水晶玉のサビにして差し上げます!(SS)

  • 1二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 22:39:48

    「という決め台詞はどうでしょうか!?」
    「ええと……」
    「……そもそも水晶ってサビないでしょ?」
    「いえいえドーベルさん。この水晶玉も拾ったときはサビだらけだったんですよ」
    「え? 水晶なのに?」
    「ええ。発掘されたばかりの水晶はいろんな汚れや他の鉱物がくっついていますからね。
     それこそサビだらけだったりするんです」
    「そうなんだ………いや、納得しかけたけどやっぱりおかしくない……?」
    「……ね、ねえ、フクキタル。拾ったってことは、ひょっとしてこれって天然物の水晶なの?」
    「ハイ! シラオキ様のお導きにより迷い込んだ洞窟で見つけたありがた〜い一品です!
     濃塩酸……は流石に用意できなくてトイレ用洗剤や何やらで頑張りましたけど、
     これだけキレイにするのに半年はかかりました……あれ、スズカさん、なんだか顔色悪くないですか?」
    「その……天然物の水晶玉って物凄く高価だった、ような?」
    「そうなんですか? まあシラオキ様の水晶玉ですからね! 高価なのも当然――」
    「……この大きさで天然物なら数億円は超えるはず。昔見たものだと5億円……だったかな」
    「ハイ? ごおく……? ごおくえん?」

  • 2二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 22:41:50

    「どっどどどどどどうしましょう! ドーベルさんっ、スズカさん! ごおくえんってどういうことですか?
     なんなんなんですか!? おいくらなんですか!?」
    「どうしましょうって言われても……あの、ちょっと、水晶玉を近づけないで? 流石に怖いわ……」
    「まさか天然物だとは思ってなかったけど……知り合いに売買できそうな人はいるから、紹介してあげようか?」
    「これを売るなんてとんでもない! とんでもないですけれどごおくえん……ああっ、手汗が、手汗がぁ……」
    「フクキタル、ここにいたのか。明日のトレーニングについてなんだが――――」
    「みぎゃっ!? トレーナーさんっ!? あっ……ああーーっ!! ごおくえん様が窓の外に!?」
    「5億円様?」

  • 3二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 22:43:21

    なんかパニックで5億円崇拝してるみたいで草

  • 4二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 22:44:03

    割れたんじゃねぇかなこれ……

  • 5二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 22:44:43

    「ふんふんふ〜ん♪ 今日は忘れ物も無かったし、オペラオーさんとも噛まずにお話できたし、
     たぬきさんもいるし、良い日だなぁ……」
    「ああっ! ドトウさん! 危なーい、避けてくださーい!」
    「ふぇっ……? きゃっ!」

    ポヨン
    トスッ
    コロコロ……
    ヴッフ…ヴッフ……

    「いたた……あれぇ……? これって、フクキタルさんの水晶玉?」
    「…………………ドトウさーん! はぁ、はぁ、ご無事でしたかっ!? ああ、怪我でもされたらどう責任を取ればよいかと……っ!
     本当にごめんなさいっ!」
    「え、えぇっと……よく分からないですけど、無事なので大丈夫ですぅ。水晶玉さんもご無事みたいですし〜」
    「それは良かったです…………ってええっ! ごおくえん……いえ、シラオキ様の水晶玉もご無事でしたか!
     三階から落ちたのに無傷とは! これこそまさに奇跡! ありがたや〜ありがたや〜」
    「ごおくえん……?」
    「はぁ……はぁ……フクキタル、降りるの、早かったわね。いまのを参考にすれば私ももっと速く……?」
    「いや参考に……しなくていいから……すぅ、はぁ。……ねえ、フクキタル。その水晶玉の事なんだけど」
    「おや、お二人共。この通り、ドトウさんと水晶玉は無事でした! これもシラオキ様のおかげ……水晶玉がどうかしました? ドーベルさん」
    「冷静に考えてみると、その、証明書が無い水晶玉はたぶんそんなに価値は無いと思う。……ごめんなさい」

  • 6二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 22:47:31

    「ええっ!? どういうことですかっ!?」
    「その、水晶って天然物と人口物の差が殆ど無いから、天然物って証明書が無いと駄目……だったはず。
     それに、その、そんなに透明な水晶が天然物というのもあまり無さそうだし」
    「そんなぁ……でも、それじゃあどうして洞窟の中にあったんです?」
    「それは…………えっと、スズカはどう思う?」
    「え、私? ……その、フクキタルのトレーナーさんはどう思います?」
    「ぜぇっ……ぜぇっ……俺……? そ、そうだな……えーっと………引退した占い師がシラオキ様のお告げで要らなくなった人工物の水晶玉を洞窟に埋めた……とか?」
    (無理があるわね)
    (無理がある……ような?)
    (よく分からないけどお腹減ってきちゃいましたぁ……)
    ヴッフ……ヴッフ……
    「…………なるほど! シラオキ様ならばそれぐらいはあり得ますね! わざわざ洞窟に運んでくれた占い師さんにも感謝しないと!」
    「……………………そうだな!」
    「……まぁ、こういうところはフクキタルの良いところね。うん」
    「そうね…………そうかしら………」

  • 7二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 22:49:25

    「あのぅ、お話しは終わったみたいですし、私はこれで……」
    「お待ち下さいドトウさん! ここであなたを返してしまってはマチカネオンシラズ!
     ここはぜひご迷惑をかけたお詫びと水晶玉のお礼をさせていただかないと!」
    「お、お礼なんてそんなぁ…………あっ………」
    「オヤ、可愛らしいお腹の音が。ここは一つ、皆さんで駅前に出来たお店にパフェでも食べに行くことにしましょうか!
     …………ええっと、それで良いですか? トレーナーさん」
    「こっちは急ぎの用事じゃないし、大丈夫」
    「………………………」
    「………あー。俺は用事があるから行けないけど、みんなで楽しんでおいで。何なら奢ってあげるから」
    「え、ホントですか!? さっすがトレーナーさん! そういうことですので、ドトウさんも気兼ねなく参りましょう!」
    「ふわあ……こんなに幸せでいいんでしょうかぁ…………フクキタルさんのトレーナーさん、ありがとうございますぅ」
    「さあさあ善は急げ福も急げ! 水晶玉のようにまんまるなゼリーの入ったパフェが待ってますよ!」
    「わわっ、フクキタルさん、引っ張らないでください〜」

  • 8二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 22:51:56

    「………別に、あなたに奢ってもらわなくても良いんだけど」
    「俺が奢りたい気分だったんだ」
    「ふんっ。………一応、あ、ありがと」

    「……えっと、君は行かないのかい?」
    「いえ、すぐに行きます………ただ、その、あまり甘やかしすぎないほうがいいと思いますよ?」
    「良いんだ。たまには」
    「ふふっ。そうですか………それでは、ご馳走になってきますね。ありがとうございます」
    ヴッフ……ヴッフ……トテトテ……

     ――後日聞いたところ、四人+一匹で食べたパフェは絶品だったそうな。



    終わりです。水晶玉のサビがトレンド入りしたらしいから書いてみた
    水晶に関しての知識とか口調とか割と適当だから間違ってたらゴメンね

  • 9二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 22:55:47

    マチカネオンシラズ好き
    そしてドーベルを配慮するトレーナーさんも素敵ですね

  • 10二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 23:09:32

    コイツら仲良いな

  • 11二次元好きの匿名さん21/10/15(金) 23:21:55

    このトレーナーさんはたぶんSSRドーベル完走してますね
    ドーベルさんはやく実装して……三人の仲が良いところもっと見せて……

  • 12二次元好きの匿名さん21/10/16(土) 10:05:30

    この娘が言いそうだなって思ったスレタイ

  • 13二次元好きの匿名さん21/10/16(土) 10:07:00

    水晶玉って調べたら直径28cmで29kgって重さも相当だなぁ
    フクキタルのは直径20ぐらい?それでも15kg前後はありそうだしそれを片手で持つとは流石にウマ娘

  • 14二次元好きの匿名さん21/10/16(土) 17:16:12

    フフ…マチカネフクキタルがいつも部屋の中で占いをしている理由が分かったよ

    屋内(億ない)とご縁があるからだな!

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