【SS】転生したら黒炭オロチの姉だった

  • 1黒炭キズナ22/09/20(火) 23:39:15

    掲示板初心者なのでクオリティは多目に見てくれ。
    この作品は、
    ・転生者
    ・女主人公
    ・グロ
    ・リョナ
    ・曇らせ
    などの地雷要素もあるので、合わなかったらブラウザバックを推奨するぞ。

    しかし、スレ主的には是非読んでもらって感想や思いの丈なども語ってほしいので、各自遠慮なく意見を述べてくれ。
    作品を読んでいる君も、このワノ国の行く末を色々と想像して、原作との乖離などを楽しんでくれたまえ。

  • 2二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 23:40:52

    🐉今日はお前が煮られる番だ

  • 3黒炭キズナ22/09/20(火) 23:42:58

    「姉上ェ〜……! 腹が減って減ってしょうがねェんだ……助けてくれェ〜……」
    「うん。じゃあ、この林檎はオロチにあげよう」
    「ありがとう……! ああ、うめェ!!」

     日本の一般貧乏庶民として暮らしていた私は、ひょんなことから焼死して転生した。
     今世においての私の名前は「黒炭クシナ」。
     前世ではワンピースだけが唯一の楽しみであり、ワノ国編まで読破済みである。
     それ故に自分の姓が「黒炭」で、かつ弟の名が「オロチ」とわかった時点で転生を確信した。

  • 4黒炭キズナ22/09/20(火) 23:45:01

    「姉上、どうしておれ達はこんなに貧乏なんだ?」
    「それは私達のお祖父様が罪を犯し、お家が潰れたからさ。この国では先祖のどうしようもない罪は孫子も背負うのが正しい〝しきたり〟なんだよ」
    「じゃあおれ達が石を投げられるのも、父上や母上が殺されたのも正しくて、仕方のねェことなのか?」
    「……うん。その通りだよ」

     このオロチという少年はワノ国編において、虐げられた過去を免罪符に民衆に悪逆の限りを尽くす人間になる。
     それが数え切れない悲劇を生み、多くの悲しみと苦しみ、そして怒りをこの国にもたらした。

  • 5黒炭キズナ22/09/20(火) 23:48:45

    「いいかい、オロチ。人は悲劇を繰り返す生き物なんだよ。
     私達のお祖父様は多くの人を殺し、多くの人から憎まれた。そして罪人には何をしても良いと思った人が私達を迫害する。
     もし、私達が被害者であることに免じて復讐を正当化したら、どうなると思う?」
    「……また同じ被害者が出る」
    「お前は頭が良いね、その通りだよ。悲劇はそうして繰り返される。それを私達は『歴史』と呼ぶんだ」

     だけど、もしそこに「私」という本来の歴史にいない人間が割り込んだら?
     後の悲劇の元凶たるオロチを、私が止めることができたら?

  • 6黒炭キズナ22/09/20(火) 23:50:55

    「だから、この悲劇という名の歴史を終わらせたいのなら、誰かが飲み込まなければなければいけないんだ。
     怒りも憎しみも悲しみも、その全てを抱えたまま、黒炭のように燃え尽きなければ。
     それが私達にできる唯一の贖罪なんだよ」
    「…………」

     それだけで、多くの悲劇を起こすことなく終わらせられる。
     子供の頃のオロチなら、まだ説得することも可能だろう。
     おでんは死なず、赤鞘も復讐に生きることなく国を守り、日和やモモの助はすくすくと育ってくれるはずだ。
     ワノ国は原作よりもきっと平和になってくれる。
     私達のような人がこれ以上出ないような素晴らしい国ができるはず。

     転生で得たこの2度目の命。
     せめて好きだった原作がより良くなってくれる礎になれるのなら本望だ。

  • 7黒炭キズナ22/09/20(火) 23:54:02

    「……そんなに怯えなくてもいいよ、オロチ。お前はもう少し大きくなったら霜月のお殿様に奉公に出なさい。
     それまで、私が命をかけてお前を守ろう」
    「……姉上は?」
    「ふふ、私はきっとそれまで生きてられないだろうね。だから息絶えるその日までお前を愛すよ、オロチ。
     だから、約束して頂戴? 決して怨みや憎しみに囚われないということを。そうしてくれるなら、私はきっと最期までお前のために生きていられるから」
    「……わかった。約束だ」

     ああ、よかった。
     これで私も、もう何の未練もなく死ぬことができる。
     ……不甲斐ない姉でごめんね、オロチ。

  • 8黒炭キズナ22/09/20(火) 23:56:33

    ★☆★

    「オロチ! 今日は久しぶりに腐ってない果物が手に入ったんだ! それになんと今日は米もある! 一緒に食べよう!」

     ある日の夕方、私はいつものように食料を確保しに出かけていた。

     私はまだ子供で、栄養が足りないのか身体も出来上がっていない。
     そのため猟や耕作ではなく、スリやゴミ漁りで生計を立てている。

     この日は偶々状態の良い食べ物が手に入り、それに加えてコツコツと貯めていた銭で椀一杯分の米を買った。
     今日はオロチの誕生日なのだ。
     姉として、せめて生まれた日だけは祝ってやりたかった。
     もしかしたら今後、あの子をこうして祝福してくれる人はいなくなってしまうかもしれないから。

  • 9黒炭キズナ22/09/20(火) 23:58:09

     そんなことを考えながら、私は隠れ家として使っている廃寺の戸をカラカラと開けた。
     ここは私達を迫害してくる人から身を隠すために重宝している。
     森の中で見つかりにくく、さらに雨風を凌げるので隠れ家としては満点だ。
     町に出るまで結構時間がかかるのが難点ではあるけれど。

    「あれ? オロチ?」

     しかし、オロチはそこに居なかった。
     私がいない時は危ないから絶対にここを動くなと毎日口酸っぱく言い聞かせているにも関わらず、だ。

  • 10二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:00:42

    見てるぞ
    面白いわ

  • 11黒炭キズナ22/09/21(水) 00:01:16

    「オロチ……!」

     心臓が早鐘を打つ。
     私は抱えた食べ物をかなぐり捨ててボロ屋を飛び出した。
     オロチに何かあったんだ。
     すぐに助けに行かないと。
     きっと助けると誓ったんだから。

     日はいつの間にか傾き、逢魔時に差し掛かる。
     私は暗い森の奥で、オロチが数人の刀を持った男達に囲まれ、腕や足を切り落とされているのを見つけた。

  • 12二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:02:13

    見てるぞ
    もう嫌な予感しかしなくて楽しみだよ

  • 13黒炭キズナ22/09/21(水) 00:02:28

    「私の弟に手を出さないでっ!!」
    「うご!? てめェは……!」

     護身用にと懐に忍ばせていた短刀を腰だめに構え、オロチを嬲るのに熱中していた男に体当たりする。
     男の脇腹に深々と突き刺さった短刀ごと振り払い、うずくまるオロチの傍らに膝をつく。

    「オロチ、オロチ! しっかりして……! 大丈夫、きっと大丈夫だから! こんな血なんてすぐに止まるから!」
    「あ……姉上……!」

     うめき声を上げながら、オロチは私の着物をぐい、と引っ張って言った。

  • 14二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:03:47

    ワノ国はこういうクソみたいな民度の国だったな

  • 15黒炭キズナ22/09/21(水) 00:04:05

    「お前のせいだ……!」
    「えっ……?」

     充血した瞳で睨みつけるオロチに、私は時が止まったように固まってしまった。

    「約束したじゃねェか! 死んでもおれを守ってくれるって!
     でも見ろよォ! おれの手も! 足も! このバカ共に切られちまったァ!」
    「あ……あ……」
    「何が恨みを飲み込めだ! 何が悲劇を抱えて死ぬことが正しいんだ! ウゥ……!
     こんなに痛ェのに、怖ェのに! そんなことできるわけがねェだろうが!!」

  • 16二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:04:41

    あ~……
    オロチはこういうところあるよねえ

  • 17黒炭キズナ22/09/21(水) 00:05:17

     激昂する蛇の如き瞳孔が私の脳に突き刺さる感覚だった。
     怖かったろう、不安でしかたなかっただろう。
     唯一無条件でオロチが頼れる肉親は私だけなのに、その私が死を受け入れろなどと言うのだから。
     それでも必死で耐えてきたのに、いざという時に全く間に合わず、守ると言ったのは口約束でしかなかったのだと思うだろう。

     ああ、オロチが憎むべき最悪の肉親は、確かに他ならぬ私じゃないか。

     何とも浅はかで、馬鹿な女が私じゃないか。
     結局最後まで、オロチのことを弟とは思ってなかったんだ!
     ただワンピースのいずれ悪役になるキャラクターとしてしか見ていなかった!
     だからあんな無責任なことが言えたんだ!!

  • 18二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:06:04

    でもオロチはなんやかんや死んだ後に今際の際にそう言ったこと後悔しそうではある

  • 19二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:06:06

    どういう内容か簡単に教えてくれ

  • 20黒炭キズナ22/09/21(水) 00:06:29

    「ごめ……ごめん、私、そんなつもりじゃ……」
    「てめェ、ガキ……! よくもおれ達に楯突いたなァ!!」
    「うあっ」

     取り囲んでいた男の一人に髪を引っ張り上げられ、投げ飛ばされる。
     うつ伏せに倒れた私は男達に押さえつけられ、着物を剥がされた。

  • 21二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:06:38

    姉ちゃんは頑張ってたよ
    オロチも姉さんのことは大好きだったと思うよ
    痛くて怖い思いをして冷静じゃなかったから心にもないことをいっちゃったんだ

  • 22二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:07:59

    これで姉さんが酷い目に遭ったらオロチはそれはそれで曇ると思う

  • 23二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:08:37

    面白い
    このスレ立ててくれてありがとう

  • 24122/09/21(水) 00:09:02

    >>19

    オロチの姉に転生した女が、この世は理不尽に満ちていることを第2の人生を通して実感し、原作のオロチポジションに収まってワノ国に原作とはまた違った形の地獄を生み出すお話だよ

  • 25黒炭キズナ22/09/21(水) 00:10:25

    「呪ってやる! 呪ってやる! お前のせいでおれは死ぬんだ! うああァァ!!!」
    「や、めて……! やめて、よお……!!」

     自責と後悔の涙でにじむ視界の先で、死にかけのオロチに火がつけられた。
     どんどんと黒く焼け焦げていくオロチが強制的に私の網膜に焼き付けられる。

    「熱いィ! 痛いィ!! ぎゃあああああ!!!」
    「う、あ……お、おえ」
    「ぎゃはは! おら、しっかり見てやれよ姉ちゃんなんだろ? 黒炭に相応しい無様な死に様だなァ! ははははは!!」

  • 26二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:11:03

    カン妹スレといいなぜ黒炭に女混ぜると湿度がこうも上がるのか
    いいぞもっとやれ

  • 27二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:11:34

    黒炭だから燃えてなんぼってか?
    ワノ国はこういうゴミみたいな国だったね
    もっと加減しろ

  • 28二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:12:18

    オロチも姉ちゃんに呪いかけて死ぬのやめぇや

  • 29黒炭キズナ22/09/21(水) 00:12:19

     目に映るのは赤と黒。
     私の脳みそまで焼けてしまいそうだ。

    「も゛う……!」
    「あん? なんだァ?」
    「もう何も゛……! 見だぐない゛……!!!」

     これ以上、私に地獄を見せないで。
     これ以上、私の大切なものを壊さないでよ……!

    「ぎゃはは! そうか、まァ確かに可哀そうだしなァ……せめてもの情けだ。
     両目を抉り取ってやるよォ、ひひひ。そしたらなァんにも見えねェからなァ〜!」
    「ぎいィい!!?」

     じゃないともう私、この世界を愛せないよぉ……!!!

  • 30二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:12:45

    惨すぎるな…

  • 31二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:12:48

    すげえものを見ている

  • 32二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:13:18

    スレ主さんに人の心はないんですか?(半泣き)

  • 33黒炭キズナ22/09/21(水) 00:13:35

    「憎い、憎いィ……! 地獄に堕ちろォ! 姉上ェ!!」
    「ははははは!! おい、いい句を思いついたぞ!」
    「うう゛ゥー!! あ゛あア゛ァァ!!!」

     両目を抉られてなお、私の眼には炎の赤と人の燃える黒が鮮明に焼き付いて離れない。
     ああ、これがオロチの言う「呪い」なのかな。

    「〝燃えてなんぼの黒炭に候〟!!! ぎゃはははは!!」

     ……不甲斐ない姉でごめんなさい、オロチ。

  • 34二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:14:17

    きっつう……

  • 35黒炭キズナ22/09/21(水) 00:15:02

    ★☆★

    「二キョキョキョキョ! 気がついたかい。
     随分と派手にやられたもんだねェ。どれ、生きているかい?」
    「あ゛……あ゛……!」

     生きている。
     まずはそのことに驚いた。
     眼球を抉り取られたせいか、起きても目の前は闇ばかり。
     痙攣する芋虫のように蠢く私は、失った瞳孔も含めて妖か何かの類であっただろう。

  • 36二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:15:08

    ワノ国民はお前みたいなカスじゃ…いやカスだったな

  • 37黒炭キズナ22/09/21(水) 00:16:00

    「あな、たが……」
    「そうさ。チンピラに陵辱されているお前をすんでのところで救ってやった。
     わしの名は黒炭ひぐらし……お前さんと同じ、このワノ国を憎む怨霊さ……!」

     黒炭ひぐらし。
     ワノ国乗っ取りを主導した陰の立役者。
     ああ、今日が原作でオロチが復讐者となった日なのかな。

    「オロチ、オロチ……」
    「あの小僧は残念ながら死んでいたよ。無念だったろうねェ……凄まじい形相で焼け死んでいた」
    「あ、ああ……」

     じゃあ、なんで生きているのが私なんだ。
     生き残るべきはこんな異物などではなかったというのに。

  • 38二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:16:09

    目が見えない状態からどうするんだ

  • 39二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:16:56

    >>38

    なーにこれから目玉が14個できる

  • 40黒炭キズナ22/09/21(水) 00:17:06

    「知っているかい? お前の祖父の話さ……」

     ひぐらしはそう言って、次期将軍の座を狙った黒炭の暗躍と、光月スキヤキの出生、計画の露見によるお家取り潰しの話を語った。
     いかに自分達は悪くないか、光月のせいで全ての歯車が狂ったのだということを、涙声で力説した。

    「お前のその貧乏暮らしは誰のせいだ!? お前の愛する弟オロチが死んだのは誰が悪い!?」
    「それは……」

     そんなもの決まっているだろうに。

  • 41二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:17:38

    オロチは姉上に酷い事言ってごめんなさいって言って息絶えてそう
    ひぐらしが主人公を復讐者に仕立て上げるために伝えなかったとか

  • 42二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:18:14

    来るか…本気で鍛えたヤマタノオロチの能力

    >>39

  • 43黒炭キズナ22/09/21(水) 00:18:27

    「大名達を、暗殺した……祖父でしか、ないでしょう」
    「何いィ……!?」

     だって、迫害の理由はそれでしかない。
     大名の時点で地位としては十分だったはずなのに、欲をかいて危ない橋を渡ったツケだ。
     だから元凶は祖父でしかないのは、はっきりとしたことだ。

  • 44二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:18:31

    盲目なのは悪魔の実を食べてどうにかするとか?
    それか見聞色を鍛えたら問題なくなるかもしれない

  • 45二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:19:23

    急に姉に転生してもオロチに愛情抱けなくね?なんかオロチ死んだ時に自分を責めてるのとか変な感じだなぁ

  • 46黒炭キズナ22/09/21(水) 00:20:23

     けれど。

    「フン……そうかい、こりゃあ見込み違いだったかねェ。邪魔をしたよ、せいぜい野垂れ死んで——」
    「炎が、見えるんです」
    「……あァん?」

     この世が理不尽なものだなんて、初めから理解していた。
     だから黒炭に生まれた時点で、私はすでにまともな人生という希望は捨て去った。
     このワノ国において私達は、存在することが罪なのだ。

  • 47黒炭キズナ22/09/21(水) 00:21:03

     しかし私の最大の罪は、その人生の諦観をあろうことかオロチにも押し付けてしまったことだ。
     原作でそうだったから、という理由だけで私はオロチ本人をちゃんと見ていなかった。
     ただ将来悪役になる〝キャラクター〟なだけだと、無意識にでも思っていたのだ。

  • 48二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:22:10

    原作とキャラクターとか言ってるのキショいなあ

  • 49黒炭キズナ22/09/21(水) 00:22:41

    「両眼を抉られ、暗闇しか見えないはずなのに、なぜか赤く燃えがる炎が目に焼き付いて離れない……」

     だから私がオロチに呪われるのは道理でしかない。
     今もなお鮮明に、焼け爛れていくオロチの形相が私を苛む。

  • 50黒炭キズナ22/09/21(水) 00:24:34

    「あの子の声が脳の中に木霊してる……『殺せ』『憎め』『呪え』という、怨嗟の叫びが、打ち付けるように響くんです……」
    「!? な、なんだい!?」

     がしっ、とひぐらしの足首を掴み、虚な貌でひぐらしが居るであろう場所を見上げる。

    「ねェ、辛いの。苦しいの……頭の内側から炎で炙られてるみたいに、この国を、人間を恨めと、あの子の怨霊が私を焼き殺そうとしてくる!!」
    「いッ!?」

     こめかみを掻きむしりながら、ひぐらしの白装束の腰にまで手を伸ばし、逃さないように抱えて締め上げる。

  • 51二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:24:34

    見てるよ
    俺はこのSS好き

  • 52黒炭キズナ22/09/21(水) 00:25:59

    「あなた、持っているんでしょう? 悪魔の実を!」
    「! なぜお前がそれを……」
    「そんなことどうでもいい! お願い、私に力をちょうだい! この〝呪い〟を祓えるなら私はなんだってするから!!
     だから寄越して! このワノ国を焼き滅ぼし、全てをゼロに還す力を私に寄越せェ!!!」
    「……!! 二キョキョキョキョ……」

     この〝呪い〟は、きっと死んでも私を捕らえて離しはしないだろう。
     2度目の生はあった。
     もしこのまま呪いに身を焼かれながら、未来永劫に転生し続けてしまうなら、こんなの無間の地獄じゃないか。
     せめてこの呪いだけは、晴らさなければ死んでも死にきれない……。

  • 53二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:26:18

    このあとの展開だけどうなるか教えて欲しい

  • 54二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:26:46

    ああ……
    復讐や怨念に捉われないでねって願っていた彼女自身が弟の死で復讐者に堕ちたのか
    美しい

  • 55黒炭キズナ22/09/21(水) 00:26:52

    「二キョキョ! 良い顔だねェ……怨讐に取り憑かれ、それにしか生きられない奴の顔をしているよ。
     いいだろう、お前の望むだけの力をやろう。この国の全てを統べる将軍となるだけの力をくれてやる!!」

     こうして、私はワノ国に大いなる災害をもたらす『黒炭クシナ』として新生した。
     魂を焼き焦がす怨念の呪いを国中に振り撒く未だ見ぬ大過として、ワノ国を地獄へと変貌させるために。

  • 56二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:27:20

    おもしれえ!続きが読みたくなる

  • 57二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:27:48

    誰に復讐するねん

  • 58黒炭キズナ22/09/21(水) 00:28:52

    今宵はここまで。
    明日の深夜までにまた少し充電してから続けようかと思う。

  • 59二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:30:50

    ほう、あにまんでは珍しいオリ主転生系ですか…
    大したものですね🍲

  • 60122/09/21(水) 00:32:26

    内容は賛否両論あるだろうし、この掲示板ではあまり受け付けられないような要素とか、ガバいところもあると思ってます。
    その上で、感想や批評などが有ればどうか気楽に語ってほしい。
    また、疑問点などには投稿が一段落したら答えられる範囲で答えていこうと思います。

  • 61二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:39:03

    オロチは多分燃やされる瞬間は本当に姉に呪われろォって思ってた
    でも燃やされながら目玉えぐられる姉見て少なからず後悔したと思う
    まぁごめんなんて伝えられなかったけどな!!!

  • 62122/09/21(水) 00:40:18

    >>45

    >>48

    主人公は今世で産まれた時からオロチと暮らしており、年齢は10歳前後を想定しています。

    オロチに対してはそれなり以上の情がありましたが、それが下手に原作を知っている都合上、家族に対する愛情にまで達していなかったのです。

    そのことをオロチが死んだことで自覚し、罪悪感を感じているんですねー。


    また、『原作』や『キャラクター』などのワードは私も極力入れたくなかったのですが、主人公がまだどこかこの世界に対して他人事なスタンスでいる、ということを明確に表現するために今回使わせていただきました。

    今後は展開上このようなフレーズが使われることはほぼなくなると思ってます。

  • 63122/09/21(水) 00:44:20

    ちなみに、この話は復讐譚ではないため復讐対象はあえて描写しません。
    あくまで、主人公の呪いから逃れたいという現実逃避にワノ国が巻き込まれていく形になっていきます。

  • 64二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:58:11

    キタイ

  • 65二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 01:38:48

    この姉弟に悪いところはなかった、強いて言うなら国と運が悪かった

  • 66二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 02:04:53

    ハーメルンあたりに投げた方がいいんじゃないかこれ
    あっちの方がオリ主転生原作介入モノの土壌があるし
    面白いからこんな場末の掲示板のSSで終わらせるのは勿体無いよ

  • 67二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 03:54:23

    このレスは削除されています

  • 68二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 04:09:44

    焼身で死んだ子が炎に捉えられる幻覚を見続けるのは酷でしかねぇのよ

  • 69二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 12:37:57

    めっちゃ続き待ってる

  • 70二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 14:26:26
  • 71二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 17:51:30

    いや面白かった、面白かったよ
    オロチ死んじゃったけどオロチが死ぬ前の姉弟の頃とかもっと見たいわ

  • 72二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 17:56:54

    面白いけど、これだけ文章力かあるならハーメルンに投稿した方がいいな

    ハーメルン - SS・小説投稿サイト-syosetu.org
  • 73122/09/22(木) 00:46:12

    >>66

    >>72

    実はハーメルン作者ではあるんだけど、連載してる作品が悉くエタってまして、一回こちらで連載してみたら最後までモチベ維持できるんじゃないかな、と思って実験しているんですよね。

    ちゃんと形になったらあっちでも投稿してみようかなー、と思ってる。


    そんじゃあ、遅筆ゆえにあんまり書き進んでなくて短いけど、取り敢えず書けた分だけ投下していきまーす。

  • 74黒炭キズナ22/09/22(木) 00:47:36

    ★☆★

     数ヶ月経ち、私は〝白舞〟の霜月康イエの下を訪れていた。
     ひぐらしに言いつけられた、金を貯めて武器を増産し、カイドウを引き入れる手筈を整えるために。

    「クシナと申します。野盗に襲われ、家族が皆動けないほどの大怪我を負ってしまったのです」
    「おお、それは不憫だな……」
    「いえ……私は盲目ですが熱を感じることができ、動きに支障はございません。
     薬も作れますし、ある程度は戦闘もこなせます。言われたことは何でもやります。だからどうか、小間使いとして雇ってはいただけないでしょうか」
    「うむ、よかろう。ここで働くといい」
    「はっ、ありがたき幸せにございます!」

  • 75黒炭キズナ22/09/22(木) 00:48:36

     未だなお、身を焦がす熱は私を離してくれはしない。
     一刻も早く、この苦痛を取り払いたい。
     その一心で私はあらゆる技能を貪欲に取り込んだ。
     〝呪い〟に追い立てられるように何かをしていなければ、身も心も炎に包まれて発狂死してしまいそうだったから。
     偶然にもその姿勢が康イエにも評価されたのか、小間使いの身ながら一目置かれ、重宝されるようになった。

     そうして康イエの下で働くこと数年、ついに〝花の都〟で〝山の神騒動〟が勃発。
     それによって都を追放された光月おでんと子分の錦えもんと傳ジローが、この白舞までやってきた。

  • 76黒炭キズナ22/09/22(木) 00:49:21

    「お会いできて光栄です、おでん様。どうぞこちらへ。康イエも心待ちにされておられます」
    「ははは! ウソつけ、待ってるわけねェだろう!!」
    「ああ、待ってなどいない! 都を追放されたバカなどはな!! 何の用だ、おでん!! 偉そうに子分連れか?」

     おでんと康イエが気心の知れた仲のように軽口を交わす。
     ……ここでおでんに目を付けられなければ、今後の計画にも支障が出るだろうか。
     着用している小袖を脱ぎ、ぬかるんでいる地面に覆いかぶせる。

    「少々お待ちを、おでん様」
    「あァん? んな!?」
    「水たまりに足が浸かってしまいます。どうか私めの小袖を足場になさってくださいませ」
    「おいおい、よせよ! 恥をしらねェのかお前は!!」

     ドン引きだ、と言うかのようにおでんが身をよじる。

  • 77黒炭キズナ22/09/22(木) 00:50:18

    「おいオジキ! なんだこの娘は、頭おかしいぜ!!」
    「そやつは新入りの小間使いだ。……下がってよいぞクシナ。それと、公衆の面前でそのような真似は二度とするなよ」
    「ご忠告痛み入ります。それでは、失礼致します」

     ファーストコンタクトはこれで良いだろう。
     人間は他人の気味が悪い所ばかり目に付き記憶するものだ。
     相手がおでんであるならば、多少奇異に映っても目立っておいた方がいい。
     ……これから長い付き合いになるのだから、つけ込む隙など山ほどあるだろうから、ね。

  • 78二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 00:51:17

    さて焼け焦げたオロチくんはあの世でお姉ちゃんの勇姿を見守っているわけですが

  • 79122/09/22(木) 00:53:06

    短いけれど今日はここまで。
    今後も平日はこのくらいの文量になってしまうことは大目に見てほしい。
    明日も深夜1時頃に投稿しようと思っています。

  • 80二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 00:53:45

    面白かった
    文章力高いな、羨ましい

  • 81二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 00:56:29

    おれも1年放置してるけど知らん顔してハメで匿名投稿しとるよ
    お前も匿名投稿でハーメルンに行こう!

  • 82122/09/22(木) 00:59:01

    >>80

    そうでもねェさ!

    ハーメルンでも日間には乗れるんだが、どうにもトップ10とかの覇権には届かなくて悩ましいんだよなー

    まぁ、途中でエタっちゃうからなんだけど

  • 83二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 11:17:30

    保守

  • 84二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 11:41:22

    楽しみにしてる、実は自分もカン十郎の妹を少しづづ書き進めてるけど怖くて投稿できなかったけどこれ読んでハーメルン行ってみようと思いました。

  • 85二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 11:46:17

    カン十郎はどういう役を演じてもらうんだろ、楽しみ

  • 86二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 21:55:02

    目に包帯、紫色の髪、ロングストレートで脳内再生してる

  • 87122/09/23(金) 00:07:01

    >>86

    私も大体そんな感じでイメージしてます。

    予告してた1時よりちょっと早いけどできたので投下していきまーす

  • 88黒炭キズナ22/09/23(金) 00:07:36

    ★☆★

     おでんは数ヶ月ほど白舞に滞在した後、ワノ国を漫遊すると言い残し、この国屈指の無法地帯〝九里〟へと旅立った。
     いずれ遠くないうちに彼は現在の九里を牛耳っているアシュラ童子を打倒し、無法の地だった九里を人の生きる郷へと生まれ変わらせるだろう。
     私も動く時が来た。

    「康イエ様、お話があるのです」
    「む? なんだ、言ってみるといい」
    「はい。九里へと赴き、おでん様のお力になりたいのです」
    「……なに?」

  • 89黒炭キズナ22/09/23(金) 00:08:23

     私が今最も欲するものは武器を作るための金。
     その次に都の将軍に近づくための地位。
     この時期におでんに取り入ることができれば、九里復興で金や人が多く動く時期に中枢に忍び込める。
     彼らにとっても、九里復興のための知識人は喉から手が出るほどに欲しいはずだ。
     あちらには既にカン十郎を忍ばせてあるし、彼の後押しもあればすんなりと関係を築けるだろう。
     まぁ、そもそもおでんはお人好しなので、ここまでやる必要はないかもしれないけど、念には念をだ。

    「風の噂でおでん様の武勇を聞き及び、私もはみ出し者の一人でしたので九里の復興には非常に興味があるのです。
     私や家族のような犠牲者をこれ以上出させないような、そんな土地を自らの手で作りたいのです」
    「うむ……立派な志だ。よかろう、九里への赴任を許そう。お前の勤勉さや知略は必ずあいつの役に立つ」
    「はい。今までお世話になりました」

  • 90黒炭キズナ22/09/23(金) 00:09:26

     こうして私は白舞を後にした。
     そしてさらに数日かけて現在元荒くれ者達があくせくと整地に勤しんでいる九里へと足を踏み入れた。

    「おう、お前さん確か康さんとこの小間使いか」
    「はい。この度、おでん様の下で財産管理や他郷との外交に勤めたいと思い馳せ参じました」
    「そうか! いやァ助かるぜ、ウチの野郎どもはバカばっかでな。頭を使える奴を探してたんだ」
    「はい。何なりとお申し付けを」

  • 91黒炭キズナ22/09/23(金) 00:10:04

     あっさりとおでんに受け入れられた私は、まず復興作業の裏方を一手に引き受ける傳ジローの下に配置されることとなった。

    「お前、確か白舞の屋敷にいたよな?」
    「はい。小間使いのクシナと申します」
    「へェ……。まァ別にいいさ。やることは山のようにあるからな、まずは——」

     傳ジローの言い付け通りに働き、そしてある程度自由に権限を震えるようになってからは外交に注力することになった。
     傳ジローは頭が回るが、少々短気でもあったからだ。
     私にとっては渡りに船であったのだが。
     他郷との間に個人的なパイプを作り、その伝手を使って各地の武器職人に当たりをつけたり、裏金を扱っている者達とも顔を合わせた。
     そうして数年経った後、ついに九里が〝郷〟と呼べるまでに整備された。

  • 92黒炭キズナ22/09/23(金) 00:10:52

    「おでん様がこの〝九里〟の大名になったぞォ〜〜〜!!」
    「…………」

     新しく築かれた城の一室から城下を眺める。
     荒れ放題な死臭漂う地だった九里は、正しく〝平和〟と呼べるまでに回復を果たした。
     そこに住まう者達は皆、元々は誰も手の施しようのない罪人であったはずなのに、今では誰もが涙を流して笑い、抱き合って喜びを分かち合っている。

     その様子を、私はじっと感じ取る。
     笑顔、歓喜、感涙。
     ああ、無いはずの瞳が燃えるように熱い。
     抉り取られた涙腺の代わりに、血涙が眼帯から滲み出て頬を伝う。
     この感動的な場面でも、我が身を焼く呪いは一層激しさを増すばかりだ。
     喜び勇む者を見るたびに、怒れ、恨め、苦しめ、呪えと。

     もう彼らのように、幸せに生きる希望など持てはしない。
     求めるのはただこの呪縛が解かれる、安らぎの時のみなのだから。

  • 93122/09/23(金) 00:12:15

    今日はここまで。
    明日はカイドウ来る辺りまでかけたらいいなー、と思ってます。

  • 94二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 02:26:42

    今夜も面白かったわ
    良質なSSをありがとう

  • 95二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 09:43:01

    保守

  • 96二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 09:52:39

    保守

  • 97二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 10:02:46

    原作だと黒炭一族を殺した者たちはどうなったんだろう?
    オロチたちが探して殺し尽くしたのかな
    あるいはしれっとオロチの部下になってデカい顔してるのか

  • 98二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:23:01

    >>95

    >>96

    シンクロニシティ

  • 99二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:41:51

    保守

  • 100二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:43:54

    >>97

    予想ではどちらもありえるかそれかのうのうと生きてたんじゃないかな

    いずれにせよカン十郎みたいな被害者が出てた時点でワノ国は一部とはいえ黒炭迫害してきた&それを知らなかった大名や光月家もしっぺ返しを受けることになったしおでんがカン十郎の裏切りに最後まで気づかないまま騙されて死んでいったのもいい皮肉だよな

  • 101二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 23:24:22

    お姉ちゃんは鍛えて覇気とか使えるようになるのかな、気になる

  • 102二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 23:32:31

    オロチとはまた違った地獄が展開されそう
    黒炭家の迫害についてはまず全員に知らせて、オロチの姉ちゃんを倒してもすっきりしない感じになりそう

  • 103122/09/24(土) 01:37:48

    すまん! まだあんまりキリの良いところまで書き進んでないから投稿明日になります!

  • 104二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 06:21:10

    保守

  • 105二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 13:11:01

    保守

  • 106二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 21:58:16

    保守

  • 107二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 21:59:57

    前途多難…復讐がゴールじゃないなら何を目的に生きていくんだクシナちゃん。

  • 108二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:06:07

    呪いから逃げるために燃やすまでってわけよ

    そう、何もかも……

  • 109122/09/24(土) 23:17:35

    難産だったので余り進まなかった。
    というわけで投下しまーす。

  • 110黒炭キズナ22/09/24(土) 23:18:25

    ★☆★

     九里が一端の郷になってから一年程経った頃。
     赤鞘達はおでんに相応しい侍になるべく学問や鍛錬に励んでいた。
     私は特にそれに関わることはせず黙々と九里の政務作業や財産管理をしていたが、時たま一部の赤鞘から学問に関して質疑されることがあった。

    「クシナさん! ここ教えてください!」
    「教えろゴロニャー!!」
    「菊の丞様、ネコマムシ様……わかりました。少々お待ちを」

     特に多いのは、赤鞘でも比較的年少の者達であった。
     菊の丞、イヌアラシ、ネコマムシ、河松がそれに該当する。

    「この算学はここをこうすると——」
    「なるほど、そういうことですか!」
    「お前頭良いニャー」
    「いえ、このぐらいは別に」

  • 111黒炭キズナ22/09/24(土) 23:18:51

     なぜ絡まれるのかはわからない。
     私としてはこれから裏切る腹である以上、あまり近付いてほしくはないし、自分で言うのもなんだが人に好かれるような人間でもないのだが、なぜ。

    「あの、なぜ皆様は私に関わるので? 質問ならば傳ジロー様にお聞きになった方が良いでしょうに……」
    「? なんでです?」
    「え……ですから、彼ならば私よりもあなた達に親身になってくれるでしょうし」
    「クシナさんも、おでん様に仕える仲間です! 私はあなたとも仲良くなりたい!」
    「それにいつもシケた顔してつまんなそうだニャア。わしらはおヌシにも世話になっとるから、心配で声かけてんぜよ!」
    「……そう、ですか」

  • 112黒炭キズナ22/09/24(土) 23:19:38

     にっかりと笑う菊の丞とネコマムシに、私は曖昧な返事を返す。
     赤鞘達にそんな風に思われているとは全くの想定外だ。
     正直なところ驚きを隠せないが、よく考えてみれば彼らのような善人が、身近に居る明らかに落ち込んだ人間を放っておくわけもなかったか。

     他人に気を遣われるなんていつぶりだろう。
     もしかしたら今世で初めてかもしれない。
     この人達となら、もしかして——

    『そんなことを、許すとでも思っているのか?』

  • 113黒炭キズナ22/09/24(土) 23:20:11

    「う、あ……」
    「? どうかしましたか?」
    「顔色悪いニャア」
    「い、え。大丈夫、です」

    『黒炭の怨念を忘れたのか? お前は死んだ黒炭達の無念を晴らさなければいけない。
     幸福など求めるな。ワノ国を滅ぼせ。それがお前に許された唯一の生だ』

    「は、はは……」

  • 114黒炭キズナ22/09/24(土) 23:20:41

     ああ、でも。やっぱり無理みたいだ。
     もう私は引き返せない。
     何もかも捨てて新しい生を謳歌するなど、許されて良いはずがないのだから。

    「……菊の丞様、ネコマムシ様。お気持ちは嬉しゅうございます。けれど、それは私には余りあります」
    「? どういうことですか?」

     私は、諦めたように力の抜けた笑みを浮かべた。

    「この世にはどうしようもなく堕ちてしまった者もいる、ということですよ」

  • 115122/09/24(土) 23:21:46

    今夜はこれでお終い。
    明日も書け次第投稿します。

  • 116二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:22:10

    いやきっついなあ……

  • 117二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:22:14

    読んでいるんだい~ん!

  • 118二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:25:10

    毎晩の楽しみだわ
    ワノ国のみんなは黒炭家の迫害を知りそうだな
    燃えてなんぼ!と言うことは出来なさそう

  • 119二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 08:06:18

    クシナちゃんの運命辛いな....でもオロチや死んだ両親にカン十郎の両親みたいな無惨に殺された人たちやクシナちゃん自身もワノ国を恨んでるんだし分かり合えることはないんだろうなきっと....

  • 120二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 08:07:00

    カン十郎の「黒炭カン十郎、理由はこれでいいか」が何倍も恐ろしいことになりそう

  • 121二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:01:55

    カン十郎レベルで心ぶっ壊れてるからな
    心が残ってる分、下手したら地獄より辛そう

  • 122二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 15:05:43

    保守

  • 123二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 15:30:34

    私はクシナちゃんを応援したいしどちらかと言うと黒炭の復讐は本編でも遂げてほしかった派だからクシナちゃんがワノ国を是非とも滅ぼして欲しい

  • 124二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 02:09:19

    保守

  • 125122/09/26(月) 02:15:00

    すまん、普通に寝てて今起きました。
    ちょっと脳みそがベガパンクしてるので投稿は今日の夜に延期させてください

  • 126二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 10:25:37

    保守

  • 127二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 12:20:12

    保守

  • 128二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 19:35:15

    保守

  • 129二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 21:42:50

    わかったな、これが“呪い”だ

  • 130二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:46:50

    死んだ両親、オロチ、カン十郎の両親や無実の罪を背負って殺されてった黒炭家の人たちを思うと後戻りできなくなるのがまたな...生まれた時から親戚家族がほとんど屍で後ろにも屍しかないからそれ以外見える余裕なんてないよ

  • 131122/09/26(月) 23:34:02

    今回はあんまりオリジナルを挟む余裕がなかったので若干消化不良気味ですが、キリのいいところまで行ったので投稿していきます。

  • 132黒炭キズナ22/09/26(月) 23:34:30

    ★☆★

     月日が2年ほど経った頃。
     赤鞘達は皆身なりを整え、学を身に付け、侍として立派な姿へと生まれ変わっていた。
     そしておでんの父、光月スキヤキの病気の報を受け、花の都に向かうことになった日のこと。
     私はおでんに、将軍への士官を取り次いでもらうべく話をしていた。

    「独立かァ。もっとウチに居ていいんだぜ? 連中もお前にゃよく馴染んでる」
    「身に余る光栄です。しかし、私にはやらねばならないことがあります。おでん様には恩を仇で返すようで申し訳なく思いますが……」
    「そうか、じゃあ仕方ねェな。達者でやれよ! ウチの備蓄なら好きなだけ持ってけ!」
    「主殿の好意、無碍には致しますまい。ありがたく頂戴します」

  • 133黒炭キズナ22/09/26(月) 23:35:05

     こうして私の資金繰りは無事終了した。
     図々しく金を強請るのはオロチだからこそできたことで、私にはきっと向いていない。
     地道に根を張り、じわじわと悟られずに目的を終えるのが私の性には合っている。

    「親父殿! どうかこのクシナを城においてやってほしい! よく働くし、薬も作れる。
     九里の政も誰より上手く回してたんだぜ。おれの妹分だ、必ず役に立つ」
    「ほう、お前がそこまで言うほどか。よし、ではまずはワシの小間使いから始めてみんか」
    「はっ! 必ずや将軍様に相応しい振る舞いをお約束致します」

     その後は滞りなく花の都に歓待され、おでんの紹介によって光月スキヤキの小間使いとして士官することになった。

  • 134黒炭キズナ22/09/26(月) 23:35:40

     そしてさらに数ヶ月が経過し、九里の〝伊達港〟に〝白ひげ海賊団〟が寄港。
     おでんと赤鞘との一悶着の末、意気投合した。
     その数日後、想定通りにおでん、イゾウ、イヌアラシ、ネコマムシが外海へと旅立ったとの報が入った。

     いよいよ、本格的にワノ国侵略を開始する時が来た。

    「ガフッ!? な、なんだ……!?」
    「……大蛇ですから、毒を持つのは自然でしょう」
    「お、前……! まさか!!」
    「ご安心を。殺しはしません、光月スキヤキ。ただ一時、その身をこちらで預からせてもらいますよ」
    「ニキョキョキョ! さァ、ここからはワシが〝光月スキヤキ〟を引き継ごう……! チェックメイトという奴さ、ワノ国!!」

  • 135黒炭キズナ22/09/26(月) 23:36:25

     光月スキヤキに毒を盛り、ひぐらしが彼に成り代わって危篤の報せを諸侯に伝える。

    「時期将軍はおでんに継がせたい……だがおでんは今不在につき、私にもしものことがあった場合、おでんが帰るまでの代理を立てたい……!
     おでんが妹のように可愛がったこの娘……〝黒炭クシナ〟だ!!」
    「——この度は〝黒炭家〟汚名返上の機会を賜り、スキヤキ様並びにおでん様には生涯頭が上がりませぬ。
     祖父の愚行を償う意味でも微力ながら、おでん様の即位の準備をわたくしめが務めさせて頂きます」
    「! クシナか!!」

  • 136黒炭キズナ22/09/26(月) 23:37:06

     真っ先に反応したのは霜月康イエだった。
     彼は納得したように深く頷いている。

    「確かに九里では見事な活躍だったと聞いている。お前なら任せられるだろう。
     しかし〝黒炭〟とは驚いたな。なぜ黙っていた?」
    「『忌み名』でございますゆえ、ご迷惑をお掛けしてしまうかと。
     きっと皆様のご期待に添えるよう、必ずやワノ国を導きとう思います」

  • 137黒炭キズナ22/09/26(月) 23:37:49

     その後、滞りなく光月スキヤキの偽装死は完遂され、一時的に私がワノ国の全権を担うこととなった。
     これによって、武器工場の大規模建設が可能になる。
     それに何より——

    「ウォロロロロロ!! ここがワノ国か……!
     てめェが、おれ達の同盟相手ってことでいいんだな!?」
    「……ええ、こうしてお会いするのは初めてですね。お待ちしておりましたカイドウ様、並びに〝百獣海賊団〟御一行様」

     世界最強の後ろ盾を、大っぴらに迎え入れることができるのだから。

    「ウォロロロ!! それで、約束は果たせるんだろうなァ!!?」
    「はい。あなた方が望む〝暴力の世界〟……ワノ国の全ての民にとっての絶望。それは私の……いや、我らの求めてやまないものです。
     これよりワノ国の全ては弱者として、我らの下に跪く」

     下準備は全て終わった——ここからが、私の〝国殺し〟だ。

  • 138122/09/26(月) 23:39:21

    今日はここまで。
    明日完成できれば投稿します。完成しなかったらまた後日になります。

  • 139二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 23:39:29

    一時的とは言え、女で、しかも盲目の人間に政治を任せるってすごいな。やっぱ民度が低いのは下層部であって上層部は違うんだなぁ

  • 140122/09/26(月) 23:41:57

    >>139

    主人公が真面目に頑張って実績を残したため、康イエ、おでん、スキヤキからの評価が高いからこそ代理を務めることに異議が出ませんでした。

    なおその後。

  • 141二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 23:47:37

    和の国編は読破してるのか…
    正直原作オロチと違って赤鞘達が生きてることは事前に知ってるんだし和の国は滅亡待ったなしだろうなぁ…例えルフィ達がパンクハザードでローと合流しても先手打たれて大看板でも派遣させとけばルフィ達はやられて終わるだろうし。
    うーん…でもなぁ…ニカがあの手この手でどうにかしそうなんよなぁ…どんなにクシナが最善尽くしても全て覆される気がしてならない。

  • 142二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 23:53:33

    毎晩の楽しみです
    面白い

  • 143二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 03:23:54
  • 144二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 03:57:27

    >>143

    語り継がれる

  • 145二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 06:08:17

    クシナちゃんはコツコツと努力を積んできたからこそ周囲を騙せたしな...頑張れクシナちゃん

  • 146二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 16:25:06

    熱を感じるってのあれか
    ヘビヘビの力か

  • 147二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 18:08:00

    保守

  • 148二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 18:10:59

    この時空のワノ国編後味悪そう

  • 149二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 18:12:59

    >>148

    煮えてなんぼの黒炭で候は許された…?

  • 150二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 23:09:16

    保守

  • 151122/09/28(水) 01:32:48

    >>143

    支援イラストありがとう! 家宝にします!


    それとまだキリのいいところまで書けてないので投稿は明日になります。ごめん!

  • 152二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 07:35:24

    保守

  • 153二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 14:07:01

    >>146

    ピット器官ってやつね

    加えてクシナちゃんは見聞色も覚えてそう

  • 154二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 14:15:22

    なるほど設定がこまかい

  • 155二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 15:08:16

    クシナちゃん頑張れ
    ワノ国滅ぼせ、むしろ滅ぼされても文句言えないくらいクシナちゃん酷いことされてるし

  • 156二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 15:08:52

    >>140

    原作でも「なぜ隠してた」が思いっきりオロチの地雷を踏みつけてたしな....

  • 157二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:23:56

    保守

  • 158122/09/28(水) 23:31:48

    今回ちょっと短くなったけど、そこそこキリがいいかなと思ったのでそろそろ投下します

  • 159122/09/28(水) 23:32:04

    ★☆★

    「これより、ワノ国は武器の生産国とする。よって各郷の男衆を速やかに武器工場へと移住させなさい。
     逆らう者は一族郎党皆殺しにして構わない」
    「な……!? 何を言っておられる将軍代理殿!」

     私の発布した新政策に城の老中達が驚き、反対の声を上げる。

  • 160黒炭キズナ22/09/28(水) 23:32:55

    「何か?」
    「何か、ではござらん! 一体そんな横暴がまかり通ると思っているのか! あなたを信じてこの国を任せたスキヤキ様のご遺志を愚弄する気か!!?」
    「なるほど」

     当然予想できたことだ。
     だからこちらが言う言葉も決まっている。
     私は立ち上がって刀を取り、筆頭老中の頭上に刃を振り上げる。

    「つまり、叛意と取って構いませんね?」
    「な……ギャッ!!?」

     銀光が一閃し、断ち切られた首から噴水のように噴き出した鮮血が大広間を朱に染める。

  • 161黒炭キズナ22/09/28(水) 23:34:06

     一瞬の間に広間に響めきが伝わるが、しかしこれでも国の重鎮を担う侍達を集めた。
     直ぐに動揺は収まり、刀を抜いて臨戦体勢に移行する。
     平時のワノ国ならば、こんな事態に陥ったとて直ぐ様事態が収束するのだろう。

    「な!? 正気か貴様っ」
    「覚悟はできておろうな!?」
    「頭の足りぬ者も多いですね……。カイドウ様!」

     だが私がこの席に就いた時点で、既にここは尋常なワノ国ではない。
     故に彼らの末路も決まっている。

    「ウォロロロロ!! やっと出番か、待ちくたびれたぜ!!!」
    「な、なんだァ!? 天守の外壁を突き破って……せ、青龍が!!?」
    「ギャアアアア!!?」

  • 162黒炭キズナ22/09/28(水) 23:34:44

     血祭りだ。
     見せしめだ。
     彼らの断末魔で、今この瞬間からワノ国は地獄へと変わったのだという狼煙を上げなければならない。

    「ウォロロロ……なんだ、これで終わりか。ワノ国の侍は特別に強ェと聞いてたんだが、肩透かしだぞ」
    「そうでなくては困ります。これはただの肩慣らし程度でしかない。本命はいずれ帰還するおでんですからね、カイドウ様」
    「そう硬ェことを言うな。お前も中々やる奴だ。これからは様付けはいらん、カイドウでいい」
    「では、そのように」

  • 163黒炭キズナ22/09/28(水) 23:35:07

     その後、広間の惨状を見てまたしても向かってきた家臣団の者達を捕え、花の都にて公衆の面前で一人残らず撫で斬りに処した。

    「逆らう自由は認めましょう。しかし、もしも命が惜しいのならば……」

     カイドウ達から持ち込まれた映像電伝虫を各郷に配置し、処刑の映像を流しながら宣告する。

    「私の下に跪け、愚民共よ」

  • 164122/09/28(水) 23:35:58

    今日はもう眠いのでここまで。
    明日あたり書けたら投稿しまーす

  • 165二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 23:37:27

    毎日の楽しみです!頑張れクシナちゃん、カイドウが入ってくる時の風でロングヘアがブワァって吹かれてたらいいな

  • 166二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 23:39:21

    光月派のみんなはクシナが裏切ったって思ってそうだけど、先に仕掛けたのはそっちなんだよな…
    オロチのように悪政を敷くか別のやり方で苦しめるか気になります

  • 167二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 23:40:13

    カイドウもクシナちゃんのこと信頼しそうだな

  • 168二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 23:41:05

    クシナちゃんある程度戦えそうなのもかっこいいな、オロチより贅沢しない分手強い感じになりそう

  • 169二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 07:38:29

    保守

  • 170二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 15:17:47

    ほぅ、これは期待ですねぇ

  • 171二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 21:34:54

    続きがすごい楽しみ

  • 172二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 21:52:38

    「私の下に跪け、愚民共よ」←ここ
    夏油の猿どもポーズ似合いそう。
    この世界のカイドウとおでんの一騎打ちでばばぁがでしゃばってこないか気になる。
    カイドウがおでんに勝つためにはババァの秘策が大事になるけど、クシナちゃんがババァを易易と手放す図が見えない。展開が気になる。
    あと、この世界でもしも麦わら同盟が来た場合、ゾロの反応が気になるなぁ。
    クシナちゃんと幼馴染のクイナちゃんの名前が被るし、眼帯を外したら瓜二つとかもありそうだなぁ…それでもゾロは向かってくるんだろうけど、カイドウに一撃入れようとしたゾロの前でモモの助を人質にして瓜二つの顔を見せる役はクシナちゃんってのもありそうやなぁ…

  • 173二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 22:18:18

    SSのラストなんて原作をなぞらなくてもいいのが醍醐味やかんね

  • 174二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 23:13:04

    保守、今夜も楽しみにしてる

  • 175122/09/30(金) 00:55:33

    日が経つ毎に文章量が少なくなっていってる。
    今日は過去最短で申し訳ないが、明日は多分文字数増えてるから堪忍してくれな!
    それじゃ、投下していきます。

  • 176黒炭キズナ22/09/30(金) 00:56:55

    ★☆★

     見せしめの公開処刑が終わった後、本格的に各郷の民衆の徴集を始めた。
     侍でもないただの一般市民に抵抗する気力などなく、その全てが武器工場での労働に取り立てられた。

     それから数年、武器生産の事業が軌道になり始めた頃、おでんが一時的にワノ国に帰還したとの報告が入った。
     ロジャー海賊団の上陸に百獣海賊団はにわかに慌ただしく動いていたが、結局衝突は起こらず彼らはおでんと共にこの国を去った。
     その代わり、おでんの妻トキとモモの助、日和、イヌアラシ、ネコマムシは九里のおでん城に駐留しているとのことだ。

  • 177黒炭キズナ22/09/30(金) 00:57:16

     その半年後、九里の武器工場にて労働を拒否した男とその家族が処刑される事件が起きた。
     公開処刑からその手の事件が起きたことはほとんどなく、それでも反抗が起きたのは九里の民の性質が故か。

     ともかく、それにシビレを切らした赤鞘達が花の都に急襲を仕掛けてきたとの一報が入る。
     下手人は綿えもん、傳ジロー、アシュラ童子、カン十郎、雷ぞう、菊の丞、ネコマムシの7人。

    「いかが致しますか、クシナ様。取り敢えず、ここはカイドウ様に一報を……」
    「その必要はありません、福ロクジュ」
    「は?」

     私は日課である日誌をつける手を止めて、跪く福ロクジュに対して言った。

    「私が出ますから」

  • 178122/09/30(金) 00:58:16

    本当に短いな。
    取り敢えず今日はここまで。明日は戦闘シーンだし、気合い入れるか……。

  • 179二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 07:04:48

    いよいよ次は戦闘シーンか、楽しみ

  • 180二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 12:19:29

    保守

  • 181二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 17:47:55

    保守

  • 182二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 23:03:19

    たまんねえや……

  • 183二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 23:12:58

    めちゃくちゃ楽しみ

  • 184二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 23:47:45

    燃えてなんぼの黒炭で候は良くも悪くも『名言』っすね

  • 185二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 02:14:59

    今日はお休みかな

  • 186122/10/01(土) 06:22:37

    やっべええええ!ごめん!
    寝落ちしてたわ!
    一応昨日投稿する分は完成させたので本日夜にはアップします!

  • 187二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 08:22:57

    気長に油煮えたぎらせて待ってるぞ

  • 188二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 08:58:43

    気長に待ってます保守

  • 189二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 11:38:43

    保守

  • 190二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 14:27:20

    赤鞘6人衆をカン十郎と協力して返り討ちにするのか?はたまた一人でやっつけるのか気になる。
    まぁそれ以上にカイドウに頼らず一人で相手出来る力を持ってるなんて随分鍛えたのかどうか…
    むちゃくちゃ気になる引きは地団駄踏みそうで悔しい…楽しみにしてますわ

  • 191二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 16:18:25

    楽しみでたまらない

  • 192二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 20:39:53

    >>190

    同じく地団駄踏むくらい楽しみにしてる

  • 193二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 20:51:22

    >>192

    地ならし起こしちゃいそうだよな

  • 194二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:43:50

    >>193

    ここで倒して勝ち逃げするのもいいし本編に繋がるのもいい、めちゃくちゃ好き

  • 195二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:44:05

    >>194

    可能性の塊

  • 196二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:54:20

    途中で切れそうなら次スレに行ってほしいな

  • 197二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:55:22

    200なら釜茹で

  • 198122/10/01(土) 23:31:49

    そろぼち始めたいと思いますが、スレが結構進んでるんで次スレ立ててそっちでやることにします!
    ちょっと待っててね!

  • 199二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 23:48:19

    さようなら、和の国のみんな

  • 200二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 23:48:55

    >>200ならクシナちゃんの復讐が成功する

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