なる!!!!!』
その声だけが全ての雑音を突き破って私の耳には聞こえた。 - 1351ver5.622/09/26(月) 00:23:06
私はいつの間にか走り出していた。42番GR。そこにルフィたちの船がいるって言っていた。研究者の五月蠅い指令が響くが、どうせ麦わらのルフィを捕まえろだとか早く向かえだとかそんな命令だ。
うるさい、わかってる。あんたに言われなくたって、私は走ってる。走って走って走って。42番GRに向かっている。
行ってどうなる。そんなの知らない。
ルフィは私のことなんて覚えてない。そんなことわかってる。
くそ!なんで!何でさ!相手はPX-UTAの敵!
涙は流れない。心臓が高鳴ることもない。
それでも、それでも、ルフィの声を聴いてしまった!!
それだけで私は走る価値がある。
どうやら他の海軍の舞台は謎の集団に襲われて42番GRには向かえていないようだ。けど私は今回私服で目立たない格好をしていたためか妨害されることはなかった。
こんな時だけ体中を改造された脚力が役に立つ。恨めしい。でもそれでも走った。
そして――。
「あれが、ルフィたちの船。サウザンド・サニー号」
私は42番GRの海岸までやってきていた。
- 136二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 00:28:36
待ってた
- 1371ver5.622/09/26(月) 00:37:44
強化された視界は確かにそれを見つけた。
8人の仲間、個性豊かな彼らに囲まれ、高らかに笑うあいつの姿を……。
「ル“フィ”ィィ……」
そこには麦わら帽子を被った元気な青年。麦わらの……ううん、ルフィがいた。
手配書よりも大人っぽくなってるし、子供のころに比べれば見違えた。でも見間違うはずがない大切な人。
私はルフィに呼びかけようと手を伸ばし……その手を反対の手で掴んだ。
今更私がルフィを呼び止めて何になる。私はもう赤髪海賊団の音楽家じゃない、PX-UTAなんだ。ルフィたちの…敵なんだ!!
今更私がルフィになんて声をかければいい?この血に塗れた声で!ルフィたちが褒めてくれた歌声を歌えないこの喉で!どんな顔して会えばいいんだ。
……なんで、私ここまで来ちゃったんだろ。
いつの間にか、足の力が抜けていた。ルフィの声が聞こえた。だから来た。当然だ。だって大切な人なんだもん。もう二度と会えない幼馴染かもしれないんだもん。これが最期かもしれないんだもん。
そうだ、私は……。
「私は最期にルフィを見に来たんだ」
会いたいなんて贅沢は言わない。遠目から見れるだけでそれだけで十分なんだ。
だって、あいつはそこにいる。海を隔ててそこにいた。
仲間たちと笑いあい、新しい船出に胸を躍らせるその様はシャンクス達みたいで。……やっぱり歌いたいなぁ。
会うことも、しゃべることもできない。ルフィから認識されることさえされない。それでも彼の船出に歌ってあげたかった。
違う、一目見れただけで十分じゃないか。むしろそう、こう考えよう。私は。
私は歌わないためにこの海岸線までやってきたのだと。
- 138二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 00:42:33
ルフィ気付けぇぇぇ!!!
笑ってる場合ちゃうぞアホンダラァァァ!!! - 1391ver5.622/09/26(月) 00:54:03
『PX-UTA、何をしている!42番GRに着いたのはわかっている!早く歌え!』
あぁもう、本当に水を差すことしかしない研究者共だ。私は歌わないったら歌わない。そう決めたんだ。だって――。
「野郎どもおおおおおお!!!」
この船出はルフィが自分たちの手で飾るものだと知っているから。船の向こう側では軍艦と赤い船がなんかドンパチやってるけど、多分ルフィの船が出るまでの時間稼ぎだろう。ならルフィたちもすぐにでも魚人島に向かうはずだ。
『お前、まさか命令に逆らう気か!?』
当たり前じゃん。大切な幼馴染とあんたたちどっちの方が大事かなんて決まってるじゃん。
「帆を張れえええええええ!!!」
行け!行け!ルフィ!新世界に!!約束を覚えててくれてるかはわからないけど、大丈夫。いっぱい辛いこと楽しいこと、いろんなこと。そういうの全部経験してきたルフィなら作れる。私の代わりに作って新時代を!!
『早く!海に逃げられるより先にPX-UTAに歌わせろ!!』
外部からの通信により、私の喉が無理やり歌わされそうになる。知ってるよ、あんたたちがそういうことをする奴らだってことは!だけどさ、うん。今ならその勇気が湧いてくる。幼馴染のために、命を懸ける覚悟が。
『おい、PX-UTA、何をしている!?』
「出航だああああああああああ!!!!」
ルフィのその雄たけびと同時に私は海へと走り出した。
『改造されてるとはいえ、能力者のままだぞ!?正気か!?おい、早く脚部信号を切れ!』
もう遅いよばーか!私は、今だけはPX-UTAじゃない。ルフィの幼馴染のウタだよ!そうして私は海へと飛び込んだ。
- 140二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 00:57:25
自我取り戻せてよかったね…
おらっ早く助けられろ! - 1411ver5.622/09/26(月) 01:10:20
あぁ……苦しいな。
海に落ちて溺れるなんて久しぶりだな。
ルフィたちは無事出航できたかな。
ふふ、喉の機械が必死に歌おうとしてるけど意味ないよ。ウタウタの実の力は悪魔の実の力なんだから。海の中じゃどうあがいたって意味はない。
これが一矢報いるってやつなのかな…。うん、悪い気分じゃないかも…。
でも……、でも……。
っ、いけない。そんなこと考えるな。
もしも、なんて言葉はわたしにない。
今はあのアホ研究者たちにほえ面をかかせられたことだけを考え――あっ。
私は反射的に口を押えた。サニー号だ。サニー号が海を潜っている。
よかった、無事に出航できたんだね。
けど、けど……違う違う違う。
《―――――てかないで》
- 142二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 01:12:57
あの…まだウタちゃん見るだけなんですか…?
- 1431ver5.622/09/26(月) 01:14:21
黙れ黙れ黙れ。
サニー号の姿はみるみる内に小さくなっていく。海底を潜っていく。大海原に出るガレオン船のように……。
――あっ。
「ぉぃて」
我慢して我慢して、我慢して押さえていた手はいつの間にか外れていた。
「ぉいてかないで…やだよ」
小さくなっていくサニー号。それに重なってしまった12年前の別れ。
「ルフィ、シャンクス……おいでがないでッ!!やだやだやだ!私も行く!!一緒に行く!!おいでがないで!!なんで、なんで私だけ!!!」
能力者は泳ぐことはできない。改造手術で溺れることこそ無くなったもののそれは変わらない。だからどれだけ私が足掻こうと何も変わらない。
それでも暗い暗い海の中で、私は醜くも藻掻いてしまった。
あれだけルフィに全てを託そうと決めたのに。
サニー号に手を伸ばしながら。
置いていかないでと。
けれどその声は海に阻まれ、今はまだ。泡と消えた。
あぁ……わたしはなんて醜いんだ。
シャボンディ諸島編――おわり
- 1441ver5.622/09/26(月) 01:19:33
次から一気に時系列が飛びます。
具体的に言うとワノ国編終わったところまで飛びます。
そしてスレタイの懸賞金、つまりそう言うことです。 - 145二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 01:19:48
- 146二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 01:21:26
ワノ国かー
なんか回収されてもおかしくないからこえー - 1471ver5.622/09/26(月) 01:24:19
- 148二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 01:29:52
貴様ァァァァ!!!!!
- 149二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 01:30:25
おに!あくま!!外道!!クズ!!
- 150二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 01:32:42
やはり人の心など、どこにもないではないか・・・
- 151二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 05:29:18
鬼畜生!
- 152二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 07:49:15
- 153二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 14:11:06
- 154二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 16:03:16
- 155二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:01:32
0.01チャンくらいの可能性だと思うけど実際本編でウタのSSGが出る可能性あるなぁとこのスレ読んでて思った
シャンクスの回想的に本編時空でもいる事はほぼ確定だしウタウタの実も既に食べてるだろうし
まあ収集つかなそうだから無いと思うけどさ - 156二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 00:40:03
ウタウタの実食べてないだけの可能性も全然あるけど食べてるとしたらやっぱり政府が気付いてないだけかね
- 157二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 00:47:27
- 158二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 08:18:30
いや、元々ベカパンク自身は出ない設定で、セラフィムウタに非道なことをさせてるのは別の科学者っていうことだからこのままでも大丈夫な筈
- 159二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 15:43:56
保守するぜ
- 160二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 22:52:52
スレを保守して、君を待つ!!
- 161二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 23:07:15
でぇじょうぶだ
PXは頑丈だから海底の魚人島で再会…してください! - 162二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 07:08:05
ほっしゅ
- 163二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 07:28:47
Keep
- 164二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:10:35
保守
- 165二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 14:58:42
- 166二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 18:54:26
保守保守
- 167二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 19:03:52
再集結からワノ国までだいぶ間があるから心完全に壊れてそう
- 168二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:29:17
待て、もしかしたら思考停止と言うか眠っていて起きたらワノ国の海岸だったみたいな展開かも知れぬぞ?そうなれば…チョッパーとエンカウント出来る可能性微レ存
- 169二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 02:23:32
BADENDで逃がさねえぞスレ主
- 170二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 10:35:49
期待待機
- 171二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 19:29:35
保守
- 172二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 23:05:19
一応保守
- 173二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 05:13:52
wktk
- 174二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 12:21:14
薪を集めて待ってるぜ
- 175二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 18:24:26
🔥パチパチ
- 176二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 00:54:45
保守してなんぞの神ssに候だろうが
- 177二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 05:37:15
うむ
- 178二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 12:45:16
釜を温めて君を待つ
- 179二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 13:01:17
おい、いつになったら晴れにするんだ?
- 180二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 21:40:14
保守
- 181二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 06:10:03
続きが知りたい
- 182二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 13:38:50
ほ
- 183二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:59:35
ウタが(機械的に)壊れるまで…かな?(滝汗)
- 184二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 21:34:03
スレ主はどこに
- 185二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 05:30:10
帰還を祈る
- 186二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 12:09:18
そろそろ風邪引くぞ
- 187二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 20:04:16
ほ
- 188二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 20:24:02
おいおいこのままじゃスレのほとんどが保守で埋まっちまうぜ
- 189二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 01:17:17
クハハハ…スレ主がまだ来れないなら…
他のやつが書くしかないよなぁ?🍲 - 190二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 05:44:29
それはそうかもしれないが、埋まるのが怖い
- 191二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 12:33:10
本人に次スレ建ててもらいたいが……
- 192二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 18:59:40
戻って来てくれ…保守
- 193二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 02:20:50
一応保守
- 194二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 05:26:40
生殺しだぁ……
- 195二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 12:57:09
お願いだぁ…
- 196二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 12:59:07
続きを読みたい
- 197二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 20:50:47
保守
できれば埋まる前に本人に続きを立ててほしいが - 198二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:10:04
作者逃亡かよ
- 199二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 06:55:08
埋め
- 200二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 14:12:53
200ならウタは絶対救われて元の元気を取り戻す