- 1◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 17:44:10
- 2二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 17:45:39
続けて
- 3◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 17:56:09
思わずため息をつく
現実逃避をしていても腹は膨らまない
辺りを見回すが植物も川の水もなんか毒々しい色をしていて、食べたり飲んだりする気にはならなかった
「それでベポさんの船はいつ頃来れるって?」
「おそらく明日には来れるって言ってたけど、あの嵐を突破できるか……」
海の方を見る
新世界でもあまり見ないような大時化だった
「アンタらの船の航海士に期待するしかないか」
「すんません、航海士おれです……」
「そっか……」 - 4◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 18:06:25
2人揃ってため息をつく
「とりあえず腹減ってたらこれでもどうぞ」
そう言って最後の一つだった干し肉を渡す
「あ、ありがとう……でもいいの?おれ海賊だよ?」
「別にいいよまだ持ってるし。ただお願いがある」
「なに?」
「脱出する時は私も連れて行ってくれ」
「もちろん!こんな島に一人で置いていったら死んじゃいそうだから連れてくよ!」
「そうか、ありがとう」
口約束とはいえ脱出できる目処がついたのは嬉しい
……それにしてもこのシロクマ全く嘘をついてないな、海賊なのに - 5◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 18:15:55
2人で海岸を散策する事にした
シロクマから森に入らないのかと聞かれたがやめといたほうが良いと思うと答えた
なんか凄く気配を感じるから正直入りたくない
特に島の中央辺りにいる化け物には会いたくない
昔に滞在していた島で出会った、いつも決闘していた巨人2人よりデカそうだし - 6二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 18:17:24
支援
- 7◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 18:23:29
シロクマがあっと大きい声をあげた
「あれ漂着物じゃない?」
指さす方を見ると幾つかの木の箱があった
何か食べ物があるかもしれない
そんな期待を持って箱を開けていく
「……これは銃か?外れだな」
銃に刻まれた印がなんか見たことあるし、入ってたリストからなんかヤバそうな陰謀の臭いがしたが今はそれどころじゃないので放っておく
後でガープさんにチクろう
「やった!こっちに飲み物があるよ!」
シロクマの声がしたのでそちらに向かう
「これは……ワインか」 - 8二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 18:24:31
この子リトルガーデンに行ったことがあるのか!?
- 9二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 18:26:03
心の声聞こえるタイプの見聞色の達人かこいつ?
- 10◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 18:28:58
正直水が良かったが贅沢は言ってられない
幸い度数は低いようだ
「6本入っているな」
「うん、そうだね!はい」
シロクマからワインを3本渡される
「……私もいいのか?ベポさんが見つけたのに」
「いいよ、干し肉のお礼!」
「そうか、ありがとう」
笑顔で受け取る
……調子が狂うな - 11◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 18:40:29
「ベポさんを見てたらなんか知り合い思い出した」
「知り合い?」
「おう、海賊になった知り合い。ほんの少しだけアンタに似ている」
「えっクマなの?」
「違う。ほんの少しだけって言っただろうが!海賊志願のくせに割とお人好しな知り合いがいたんだよ」
まあその知り合いは今元気に新聞を賑わせているんだが
多分誇張されているとはいえ、割ととんでもない犯罪を犯したバカの顔を思い出してちょっと遠い目になる - 12◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 18:45:18
最後に残った箱を開ける
「……」
閉じた
「え?なんで閉じたの?」
「いや、ちょっとビックリして……」
一度深呼吸をしてからもう一度開ける
「うわあ……現物初めて見たよ」
「え、これって悪魔の実!?」 - 13◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 18:53:01
悪魔の実を挟んで2人で座る
「はい、これからどちらがこれを食べるかの会議を行います」
「議長質問です」
「なんでしょうベポさん」
「どちらかが食べる事は決定なんですか?」
「もしかしたらこの島から抜け出せるかもしれない
能力が手に入るかもしれないので決定です」
「なるほどー」
「そんで、どっちが食べる?」
「この悪魔の実を見つけたのはミードさんだよね」
「でも木箱を見つけたのはベポさんだよな」
「「……」」
「「ジャンケン!」」 - 14◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 19:01:32
覚悟を決めて悪魔の実を齧る
「マッズ……」
「お、女の子がしちゃいけない顔してる……ワイン飲む?」
差し出されたワインをぐびぐび飲む
「ありがとう……噂には聞いてたけどマジで不味かった……死んだ近所の爺さんの顔が思い浮かんだ……」
「臨死体験してる……ワインおかわりいる?」
「いや、大丈夫だ。ありがとう」
口を拭いて立ち上がる
私は何の能力を得たのだろうか
「……なあベポさん」
「なに?」
「能力ってどうやって発動するんだ?」
「……分からない!」 - 15◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 19:16:12
昔、知り合いの能力者が悪魔の実の能力をどうやって発動させているのか聞いた事がある
『……気合い!』
全く参考にならなかった
シロクマからトラファルガー・ローの言ってたという話も聞かせてもらったが、難しくて全く参考にならなかった
2人でうんうん唸りながら試行錯誤していた時にシロクマが何かを踏んだ
「なにこr」
♬♩♫♪♫♩♬
大きな音楽がその場に鳴り響く
どうやらトーンダイヤルをうっかり踏んづけてその拍子にスイッチが入ったようだ
音楽は嫌いじゃない
しかし、今は間が悪い
森の方から何かがくる気配がする
音に反応してやってきたんだろう
私は咄嗟に音楽を止めようとトーンダイヤルに触れた
「……あれ?」
「ごめんね、音が大きすぎてうるさかった?スイッチを押してくれてありがとう!」
「いや……私はスイッチを押してない」
「え?」 - 16二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 19:17:01
見てるよ
- 17◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 19:25:18
能力を検証した結果分かったことがある
能力を使うと周囲や自分に対象が出す音が聞こえなくなるようだ
「……使えねえ!少なくともこの状況では役に立たねえ!なんだこの安眠くらいにしか使い道なさそうな能力!」
「まあまあ気持ちは分かるけど落ちついて」
シロクマに頭をわしゃわしゃされて少し落ちついた
「……すまん、ありがとう」
「別にいいよ!」 - 18二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 19:26:26
そそうくるか~
- 19◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 19:37:46
「……とりあえず、もうすぐ夜になるし焚き火でもするか」
「じゃあ何か燃えそうなの探してくるね」
「危なそうだったら戻ってきてくれ」
「分かった!」
シロクマに手を振って見送る
「はあ……何してんだ私」
頭を抱える
海賊は嫌いだ
それなのに私はあのシロクマと一緒に協力している
アイツがお人好しだからだろうか、それともトラファルガー・ローに借りがあるからだろうか
よく分からない
「とりあえず火種の準備しておこう」 - 20二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 19:39:11
あのあのあの
- 21二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 19:39:39
あっあっあっあっ………
- 22二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 19:44:03
- 23◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 19:46:27
火は嫌いだ
昔、住んでいたゴミ貯めのような場所が燃えたことを思い出す
貴族は嫌いだ
私たちが住んでいた場所も、住んでいた奴らも燃やした
新聞は嫌いだ
無力な自分を思い出す
海兵は嫌いだ
母親と産まれてくるはずだった妹を殺した
海賊は嫌いだ
ゴールド・ロジャーは嫌いだ
お前さえこの時代を始めなければ
私の母親は、妹は、アイツは…… - 24二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 19:47:48
ふぁーwwwロジャーの被害者やんけぇwww
- 25◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 19:53:52
身体を揺すられて目が覚めた
目の前になんか白いのがいる
「大丈夫?魘されてたよ?」
シロクマだ
そういえば私はこのシロクマと一緒に遭難していたんだった
「あーごめん。煩かったか?」
「ううん。大丈夫だよ」
シロクマが手を伸ばして私の頭を撫でる
思わずその手をじっと見つめた
「あっごめん。ちょっとその……友だちを思い出して」
シロクマが私を引き寄せる
「ねえ、誰かと一緒だと、悪夢って見ないんだよ?」
なぜか抵抗する気が起きずにもう一度眠りに落ちた - 26二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 19:56:51
ゴア王国のグレーターミナル住みでしたか…
- 27◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 20:00:46
懐かしい夢を見た
ボロボロの麦わら帽子の少年にお肉を分けてあげたり、
麦わら帽子の少年とその兄と一緒に酒場の女主人に勉強を教わったり、
海軍の英雄に殴り飛ばされてる麦わら帽子の少年とその兄を見たり、
麦わら帽子の兄だったらしい人のお墓参りをしたり、
そんな夢だった - 28◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 20:05:30
「ねえねえ、起きてミード!」
身体を揺すられて目が覚めた
シロクマが海の方を指さしている
「嵐が消えたよ!」
穏やかな波の海が見えた - 29◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 20:10:06
「……昨日はあんだけ大時化だったのに」
「新世界の天候はすぐ変わるからね」
シロクマが大喜びで電伝虫をかけている
おそらくトラファルガー・ローにかけているのだろう
電伝虫が終わったところで声をかける
「ありがとう、よく眠れた」
ベポは笑顔で私に答えた
「どういたしまして!」 - 30二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 20:10:51
妹さんは赤子狩りで亡くしたのか
それでエースとも知り合いなの?
やば… - 31二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 20:11:39
見てるよ
- 32◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 20:17:21
それからすぐにハートの海賊団がやってきた
彼らはベポに心配そうに話しかけて、元気そうだと分かると安心して軽口を叩き始めた
それからベポと私はトラファルガー・ローによって検査を受けた
「もしかしたら未知の病原体を持つ生き物に刺されている可能性もある」
「安心しろおれは医者だ」
そんな言葉と共に検査された - 33◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 20:26:00
別の島につくまで彼らと話をした
気のいい奴らばかりでなぜ海賊になったのか疑問に思ったが、こんな時代だ
きっといろいろあったのだろう
ガープさんに渡す予定だった武器リストはトラファルガー・ローにあげた
七武海に入りたいらしいし良い手札になるだろう
貰えないと言っていたがお礼だといって押し付けた
ルフィの命の恩人で、遭難から助けてくれた人だ
正直これでも足りない気がする - 34◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 20:34:24
島についた
彼らとはこれでお別れだ
ひとりひとりに別れの挨拶とお礼を言った
別れるのが少し寂しい自分がいることに気づいた
最後にベポの元へ行った
「ありがとう。ベポさんと一緒にいて助かったよ」
'「おれこそありがとう!」
「それじゃあさよなら」
「うん、バイバイ!またね」
「またね……か。そうだな。また会おう」
そう言って私はハートの海賊団の船を降りた
終わり - 35◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 20:41:38
これにてSSは終わりです皆さまありがとうございました
ミードはご指摘のように母親と妹を赤子狩りで無くした後にグレイターミナルに住んでました
グレイターミナルが燃えた日は偶然山に狩りに行ってたので無事でした
ちなみにエースがロジャーの息子なのはルフィがうっかりもらして知っていました
たとえロジャーの息子だとしてもエースに罪は無いと思っているので、ロジャーの息子という理由で公開処刑に踏みきった海軍のヘイトはもっと上がってます - 36二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 20:51:51
面白かった
- 37◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 20:52:15
ルフィとエースと仲良くなったのはグレイターミナルが燃えた後にサボが旅立った後をイメージしています
ガープは海兵ですが割と好き
実は剣士ですが剣は海に流されました
この後浜辺に流れついていた愛刀と再会します
人の心を読めるタイプ見聞色を使えて、距離も広いです - 38◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 20:53:49
プロット無しに思いつきで書いていたのでいろいろ拙いところもあったかとは思いますが、楽しく読んでいただけたなら幸いです
- 39◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 20:54:06
ありがとうございます!
- 40二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 20:56:42
面白かったぜ
あげてくれてありがとう
またss書くときがあったらスレ立てしてほしい - 41◆SMMAFLDZBaGS22/09/18(日) 21:03:05