- 1二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:49:13
─エレジア
今日、いよいよライブが始まる。
私の歌を聞きに、色んなところから人が集まっている。
…私の『新時代』が、もうすぐ始まる。
「…もうすぐ、か…」
ふと脳裏に浮かぶのは、大好きだったあの海賊達。
世界のどこかで聞いてくれてるだろうか。
…それとも、ここに来てくれるのだろうか。
そしてもう一人、左手のこのシンボルをくれたあの少年。
今ではきっと立派になってるだろう彼も、このライブを見てくれるだろうか。
共に夢の時代に来てくれるだろうか。
「…そろそろ取ってくるか。」
考えを一旦払い捨て、映像電伝虫のモニター席から立つ。
この日のためにこっそり手に入れた「あれ」は、別の部屋に保管してある。
一人、誰もいないドアを開け─
「あっ」
「えっ」
……しばらく何も言えなかった。
食料庫に、いるはずのない、知らない誰かがいる。
…いや、私は目の前の人間を知っている気がする。
そんなはずないと頭を振りたかったが……
残念ながらそれはすぐに否定された。 - 2二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:50:48
「…ん?あれ?お前ウタじゃねェか!」
口いっぱいに何かを頬張った男がそう明るく声をかけてくる。
「……えーと…もしかして…ルフィ?」
「そうだよ、おれだよおれ!久しぶりだなァ!」
目の前の男…ルフィはそう言って口の中のものを少しこぼしながら笑う。
その後ろには、すっかり中身のない籠。
そしてその右手に持つのは………
「何やってるのあんた!?」 - 3二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:52:27
- 4二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:52:30
ホントに何やってんの
- 5二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:52:30
よくやったルフィ!
これでウタが救われることを教える - 6二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:52:42
- 7二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:53:35
- 8二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:54:01
即死級の猛毒でもなきゃルフィに効かねェしこれは…ハッピーエンドじゃな?
- 9二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:54:21
じゃあなルフィ、安らかに眠れ。あ、眠れないのか。
- 10二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:54:46
いやでもあの量のキノコは流石のルフィさんでもきついのでは・・・?
- 11二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:56:04
レイジュ「お呼びかしら?」
- 12二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:56:33
待ってる
- 13二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:56:51
- 14二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:57:10
>>11キスに嫉妬したウタがトットムジカを歌うところまでガセット
- 15二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:57:43
え、でも俺夜通し(キノコ)食ってて…
- 16二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 17:58:13
未来が見えてしまったのか…
- 17コテハン忘れてました◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 17:59:15
……2時間前 エレジア近海 サニー号
『さてルフィ…あんたの罪状を復唱してくれる?』
ここサニー号では、コックサンジと航海士ナミによる制裁と尋問が行われていた。
『ずびばぜん…おれは食料の肉をごっぞり食べでまじだ…』
二人の視線の下には、顔を大きく腫らした船長、ルフィが正座で座っている。
『信じられねェこのクソゴム…ライブでBBQする分まで全部食いやがった…』
『全く…ルフィはいつもこんな感じなのか?』
『うーん…まァよく見る光景だな。』
サンジがにらみつける後ろで、ジンベエとウソップ達が呆れ顔でその光景を眺めている。
『今回ばかりはおれも我慢の限界だ…。コックとしてしっかり落とし前つけてもらうぞ?』
そう言ってサンジが後ろから取り出したのは…釣り竿だった。
『お前は今回のライブ船番だ!食った分の食料戻るまでUTAちゃんの歌を聞けると思うなよ!!』
『え〜!?』
かくして港に停泊した一味を見送り…ルフィはサニー号で釣り竿を垂らしていた。 - 18◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 18:05:51
一時間経過
『ハァ…釣れね〜な〜……』
一人寂しく釣り竿を垂らすルフィ。
現状釣れたのは角が生えたイカすサメの一匹。
それなりの大きさだが、あれだけでは半分にも足りはしないだろう。
『おれも音楽聞きてえのになァ…サンジが怒るからなァ…』
仮にも船長、コックより立場は上なのだが…そこが律儀なルフィはきっちり食料を集めようと待っていた。
『しかし釣れね〜な…あのサメ全部食っちまってたんじゃねェか?…あ、鳥。』
何気なく見た空を鳥が島の方に飛んでいくのを見て…ルフィの中に名案が浮かんだ。
『そーだよ!島で色々食料探せばいーんだ!キノコとか果物とかヘビとかネズミとかいるかもしんねェ!』
とても普通食料と認識できるか怪しいものが並びつつ、ルフィは釣り竿を置いてマストに手をのばす。
『あ…でもサンジに見つかるとやべェか…?こっそりライブ行ったとか言われてもやだしな。』
そうして少し角度を調整し…ライブ会場から少しズレた方面へと、ルフィはロケットで飛んでいった。 - 19◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 18:19:12
『いや〜結構集まるもんだな!』
背中のリュックを見てニシシとルフィが笑う。
リュックには果物にネズミに蛇にトカゲにキノコにワライダケに…
ともかく色々詰まっていた。
『ん〜…でもおれ腹減っちまったな…』
この男、つまみ食いしておきながらまた空腹である。信じられない。
『でもな〜…これはサンジにわたすやつだし…他に猪とかいねェかな』
そう言ってあたりを探し始めるルフィだったが、生憎活きのいい獣はそう見つからない。
『ん〜…わ、でっけェ頭…あ、これ骨か。』
霧で目の前に来るまで気づかなかったそれは、巨大な海王類の頭蓋骨のように見えた。
『…あり?中になんかあるのか?』
よく見ると、その中に建物が建っている。
中に食料があるかもしれないと、ルフィは骨の中に見えたその建物に入っていった。
…そこが、ライブ会場の裏とは考もしなかった。 - 20二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:20:10
おい待てェワライダケしれっと入れてんじゃねェ
- 21◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 18:32:57
『ん〜…思ったより暗いんだな。』
意気揚々とイカす建物に入ったルフィだったが、中は思いの外暗い。
人が住んでるようには見えないが…
『…誰かいはすんのかな。』
ルフィの見聞色の覇気は、近くのどこかにいる誰かを感じ取っていた。
『でもなんか近くにたくさん人いんな…ライブやるとこ近いんかな?』
まさかこんな寂れたところでライブがあるなど思いもしなかったが、とりあえず人のいる方向は避けて進んでいく。
『…お?なんか匂いすんな。』
ここでルフィの鼻が何かを捉えた。匂いの方向に進む。
『お邪魔しまーす。…お?』
そうして探し当てた部屋は、食料庫だったようだ。
保存食や未調理の食材が入ってるだろう樽がいくつもある。
その部屋で、特にルフィの目を惹きつけたのは…
『…なんだこれ?見たことねェな。』
カゴいっぱいに入った桃色のキノコだった。
『なんかネズミみてェだな?頂だきまーす!』
どう考えても誰かが用意したものだが、空腹のルフィがそんなこと気にするはずもなく。
手に取ったそれに齧りついた。
『……ん?』
すぐに変化を感じた。
少し疲れと空腹から発生していた眠気が飛んでいく。
『なんだこれ?おもしれー!!』
そのままキノコを次々と食べていく。
不思議と目が冴える感覚がある。 - 22◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 18:33:13
『すんげェなこれ!ワライダケみてェだ!あとでサンジに自慢してやろ!』
そうして最後の一本に齧りつこうとしたとき…扉が開いた。
「あっ」
「えっ」
…これが、ルフィとウタの、最悪の再会となった。 - 23二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:37:33
全部食いやがったw
- 24二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:40:05
やはりこのキノコ滅ぼすべきでは?
- 25二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:42:02
今日のライブはエンドレス!!!!(根性)
- 26二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:44:23
ウタに追いかけ回されながら一味にバレるのが見える見える
- 27二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:48:07
ルフィ「なんでそんなのカゴに入れてたんだよ?」
- 28二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:52:27
例え死ななくても感情暴走はしそう
- 29◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 18:53:13
久しぶりにまさかの再会を果たせた幼馴染。
本来なら嬉しさで一杯になれそうなところだが、
今のウタにそれを感じる暇はない。
「あ、わりィ、これウタのやつだったか?」
そう言ってルフィがネズキノコを見る。
「いやー、このキノコあんまうまくねェしどっちかって言うとまずいけど、すげェ目が覚めるな!これサンジに渡せば冒険し放題だ!」
そう言って呑気に笑うルフィと対照的にウタは焦っている。
「と、とりあえずそれ寄越して!」
「ん?分かった。」
そうして投げ渡されたネズキノコを一口で思いきり齧る。
確かに目が冴えるが、あんなに用意したネズキノコはもうこれ一つのみ。
本来ならこれを継続的かつ大量に食べ続ける計画だった。
それがこの大誤算である。
果たして一つだとどうなる?どこまで効果がある?
自分の体はちゃんとネズキノコの毒に負けてくれるのか?
何より…
(ルフィどうしよう…!?)
あれだけ大量にキノコを食べてしまえば、どう考えても自分より先に毒が回って死んでしまう。
せっかくライブに来てくれた唯一無二の親友が、新時代に来れなくなってしまう。
それが目下ウタを悩ませる死活問題だった。 - 30二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:54:26
いやちゃっかり食ってんじゃねぇ!!!
- 31二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:54:37
そういや副作用で凶暴化するんだったな‥
- 32二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:55:51
そうだ俺たちから見るとルフィが腹が痛いだけの話だけど、ウタにとってはメチャクチャ深刻な問題にみえるんだ……
- 33二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:00:13
再会した幼馴染が自分の集めたキノコのせいで目の前で死ぬかもしれない(多分死なない)とかウタちゃん壊れちゃう…
- 34二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:02:08
おおお落ち着け
- 35二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:03:26
というかルフィの方も感情的になるんじゃね?
- 36二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:03:30
ルフィは毒性効かないし、ウタも一個だけなら効力切れ狙えばワンチャン
- 37二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:04:06
このルフィ24時間休まずに冒険できるキノコだと思ってやがる・・・
- 38◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 19:04:34
「誰だ!!」
「ヒャッ!?」
突如ルフィが叫んだかと思えば、空に向かって手を伸ばして思いきりパンチをかました。
「…あり?」
「あ、あんた…」
「ん?そういやウタ知らなかったな。おれゴムゴムの実を食べたんだよ。」
「いや、それもだけど…」
「ん?あァ、なんかそこ誰かいた気がしたんだけどよ、気の所為か…?」
そういって崩れた壁を不審に見るルフィを横に、ウタがはっとする。
「ヤバい!もういかないと!」
いつの間にここで時間を使っていた。
とりあえずライブを始めなければ。
「あー…おれ仲間との約束があるから遅れるぞライブ。」
「え!?あー、うん!分かった!」
とりあえず好都合だ。
ここに来る前にゴードンはウタワールドに行ってしまってる。
この問題を残したまま一人は流石にまずい。
「少しここで待ってて!お腹減ってるならそこチキン入ってるから!」
「ほんとかァ!?食べていいのか!?」
「食べてていいから少し待ってて!じゃあとで!」
とりあえずライブ会場に向かう。
焦りは取れないまま、ウタは観客の待つステージへ向かった。
「…そういうことだカリファ。とりあえずそちらは頼んだぞ。以上。」
ガチャ - 39二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:05:36
映画はたくさん食ったから死んだのであって、一個なら寝つきが悪くなりイライラしやすくなる程度の効果になるだけでは?という新解釈に思えてきた
- 40二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:06:01
- 41二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:06:43
ブルーノじゃね?
- 42二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:06:45
- 43二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:07:06
- 44二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:07:41
- 45二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:08:56
なんならルフィさん既に若干荒くなってないですかね気性…
- 46二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:10:17
- 47二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:12:32
ウタが何本も食ってるからよくわからんのだよな致死量
- 48二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:14:20
- 49二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:18:29
本編のウタはネズキノコでもう正常な判断能力ができなくなってるからかも
- 50二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:22:26
ウタウタの副作用の眠気がどの程度抑制できるのかとかなんやかんや不明な部分はわからんからね
- 51二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:24:39
致死量分かってても多めに食べるでしょう、死ぬ前に寝るのは絶対ダメなんだから
- 52◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 19:42:13
〜〜
『新時代だ!』
「みんな!やっと会えたね!ウタだよ!」
一曲目を歌い終え、ライブに来てくれた客へと挨拶をする。
本来なら安心して新時代へ歩めるはずが、今は別のことばかり浮かんでしまう。
なんでこうなってしまったのだろう。なんだか泣けてきてしまった。
「今日のライブはエンドレス!楽しんでいってね!」
…果たして本当にエンドレスにできるだろうか。
ネズキノコの致死性は確かなはず。
大して毒なんて経験ない女の子などちゃんと死ぬことができるだろう。
…うん。いくらチキン何本も食べられたり昔船でで変な魚をルゥさんと食べてホンゴウさんに怒られたことがある胃袋でも多分大丈夫だろう。うん。
問題は眠りの方だ。
ネズキノコ一本の毒とウタウタの力による眠気、どちらが勝ってくれるだろうか。
ちゃんとネズキノコが勝ってくれるだろうか。
仮に眠気が勝てば眠ってしまう。それでは全て水の泡だ。
何よりそんなのをたくさん食べてしまったあのお馬鹿な幼馴染をどうしようか考えていたときだった。
「悪いけどライブは中止。おれ達と来てくれるかいウタちゃあん?」
「お前はおれたちビッグマム海賊団がいただく!」
「おうおうクソ野郎ども!ライブの邪魔はさせねェぞ!」
いつの間にか目の前で喧嘩が起こってしまっている。
もう面倒くさいから全員歌にしてしまおう。
若干のイライラを感じながら、2曲目を歌い始めた。 - 53二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:45:14
もう副作用が・・・
- 54二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 19:48:39
やっぱネズキノコって一本で致死性あんのかな
- 55二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 20:00:09
いやでもウタは赤髪海賊団の娘だしキノコ一本じゃ死なんだろ多分
大量のネズキノコ+ウタウタの膨大な体力消費のREDでも7時間は生きてたし - 56二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 20:02:00
ルフィはまぁ死なないとして冷静でいられるのか
- 57二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 20:04:08
さすがにあのカゴの量もしゃもしゃと1本ぽっきりが同じ毒性になるとは思えない
- 58◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 20:10:06
「ハァ…」
別世界の中で柄の悪い人達をまとめて相手しつつ、
食料庫へ戻る。
そこではすっかり無惨な姿になった樽とチキンの骨と、
別の保存食に手を出しているルフィがいた。
「お?ウタ、もふらいぶはいひほか?」
口に入れすぎてなんと言ってるか聞こえないが、多分ライブのことだろう。
「一旦休憩。それよりあんたよく食べるね…てか何その樽。」
何故か粉々になった樽を見る。確かチキンが入ってた樽だ。
「これか?食い終わったあとつい壊しちまってよ!わりィ!」
…なんだかルフィの様子がおかしいような気もする。
普通こんな壊れ方するだろうか。思いきり潰したような姿なのだが。
さてこれからどうするべきか。
目下やるべきはルフィの解毒なのだが…とりあえずその前に色々聞きたいことはある。
「ところでルフィ、シャンクスはどこ?」
「シャンクス?知らね。」
「じゃあその帽子は?」
「預かってんだ。立派な海賊になったらまた返しに行く。」
「…あんた今海賊やってんの?」
「おう!海賊王になるんだ!」
…どうやらやることが一つ増えたらしい。
解毒したらすぐにルフィに海賊をやめてもらうよう言わなくては。
やることの多さに、ついまたため息をついてしまった。 - 59二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 20:13:06
ルフィの方の凶暴性増してんのやばいって……。
- 60二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 20:22:44
インペルダウンで耐毒性上がったルフィでもこれとかやばい毒性だな
- 61◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 20:25:08
ここで一つ思いついた。
仮に海賊なら仲間がいるはずだ。
もしかしたら…
「ねェルフィ。あんたの仲間ってどんなのがいるの?こう…コックさんとか、船医さんとか。」
「ん?コックと船医ならサンジとチョッパーってやつがいるぞ?」
サンジ、チョッパー。
先程聞いた名前だった。
確か襲ってきた海賊達と戦っていた海賊達。
彼らがルフィの仲間だったのだろう。
海賊のようだったのでまとめて歌にしてしまったが、ライブの邪魔をする海賊達を止めようとしてくれたところには
正直な話シャンクス達と同じものを感じてしまう。
「なるほど…ならもしかしたら…」
「おいウタ?そういやお前なんでシャンクスと…」
「その話はあとで、ちょっと待って…」
〜〜
「くそ…抜け出せねェ…!」
「私もだめです…いま見えそうなのはナミさんのパンツのみ…」
「なにやってんのあんたァ!?」
上で騒いでいる海賊達の元に飛んでいく。
「ねぇ、あなた達の中にチョッパーって名前の子いる?」
「チョッパーはおれだ!」
どうやらこの子がチョッパーらしい…ペットにしか見えないが、本当に医者なのだろうか。
「あなた、ルフィの船の船医って本当?」
「プリンセスウタ、ルフィを知ってるのか!?」
「お前さん、ルフィとどういう関係じゃ。」
長鼻の人と大きくて青い人が聞いてくる。
「うーん…一応幼馴染みなんだけど…」
ファンのみんなに聞こえない小さい声で話す。
「ちょっとルフィが色々あって…少し協力してくれない?」 - 62◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 20:39:14
「ルフィがネズキノコ食べちゃったァ!?」
「何やってんだあのクソゴムゥ!?」
二人が思いきり叫ぶ。
「シーッ!静かに!」
「あの馬鹿、なんでこう変なもの躊躇いなく食べちゃうのよ!」
「落ち着けよ。ルフィのやつは毒に強いんだ。そう簡単には死にやしねェだろ。」
「そ、そうなの?」
ルフィの毒性など知らなかったと、驚きの声を上げてしまう。
「そ、そうですね。ルフィさんの耐性なら…。」
「待って、でもヨロイオコゼの件もあるもの。チョッパー、あなたの見立てだとどう?」
「うーん…ネズキノコの毒は少し特殊だからな。」
「あァ、食えばたちまち眠気は消え去り感情も凶暴化、最後には死に至る恐ろしいキノコだ。」
「マジかよ…だからキノコは嫌なんだ…プリンセスウタ?」
「え?あ、うん!それで?」
今、知らない症状が言われた気がする。
凶暴化?そんな効果聞いたこともない。
だがもし先程から胸の中に引っかかる謎の苛つきがそれなのだとしたら…
大量に食べたルフィなど大変なことになるのでは?
いやしかし、耐性があるならもしかしたら… - 63◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 20:39:28
「でも、ルフィは丈夫だ!五本くらいなら多分1日苦しむけど死ぬことはないはずだぞ!でも薬は作ってやらねェと!」
………………。
「それで、ルフィは何本くらい食べちまったんだ?」
「………本。」
「ん?」
「その…籠一杯…多分20本くらい…。」
楽譜に貼り付けられた全員、歌姫含め沈黙が流れる。
「医者ああああああああああああああ!!!!」
『お前だよ!!!!』
─ライブ会場に、船医の叫びと船員の突っ込みが響いた─ - 64二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 20:46:11
おいどうするんだよ、現実世界寝てるんだろどうするんだよ
- 65◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 21:05:22
「なーウタ、ライブの方は大丈夫なのか?」
「大丈夫、今休憩中だから。」
ひとまずルフィを連れて裏口から出る。
本当は表からの方が港には近いが、そちらは今みんなが寝ている。
一応ルフィの仲間もいるのだ。
ネズキノコにより凶暴性が増すといっても、
今のルフィは私に敵意を向けていないようだ。
敵意がないうちはこちらが危険になることもないだろう。
だがもし仲間を無断で夢の世界に連れて行ったと言ったら
流石のルフィも今はどうなるかわからない。
まずは解毒しなければならない。
その方法は夢の世界の彼らに任せるしかないだろう。
「なァウタ!せっかくならお前も食材集め手伝ってくれよ!」
「えー…森の中入らないとなの?」
正直な話能力のせいで疲れてきている。あまり余計に動きたくない。
「それよりさ、せっかくならルフィの船少し見せてくれない?」
「お?サニー号か?いいぞ!行くか!」
少し気を逸らすことができたらしい。
ひとまずこれで…
「…え?ルフィ?」
いきなり体に腕を巻き付けられる。
「ロケットォ!」
「キャアアアアアア!!!」
…訂正。攻撃的でなくとも感情のコントロールはできてないらしい。
「現状ウタと麦わらに異常なし。引き続き監視します。」 - 66◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 21:12:52
「とりあえず離してくれ!すぐに薬を作ってやらねェと!」
「おれも離してくれウタちゃん!少しは手伝える!」
「わ、分かった…」
『ミー、レー』
二人に合わせたウタを歌えば、二人が解放される。
そのまま二人を音符に乗せ、案内のまま港に向かう。
「ネズキノコは強力だけど、必要な薬草は船にあるはずだ!あとは本で調合を確認すればすぐに作れる!」
「そっか…」
これでいい。
とりあえず船で作り方を習おう。
最悪本さえ分かれば自分でなんとかなる…かもしれない。
というよりやるしかない。
こうなったら意地でもなんとかするしかない。
「ところでウタちゃん、少しいいか?」
後ろに立っていたサンジがタバコを吐きながら問いかけてくる。
「ネズキノコは危険であると同時に珍しいキノコだ。少なくともこの島は生息地になかったはずだ。」
「………。」
「少なくともこの島の環境でそれほど栽培できるとも、するメリットがあるとも思えねェ…それがなんでこの島にある?」
「それは………。」
「ウタちゃん…君は一体、ネズキノコを何に使おうとしたんだ?」
目の前の優しく、それで鋭い声で問い詰められ、言葉に詰まったときだった。 - 67◆.pitCM.Fow22/09/19(月) 21:13:03
「アーッ!!」
「…!?どうしたチョッパー!?」
「サニー号が…サニー号がねェ!?」
「何ィー!?」
「えェ!?」
ここに来てまたしても、大きな誤算に直面することになった。
(続きは明日になります) - 68二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:14:56
当然だけどウタワールドの事は伏せたままの協力要請になるんだな
- 69二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:22:47
ウタちゃんやること多い上に隠し事の難易度ヤバくない?
- 70二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:26:18
ここのウタちゃん、コロンボや古畑の犯人状態になっとる。
- 71二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:37:27
サニーくん意図してなかったのか…
- 72二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:39:01
犯人たちの事件簿張りにハラハラするわ
- 73二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 22:47:35
サスペンスというか、犯人たちの事件簿味を感じる
- 74二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 22:58:47
古畑任三郎・・・?
- 75二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 23:00:18
もしかしてこれウタワールドと現実ごっちゃになっちゃった?
- 76二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 23:02:08
現状はまだ現実のルフィウタとウタワールドの一味ウタで分かれてるだけっぽいから…
- 77二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 02:06:15
保守
- 78二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 06:02:02
ほしゅ
- 79二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 06:16:08
どっかのスレのアホなウタみたいに「不眠になるだけのキノコだと思ってた!」で押し通せないかな……あ、致死性把握して相談しちゃってるから無理だ
- 80二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 06:23:44
- 81二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 06:32:45
これもうウタの事件簿やん
- 82二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 11:42:27
保守
- 83二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 17:02:14
保守
- 84二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:01:26
- 85二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:02:51
いや毒魚はヤバかった
- 86二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:06:04
毒魚は免疫あったから即死免れたけどどんどん抵抗力無くなってたからあのままだったら多分死んでたぞ
- 87二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:27:23
一応保守
- 88二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:42:21
- 89二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:46:32
SSスレで議論始めるなよ
- 90二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:50:06
- 91二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 19:06:37
- 92◆.pitCM.Fow22/09/20(火) 19:45:20
ぼちぼち続き投げてくよ
ちなみにキノコの毒に関してはチョッパー先生の言うとおりだよ
毒キノコに関してはきっとチョッパー先生詳しいからね - 93◆.pitCM.Fow22/09/20(火) 19:55:25
「ほら、これがサニー号だ!すげーだろ!」
「う、うん…確かにかわいいね」
現実、やっとルフィの空中地獄が終わって港についた。
正直吐きそうだが我慢する。
「ほらウタ!早く上がってこいよ!」
先に登ったルフィが手を伸ばしてくれる。
その手を取って登りながら、ウタワールドで絶賛起こる謎の状態に頭を悩ませていた。
〜〜
「サニー!」
「ええと…これがサニー号なのか…?チョッパー…?」
「お、おれにも分かるわけねェぞ…?」
「あー…アハハ?」
ルフィのいる港と同じ場所。
そこにいたのは立派な海賊船ではなく…
船首と同じ顔の謎の生物だった。
「サニ?サーニー!」
「…ウタちゃん、これもウタちゃんの仕業なのか?」
「い、いや…これは知らない…」
本気で知らないものは知らない。
なんだこれは。なんで船がこうなるのだ。
「これは…ってことは、他の何かは知ってるのかな?」
「え?いやそれは…」
「それはぼく達から説明しましょう」
「っ…誰だ?」
声とともに何もない空間からいきなり人が現れる。
若い男が二人、妙な服装と髪型の中年が一人。
「お久し振りです、お二人共!」 - 94◆.pitCM.Fow22/09/20(火) 20:03:51
「お前確かルフィの友達の…それに、てめェ!」
サンジが後ろの中年を睨む。
「そう睨むな。今回はニコ・ロビンを狙うわけでもない。お前たちに協力しようというわけだ。」
「だ、誰が信用…!」
「待ってサンジ君!」
その声と共に、更に後ろから人が…拘束してたルフィの仲間達が現れる。
「ナミさん!ロビンちゃん!」
「みんな出られたんだな!」
「ヨホホ、この方達が音階を教えてくださったおかげで。」
そういえば思いきり脱出の仕方を目の前で見せてしまってた。
完全にこちらのミスである。
「ひとまずウタさんの能力について、お二人にもお教えします。」
「ちょ、ちょっと!?」
どうやって知ったか知らないがそれは困る。
止めようとしたが牛の人に止められてしまった。
「麦わらを助けるならどのみちここにいる者達の手助けは必要だろう。黙って説明させることだ。」
…そう言われるとどうしようもない。
どうせ夢の世界では無敵なのだ。それならまぁ説明させても…まぁいいだろう。
仕方なく、目の前の人…コビー大佐の説明を見守ることしかできなかった。 - 95◆.pitCM.Fow22/09/20(火) 20:14:52
「…なるほど、あの万能の力はそういうことか。」
納得したようにタバコが吸われる。
「で、だ。」
言うやいなや、緑髪の人、ゾロが刀をこちらに向けてくる。
「とりあえずこいつに出してもらわないとってことだな?」
「えーと、刀向けても出せないものは出せないよ?」
夢の中で何があっても、結局現実の私が眠らないと意味がないのだ。
刀など恐くはない…いや、少し恐いが。
「今そんなことやってる場合じゃねェだろ!とりあえず薬作って飲んでくれプリンセスウタ!死んじまうぞ!」
「死ぬ?大丈夫だって、心はこの世界でみんな生き続けるんだから!」
言っても分かってくれるか知らないが、この世界なら楽しい事だらけなのだ。
「ウタさん、少し言いたいことが…!」
「待ってくれブルック!ウタ、とりあえず何でも出せるんだよな?」
「う、うん…」
「ならとりあえず船にあるやつ教えるからこの世界に出してくれ!作り方教えるから!」
「わ、分かった!」
とりあえずまず薬を作らないといけない。チョッパーの言うとおりに、船の中のものを探すことにした。
…ルフィはサメを丸焼きにし始めたから少し探索するということで抜け出した。 - 96二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 21:36:49
「……どう?」
結論から話すと、薬に関しては全く分からなかった。
どの本が必要かも、どの薬草かも、全くちんぷんかんぷんだ。
それもそうだ。いきなりそんな専門のこと言われてもわかるわけない。
私は歌姫なのだ。お医者さんでも看護師さんでもない。
だから医務室と医薬品の倉庫に見えたものをとりあえず端から端までウタワールドに出してみた。
「うーんと…よし、とりあえず大体は揃ってるな!」
どうやらチョッパー先生のお眼鏡に叶ったらしい。
「でも、結局結構繊細な作業だ。大丈夫なのか?」
「この薬はまず初心者じゃ無理だぞトニー屋。」
「うーん………。」
確かに、本を読むだけでもかなり難易度の高いということは分かる。
正直諦めてしまうか?自業自得なのだしルフィが新世界に来れなくても…
(…いやいやダメダメ!)
流石にこんな形で幼馴染を失いたくはないと首を振る。
せめてもう少し話し合いにしておきたい。
しかしこんな薬の調合は自分にはできない。となれば……。
「…これしかないかァ…。」
現実で呟きながら甲板に戻る。
そこには丁度サメを丸ごと平らげたルフィがいる。
「お、ウタ!どうだったサニー号は?…」
「うん、いい船だね……ねぇルフィ、少しいい?」
「なんだ?」
必要な材料を持った右手に力が入る。
「そろそろ行こっか…ライブの続き。」
腹はくくった。
あとは…無事済ますだけだ。 - 97二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 21:49:17
腹を括ってしまったか
- 98二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 21:52:38
- 99コテハン抜けてました◆.pitCM.Fow22/09/20(火) 22:01:12
「おい、お前らどうした!?おい!」
ライブ会場…残念ながら、案の定ルフィは眠る仲間達の元に駆け寄っていった。
だがみんな精神は夢の中。どれだけ揺らしても起きるわけがない。
そうなれば当然…。
「おいウタ、どうなってんだ!なんでみんな起きねェんだ!?」
私に詰め寄ってくるのは当然である。
肩を掴まれ前後に揺さぶられる。
かなり強い力で割と痛い。
ネズキノコの凶暴性が少しずつ加速しているようだ。
「ま、待って…説明するから…一旦話させて!」
ルフィにひとまず、私の能力だけは説明した。
何故皆が眠ってるのか。何故起きないのか。
ネズキノコの件以外は話した。
「…それで、その荷物なんだ?」
「あー…これ、ちゃんとぐっすり眠れるようになる薬!」
嘘は言ってない。少なくとも嘘ではない。
昔からルフィは嘘に騙されやすい。
多分これで誤魔化すことができる。
「……それで、どうすんだ?お前薬なんか作れんのか?」
若干顔をしかめながらもルフィが一旦引く。
うん、とりあえずは大丈夫そうだ。
「大丈夫…お医者さーん!お願ーい!」
そう声をかければ、眠っていたチョッパーが起き上がる。
「お、チョッパー!起きたのか!?」
「ううん、まだ寝てる。それじゃ、お願いね。」 - 100◆.pitCM.Fow22/09/20(火) 22:03:33
〜〜
「おう、任せろ!…でもほんとに大丈夫なのか?」
「大丈夫!信用して!」
「分かった…さて。」
夢の中でチョッパーが薬の調合を始める。
それを夢の中で眺めながら現実でも様子を見る。
夢にいる人間の体は私の言うことを聞いてくれる。
それも、私の知らない自身の能力もある程度は使ってくれるはずだ。
こうして夢の中で見ながらなら、恐らく正確な調合を現実でもしてもらえる。
「おおお…チョッパー先輩、見事な手際ですべェ!」
「トニー屋、次はこの薬草からのほうが効率がいい。その次は…」
…そういえば、いつの間にかいたこの二人は誰なんだろうか。
〜〜
「すげェ…寝ながら調合してる。」
「うん、流石の手際だね。」
ちゃんと夢の中と同じ動きをしてくれている。
あとはこのまま見守るだけだろう。
「さてと…」
これで薬はなんとかなる。
そしたら…次のことを始めるとしよう。
目の前のルフィに向き合う。
「ん?なんだウタ?」
「ねぇルフィ、海賊やめなよ」 - 101二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 22:06:23
自然と合流してたんかい!海賊として名乗り上げなかったんだろうけどどうやって混ざったんだ?
- 102二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 22:10:01
大丈夫?今のルフィに大人の対応できる?
いやしないほうがいいんかもだが - 103二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 22:11:27
そっか、今ルフィもネズキノコキメてるのか…
- 104◆.pitCM.Fow22/09/20(火) 22:19:20
「………何いってんだお前?」
「ルフィの仲間はもう、皆夢の新時代にいるんだよ?」
雨のふり始めたライブ会場の中、少し目つきの鋭くなったルフィに尚も問いかける。
はっきり言ってかなりの博打だ。
今のルフィがどれほど強いかわからないが、
現実の腕っぷしで勝てるかはかなり危うい。
最悪周りの彼らにも手伝ってもらわないとだろう。
「みんなでさ、ずっと楽しいことをしてようよ!美味しいもの食べたり、楽しい歌を歌ったり、また勝負なんかもしたりしてさ!」
心臓の鼓動が早くなる。
ルフィが乗ることなどないだろうと、心のどこかで私が言う。
いつもそうだった。ルフィはいつも夢の中が退屈と言っていた。
私の大好きな夢の世界を否定していた。
それでも、もしかしたら来てくれるかもしれないという期待だけはしたかった。
「ウタ。」
ルフィから今までで聞いたことのないような低い声が出る。
「お前さっきから何隠してんだ?」
更に目つきが鋭くなっていく。
これが私よりよほど死が迫っている人間なのだろうか。
やはりそう甘い話などないだろうか。
もっと踏み込んでやろう。そう思ったときだった。
「………っ!!」
突然ルフィの顔つきが一気に険しくなる。
「…ルフィ?」
「…お取り込み中失礼しやすよ。」 - 105◆.pitCM.Fow22/09/20(火) 22:32:37
「…誰?おじさん。」
いつの間にか知らないおじさんが横に立っている。
…見た感じだと盲目なのだろうか。
起きているということは、ライブの客ではないらしい。
「…"トバクのおっさん"か。」
「えェ、お久しぶりですね"麦わら"のォ…」
「ルフィの友達…ってわけでもないの?」
「…海軍大将のおっさんだ。」
ルフィが答える。海軍ということは、当然ルフィ達の敵だ。
「あっしからすりゃ、あんたらが親しい仲ってことのほうが驚きですがね。」
「総員構えろ!」
気づけばもう一人偉そうなおじさんと、たくさんの海兵がいる。
全員武器を構えてこちらを狙っている。
「海軍の人達がなんのよう?ライブに来てくれたの?」
「"歌姫ウタ"!お前には世界政府より拘束の指令が出ている。」
拘束指令?なんのことだ?悪いことなどした覚えはない。
「…この匂い…お前さん達、"ネズキノコ"を食べやしたね?」
盲目の人の発言に思わず肩が震える。
なんて嗅覚だ。目が見えないからといってそんなことが分かるものなのか。
「…?ピンクのキノコなら食ったぞ。それがなんだってんだ。」
まずい。ルフィにそれを聞かれれば…。
「そいつァネズキノコって言いやしてね…一度食えば眠りを妨げるキノコでさァ…そして」
「待っ…」 - 106◆.pitCM.Fow22/09/20(火) 22:33:03
「食べりゃ最期、数時間後に食った人を死なせる毒キノコですよ、"麦わら"の。」
「…は?」
(明日に続きます) - 107二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 22:34:01
藤虎が来た
- 108二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 22:39:35
眠気が覚めてずっと冒険してられる不思議キノコじゃないとバレてしまった
- 109二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 22:40:28
- 110二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 22:41:38
ウタがなんか隠してるのバレちゃってるからな…
- 111二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 23:44:43
持っていたのはウタだけど。
その大半を食っちまったのはルフィだからな。この場合…
んでもって、ルフィ感情昂ってる状態だから事と状況次第ではガチでやりあう気満々だな。 - 112二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 23:47:50
藤虎ならルフィいるし多少話は聞いてくれると信じてる
二人ともキノコで感情が暴走しちゃってるけど - 113二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 23:51:03
ルフィから藤虎の好感度も結構高いし信じるだろうなと思う
- 114二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 23:51:33
自分が食ったことはどうでもいい
ウタが食ってるのはキレ散らかしそう… - 115二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 01:16:39
シャンクスにウタがどこにいるか見つけられなくてアワアワしてそう
- 116二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 06:24:57
今のルフィはネズキノコ食って精神の箍が外れてるから、REDでは言えなかった本心を惜しげもなく言えるんだろうけど、何を話させるんだろう?
- 117二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 07:48:49
やべー続きが気になる
こういう本編のIFルートもいいなァ - 118二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 08:17:00
むしろネズキノコ食べたことにより子供の時みたいに挑発されたらすぐに返すようになって助けられる可能性が
- 119二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 08:27:35
めちゃくちゃ続き読みたい
- 120◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 12:22:39
「ほんとなのか?おっさん?」
「この場であっしが嘘を付く理由がありやすかい?」
とうとうルフィにバレてしまった。
いつまでも騙せると思えてなかったが、まさかこんな形で露見することになってしまうとは。
「歌姫ウタ!貴様観客全員道連れに死ぬつもりだったか!?」
後ろのおじさんが叫ぶ。
その言葉につい腹が立ってしまった。
「死ぬって何!?みんな苦しいことなんてない楽しい世界で生き続けられるんだよ!大事なのは体より心じゃないの!?」
今隣のルフィも忘れ、本音で反論する。
ここまで来て、海軍に邪魔されてたまるものか。
「あっしらはこの『世界転覆計画』を止めに来やした…話して分からぬようなら…。」
「総員構え!両名を拘束する!」
「おじさん達こそ何言っても無駄みたいだね…分かったよ。」
こちらもキノコのせいか気が昂ってきた。
最高の一曲で全員夢の世界に連れてってあげよう。
そう思って息を吸おうとして…。
「ウタァ!!!」
後ろから放たれたその『声』に、つい怯んでしまった。 - 121◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 12:35:52
「お前、どういうことだ!!なんでそんなん食べた!!」
また両肩を掴まれて迫られる。先程よりよほど迫真だ。
「さっき言った通りだよ…!!それに食べたのはあんただって…!!」
「お前知ってて食べたんじゃねェか!!それよりあの薬は!?」
ルフィが横でチョッパーが作っている薬を指差す。
「あれが解毒薬なんだよ…!あれ飲めばルフィの毒も」
「お前だけ死ぬなんて許さねェぞ!お前が飲め!」
「だから!私はいいんだよ!」
「良くねェ!どうせおれは毒なんて効かねェんだ!」
「わからず屋!それにあんたの船の医者が危険って言ったんだよ!」
「お前のほうがやばいだろうが!」
「この…!!」
話が平行線だ。全く冷静に話せてない。
いくら言っても分からないルフィもルフィだ。なんで私がこんなに苛つかなければならない。
「…っ!?そうだ海軍…あれ」
はっとして見れば海軍の様子がおかしい。
なんだかざわめいてるし、半分くらい倒れている。
まだ私は歌ってないのにも関わらず、だ。
「おい、起きろ!」
「くそ、だめだ。みんなやられちまった!」
「覇王色の覇気か…残ったものでかかれ!」
それでも、残った人達が剣を構える。
「ちょ、ちょっとルフィ!一旦離し…」
抗議しようとルフィを見て…声が出なかった。
「今おれとウタが話してるんだ…」
『邪魔すんなァ!!!』
今度は私の目にもはっきり、ルフィから黒い稲妻のようなものが走る感覚がした。 - 122◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 12:47:20
「…………」
「…ぬぅ…!」
二度目の、先程より強力な覇王色の覇気が走る。
勇敢にも立ち向かおうとした海兵たちが、その場に倒れていく。
「おのれ…これが今の麦わらの覇王色か…!」
二年前、その目で一度その覇王色を見たモモンガ。
倒れることこそなかったが、前とはレベルの違う覇王色で今のその男の実力を垣間見てしまっている。
「ネズキノコは副作用の一つに…食べたものの攻撃性を増大させ、凶暴化させる効果もありやす。」
言いながら、大将藤虎が刀を抜く。
「残念ですが…穏便に事を終わらせるのは難しいようでさァ…。」
「誰か意識のあるものは軍艦の大将黄猿に……いや、誰もいないか…。」
今この場で意識があるのは、自分と大将藤虎と麦わらのルフィ、
そしてそのルフィの間近にいながら覇王色を向けられなかった歌姫のみ。
「ここでお前を処刑する、"麦わら"ァ!!」
剃で急速に迫ったモモンガの刀が、眼前に迫ったルフィの首元に振られ…当たることなく空を切る。
「…何処に…」
先程の最後、消える直前に前腕に口をつけていたはずの男を探す。
「…そこか。」
見つけた。ステージの上、歌姫とペットと共にいる影を捉えて…
「モモンガさん!後ろだ!」
大将藤虎の言葉が耳に届く頃には、黒い蛇が己に迫っていたことを、
モモンガは気づけなかった。
(続きは夜になります) - 123二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 12:52:58
ブチギレスネイクマンとかカタクリ以上じゃないと相手できないんですがあの…
- 124二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 12:54:52
頼むルフィくん……あの子を、ウタを救ってやってくれ……!
- 125二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 12:56:00
モモンガ中将からもペットと認識されてる非常食で笑う
- 126二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 12:57:10
近くで薬作ってんの見えてるはずなのにペット扱いされてて草
- 127二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 13:02:33
ウタカタララバイキャンセルで草
- 128二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 13:03:53
いや流石に冷静になれていなくて、見聞色が弱いかも……
- 129二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 13:03:59
黄猿ー!来てー!?
- 130二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 13:06:27
歌聴く前に海兵覇王色で倒れたってことは、彼らウタワールドに連れ込まれずに済むのか!?
- 131二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 13:12:32
シャンクスー! 早く来てくれー!
- 132二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 13:23:45
ブチ切れ状態でブラックマンバとか出したら周りがヤバいだろうから頑張れイッショウ
- 133二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 13:26:35
いやモモンガじゃちょっと厳しいぞ……?瞬殺ってことはないだろうが……
藤虎とはいい勝負しそうだな…… - 134二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 15:37:15
安心してください。モモンガ中将は海軍の中でも上澄みなので5億の検証首が相手でも充分に勝算があります。
- 135二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 15:42:38
そっか!相手多分15億か30億くらいだけど大丈夫だな!
- 136二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 15:44:47
募り続けるモモンガへの過度な期待感ェ…
- 137二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 17:21:33
過度な期待を背負わされてモモンガさんも辛い思いをしているんだぞ
もっと慮ってやれ - 138二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 17:37:36
荒れてんなルフィ
- 139二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 17:49:22
おい諦めて薬のめウタ、四皇が戦う=戦争始まるぞ
- 140二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 18:02:29
たぶんモモンガ中将がやるべきだったのは場を藤虎に任せて援軍にオジキを呼ぶことだった
- 141二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 19:50:20
大将と四皇が武力衝突とかエレジアを舞台に頂上戦争パート2まであり得る
- 142◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 20:31:34
「おいどうしたウタちゃん、何があった!?」
ウタワールド、薬を作るチョッパーともう一人、ローの横で、
ウタが膝をついて震え始めてしまう。
「何…さっきの……!?ルフィ…!?」
「ルフィ!?ルフィがどうかしたのか!?」
「もしかして、もう毒が!?」
「ううん…海兵が来て…キノコのこともバレちゃって…そしたらルフィが怒って海兵の人が倒れて…」
「ルフィの覇王色の覇気じゃな、しかしどうやらネズキノコの副作用が大きくなってきたようじゃ」
覇気…ウタの知らない単語だったが、やはりルフィの力のようだった。
「ルフィの覇王色を間近で浴びたんですもの…いくら直接向けられないと言っても、そう耐えられるものではないわ。」
「それより、もうイッショウさん達が…大丈夫でしょうか、現実は…。」
「カリファが万が一のため待機している。麦わらの様子はどうだ?」
「分かんない…なんだか姿が変わっちゃって…煙も出てて…。」
「なんだと!?」
それを聞いたローが、声を荒げた。
「まさか麦わら屋…急げトニー屋!ヤバい事態になりそうだ!」 - 143◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 20:42:48
「ハァ…ハァ……」
震えることしかできない。
先程の激情すら塗りつぶす何かで、上手く体を動かすことができない。
…何が起こったのかすらわからなかった。
気づいたときには自分と調合中のチョッパーだけがあの仲間たちのいる所からステージに移動し…
姿の変わったルフィが立っていた。
そして…あの海軍のおじさんが、頭から血を出して伏せている。
ルフィが何かしたのか?
その答えはすぐにわかった。
「ゴムゴムのォ…"黒い蛇群"!!」
ギリギリとルフィから音がしたと思ったら、腕が消え…
伏せていたおじさん…の周りに突如現れた瓦礫が砕けた。
きっとルフィがパンチしたのだ…目にも見えないほど速く。
「っ………!イッショウさん!」
そう呼ばれた人が刀を振る。あの瓦礫はあの人の力なのだろうか。
そう思っていたら、上にあった巨大な骨の一部が斬れたように落ちてきた。
「モモンガさん、お前さん、倒れた海兵連れて先軍艦戻ってて下せェ…。ここはあっしが。」
倒れた海兵の人達が、地面ごと骨に乗せられていく。
「くっ…すぐに軍艦の黄猿さん達を呼びます!」
そう言って、海兵の人達が乗った岩が海に飛んでいった。
「さて…ここからはあっしがお相手しやしょう…市民の人達に危害が及ばない範囲でね。」
「わりィけど、おっさん相手でも加減出来ねェぞ!!」
二人が向かい合う。
残念ながら、今の私には…早く薬が出来ることを祈るしかないようだった。 - 144二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 20:44:19
あーもぅ滅茶苦茶に……
- 145◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 21:03:52
「殴るぞォ!!」
「………!」ガキィ
「殴ってまた殴る!!」
「……!っ」バキッ
「殴りまくる!!!」
「…ぬゥ…!」ボゴォ!
姿を変えたルフィは、速いし強かった。
私の肉眼では、パンチの動きが全く見えない。
目の見えてないはずのおじさんも上手く刀や瓦礫で防いでいるが、
全部は出来ないのか当たっている。
…何故先程からわざわざ殴ると宣言してるのだろうか。
「…相変わらずですね麦わらのォ…しかしこの速さ…!」
「まだまだァ!ゴムゴムのォ…!」
「…"地獄旅"!!」
「イッ…ウワアア!!」
突如ルフィが岩に叩きつけられ…そのまま沈んでいった。
「ルフ…!!」
思わず駆けていこうとして、腕を掴まれる。
後ろを見れば、白い服の女性の人がいつの間にか現れていた。
「行くことは許可できませんウタ、あなたの身が危険にさらされます。」
「誰…あなた…!!」
「ひとまずあなたの護衛をすることしました。薬の完成まで、あなたの身を護ります。」
誰かは知らないが、ひとまず敵ではないらしい。
だがそれよりルフィは…。 - 146◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 21:12:52
「ン〜……クッソォ!」
沈んだ穴からジャンプしてきた。どうやら無事だったらしい。
「そろそろ落ち着きやせんか。あっしもお前さんといつまでも戦いてェわけじゃねェ。」
「おれもおっさんは嫌いじゃねェ!けどおれとウタの話の邪魔はさせねェ!」
「…フゥ…やれやれ、純粋な分暴れると抑えが効かねェみたいで…。」
あのおじさんの言うとおりだ。
やっぱりルフィもネズキノコの毒がしっかり回ってしまっている。
…やはり…私のせいなのだろうか。
私があんなキノコに頼ろうとしたからこうなってしまったのだろうか。
…浮かんだそれを否定しようと頭を振る。
私はただ、みんなのための新時代を…。
「終わらせる!大技行くぞォ!」
ルフィの声に再びそちらを向く。
ルフィの黒い両腕が、まるでバネのように捻れている。
「下がっていてくださいウタ。どうなるか不明です。」
「…ルフィ……。」
「やれやれ…こちらも本気でやんねェと怪我しそうですね。」
「ゴムゴムのォ…!!!」
「"重力刀"…!!!」
『"蛇龍王砲"!!!!』
『"猛虎"!!!!』
「クッ…!!」
「ひゃ…!」
二人の技のぶつかった余波がこちらにも及ぶ。 - 147◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 21:13:07
「オオオ…ゥオオオオオ!!!!」
「ヌゥ…!?」
おじさんの技を突破して…ルフィの拳が当たった。
「グッ…やりやすね…!!」
「まだパンチするぞォ!ゴムゴムのォ……!!」
そう言ってルフィが畳み掛けようとして…
それは起こった。 - 148二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 21:14:48
あーもうめちゃくちゃだよ
- 149二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 21:18:24
- 150二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 21:18:27
ナーガウルバンいいよね
- 151二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 21:21:04
5番目の皇帝と大将の衝突とかフィジカルがちょっと優れた一般人からしたらたまったもんじゃないな
- 152◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 21:31:25
「ウッ……!!」
突如ルフィが唸り声を出して…そのまま空に飛んでいった。
「ん…?」
あのおじさんも何が起きたかわからないらしい。
空気が抜けたように飛んで…そして、ルフィが落ちてきた。
姿はいつものルフィだが、まるで元気がない。
「ゲホッ…あれ…なんで……?まだ…」
ルフィ自身、何が起きたか分かってないようだ。
「…お前さん、さっきの力はリスクがでかいようですね。」
おじさんが刀を抜いたままルフィの方に近づく。
「…あの姿、かなり速かったですが…体に無茶させた結果、毒の周りが早くなったんじゃないんですかい?」
「……なるほど、ルッチが言っていたポンプの原理と似たような力だったと…。」
隣の女性が何か言っているが、それどころではない。
もしそれが本当なら、本来より早くルフィの命が危なくなってきているということではないのか。
「離して…離して!」
「さて…悪いがお前さんをこのままにしておくわけにもいきやせんので…。」
そう言って、刀が持ち上げられた。
「みんなー!!ここに悪い人たちがいるよォ!!」
ライブ会場に響くように声を上げる。
「…ぬ…!」
ファンのみんな、夢であった海軍の人たち、ルフィの仲間。
彼らの体を借りてひとまずルフィを守ってもらう。
「…参りましたね…ここまで大勢動かせるたァ…」
やはり、あの人は一般の人を攻撃したくないらしい。
なら、これでなんとかなるかもしれない。
「さて、そうなりゃ…おや?」 - 153◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 21:37:20
突如、おじさんの電伝虫が鳴る。
「イッショウです………なんと。」
顔色が変わったように見える。何かあったのだろうか。
「……どうやらあんたらをゆっくり相手する時間はないみたいでさァ……これで失礼しやす。」
そう言って、あのおじさんも瓦礫に乗って海に消えていった。
「…できた!」
夢と現実の両方でチョッパーが薬の完成をさせたのは、その直後だった。
「これが…ありがとう!」
夢の中で、無事作ってくれたお医者さんにお礼を言う。
「礼なんて嬉しくねェぞコノヤロ…って、ルフィは!?」
「それが、さっき倒れちゃって…!」
薬は完成したのだ。早く飲まさなければ。
「待ってくれプリンセスウタ!まずそっちが飲まねェと…!」
「私はいいの!早くルフィに飲ませないと…!」
夢の中の彼らの発言を無視して、現実のルフィの元に駆け寄る。
先程の女の人は、あの牛の人達に足止めしてもらっている。
倒れたルフィの元にたどり着く。
私も少しずつ、毒のせいか体の動きが鈍ったような感覚がある。
「ルフィ!薬出来たから!早く飲んで!」
そう言って口元に薬の瓶を近づける……が、口を開かない。
「……嫌だ。」 - 154◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 21:53:35
「なに言ってるの!?あんたこのままじゃ…!」
「…一個しかねェんだろ…先お前が飲めよ」
この期に及んで何を言ってるんだ。
どう考えても私よりルフィのが死にかけじゃないか。
「私はいいから!ルフィが飲まないと…!」
「おれ毒には強いからよ…なんとかなるだろ…シシ…」
どう考えてもつよがりだ。現に少しずつ顔色が悪くなってきているじゃないか。
「だからよ…まずお前が…」
「……だから!!私はいいんだよ!!」
「私は死んでも夢の中に行ける!みんなそこにいる!ルフィだってあと少しで行けるんだから!…だから…!」
「…お願いだから…一緒に新時代に来てよ…!!」
ずっと溢れそうになっていたものが、決壊した。
せっかく再会したのに、ろくに話せてもいない。
勝負もしてない。歌だって聞かせられてない。
…まだ何もできてないのに、目の前でルフィに死んでほしくない。 - 155二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 22:09:09
海賊無双のやつだっけ?
- 156◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 22:11:03
「いやだ。」
「ハァ!?」
息を荒くしながらルフィが答えた。
「…まだ海賊王になってねェし…冒険もしたりねェし…シャンクスとの約束も果たしてねェ…。」
「っ…!」
シャンクス。
未だ再会できてない父達を思う。
「…それに…お前に死んでほしくねェ…!」
「…だから…」
「あっちで生きてるだがなんだか知らねェけど…ウタが死ぬのはいやだ!」
…なんだそれは。子供みたいな事を言う。
何度も心が死ぬわけでないと言ってるのにだ。
「………。」
夢の中、じっとしていた自分に向けられる言葉を聞く。
…目の前の彼らは、現実に帰りたがっている。
死んでしまえばそれまで、骨しか残らないと声をかけられる。
…会場ファンのみんなも、帰りたいという声が大きくなってる。
…私の望んだ幸せが、少しずつ崩れるのを感じる。
「………。」
手元にある薬を見る。
チョッパーの本来の予定ではこれで私を解毒したあと、
なるべく早く起きてもう一本を用意する予定だったらしい。
だが、既にルフィにもう一本を待つ余裕はないだろう。
そして、ルフィは私が飲まないと自分が飲む気になれないらしい。
…なら、これしかないか。 - 157二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 22:26:43
まさか…?
- 158二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 22:28:34
ウタが死んだら仲間がウタワールドに閉じ込められるから先にウタの解毒を優先させるのは別に間違ってはないよな
- 159二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 22:31:10
口移し?エッッッッ!!!
でもルフィに舌で追い返されて、敗北しちゃうウタが見れるのかなぁ??? - 160◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 22:36:40
「……分かったルフィ…それじゃ、こうしよっか。」
薬の蓋を開ける。
「この薬、今から私とルフィの半分にしよう…ちゃんと聞くかわかんないけど。」
「半分…?……いいぞ…。」
〜〜
「あの薬を半分…にか?」
「うん。もし仮にそしたらどうなるの?」
「うーん…多分強めの薬だけど…ちゃんと不眠への効果は出るのかな…?」
ウタワールドでチョッパーが言う。やはりかなり難しい問題なのだろう。
「だが、麦わら屋の方の延命にはなるはずだ…!それで行くしかねェか…?」
「…分かった。それじゃあ、少し待っててね。」
そう答えて視線を外す。…ヘッドホンの中のそれを、確認しながら。
〜〜
「お互いなんとかなるならとりあえずそれしかないらしいしさ。それでいいよね?」
「……分かった…ケホ」
納得してくれたようだ。
固く閉じてた口の力が緩むのを確認しながら、薬を見る。
…今回は、負けを認めることにした。
きっとこのまま行っても、私の新時代は上手くいかない。
一度恐怖で冷静になれた頭なら、それが分かってしまった。
それなら、新時代はルフィ達に託すしかないだろう。
…例え、私が死んだとしても。
瓶の中の薬を口に……すべて含む。
「………ウタ?」
一気に流し込んだのを見たルフィが疑問の声を上げるのを聞きつつ…
「…ん!?」
─間抜けに開かれてた口に、自分のを合わせた。 - 161◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 22:45:17
「んぐ…ん!?」
ルフィが驚いてる間に、さっさと舌ごと口の中の薬を流し込む。
咄嗟に口の中に入ってきたそれを、反射的にルフィが飲み込むのを確認する。
そのまま全部口の中に移させて…飲んだのを確認してから、口を離した。
「フゥ…フゥ…」
少し最期においしい思いをしてしまっただろうか。
このくらいは許されてもいいだろう。
「ケホ…おいウタ…!今の全部だろ…!!」
「うん…全部飲ませた。」
「お前…どういう…!」
「大丈夫。ちゃんと仲間もファンも解放するから。」
何も眠るだけがウタワールドの解除法じゃないことは分かっている。
何かあったときのために用意したこれをこんな形で使うことになるとは思っていなかった。
そう思いながら、夢の中でメモリーを取り出す。
…先に夢の中の人たちに説明しないとか。
時間をかけると、逆に自分がこれに取り込まれてしまう。
歌ってすぐ、私が抑えられるうちになんとかしてもらわないとなのだ。
夢の中で彼らになんとかしてもらえば、現実は彼らの体を借りればなんとかなるだろう。
…ルフィは病み上がりだし、たぶん今眠気に襲われているから頼るのは酷だろうし。
「何考えてるのか知らねェけどどのみち…ゼェ…薬ないとウタが死んじまうんじゃねェのか…!?」
ルフィが抗議の目を向けてくる。
しかし、ルフィを確実に助けつつ仲間を助けるならこれしかないのだ。
仕方ないのだ。薬は一本しかないのだから。
だからこれは仕方が
「薬ならあるぞ。」 - 162二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 22:47:29
まさか・・・来たか!?
- 163二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 22:47:48
流れ変わったな
- 164◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 22:57:41
「え…」
「…あ」
懐かしい声がする。
その声の方に顔をあげる。
「……シャンクス……皆……」
懐かしい父の顔が、そこにあった。
「久しぶりに娘の歌を聞きに来たが…お前も来てたとはなルフィ。」
そう言ってシャンクスがこちらに歩いてくる。
…よく見ると、シャンクスも皆も少し怪我してるように見える。
「少しそこで喧嘩になっちまっててな。それよりホンゴウ!」
「ああ!」
ホンゴウさんがシャンクスに何かを投げつける。
…薬瓶だ。
「恐らくさっき飲ませていたのと同じ薬だ。これを飲めば助かる……だから、あれを歌うのは止めておけ。」
…私が何をしようとしていたのか、お見通しだったようだ。
「ごめんシャンクス…私…」
「いいんだ…終わったら、あとでゆっくり話そう」
腕の中に抱かれる。
久しぶりの温もりに、涙がまた溢れてくる。
「ルフィ、よくウタを守ってくれたな。ありがとう。」
……ここではたと思い浮かぶ。
シャンクスはルフィに薬を飲ませていたのを見てたということか。
それはつまり…。 - 165◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 22:58:32
「…もしかして…見えてた?」
ひょっとして、私がルフィにその、薬を飲ませるのも…
「ん?見えたぞ?親としては複雑だが、中々熱かったな!だろベック!」
「へっ…そうだな。」
…ほんとに全部見られてた。顔から火が出そうだ。
「分かった!分かったから!早く薬頂戴!」
もう恥ずかしくて起きていたくない。
とにかく今は薬を飲んで寝て皆を解放して、
ついでにしばらく夢の中で現実から目を背けたい。
「分かった分かった…それじゃ」
「シャンクス。」
かろうじて立ち上がったルフィが、シャンクスを止める。
「ん?どうしたルフィ?」
「それ、おれにくれ。」
「えっ」
…なんだか嫌な予感がする。 - 166二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 22:59:13
ネズキノコの影響がまだ残ってるか
- 167二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:00:16
盛り上がってまいりました
- 168二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:01:20
そうだよなぁ!やり返さなきゃなぁ!?
- 169二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:01:34
やられたらやり返さなきゃなァ!?
- 170二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:02:20
いいぞー!やれー!
- 171二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:03:10
コレ赤髪と黄猿達ドンパチしてたのか?
- 172◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 23:08:59
「……ベック。」
「…ま、いいんじゃねェか?」
そこはとめてよ。
「…ホンゴウ。」
「…一応多めに入れてるから、少し間違えて飲んでも大丈夫だと思うぞ。」
その気遣いはなんなのホンゴウさん。
「………。」
「あの…シャンクス…早く薬…。」
「ほれやるよルフィ。」
「ちょ、ちょっと…!?」
「ありがとう、シャンクス。」
薬瓶がルフィに渡ってしまった。
「えーと…出来れば普通に飲ましてくれると…。」
「…おれは」
「おれはまだ負けてねェ!」
そう言って一気に薬を煽ってしまう。
「待って、勝負じゃないから!」
残念ながらいつものあれをやる余裕もない。
「いいぞルフィ〜!」
「据え膳食わぬはなんとやらだ!」
「ま、待って!みんなも止めて!」
「ウタ。」
「先に仕掛けちまったのはお前だ。受け入れろ。」
そう言って、シャンクスの腕がとけ…変わりにルフィの腕が巻き付く。
薬で頬を膨らませたルフィの顔が迫っている。
「あ、あの、ルフィ、ほんとに、ほんとに待っ」
「お願あっ… - 173二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:09:19
ウタとルフィのどっちがラスボス枠になるか
- 174二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:10:31
ムードもクソもあったもんじゃねぇ…
- 175◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 23:11:06
─海軍本部大将黄猿より
沖合に待機していた部隊は、突如現れた赤髪海賊団と交戦。
赤髪のシャンクスの覇気で多数が戦闘不能。
その後合流した中将モモンガと大将藤虎と共に戦闘継続するも、
被害拡大のため撤退。
─CP0 カリファより報告
ウタワールドに閉じ込められていた住民が目覚め始めました。
現場に死傷者なし。
なおウタは赤髪海賊団と共に逃走。行方不明です。
こちらもブルーノが覚醒し次第撤収します。
「………セクハラ……。」 - 176二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:13:07
- 177二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:14:43
セクハラです
- 178◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 23:22:14
─1ヶ月後 エレジア
「…というわけでな。」
「な、なるほど…。」
ライブ事件よりしばらくして、再びエレジアに来ていたある海賊団を、男は歓迎していた。
「それでその…ウタは?」
「それがやっと最近部屋から出てきてくれてな…中々機嫌直してくれなかったよ!」
「いや、それは仕方がないような…。」
思わずその男…ゴードンが突っ込んでしまう。
「いやしかし、君達が来てくれて良かった…もし君達がいなかったら…。」
「あァ…ウタはトットムジカを呼び出し…運命を共にしていたかもしれないな。」
トットムジカ。かつてこの地を滅ぼした魔王。
…そして、ウタワールドと現実をつなげる数少ない手段。
後にルフィの仲間から聞いてわかったが、ウタはその楽譜を手にしていた。
恐らくルフィの命を助け…その後、世界を繋げるため、命を捨ててでも魔王を呼ぼうとしたのだろう。
「おれ達だけじゃ止められなかった…ルフィと仲間に感謝だな。」
とは言っても、発端はまさかのルフィの盗み食いだったが…思いもよらぬ事件を思い出し、ついシャンクスが苦笑してしまう。
「せっかくだ。このあとちゃんとあんたもウタに会ってくれ。次いつ来れるかわからないからな。」
「あァ…そうだな、ちゃんと挨拶したい。」
そう言って、二人は席を立ち、娘のいる船へと向かい始めた。 - 179二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:22:22
自分より年下の少年少女の甘酸っぱいキス(口移し)を仕事だからと強制的に見なければ行けないので、そんな仕事をさせた上司(五老星)への「セクハラです」じゃないかな?
私ならそんな仕事させられたら労災認定するわ。
- 180二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:23:37
あの光景(口移し)をどれだけの人々が見ていたのだろうか…
- 181◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 23:28:47
「ハァ…。」
レッドフォース号の一室。
帰ってきた赤髪海賊団音楽家のための部屋で、今日もクッションに顔を突っ込んで悶える。
あれから1ヶ月。この前やっとシャンクスと面と話せた。
色々なことを謝れたし、謝ってもらえた。
晴れて私も、赤髪海賊団音楽家としてここに戻れた。
今までのようには行かないが、これからも私の歌を赤髪海賊団のみんなに、
そして色んな人に出来れば届けていきたい。
それはそれとして、だ。
「ああああ……」
あの日のことが忘れられない。
自分からやるのだって割と頑張ったのだ。
それを身動き取れないようにされて…ああもガッツリ…。
「………ハァ…」
本日何度目かも分からないため息をつく。
せっかくエレジアに来れたのにこれだ。
いやむしろエレジアだからこそ当時の記憶が思い出されてしまうのだろうか。
あのあとしっかり薬を飲んで、眠りから起きたときにはこの船だった。
あれ以来、ルフィには会えてない。
…完全に勝ち逃げされた。
「アアアアア!!」
言葉にできない衝動のままクッションを扉に投げる。
「やァウタ…ブフッ!」
たまたまその時部屋に入ってきたゴードンにヒットしてしまった。
「あ!ご、ごめんゴードン!」 - 182◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 23:38:13
「………。」
甲板で風に煽られる。
あのあとゴードンにもちゃんと謝って、最後に挨拶をしてエレジアから出航した。
これからゴードンはまた人を集め、エレジア再興を目指すらしい。
「さーて野郎ども、今日も一発…乾杯だァ!」
あの時より随分人の増えた船で、また今日も宴が開かれている。
「ウタ、お前も食え!色々あるぞ!」
そう言って連れられてきたところには、私の好きだったごちそうが並んでいる。しっかり覚えててくれたようだ。
「…これはいらない。」
ただ、この肉に添えられたキノコは遠慮したい。
「ん?誰かさん思い出しちまったか?ハッハッハ!」
…悲しいかな、今ではすっかり例のアレも笑い話になってしまった。
一応娘が死にかけてた事件だが、既にルフィとの熱い思い出と認識されてしまってるのだ。
正直喜ぶべきか怒るべきか恥ずかしがるべきか判断に困る。
「相変わらず大人気ねェな…ところでウタ、次ルフィに会ったときのためのテクニックが書いてある本をいくつか探してきたんだが…」
「ちょ、何言い出してるのベックさん!?」
つい顔に熱が溜まってしまう。
それでまたシャンクス達が大爆笑してる。 - 183二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:39:49
こっちは紛うことなきセクハラである
- 184◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 23:48:35
「あーもう!これもこれも…!」
そうだ、大体ルフィのせいだ。
私があんな悪戦苦闘せざるを得なかったのも。
雨の中震えることになったのも。
こんな恥ずかしい目にあってるのも。
…また、みんなと馬鹿みたいに騒ぐことができてるのも。
「…………。」
「どうした?酒の飲み過ぎか?」
「え?あ、なんでもない!」
「それより、憂さ晴らしに一曲歌います!」
「お、イイぞウタ〜!!」
とにもかくにも。
次会ったら絶対やり返してやる。
183連勝の記録を止められた分存分にやり返して、
絶対ルフィの顔もまっかっかにしてやる。
それで全員の前で「負け惜しみ〜」決めてやる。
それでもってまァ…そのあとは…なるようになれだ。 - 185◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 23:48:46
「…キシッ!」
「なんだルフィ?風邪か?」
「こいつに限ってそりゃねェだろ?」
「おう!大丈夫だ!……」
『フゥ…フゥ…うん、全部飲ませた』
「……おれの184連勝だぞ!」
fin - 186二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:49:21
乙!!!!!!!!!!!!!!!
最高だった!!!!!!!!!!!!!!!! - 187二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:50:21
乙
神ssだった - 188◆.pitCM.Fow22/09/21(水) 23:51:18
おつきあいきただきありがとうございました。
SSの合間にSSを書くとかいうよくわからんこと始めました。
とりあえずネズキノコはイム様に消してもらいたいですね。
それではまた別のところで。
by一般ラインハルト - 189二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:51:42
- 190二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:52:13
うおお!!!!!!!!よかった!!!!!最高だ!!!!
- 191二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:52:45
いいもの見させていただきました!!!!
- 192二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:53:44
素晴らしいSSだった
ありがとう
この世界線はTVスペシャルみたいな形で19時から1時間ぐらいで放送してそう - 193二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:56:32
お前は語り継がれる…
- 194二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 00:06:44
- 195二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 00:13:26
この作者前作あるのか…
- 196二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 00:25:21
このSS読むと前作も読みたくなるんだが…
誰かスレタイだけでも教えてくれ!頼む! - 197二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 01:15:00あのルフィ…その…ごめん感想|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/997060/まさか完走するとは……SSに感謝bbs.animanch.com
ここで一般通過あにまんラインハルトなる方がコメントしてるんですけどスレ主と同じ方?
- 198◆.pitCM.Fow22/09/22(木) 01:22:52
- 199二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 01:30:37
- 200二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 02:07:18
とってもよかった!!!!!