【ウマウマ注意】朝の挨拶から【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 06:56:33

    朝。
    目を覚ましたヤエノは、いつも通りに朝の支度を整える。
    寝癖をなおし、顔を洗い、制服に着替え…
    寮を出て、校門へと向かう。
    そこには、これまたいつも通りに…彼女がいた。

    「おはようございます!ヤエノ!!!」
    「おはようございます、バンブーさん」
    そこには彼女が…バンブーメモリーがいた。
    風紀委員の仕事として、今朝も挨拶活動をしているようだ。
    「今日も早起きっスね!いいことっス!」
    「バンブーさんもです。毎朝随分と早起きして仕事をしていて…尊敬に値します」
    「へへっ…そう言ってくれると嬉しいっスね!」

    その場の会話は、そのくらいの短さで終わる。
    ヤエノは歩き出すし、バンブーは別のウマ娘に挨拶をし始める。
    1人、校舎へ向かうヤエノの心の中には、ほんの少しの寂しさがあった。

  • 2二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 06:56:47

    「ふぅ…」
    今日の授業も無事に終わった。
    トレセンの生徒にとって、授業の終わりはトレーニングの開始を意味する。
    ヤエノも例に漏れず、トレーニングコースへと向かっていた。
    …今日は、並走の約束があった。

    「あ、来た来た!ヤエノー!」
    「お待たせしました、バンブーさん」
    「全然まってないっス!さあさあ、早く走るっスよー!」
    昂りが全く抑えられていない様子のバンブー。
    「…では、走りましょうか」
    「押忍!」
    2人のウマ娘の並走が、その時行われた。

  • 3二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 06:56:59

    「ふぅ…!疲れた…ちょっと休憩っス…」
    「…そうですね…ちょっと休みましょう…」
    2人はコースの端に座り込む。
    ふと、バンブーが声をかけてきた。
    「ヤエノ。今日も練習付きってくれてありがとうございます!」
    「いえ、こちらこそ。…その、むしろ…いいのですか?」
    「え?」
    ヤエノは少し不安そうに、目を逸らしながら言う。
    「バンブーさんと一緒にいると、元気をもらえます。ですが…もらってばかりで、いいのですか…?」
    「何言ってるんスか!」
    バンブーの大きな声が響く。
    ヤエノは思わずびくりと体を震わせ、そちらに向き直った。
    「アタシは、ヤエノの求める”強者”に応えるっス!…あの『有馬記念』の日、そう言ったっス」
    強い意志の感じられる目で、バンブーは続ける。
    「そして…ヤエノは、アタシにとっての”サイコーのライバル”になってくれるって言ってたっス!そんなヤエノが一緒に走ってくれるだけで、アタシは十分にたくさんのものをもらってるっス!」
    …ひたすらに真っ直ぐに、そう言う。
    そんな彼女だから…
    「…そうでしたね。少々今日は思考が沈んでいたようです…ですが、今思い出しました。もう大丈夫です」
    周りは、いつまでも照らされているのだろう。

  • 4二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 06:57:44

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