電車のヒーロー【夢SS注意】

  • 1二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:47:09

    「はあ……」
     誰もいない電車の中で一人溜息をつく。以前起こった出来事で、私の心にはあるしこりができていた。
     自慢ではないが自分の外見は芸能人並みとよく言われ、野蛮な男によく声をかけられる。
     そこに女性を助けようと首を挟む気骨のある男は中々いないのだが、昨日の彼は違っていた。
    『やめろッ彼女嫌がってるじゃないか。手をはなしなさい』
     二人の男にも怯まず立ち向かった彼。
     しかし、当時の私は恐怖に憑りつかれお礼も言わず逃げ去ってしまった。
    「……」
     後悔の念に押しつぶされそうになる。何故あんな態度を取ってしまったのか……。
     だからなのか、今日こうして行く当てもなく同じ車両に乗っている。

  • 2二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:47:46

    あうっ 急に始まるのか

  • 3二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:48:07

    うぽつ

  • 4二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:48:24

    ハッピーハッピーやんケ

  • 5二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:48:26

    い…いきなり始まるのかあっ

  • 6二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:48:54

    なっ⋯なんだぁっ

  • 7二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:50:37

    実際巻き込まれる前にさっさと退避したのは賢明だったと考えられる

  • 8二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:51:20

    すげー身体…辺りでもういなくなってたんだよね、意識向いた瞬間逃げ出す判断能力凄くない?

  • 9二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:54:21

    「あれ? 君は……」
    「えっ」
     突然話しかけられ思わず肩が上がる。
     そこには先日助けてくれた彼が立っていた。
    「やっぱりそうだ! こんなところで奇遇だね」
    「はい……あの、先日はありがとうございました」
    「いや、お礼を言われるようなことは何もしていないよ」
     彼はやはり紳士だった。こんなに優しい人に、私はお礼を言うこともできなかったのか……そう自己嫌悪に陥りかけた時、あることに気づいた。
    「あの、その傷……」
     彼は、痛々しく腫れあがった顔面にガーゼをかぶせていた。おそらく、以前の男達に受けた傷なのだろうと私は想像した。
    「ああ……この傷かい? 君のせいじゃない。気にしないで」
     そう言ってくれた彼と、無言でいるのも気まずいので少し話すことになった。
    「えっ、経営していたジムを?」
    「うん、ここまでボコボコにやられちゃったからね、会員のほとんどが辞めて他に行っちゃったんだ」

  • 10二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:55:00

    >>8

    総合不良に犯されてたメスブタも気づいたら消えてたし画面内に新たなキャラクターが追加されたことで容量オーバーとなり消滅したのだと考えられる

  • 11二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:55:02

    うーっ続きをはやく書いてくれ

  • 12二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:55:37

    いかにもチンピラっぽいのに本当に誇り高き男だからね

  • 13二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:56:21

    強さが全ての猿世界の悲哀を感じますね

  • 14二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 16:56:27

    悲しいを超えた悲しい

  • 15二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:01:26

    >>8

    それくらい素早く判断して行動しないとゲイノー人に間違われるレベルのメスブタは猿世界では生き残れないんだ

  • 16二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:01:34

    「そ、そんな……」
     あまりのことに口を塞ぐ。
     彼は何も悪くないのに、なぜそんな仕打ちを受けなければいけないのか。そう考えていた折、忘れられない声が電車内に響いた。
    「お? あの時のおねーさんじゃん。元気してた?」
    「はうっ……」
     そこにいたのは、以前の野蛮な男二人だった。膨らんだ筋肉と全身の入れ墨は、見る物に威圧感を与えるものだった。
    「やめろ君達。彼女に手を出すな」
     彼が私の前に出てその大きな手で隠してくれる。
    「なんだあっ、俺たちにボコボコにやられたヒーロー気取りじゃねえか」
    「あうっ」
     よく見ると、彼の身体は震えていた。男二人に大怪我を負わされた経験が、彼の心にトラウマとして残っているのだろう。

  • 17二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:02:43

    俺が女なら股を濡らすね

  • 18二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:03:11

    なにっあの二人組懲りてないのかぁっ!

  • 19二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:03:16

    あうっ ここでまたキンタマ不良参上なのかっ

  • 20二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:04:04

    片腕が折れてるおじさんに瞬殺されたクソゴミやん
    元気しとん?

  • 21二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:04:15

    実際タイマンなら終始金玉不良達を圧倒している強き者なんだよね
    やっぱりクソっスね数の利は

  • 22二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:05:09

    ボケーッ、去り際に幻魔打ち込んでおけ、言うたやろうが

  • 23二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:06:19

    容量不足でキャラ消えるとかファミコンみたいなんだ

  • 24二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:06:45

    やっぱり宮沢鬼龍は対性犯罪者や野蛮人だと安定して妙に強いよねパパ

  • 25二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:07:23

    >>22

    痴呆入ってたから仕方ない本当に仕方ない

  • 26二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:07:51

    いつになったら続きを書いてくれるんです 
    も…もうおかしくなってしまう

  • 27二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:08:38

    >>22

    恐らく悪魔王子の結局恐怖で抑えつけてるだけじゃんって指摘が引っかかっていたのだと思われるが…

  • 28二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:09:25

    既に弱き者にノックアウトされているから幻魔がかけられなかったと思われるが…

  • 29二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:10:12

    >>26

    夢ssの続きを10分も待てないなんてマネモブって奴は結構乙女だな

  • 30二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:10:21

    おそらく最後のオチはこれだと思われるが

  • 31二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:10:51
  • 32二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:12:32

    おとんは溺死するところを鬼龍に助けてもらって生き延びて 若さに勝てないと老化を実感してしまって完全に腑抜け状態なんだ
    おじさんは真・幻魔拳を悪魔王子に喰らって逆に生気を取り戻したからおじさんがじゃまだクソゴミするんだ

  • 33二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:12:53

    「だ、だが俺が彼女を見捨てる理由にはならない」
    「へっ、顔面ボコボコのクソダサヒーローが調子に乗るんじゃねえよ」
     そう言うと、男は車両の中を恐怖したように執拗に見まわしたあと、こちらに向き直る。
    「また床を舐めさせてやるよッ」
     男たちは二人がかりで襲い掛かる。
    「しゃあっ」
     それに対して、彼は片方に狙いを定めて鋭いレバーブローを放った。
     二人がかりでは実力が上でも不覚を取る。そう学習した男は、ひとまず片方を戦闘困難な状態にすることを選んだのだ。
    「はうっ」
     狙い通り、攻撃を受けた禿頭の男は悶絶し床に転がる。しかし、無事だった黒髪の男に背後から絞め技──不完全だが、裸締めと呼ばれる技をかけられたしまう。
    「なにっ」

  • 34二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:13:01

    >>31

    サプライズ尊鷹、条約違反だった!?

  • 35二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:13:18

    あの世界の野蛮人は幻魔拳でも打ち込んだりまともに日常生活送れないレベルの後遺症与えないと反省しないっスよね

  • 36二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:22:07

    「ぐうっ」
     完全に技が極まるのを咄嗟に防いだ彼だが、このままでは1分ともたず昏倒してしまうのは素人の私から見ても明らかだった。
     思わず逃げ出したい衝動に駆られる。このまま彼が負けてしまえば、自分がどんな目に遭うかは想像もしたくない。
     だが、以前のように彼を見捨てることはしたくない。そう葛藤していた時、彼が苦しそうに叫ぶ。
    「俺のことはいい! 逃げてくれ!」
    「えっ」
    「君が無事ならそれでいいんだ! 早く!」
     彼はそう叫んだ。以前に自分を打ちのめした男達にまたやられかけ、それにより経営していたジムが潰れかけていても、なお彼は高潔だった。
     そもそも私を助けようとしなければ、そんな辛い思いをする必要もなかったというのに。

  • 37二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:27:19

    「っ……しゃあっ」
     意を決して、私は彼に技をかける男の顔面に蹴りを放つ。
     それはとてもへなちょこな蹴りで、とても男を打ち倒せるようなものではなかった。しかし──
    「なにっ」
     彼が脱出する隙を作るには充分だった。
    「ふんッ」
    「ぼうっ」
     彼渾身のアッパーが男の顎に突き刺さり、少し痙攣すると男は白目を向いて脱力した。

  • 38二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:27:49

    高潔だっ 「義を見て為ざるは勇なきなり」を守り続けるその気概と矜持 俺が女なら股を濡らすね

  • 39二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:28:33

    そうやっそれでええんやっ

  • 40二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:29:01

    地味にリバーブロー一発で片方倒してるの凄いっスね

  • 41二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:30:23

    ふんっ英雄め

  • 42二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:33:35

    見事やな…

  • 43二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:34:50

    「はあ……はあ……ありがとう。でもどうして……」
    「……あなたに、影響を受けたのかもしれません」
     社会は残酷だ。助けを求めても誰かが助けてくれるとは限らないし、そもそも善意が嘲笑されることもある。抱いた夢を踏みにじられることも常だ。
     だがそんな世界で、彼は誰かを助けようと必死だった。子供っぽいと馬鹿にされるようなヒーローの心で。
     少し外見はイメージと違うが、彼はまさに白馬の王子様のような男だった。
    「そうか……じゃあ俺が受けたこの傷も、無駄じゃなかったんだね」
    「……それで、これからどうするんですか?」
     彼は経営難で苦しんでいると言っていた。これからどうするのか、純粋に興味があったのだ。

  • 44二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:35:55

    はーっ付き合え!

  • 45二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:36:32

    はーっなんか気持ちええなあ

  • 46二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:36:35

    素晴らしい 名SSがタフカテを支える⋯ ある意味“最強”だ

  • 47二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:39:59

    「そうだな……とりあえずジムの規模を縮小して、また人が増えるまでなんとか食いつなぐよ」
     自信を取り戻せたのか、彼は屈託のない笑顔でそう言う。
    「それに……俺には叶えたい夢があるんだ」
    「夢?」
     思わず聞き返す。
    「うん。ジムを世界的規模まで大きなものにする。それで、男も女性も関係なく、俺のジムで強くしてあげたい。あのオヤジさんのように……そうすれば──」
     そこまで言うと、彼はこちらを見て笑いかけた。
    「もう誰も、君のように怖い思いをしなくてすむだろう?」

  • 48二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:40:45

    立派な心がけやな…

  • 49二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:40:48

    ボコボコにされて一日しかたってないのにまた喧嘩をするのか…
    タフって言葉は金玉不良と電車のヒーローのためにある

  • 50二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:45:17

    >>49

    こんな事件が連日発生なんて俺が駅員なら涙を漏らすね

  • 51二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:45:58

    ハッピーハッピーハッピーハッピーやんケ

  • 52二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:46:52

    「…………ふふ」
    「えっ、なにかおかしなこと言ったかい?」
    「いえ、そんなことないですよ。……あの」
    「うん?」
     私の言葉に、彼は疑問符を浮かべる。
    「私にも、その夢を手伝わせてくれませんか?」
    「えっ」
     突然の提案に驚いたのか、彼は驚いたような表情を浮かべる。
    「でも、君に悪いよ」
    「大丈夫ですよ。私暇ですから。それに……」
    「それに?」
    「私にも、叶えたい夢があるんです」
    「……それは?」
     一瞬押し黙る。友人に茶化され、親に否定され。諦めていた夢を、もう一度口にする。
    「ゲイノー人、なんですよ」
     そう言って私は笑った。大人の作り笑顔ではなく、子供のように、だがそれ故に、純真で輝くような笑みを、彼に浮かべたのだ。
    ~おわり~

  • 53二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:49:08

    ドロドロの"幻魔合戦"見るくらいなら
    このSSを"漫画化"した方がマシっスよ

  • 54二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:49:28

    見事やな…

  • 55二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:49:33

    名作を超えた名作

  • 56二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:51:08

    名作や あの1話からここまで話を展開できる… 見事やな…

  • 57二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:51:35

  • 58二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:52:33

    お見事ですスレ主
    やはり私がにらんだ通りあなたは素晴らしいSS書きだ

  • 59二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:54:16

    …すごいですね

  • 60二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:57:27

    リバーブローで悶絶してた男にとどめを刺さないと復活して「ヒャッハー」するんだ

  • 61二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:58:23

    >>60

    二人まとめて猿空間に送られたと思われるが…

  • 62二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 18:11:23
  • 63二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 18:11:29

    高潔を越えた高潔
    俺なら会員を止めないね

  • 64二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 18:22:22

    他のタフキャラでも書いてほしいですね…染谷兄弟でね(グッ

  • 65二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 18:23:51

    見事やな…(ニコ

  • 66二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 18:25:11

    >>64

    モノが違うよモノが

    電車ヒーローと単なる野蛮人2人では題材にしたときの話の広げやすさが違う “格”が違う

  • 67二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 18:36:05

    あまりの高潔さに感動したのは俺なんだよね。
    彼のジムを辞めなかった僅かな会員たちも、彼と同じく心強き者たちであると思われる

  • 68二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 19:01:58

    そうか!君は頭がいいから本編のその後を補完することで皆の心を満たせるんだね
    すごいよ…

  • 69二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 19:05:32

    な…なんですかあこれはァ
    め…目から変なものが出てきたですゥ
    涙だ…涙が出てるですゥ

  • 70二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 19:10:32

    なんだよめちゃくちゃいい話じゃないかよ
    すげー爽やかな読後感…

  • 71二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:18:53



  • 72二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 01:38:39

    立派すぎる…高潔すぎる…
    まるで聖人だ…

  • 73二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 12:31:49

    すげー文才…。また機会があれば作品を見せてくれ

  • 74二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 12:36:08

    しゃあっ 乙!!

オススメ

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