- 1ジーク21/10/16(土) 22:17:56
カルデアに召喚されてしばらく。俺の毎日はとても充実していた。古今東西の美食と名著があるのだから、退屈する訳がない。
けれど一番の理由は別にある。それは……
「ジーク! 次はこのゲームやってみない?」
「ああ、 了承した。 実は前から興味があったんだ」
「ヨシ! じゃあ準備するからちょっと待ってて!」
友達と過ごす時間があるからだ。
カルデアのマスターこと藤丸立香は、俺にたくさんの体験をくれた。スポーツ、マンガ、アニメにゲーム。
友達と過ごす時間というものは不思議な充足感で胸を満たしてくれる。なんでもない時間が、たまらなく愛おしくなる。
こんな時間をくれた彼には感謝してもしきれない。彼のためならこの霊基が燃え尽きるまで戦える。そんな確信があった。 - 2ジーク21/10/16(土) 22:18:56
「ジークと遊んでるとさ、ぽっかり空いてしまったものが収まって行く感じがするんだ」
ある日、マスターがこぼした言葉。俺の理解はすぐには及ばなかった。
「? どういうことなんだ?」
「ずっと、こんなことがしたかったんだよ。 友達と普通に遊んで、くだらないことをしてみたかったんだ 」
「…………」
なんとなくだが、理解できた。マスターは本来、学校というところに行くはずだったらしい。そこではたくさんの物事を学び、たくさんの思い出をつくるそうだ。俺には初めからそんなものは無かった。与えられるはずもないものだ。けれど、彼は違う。
与えられるはずだったものを理不尽に奪われた。俺よりもずっと、『こんなこと』をしてみたかったはずだ。それを想うと自分が誇らしい一方、少し悲しい気持ちになる。大切な友達の想いをもっと満たしてあげられないだろうか。
「マスター。 他に何か、やりたかったことはないのか?」
「…………」
「マスターはたくさんのものを俺にくれた。だから、なにか俺にできることは無いのか?」
「……充分だよ。ジークと遊ぶ時間で、充分すぎるほど満たされた。だから大丈夫。心配してくれてありがとう」
嘘があった。毎日一緒に遊ぶ仲だ、分からないわけがない。けれどここで問い詰めたところで彼は口を開くことはないだろう。
だがその日の暮れに、貴重な資料が手に入った。刑部姫が描いたまんがだ。マンガのなかでは俺と立香が裸で抱き合っている。その後立香は壁に手を付き、お尻を俺につき出す。俺は立香のお尻の穴に硬くなったアレを出し入れしていた。マンガの中の立香はとても幸せそうで満たされているように思えてならない。恐らく立香はこれがしたかったのだろう。少し抵抗はあるが、大切な友達のためだ。なんとしても成し遂げよう。 - 3ジーク21/10/16(土) 22:19:29
「ジーク〜。準備できたよ〜」
「ああ、わかった」
準備はしてきた。あのマンガは百回は呼んだしイメージトレーニングもバッチリだ。
「マスター、少しいいか?」
「?」
一つ深呼吸。気持ちを整え、切り出す。
「マスター、いや立香。 俺は君を抱きたい」
「えっ」 - 4二次元好きの匿名さん21/10/16(土) 22:19:39
NTRやんけ〜!
- 5立香21/10/16(土) 22:20:02
カルデアにいるジークは正確にはあの特異点で共に戦ったジークではない。彼が特異点で使用していた端末に自我をもたせたものだ。人理修復を為したとき、彼は完全に消滅する。そんな彼に少しでも思い出をつくって欲しくて、たくさんの遊びに誘った。遊んでいるうちに俺の為の遊びになってしまったけれど。
『マスター。他に何か、やりたかったことはないのか?」
言えるはずがない。これ以上彼の時間を他人の為には使わせることなんてできない。
『「マスターはたくさんのものを俺にくれた。だから、なにか俺にできることは無いのか?』
それはこちらのセリフだ。こっちこそ、ジークにたくさんのものをもらってばかりで。なにか、彼のためにしてあげたくて。
「マスター、いや立香。 俺は君を抱きたい」
「えっ」
他人の都合で生み出され、他人の都合で命を終える。それはまるで、かつての彼女のようで。
「頼む。俺の真剣な願いなんだ」
男とする趣味はない。けれど、そんなことを言われてしまったら。
「…………わかった。じゃあ、しよう」
断ることなんて、できなかった。 - 6エミヤ21/10/16(土) 22:20:31
早く寝なさい!
- 7二次元好きの匿名さん21/10/16(土) 22:20:38
ジャンヌ「えっ」
- 8二次元好きの匿名さん21/10/16(土) 22:21:04
このレスは削除されています
- 9スレ主21/10/16(土) 22:24:41
- 10二次元好きの匿名さん21/10/16(土) 23:53:08
続けなさい
- 11二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 00:04:06
ええやん…好き……