【CP注意・一応閲覧注意】ここだけ季節外れの召喚記念日のぐだ子とモルガン

  • 1二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:25:06

    かつての妖精國の女王…モルガン・ル・フェがマイルームの扉を開けて脚を踏み入れた瞬間。
    パァン!と乾いた破裂音がして、思わずその手に魔槍を顕現させようとした妖精妃は、しかしすんでのところで思いとどまった。

    「ハッピー召喚記念日(バースデー)!モルガン!」

    目の前で満面の笑みで鳴らし終わったクラッカーを構えたままの彼女──藤丸立香。モルガンの「妻」がにこやかに声をかけてきたからだ。

  • 2二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:26:18

    「……危ないことをするものです。今うっかり、」
    「私を攻撃しようとした?大丈夫、”旦那様”なら余裕で対処してくれるって信じてた!いえーい、さっすが私の旦那様!大好き!」
    「”我が妻”、顔を赤くするなら無理に言わなくても…」
    「モルガンだって」

    慣れない呼び方に赤面するのはお互い様。召喚されて1年が経とうとしているが、彼女と彼女が文字通りの『夫婦』になってからそれほど間は開いていない。
    故に、まだまだ両方とも新婚気分なのだ。もっとも1年以内であれば形式的な意味においても新婚ではあるのだが。

  • 3二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:27:30

    「──大体、召喚記念日のパーティーなら先ほど終わったでしょう」
    「もちろん。さすがハベにゃん、それにやっぱりトリちゃんもいい子!あんなケーキにプレゼント…いや私もマシュも手伝ったけど、それにキッチン組のみんなも手を貸してくれたけど。豪勢かつ上品な品々を手際よく準備してくれちゃって」

    ディナーの後にはバースデーケーキ。いつものアフタヌーンティーの時間を共にする愛娘や友人も含め、場所はカルデアの食堂で。
    ……モルガンとしては公共の場所で行うのは若干恥ずかしくもあったし、一部サーヴァントに凄い目で見られていた気がしなくもなかったが……掛け値なしに皆が慕うマスターが何よりノリノリで音頭を取って楽しんでいたのだ、少なくとも表立っての不満は無かった。
    それが終わったのがついさっき。プレゼントの靴を受け取ったモルガンがバーヴァンシーを抱きしめて愛娘が涙ぐんでクライマックスだったパーティーをお開きにして解散…のはずだった。

  • 4二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:29:24

    「そう、終わりました。ですから」
    「──だから、ここからは夫婦の時間ですよ、旦那様?」

    にっひっひ、とでも音が聞こえそうな笑い方をした少女マスターは、手を後ろに組んで伴侶に近づき……ぽふ、とその顔をモルガンの豊かな胸に押し付けるように身体を正面からゆっくりもたせかけた。そのままの状態で顔を上げ、照れと期待で光る上目遣いでモルガンの目を覗き込む。
    ふぅ、と一度息をついて…モルガンは自らの両の腕を立香の背中に回し、優しく抱きしめた。

  • 5二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:30:20

    「わー、モルガンさん、やっぱり顔が」
    「黙りなさい。あなただって人のことは言えないでしょう」
    「でも、やっぱり宝石みたいな蒼い目がいつもみたいに綺麗です。キラキラしてて…とっても…」

    妖精眼検定でも偽りナシの本音。お互いに、愛しさ余ってどちらからともなくゆっくりと口付けた。
    顔を離してもやっぱりお互いほのかに赤くなったまま。マスターとサーヴァントは見つめ合って微笑む。

  • 6二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:31:16

    「冬の女王、なんて似合わないと思います。モルガンさん、こんなに暖かいのに」
    「……あなたの熱が、うつってしまったのでしょう。そういうことにしておきなさい。こうしている今だって、リツカの高い体温で火傷してしまいそう」
    「えへへ。ごめんなさい、顔が火照ってるのは自覚してます。あなたとこうするの、まだあんまり慣れてないんです」

    しかし、モルガン・ル・フェの妻であることはしっかりと受け入れている立香だった。
    それが証拠に、モルガンにも臆さずタメ口だったのが夫婦の時間と宣言してから丁寧語に──「旦那様」へのものへと変わっているのにかつての女王も気付いている。

  • 7二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:32:27

    「その口調。前から思っていたのですが、無理をしなくてもよいのですよ我が妻」
    「この方が、夫に尽くす妻みたいでよくないですか?いつもは私がマスターであなたがサーヴァントですけど……。今は、モルガンさんがご主人様。私はその妻。ワイフ、ということで」
    「……正直に言って、多少なりとも昂るのは否定しません」

    モルガンはそう言って、えへへ良かったですと笑う殊勝な妻をみやった。
    かつての妖精国の女王は、支配欲が強い。マスターに全てを捧げなさいと言うくらいには独占欲も強い。そんな伴侶に立香は表ではマスターとして上の立場のように振舞い、しかし二人きりの時は妻としてモルガンを立てるよう振舞うと。
    己がマスターたる彼女が普段マスターたるべく振る舞えば振る舞うほど、それが逆転した時にモルガンが感じる征服感たるや。
    口には出さずとも、立香も同じく被征服感…否、「好きな人」に尽くす喜びを覚えている。モルガンに言わせれば、それが「妻の自覚」というものなのだろう。

  • 8二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:33:50

    「とりあえず…食事は終わりましたから」

    マスター(妻)たる少女は後ろに数歩後ずさり、照れ笑いのままゆっくりと自分のスカートの左右の端を両手で持ちあげて、

    「お風呂にしますか、それとも…コホン、私にしますか?ご主人様?」
    「……どこでそんな言葉を覚えてくるのですか」
    「えー、知らないんですか、モルガンさん。妻にはお約束の台詞ですよ、これ?」
    「その少しはしたない所作は」
    「……これは私なりに恥ずかしいのを堪えての精一杯のお誘いです。私の旦那様におかれましては、諸々汲んでいただけると…ありがたいんですけど…」

  • 9二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:34:53

    一度は引いた立香の顔の紅潮が再び増してきているのはモルガンの気のせいでもなんでもない。恥ずかしいなら無理にやらないでも…と思う「夫」たる彼女だが、これからするのはもう少し羞恥を掻き立てることであるので言葉には出さなかった。
    なにしろ、一糸まとわぬ肢体を晒すのだ。二人そろって。お互いに。
    モルガンの方も顔が赤くなってきているのを自覚していた。

    「…それではまず、一緒にシャワーを浴びましょう。我が妻」

    戯れにモルガンが右肘を軽く横に突き出すと、立香は勢い勇んでそこに腕を巻きつけた。そうしてまるでオフィシャルな場所にある夫婦のように仲睦まじく、腕を組んでシャワー室へと。

  • 10二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:38:44

    「『湖の妖精』、ですもんね。モルガンさんの有利な場所に引きずりこまれちゃうー」
    「……それにしても、リツカ。私は妖精であり、ヒトの男女差など愛することに対する障害になどなんらなりえませんが-
    きっとあなたが男性であろうと、私は同じように愛した自信がありますが。アプローチは変えていたとしても-この身はどうあれ女性型であることに疑いなく。女性である貴女は、私を、その…」
    「え?それ、今更言うことですか?」

    マスターの少女はモルガンの傍ら、妖精妃が目線を少し下げた位置にある自らの目を軽い驚きに見開いた後、快活そのものと言える笑みを浮かべた。

  • 11二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:39:50

    「私はそういうの、あんまり気にしないって言いますか…貴方が貴女だから良いって言いますか…好きで、愛してればまあいいやって。うーん、これ、伝わってます?……ひゃっ」

    妖精妃がそっと己が愛しい妻を抱き寄せて額に唇を落としたことで、立香の言葉はそれ以上続かなかったが、もうそれでモルガンには十分だった。

    ──彼女と自分が同じ気持ちを抱いている。たったそれだけ、確認できればそれで十分。

  • 12二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:40:55

    「つまらないことを聞きました。忘れなさい、我が妻」
    「いえっさーご主人様」

    おどける彼女と澄ました顔の彼女はそんな短いやり取りの後、何事もなかったかのように元通り。どこから見ても仲睦まじい主従…ではなく夫婦としての在り方を取り戻す。
    二人で過ごす夜、オタノシミはここからここから。
    まだ終わらない召喚記念日の夜を、夫婦として過ごすべく……腕を組み心を通わせながら共に歩を進めるのだった。

  • 13二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:41:32

    おまけ

    「……ところで旦那様だったりご主人様だったり我が夫だったり、あなたからの呼び名がちょくちょく変わるのは何故ですか」
    「どれが一番反応がいいかな、と思って。モルガンさん、好きなの選んでくれます?なんならダーリンとかも考慮しますけど」
    (…………まあ、こういうところも彼女のいいところ、でしょうか)

  • 14二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:42:20

    おわり
    少し前のモルガン×ぐだ子のダイススレに触発されての駄文です
    お納めください

  • 15二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:43:06

    素晴らしい

  • 16二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:44:08

    あのダイススレも良かったけど、成就したあとのこういうのも見たかったので……
    すごい良かったです……感謝しかない……。

  • 17二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:49:22

    ぐだ子の言動くださいその理由が良かった。
    二人の空間、貴い。

  • 18二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:59:44

    ぐだ子とモルガンいいよね

  • 19二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 22:48:30

    ぐだ子とのCPはぐだ子側こそノリノリでいてほしいのはある

  • 20二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 22:51:44

    夜はふたりのもの。
    素敵な夜を重ねてください。

  • 21二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 23:09:31

    >>18

    この立ち絵の合わせ好きぃ……

  • 22二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 08:52:20

    ぐだ子を妻として愛する女鯖ってなかなか珍しいからすき

  • 23二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 08:53:58

    >>14

    続き出ないかなあれ

  • 24二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 09:20:30

    >>23

    割と真面目に続きを待ってるけど望薄だな…

  • 25二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 09:54:38

    >>24

    保守無かったら序盤で落ちてたもんな。

    帰ってきてくれたスレ主、ダイス目、すべてがうまく回ったスレだったわ。

  • 26二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 14:55:09

    どっちが挿れるんだ?やはりモルガン?

  • 27二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 14:56:52

    >>26

    最初は夫役のモルガン、後々になってぐだ子

    最終的にはお互いがお互いの子供を…

  • 28二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:09:07

    最終的にはなんやかんやで幸せに暮らしてそう

  • 29二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:52:59

    ちなみに続きの予定は……?

  • 30二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 20:50:04

    >>29

    やりたい感もあるけど何を書けば…となる

    本番はちょっと無しで

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