先輩を忘れたマシュ｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん21/10/16(土) 11:59:43

――旅が終わりました。
異星の神は撃退され、漂白された人理は修復することが出来ました
サーヴァント達は英霊の座に帰還し、カルデアも欠けてしまった人員や設備を補填した上で再始動するそうです。
私はこのままカルデアで働く気でいましたが新所長やスタッフの薦めで学校に通う事になりました。
「マシュにはマシュの人生があるから将来の選択肢は多い方がいい」だそうです。
――しかしどうしても分からない疑問があります。
それは旅の記録。データによると「マスター候補は全滅し、マシュが代理のマスターとしてレイシフトをした。」
とありますがデミサーヴァントである私が前線に出ながらサーヴァントに指示をするのは無理があります。
それにあの個性豊かなサーヴァント達を私一人でまとめ上げることは不可能です。
私の推論では「マスターが一人生き残っていて私達と契約した」としかこの不可解な現象は証明できません。
しかしカルデアの資料やサーヴァント達を当たっても一切その証拠は見つかりませんでした。
まるで「そのマスターの記憶、存在したということ自体が忘れられた」ように……
私が行きたいと選んだ高校は何の変哲もない平凡な日本の学校でした。
何故か分かりませんが無性にそこに行きたいと、そこで「誰か」と学びたいと心が沸き立つのです。
その「誰か」とは……何でしょう？
今日は入学式が終わり、所長が用意してくれた家に帰る途中です。
電車に揺られながらうとうとしていると、黒い髪の青年を見かけました。
会ったことがないはずなのに懐かしい顔と思えました。
その青年とは初対面のはずなのに……？
彼を見て私は思わず声を掛けました。
――あのっ！どこかでお会いしたことはありませんでしたか？
彼は少し黙ってこう返しました。
「いえ、俺はあなたと会った覚えはありませんけど……？」
新手のナンパに見えてしまったかもしれない。
私は恥ずかしくなってごめんなさいと謝ってその場を立ち去りました。
入学初日で何をしているんでしょう…
……でも彼に話しかけて良かったと思う自分がいます。
――また逢えたらいいですね。