【SS】【CP、閲覧注意】ウタ日記

  • 1◆.RF/E7s9F222/09/22(木) 21:50:25

    一日目 天気 
    今日から心機一転の日々が始まる。
    その転機として、日記をつけることにした。
    このために新しい日記帳とペンも用意したのだ。
    真っ白なページに鼻歌交じりに書いていく。
    これからどれだけこのノートを埋めることが出来るのか楽しみだ。

  • 2二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 21:52:32

    期待

  • 3◆.RF/E7s9F222/09/22(木) 21:55:17

    二日目 天気
    今日は新曲を考えることにした。
    今までひらめきのまま書くことも多かったが、
    たまにはじっくり考えてみようと思う。
    テーマは何にしようか。
    バラードもいいが、激しいロックもいいかもしれない。
    昔耳に挟んだ「エンカ」とやらも面白そうだ。
    じっくりと考えながら、曲を書いていった。

  • 4◆.RF/E7s9F222/09/22(木) 21:58:18

    三日目 天気
    あのあと結局エンカとやらに挑んでみようと思ったが、
    一つ大きな問題に気づいた。
    私はエンカに使う楽器を知らない。
    これではどのように演奏させればいいのかも分からない。
    本を取りに行こうかと思ってやめた。
    エンカはまた今度にしよう。
    今回はやはり激しいロックを作ることにした。
    とりあえずエンカのための楽譜を横に、また新しい紙とにらめっこすることになった。

  • 5◆.RF/E7s9F222/09/22(木) 22:02:23

    四日目 天気
    なんだかんだやはりロックのほうがスラスラと書き進められてしまった。
    頭の中のリズムが楽譜に書き込められてしまう。
    とりあえず曲の半分は出来た。
    次は歌詞を考え始めたいが、これが難攻してしまう。
    そういえば何を歌うのか考えてなかったようだ。
    仕方がないので思い浮かぶまで鼻歌にすることにしよう。
    ロックの鼻歌など少し笑えてしまう。

  • 6◆.RF/E7s9F222/09/22(木) 22:06:38

    五日目 天気
    一度詰まると駄目だった。
    思いつかない歌詞に釣られてしまったのか、
    曲の方も今日は進みが悪い。
    何か別のことでもしようか。
    そう思って散歩でもしようかと思ったがやめた。
    その日は一日発声練習とした。
    流石私、いい感じである。

  • 7◆.RF/E7s9F222/09/22(木) 22:09:33

    六日目 天気
    困った。
    日記というのはこうも続けるのが難しいものなのか。
    曲が難攻して他に書くことが少ないため、
    早速マンネリとやらになってしまいそうだ。
    何か新しい趣味でも探すべきだろうか。
    とりあえず思いつくまで歌うとしよう。
    もしかしたらそれで思い詰まっていた曲もなんとかなるかもしれない。

  • 8◆.RF/E7s9F222/09/22(木) 22:12:38

    七日目 天気
    気分転換にドラムをいじっていたところ、
    唐突に残りのフレーズが浮かんできた。
    やはり歌に困ったら歌に逃げるのが一番だ。
    忘れないうちに楽譜に書き進めていく。
    やっと曲が出来た。
    全体が出来上がると鼻歌もそれっぽくなる。
    あとは歌詞を考えるだけだろう。
    その日はウキウキと一日を過ごすことができた。

  • 9◆.RF/E7s9F222/09/22(木) 22:18:44

    「…よしっと。」
    八日目と、日記帳の上に書いておく。
    また新しい一日が始まった。
    未だ歌詞は思いつかないが、そのうちなんとかなるだろう。

    「…お腹減ったな。」
    最近自分で作ることをしてなかった。
    たまには自分で作ってみよう。
    もしかしたらいいアイデアの元になるかもしれない。

    台所と食材を用意する。
    と言ってもでかい鳥肉と調味料だけだ。
    難しい料理はよくわからないので、とりあえずチキンでも食べることにしよう。

    「…大きすぎたかな。」
    流石に一人前の鳥じゃない。
    焼く前に切って手頃な大きさにしよう。
    そう思ってそばにおいておいたナイフを取って…


    瞬間、目に見える景色が変わった。

  • 10◆.RF/E7s9F222/09/22(木) 22:21:21

    「ハッ……ハッ……」

    荒れる息をなんとか抑える。
    咄嗟に手を確認する。…何もない。
    顔を見る。…何もついてない。

    …ナイフはどこにやったのだろう。
    探しても見当たらない。
    よく見ると、既に下に沈んでしまっている。
    …周りのものを片付けて、すでに完成されたチキンを出して食べる。
    そのまま何もする気がせず、日記帳を開いた。

    八日目 天気
    今日は休み。
    また明日頑張る。

  • 11二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 22:23:52

    台所を『用意』…妙だな

    というかこれ…

  • 12二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 22:24:39

    お前はもう…

  • 13二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 22:27:04

    本編後か…。

  • 14二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 22:28:29

    まだわかんねェじゃねェか!

  • 15二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 22:28:30

    そりゃ天気かけないよなー

  • 16二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 22:29:30

    うあぁ

  • 17二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 23:25:29

    めざましライブ見た感じRED後のウタこんな感じだろうな...
    ニカを使いこなしたルフィなら解放できねえかな...?

  • 18◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 01:22:05

    九日目 天気
    少し楽譜と日記帳を片手に散歩をすることにした。
    せっかくだし少し場所を変えることにしよう。
    しばらく歩いて、ちょうど良さそうな雰囲気のところに日記帳を広げた。
    しばらくはここにいるとしよう。
    もしかしたら、歌詞を考えるのにいいものが見えるかもしれない。

  • 19◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 09:11:31

    十日目 天気
    なんだかんだこの日記も記念すべき10回目を迎えられた。
    とは言ってもはっきり言って何か特別なこともない。
    いつも通りうなりながら歌詞を考えていただけだ。
    ただせっかくなのでおやつのパンケーキは少し多めに食べた。
    咎められやしないのだ。別に構わないだろう。
    …それにしても5皿は流石に多かっただろうか。

  • 20二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 09:13:13

    そもそもあの世界に日にちって概念があるのか?

  • 21◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 09:24:46

    11日目 天気
    とうとう本格的に二桁台になった。
    相変わらず歌の方はさっぱりなので、
    思いつく限り色々歌ってみることにした。
    やはりロック調なら一番それらしいのは逆光だろうか。
    だが相変わらずテーマが決まらない。
    今までのこの歌でも思い返してみ

  • 22二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 09:25:47

    おや…?(不穏)

  • 23◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 09:26:42

    「フー……!フー……!」

    ………………ハハ。


    「何やってんだろう…私」

  • 24二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 09:29:33

    >>20

    無いかもしれないから自分の気ままに書いてるかもしれない

  • 25二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 09:37:39

    やめろよ……

  • 26二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 11:59:51

    なにやったの.....?

  • 27二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 12:00:50

    ルフィに見せてはいけない

  • 28二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 12:05:53

    >>20

    曜日の概念はないらしいけど年月日の概念があることをお前に教える。

    画像貼ると流れに悪いから貼らないけど25巻の43頁付近でナミがノーランドの日誌で海円歴1120年6月21日と書かれてることを読んでるいることを教える。

  • 29◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 13:19:34

    12日目 天気
    今日は少し休むことにした。
    今は何をしてもうまくいくと思えない。
    そういえばしばらく着替えていなかったことを思い出す。
    何日もこのライブ衣装に身を包んでいる。
    そろそろ着替えるべきだろうか。
    …いつかファンに貰ったあの服はどこだっただろう。

  • 30◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 14:45:49

    「そうそう、これだ!」
    懐かしい気もするシャツを手に取る。
    表に大きく自分のマークの印刷されたTシャツ。
    これが贈られてきた時は嬉しくて配信でも来てしまった。
    …未だに自分のセンスへの評価は納得できてないが。
    「………。」
    これを送ってくれたファンの子は、いまどこにいるのだろうか。

    「…せっかくだし着替える前にシャワー浴びよ。」
    シャワールームを用意する。
    手っ取り早くライブ衣装を脱ぎ捨て、シャワーを勢いよく出した。
    冷たい真水が容赦なく自分を頭から襲う。
    まるで降り注ぐ雨のようだ。
    最近もこうして雨にあったような気がする。
    確かあれは…


    ザバァン!

  • 31◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 14:49:31

    「ケホッ……ゲホッ、オエ…。」

    溺れるかと思った。
    なんとか息を整える。
    いつの間に消えてしまったシャワールームのかわりにタオルを用意して全身を拭く。
    このままでは風邪でも引いてしまいそうだ。

    結局また脱ぎ捨てたライブの衣装に身を包んでいる。
    ファンからの服は既にその場になかった。
    着替えはまた今度でいい。
    今はとにかく休みたい。
    ヘッドホンで最大音量で音楽を流しながらその日は休んだ。
    先程のそれから、耳を塞ぐように。

    13日目 天気
    シャワーを浴びて休んだ。

  • 32二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 15:51:55

    不穏になってまいりました

  • 33◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 17:15:55

    14日目 天気
    不思議だ。
    昨日は何をしても駄目な感覚だったのに、
    今はスラスラと歌詞が書き進められる。
    昨日のあれが活きてしまったのだろうか。
    だとしたら複雑だけど今は喜ぼうとおもう。
    今日は半分程度進めることができた。
    これなら明日には完成させることができるかもしれない。
    久々の新曲に、少しばかり胸が高鳴ってきた。

  • 34◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 17:21:15

    15日目 天気
    いよいよ曲が完成した。
    2週間とはそれなりに時間がかかってしまったのではないか。
    それでもそれだけの時間をかけたのだ。
    きっと素晴らしい曲になっているはずだ。
    今すぐにでも歌いたいが、それは明日にしよう。
    今日は一旦休むことにした。
    明日のお披露目が楽しみだ。

  • 35◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 19:22:23

    16日目 天気
    なんの問題もなかった。
    いい曲だった、歌の調子も悪くなかった。
    戦士たちの演奏もしっかりしていた。
    本当になんの問題もなかった。

    何も感じなかった。

    それはそうなのだろう。
    どうせ感想を言えるものなどいないのだから。

  • 36二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 19:23:32

    oh…

  • 37◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 19:28:37

    17日目 天気
    なにもやる気が起きない。
    せっかく作れた歌もこれでは意味もない。
    ただ寝そべって空を見るだけだ。
    昔は一人でももっと楽しかったはずなのになぜなのだろうか。

    明日は他のことを試してみようか。

  • 38◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 19:33:46

    「………………。」

    「おーい、ウタ!」
    「…!ルフィ!来てくれたんだ!」
    「当たり前だろ!それで、今日は何するんだ?」
    「うーん…勝負!…にしたいけど、実は新しい歌があるんだよ!」
    「ホントカ!?聞かせてくれよ!」
    「はいはい、すぐ準備するから待ってて!」

  • 39◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 19:33:58

    18日目 天気
    今日はルフィが来てくれた。
    新しい歌を歌ったら褒めてくれた。
    やはり歌は誰かに聞いてもらって喜んでもらったほうが嬉しい。
    明日は勝負をしよう。
    久しぶりにチキンレースが出来そうだ。

  • 40二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 19:42:14

    こわい

  • 41◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 20:46:43

    音符の戦士といつものチキンを用意する。
    掛け声をすれば、いつもの勝負の始まりだった。

    「はいルフィ、ジュースあげる!」
    「わ、ありがとう…!あっぎゃあああ!」
    いつも通りジュースを呑気に受け取ったルフィが吹き飛ばされた。
    相変わらずの様子につい笑ってしまう。
    「チキショー!また負けた!」
    「アハハハ!また私の勝ちだねルフィ!」
    「くっそー!次こそはおれが勝つからな!」
    勝ち誇って笑う私と悔しがるルフィ。
    私が望んでいたやりとりだ。
    そのはずなのだ。




    …本当に?

  • 42二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:49:01

    本物は負けを認めないよな…

  • 43◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 20:54:05

    「ねぇルフィ。」

    「ん?なンだ?」

    横で新しい肉を頬張るルフィに問いかける。


    「ルフィはさ、ここ、楽しい?」

    「ん?おう!肉も食えルし、お前もいルシな!」

    迷いなく笑顔でルフィが答える。


    「…じゃあ、ずっとここにいたい?」

    「?おウ!ココにずっトイてもいいかモな!」


    「そっか。」

    そう言って立ち上がる。


    「ン?ドウシタンダウタ……」

    指を軽く鳴らす。

    そうすれば、目の前のルフィは消えた…。


    いや、戻ったのだ。ただの音符に。


    「………………。」



  • 44◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 20:57:40

    19日目 天気
    何を考えていたのだろう。
    そんなに疲れていたのだろうか。
    いつからこんなに狂っていたのだろうか。
    ルフィがこんなところにいるわけないじゃないか。
    だってルフィは

  • 45二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:04:02

    >> 【SS】【CP

    信じてるからな・・・

  • 46◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 21:19:14

    大きな音とともに視界が揺らぐ。
    突如全身が沈んでいく。
    …まただ。また堕ちていく。

    なんとか上に戻ろうともがこうとする私の耳に、声が届く。
    怨嗟、憤怒、慟哭、疑問。
    かつて声援をくれたはずの人達の声が、
    黒い感情をぶつけてくる。
    まだだ。上に戻れ。
    腕を上にあげる。
    なんとか水をかいて戻ろうとする。

    このマークに誓ったんだ。
    新時代を作ると決めたんだ。
    皆が幸せに楽しく暮らせるはずの場所にすると。
    私は。
    私は皆のために新時代を。

  • 47◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 21:21:35

    ─本当に?

    ─これが望んだ場所なのか?

    ─これが私の欲した世界なのか?

    ─これが皆の願った時代なのか?


    ─私にそんな資格があったのか?


    ─だって私は

    ─私の手は

    ─私達の誓いは


    ──私の新時代は

  • 48◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 21:24:15












    ─こんなにも、「赤」に彩られてしまった。

  • 49二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:25:23

    察してはいたけども…

  • 50二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:27:46

    >>45

    信じた結果はどうでしたか?

  • 51二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:32:11

    >>50

    まだわかんねえだろうがぁ!!!!!!!

  • 52二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:33:19

    まだ終わってない……終わるまで結末は解らんのだ……!

  • 53◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 21:45:18

    ─あっさりだった。
    別れを告げて振り下ろしたそれは、あまりにもあっけなく…
    目の前に眠る幼馴染を貫いた。
    元々赤い服も、大好きだったはずの父の帽子も、
    新時代を誓ったハンドカバーも…
    全てが赤く染まっていく。
    すやすやと眠っていたその口から鉄の匂いのそれが吹き出る。

    異変はウタワールドでもそうだった。
    目の前に伏せていた幼馴染が、突如血を吐いて苦しみだす。
    どこに控えていたのか、捕まえたのに脱出した友達達や海賊、それに知らない人達も飛び出してくる。
    その中の一人に拘束されて…皆が、ルフィの元に駆け寄った。

    「ルフィ!しっかりしろ!すぐに止血を…!」
    「いや…トニー屋…恐らく現実の麦わら屋が…!」
    なんとかできないかと集まる人達の隙間から…ルフィがこちらに顔を向けた。

  • 54◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 21:50:15

    「…ウダ……」
    ルフィが名を呼ぶ。

    「─────」
    なんと言ったのか…聞き取ることは出来なかった。
    ただ最期…ルフィが笑った。
    そんな気がした。

    いない。
    どこにもいない。
    まるで霧のように、ウタワールドのルフィは消えた。
    …現実のルフィに触れる。
    ……既に、息はしていない。

    死んだ。

    違う。

    殺した。

    私が殺した。
    魔王という言い訳すらなく。
    この手で。
    この身で。
    …かつて新時代を誓った友の命を、奪った。

    「…っあ─

  • 55二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:52:03

    なんと

  • 56二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:52:46

    そういうルートか

  • 57◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 21:53:54

    ─ウタワールドに、雨が降った。

  • 58◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 21:58:40

    その後のことは、あまりうまく覚えていない。

    気づいたときには咳き込んでいた。
    ずぶ濡れのままあたりを見渡して…何も見つけられなかった。
    いや、正確には見つけられはした。 
    …己のはるか下に沈む、かつてのエレジアを。
    全て、水の底に沈んでしまった。
    ファンも、海賊も、ステージも、エレジアも…きっとゴードンも。
    今頃あの中に紛れてどこかを漂っている。

    …現実の視界を見れない。
    つまり私の計画は完遂されたのだろう。
    あのとき以降を思い出せない。
    海軍の人達と何かあったような気がする。
    …懐かしい声を聞けた気がする。
    なのに、何も思い出せない。
    …最後の記憶と同じように、雨が降り続けている。
    その日は泣いた。ただ泣き続けた。

    次の日には雨は止み…天気というものは消えていた。
    …計画は成ったのだ。いつまでも嘆くわけにもいかない。
    この新時代を楽しんでみようと思った。
    そのために、日記を始めた。

  • 59◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 22:03:58

    「ゲホ…ゲボっ…」

    結局、あのあとなんとかして水面に戻った。
    全身上に上がれば、水の上に再び体を置ける。
    しばらく何も出来ずにただ息をしていた。
    左手を見る。
    一度浮かび上がった赤は、落ちることなくそこにこびりついていた。
    …いっそ自分もみんなと同じようになれれば、どれほど楽だっただろうか。

    …その時、空から垂れてきたそれが顔に当たるのを感じた。
    …雨だ。ウタワールドの天気が変わるのは、これで二度目だった。
    これ以上ずぶ濡れになっても変わらない気もしたが、傘を出そうとする。
    …出なかった。傘も、屋根も、何も。
    出すことができなかった。
    なにかないかと周りを探って…ヘッドホンの中のそれが出てきた。

    …あの日、自分が胸の中に抱えていたもの。
    ……大きく裂けた、麦わら帽子だった。

  • 60◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 22:11:22

    帽子として役に立つかもわからないそれを被る。
    案の定破れたところは容赦なく雨に晒される。
    …だが、不思議と安心する。

    「…ウッ…フッ…ヒッグ……!」
    自然と溢れるそれに呼応するように、雨が激しくなる。
    どれだけ降り注ごうとも、両手にこびりついた血も、
    頬に飛んでいた返り血も落ちることはない。

    何故自分は泣いているのだろう。
    自分は何を悔やんでいるのだろう。
    …自分は…誰に謝りたかったのだろう。
    そばに置かれた楽譜…曲調に反し、謝罪が綴られた歌詞が雨に滲んで消えていく。

    「ごめんなさい……ごめんなさい…………!」
    もう誰にも届かぬそれが宙に消えていく。
    雨は依然と、止む様子を見せなかった。


    二十日目 天気 雨


    fin…?

  • 61二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:12:21

    ドンドットット

  • 62二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:13:08

    ドンドットット

  • 63二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:14:38

    ドントットット♪

  • 64二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:16:14

    >>61

    >>62

    >>63

    ニカ君ステイ

  • 65二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:16:55

    全てからも逃げて辿り着いたのはどこでもない所だった

  • 66二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:17:34

    ルフィさん…

  • 67二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:18:09

    逃げ出した先に楽園なんてありゃしないって誰かが言ってたな

  • 68◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 22:23:09

    お付き合いいただきありがとうございました
    この世界ではゾロ達もきっちり水面下でフヨフヨしてます。
    楽しそうですね。
    それではまた次の機会に。
    by一般ラインハルト

  • 69二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:23:30

    ニライカナイのように理想郷はあの世と等しいのだ

  • 70二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:24:17

    >>68

    あなたかあ!楽しいぜ

  • 71◆.RF/E7s9F222/09/23(金) 22:24:33

    はい、嘘です。もうちっとだけこのスレは続きます


    1…V

    2…L


    dice1d2=2 (2)

  • 72二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:28:35

    >>71

    ⁉︎何だこのダイスは....

  • 73二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:31:57

    >>71

    バルトロメオ?

    ロー?

  • 74二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:32:47

    出たな唐突ダイス

  • 75二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:36:48

    V?L?今度はなんの略だ?

  • 76◆.RF/E7s9F222/09/24(土) 00:15:21

    「あっ…あ……!」
    雨と血に濡れた手が震える。
    己のやったことに背筋が震える。

    そのままその場にうずくまる。
    正真正銘自分は人殺しとなってしまった。
    かつて希望ある未来を誓った相手の未来を奪ってしまった。
    もう、自分に新時代を語る資格などあると思えない。
    血に染まったかつての誓いのマークを握りながら、静かに泣き喘いだ。

    ザッ

    誰かの立つ音がする。
    また海軍が来たのだろうか。
    そう思い顔をあげた。

    「…………え…。」



    『にかっ!』

    零日目 天気 雨

  • 77二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:21:08

    Luffy入ったなこれヨシ!

    だよね…?

  • 78二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 02:07:32

    よかった…

  • 79二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 07:53:34

    保守

  • 80二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 13:54:35

    可哀想なウタな健康に良い

    可哀想から救われるウタはさらに健康に良い………

  • 81二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 20:20:41

    保守

  • 82二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:56:30

    保守

  • 83◆.RF/E7s9F222/09/25(日) 00:12:16

    「…何…?何なの……?」
    わけがわからない。
    なんで立っている。
    だってルフィは死んだはずだ。
    確かに心臓が止まった。
    ウタワールドからも消えた。
    なのになんで…。

    …そもそも「これ」はルフィなのか?
    先程まで寝ていたルフィの体が起きている。
    …でも、元の生地と血で赤かった服は白く染まっている。
    髪も眉も、周りに漂う煙も何もかも白い。

    「…ね、ねェ…。」
    恐る恐る声をかけようとした、その時だった。

    「フン!」
    ルフィがナイフを抜いた。
    ……ように見えた。

    「あ…ハァ!?」
    「いででででで!」
    …抜いたように見えたナイフが伸びている。
    みょーんと伸び続けたナイフが…やがてやっと抜けた。
    「イッテー!あービビった!」
    そう言って、目の前の彼は笑った。

  • 84二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:13:53

    解放してる...

  • 85◆.RF/E7s9F222/09/25(日) 00:21:31

    「あー…いたくなかった」
    「いや嘘!」
    さっき思いきり痛がってたのはどこの誰だ。

    「いやー、このナイフなんか懐かしいなァ、あひゃひゃ!」
    そう言って先程まで己を刺していたナイフを伸ばして遊び始めた。
    …何を見ているのだろう。

    「…え?」
    急に体制が崩れる。
    一体何だと思ったら…地面に手が食い込んでいた。
    それだけじゃない。膝も、周りに倒れているルフィの仲間も。
    その中心で、ルフィが跳ねている。

    「おーなんかいい感じだ!ウタ!これでトランポリン対決しようぜ!どっちが高く跳べるかだ!」
    そう言ってルフィが勢いよく地面にめり込んで…上に飛んだ。
    「おおおおおおあああああ!」
    「ちょ…わああああああ!」
    ルフィの着地で大きくこちらまで跳ね上げられてしまった。
    慌てて一緒に跳ね上がった人たちにしがみついて足場にさせてもらう。
    そのままひょいひょいと飛び乗って…いつの間にかルフィの上にいる。
    「あ、ずりィ!卑怯だぞウタァ!」
    「え?あ…えーと…負け惜しみー」
    一応いつもの流れを言いながら、そのまま落ちていく。
    勢いが落ちるまで、しばらく跳ねるはめになってしまった。

  • 86◆.RF/E7s9F222/09/25(日) 00:33:14

    「気持ち悪い…!」
    しばらく跳ね回ってたせいで普通に酔ってしまった。
    吐き気がしてしまう。

    「大丈夫かウタ?」
    「誰のせいだ!」
    「あそっか、わり!」
    未だに自分だけ跳ねながらルフィがそう謝る。
    どう考えてもあんまり悪いと思ってない謝罪だ。
    もう間違いないルフィだ。
    目の前にいるのは他でもないルフィだ。
    とりあえず一発やり返さないと気が済まない。
    そうして前に出ようとして…。

    「…ぁ」
    …血塗れのハンドカバーが目に入る。
    今ルフィが伸ばして遊んでいるそのナイフにも、確かに血がついている。

    やっと、自分のしたことを思い出した。
    その場に膝をついてしゃがむ。

    「ウタ?どうした?」
    跳ねることをやめないルフィが問いかけてくる。

  • 87◆.RF/E7s9F222/09/25(日) 00:33:48

    「…殺しなよ。」
    …違う。
    「あんた忘れたの?私に刺されたの。」
    違う。
    「なんで復活してるのか、本当にわけわからない。」
    そうじゃない。
    「海賊なんだから、やり返せばいいじゃん…!」
    私が言いたいのは
    「ほら、どうしたの…やりなよ…!?」
    私が本当に言いたかったことは



    「ほら、殺してよ!殺しッ…!」
    …言い切る前に、口を伸びてきた手で塞がれた。

  • 88二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 01:22:16

    ニカルフィは何をしでかすか予想できん

  • 89二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 07:25:57

    保守

  • 90二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 14:02:18

    ほしゅ

  • 91二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 20:09:39

  • 92◆.RF/E7s9F222/09/25(日) 20:10:14

    「なんでかはよく分かんねェけど、別にいいよ、生きてるし。」
    あっけからんと、そう言われる。

    ……何それ。
    あと少しで、何もかも終わるところだったのだ。
    自分の夢も、命も、何もかも完全に果てるところだったというのに。
    なのになぜ、そんな平然としていられる。

    「別によ、おれ死んでもいいんだよ。」
    なんでもないかのように言う。
    「海賊王になるっておれが決めたんだ。そのために生きて死ぬんならそれでいい。」
    口は笑っているが、雰囲気の変わったその目には覚悟があった。
    「海賊王になれないで生き続けるんなら、死んだほうがマシだ。」
    そう言って、また笑った。

    昔からこうだった。
    夢の中に大して面白みも感じず、すぐにどっかいくやつだった。
    あのときと変わらず、私の夢の世界を拒絶した。
    死んだほうが良いとすら言ってのける。

    強いなと、感じてしまった。

    ……跳ねるのが止まっていれば、様になったのに。

  • 93◆.RF/E7s9F222/09/25(日) 21:18:44

    「それよりウタ、お前もこんなこともうやめろよ。毒ならチョッパーもトラ男もいるからなんとなるはずだ。」
    そうルフィが提案してくる。

    今更何を言っているんだ。
    こんなところで止まるわけには行かないんだ。
    そもそも元々連れて行くつもりのないルフィが起きたなら好都合じゃないか。
    夢の中の私は既に声も出せずに拘束されてるが問題じゃない。
    まだ私にはあれも残されているんだ。
    夢の中で楽譜を取り出す。
    これならこの状況も打破できるはずだ。
    私は、みんなのために。

    新時代を─

    ─頭の中に、映像がフラッシュバックした。
    燃える町。人の悲鳴。響く轟音。
    …私を危険だと叫ぶ声。
    ……そして、先程までの血に染まったルフィ。

    楽譜が手から落ちる。
    夢の中のハンドカバーが、ゆっくりと赤く染められていった。

  • 94◆.RF/E7s9F222/09/25(日) 22:00:59

    膝をついてしまう。
    歌わないとなのに。
    止まれないのに。
    どうしても体が竦んでしまう。

    私はこんなに弱かったのだろうか。
    私の新時代への覚悟とはこんなものだったのだろうか。

    そんなはずはない。
    私の夢はそんな軽いものではない。
    そのはずだ。
    そのはずだったのだ。

    なのに、どうしても声が出せない。
    あの血の暖かさが、ナイフで刺した体の感触が離れない。

    「ヴッ……オエッ…!」
    とうとう吐いてしまった。
    消化されかけのネズキノコがこぼれ落ちる。
    なんとか戻そうとしたが、ルフィが止める。

    「ちゃんと吐いとけ。そっちのが多分楽だろ」
    背中を擦られながら、ルフィが口に指を突っ込む。
    更に吐き出させられた。
    更に溶けていたキノコが胃酸ごと溢れてくる。
    しばらくそのままルフィの元でえづくハメになってしまった。

  • 95◆.RF/E7s9F222/09/25(日) 22:09:03

    「…もう吐けねェか?」
    胃液も出し尽くしたんじゃないかというところでやっとルフィが解放してくれる。
    口の中が気持ち悪い。 
    「どうしたウタ?まだ気分悪いか?」
    「…水…」
    とにかくうがいしたい。
    「よし、分かった!…あり、ねェや。」
    そこらをペタペタしながらルフィが言う。
    そういえばそこにあった色々な道具は海軍の人達が持っていっていた。
    ないと諦めたルフィが、腕を膨らませて伸ばし、海水をすくってきた。
    飲みにくいが仕方ない。零しながら含んだそれで口の中を洗って吐き出した。

    「………もう…最悪…」
    やっと気持ち悪さがなくなったが、すっかり疲れ果ててしまった。
    散々吐いたせいかさっきまでの昂りすら忘れてしまいそうだ。

    そうだ、疲れてしまったのだろう。
    夢見た新時代はルフィにも、ファンのみんなにも否定されてしまった。
    あのときと変わらない。
    結局私の行いは誰かを傷つけてばかりだ。
    もう嫌だ。なにもかもが嫌だ。
    逃げたい。この際たった一人でいい。
    なんでもできる夢の世界に…
    「逃げたい」



    「やだ。」
    …何故か、ルフィに否定された。

  • 96◆.RF/E7s9F222/09/25(日) 22:09:44

    (明日一日隙間で続きます。多分明日に終わらせます)

  • 97二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:11:05

    >>96

    残りも頑張ってください

  • 98二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 06:59:14

    >>96

    待ってるぜ

  • 99二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 10:43:25

    保守

  • 100◆.RF/E7s9F222/09/26(月) 16:26:23

    「…わたしの負けでいいよ。だからさ…」
    これは、私の望んだ新時代じゃない。
    みんなを笑顔になんて、とても無理だった。

    「………。」
    せっかく勝ちを譲ってあげたのに、ルフィはあんまり嬉しそうにしてない。
    姿が変わってからすっかり考えが読めなくなった。
    「…逃げさせてよ、もう。」

    「おれは負けてねェ。…でもまだ勝ってねェ。」
    ………?何を言っているんだろう。
    「おれが新時代作るまで、お前が勝手に降りるなんて許さねェ。」
    …なんとなく、言いたいことはわかった。
    が、相変わらず勝手だ。せっかく負けを認めてあげたのに。
    「…そもそも、あんたの新時代ってなんなの」
    「おれか?おれはな………ん?」
    言おうとしたところで、ルフィの様子がおかしくなった。
    「ゼエ…へー…へー…」
    いつもの髪色に戻ったと思ったら、そのまま皺だらけになって倒れる。
    止まっていた血がまた少しにじみ始めた。
    「ちょ、ルフィ…うっ…」
    こっちも疲れて動けない。その場に倒れてしまう。
    「そうらった…おへ、死にかけらった…」
    息も絶え絶えでルフィがそれでも身を起こそうとしているが…どうやら限界らしい。
    「おいウタ…起ひたらちゃんと言うからよ…お前も……」
    それを最後に、ルフィが喋らなくなった

  • 101◆.RF/E7s9F222/09/26(月) 16:31:50

    「………せめて…教えてくれればいいのに…。」

    結局、このまま私は死んでいくのだろうか。
    大勢の人を巻き込んで。
    目の前の幼馴染との別れも半端で。
    父にも会うことが出来ないで。

    …周りに人が集まっている。
    全員海軍の人達だ。
    それがこちらに銃を向けている。
    どちらにしろ、私はここで死ぬのは変わらないらしい。

    「………いやだなぁ……」
    全部ルフィのせいだ。
    最後の最後にルフィのせいで悔いが出来てしまった。
    ルフィの新時代を聞いてみたくなってしまった。
    もう少しちゃんと別れたくなってしまった。

    …己の新時代に、悔いが出来てしまった。
    雨に晒されてもなお赤の落ちることのないそのカバーを見る。
    ずっと支えとなってくれたこのマークは、最後の最後に私の手で汚れてしまった。
    出来ることならせめて最後に血の下に隠れたそれを見たかった。
    …この帽子を被っていた、あの人にも。


    「…………ごめん。」

  • 102◆.RF/E7s9F222/09/26(月) 21:59:47

    「……悪いが娘との時間がほしい、首を突っ込まないでもらえるか?」

  • 103◆.RF/E7s9F222/09/26(月) 22:08:42

    ……シャンクスがいる。
    幻だろうか。
    ネズキノコにはそんな効果もあったのだろうか。

    「大丈夫かウタ?」
    …大丈夫に見える?
    もう立てるかも怪しいよ

    「…遅れてすまなかった」
    ほんとに遅いよ
    何年待ってたと思ってるの

    「…ホンゴウの薬がある、これを飲めばまだ助かる。」
    …今更助かりたくだなんて…

    …さっきのルフィのトランポリン、ちょっとだけ楽しかったなぁ…
    …もう一回やってみたいなぁ……
    ……腕のカバーも洗いたいし…
    ………ルフィの夢の果てくらいは聞きたいなぁ

    …生きたいなぁ」

    「…!よし、分かった」
    …何がわかったのだろう。
    もしかして何か口に出してただろうか。
    考える前に口の中に薬が流れ込んできて…そのまま意識が落ちていった。

  • 104◆.RF/E7s9F222/09/26(月) 22:17:36

    一日目 天気 晴れ

    今日から新しい生活が始まることになった。
    記念ということで、ロビンさんがくれた一冊のノートを
    日記帳にすることにする。
    配信から名前も取って「ウタ日記」とでもしよう。
    果たしてちゃんと書けるかどうか不安だったが、
    そんな心配すぐになくなるとナミちゃんもロビンさんも言っていた。
    二人が言うならきっとそうなのだろう。
    いつかこの日記を見返すのが楽しみだ。

  • 105二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:17:58

    一般ラインハルトさんのssそろそろ纏めたいな

  • 106◆.RF/E7s9F222/09/26(月) 22:24:11

    …気づいたときには、レッドフォース号の甲板だった。
    幻だと思っていたシャンクスがいて、
    ベックさんもルゥさんもホンゴウさんもみんなに囲まれてて、
    しばらくぎゅうぎゅうと抱き潰されそうだった。

    …あのとき、私は自分で「生きたい」と言っていたらしい。
    無意識に、口から言葉が溢れていたのだろうか。
    どちらにしろ、私が夢の世界に逃げるのはまだ先らしい。

    そのままシャンクスの船に乗ることも考えはしたが…
    結局、みんなに謝ってルフィのもとに行った。
    シャンクスも認めてくれた。

    ルフィにも、ルフィの仲間達にも謝罪をした。
    ルフィは既に許すも許さないもないと言っていた。
    夢の中にいた仲間のみんなも、ルフィがいいなら問題ないとしてくれた。
    …今日から、私はこの船の一員になった。

  • 107◆.RF/E7s9F222/09/26(月) 22:32:59

    「よっと…ほんとに寝てる。」
    船首の先、可愛らしいライオンの頭の上でルフィは寝ている。
    そんなところにいて落ちないのだろうか。

    「…ん?飯?」
    「そっち?…ほら、おやつだって。」
    そう言ってサンジさんのくれたデザートを渡す。
    今日はパンケーキだった。
    朝に私の好きなものを聞かれたから、それを作ってくれたのだろう。
    「お、ありがとうな!」
    そう言ってルフィがかぶりつく。
    あのサイズを一口とは相変わらずの食い意地だ。
    「もう……クリームで口汚れてるけど。」
    「ん?ほうか?」
    「食べながら話さない…もう。」
    横についていたクリームを取ってあげて…指の先についたそれを舐める。
    ……うん、甘い。
    「…そういえばさ、ルフィ。」
    「ん?なんだ?」
    「…結局さ、あんたの夢ってなんなの?」
    左腕のそれをいじりながら問う。
    あのあと、一生懸命洗ったおかげで水色の部分は落ちたが、
    あのマークは未だ赤みが残ってしまっている。
    …きっと、戒めなのだろう。

    「おれの夢か!おれはな!──」


    「は?」

  • 108◆.RF/E7s9F222/09/26(月) 22:40:20

    二日目 天気 晴れのちハリケーンのち晴れ

    …おかしい。
    ゾロさんとサンジさんの喧嘩とか、フランキーの芸とか、ナミとロビンとの話とか、
    唐突に襲いかかってきたハリケーンとか、おやつが美味しかったとか、
    色々詳しく書きたいのに筆が進まない。
    色々書きたいことはあるはずなのに飛んでいってしまった。

    ルフィの夢を聞いた。
    とんでもないことを言ってた。
    ここに書きたいのに衝撃的すぎて指が震えそうだ。
    …私と別れたときは、夢の形も決められてなかったのに、
    いつの間にかとんでもないことを考えるようになっていたようだ。
    どうやらこれを言ったのは私の知らないルフィの兄二人とシャンクスのみだったらしい。
    …シャンクスは知っていたのか。
    知っていたから、私がここに来るのを止めなかったのだろうか。

    ルフィはまだ勝負のつもりだ。
    どっちが新時代を作るかの勝負は、まだ続いてるようだ。
    …あんなのを聞いてしまえば、私も止まるわけには行かない。
    一度間違えてしまったが、新時代を諦めはしない。
    そのためにも今は…ルフィ達と共に、ここで生きてみようと思う。

    fin

  • 109二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:41:58

    おぉ...
    これってウタワールド内の時間がゆっくり進んだからなんとか生き残ったルートなのか

  • 110◆.RF/E7s9F222/09/26(月) 22:45:04

    ここまでありがとうございました。
    ダイスが選んだのはハッピーエンドのLuffyエンドでした。
    やっぱりダイス神はルウタが好きみたいですね
    それではまたどこかでお会いしましょう
    by一般ラインハルト

  • 111二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:46:15

    ちょっとまて、Vの方になってたらどうなってたんや!!

  • 112◆.RF/E7s9F222/09/26(月) 22:46:25

    ps
    実は当初Luffyルートはなかったんで
    割と行き当たりばったり明日の自分にポイ状態でした
    (おかげで更新グダグダでしたごめんね)

    あと没案としてギア5のギガントとトットムジカの戦闘書きたかったけど
    前後が繋げられないしハッピーに導けそうにないので無くなりました

  • 113◆.RF/E7s9F222/09/26(月) 22:49:43

    ちなみにLuffyルートは一度心臓止まってウタワールドからも消えたルフィが

    戻ってきてくれるifルートでしたが、

    本来の予定だったVルートは>>60からの続きの予定でした


    そうです。

    今掲示板で大きく活躍してる彼女(当時は彼だと思ってた)です。

  • 114二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:50:43

    ベカパンク...?
    あっ...

  • 115二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:59:26

    掲示板じゃいつ消えるか分からんし
    支部とかハーメルンにも是非あげてほしいぜ

  • 116◆.RF/E7s9F222/09/27(火) 01:11:32

    「難しい質問じゃの…現物は確保したのか?」

    「実はあるのか…ならばあとは本人の血統因子じゃが…」

    「髪の毛…できんことはないが時間がかかるぞ?」

    「一月じゃ。一月時間をよこせ。」

    「わしの世界じゃそうじゃな…まあ加盟国各地を優先させても3割は捨てないとじゃろうな」

    「それでも全てよりはマシと考えるか…。」


    「分かった。手を尽くそう。」




    21日目 天気 雨
    今日もまた、雨は止まない。

  • 117二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 10:09:38

    バッドエンドルート始まってた…

  • 118二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 20:37:16

    保守

  • 119◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 00:14:36

    22日目 天気 雨

    なんとか日記帳は雨から守る。
    止まない雨とともに、ものを出す能力も弱まってしまった。
    かろうじて少し雨をしのげているが、体は常に濡れたままだ。
    この雨は、止むことがあるのだろうか。

  • 120◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 01:27:59

    23日目 天気 雨

    変わらず雨は止まらない。
    少しずつ、またこの世界の水位が上がってるようだ。
    エレジアのステージも、家も、人だったものも、沈んでいく。
    私だけが、この嘆きの海の上にいる。
    …嘆く資格など、私にはないのに。

  • 121◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 01:52:24

    24日目 天気 雨

    残り7日で一ヶ月を迎える
    私の新時代は一ヶ月もせず雨しかない世界なのか。
    どれだけ休んでも後ろ向きな考えはとれず、
    更に雨は強くなるばかりだ。
    …いっそ、私も雨になれたらいいのに。

  • 122二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 02:02:23

    バッドルート?

  • 123◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 08:00:38

    25日目 天気 雨

    頭の麦わら帽子を見る。
    大きく裂けたそれが、ここ数日間の私の唯一の防雨具だった。
    昔雨の日にシャンクスに貸してもらったこともあったか。
    …シャンクスはどうしているだろうか。
    今もどこかで海賊をやってるのだろうか。
    …あちらの世界の麦わら帽子は、今どこにあるのだろう。

  • 124◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 08:02:45

    26日目 天気 雨

    驚きの発見があった。
    あのライブ電伝虫が、私の前に姿を現したのだ。
    今までどこにいたのだろうか。
    どうやってこの海を逃れていたのだろうか。
    理由はなんだっていい。
    久しぶりに自分以外の誰かとともにいれたのが嬉しかった。 
    明日もそばにいてくれるだろうか。

  • 125二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 19:55:55

    保守

  • 126◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 20:01:02

    27日目 天気 雨

    雨は止むことはないが、私の心は少しだけ楽になった。
    誰か…人ではないが、自分以外がいるというのはこんなにも心地よかったのか。
    思えば12年間私にはゴードンもいてくれた。
    ファンのみんなも喜んでくれていた。
    …私は思ったより人に恵まれていたのだろう。
    ……すべて、沈めてしまったが。

  • 127二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 20:02:23

    夢の世界に逃げるってこういうことだよな

  • 128◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 21:43:13

    28日目 天気 雨

    この電伝虫は一つ妙な点があることに気づいた。
    スイッチを押しても電伝虫としての機能が使えないのだ。
    まぁ使えたところで今更配信などするつもりもないが、
    本来あるはずの機能が使えないのは少し不安になる。
    病気などではないかが少し心配だ。
    そもそもこの世界に病気などないとは思うけれど。

  • 129◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 21:45:03

    29日目 天気 雨

    起きたら腕の中の電伝虫がいなくなっていた。
    急いで辺りを見渡したところ、いつの間にか移動していたらしい。
    しかし、どうにもその場からてこでも動かなくなってしまった。
    その場所がお気に入りになってしまったのだろうか。
    仕方がないのでそちらに移動する。
    日記帳が少し濡れてしまったのが残念だ。

  • 130◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 21:45:23

    30日目 天

  • 131◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 21:51:20

    突然だった。

    数日前に現れた電伝虫が映像を映し出す。
    まるで一度も見たことのない光景だった。
    色のないような光景は色がしかし、しっかりと所々の彩色を彩っている。
    周りは光沢のある金属の機械だらけだ。
    エレジアにこんな光景はない。
    どこかの研究所か何かだろうか。

    映像電伝虫が視線を移動させる。
    それに合わせて映る光景も変わる。
    少しずつ横に移動したそれが、一つの大きなガラスケースを映し出す。
    …思わず、そこに入っていたものに口を覆ってしまっまた。
    なんだあれは。
    そんなはずはない。
    見たことなどないはずなのに、本能が何かを教える。
    本物だとしても、何故そんなものがあそこにある。

  • 132◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 21:52:49

    筒状のガラスケース…
    気泡が舞うその中に、チューブで繋がれていたそれは─




    ─小さな、胎児だった。

  • 133◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 22:05:48

    『…あー…聞こえとるか?そっち』
    突如、電伝虫から音声が響く。
    『あー返事はいらんぞ。どうせ音声切っとるからの』

    『これを聞いとるのが巻き込まれた一般人なら喜べ。お主はもうすぐそこから解放される。歌姫なら…まぁ、残念じゃったな』

    『わしはベガパンク。政府の雇われ科学者であり…今回の事件の被害への対処を任された。』

    『はっきり言ってわしも苦労した…パラミシアの能力は、多くが本人にしか解除は不可能。能力者の歌姫が死んだ以上、もう手はないと言っても良かったからの。』

    『まぁしかし運がいいことに悪魔の実は得られたし、本人の血統因子もあった…。ならばあとは、歌姫本人を作ることが大事じゃった。』

    『本人である必要がある以上下手なことは出来ん。1から胎児を成長させるしかなくての…いくらここの設備でも時間が必要じゃった。』

    『じゃがようやくここまで来た…ウタウタの実を摂取させ、その能力によってそちらに電伝虫を送れるくらいにはの。』

  • 134二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:06:35

    おうまいがー…

  • 135二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:09:50

    ウタ本人は永遠に一人ぼっちになるエンドってことか...

  • 136二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:11:15

    もう地獄

  • 137二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:11:51

    シャンクスたちからよく遺体を奪えたな
    無理心中をさせたウタの贖罪のために血統因子を提供したのか?

  • 138二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:19:26

    >>135

    みんな沈めちゃったからウタワールド1日目の時点で既に一人ぼっちみたいなもんだったろ?

  • 139◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 22:19:41

    『しかしここで問題が生じての。流石に未熟な胎児では過剰な干渉…所謂ウタワールドとやらを完全に消すことは叶わぬ。』

    『しかしここ10日ほどの実験によって、ウタウタの能力者によって、ある程度生物の精神に干渉出来ることが分かった…こちら側に戻すことも、可能である。』

    『じゃが現時点で取り込まれた世界の6割強の精神を解放させるのはそれ相応の力がいる。いくらわしの設備でも、胎児が耐えられる負荷ではない。』

    『もうしばらく待ち、最低出産時レベルまでにすれば生存確率も出るのじゃろうが…それまで待てば現実にいる者達の体の保護も支障が大きくなるとの話でな。』

    『政府からの正式な命令も出た。これより胎児へ信号を発信、ウタウタの能力を発動させる。』   

    『先に行っておくが全員生きて帰れるわけではない。政府も頑張りはしたようじゃが世界の2割強は既に体が死んでおる。その者達には政府に変わり謝罪しよう。』

    『これを聞いた一般人よ、お主らは被害者じゃ。今の会話など忘れ、日常に戻るといい…だめだったときには、安らかに眠ってくれ。』

    『歌姫…残念じゃがお主への干渉はほぼ不可能という計算じゃ。残念ではあるが主犯である以上政府も慈悲は出すことが出来んというのでな。』


    『─まぁ、二人で仲良く過ごすといい。』

  • 140二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:21:27

    赤ちゃんと一緒なのか...

    喜ぶべきなのかそうではないか...

    というかこれ麦わらの一味死んだ?

  • 141◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 22:27:29

    ─高音が響く。
    雨音すらかき消すその音に思わず耳を塞いでしまう。

    異変はすぐに起きた。
    水中に鈍い光が一つ、二つと現れ…それが広がっていく。
    水底に沈んでいた姿を変えられた人達が、光に包まれていく。
    やがて光が大きくなり…少しずつ、消えていく。
    一つ、また一つ、この世界から姿を消す。
    ただそのさまを、ずっと見ていた。
    …響き続ける高音が、まるで泣き声のように聞こえた。


    …水中の光が全て消える直前、横の電伝虫が突如消えた。
    他の人達と違い、まるで霧になるかのように…。

    …あの日の、ルフィのように消えた。
    私がそのさまを見ている間に、水中の光は全て消えていた。

  • 142◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 22:35:44

    ─そうか。

    いよいよ、私だけか。

    その事実を実感したとき、三度私の体は沈んだ。
    雨によって光も届かぬ海に、体が堕ちていく。
    …藻掻く気にもなれなかった。
    もう、どうでもよかった。

    ふと下に、一つだけ鈍い光があるように感じた。
    そちらを見れば、そこにいたのは……。

    ─そっか。あなたも来ちゃったんだ。

    そっと、その光を腕の中に包み込む。
    …そのまま、先の見えない水底の闇に、二人で溶けていった。


    fin

  • 143二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:39:48

    もう1人は殺してしまったルフィなのか

  • 144二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:41:21

    >>143

    多分胎児じゃないかな?力強引に使わせてウタのウタワールドと繋げたみたいだし

  • 145◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 22:41:46

    伸びに伸びましたが本当にこれで終わりです。
    ありがとうございました。

    次こそは明るいやつでも書きたいですね
    たまには全力でCPらしくイチャイチャタクティクスな二人を書いてみたいです

    次回、
    「初恋&失恋を拗らせたルフィvs昔言い訳にシャンクス使いすぎて今になってやばいウタ&戦犯アドバイザーシャンクスwith海賊達」
    これで行きたいですね
    それではまた。
    by一般ラインハルト

    もしかしたらそのうちこれと前作支部にあげるかもです
    (前作はともかくこっちはルウタ…と呼んでいいのか…?)

  • 146二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:43:18

    >>145

    乙です!

    >「初恋&失恋を拗らせたルフィvs昔言い訳にシャンクス使いすぎて今になってやばいウタ&戦犯アドバイザーシャンクスwith海賊達」


    これもしかしてあのシャンクスとウタが結ばれると信じて疑わない拗らせちゃったルフィのスレのネタかな?

  • 147二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:43:27

    ベガパンクが二人仲良くってって言ってたから赤ちゃんのほうやと思う

    >>143


    にしてもこのエンドは...なんというか起こり得た可能性が十分あるから悲しいな...

  • 148二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:43:45

    >>145

    もしかしてあのスレのハッピーエンド書くって言った人ですか?

  • 149二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:48:04

    ルフィの場合、手遅れになったら一度決めたことは梃子でも動かないレベルで曲げないからな

  • 150◆.RF/E7s9F222/09/28(水) 22:51:20

    >>148


    (ただもう一つ別スレで書いてるやつがあるので

    そっち一段落してからになるであろうことを教える)

  • 151二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 23:02:40

    乙ですー。ベガパンクルートだと一味やトラ男達が現実に戻ってもルフィは死んでるからどの道地獄だな

オススメ

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