ウタ「どうすりゃいいんだ……」

1二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 16:49:58

本拠地、エレジアで迎えた初ライブ
トットムジカの暴走による発狂、なんとか抑え込むもウタによる新時代も作れず失敗だった
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年で184敗だな」の声
無言で帰り始める観客達の中、世界の歌姫ウタは独り楽屋で泣いていた
自由に歌を歌う楽しさ、喜び、感動、そして何より信頼できる仲間・・・
それを今のエレジアで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだろう・・・」ウタは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、ウタははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい椅子の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って歌のトレーニングをしなくちゃな」ウタは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、ウタはふと気付いた

「あれ・・・？お客さんがいる・・・？」
楽屋から飛び出したウタが目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにウタの応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするウタの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「ウタ、お前の出番だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったウタは目を疑った
「る・・・ルフィ？」「なんだウタ、居眠りでもしてたのか？」
「し・・・シャンクス」「なんだウタ、父親なんたから居て当たり前じゃないか」
「ゴードン・・・」　内川は半分パニックになりながらステージを見上げた
暫時、唖然としていたウタだったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつ無かった
「歌える・・・また歌えるんだ！」
ロックスターからヘッドホンを受け取り、ステージへ全力疾走するウタ、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、楽屋で冷たくなっているウタが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った