- 1二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 19:39:19
「なんでそんなに遠くにいんだ？せっかく久しぶりに会えたのによ～。」
「ふ、ふん！そなたがたまたま四皇になっておったから身を寄せるのに丁度良いと思っただけで、別に慣れあうつもりはないからじゃ。」
「そっか。まあ困ったら何でも言ってくれよ。お前達がいればこっちも心強いしな、ししし！」
「…言っておくがわらわ達は誇り高き･･･って、ちょっと待つのじゃ！」
「ん？まだなんかあんのか？」
「…！い、いや、別に……」
（お、おかしい……この日に備えて読んだ『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「押してダメなら引いてみろ」と書いてあったのに…） - 2二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:15:06
「ルフィ、そろそろ夕食の時間だそうじゃ。」
「お、ちょうど腹減ってきたところだったんだ！･･･ハンコック、お前何でそんなに濡れてんだ？」
「今しがたまで湯あみをしておった。…それでルフィ、わらわはどうじゃ？」
「どうって、別にいつものハンコックだぞ？それよりちゃんと乾かさねェと風邪ひくぞ。」
「そ、そうじゃな。心配をかけてすまぬ。」
「おう！めし楽しみだな～！」
（お、おかしい……『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「濡れ髪は全男子にクリティカルヒット」と書いてあったのに…） - 3二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:16:11
釜は用意しよう
- 4二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:17:26
いいよ、続けて？
- 5二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:19:58
続けてください！
- 6二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:20:33
続けて下さいまし
- 7二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:21:04
ルフィは小細工が通用しねぇんだよなぁ…
- 8二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:40:50
「…う～ん、なかなか釣れねェなあ…」
「ルフィ、実はわらわも少し釣りに興味があるのじゃ。一緒にやってみてもよいか？」
「いいぞ！お～い、ウソップ～！ハンコックに釣りのやり方教えてやってくれ～！」
「わ、わらわはそなたに教えてもらおうと･･･」
「こういうのは上手いやつに教わるのが一番だぞ。」
「それはそうなのじゃが･･･」
（お、おかしい……『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「手取り足取りで単純接触効果はバツグン」と書いてあったのに…） - 9二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:31:22
「ルフィ！何か気づくことはないか？」
「う～ん…全然分かんねェ！なんかヒントくれよ。」
「ほら、この辺りじゃ。…どうじゃ？」
「う～～～ん……」
「全く仕方ないのう。耳飾りの蛇を別の種類に変えてみたのじゃ！」
「へェ～。…お前そんなのつけてたか？」
「えっ…」
（お、おかしい……『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「さりげないイメチェンでドキッとさせちゃおう」と書いてあったのに…） - 10二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:39:10
いろんな手段試してるのかわいい…和む…
- 11二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:00:31
「ルフィ、そういえば出発前に渡した弁当は食べてくれたか？」
「ああ、あれすんげ～美味かったぞ！」
「そ、そうか！･･･実はあれは全部わらわが作ったのじゃ。」
「そうだったのか！ハンコック、お前料理上手ェんだな！」
「ふふふ、そなたのために練習したのじゃ。そなたさえよければ、毎食でも作ってもよいのじゃぞ？」
「いや、いいよ。めしはサンジが作ってくれるし。」
「そ、そんな･･･」
（お、おかしい……『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「料理で胃袋を鷲摑み」と書いてあったのに…） - 12二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:01:41
ここまで来たらもはやルフィが悪いような気がしてきた…
- 13二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:01:46
めちゃくちゃ可愛いな蛇姫さま…
- 14二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:02:48
ルフィはクソボケでハンコックは可愛い
ルハンはこれでいいのだ - 15二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 23:28:40
「ルフィ、そなたも随分と海賊としての貫禄がついてきたのう。」
「ししし、そうかなァ！」
「初めてそなたがわらわと同じ覇王色の覇気を放った時は驚いたが、今となっては当然のことじゃったな。」
「そういえばハンコックもか。お前もそんな感じするもんな！」
「覇王色を持つ者同士がこうして共におることに、何やら運命を感じぬか…？」
「ん？覇王色ならゾロも使えるぞ。」
「…何じゃと！？」
（お、おかしい……『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「トクベツな共通点で距離はグッと近づく」と書いてあったのに…） - 16二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:17:36
「そういやハンコック、なんで九蛇の船じゃなくてこっちに乗ってんだ？」
「それはもちろん、そなたと一緒に･･･ゴホン、“麦わらの一味”の庇護下に置いてもらっている以上、女ヶ島の代表としてそなた達との親睦を深める必要があるからじゃ。」
「ふ～ん、皇帝って色々面倒なんだな。」
「だがルフィ、そなたは将来“海賊王”になる男。“蛇姫”、“海賊女帝”などと呼ばれておるわらわとはお似合いだとは思わぬか？」
「そうなのか？でも姫ならおれの友達にたくさんいるぞ。」
「！？･･･だ、誰じゃ！？」
「ビビだろ、しらほしだろ、レベッカだろ…そういやヤマトも姫って呼ばれてた気がすんな。」
「そんなに･･･」
（お、おかしい……『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「相手に合わせた自分だけの強みをアピールしよう」と書いてあったのに…） - 17二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 10:50:40
「全く、酷い目に会うた･･･」
「…！ハンコック、どうかしたのか？」
「ルフィ！･･･ブルックが突然･･･、その･･･、し、下着を見せてくれと言うてきたのじゃ。」
「あいつ勇気あんなァ～。」
「わらわ、こわい･･･♡」
「でもお前よく蹴り技の時にパンツ見えてるから気にしてないのかと思ってたぞ。」
「！？･･････ルフィも助平じゃのう。…だが、そなたが見たいというなら、見せてやっても･･･」
「別にパンツなんか見ても嬉しくねェぞ。」
「･･････」
（お、おかしい……『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「時には大胆に誘うのも有効なアクセント」と書いてあったのに…） - 18二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 11:52:20
「ルフィ、実はわらわ、最近色々な男に狙われておるのじゃ。」
「ふ～ん、そうなのか。」
「うかうかしてるとわらわを取られてしまうかもしれんぞ？」
「そんなこと言われてもよ。おれはお前をどうこうしたことはねェぞ。」
「よ、よいのか？そんなに悠長にしておると、本当に別の男と──」
「でも良かったじゃねェか！お前ずっと結婚したがってたもんな！」
「…違うのじゃルフィ！今のは冗談じゃ！わらわの身も心もそなただけのものじゃ！」
「なんだ、違うのか。でも結婚はしねェぞ。」
（お、おかしい……『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「思わぬライバルの匂わせでヤキモチ妬かせちゃえ」と書いてあったのに…） - 19二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 12:12:04
「…そしたらよ、ナミにボコボコにされて檻に閉じ込められたんだ！ロビンも笑って見てるだけで助けてくれねェしよ～。」
「そ、そなた達はいつもそんなに、その･･･、仲睦まじい感じなのか……？」
「そうだぞ！あいつらはおれの大事な仲間だ！」
「……わらわのことは、どう思っておるのじゃ…？」
「そりゃあハンコックはおれの･･･って、なんで急にのけぞってんだ？」
「わらわのことは気にするな。」
「…そんなこと言われてもよ、気になって話なんかできねェぞ。」
「ぐぬぬ･･･」
（お、おかしい……『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「上目遣いで甘えて庇護欲を掻き立てろ」と書いてあったのに…） - 20二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 12:28:10
※ハンコックはルフィより17㎝も身長が高いので、上目遣いをしたくしてもできず、とっさに例のポーズになってしまいました（かわいいね）
- 21二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 16:31:52
「ルフィ、そなた達のペットのチョッパーはなかなか可愛いのう。」
「何言ってんだ？あいつはうちの船医だぞ。」
「何じゃと！？･･･だが手配書によると“わたあめ大好き”で懸賞金もたった1000ベリーじゃぞ。」
「あいつ、いつも懸賞金上がらなくて泣いてんだよ。面白ェけどちょっとかわいそうだよな。」
「それはなんとも気の毒じゃな…」
「それに、チョッパーは七段変形面白トナカイだけど、別に可愛いと思ったことはねェぞ。」
「そ、そうか…」
（お、おかしい……『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「動物好きは絶対にハズさない趣味」と書いてあったのに…） - 22二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 18:12:14
保守
- 23二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 18:16:01
愛しいなここの姫さん
- 24二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:01:43
保守
- 25二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:50:29
「ハンコック、どうしたんだ？どっか痛ェのか？」
「うむ…、慣れない寝床のせいか、色々なところが凝っておるのじゃ。ルフィ、もしよければ按摩をしてくれぬか…？」
「おう、いいぞ！あんまやったことねェから下手だったらごめんな。」
「構わぬ。…ふふふ、身体の隅々まで頼むぞ。」
「……あ、そういやフランキーがマッサージチェア？ってのを作ってたな。改良のためにも皆に使ってほしいって言ってたし、行ってきたら喜ぶと思うぞ！」
「な、なんとタイミングの悪･･･ゴホン、良い話じゃ…」
「ハンコック、よかったな！」
（お、おかしい……『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「マッサージはスキンシップの口実に最適」と書いてあったのに…） - 26二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:51:24
これはフランキーが悪い
- 27二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:10:15
空回り健気カワイイハンコックからしか採れない栄養素は！！実在する！！
- 28二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 17:05:59
「それにしても、七武海が二人も船に乗ってるなんてほんとに心強ェぞ！」
「…そうじゃった！ジンベエは仲間になっておるのに、なぜわらわは誘ってくれなかったのじゃ！？」
「だってお前、仲間になりたいって言ったことねェもん。」
「そなたのためなら、わらわはどこへでもゆきます･･･♡」
「でもよ、皇帝って色々大変なんだろ？無理に連れてくわけにはいかねェよ。」
「…そ、その通りじゃ！わらわは誇り高きアマゾンリリーの皇帝、国民を守る責務がある……はっ！」
「ハンコックがいなくなったらみんな悲しむだろうしな。」
「墓穴を掘った･･･」
（お、おかしい……『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』には確かに「ワガママもちょっぴりならいいスパイス」と書いてあったのに…） - 29二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 19:39:02
（はあ……。『デキる女はみんなやってる！今すぐ使える超絶モテテク講座♡』に書いてあったことはあらかた試したが、ルフィとの距離は一向に近づいた気がせぬ･･･）
（ルフィ、わらわはこんなにもそなたを愛しておるのに…。どうすればそなたは振り返ってくれるのじゃ？）
（『男ならお前の術にかからないやつはいねェ』、そのはずなのに。何故わらわはそなたの心を微塵も動すことができぬのじゃ…）
（他の男どもとルフィは何が違う？考えるのじゃ、今までのことをよく思い出すのじゃ…）
「………」
『ごめんなさい…どうかゆるしてください･･･』
『ウ゛ウッ･･････あつい･･･いたい･･･』
『だれか…たすけて･･･』
「……はっ！」
（･･････夢か。なぜ今更こんな･･･）
「…まさか……」 - 30二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 02:22:32
「……ん、ハンコックか。まだ交代の時間じゃねェぞ？」
「…よいのじゃ。そなたはもう戻って休んでよいぞ。」
「……」
「ルフィ…？」
「…いや、もうちょっとここにいるよ。」
「…そうか。」
「うん。」
「…………ひとつ、話を聞いてはくれぬか？」
「わかった。」
「久しぶりに、･･････奴隷だった頃のことを夢に見た。」
「！」
「もう随分と昔のことじゃ。事件を知っている者もそう多くはない。わらわ自身、日に日に傷が癒えてきておった。このまま隠し通せば、わらわは“海賊女帝”として気高くあり続けられる、そう思っておった。」
「……」
「…だが、“天駆ける竜の蹄”は、一生消えぬ。わらわはこの先もずっと、この忌まわしき過去を背負って生きていかねばならぬ。…それを改めて思い知らされたのじゃ。」
「……」 - 31二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 02:32:46
急にシリアス来たな
これもいいぞ - 32二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 05:30:11
過去は
消えない - 33二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 14:18:56
保守
- 34二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 21:32:02
「わらわの今の強さも、地位も、名声も。すべてはこの背中の刻印を知られておらぬからこそ。」
「…？」
「“本当の”わらわは、運よく逃げおおせただけの惨めな奴隷なのじゃ。」
「ハンコック、お前急に何言って･･･」
「…そなたも、きっとわらわのような傷物より──」
「ハンコック！！」
「！」
「…お前は、お前だろ。」
「……そんなことは分かっておるのに。そなたがそんな人間ではないことは、わらわが一番よく知っておるのに。」
「……」
「そなたに内心見下されているのではないかと考えると怖い･･･。怖くて仕方がないのじゃ……」 - 35二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 01:18:02
やっぱワンピ世界ってクソだわ
- 36二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 02:26:05
- 37二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 06:11:41
- 38二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 08:40:11
「うっ･･････ひぐっ……」
「……」
「……すまぬ。こんなことを言っても、そなたは困るだけじゃな。今の話は忘れて──」
「お前のことを笑うやつがいたら、」
「…？」
「おれが全員ぶっ飛ばしてやる。」
「……！」
「…おれには、それくらいしかできねェ。」
「………十分じゃ。それだけで、十分じゃ。」
「そっか。」
「……のうルフィ。」
「なんだ？」
「…そなたの肩を、貸してはくれぬか？」
「…いいぞ。」
「……ありがとう。」 - 39二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 16:01:18
"良い"じゃん…
- 40二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 16:20:02
このレスは削除されています
- 41二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 16:21:46
ルフィはこういういい男だよ。
- 42二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 20:37:01
こんなん惚れちゃう…とっくに惚れてた！！
- 43二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 01:56:38
「……」
「……」
「…悪い夢を見たとはいえ、そなたを一瞬でも疑ってしまったわらわが恥ずかしい。」
「…気にすんな。」
「もう迷いはない。すべてそなたのおかげじゃ。」
「……うん…」
「それに、そなたの愛もしっかりと伝わっておるぞ。どうじゃ？このままわらわと･･･」
「……」
「…ルフィ？」
「……ぐぅ。」
「…ふふっ。」
「おやすみ、ルフィ。」 - 44二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 02:30:29
「……ん。」
「！･･･ルフィ、目が覚めたようじゃの。」
「…ハンコック、おれいつの間に寝てたのか？」
「それはもう、ぐっすりと。」
「そっか、わりぃ。」
「よいのじゃ。きっとわらわの膝枕がよほど心地良かったのじゃな♡そなたの寝顔もまこと良き眺めであったぞ♡」
「お前朝から元気だな～。」
「しかし、こうやって二人きりで夜を明かすなど、まるで夫婦のようじゃ♡ルフィもついにわらわとの未来を視野に入れてくれておるのじゃな♡」
「結婚はしねえ！」
「はあ…♡だがわらわは諦めぬぞ、いつか必ずそなたを射止めてみせるのじゃ…♡」
（そうじゃ。わらわは“海賊女帝”。小手先の知識にも、忌まわしき過去にも惑わされぬ。海賊らしくそなたの心を奪ってみせる。そなたもせいぜい覚悟をしておくんじゃな。）
おわり - 45二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 02:37:21
最後まで読んでくれてありがとうございました！
中盤までのノリがずっと続くと思ってた人にはすまねェ！（画像略） - 46二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 04:30:23
いい話ですね（拍手）
- 47二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 09:02:39
ちなみに新しいネタも思いついてるので近々またスレ立てます、そちらもよければご覧ください
- 48二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 09:03:10
めちゃくちゃ良かった。ありがとうございます