- 1二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:01:31
「ねぇキングちゃん!ミミナガシのお祭りって知ってる!?」
練習が終わり部屋に戻ろうとした時に後ろから来たウララさんに突然聞かれて困惑する。
「びっくりしたじゃない!⋯でもそんなお祭り聞いた事ないわね?」
ミミナガシ?のお祭りとは聞いたことのないお祭りだった。
「わたしもキタちゃんから聞いたんだけどね!!」
要約すると、トレセンの近所でやっているご当地お祭りらしく負けが混んでしまってる時の暗い気持ちを流してしまおうというお祭りらしい。
といっても今では唯の小規模なお祭りらしく、小さな露店とお神輿を担いで最後に川に自分の辛い事を乗せた葉船を長すという物らしい。
「すぐ始まるんだって!一緒に行きたいな!!」
時間を見る、寮長さんに少し門限を過ぎてしまう旨を電話をしてウララさんとお祭りへ出かけた。 - 2二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:01:50
二人共練習帰りでジャージ姿ではあったけども、来ている子たちはみんなウマ娘でジャージ姿の子もちらほら見えたのであまり気にしなかった。
小規模ではあるけども露店はあり、そこそこの活気はあるように見えて私は少しホッとした。
「ウララさん?」
「見て!御神輿!」
指差した先には小さな家が乗ったような御神輿がありそれを布で顔を隠したウマ娘達が担いでいる。
伝統なんだろうけども少しなんともいえない雰囲気に私はゾッとしてしまい、結局露店では何も食べる事はなかった。 - 3二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:02:25
周りもすっかり暗くなり、御神輿にみんなして着いて行き少し山奥に入ったところの川に出る。
道は結構荒れており、整備をされていなかったようであまりダートに慣れていない私には辛い道だった。
布で顔を隠したウマ娘に葉っぱの船を渡されるとみんなはそれに向かってブツブツと囁き出した。
その異様な光景は、まるで呪詛の言葉のようでおもわずウララさんの方を見る。
「キングちゃんもやらないと」
腕を引っ張られ船を顔の前に出される。
その力はいつものウララさんのものでは無かった。
助けを求めようと周りを見る。
全員が私の方を見ていた。
口はずっと動いて何かを呟いている。 - 4二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:02:56
気がついた時には私はトレセン学園寮の近くまで走っていた。
ジャージに着いた草木からしてあそこからずっと走ってきたのだろうか?
はっと気づく、ウララさんを置いてきてしまったと振り返った時
「キングちゃん?」
制服姿のウララさんがそこにいた。
「どうしたのキングちゃん?遅くなるなんてめずらしーね」
「ウララさん⋯⋯?」
「そうだ!足の怪我ね、もう良くなったんだ!明日から練習にも出て良いって!」
そうだ、ウララさんは今日はずっと部屋にいたはずだ。
だったら私をお祭りに誘ったのは誰だったの?
後日聞いた話によると、ミミナガシのお祭りは実際にあったお祭りではあるが数十年前に川で溺れる子が多発してしまい無くなってしまったのだという。
あのまま私があそこに居たら。
今でもあの周辺を通ると寒気がする。 - 5二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:06:50
台風の夜に読む怪談もオツなもの
- 6二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:16:54
祭り⋯○○流し⋯うっ!頭が!!
- 7二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:20:36
船をかたどった物を流すのは流し雛に並ぶ厄除けだが・・・
祭りの名前からして余りにも胡散臭過ぎるしあんま碌なもんじゃなさそう - 8二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:27:25
馬の耳って葉舟に似てるよね
- 9二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:31:57
馬耳東風という訳か⋯
- 10二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:37:18
川に引き込まれるコースか怪異の仲間入りコースか⋯
- 11二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 21:42:32
ウマ娘のなく頃に 耳流し編…?
- 12二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 03:10:26
これはいい不気味さ