- 1二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:06:02
- 2二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:09:44
- 3二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:09:58
シエル
- 4二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:10:26
朱い月のブリュンスタッド
- 5二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:10:27
ノエル
- 6二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:10:36
- 7二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:11:18
- 8二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:12:09
- 9二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:15:01
最強種仲間
- 10二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:15:13
- 11122/09/23(金) 20:18:14
- 12二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:22:34
秘境探検してたら遭遇した
- 13二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:27:25
体の味がORTの好物
- 14二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:27:42
捕獲しようとした
- 15二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:30:35
- 16122/09/23(金) 20:53:22
- 17122/09/23(金) 20:56:35
- 18二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 20:58:23
魔術師 色位
- 19二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:12:21
魔法使い
- 20二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:12:54
夜魔
- 21二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:13:20
魔術師 開位
- 22二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:13:26
- 23二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:15:49
五位だった……階級はⅦ階梯でお願いします
- 24122/09/23(金) 21:19:49
- 25122/09/23(金) 21:21:13
夜魔ってどれくらいの奴だっけ?
- 26二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:22:14
確かギリギリ人間だった筈
- 27122/09/23(金) 21:24:49
サンガツ。ギリギリ人間の癖にORTから生き延びるとか快挙じゃん。
- 28二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:27:27
ごめん間違えた。ギリギリ人間なの夜魔の一個下ぢった
wikiからのコピペ
Ⅴ階梯:夜魔
Ⅳ階梯の深度に加え、その血液に宿った呪いによって親基、あるいは個人に起因する異能を発揮できるようになる。上級騎士、一人前の吸血鬼。
この段階に至っては代行者が束になっても敵わないとされる。 - 29122/09/23(金) 21:35:21
- 30二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:45:33
ヴァン=フェム
- 31二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:46:09
グランスルグ=ブラックモア
- 32二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:46:36
ヴァレリー
- 33二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:46:53
- 34二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 21:46:58
ネロ・カオス
- 35二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:11:29
このレスは削除されています
- 36122/09/23(金) 22:12:26
- 37122/09/23(金) 22:19:46
- 38二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:24:21
愛人関係
- 39二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:26:35
友人
- 40二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:27:43
弟子
- 41二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:29:09
- 42122/09/23(金) 22:34:35
- 43122/09/23(金) 22:37:30
- 44二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:49:02
ぐーたらしている
- 45二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 22:55:17
焼きそばパン買いに来た
- 46二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 23:04:20
人助けをしている
- 47二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 23:06:56
- 48122/09/23(金) 23:28:16
- 49122/09/23(金) 23:31:46
- 50二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 23:38:15
約2000年
- 51二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 23:40:34
五百ちょい過ぎ
- 52二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:18:18
このレスは削除されています
- 53二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:18:44
- 54二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 06:10:36
このレスは削除されています
- 55二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 06:11:18
このレスは削除されています
- 56122/09/24(土) 10:08:14
- 57122/09/24(土) 10:09:12
- 58二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 10:11:56
(教授1000歳なのに2000年前とか絶対厄ネタやん)
黒髪赤目黒スーツ - 59二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 10:16:45
黒スーツ
- 60二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 13:24:26
軍服
- 61二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 13:46:23
- 62122/09/24(土) 13:48:17
- 63二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 13:51:13
このレスは削除されています
- 64122/09/24(土) 15:20:48
- 65二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:15:49
紅月 夜鶴
- 66二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:22:53
フリメイ・アニュッチ
- 67二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:23:38
ピース・アズーロ
- 68二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:24:17
- 69二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:24:50
このレスは削除されています
- 70122/09/24(土) 22:25:39
- 716722/09/24(土) 22:26:08
すみません
アズーロピースでした - 72アズーロ・ピース22/09/24(土) 22:27:29
ちなみに朱い月とは関係
1.ある
2.ない - 73アズーロ・ピース22/09/24(土) 22:27:50
dice1d2=2 (2)
- 74アズーロ・ピース22/09/24(土) 22:30:56
- 75二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:32:43
ネロカオス
- 76二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:33:04
シオン
- 77二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:33:05
ネコアルクカオス
- 78二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:33:18
琥珀さん
- 79アズーロ・ピース22/09/24(土) 22:35:06
- 80二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:41:32
使い魔で遠野家を観察中に会った
- 81二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:44:06
遠退邸を探索中に秘密基地を発見、そこで琥珀と出会い戦闘になった
- 82二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:48:52
巫浄の分家だった頃に会っている
当時はさほど関心を持たなかったがその後強力な使徒が次々と現れ撃破されていった三咲町に興味を抱き>>81に至る
- 83二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:50:30
三咲町に来た吸血鬼を討伐する為遠野家を訪ねたときに会う
- 84二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:54:14
アパート住まいでネロカオスが家を貸してる?
- 85アズーロ・ピース22/09/24(土) 22:55:19
- 86二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 22:58:41
強さも教授と同じくらい?
- 87アズーロ・ピース22/09/24(土) 23:00:54
- 88二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:01:34
ケイネスくらい
- 89二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:02:32
トッキーくらい
- 90二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:05:16
ノエルくらい
- 91二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:05:41
イリヤぐらい
- 92二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:06:36
マーボー
- 93アズーロ・ピース22/09/24(土) 23:10:14
- 94二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:11:47
黒鍵投擲&肉弾戦
- 95二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:12:53
ガトリング砲
- 96二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:12:53
ものをぼろぼろに腐食させる体液を発射する
- 97二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:13:09
日本刀
- 98二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:13:36
地面を泳いで引きずり込む
- 99二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:14:23
このレスは削除されています
- 100アズーロ・ピース22/09/24(土) 23:17:06
- 101二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:17:30
国宝
- 102二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:17:52
童子切くらい
- 103二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:18:11
村正くらい
- 104二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:18:12
平安時代の業物
- 105二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:18:22
第二次世界大戦で実際に使われ多くの血を吸った名も無き刀
- 106二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:18:26
- 107二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:18:51
このレスは削除されています
- 108二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:19:15
ゴリラティーンか………
- 109アズーロ・ピース22/09/24(土) 23:20:55
- 110二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:24:36
超ビッグネームだな
- 111アズーロ・ピース22/09/24(土) 23:33:44
- 112二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:35:51
追っている吸血鬼の子を見つけたい
- 113二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:36:02
なるべくたくさんの人を自身に出来ることで助ける。
- 114二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:36:54
内戦を終結させたい
- 115二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:37:54
夜のパトロール
- 116二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:38:14
ポイ捨てを減らす
- 117アズーロ・ピース22/09/24(土) 23:40:14
- 118二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:43:16
なんで刀持ってるの?
- 119二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:44:16
いい人
- 120二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:44:48
夜しか外出歩かねーなこの人
- 121二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:49:01
ええ人やわぁ
- 122二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:49:20
善人
- 123アズーロ・ピース22/09/24(土) 23:52:40
- 124二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:54:27
冬木
- 125二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:55:56
メキシコシティ
- 126二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:56:29
東京都
- 127二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:56:47
リオデジャネイロ
- 128二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 23:57:18
- 129アズーロ・ピース22/09/24(土) 23:57:57
- 130アズーロ・ピース22/09/25(日) 00:00:12
- 131二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:02:19
ORTとの戦いの後休む場所を探した末にたどり着いた
- 132二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:02:31
観光
- 133二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:04:42
大家のネロがここしか家が無いと言われたから
- 134二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:05:21
迷った
- 135二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:06:19
ネロカオスに温暖で海の近い街の物件がいいと言ったすえ、貸してくれた家がここ
- 136二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:06:38
- 137二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:07:12
ボランティアと言えば政情不安な貧しい国の貧しい村やろ!行ったろ!
- 138二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:22:34
まあお隣のハイチの方が貧しくて犯罪も多くて不安定だけどな
- 139アズーロ・ピース22/09/25(日) 07:49:24
- 140二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 08:43:52
傍迷惑な奴ら
- 141二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:02:09
大体のメンバーを快く思ってはいないが尊敬はしている
- 142二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:11:01
基本趣向は会わないがお互い共助関係ではある。
- 143二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:31:08
>>142+敬意も払っているがロアだけは別
- 144二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:34:31
正直言ってうざい
- 145アズーロ・ピース22/09/25(日) 09:36:03
- 146二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:36:41
よく邪魔されるから
- 147二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:39:13
指図されるから
- 148二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:41:26
面倒な協力を要請されるから
- 149二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:41:43
- 150アズーロ・ピース22/09/25(日) 09:45:53
- 151二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:47:30
ブラックモア
- 152二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:47:50
ワラキア
- 153二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:48:47
エンハウス
- 154二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:50:08
スミレ
- 155二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:50:27
教授
- 156アズーロ・ピース22/09/25(日) 09:52:08
- 157二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:53:54
家賃払って
- 158二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:56:03
研究者の手伝いをして
- 159二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:57:58
ORTについて聞きたい
- 160二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 09:58:13
お前が狙っている吸血鬼が三咲町に居る事がわかった。どうだね?
- 161アズーロ・ピース22/09/25(日) 10:03:42
- 162二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:09:20
名も無き二十七祖候補
- 163二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:10:57
色々あって復活した前五位
- 164二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:17:20
とある魔術師上がりの死徒
- 165二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:18:27
なんやかんやあって復活した前十六位
- 166二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:21:00
強いのか?
- 167二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:23:16
はるか年下にも丁寧語のアズーロ格好いいな
- 168二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:27:11
ブラックモアにやられた死徒か
- 169アズーロ・ピース22/09/25(日) 10:31:58
前十六位か。なんか情報あったっけ?
なかったらこの十六位がどんな奴か決めていこうかと思うんだが。 - 170二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:34:34
特に詳細はないけど配下の死徒が100人以上いるとかあるし結構強そうだ
- 171二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:35:38
私はいいと思う(画像略
- 172アズーロ・ピース22/09/25(日) 10:37:47
- 173二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 10:38:07
スペックは>>85か
- 174二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:03:44
ラ・トラヴィアータ(La traviata)
本名、メヒティルト・ドレヴァンツ
薔薇姫に負けず劣らす退廃的かつ倒錯した思考を持つ傍迷惑なボクっ娘
人間らしい倫理観や善悪の判断基準は全く残っていないばかりか獲物を底的に痛めつけ、弄り、陵辱するのがなにより好き
アズーロの人助けを邪魔立てしてから狙われるようのなった - 175二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:15:11
オーベッド・マーシュ
19世紀末インスマスに邪神信仰を持ち込んだ張本人、オーベッド・マーシュ船長の祖先に当たる男性。
犯罪や略奪といった行為の持つサディズム的快楽を非常に愛している。
死徒化を不完全な不老不死と考え、異界の神々と交信し完全な不死者となることを目論むも、アズーロに阻まれ隠居していた。 - 176二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:15:39
- 177アズーロ・ピース22/09/25(日) 11:27:33
トラヴィアータ。奴が居ると言うのなら、無視はできない。
かつて、一つの街を自身の快楽の為に崩壊させた女だ。その時に、街に居た人々を逃がしていた俺の邪魔をしたこともあって、個人的にくっそ気に食わないのだ。
一刻も早くくたばればいいと思う。
あの時、俺が人ではないと知っても変わらず接してくれた彼らの殆どを助けることが出来なかった。だから、今度こそは同じ過ちを繰り返さない。
そんなことを思いながら、日本へと向けて旅立った。 - 178二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:29:48
復讐か……
- 179二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:31:00
トラヴィアータって堕落した女とか道を踏み外した女とかいう意味だからな
- 180二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:31:57
アズーロさんいい人過ぎる
- 181アズーロ・ピース22/09/25(日) 11:33:27
吸血鬼にしては人の事を思いやり過ぎか?アズーロさん、こんな感じの性格でいいかな?
- 182二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:35:14
命懸けで蜘蛛と闘ってくれたわけだし
遣りすぎではないと思う - 183二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:36:44
私はいいとおm
- 184二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:38:20
ダークではないダークヒーローか
- 185アズーロ・ピース22/09/25(日) 11:39:39
ちょっとss形式になるかもだけどOK?
- 186二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:40:47
OKです
- 187二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:42:13
- 188アズーロ・ピース22/09/25(日) 11:51:57
しばらくして、日本に到着する。
「…さて、まずは適当な場所にチェックインでもするか。」
そんなことを呟きながら歩く。
適当に歩き始めてから二時間ほど、良さげなホテルを見つけたのでチェックインする。
どうせあの野郎が動き出すのは夜だろうし、少しくらい観光してもバチは当たるまい。
(…と言っても屍鬼とかをばらまいてる可能性もある。そこら辺にも気を配っておくか。)
藍色のカッターシャツに黒いスーツ姿に着替えた後、ホテルを出て辺りを探索する。
「よしよし、土産とかも買えたな。」
迷子の子供がいたのでアイスを買ってあげたり、試食を勧められたので、食べたりと色々満喫できた。
「と言っても、トラヴィアータの配下はいなかったな。」
まぁ、さすがにアイツも馬鹿じゃない。いくら屑で気に食わないとしても、アイツは二十七祖の一角なのだ。そこら辺は慎重に動くだろう。
「やはり夜、か。」 - 189二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:53:59
子供にも優しいのな
- 190二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 11:56:09
どきどき
- 191二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 12:09:15
どう出る?
- 192アズーロ・ピース22/09/25(日) 12:15:46
そして、夜。
漆黒の軍服姿に着替え、外に出る。
一応、当たりがありそうな場所は昼間の内に見つけておいたので、その辺りを探索する。
「いきなり当たりとはな。」
目の前には、腐敗した体に覆われた屍鬼たち。
「君達がそんな姿になってしまったのは俺にも責任の一端がある。俺は代行者のように還す事も出来ないが、せめて苦しまないように逝かせてやろう。」
刀を抜き放ち、屍鬼を見据える。
屍鬼はこちらを敵と認識し、襲いかかってくる。
「……フッ!」
刀を無造作に振るう。それだけで大半の屍鬼が塵に還る。
トン、と軽くステップを踏み、一気に踏み込む。
そして屍鬼の群れの中心に入り込むと体を回転させながら刀を振るう。
「シィッ…!」
気合いと共に放たれた銀色の閃光は、死に覆われたヒトを安らぎを与える福音となって屍鬼を斬り裂いた。
「ふぅ、こんなものか。」
さて次だ。と、風のように次の目的地へと向かう。 - 193二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 12:17:38
やばい、正統派ヒーローだ
- 194二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 12:20:07
強そうだっていうか強いな
確かポテンシャルが麻婆神父並みなんだっけ - 195アズーロ・ピース22/09/25(日) 12:37:31
次の日。昨日の内にある程度食堂となりそうな場所は潰しておいたし、これで奴自身が出てこざるを得なくなる。
「ねぇ、聞いた?あの話。」
「聞いた聞いた。なんか血を抜かれて死んでる人がたくさん居たって話でしょ?」
「……何?」
聞こえてきた会話に思わず足を止めてしまった。
「すまない、お嬢さん方。その話詳しく聞かせてくれないか?」
話をしていた少女達に近づく。彼女たちはいわゆる学生服というものを着ていた。
(…女子高生って奴か。)
それにこんな服をアルトが着ていたな。と思い出す。思わず「きっつ…」と言ってしまい、顔を赤くしてプライミッツを差し向けられたときは本気で死を覚悟したが。
「え!?何々、ナンパですか!?」
「ヤバッ!この人めっちゃイケメンじゃん!?」
俺の姿を見た少女二人はキャーキャーと騒ぎだす。
「あー、その、さっき話してた血を抜かれた人の話を…」
「あっ、えっとですね…」
彼女達が言うには、早朝にまるで吸血鬼に血を抜かれたかのように死んでいる人の遺体が山のように積まれていたらしい。
「そうか、ありがとう、話してくれて。」
「いえいえ、その、このあと一緒に食事とか…」
「君達は学生だろ?勉強、頑張れよ。」
そんなことを言って、その場から去る。
(まさかとは思うが、もう動き出したのか?) - 196二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 12:38:29
なんかこのこ起源が、善行関係っぽいな
- 197二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 12:52:56
アルトルージュとも面識ありか
なかなか交友関係広いな - 198二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 13:01:28
きっと属性は中立・善だな
- 199アズーロ・ピース22/09/25(日) 13:29:00
それからしばらく。
「ようやく見つけたぞ。トラヴィアータ…!」
「やぁやぁ、久しぶりだね。アズーロクン?」
相変わらず、人を馬鹿にする奴だ。
「いやぁ、まさか生き返るなんて思ってもみなかったよ。」
「まったくだ。出来れば、俺もお前の面なんぞ拝みたくなかったのだがね。」
お互いまるで気安い友人のように接しているが、その実は犬猿の仲である。アズーロからすれば自身の安らぎを、慕ってくれた人たちを殺した相手。
トラヴィアータからすればアズーロとの戦いで大きく疲弊したことが原因で、ブラックモアなんぞに一族ごと滅ぼされることとなった。
「ボクとしてはねぇ、君との戦いのせいでブラックモアなんかに苦渋を舐めさせられたんだ。そのお返しが出来るってだけでも儲けものさぁ!」
「ハッ!そもそも夜魔程度に遅れをとるような奴が死んで、他の祖も精々したことだろうさ!」
その言葉を聞いたトラヴィアータの顔から感情が消える。
「ーー殺す。」
なんか小物っぽくなっちゃったなぁ。仮にも二十七祖なんだけどなぁ。 - 200二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 13:32:13
きたきた
- 201アズーロ・ピース22/09/25(日) 14:16:15
刃と爪がぶつかる。アズーロは時折フェイントも混ぜながら刀を振るうが、トラヴィアータはそれを完璧に対処する。
(挑発に乗ったのはいいが、冷静さはそこまで失っていないか。)
面倒だな、と一人ごちる。
「とはいえ、まぁ…」
一歩、大きく踏み込む。
「おっ…!」
「以前と同じと思うな。」
踏み込んできたアズーロを見て、トラヴィアータが動揺した隙に神速で刀を振るう…が、それは浅く傷を残した程度だった。
「おっとっと。危ない危ない。」
「ちっ…」
ひらりと、まるで羽毛のように軽やかな動きで斬擊をかわす。
そして、再び爪と斬擊の応酬が始まる。
(ちっ…これは…!)
しかし、徐々にアズーロが圧され始めていた。
(単純に元々のスペックの差か…。俺は夜魔であるのに対し、奴は死徒の冠位。俺の本来のスペックであってもすこし迫れる程度か。)
全く、これだから祖って奴は… - 202二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 14:18:10
今川雷蝶とかジグムントみたいに大人物じゃないけどすごく強いタイプか
- 203アズーロ・ピース22/09/25(日) 14:19:01
戦闘描写ムズいな…上手く書けてないかもしれない。ごめんよ…
- 204二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 14:38:58
ご謙遜を
- 205アズーロ・ピース22/09/25(日) 15:31:49
「う~ん、埒が明かないなぁ。」
お互いに、得物を交えてしばらく。トラヴィアータがそんなことを宣う。
トラヴィアータは50m後ろに後退すると、掌を俺に向けて突き出す。
「……ッ!」
その動作を、俺は知っていた。かつて多くの人々を死に送った、忌々しい異能。
「消し飛んじゃえ♪」
そんな、子供同士の遊びで言うような軽い口調で、アイツは、災厄を放った。
掌に、膨大な魔力が集束する。そして、考える暇もなくそれが放たれた。
魔力を集束し、衝撃波として放つ。一見何でもないように見えるが、奴のそれは触れたもの、浴びたものを問答無用で原子レベルにまで崩壊させるもの。有機物も無機物も関係ない。そんなものはあの災厄の前には無力だ。
「あ……、あぁぁぁぁぁ!!!」
刀を地面に突き刺し、高速で詠唱、結界を展開する。元々張ってあった人払いの結界に加え、守護の結界を展開する。
「ぐっ、あぁぁ…、あぁぁぁぁ…!!」
あまりの痛みに喉が裂けんばかりの声を漏らす。分解されることは防いでいるが、それでも凄まじい痛みが全身を駆け巡る。
「おっ?耐えるんだ?」
奴の馬鹿にしたような驚きの声を無視し、結界の維持に全力を注ぐ。
「繰り返させるか…!もう、二度と…!」
あの時、俺にもっと力があれば彼らは死なずに済んだかもしれない。子孫を残し、平和な日々を過ごして、笑いあえていたのかもしれない。
そんな日常を奪ったのは俺だ。俺が弱かったから、彼らは死んだんだ。だから……!
「もう、失わせるものか…!守るんだ…今度こそ!!」
そうして、一際大きな爆発が起こる。その影響で結界が破壊される。黒煙が天高く昇る。
そうして、黒煙が晴れた先には…全身から血を流し、ズタボロになりながらも周りの建物への被害を一つも出さずに守りきったアズーロの姿があった。 - 206二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 15:33:03
アズーロ=サンは殆どブッダに近い
- 207二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 15:35:59
アズーロさん泥臭くも漢らしい格好良さがあるな
琥珀さんと会って何か感じるところがあったのかも - 208二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 15:43:19
英雄だよ
- 209アズーロ・ピース22/09/25(日) 16:04:11
「ぐっ…ゴフッ…!」
口から血の塊を吐き出す。あぁ、血は吸血鬼にとって資源なのにそれを吐き出すとはな。なんて馬鹿げた思考をする。
もはや体は動かない。恐らく、今の俺は末端の代行者にすら狩れる存在だろう。
「ふぅ~、いやぁ手こずらせてくれたねぇ?」
ニヤニヤと、おおよそ吸血鬼の冠位とは思えないほど下卑た笑みを浮かべながらトラヴィアータが俺に歩み寄ってくる。そうして、俺から10m離れたところで立ち止まる。
「なんだっけ。もう繰り返させない、だっけ?いやぁ、おおよそ吸血鬼とは思えない文句どうもありがとう!ーーーじゃ、死んでよ。」
そうして、掌に集束した衝撃波が放たれるーー
「あら、それは無粋と言うものよ。」
刹那、振るわれた爪の斬擊がトラヴィアータの右腕を斬り飛ばしていた。
「……は?」
「……あ……?」
お互い、間抜けな声を漏らす。
俺とトラヴィアータの間に、影が躍り出る。
黒く長い髪に赤い花の髪飾りを付け、黒を基調として赤の配色を加えたドレス。そして、血のように朱い瞳。
「……君、は……。」
「久しぶりね、アズーロ。元気にしていたかしら?」
そう言って少女ーー死徒二十七祖第九位、『黒血の月蝕姫』アルトルージュ・ブリュンスタッドは微笑みをアズーロに向けた。
「アル、ト…?」 - 210二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 17:48:41
思わぬ助成
- 211二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 17:54:57
びびった
- 212二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 18:08:30
- 213アズーロ・ピース22/09/25(日) 18:52:51
「…何で、ここに……?」
「月が綺麗だったから、かしらね?」
そんな少女のような笑みを浮かべながら言った。
「…まったく、邪魔しないでよ。欠陥品。」
そこに怒りを滲ませたトラヴィアータの声が響く。
「せっかくソイツを始末できそうだったのにさぁ。」
「あら、それにしては決め手に欠けていたようだけど?」
切り札を切ったようだしね?と、明らかにトラヴィアータを嘲笑っていた。
「それに、もし戦いの場がこんな人間が沢山居るような場所でなければ貴女はもっと傷を負っていたと思うわよ?アズーロったら、かなり焦っていたみたいだしね?」
それでも勝てないと思う辺り、やはり怪物だ。
「ふん、じゃあそこ退いてくれない?ソイツ始末するから。」
「させないと言ったでしょう?生き返った時に知能まで捨ててきたのかしら?」
「…黙れッ!」
トラヴィアータが再生した腕に魔力を集束する。しかし、それを阻むようにアルトルージュが爪を振るい、再度右腕を切り飛ばす。
お互いの爪がぶつかり、火花と衝撃波が散る。
しばらくして、戦いが終わりに近づく。トラヴィアータが圧され始めたのだ。
「……舐めるなぁッ!!」
トラヴィアータが腕を振り上げる。すると、数えるのも億劫になるほどの屍鬼が俺たちを囲うように現れる。
対し、アルトは動じることなく溜め息を吐きながら爪を振るう。それだけで屍鬼が一掃される。
しかし、それを見てもトラヴィアータは驚くことなく、寧ろ笑みを深めた。
「お前には通じなくても、死にかけのソイツならどうかな?」
その言葉と共に、俺の周りに数十体の屍鬼が現れる。
「どうだ、これでお前が護ろうとしたものは壊れる!!あは、アハハハはははハハハ!!!」
トラヴィアータは笑う。狂喜に満ちた顔で、頬を赤く染めながら。
「愚かね、トラヴィアータ。」
「……何?」
「そろそろいいでしょう?アズーロ。」
瞬間、屍鬼の体に銀色の閃光が走る。
「あぁ、頃合いだな。」
そこには、体の殆どが再生したアズーロが立っていた。 - 214二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 18:58:49
反撃開始か!?
- 215二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 19:01:15
やったぜ
- 216二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 19:52:26
アズーロ=サン!
- 217アズーロ・ピース22/09/25(日) 21:08:28
「私がアイツの相手をしましょうか?」
「いや、アルトは屍鬼と周りへ被害が出さないよう抑えていてくれ。奴とは俺が決着を付ける。」
我儘かもしれないが、これは俺が果たすべき責任だ。
「分かったわ。」
そうして、アルトは背を向け歩き出す…
「あ、そうそう。ちょっとこっちを向きなさいアズーロ。」
「ん?何──ッ!」
首筋に鋭い痛みが走る。どうやら噛み付かれたらしい。
「ぷぁっ……。私の血を少しだけ送ったわ。これで少しの間だけだけど貴方はⅧ階悌相当の力を行使できる。早く片付けてしまいなさい。」
そう言って、今度こそアルトは屍鬼の方へ向かっていった。
「さて、待たせたなトラヴィアータ。今度こそ終わらせよう。」
「終わらせる?馬鹿だね、終わるのはお前の方だよッ!」
そうして、奴は衝撃波を放とうとするが…
「本当に芸が無いな。今の俺なら対処も容易いぞ。」
瞬時に距離を詰め、その腕を斬り飛ばす。
「なっ…!?」
奴の顔が驚愕に染まる。それは衝撃波を対処されたことか、俺の急激な能力の向上に対してか。
どちらにせよ、これで奴の相手がしやすくなったのは事実。それに腕の再生にはほんの少しのタイムラグがある。そこを一気に攻める…!
「せいっ!はあっ!」
「くっ…!この…!」
四方八方から繰り出される斬擊をトラヴィアータは捌き、防ぐので精一杯のよう…いや、
「やはりか。トラヴィアータ、お前完全に死から蘇生したわけではないな?」
鍔迫り合いとなりながら、俺はトラヴィアータに言葉を投げる。
「そもそも、完全な死者蘇生なんぞ魔法ですら到達していない領域だ。お前を蘇らせたのがどんな奴か知らんが、死んだものがそのまま生き返るなど絶対に有り得ない。その証拠に…」
俺は刀の位置をずらし、奴の体勢を崩す。
「しまっ…!?」
「ふっ!」
「ガハッ…!」
刀の腹で叩き、数十m吹き飛ばす。
「こうして、お前の能力は徐々に落ちている。俺やアルトと連戦だったこともあるだろうがな。恐らく、最初に俺と戦った時点で満足に血を回収できていないんだろう?」 - 218二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 21:14:04
このまま押しきれるか!?
がんばれアズーロさん! - 219アズーロ・ピース22/09/25(日) 21:38:46
それらの条件が重なり、今やコイツの対処はⅧ階悌相当の力を得た俺なら問題なく行えるようになった。いまや、コイツの力はⅥ階悌にまで落ちているだろう。
「こ、の…!まだ、ボクは…!」
「いいや、終わりだ。トラヴィアータ…いや、メヒティルト・ドレヴァンツ。」
刀の切っ先を奴に向ける。
「お前に…お前にボクの何が…!」
「あぁ、知らないな。だが、今更お前のような奴にかける情もない。地獄で尽きぬ獄炎に焼かれてろ。」
奴は憎々しげに俺を見つめる。知ったことか。貴様なんぞに理不尽に未来/明日を奪われた彼らに比べればチンケな物だ。
「今度こそ終わりだ。死に際にお前が殺した彼らへ謝意を述べながら底知れぬ深淵へと、その汚れた魂を抱えて堕ちるがいい。」
刀を振り上げる。刀身が月の光に反射して淡く光る。
「死人のお前には贅沢な末路だな。」
そうして、一刀の元に斬り伏せた。
「………終わった、か。」
ドサリ、とその場に座り込む。そして、体からアルトから貰った血が抜けるのを感じた。
「……ふぅ。」
そうして、安堵感からか、地面に体を預けるように倒れ込む。
「……あ、そういえば屍鬼の方、」
「とっくに片付いてるわよ。」
立ち上がろうとしたところで、アルトが俺の顔を覗き込むようにして立っていた。
「それもそうか。お前が相手なら訳もないか。」
変に心配して損した、と笑いが込み上げてくる。
「……何かしら。」
笑いだした俺を見て不機嫌そうに睨んでくるアルト。
「やめろやめろ。お前に睨まれたら、チンケな夜魔の俺は死んでしまうだろ?」
「よく言うわ…。」
ハァ、と呆れたように溜め息をつくアルトを見て「あぁ、こんな姿もいいな。」なんて事を考えてしまった。
そんな考えが恥ずかしいやら何やらで、空を見上げる。
「……あぁ、成る程。お前の言った通りだな。」
「?」
アルトは何のことか分からないと言ったように首を傾げる。
「今日は、いつにも増して、月が綺麗だーー。」 - 220二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 21:45:48
月が綺麗ですね
- 221二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 21:46:44
ビクビクして見てたけど無事に勝ったか
- 222二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 21:48:52
シキ=サンの言葉か
- 223アズーロ・ピース22/09/25(日) 21:48:54
ちょっとアルトルージュから血を分けてもらうとか言う反則でしたけどね。いくら力が落ちているとはいえ二十七祖を夜魔が相手取るにはこうするしか思い付かなかったんだ…
- 224二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 21:52:20
リメイク版の言葉を使うと4階級上の相手に勝ったわけか
助力ありとは言えやるじゃんアズーロさん - 225アズーロ・ピース22/09/25(日) 21:52:26
あ、あと、まだ終わりじゃないからね!?まだ続くぞー!
ss形式はどうだった?文章力に自信がなかったけど自分なりにちょっとキノコ節を真似たりして書いてみた。満足してくれたなら嬉しい!
あとなんか書いてほしいシーンとかあれば言ってくれ。出来そうなら書いてみるよ。 - 226二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 21:54:02
マジすか!?
じゃあ安価でやった琥珀さんとの出会いを書いてくれたら嬉しいです - 227二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 21:55:38
こりゃあ期待やわ
- 228アズーロ・ピース22/09/25(日) 21:58:51
- 229アズーロ・ピース22/09/25(日) 22:01:07
- 230二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:03:28
まじありがたい
- 231二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:04:39
まずまず
- 232二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:05:44
いい奴
- 233二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:07:02
心強い味方
- 234二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:07:15
- 235アズーロ・ピース22/09/25(日) 22:08:43
- 236アズーロ・ピース22/09/25(日) 22:09:23
なんか感謝されてるらしい。すげーな。
- 237アズーロ・ピース22/09/25(日) 22:17:44
トラヴィアータとの殺し合いから十年。あれからは相も変わらずボランティアをしたり、ちょくちょくアルトが家を訪ねてくるようになったりと平和な日々を過ごしていた。まあ、たかが十年で吸血鬼の何が変わるものでもないが。
そんなある日、ある人物が俺の家を訪ねてきた。
それは>>241だった。
- 238二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:19:30
シエル
- 239二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:22:51
志貴
- 240二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:26:06
ブラックモア
- 241二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:31:08
メレム・ソロモン
- 242アズーロ・ピース22/09/25(日) 22:35:18
- 243二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:42:56
三咲町でまたしても事件が起きそうだと告げる
- 244二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:44:46
遠野家に不穏な物を感じたので念のため調査を依頼
- 245二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:56:58
聖杯戦争やら吸血鬼事件やらで日本の魔術協会および教会がガタついてるのでしばらく居着いて欲しい
- 246二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 22:58:47
- 247アズーロ・ピース22/09/25(日) 23:04:53
「おや、これはこれは。珍しいですね、貴方がこんなところに訪れるとは。」
「まぁ、僕だって友人の一人に会いたくなるときもあるさ。」
よく言う。それだけではないだろうに。
「それで、本音はなんです?手短にお願いしますよ。」
「それなんだけどね、以前君がトラヴィアータ討伐に赴いた街、三咲町って言ったっけ?あそこでまた事件が起きそうなんだ。」
それは、アズーロの関心を引くには十分な話題だった。
そろそろ寝ます。保守お願いします。
明日から、仕事であまり書き込めないかもしれませんが、そこら辺はご了承いただければ。 - 248二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 23:06:28
乙でした
- 249二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 23:07:21
おつした
任せて下さい - 250二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 23:28:08
おもろかった
- 251二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 03:22:19
アズーロさんの新たな相手とは…
- 252アズーロ・ピース22/09/26(月) 07:00:43
「三咲町で、か…。」
「うん。とある死徒が三咲町で何かをやらかしそうでね。それの討伐を頼みたいんだ。」
「なんで俺に?お前が行けばいいだろう。」
やべっ、敬語崩れちゃった。…まぁいいか。コイツに敬語を使う方が疲れる。
「だって今三咲町には姫君がいるんだよ?会うには中々勇気がいるのさ。」
顔を赤くしながらそんなことを宣うメレムを見て、思わずハァ~と大きな溜め息をついてしまう。
「あぁ、例の姫君ね。お前が来て話すのは姫君への想いかアルトへの愚痴ばかりだな。」
いい加減うんざりしてきたな。
「分かった分かった。行ってやるよ。」
「そうかい?それじゃあ、空港に迎えの奴を寄越してるからよろしく~。」
ヒラヒラと手を振るメレムを見て、コイツの頭に黒光りするヤツが百匹くらい落ちねぇかなぁと思った。
「その迎えの奴を見たら、君はとても驚くだろうねぇ。」 - 253アズーロ・ピース22/09/26(月) 07:47:21
さて、空港に着いた訳だがーー
「あ!お兄ちゃん!!」
「???????」
俺に健気に手を振る少女を見て、いよいよ俺の頭もイカれたかと考える。
俺はその少女を知っていた。知っていると言うかちょくちょく顔も合わせている。
アルトルージュ・ブリュンスタッド。俺の友人にして何かと俺を気にかけてくる祖にしては珍しい奴だ。
そんな、死徒の冠位が手を振っている。お兄ちゃんと言って。健気に。しかもなんか小さくなってるし。人間にして八歳程だろうか。その腕には、これまた猫かリスか分からん姿になったプライミッツが抱かれていた。
「お兄ちゃん久しぶり!」
「え、いや…久しぶりは久しぶりなんだが、お前その姿」
しかし、アルトの目を見て固まってしまう。その目は笑っておらず「いいから黙って従え」と物語っていた。
「ひ、久しぶりだな、アルト。プライミッツも。」
ひきつった笑みで答える。
「も、もしかしてメレムが言ってた迎えって…」
「そう!私よ~!」
お前、実はこの状況楽しんでるだろ。
そうして、飛行機に乗り込もうとしたのだが、
「あの、申し訳ありません。ペットの同乗は」
「何か言ったかしら?」
プライミッツを腕に抱えたアルトをCAが止めようとしたのだが、なんとアルトは魔眼を使って認めさせたのだ。
なんと言う魔眼の無駄遣い…!だが何故だろう。魔眼を辺りの人に使いまくってるアルトを見て、近い内に白い姫君がとある教育施設で同じことをやらかすイメージが浮かんだのは。
そんな一悶着もあったが、俺たちの乗る飛行機は日本に向けて旅立った。 - 254二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 08:39:10
アルトさんアズーロニキのことめちゃ好きじゃん!
- 255二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 12:10:35
かわいい
- 256アズーロ・ピース22/09/26(月) 12:28:48
アズーロさんの豆知識~!
月姫世界では吸血鬼であるアズーロですが、fgo …もといfate世界では吸血鬼ではなく普通の人間です。それでも二千年近く生きている奴ですが。
人理焼却及び地球白紙化については“たまたま“、彷徨海を訪れていたため無事でした。
魔術の腕前は異聞帯モルガンの10分の7、魔力量は初代ロア並みと月姫世界に比べて圧倒的なほどに実力が上がっており、この世界のアズーロが吸血鬼になれば二十七祖入りは時間の問題でした。
彷徨海を訪れたシオンに手を貸し、カルデアへの手助けをしていました。
…もし、カルデアに助力を求められれば、彼は迷いなく力を貸すことでしょう。人理焼却を解決したカルデアのマスターへの称賛と、まだ未来ある若者たちにこんな重荷を背負わせてしまった事へ責任を感じながら。
ちなみにですが、アズーロも平行世界の出来事を認知しており、自身が吸血鬼になったことも知っています。
fgoアズーロ〉〉〉〉〉〉〉月姫アズーロ - 257二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 13:49:17
強い
そういえばネロカオスより1000歳年上だったなアズーロ=サン - 258二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 15:50:50
星はいくつだろ
- 259二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 15:53:03
頼もしすぎて逆に最後まで生き残れないパターン
- 260アズーロ・ピース22/09/26(月) 17:52:09
しばらくして日本に着いた。その間に色々アルトから聞き出したのだが、アルトは俺が三咲町に行くと聞きつけて着いてきたらしい。そんなのあの護衛二人組が黙ってないだろと言ったら「あぁ、実力で黙らせてきたわ。」とか言うものだからちょっと恐怖を感じてしまった。
じゃあなんで体を小さくしたんだ?と聞いたらこれまた「面白そうだったから」との答えが返ってきた。思わず「馬鹿じゃねぇの?」と言ってしまった俺は悪くないと思う。
でも、三咲町にはお前の妹がいるんだぞ?と言ったら「あら、いい機会ね。あの時出来なかった教育をしてあげましょうか。」とか言ってた。
……俺知~らね。 - 261二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 18:52:16
ひどいな…
- 262アズーロ・ピース22/09/26(月) 19:03:08
そして、メレムが手配したホテルで休息を取っていた。
『次のニュースです。全身青タイツの男性がトラックに轢かれたと通報がありーー』
ニュースを聞き流しながら、ソファに体を預け、ボーッとしていたのだがーー
「アズーロアズーロ。ちょっとこっちを向きなさい。」
アルトが声を掛けてきたので振り返る。
「……はい?」
思わず、間抜けな声を出してしまった。
何故なら、今のアルトの格好はーー
「どうかしら?メレムが勧めてきたのだけど。」
白と黒で統一されたフリフリの、所謂メイド服というヤツだった。
「…プライミッツー!!アルトが壊れたー!!」
「なんでそうなるのよ!?」
そんなメイド服事件から少し。
「よし、遠野邸に行ってみるか。」
「確かこの街のオーナー、だったかしら?」
「だな。当主が代替わりしたと聞いたから挨拶しておこうかと思ってな。」
前回来たときの当主は「よくこれで当主が務まるな」と思ったものだが今回の当主はどんな人なのやら。 - 263二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 19:08:18
ミキヒサ=サンは酷いを通り越して人間のやることじゃなかったからな
- 264二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 19:12:52
今度の敵は誰だろう
ところでプライミッツってあのプライミッツ? - 265二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 20:32:16
結構愛嬌有るなアズーロさん
最初はもっと怖い人になるかと思ってた - 266アズーロ・ピース22/09/26(月) 21:04:04
「初めまして。遠野家当主、遠野秋葉と言います。」
遠野邸にお邪魔させてもらい、今の当主と対面する。年は10代半ばだろうか。何処となく雰囲気がアルトに似ている気がする。
「これはご丁寧に。アズーロ・ピースだ。そう畏まらないでくれ。」
俺の言葉に少女ーー秋葉嬢は顔を上げる。
「分かりました。…それで、本日はどのようなご用件で?」
「いや何、この街に吸血鬼が潜んでいることは知ってるか?」
「えぇ。具体的な数までは把握していませんが。」
どうやらこの子は先代以上だ。先代は何故かトラヴィアータが潜伏しているのに気付いていなかったからな。
「なら話は早い。俺たちはその内の一人を狩りに来た。なるべく街には被害を出さないように務めるのでこの街に滞在してもいいだろうか?」
「…構いません。こちらにとっても目の上の瘤を排除していただけるのなら追い出す理由はありません。」
交渉成立だな。
「せっかくです。夕食を食べていかれては如何です?」
秋葉嬢の提案は大変嬉しいのだが、早速調査に行きたいのでここは断らせてもらーー
「是非に。私も旦那様に夕食を食べさせてあげたいと思っていた所ですので。」
「!?!?!?!?!?!?」
驚天動地、天地がひっくり返るとはこの事か。
あの、アルトが…王族たるブリュンスタッドが料理をするだと…!?
キシュアの翁が聞けば、大笑いするか椅子から転げ落ちるかもしれないレベルだ。
一体どんな風の吹き回しだ…!? - 267二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 21:07:18
なん……やと?
- 268アズーロ・ピース22/09/26(月) 21:15:53
- 269二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 21:35:56
((( ;゚Д゚)))
- 270二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 21:49:08
このレスは削除されています
- 271二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 21:50:16
- 272アズーロ・ピース22/09/26(月) 21:52:10
ダメです。
- 273アズーロ・ピース22/09/26(月) 22:29:24
そんなこんなで料理が運ばれてくる。和食がほとんどだが、所々に洋食も見える。和食を作ったのは秋葉嬢のメイドで、洋食はアルトだろう。
さっそく、料理に手を付ける。
……なるほど、長年料理をこなしているだけあって文句の付け所が無いくらいに美味しい。このサバとかかなり俺好みだ。
さて、問題の洋食だが。
「どう、かしら?」
少し不安げな顔をしながらアルトが聞いてくる。
「……うん、凄く美味しいな。まさかお前が料理できるとは思わなかった。初めてにしては本当に美味しい。」
「!ふふん、そうでしょう、そうでしょう!……やった…!」
胸を張りながら誇らしげにするアルト。小さく聞こえた喜びの声は聞かなかったことにしておこう。
「あ、それと琥珀さんだっけ?君の料理も凄く美味しかった。御馳走様。」
「いえいえ!満足頂けたようで何よりです!」
その後、少しばかり雑談して遠野邸を後にした。 - 274二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:42:13
気さくな人だ
- 275二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:44:23
ふーむ、至っていい人だなアズーロ
二千年生きて来て丸くなったのか元から良識ある穏やかな性格だったのか…… - 276二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:46:01
梅サンドはないのか?
- 277アズーロ・ピース22/09/26(月) 22:59:55
今日はここまで!おやすみなさい!
- 278二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 23:27:56
乙でした
- 279二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 23:28:34
おやすみなさい
- 280二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 01:16:32
おつ
好青年だなアズーロさん - 281アズーロ・ピース22/09/27(火) 07:13:51
…随分、懐かしい光景が目に入る。
『アズーロ、お前は私たちの誇りだ。』
『えぇ。貴方はよく頑張っているわ。』
父と母が自分にそんな言葉を掛けてくる。
そんな風に言われた事が嬉しくて、自分も魔術の勉強に明け暮れた。ぼんやりと、こんな日々が続くのだろうと信じて疑っていなかった。
ーーーだが、
『急げ!奴が来たぞ!』
『アズーロ!生きなさい!貴方は、貴方だけは…!』
父と母が、自分を逃がした。そしてしばらくして戻ってみると、そこにいたのは血濡れの既に息絶えた両親の体だった。
「……はぁ~。」
溜め息をつく。
「もういいだろう、マーリン」
「アハハ。やっぱり気付いてたか。」
世界が一面の花園に変わる。そこに、白いローブを羽織った胡散臭い男の姿があった。
「で、何が目的だ?俺にこんな胸糞悪い光景を見せて。」
「いや、これでもキミの体を労った結果なんだよ?キミ、自分の体の事分かってる?」
マーリンに指摘されて、自分の体に触れる。
「キミの体は少しずつだけど朽ちていってる。夜魔で居続けている代償だろうね。本来のキミはⅦ、もしくはⅧ階悌相当の体が与えられていなければいけないというのに…」
「別に俺はこれでも満足してるさ。お前に心配される謂れはない。」
それに、と言葉を続ける。
「お前こそ、近い内に傍観者ではいられなくなるんだ。そっちの心配をしたらどうだ?」
「?それはどういう…」
「じゃあな、我らが偉大なるキングメイカー!!」
「ドフォーウ!?」
マーリンを蹴り飛ばして俺の領域から叩き出す。
「焼却に白紙化ねぇ…そっちは随分と大変そうだ。まあ、そっちはそっち。こっちはこっちだ。」
それに、もし俺に終わりが訪れるのならそれを与えるのがどうか、あの黒い月の姫でありますように。 - 282二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 08:54:38
わーい
- 283アズーロ・ピース22/09/27(火) 10:05:43
- 284二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 11:57:45
オーベッド・マーシュ
19世紀末インスマスに邪神信仰を持ち込んだ張本人、オーベッド・マーシュ船長の祖先に当たるⅦ階梯の死徒。
男性。
魔術師上がりの倫理や良識に欠けた困った人。
遥か昔に根源への到達を目的として己を死徒へと変えたがその姿は半魚人の様な異形の姿と化している。
これは死徒化した魔術師達を不完全な不老不死と考え、異界の神々と交信した末に手に入れたもの。
三咲街でかつて己自身と子孫が取り引きしていた邪神よりも更に上位の神格を召喚するためにやって来た。 - 285二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 13:10:03
デア・フライシュッツ
Ⅸ階梯死徒の男性。
この名前は近世になってから名付けられたもので、FGOに登場した新宿のアーチャーやその基となった民間伝承とは別物。
気性が荒く、洞察や熟考や忍耐を良しとしない性格だが、狩猟と戦闘の場にまでは持ち込みはしない。
その心は魔術師への激しい怒りと殺意に満ちており、彼等に対しては人間・吸血鬼、老若男女貴賤の区別なく容赦呵責のない殺戮を行使する。
かつて祖に数えられた時代もあったが前述の行為や性格から既に消し去られて久しい。
現在も魔術師、特に魔術師上がりの死徒を狩り殺す旅を続けており三咲町に訪れたのもその為。
根はいい奴で普段は仕事のハンティングで撃った獲物を貧者に格安で売ったりあげたりもしてる。 - 286二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 13:48:51
アイリス・アッシュロック
Ⅴ階悌の死徒の女性
小柄な少女でクラシックメイド服を着ている
アズーロ・ピースの気をひくために三咲町で事件を起こした。
町中に大量のコピー用紙を屍鬼に丸めて捨てさせることでポイ捨て嫌いのアズーロくんを引き寄せた。
吸血は同意の元安全に行う主義で、性行為の引き換えとして吸血を行う - 287二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 17:13:31
- 288二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 17:13:35
このレスは削除されています
- 289アズーロ・ピース22/09/27(火) 17:22:26
- 290アズーロ・ピース22/09/27(火) 17:36:58
「…というか、俺は今回の死徒のことを知らないんだが?」
「あぁ。それならこれよ。」
そう言ってアルトが渡してきたのは資料だった。
「何々…オーベッド・マーシュ?」
確か、魔術師上がりのⅦ階悌の死徒だったか。
「で、こいつは何しようとしてるんだ?」
「かつて己や子孫が取引したものよりさらに高位の神格を呼び出そうとしてるみたいよ。」
「…馬鹿かそいつ?」
そんなもの抑止力に目を付けられて終わりだろうに。それとも抑止力の目を掻い潜る方法でもあるのだろうか?
「しかし、Ⅶ階悌が相手か。俺はⅤ階悌なんだが?なに、メレムは俺にくたばれと言ってるのか?」
だとすれば全力で抗うが?
「そんなわけないでしょう。少なくとも勝算があるんじゃない?」
「………。」
確かに、あるにはある。オーベッドも魔術師であるならば恐らく魔術も使用してくる筈。ならばこちらも魔術を使えばいいだけ。それに、今回は死徒相手に有効な戦術もある。そうそう負けることはないと言っていい。
「ま、気楽に行きましょう気楽にね。」 - 291二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 17:43:15
アイエエエ!狂人!
- 292二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 17:44:03
型月版C計画か
- 293二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 17:45:45
神格ってクトゥルフ?
- 294二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 18:01:19
抑止力に阻まれるにしろ阻まれないにしろヤバいぜ
- 295アズーロ・ピース22/09/27(火) 19:12:12
奴が動き出すとすれば夜だろうということで、適当に街をぶらつく。
「……そうだな、あそこに行ってみるか。」
暫くして辿り着いたのは、丘の上にあるボロボロのお屋敷だった。
剥かしは人が住んでいたそうだが、今は誰もいない文字通りの廃墟と化しているらしい。
その場所に花束を置く。まぁ、ここの住人であった少女にではなく、その祖先に向けてのものであるが。
「久しぶりだな、中々来れなくてすまない。」
かつて、俺がまだ人間で魔術師であった頃。俺の友人であり、魔術の師でもあった“彼女“に語りかける。
「かなりごたついててな。なに、お前との約束は守るさ。」
家族を守ってほしい、世界を嫌いにならないでほしいという願いをしっかりと胸に刻んでおく。
「落ち着いたら、また来るよ。」
そう言って、お屋敷を去る。
ふと、彼女が言っていた言葉を思い出す。
「人には無限の可能性がある、か。その通りだよ。なぁ…、」
ーーーーユミナ。 - 296二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 19:20:44
これってまさかーー
- 297二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 19:46:15
なんで武器が日本刀なのかってそういう事だったのか
- 298二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 20:17:24
どういうことなの……
- 299アズーロ・ピース22/09/27(火) 21:50:19
夜。三咲町の地下空洞にて俺たちはソイツと対峙する。
魚のような鱗がびっしりと全身に張り巡らされている異形の男。
名を、オーベッド・マーシュ。根源に至るために死徒となり、その果てに異星の神々と交信した男。
「初めまして、になるか?オーベッド・マーシュ。」
「これはこれは。まさか貴方がやって来るとは驚きですな。“処刑人/パニッシャー“、アズーロ・ピース殿。」
オーベッドと会話するなかで、俺はヤツの後ろにある物に目を向ける。
「降臨の台座…。やはり、お前が呼び出そうとしているものは“外なる者たち“か。」
俺の言葉に、思わずと言った様子で拍手するオーベッド。
「ご明察!いやはや、伊達に二千年生きてはいないということですかな?」
「少なくとも外なる神とはとても細くはあるが縁が出来ている。ラヴ・クラフトが書いた本によってな。それまで不確定だった奴らが存在を確かなものとしてしまった。それだけで奴等にとって干渉する材料としては十分なのさ。」
「……素晴らしいッ!!そこまで見抜いているとは!で、あるならば私の目的も見抜いているのではないですかな?」
「おおよそはな。お前は外なる神と交信し、さらに上の次元へ行こうとしている。大方、真性悪魔辺りか?」
「えぇ、えぇ!その通り!!外なる神と繋がり、その力を得ることができれば不完全な不老不死ではなく完全な不老不死が手に入るっ!!そのためならば、この街の人間がどれだけ犠牲になろうと知った事かッッ!!」
「そうか…。」
聞けたいことは聞けた。ならばここからはーー
「覚悟せよ、愚かなる吸血鬼。貴様のその吐いて捨てるべき理想。完膚なきまでに叩き潰し、二度と存在できぬよう消滅させてやる。それが貴様に与える慈悲と知れ。」
処刑人として、憐れな同胞に死を与えるまでだ。 - 300二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 23:02:49
オイオイ始まってんじゃん
- 301二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 23:07:37
外なる神ってヨグ・ソトースとかアザトースとかだよね?
仮に召喚に成功したら、アラヤだけでなくガイアも来るんじゃないのかコレ
ヤバいやん - 302二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 23:31:39
街がヤバイじゃなくて宇宙がヤバイな
- 303二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 23:33:15
優しくはあるけと甘くはないなアズーロ
- 304二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 07:16:30
外宇宙からの存在に抑止力は働かないから、現地の戦力だけで何とかしないといけないのがきつい
- 305アズーロ・ピース22/09/28(水) 07:25:25
刀を抜き、一瞬で距離を詰める。
「“水よ、壁となれ“」
瞬間、ヤツの前に巨大な水の壁が展開され、ヤツを守る壁となる。
「むっ…!」
その水の勢いの強さに思わず顔をしかめる。
「“浄化の火よ、焼き祓え“」
手をかざし、黒い炎がうねり水の壁を避けてオーベッドへ向かう。
「“水よ、我を覆え“」
壁となっていた水が覆う繭のようになる。
「“槍となり敵を貫け“」
水が四散、槍となって敵を穿たんと迫る。
「ふっ…!」
刀を振るい、水の槍を砕いていく。
(邪神の降臨まで残り10分。急いだ方がいいか。)
ここからは、超短期決戦だ。
「clock…」
一瞬で奴の前に移動する。
「ッ!?(なんだ今のは!?高速に動いたにしては動きが見えなかった…!?)」
驚きを露にする奴の顎に掌打を打ち込む。
「ごっ…!?」
「stop」
ピタリと、奴の体が打ち上げられた状態で静止する。
「この状態は長く保てないからな。悪いが終わりにしよう。」
奴の首を締め上げ、逃れられないようにする。
「キ、サマ…何、を…」
「なに、今から貴様を魂ごと消すのさ。」
目を瞑り、詠唱を始める。
「“天に座する神々よ、我が声を聞け。地に君臨する人々よ、耳を傾けよ。“」
そして、罪を裁く唄が紡がれる。 - 306アズーロ・ピース22/09/28(水) 07:49:15
「“これは断罪である、これは罪ある者を天へと還す行いである。“」
詠唱を紡ぐ度、純白の魔力が俺とオーベッドを包む。
「“我が目を欺くこと能わず。我が行いを阻むこと能わず。“」
「がっ、あああぁぁあああ!?!?」
「“我は汝の罪を裁くもの。死の代弁者なり。“」
アズーロが目を開く。彼の目は吸血鬼となって変化した赤ではなく、彼本来の黄金色に戻っていた。
「“キリエ・エレイソン/罪よ、我が元に裁かれよ。“」
一際強く光が溢れる。
そうして光が収まった先にはオーベッドはおらず、肉片の一つも残さずに消滅したことを告げていた。
「…ふぅ。これは魔力を多く喰うからあまり使いたくないんだけどな。」
俺が行ったのは死徒版・洗礼詠唱と言うべきものだ。
代行者が使う洗礼詠唱を死徒である俺でも使えるように改良し、尚且つ死徒を滅する威力を保つ「対死徒魔術」だ。まぁ、魔力を馬鹿みたいに消費するからあまり好んで使わないが。
「あら、意外と早く終わったのね。」
そこに、大人モードとなって台座を監視していたアルトがやってくる。
「終わったよ。で、そっちはどうだ?」
「オーベッドが殺された影響か、降臨の時間が早まったわ。」
……は?
「ッ、後何分だ!?」
「後三分ね。」
アルトの言葉を聞き、即座に立ち上がる。
「全魔術回路起動。」
ーー警告。魔力の残量が50%を下回っています。
知るか、そんなことより邪神の降臨を防ぐ方が先だ。 - 307二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 09:44:58
洗礼詠唱懐かしいなぁ
- 308二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 11:28:38
今回も大勝利だったな
もう祖に並ぶというより祖よりも強いかも - 309アズーロ・ピース22/09/28(水) 14:51:55
刀を構える。恐らく邪神が降臨する瞬間に台座に叩き込めば降臨を阻止できるはず。
「全魔力集束。絶剣、解放。」
ブワッと魔力放出による嵐が巻き起こり、刀がその色を変える。
銀色の刀身は黒く染まり、辺りには金の魔力による粒子が舞っていた。
『邪神降臨 の 障害と判断。防衛機能 を 使用します。』
すると、台座から触手やらなんやらが障害を排除しようと向かってくる。
「邪魔よ。」
アルトが爪を振るい、触手を塵へ還す。
「敵対目標を認識。殲滅対象へ移行。」
刀が火花を散らしながら、目標を狩るために唸りを上げる。
「今この時を以て神を絶ち、全てを無へ帰そう。」
神速で台座に迫る。対し、台座も防衛機能である触手を壁のように展開。動きを阻もうとする。
「学ばないわね。」
うんざりしたように、アルトが爪を振るう。しかし、ほんの少しだけ触手が残る。
ならばそれごと断ち切るまで…!
「事象断絶・無限一刀」
そして、台座に存在する核を貫いた。
『降臨核 の 破壊を確認。降霊儀式・邪神召喚 を 終了 します。お疲れ様でした。』 - 310二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 15:20:51
あぶねえあぶねえ
- 311二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 15:21:58
今度こそ勝利!
- 312二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 15:38:39
勝ったか……
もし成功してたらアラヤ来ちゃう? - 313アズーロ・ピース22/09/28(水) 17:34:19
その後としては語ることはない。強いて言うなら無茶をした反動で一週間ほど寝込んだ事くらいだろうか。
そんな俺の様子を笑いにメレムがやって来たり、久しぶりにキシュアの翁がフラりとやって来たりしたくらいだ。
さらに三咲町で、死を視る眼をもった少年が白の姫君と協力してヴローヴとあの蛇野郎…ロアを殺したと聞いて「やっぱり人間ってスゲー。」とそんな感想を述べた事くらいだろうか。
しかし、あの台座を破壊するときに見えた“虹色の泡玉“のようなものはなんだったのだろう?まるで、こちらを見て嗤っているように…。 - 314二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 17:47:21
ううむ
- 315二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 18:23:28
輝くトラペゾヘドロン?
- 316アズーロ・ピース22/09/28(水) 18:48:20
見返すと琥珀さんとの絡みが全然無かった…大変申し訳ありませんでした!
- 317二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 18:54:45
あっ、たしかに
- 318二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 19:05:25
こっちも忘れとったえ
- 319アズーロ・ピース22/09/28(水) 19:48:21
アズーロさんの豆知識~!
好きなもの∶黒い月の姫、犬、人間、世界
嫌いなもの∶薔薇、蛇、大蜘蛛、人助けを邪魔した僕ッ娘吸血鬼 - 320アズーロ・ピース22/09/28(水) 19:51:05
天敵∶大蜘蛛
決戦の地∶千年城ブリュンスタッド - 321アズーロ・ピース22/09/28(水) 21:04:10
他にこんな話書いてほしい~!とかあるかな?
- 322二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:05:09
じゃあ今度こそ琥珀さんとの話で
- 323二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:05:55
志貴ともあってほしい
- 324二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:08:45
琥珀さん+新たな敵とか
- 325アズーロ・ピース22/09/28(水) 21:40:23
- 326アズーロ・ピース22/09/28(水) 22:07:42
あの邪神降臨事件から数ヶ月。俺はまた三咲町を訪れていた。
「久しぶり。数ヶ月ぶりだな。色々片付いたからしばらくここに留まる予定なんだ。」
丘の上のお屋敷で花束を手向けながら喋る。
「なぁ、ユミナ。聞いた話で人間が祖を倒したって言うんだ。本当に、よく知っていたはずなのに改めて人間には驚かされるよ。」
多分、その話を聞けば「ふふ、言った通りでしょう?」なんて言葉が返ってくるだろうことは予想できる。
「それと、お前の子孫なんだけど今は人間と一緒に暮らしてるらしい。ちゃんと幸せを掴んでるさ、心配しなくていい。」
子供もいて、順風満帆と言った感じだった。
「お前は、俺に幸せになれって言ったけど、俺は自分がどう幸せになるのか予想がつかないよ…」
丘を去り、ブラブラとしていると懐かしいメイド服姿の少女が目に入る。
「……琥珀さん、だっけ?」
「え?…あ!アズーロさんでしたっけ?」
良かった、覚えていてくれたらしい。 - 327アズーロ・ピース22/09/28(水) 23:05:12
本日はここまで!皆さん、おやすみ~!!
- 328二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 23:11:30
乙した
- 329二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 00:54:42
乙
- 330アズーロ・ピース22/09/29(木) 06:29:05
おはようございます。
- 331アズーロ・ピース22/09/29(木) 07:51:34
「久しぶり、元気にしてた?」
「えぇ、勿論元気ですよ!アズーロさんは何のご用事で?」
「少しね。しばらく滞在する予定なんだ。」
秋葉嬢のメイド、琥珀さんと会話する。
「そうなんですか…あっ、でしたら遠野邸に来られますか?秋葉お嬢様も会いたがっておられましたし。」
琥珀さんの言葉に少し考える。
「…寄らせてもらってもいいかな?迷惑でなければ、だけど。」
「大丈夫です!じゃあ着いてきてください!」
ー遠野邸ー
「お久しぶりです。アズーロさん。」
「秋葉嬢こそ。元気そうで何よりだ。」
お互いに挨拶を交わす。
「…なぁ、秋葉。この人と知り合いなのか?」
と、秋葉嬢の隣にいた少年が俺の方を見てそんなことを言う。
「君は……、秋葉嬢の彼氏さんかな?」
「へっ?」
いやぁ、秋葉嬢も隅に置けないな。彼氏がいるなんて。
「い、いや俺は」
「違いますよ、この人は私の兄です。」
言葉を発しようとした少年を遮るように秋葉嬢が語る。
「少し前まで別のところで暮らしていたのですが、私が呼び戻したんです。」
なるほど。そういうことだったのか。
「ほら兄さん?ご挨拶を。」
「分かったよ…。ええっと、遠野志貴です。秋葉の兄、です。」
「初めまして。アズーロ・ピースだ。そう畏まらなくてもいいよ。」
しかし、成る程、彼が……。 - 332二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 12:04:40
更新来てた!
- 333二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 12:19:49
きたきた
- 334アズーロ・ピース22/09/29(木) 12:29:17
彼の纏う死の気配。それに加え違和感のある眼…恐らく直死の魔眼か。
かけているメガネは魔眼殺しの眼鏡か。それであるならば死徒を殺すことも可能だろう。
「…えっと、何か?」
おっと、思わず彼の顔を見すぎたらしい。
「いや、何でもないよ。」
適当にはぐらかしておく。
「…そういえば、今日はあのメイドの女性は居られないのですね?」
……メイド?あぁ。
「あれはアイツが面白がってあんな服と口調にしただけで実際にはメイドじゃないよ。」
いらん誤解を与えてたか。
「そうなのですか?琥珀がとても礼儀作法が出来ていたと褒めていましたので。」
「ほう?アイツに聞かせてやりたいくらいだ。」
多分、他の真祖とかが教えたんだろうな。
「そうだ、秋葉嬢。少しだけ志貴君を借りていいかな?」
「?構いませんが…兄さん?」
「あ、あぁ。俺も大丈夫です。」
よし、許可もとれたので志貴君と一緒に外に出るか。 - 335二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 13:41:06
ネロカオスも殺せたくらいだからな>魔眼
- 336二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 14:10:42
同じような魔眼を知ってるのか?
- 337アズーロ・ピース22/09/29(木) 19:24:54
「さて、何か頼むか。何がいい?」
「えっと、それじゃあナポリタンで。」
ファミレスに来た俺たちは向い合わせで座り、互いにメニューとにらめっこしていた。
「それで、話っていうのは?」
しばらくして志貴君の頼んだナポリタン、俺の頼んだステーキが運ばれてくる。お互いに運ばれてきた料理を食べながら会話する。
「そんな難しい話じゃない。ただ感謝をと思ってな。」
「感謝…?」
俺の言葉に志貴君が怪訝そうな顔をする。
「あのクソ蛇……ロアを殺してくれたことさ。」
志貴君の目に警戒の色が宿る。
「…何が目的だ。」
「そう怖い顔するな。別に取って食おうって訳じゃないんだ。ただ死徒連中の間で話題になっててな。姫君の助力ありとはいえ二十七祖の一角を倒し、無限転生者を完全に殺した人間がいるって。」
「…俺は何もしてませんよ。」
「それこそ謙遜と言うものだ。君の眼のことは知ってる。それで殺したんだろう?その眼であればロアであろうと存在ごと殺せるしな。」
「この眼のことを知ってるんですか?」
志貴君が驚いたようにこちらを見てくる。
「あぁ。と言っても千年以上前の話だけどね。直死の魔眼を持った者と会ったことがあるんだ。」
「千年…と言うことは貴方も…」
「そう、俺も吸血鬼だ。姫君から階悌について聞いてるか?」
俺の問いに頷く志貴君。
「なら話は早い。俺はそのⅤ階悌…夜魔に当たる。」
そうして、お互いに料理を殆ど食べ終えた所で、気になっていたあることを聞く。
「志貴君のその魔眼殺しの眼鏡は自作した物か?」
「いえ、これは先生…蒼崎青子さんから貰ったんです。」
「ぶっ…!?ゲホッ…!ゲホッ…!」
飛び出た名前に思わずコーヒーが喉につまり、むせる。
「だ、大丈夫ですかアズーロさん!?」
「だ、大丈夫大丈夫…。ちょっとむせただけだから…」
蒼崎青子ぉ…!?
(あんの、壊すことしか知らない行き遅れ宇宙戦艦め…!また面倒なことを…!) - 338二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 20:37:32
すげえアズーロさんとんでもなく博識だぞ
- 339アズーロ・ピース22/09/29(木) 21:13:44
そりゃあ、二千年も生きていれば様々な知識が身に付きます。魔術のことだったり、魔法のことだったり。最近はド◯え◯んやジ◯リなどの知識を身に付けました。
- 340二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 21:33:19
振り返ってレスさかのぼってたら教授より一千歳もとしうえなんだな
- 341アズーロ・ピース22/09/29(木) 22:32:00
今日はここまで。おやすみなさい。
明日は仕事が馬鹿みたいに忙しくなるので殆ど書き込めません。保守しておいてくれるとありがたいです。 - 342二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 23:11:24
乙でした
- 343アズーロ・ピース22/09/30(金) 06:32:14
おはようございます
- 344アズーロ・ピース22/09/30(金) 10:04:27
蒼崎青子。その名前を知らない魔術師はほとんどいないだろう。
曰く、ミス・ブルー。曰く、壊すことにかけては稀代の魔女。他にも様々な呼び名があるが、やはり一番知られているのは“最新の魔法使い“だろう。
彼女の祖父が掘り起こして“しまった“ものであり、魔法・青と呼ばれている。
そんな彼女が志貴君に魔眼殺しの眼鏡を与えた。
そういえば姉の方が作ったものを妹にパクられたと言っていたが、まさか眼鏡をパクったのだろうか?
ちなみに言っておくと、俺は彼女が嫌いなわけではない。ちょっと彼女の魔法が気にくわないだけだ。
第五はとっくに意義を失った魔法。それこそ、星に利益をもたらすものではない。第五は終わりを良しとする魔法だ。
ーーだか、それはダメだ。それでは彼女が終わることを否定した意味が無くなる。
終わることを否定した第一と終わることを良しとした第五。この二つは決して相容れず、いずれ潰しあうだろう。
(…第六法が行われれば変わるのかね?)
第六法、祖の連中がこぞって求めるナニカ。
そう遠くない未来に、何かが起きる予感がした。 - 345二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 15:41:57
保守
- 346二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 15:52:35
青子さん懐かしいな
月姫2にも出てきてくれないものか…… - 347アズーロ・ピース22/09/30(金) 18:39:05
ファミレスを離れ、遠野邸に戻る。
玄関前に行くとそこには琥珀さんが立っていた。
「あ、お帰りなさいお二人とも。」
「ただいま琥珀さん。」
「俺はそろそろ戻るがね。」
俺の言葉に二人は驚いたようにこちらを見る。
「えっ、帰るんですか?」
「あぁ。しばらく滞在する予定だったけど、やることが出来たんでな。」
「そうですか…でも、また来てくださいね!」
琥珀さんが笑顔でそう告げる。
「あぁ。またいずれ。」
二人に別れを告げ、来た道を戻る。
(…それにしても、琥珀さんのあの笑顔…まるで何かあったみたいに機械染みていたな。)
そして数年後、とある片田舎でアズーロと志貴は再会する。かつてのように穏やかな関係ではなく、殺し合う相手として。
ーーさぁ、アルズベリの儀式を始めよう。 - 348二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 18:46:09
マジ?
- 349二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 18:56:31
せつねえ
- 350アズーロ・ピース22/09/30(金) 19:37:10
なんか別スレでこのスレが紹介されてた。
紹介してくれた人ありがとうございます!ホントに感謝! - 351二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 19:44:57
どういう経緯で戦うことになったんだろ
- 352アズーロ・ピース22/09/30(金) 19:57:11
やぁ。皆大好き、花のお兄さんことマーリンだ!
え?スレ主はどうした?引っ込めロクデナシ?
ははは、皆辛辣だなぁ。
ま、そんなことはどうでも良くて。
とある可能性の話をしよう。
舞台は数年後のとある片田舎、アルズベリ。
そこで、死徒二十七祖、魔術協会、聖堂教会たちによる儀式とそれの利益を奪い合う戦いが始まる。
そして、その戦いには我らが主人公であるアズーロ・ピースも参戦していた。彼が介入したことにより、混沌を極めていくアルズベリの儀式。
そして儀式を終え、始まるONEの称号を賭けた黒と白の月姫姉妹による殺し合い。その二人に付き従う形で対峙する遠野志貴とアズーロ・ピース。
さて、その先に待つのはハッピーエンドかバッドエンドか…
…君たちはこの物語を見届ける勇気はあるかい? - 353二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 20:51:22
このレスは削除されています
- 354アズーロ・ピース22/09/30(金) 22:14:54
アルズベリの儀式編 主要キャラ紹介
・アズーロ・ピース
我らが主役。これまでの功績もあってⅧ階悌に格上げされる。ネロが殺人貴に討伐されたこともあって二十七祖に推薦されたが原理を保持していないことを理由に辞退している。ルヴァレ討伐に赴いた際にバルトメロイ、エンハウンス、志貴と遭遇している。現在、アルトルージュ派としてアルトと行動を共にしている傍ら、死徒でありながら死徒を狩るエンハウンスの動向を追っている。
・遠野志貴
原作主人公。アズーロとの出会いの後に死徒を狩り続けた結果、殺人貴、死神として死徒界隈で恐れられている。直死の魔眼を魔眼殺しの眼鏡があっても制御出来なくなった為、魔眼殺しの包帯をしている。
アルクェイドの吸血衝動を抑制するためアインナッシュ討伐に出向いた際、以前アインナッシュの実を手に入れていたアズーロに実を手渡される。それもあってアズーロとは出来れば戦いたくないと思っている。 - 355アズーロ・ピース22/09/30(金) 22:34:55
・アルトルージュ・ブリュンスタッド
なんか書いてたらメインヒロインになっちゃった子。天体を成すものであり、ONEを名乗る資格を持つ少女。アルズベリに赴き、第六法を成就させんと目論む。トラフィム派とは絶賛対立中で、好きあらば消し去ろうとしている。多分妹に会ったらはっちゃける。現在は形式上であるもののアズーロを護衛としている。
・アルクェイド・ブリュンスタッド
原作メインヒロイン。最後の真祖、白い月の姫。アルトルージュの妹で、同じくONEを名乗る資格を持つ。
かつて、とある人間の姦計に嵌まって血を吸ってしまい、それ以来強い吸血衝動に苛まれている。現在はもはや吸血衝動を抑えることが難しくなっており、アインナッシュの実などを使って吸血衝動を抑制している。かつてアルトルージュに髪を奪われている。 - 356二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 23:25:50
ちくしょうめちゃくちゃ興奮しちまってるぜ俺達
- 357アズーロ・ピース22/10/01(土) 07:06:56
・シエル
皆大好きカレー先輩。埋葬機関第七位・“弓“のシエル。聖堂教会の一員としてアルズベリの儀式を防ぐために二十七祖に先んじて潜入していた。
アズーロとは一度戦った事があり、完全武装モードで戦ったものの取り逃がしている。
アルズベリにカレー屋がないことに絶望していた。それでいいのか埋葬機関。
・エンハウンス
復讐騎。二十七祖十八位。
先代十八位を殺して、彼の所有していた魔剣アヴェンジャーと教会製の銃である聖葬砲典を武器に死徒狩りを続ける半人半死徒。それらを使う度に人として、死徒として次第に朽ちている。
アズーロにすら牙を剥いたが当時は死徒になりたてだった為、経験で劣るアズーロに敗北した経緯がある。その後、エンハウンスの状態を見抜いたアズーロに動向を追われている。 - 358アズーロ・ピース22/10/01(土) 09:11:11
※これはスレ主の多大なる妄想と断片的な情報を元に製作している月姫2(仮)の二次創作的なやつです。ご了承ください。
ー千年城ブリュンスタッドー
「あら、お帰りなさい。」
白い花が咲き乱れる中に、燦然とある巨大な城。
その城主であるアルトルージュ・ブリュンスタッドはやって来た人物に声を掛ける。
「ただいま、アルト。少し遅くなったか?」
「いいえ、そこまで待っていた訳ではないわ。」
アルトルージュの前に現れたのは漆黒の軍服に黒いコートを羽織り、刀を腰に下げた男性。
名をアズーロ・ピースと言う。
「ルヴァレは討伐したの?」
「いや、既に討伐されていたよ。親子含めてな。」
「あら、代行者が先に討伐したのかしら。」
「いや、別の奴だ。殺人貴、バルトメロイ、エンハウンスの三人に殺られてたよ。」
アズーロから飛び出した名前に思わず顔をしかめるアルト。
「殺人貴に、バルトメロイの小娘。それにエンハンスソードまで…」
「殺人貴に関しては薔薇の予言に従ったらしいがね。」
「薔薇……ロズィーアンね。」
「だろうな。」
気に入らないと言うようにアルトから怒りのオーラが溢れる。
「それと、トラフィムの奴らが何やら動き始めている。十中八九儀式を始める気だろう。」
「そう…動き出したのね。」 - 359二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 09:38:44
来たか…、
- 360アズーロ・ピース22/10/01(土) 09:46:23
「黒騎士、リィゾ=バール・シュトラウト、白騎士、フィナ=ヴラド・スヴェルテン。ただ今戻りました。」
会話する二人の前にアルトの従者である二人の騎士が現れる。
一人は“黒“と言う他ない男。名をリィゾ=バール・シュトラウト。時の呪いを持つ不死者であり、魔剣ニア・ダークを携えた騎士。
もう一人は反対に“白“を連想させる男。名をフィナ=ヴラド・スヴェルテン。固有結界パレードを有し、美少年からしか血を吸わない変わり者。幽霊船団のキャプテンたる騎士。
アルトルージュの護衛であり、アズーロとも親交がある二人が戻ってきた。
「お帰りなさいリィゾ、フィナ。何かあったかしら?」
「いえ、特には。しかしアズーロが言ったようにトラフィムらの動きが活発になっています。」
リィゾの言葉に少し考え込む仕草をするアルト。やがて顔を上げると、その口元には少女のような無垢な笑みが浮かんでいた。
「そうね。向こうが動くのならこちらも動きましょうか。運が良ければトラフィム達を殺せるチャンスだしね?」
さぁ、そうと決まれば準備よ。とアルトは城の奥に行ってしまった。
「やれやれ、仕方のないお人だ…。」
「う~ん、僕は良いと思うけどなぁ。アズーロはどう?」
「俺も良いとは思うがリィゾの苦悩も分かる。ま、なるようになるさ。」 - 361アズーロ・ピース22/10/01(土) 10:17:04
『なぁ、本当にいいのか?』
『無論だ。その実で姫君の吸血衝動を抑えられるのなら渡さない手はあるまい。』
『それはありがたいんだけど、俺はあんたの同族を殺しているんだぞ?』
『それこそ今更だ。俺が口を出すことはしない。同族が殺されるなど代行者が常日頃行っていることだ。』
『そうか…それなら有り難く貰っておくよ。』
『そうしておけ。どうせ次に会うときは敵同士なのだから。』
「……寝ていたか。」
少し懐かしい物を見た。あの実でアルクェイドの吸血衝動が収まったのかは知らんが多少は楽になっているだろう。
(殺人貴、お前も恐らくアルズベリに来るのだろう。その時にこそ決着をつけよう。)
いずれ姿を見せるであろう殺人貴に向けて、戦意を昂らせた。 - 362二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 10:24:27
どっち応援すればいいんだ……
- 363二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 11:17:14
このレスは削除されています
- 364アズーロ・ピース22/10/01(土) 14:22:53
そこは、まさに地獄だった。魔術師も、代行者も、吸血鬼も誰もが等しく血を流し、倒れ伏していた。
そんな中で、アズーロは未だ迫り来る代行者や魔術師、トラフィム派の吸血鬼を斬り払いながらある場所を目指していた。
(……トラフィムの居場所が感知出来ない…!魔術による感知を妨害しているのか、それともただ感知外にいるだけか。)
どちらにせよ、これは面倒なことになりそうだと内心愚痴を溢す。
「アズーロ様!」
そんなとき、味方の吸血鬼が焦ったように声を掛けてくる。
「どうした?」
「埋葬機関、及びバルトメロイとの交戦でフィナ様が討ち取られました!」
「はっ……!?」
それは盟友フィナの戦死だった。
「ッ、フィナを射ったのは誰だ!?」
「埋葬機関第一位ナルバレックと第二位ノイ、そしてバルトメロイの三名によるものです!」
「ッ!あいつらこういうときにだけ手を取り合いやがって!!」
思わず怒号を上げる。だがそれも仕方のないことだ。普段は不干渉、会えば殺し合うような連中がこんなときに限って手を取り合うなど怒るなと言う方が無理な話だ。
「加え、現在シエルとメレムを除いた埋葬機関、及びトラフィム派の主力吸血鬼がプライミッツと交戦中!」
本当に、事態は悪い方に転んでいるらしい。
「アルトとリィゾはどうした!?」
「お二人とも、現在“弓“のシエル、バルトメロイと交戦中!」
「ッ、急いで戻る!お前たちは先に行け!」
「はっ!」
アズーロの言葉に従い、仲間の吸血鬼達が下がっていく。アズーロも続こうとしたところで…
「アズゥゥゥゥゥロォォォォ!!!」
憤怒と憎しみの声と共に、魔剣がアズーロに向けて振り下ろされる。
魔剣と刀がぶつかり、激しい衝撃波と火花が起こる。
「ちっ…!邪魔をするな、エンハウンスッッ!!」 - 365二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 16:18:56
やべえ奴等ばっかだ
- 366アズーロ・ピース22/10/01(土) 18:37:52
黒と銀の閃光がぶつかり、火花を散らす。一瞬鍔迫り合いとなるも、アズーロが体勢を崩してエンハウンスを蹴り飛ばす。
しかし、空中で体勢を立て直したエンハウンスも聖葬砲典の銃弾を放ち、アズーロを後退させる。
「アッ、ア…アズゥゥゥゥゥロォォォォァァ!!」
「ちっ!本格的に人としての理性を失くしたか戯け!」
禍々しい雄叫びを上げながら迫り来るエンハウンスの斬撃を受け止めながら、アズーロは悪態をつく。
「死徒を憎んでいたお前がそれ以下の畜生に成り下がるとはなっ!」
聖葬砲典を握っていた腕を斬り飛ばし、魔剣を叩き落とすと首を締め上げ、
「stop…」
動きを封じる。
「“天に座する神々よ、我が声を聴け。地に君臨する人々よ、耳を傾けよ。“」
「“これは断罪である、これは罪ある者を天へと還す行いである。“」
一つ一つ、詠唱が紡がれていく。
「“我が目を欺くこと能わず。我が行いを阻むこと能わず。“」
「“我は汝の罪を裁く者。死の代弁者なり。“」
(誰よりも人らしくあった同胞よ。どうか安らかに逝くといい。)
そうして、最後の一句を唄おうとしたところでーー
「なっ!?がぁぁぁぁぁぁ!?」
「ガァァァァァァ!?」
途轍もない衝撃が二人を襲った。二人の体は紙屑のように軽々と吹き飛ばされる。
「ぐっ…一体、何が…!?」
「貴様…!貴様は…!!」
その姿を見たアズーロの目に驚きが浮かび、エンハウンスの顔がさらに恐ろしい憤怒と憎しみに染まる。
「ふむ、いささか出力調整を見誤ったか?まぁ許せ。」
それは“白“だった。
白い翼を携えた異形。だが、“ソレ“から放たれる覇気は圧倒的なものだった。
名をトラフィム・オーテンロッゼ。
“美しき白い翼の君“と称される死徒のトップ。その片割れである。
「さぁ、足掻くがいい。貴様らはどれだけ耐えられるのやら。」 - 367二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:50:06
がんばれ
- 368アズーロ・ピース22/10/01(土) 21:12:19
神速で刀を振るう。が、軌道を読まれ避けられる。すぐさま体を反転。二撃目を放とうとしたのだが、トラフィムの打ち出した拳が顔面を捉え数百mは吹っ飛ばされる。
「がっ……!」
「遅いな。止まって見えたぞ。」
「アァァアアァァァアア!!!」
獣のような咆哮を上げ、エンハウンスがトラフィム目掛けて魔剣を振るう。
「キサマのそれはヤツのものより動きが単調だ。軌道が分かりやすすぎる。」
爪の斬撃がエンハウンスを捉え、体を大きく裂いた。バラバラになることはなかったものの大きくダメージを受けた様子だった。
(なる、ほど…これが、死徒の王…!絶対的な支配者、白翼公か…!)
特異な能力も何も持たない。ただただ死徒として単純に“強い“。ただの拳が、爪の斬撃が、今まで受けたどんな攻撃より重く鋭い。
これが、支配者たる所以なのだと強く思い知らされた。
一方、アルト達はと言うと…
「ふっ…!」
「ハァッ!」
爪と黒鍵がぶつかる。火花を散らし、刹那の間拮抗する。
しかし、黒鍵はアルトルージュの爪により破壊される。
「さすが、あのアルクェイドの姉なだけありますね。この程度ではダメージを与えられませんか。」
「あら、まさか私があの子に劣るとでも?フフフ、随分と下に見られていたのねぇ、私は。」
シエルの言葉に愉快そうに笑みを溢すアルトルージュだったが、突如としてその体から膨大な魔力が溢れ出し、周囲に暴力となって襲いかかった。
「本気で来なさい、代行者。死徒二十七祖第九位として、貴女に王たる所以を見せて上げましょう。」
「それは光栄です。私も、この程度で終わるようでは拍子抜けでしたから。」 - 369二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 23:27:45
シエル、ソロモン、ナルバレック……埋葬機関のオールスターか
アズーロさん大丈夫だよな - 370二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 02:05:05
月姫2を未だに待ってる身としてはこういう作品は嬉しいな
- 371アズーロ・ピース22/10/02(日) 07:36:39
嬉しい事を言ってくれるなぁ!色々反対意見も出るかなと覚悟してたけど…
- 372アズーロ・ピース22/10/02(日) 09:41:38
「焼死…!!」
「ふふ、甘いわね。」
アサルトライフルによる銃弾の雨をまるでダンスでも踊るかのような動きでかわしていく。
「これなれどうです…!出血死!」
ライフルが蛇腹剣に変化し、アルトルージュに牙を剥く。
「へぇ…!」
剣を受け流そうとしたアルトルージュだったが、あまりの威力の高さに少し吹き飛ばされる。
「対死徒剣術…ベ・ゼのものね?」
「えぇ。私は彼の最後の門弟でしたので。」
「なるほど……いい、いいわよ貴女!!アルクェイドを一度追い詰めただけはあるわね!それなら私も」
ーー本気を出しましょうか。
(ッ!来る…!)
アルトルージュの深紅の瞳が黄金に染まる。
「さぁ、天を見上げ、目に焼き付けなさい。最も遠く、美しき幻想…星を覆う天蓋を。」
世界が、花園と天蓋に塗り変わった。
「ふっ…!」
「オォッ!」
「戯れるな。」
聖剣にも等しい刀と復讐の名を冠する魔剣が振るわれる。が、トラフィムは爪の一振りでそれらを弾き、逆に二人に一撃を叩き込んだ。
「があっ…!!」
「ぐおっ!」
トラフィムと戦い始めてから既に一時間。未だまともなダメージは与えられず、逆に二人が大きな傷を負っていた。
「まだ、やれるな…エンハウンス…!」
「無論、だ…!」
お互い、それぞれの得物を杖代わりに立ち上がる。あれからエンハウンスは理性を取り戻し、冷静に戦うことが出来るようになっていた。
「いい加減飽いたな。祖ですら無い者と祖の中でも未熟な者…戯れに遊んだが存外つまらぬな。」
「ご期待に応えられず悪いな…!だが、お前はここで終わらせる…!!」
トラフィムが心底つまらなそうに二人を見る。しかし、アズーロが軽口を叩きながら刀を構える。
「もう少し、遊んでもらうぞ…!」 - 373二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 10:25:58
隙がないな先輩
- 374二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 10:53:04
黒鍵って代行者の標準装備かと思ってたら全然違って驚いた
- 375アズーロ・ピース22/10/02(日) 12:54:20
- 376二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 13:23:14
じゃあイベントでハロウィン系に同行してほしい
- 377二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 13:27:03
空の境界イベで
- 378二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 13:31:08
見たいッスね
作風や展開はお任せします - 379二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 13:34:33
- 380アズーロ・ピース22/10/02(日) 13:37:57
- 381アズーロ・ピース22/10/02(日) 13:39:20
異聞帯系でOK?それともイベントのやつも入れる?
- 382二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 13:41:31
イベントでもありです
- 383アズーロ・ピース22/10/02(日) 13:54:15
了解。まぁ、まだ先の話だろうし某青狸のような暖かい目で見守っててくれ。
- 384アズーロ・ピース22/10/02(日) 18:29:05
「死神が来たぞぉ!!」
誰かが、そう叫んだ。刹那、辺りにいた吸血鬼が十の肉となる。
黒い影が疾走する。
殺人貴、死神/DEATH、遠野志貴がアルズベリに現れた。
「…なるほど、アイツが来たか。」
トラフィムと殺しあっていたアズーロも、志貴の出現を察知する。
(…なら、上手く利用させてもらうか。)
「エンハウンス、トラフィムを誘導する。手伝ってくれ。」
「…何だと?何をする気だ。」
アズーロの提案に首を傾げるエンハウンス。
「殺人貴が来た。彼の持つ直死の魔眼ならトラフィムを殺せる。」
「……いいだろう。」
渋々ながらもアズーロの提案に頷いたエンハウンスはトラフィムを誘導すべく、挑みかかっていった。
「なるほど、遠野志貴が来ましたか。では私は退かせてもらいましょう。さようなら黒騎士シュトラウト。貴方より優先することが出来ました。」
「ッ、待てッ!」
バルトメロイはそう呟くと、風の魔術を使い、戦線を離脱した。
「ちっ…!フィナの仇を取れず逃がすとは…!いや、今はそれより姫様の方だ…!」
ーー少しずつ、しかし着実にアルズベリの戦いは終わりを迎えようとしていた。 - 385二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 19:00:52
乙です
久々に殺人貴って慣用句というか渾名を見たな
俺ももうトシか…… - 386アズーロ・ピース22/10/02(日) 19:06:16
ありがとうございます。自分は型月を知ってそこまで長いわけではなく月姫もあまり詳しくはないのですが楽しんで頂ければ…!(ぶっちゃけwikiの情報頼りに書いてる…)
- 387二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:11:44
月姫2はきのこが忘れてそうでつらい
- 388二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 23:22:57
保守ー
- 389二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 01:29:21
俺もリメイク版月姫未プレイだからダイジョブダッテ!
- 390アズーロ・ピース22/10/03(月) 07:12:30
「さて、トラフィムはどこにいるんだか…」
地を風のように疾走しながら遠野志貴はトラフィムを探していた。襲い来る吸血鬼を殺し、魔術師の魔術を殺す。直死の魔眼をフル活用しながら突き進んでいた。
「…ん?」
そうしてしばらく進んでいた時、前方に人影が見えた。
(あれは…)
志貴はその姿に見覚えがあった。ルヴァレ討伐の時に見た顔だったからだ。
「久しぶり、とでも言うのでしょうね。遠野志貴。」
「まさかアンタまで此処にいるなんて…いや、考えれば当然か。バルトメロイ。」
魔導元帥、バルトメロイ・ローレライがそこにいた。
「出来るなら、そこを退いてくれないか?今アンタと争ってる暇は無いんだ。勝負なら後に」
瞬間、反射的に体を右にずらす。
先程まで志貴が立っていた場所に、風を纏った鞭が振るわれた。
「…危ないな。争う気はないって言った筈だけど?」
「貴殿にはなくても私にはあります。ルヴァレ討伐の際に決めたのです。次に会うときは素晴らしい苦痛を与えると。」
表面上は穏やかなバルトメロイだが、その体からは凄まじい怒気が発せられていた。
「…仕方ないか。」
志貴は休息のために巻いていた包帯を外す。そして、“死“が具現化する。
「さぁ、最も素晴らしい苦痛を与えて上げましょう!!」
「…その魂、極彩と散れ…ッ!」 - 391二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 11:23:32
きたきた
- 392二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 15:55:17
お
- 393二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 16:13:45
ついに魔導元帥に辿り着いたか…
余談だけどfate/stay night時代に二つ名の宝石翁を宝石爺と間違えてた奴おったな - 394アズーロ・ピース22/10/03(月) 17:42:09
(…突然現れたこの気配…アルクェイド様か!)
リィゾはアルトルージュの元へ急ぎながら、アルトルージュの近くに現れたアルクェイドの気配を察知する。
(急がなければ…!)
リィゾはさらにスピードを上げる。しかし、前方に感じた気配に思わず足を止める。
(…あれは)
金髪に血濡れの黒衣の服。名をナルバレック。埋葬機関第一位であり、ほとんどの埋葬機関空嫌われている女性。
「ナルバレック…ッ!」
「ん?おやおや、リィゾじゃない。どうしたのかしら?そんなに急いで。」
ナルバレックは軽口を叩きながらも随分衰弱しているようだった。
「貴様…プライミッツの相手をしていたはずだろう。」
「ガイアの魔犬?あれなら戦闘不能にしたわよ。数百年はまともに活動出来ないんじゃない?」
「なっ…!?」
ナルバレックがもたらした情報はリィゾを驚かせるには十分だった。
「…と言っても、こちらも手痛い損害を喰らったけどね。私とキアラを除いて魔犬に挑んだ埋葬機関は全滅。あ、でもトラフィム派の吸血鬼とクロンの大隊も殆ど壊滅状態だし丁度いい感じね。」
「…ならば、お前を今ここで殺せば埋葬機関は殆ど機能しなくなる訳だ。」
そう言うと、リィゾはナルバレックに魔剣を突き刺しーー
「まぁ、みすみす殺られる訳じゃ無いけどねー。」
「なっ…!ちっ!」
投擲された黒鍵により、攻撃を阻害された。
「大丈夫ですか、ナルバレック」
「お、ありがとねシエルちゃん。」
やって来たのは先程までアルトルージュと殺し合っていた筈のシエルだった。
「シエルだと!?何故此処にいる!?」
「アルトルージュと戦っていた所にアルクェイドが乱入してきて二人の戦いになったので隙を見て離脱したまでです。」
たしかに、よく見ればシエルは至るところに傷を負っており血だらけだった。
「…面倒なことに…!」
そう言いつつも、リィゾは魔剣を構えた。此処が己の死地かもしれないと覚悟しながら。 - 395二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 17:53:08
ワクワク島
- 396アズーロ・ピース22/10/03(月) 18:20:08
アズーロ関連人物
・ユミナ
魔術の師であり、掛け替えのない友人。両親の死後、彼女に引き取られ様々な魔術を教わった。恋慕に近い感情を抱いていたが、叶わないことだと諦めた。彼女の死に際の言葉が今のアズーロを形作った原因。
・キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ
魔術の師その2。家が時間に関する魔術を扱う家だったため、その点について教わった。祖父と孫のような関係でもあり、友人のような関係でもある。アズーロの性格を魔術師には向いていないと評しつつも、その人柄を高く評価していた。
・メサラ・エスカルドス
魔術を語り合った友人。アズーロはメサラの夢を賛同しなかったものの理解し、いつか出来るといいなと思っていた。
・朱い月のブリュンスタッド
両親を殺した張本人。朱い月からはアズーロの才能を今までの魔術師とは違うと感じており、次にあったら眷族にしてやろうとは思われていた。朱い月とゼルレッチの戦争にてアズーロはゼルレッチ陣営として朱い月と敵対した。 - 397二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 18:22:51
下手なサーヴァントや祖より強いなアズーロさん
- 398二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 18:31:36
ぱねぇな
プライミッツってあのプライミッツだよね? - 399アズーロ・ピース22/10/03(月) 18:39:26
関連人物その2
・アルトルージュ・ブリュンスタッド
アズーロにとっての“星“。彼女の誕生に立ち会っており、誕生を心の底から言祝いだ。アルトルージュからはかなり早い段階で恋心を抱いたもののアズーロが恋心を抱くのは二百年前辺りである。クソボケがよぉ…
・ヴァン・フェム
お金の貸し借りをするくらいには気の知った仲。金欠になったらヴァンの経営するカジノに足を運んでいた。もしかして∶ダメ人間
死徒界隈で数少ない友人。
リタ・ロズィーアン
性格が嫌い。だが向こうからは好意的に思われている。世知辛い世の中だぁ…。レール・ツェッペリンに招待されたことがある。
・トラフィム・オーテンロッゼ
アルトの敵対者。はよくたばれ。真祖狩りを妨害したことで少なからず恨まれている。ざまぁw - 400アズーロ・ピース22/10/03(月) 18:43:21
そうだよ、あのプライミッツ。プライミッツ・マーダーだね
- 401アズーロ・ピース22/10/03(月) 21:24:23
関連人物その3
・フランチェスカ・プレラーティ
昔、『ギャフンと言わせた』相手。マインスターに手を出したと聞いてガチギレ。当時の肉体をバラバラにした。
・蒼崎姉妹
どちらとも知り合い。姉の方はたまに金をせびってくるくらいだが、妹の方は何かと問題を起こすので悩みの種。いい奴なんだけどね…そんなんだから行き遅れなんだよ。あと、姉妹喧嘩は程ほどにしてほしい。
・ORT
天敵中の天敵。二度と会いたくない()
いずれヤバい害をもたらすとして討伐しに行ったが水晶の彫刻にされかけたので全力で逃げた。
それ以来、蜘蛛を見ると拒絶反応を起こすようになった。頼むからずっと寝ててくれ。 - 402アズーロ・ピース22/10/03(月) 23:01:28
おやすみ!なさい!
- 403二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 01:31:03
おやすみ
- 404二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 07:32:27
プレラーティとも因縁あったんか
- 405二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 10:09:19
もしかしてスノーフィールド編とかある?
- 406アズーロ・ピース22/10/04(火) 12:50:10
短刀と風を纏った鞭がぶつかる。短刀は鞭に纏われた風を“殺し“、そのまま鞭もろとも切り裂かんとするが鞭が振るわれ、弾かれる。
志貴とバルトメロイが戦って既に三十分。未だお互いに決定打を与えられずにいた。
「粘りますね、遠野志貴。」
「そりゃあ、殺されるわけにはいかないからね。」
そうして、もう一度ぶつかり合おうとした時ーー
「ぐあぁぁぁっ…!」
「がぁぁぁっ…!」
凄まじい爆発と共に、アズーロとエンハウンスが吹き飛ばされてきた。
「なっ…!?アズーロさん!?」
「ぐっ…、志貴君に、バルトメロイか…」
辺りを見回しながら、アズーロは二人の元に着いたのだと思考する。
「ほう…面白い事になっているな?」
そこに、二人を吹き飛ばした張本人であるトラフィムがやって来た。
「っ!トラフィム・オーテンロッゼ…!!」
「ん?おぉ、貴様か。久しぶりではないかローレライ。」
トラフィムに凄まじい憎悪をぶつけるバルトメロイだったが、これを受けてもトラフィムは動じず、面白げに笑みを浮かべていた。
「黙れ…!私はバルトメロイ!!その名で呼ぶな!!」
「フン…“バルトメロイこそが己が名前“。実に下らん風習だ。」
「何だと…!」
「我を忘れるな。落ち着けバルトメロイ。」
アズーロが怒りに震えるバルトメロイの肩に手を置き、冷静になるよう諭す。
「志貴君、バルトメロイ。聞いてくれ。奴を倒すために協力してほしい。」
「俺はいいけど…」
「私はごめんです。何故貴方のような者の命令を聞かねばならないのですか。」
「命令じゃない。協力だよ。確かに君は強いのかもしれないけどその消耗した状態でトラフィムに勝てるか?」
アズーロの言葉にバルトメロイは思わず黙りこむ。
「…ハァ。いいでしょう。貴方の提案を呑みます。」
「それはありがたい。」
そう言って、四人は横に並ぶ。
「…ここで決着をつけるぞ。」 - 407二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 13:16:14
一時休戦か
- 408アズーロ・ピース22/10/04(火) 17:44:02
先手必勝とばかりにエンハウンスが聖葬砲典による銃弾を放ち、アズーロがそれに並走する。
「戯け。」
しかし、トラフィムはそれを一掃しようと爪を振り上げーー
「直死。」
直死の魔眼により、その腕を“殺される“。
「なっ…!?」
「慢心による油断…意識が二人に向いていてくれたお陰で楽に殺せたよ。」
「ッ!貴様ァ!!」
志貴は即座に離脱し、トラフィムと距離を取る。
「“風よ、刃となれ。“」
そこに、バルトメロイの魔術による風の斬撃がトラフィムを襲う。
「舐めるなぁッ!」
しかし、トラフィムは腐っても祖の中でもトップに君臨する者。この程度では傷を付けることなど出来はしない。
「メレムが言っていた頭が悪いというのは本当らしいなっ!」
アズーロが刀に焔を纏わせ、トラフィムを切り裂く。
「それでも最古参か?ヴァレリーやリィゾの奴ならこの程度は読みきって見せたぞ?」
「先程まで蹂躙されていたくせに何を…!!」
「確かにな。だが、四人に増えた途端に圧されるお前も人の事は言えないだろ?」
意識が一点に集中するしな?と、アズーロは薄く笑う。
何を、と思考した瞬間トラフィムの頭に衝撃が叩き込まれた。
「がっ…!?」
「まったく、先程までの苦戦が嘘のようだな。」
それは、エンハウンスの聖葬砲典によるものだった。
聖葬砲典は、いわば「対死徒用近代兵器」。死徒としての格が高ければ高いほど、威力が増すようにシエルによってチューンされていた。
「“風よ。縛り上げよ“」
バルトメロイの風による拘束がトラフィムの動きを封じる。
もはや、トラフィムの敗北は目前だった。 - 409二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 20:36:27
来てたのか!
きのこもこれくらいの頻度で書いてくれるといいのに - 410アズーロ・ピース22/10/04(火) 21:00:25
- 411二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 21:45:55
まほよもあったな
あとDDDとリメ版のさつきルートもあるしなんかどんどん記憶が…… - 412アズーロ・ピース22/10/04(火) 22:56:01
今日はここまで。おやすみ。
- 413二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 23:47:23
あ、乙です
- 414アズーロ・ピース22/10/05(水) 07:13:13
「舐める、なぁッ!!」
トラフィムが無理矢理風による拘束を破る。
だがーー
「“風よ。嵐となれ“」
魔導元帥がこの程度で怯むなどあり得ない。風が災害となってトラフィムを襲う。
「聖葬砲典、連射式変換。」
さらに、ガトリングとなった聖葬砲典による銃撃の雨が突き刺さる。
「がっ、アァぁぁぁ!!」
対死徒用に編まれたソレの威力はトラフィムが苦痛に叫ぶには十分な威力だった。
「絶剣、解放ーー」
死徒の処刑人である男の絶技が放たれる。
「無窮の空、星の終わり。さぁ、星の彼方を仰ぎ見よ!」
星のように淡く輝く刀がその力を振るう。
「事象断絶・無窮一刀ぉッ!!」
「がァぁぁぁッッ!!?」
絶技が、美しき白を貫く。
そしてーー。
「教えてやる、トラフィム。これがーー」
死神が“死“をもたらすべく、その刃を振り上げる。
「は、ハハハハハハ!!そうか、オレを殺すか!ならばそうするがいい!もはや貴様らは後戻り出来ぬのだからな!」
「これが、モノを殺すということだ。」
突き立てられた短刀は、トラフィムの“核“を確かに殺した。 - 415アズーロ・ピース22/10/05(水) 10:02:42
「……終わっ、た…か。」
息も絶え絶えと言った様子でアズーロが呟く。トラフィムが存在していた場所には既に何もなかった。
「…で、三人はどうする?」
ある程度息を整えたアズーロが三人に聞く。
「やめておきましょう。こちらはもはや戦う力を残していません。目標は討伐されたので引き上げましょう。」
毅然と告げるバルトメロイだったが、疲労が隠しきれていなかった。風が吹き、バルトメロイが姿を消す。
「残っていたクロンの大隊も消えたか。」
「…では、俺も引き上げよう。俺も戦う力を残していないのでな。殺人貴、アズーロ。お前たちとはいずれ決着をつけよう。」
そう言い残して、エンハウンスは去っていった。
「で、志貴君はアルクェイドの所に?」
「はい。俺はアイツの護衛ですから。」
「…そうか。俺もアルトの元に向かわねばな。」
互いに頷くと一斉に走り出す。
しばらくして、見覚えのある人影達が目に入る。
「シエル先輩!?」
「リィゾッ!!」
見えたのは血濡れのシエルとリィゾだった。
「無事かリィゾ!」
「っ…アズーロ、か。なんとか、な…。」
半死半生だが、なんとか生きているようだ。
向こうでは、志貴君がシエルを助け起こしている所だった。
「トラフィムは討伐された。一旦退こう。」
リィゾに肩を貸しながら、アズーロが言う。
すると、途轍もない音と共に二つの人影が転がり込んできた。
「この…っ!いい加減にしなさいバカ妹!」
「バカって何よ!アンタに言われたくないわねこの年増!!」
「言ってはならない事を口にしたわねポンコツ!」
「……はぁ~。」
取っ組み合いながら罵りあい転がる姉妹を見て思わず顔をため息を吐いたことは悪くないと思う。 - 416二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 12:00:53
やったか
- 417アズーロ・ピース22/10/05(水) 17:27:09
取っ組みあっていた二人を俺と志貴君で引き剥がす。
…しかし、なんだこう…空想具現化とか使ったガチの殺し合いしてるかと思ったら、なんか子供の喧嘩みたいなことしてた…
アルトとアルクェイドはお互い肩で息をしながら相手を睨み付けていた。……なんか猫耳が見えたな。
「アルクェイド、止せって…!一旦帰るぞ!」
「お前もだぞアルト。アルクェイドとはまた今度にしとけって…!」
俺達の静止の声に少しばかり冷静になったのか体勢を立て直す二人。
「…仕方無いわね。アルク、一年後に千年城に来なさい。そこで決着をつけましょう。」
「上等よ!そっちこそ負けて泣きべそ掻かないようにすることね!」
そんなことを言って、アルクェイドは志貴君を伴って去っていった。
…いつの間にかシエルも姿を消してるな。
「あー、リィゾ。アルトを連れて先に戻っててくれ。」
「む、お前はどうする?」
「少しやることやったら戻るさ。」
「…分かった。さぁ姫様…」
「あー、頬が痛い…アルクの奴本気で引っ掻いたわね…」
そして、二人も姿を消す。
「…さて、いい加減出てこいよ。居るのは分かってるぞ青子。」
「あちゃー、やっぱりバレてたか。」
そんな声が聞こえると共に、一人の女性が姿を見せる。
黒く長い髪に透き通るような青い目。白シャツにジーンズという女性らしさがまるで無いような服装の彼女こそ、第五の魔法使い“蒼崎青子“その人である。
「もしかして、結構前から気づいてた?」
「気付いたのはついさっきだが、辺りにいるんだろうなぁって感じはしてた。」
「うっわ、マジかぁー…。上手く気配消せてたと思ったんだけど…」
「橙子が聞けば鼻で笑いそうな気配の消し方だったぞ。」
「追い討ちかけないでくれる??」
悪い悪いと、笑みを浮かべながら言う。頭を抱える青子が面白くて。とは言えないな。 - 418二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 18:16:03
乙です……猫耳ってなんやねん!?と思ってたらメルブラにも出てたアレの事か
月姫プレイしたの10年くらい前だしメルブラエアプだから気づくのが遅れたな - 419アズーロ・ピース22/10/05(水) 21:22:36
「それで、何でお前が来てるんだ?」
「あー…ゼルレッチの爺さんに頼まれたのよ。アルズベリでヤバいことが起きそうだから様子を見てきてくれってね。」
「なるほど、キシュアの翁が…。」
青子の説明に納得する。…まぁ、一歩間違えれば世界からエーテルが消える危機だったのだ。翁も腰を上げるだろうと予測していた。
「そ。で、私が出向いたって訳なんだけど…着いた頃にはもう終わってたのよねー。だからこの辺りで何か起きないか監視してたの。」
骨折り損だったけどねー、と朗らかに笑う。
「そうか。…まぁ、偉大なる魔法使い様のお手を煩わせずに済んだし万々歳だな。」
そう言って、青子に背を向ける。
「あ、もう帰るの?」
「あぁ、いつまでも待たせてると後が怖いしな。」
青子の言葉にヒラヒラと手を振りながら答える。
「あ、そうそう。一つ聞きたいことがあるんだが…」
「?何よ?」
「いや、お前が言ってたっていうキープの男って一体誰「ガント!!」退避ッ!」
ノーモーションで飛んできたガントをかわす。…いや、ちょっとかすったなこれ!?
「ちょっ!?待て待て待て!?!?いきなりガント撃つ奴があるか!!」
「ここにいるわよ!!」
「屁理屈もいいとこだなコノヤロー!!」
そして、壊し屋によるガント避け大会が幕を開けたのだった…。
『…儀式の崩壊を確認。全工程を破棄します。…特異個体を確認。対象を依代とした儀式の続行を開始。…特異個体との同調率、80%を維持。おめでとうございます。儀式は完遂されました。以上をもちまして、the・dark・six全プログラムを終了します。』
アルズベリの儀式編・完 - 420二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 22:11:05
おつした
- 421二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 01:14:38
無事に勝ってくれてようやく一息つけた
- 422アズーロ・ピース22/10/06(木) 06:57:43
ところで、fgo編だけど皆アズーロの活躍はどの章、もしくはイベントでみたい?オリジナルでもいいならそれを書くけど。
- 423二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 07:11:51
ぐだぐだ明治維新
で一つみたいです - 424二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 08:46:40
妖精国あたりで
- 425アズーロ・ピース22/10/06(木) 12:46:25
ちょこっとプロフィール
真名∶アズーロ・ピース/■■■・■■■■・■■■
出典∶月姫…?
地域∶イギリス
身長/体重∶178cm・72kg
属性∶中立・善(霊基第三のみ混沌・善)
クラス∶ルーラー - 426二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 12:51:24
ルーラーなのか
- 427アズーロ・ピース22/10/06(木) 19:00:27
- 428二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 19:08:10
アガルタ
- 429二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 19:41:39
ロンドン
- 430二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 19:45:28
- 431アズーロ・ピース22/10/06(木) 20:10:24
- 432アズーロ・ピース22/10/06(木) 20:12:27
ロンドンに決定!
なんか久しぶりに安価カテらしいことした気がする… - 433二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 23:30:18
ジャックちゃん出るとええな
- 434アズーロ・ピース22/10/07(金) 07:04:29
「…なぁんで、俺は呼ばれたんですかねぇ?」
濃い霧が立ち込める街に、一人の男が現れる。
「俺、死徒。人理の否定者だぜ?そんな奴を英霊として落とし込むとか抑止力必死か?」
そう、男は死徒。人の姿ではあるがその実は人外である。
「…はぁ。ま、呼ばれたからには動かんとな。」
そう言うと男は刀を抜き放ち、背後に迫っていたオートマタを切り裂く。
「手荒い歓迎だなぁおい。こういうのは和やかに進めるもんだろうが。」
目前に迫る十体のオートマタを見据え、男は呟く。
「仕方ない。サーヴァント・ルーラー。死徒二十七祖“第一位“アズーロ・ピース。貴様らを消滅させる。」 - 435二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 10:33:47
なんでルーラーの適性を得たんだろうか
- 436アズーロ・ピース22/10/07(金) 12:30:18
アズーロはこれまで世界の害となる行動を起こした吸血鬼を裁定(処刑)してきましたが、これだけではルーラーとなるには不足していました。
しかし、とある一件で彼の中に入り込んだ“あるモノ“の特性により、ルーラー足り得る器となりました。
ちなみに、他に適正があるクラスはセイバー、アヴェンジャー、キャスター、バーサーカーです。
- 437二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 20:09:25
なるほど
- 438アズーロ・ピース22/10/07(金) 22:54:32
ごめん…ロンドンはどのように動かすか考えてるからもう少し待ってて…。本当にすまない…
- 439二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 01:32:04
ええんやで
一番強いのはやっぱセイバーなのかなぁ - 440二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 08:35:21
待つ
- 441二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 13:44:35
ロンドンか
- 442アズーロ・ピース22/10/08(土) 16:14:50
粗方オートマタを片付けた俺は、霧に包まれた街を探索していた。
「…しかし、人理焼却か。関わることはないと思ってたんだがな…。」
まさか抑止力が俺までもを英霊として遣わせるとは予想外だった。
それほどこの事件の黒幕がヤバい存在ということか…
「…で、アレが人類最後のマスターか。」
目線の先には、白い魔術礼装に身を包んだ少年と、巨大な盾?を持った少女がいた。
(あの盾…どこかで…)
そんなことを思い浮かべていると、凄いスピードで何かが此方に向かっているのが見えた。
「ッ!?あのマスターのサーヴァントか!?」
いや、あの格好はーー!
「貰ったァッ!」
「少しは相手を見たらどうだ!」
振り下ろされた大剣を刀で弾く。ったく、コイツまでこの特異点にいるとは…!
「…あ?テメェは…」
「モードレッド!何してるの!」
俺に攻撃してきたサーヴァントの所に先ほどの少年と少女が駆け寄る。
「す、すいません!大丈夫でしたか?」
「あぁ、俺は大丈夫。特に問題はない。」
少年の言葉に首を振る。…この子が人類最後のマスターか。なんとまぁ…
(こんな子供に人類の未来を背負わせるとはな。)
たとえ、成り行きでそうなったとしてもそれは人一人に背負わせる物では無いだろう…!
「…おい、何でテメェがいんだアズーロ。」
と、先程俺に攻撃してきた騎士が話し掛けてくる。
「さてな。俺にも分からん。だが確認もしないで斬りかかってくるのは如何なものかと思うぞ。モルガンが聞けばなんと言うのやら。なぁ、モードレッド。叛逆の騎士よ。」
俺の言葉に騎士……モードレッドは不愉快そうに顔を歪めた。 - 443二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 19:40:46
モーさんと知り合いだったのか
- 444二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 22:00:54
なるほど
- 445二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 00:42:06
アズーロさん2000歳と言うことはやはり生前からの知り合いか?
- 446二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 06:42:27
なら他の騎士も?
- 447二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 07:37:59
このレスは削除されています
- 448アズーロ・ピース22/10/09(日) 07:40:29
ちなみに他のクラスで召喚された場合の強さとしてはバーサーカーとアヴェンジャー、キャスターがサーヴァント全体で中の上、セイバーが上の下レベルですが、ルーラーにおいてはその特異性からトップサーヴァントともある程度は戦えます。
まあ、元は人理の否定者である死徒が人理の肯定者たるサーヴァントになったことで、力は落ちていますが。 - 449アズーロ・ピース22/10/09(日) 11:40:22
絆礼装∶『頑張れ、私達のヒーロー』(老若男女様々な人たちが白い空間で笑顔で手を振っているイラスト)
それは、夢を見ないはずの己が見た美しい幻想/ユメ。
共に魔術を語らった人がいた。自分に憧れてくれた子供がいた。気に掛けてくれた老人がいた。自分を残して逝くことを悔いてくれた友人がいた。鍛え、護ってくれた師がいた。育み、愛してくれた両親がいた。
ーーもう、いないはずの人たちがいた。
自然と涙が溢れる。…あぁ、こんなに泣いたことなど何百年振りだろうか。
でも、でも仕方無いだろう?叶わないと、会えないと諦めていた人たちがいるのだ。こんな光景を見て、泣くなという方が無理な話だ。
色んな事を話したい。一緒に居たい。そんなことは分かってる。でも、まだ自分はそっちに逝くことは出来ない。だって今の自分には帰るべき場所があるのだ。果たすべき約束が、導くべき子供たちがいるのだ。
そんなことを言って背を向ける。それを見た彼らは残念がるでも、寂しそうな顔をするでもなく、ただ色んな言葉を投げ掛けてくれた。勇気づける声、励ます声、労る声、応援する声。様々な声が自分に掛けられた。
だからーー
彼らの一番後ろに立っていた二人の男女/両親の、暖かく、優しさに満ちた声が響く。
『いってらっしゃい』
ーーだから、ありがとう。俺はもう、大丈夫だ。 - 450二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 15:28:38
せつねえ
- 451二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 21:13:37
乙です
- 452二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 08:08:28
おつ
- 453二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 13:44:19
保守
- 454二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 21:57:07
ほしゅ
- 455アズーロ・ピース22/10/10(月) 22:38:24
すみません…ちょっと予定がありまして、しばらくは無理そうです。申し訳ない…
- 456二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 00:27:25
了解です
無理をなさらないで - 457二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 07:24:21
まってます
- 458二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 12:17:09
保守
- 459二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 18:54:29
穂
- 460二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:03:44
ほ
- 461二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 06:32:07
捕手
- 462二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 12:46:14
保守
- 463二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 21:01:55
保
- 464二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 02:19:40
ほ
- 465アズーロ・ピース22/10/13(木) 07:12:48
(・д・ = ・д・)
…ヨシ!
ひっそりと再開するか - 466アズーロ・ピース22/10/13(木) 07:39:52
「改めて、アズーロ・ピースだ。ルーラーとして現界した。よろしくな、カルデアのマスター君」
「あ、藤丸立夏です!よろしくお願いします、アズーロさん!」
元気よく挨拶してきた藤丸君が手を差し出してきたので俺もそれに答える。
「私はマシュ・キリエライトと言います。よろしくお願いします。アズーロさん。」
盾の少女…マシュ嬢とも挨拶を交わす。
「おう、お前さんは挨拶は無しか、モードレッド卿?」
「けっ、誰がてめぇなんかに挨拶するかよ。」
「ちょっとモードレッド!」
モードレッドの態度を藤丸君が咎めるが
「構わないさ。寧ろモードレッドが俺を嫌うのは当然だしな。」
「それはどういう…?」
「俺がブリテンの滅びを良しとしたから…だろ?」 - 467二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 12:42:13
保守
- 468二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 22:11:49
再開してるー!
- 469二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 22:20:42
俺にも責任があるとか自分では救えなかったとかではなく滅びるのを良しとした?
一体何があったんやろ… - 470アズーロ・ピース22/10/13(木) 22:40:40
「滅びるのを良しとした…ですか?」
「あぁ。ブリテンという島はどんな事があっても滅んでいなければいけない。アーサー王の生きたその時代に滅びる目前まで行っていなければ、後々人理にとって大きな問題となるからだ。」
俺の言葉に、二人はよくわからないと言いたげな表情をする。
「そもそも、アーサー王が生まれる前…先代王であるウーサーの代でブリテンはもはや滅びる寸前だった。だが、滅びを受け入れられなかったウーサーがマーリンと協力してアーサー王を生み出し、お飾りの王にした。」
「お飾りだと…?てめぇが父上を語ってんじゃねぇ!」
「滅びが確定している島の王にさせることにお飾り以外の何がある?事実、あのロクデナシが彼女を王にしたのはより良い終わりのためという独善的な理由だ。彼女はそれでも良い終わりのために行動した。それは評価しよう。人間にそうできることではない。」
そう、確かにアルトリアのやったことは正しいと言える。終わるのならせめて安らかに。そう思うのは至極当然だ。
「だが、彼女とあまりに“らしすぎた“。未だ存在する島を終わらせようとピクト人やサクソン人、ヴォーティガーンと言った終末が訪れる度に彼女はそれを乗り越えてしまった。あそこで終わっていればまだマシだったのかもな。だがそうならなかった結果がお前の叛乱であり、ランスロットの不義だ。抑止力が働いた結果だろうよ。」
「無理に延命させればどうなると思う。余計に傷は広がり無駄な血を流すだけだ。ウーサー(畜生)とマーリン(ロクデナシ)の思い付きから始まった愚かな物語の結末だよ。」
…本当に、嫌になる。 - 471アズーロ・ピース22/10/13(木) 22:45:45
ちなみに俺はアルトリアが嫌いなわけではありません。アズーロだったらこう言うんだろうなぁと思って書いてます。…ほんとですよ?
- 472二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 23:15:56
ぐむむむ、なるほど
- 473二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 08:10:06
乙
- 474アズーロ・ピース22/10/14(金) 12:25:43
ー1500年前・カムランの丘にてー
「…アルトリア。」
「…あぁ、アズーロ、ですか。お久しぶり、です。」
まるで眠っているように横たわるアルトリアの前にアズーロが現れる。
「後悔は、してないのか?」
「…どうでしょう。後悔は沢山あります。…でも、そのお陰で私は色んな人に会えた。リンに、サクラに、タイガに、シロウに。それだけで、私は満足しているんです。」
その顔は、本当に幸せそうで。余程美しい出会いがあったのだと知ることが出来た。
「…昔、貴方が言っていたことを思い出したんです。“人間は必ず何かしらの後悔や、やり残しを抱えて死んでいく。だからこそ人は後に託していくのだ“と。」
「また随分と懐かしいものを…。」
「私の行いは正しくなかったのかもしれない。私よりもっと相応しい王となるべき人がいたのかもしれない。でも、それでも私は私の行いを、生き抜いた彼らを無かったことにはしたくないのです。」
「そう、か…」
アルトリアの瞼が、一度、二度と落ちていく。
「なぁアルトリア。お前は正しかった。ブリテンは滅んだとしても、お前の為したことが間違いだとは誰も思わないだろう。」
すると、アルトリアは微笑みを浮かべ…
「あぁ…それは、とても……嬉し……です、ね…。」
そうして、人の幸福を願った王/少女は永い眠りに堕ちた。
「おやすみ。誰よりも人を信じ、夢を見た王よ。」 - 475二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 12:26:03
王の話のお兄さん…
- 476二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 12:30:40
切ねえ…、
- 477二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 19:31:48
そういうことだったんだね
しかし抑止力嫌らしいな…… - 478二次元好きの匿名さん22/10/15(土) 01:00:53
ううむ
- 479二次元好きの匿名さん22/10/15(土) 07:59:34
ほしゅ
- 480二次元好きの匿名さん22/10/15(土) 12:23:52
穂
- 481二次元好きの匿名さん22/10/15(土) 20:44:51
ふお
- 482二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 00:28:16
保
- 483二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 09:30:50
ふ
- 484二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 16:58:55
保
- 485二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 21:50:47
朱
- 486二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 01:11:55
ほ
- 487二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 07:49:48
そ
- 488二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 15:45:44
保守
- 489アズーロ・ピース22/10/17(月) 17:30:52
最近は真面に書けなくてすみません…気長に待っていただけると嬉しいです。
- 490二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 20:31:56
了解
- 491二次元好きの匿名さん22/10/18(火) 01:06:43
ホシュ
了解です - 492二次元好きの匿名さん22/10/18(火) 07:28:41
りょ
- 493二次元好きの匿名さん22/10/18(火) 16:45:51
星
- 494アズーロ・ピース22/10/18(火) 17:41:34
- 495アズーロ・ピース22/10/18(火) 17:54:52
アズーロが、じゃなくてアズーロにですね。
- 496二次元好きの匿名さん22/10/18(火) 17:56:14
アルトリア
- 497二次元好きの匿名さん22/10/18(火) 17:56:25
ジャンヌ・ダルク
- 498二次元好きの匿名さん22/10/18(火) 18:37:06
アルクェイド
- 499二次元好きの匿名さん22/10/18(火) 18:37:25
BB
- 500二次元好きの匿名さん22/10/18(火) 18:37:41
虞美人
- 501アズーロ・ピース22/10/18(火) 18:54:04
アルトリア
アズーロですか?えぇ、何度か生前に会っています。彼には色々な事を教えてもらいました。もう一人の兄のような人ですね。
ジャンヌダルク
アズーロさん…死徒という人理に敵対する存在でありながら人を守護することを良しとした人…えぇ、一度お話を聞いてみたいです。
アーキタイプ∶アース
わっ!アズーロもいたんだ!?知り合いかって?えぇ、昔色々お世話になったのよ。吸血衝動とか志貴の事とかね。その節はどうもありがとう!
BB
おっと、BBちゃん的に相性の悪そうな人が!具体的には私のハッキングとかそういうのを軽々と越えていきそうな感じです!なるべく関わりたくありませんね!
虞美人
アズーロ?あぁ、ある意味でご同輩ね。でもアイツ、あんまり血を吸わないんでしょ?吸血衝動をどうやって抑えてるんだが…。 - 502二次元好きの匿名さん22/10/18(火) 23:01:12
乙
- 503二次元好きの匿名さん22/10/19(水) 07:58:34
乙でした
- 504二次元好きの匿名さん22/10/19(水) 12:15:47
ほ。
- 505二次元好きの匿名さん22/10/19(水) 18:42:31
ほしゆ
- 506二次元好きの匿名さん22/10/19(水) 19:13:32
ロンドンって事はゾーケンやジャックちゃん出る?
- 507二次元好きの匿名さん22/10/19(水) 23:36:35
結構ボイスがそれっぽい
- 508二次元好きの匿名さん22/10/20(木) 07:49:55
う
- 509二次元好きの匿名さん22/10/20(木) 12:10:57
ま
- 510二次元好きの匿名さん22/10/20(木) 21:06:14
ろ
- 511二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 00:52:54
う
- 512二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 07:55:04
しゅ
- 513二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 12:39:12
ほ
- 514アズーロ・ピース22/10/21(金) 18:18:37
その日の夜。立夏達が寝静まったのを確認したアズーロは一人探索に出ていた。
「しかし、ここがロンドンねぇ。霧に包まれて視界も悪いと来た。只の人間である立夏君には少しきついか…?」
そんなことを呟きながらある場所に向かって歩いていくアズーロ。
しばらくして、ある場所で立ち止まる。
「……ホントに失くなってるよ時計塔。どこの誰がこんなことやらかしたんだか。」
目の前には瓦礫の山となったかつての魔術協会が姿を見せていた。
「…こうなると、ヴァレリーの会社もヤバイことになってんのかな?あそこはモナコにあるけど。」
祖の中で、ゼルレッチとリィゾと同じくらいに長い付き合いのある友人を思い浮かべる。
省エネだのなんだので長電話をきらったアイツも元気にしているだろうかと思い浮かべる。
そういえば、昔スノーフィールドでジェスター某の始末を頼んできたなと思い返す。
ガイアの抑止力たるぺいるらいだーにちょっかいを出したと聞いたときは久しぶりに嫌な汗をかいたが。 - 515二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:54:17
きたきた
本編4章が微妙だっただけに期待したい - 516二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 07:01:13
ペイルライダーとやりあったのか
- 517二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 12:05:03
保守
- 518アズーロ・ピース22/10/22(土) 18:19:37
次の日、アズーロは立夏達と共にロンドンを駆け抜けていた。
「むっ…!」
瞬間、アズーロが立夏の前に立ち、刀を抜く。
刀からはガキン!という甲高い音が響く。
「えっ…!?」
「敵みたいだな。マシュ嬢は立夏君の傍に。モードレッド、やれるな?」
「はっ!誰に物言ってやがる!」
モードレッドが赤雷を纏い、かっ飛んでいく。
「…さて、俺も行くか…!」
刀を構える。
「こんどは、あなたたちが相手?」
「そうだよ。暗殺者ジャック・ザ・リッパー。安らかに終わらせてやる。」
ルーラーのクラススキルによって、アズーロは襲撃者の正体を見抜く。
「生憎、お気に入りを傷つけられて黙っていられるほど優しくはないからな。すぐに終わらせる。」
その目は、朱く輝いていた。 - 519二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 20:24:09
保守
絶対☆5だろコイツ……
ちなみにマスターだったら縁召喚で誰が来るんだろう……? - 520二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 20:30:19
下手なサーヴァントより強いな
- 521アズーロ・ピース22/10/22(土) 20:47:32
通常の縁召喚であれば、アルトリアか、外なる神の降臨を防いだことからアビーがやって来ます。
しかし、なんでも許される特例であれば他の何よりもアルトルージュが“絶対に"やってきます。お互いに想いが半端じゃないですし。
え、サーヴァントになってないだろって?そんなものは愛の前には無意味よ。
- 522二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 01:53:41
アルトルージュかわいい
- 523二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 07:56:21
乙でした
- 524アズーロ・ピース22/10/23(日) 08:00:09
適当にアズーロに対する周りからの好感度でも振るか
アルトルージュ
dice1d100=38 (38) 星補正+40
ゼルレッチ
dice1d100=25 (25) 師匠補正+30
ユミナ
dice1d100=56 (56) 師匠補正+30
- 525二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 14:37:52
78!?意外と低いね
- 526二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 21:26:11
アルトルージュは固定値でプラス100くらいされても違和感ない
- 527アズーロ・ピース22/10/23(日) 21:28:48
やっぱアルトルージュが納得いかないので振り直します。
アルトルージュ
dice1d100=13 (13) 諸々の補正+80
- 528二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 21:30:12
かろうじて100に届かないくらいか
- 529二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 01:15:41
ワッザ!
- 530二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 10:29:34
補
- 531二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 20:53:18
ゾォルケン出ないかな
- 532二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 00:38:10
そう言えばオーベッド・マーシュが呼ぼうとしてた外なる神って誰だろう
ヨグ=ソトース? - 533二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 08:32:49
穂
- 534二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 12:39:54
保守
- 535二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 20:54:16
多分ニャル様
- 536二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 22:59:03
碌なことしねえなアイツ…
- 537二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 07:16:26
へ
- 538二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 12:26:40
補
- 539二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 18:30:26
ほし
- 540二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 22:48:09
ほっしゅう
- 541二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 02:29:18
ほし
- 542二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 12:23:51
このレスは削除されています
- 543二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 19:07:24
健
- 544アズーロ・ピース22/10/27(木) 19:20:25
サーヴァントとはいえ、休息も必要ということで睡眠を取っているアズーロ。
そんな彼の元に『幾何学模様で描かれた魔法陣』が現れ、中から一人の女性が姿を現す。
藍色の長い髪に血のように赤い瞳を持った美女はアズーロの髪に触れる。
「…記憶のプロテクトが少し緩んでいたわね。」
そう言うと、女性は『銀色の巨大な鍵』を出現させると軽く捻る。
それにより発生した銀色の粒子がアズーロを取り囲み、彼の内へと入っていく。
「…今のところ問題は無いようね。まぁ、問題があっては困るのだけど。」
女性はアズーロの頬に触れ一度、二度と撫でる。
「このクラスで呼ばれているのなら問題は起こらない。と言っても貴方の中にある六王権の力と、『獣』の方がどう動くかによっては最悪の事態も起こり得る…。」
アズーロに膝枕をしながら女性は呟く。この光景をアルトルージュが見れば完全に激怒すること間違い無しである。
「…フォーリナーとしての貴方を呼び出せれば『魔を断つ剣』としての力で白紙化も防ぐ事が出来るかもしれないわね。」
彼女はまるで未来が見えているかのように言葉を紡ぐ。
「…む、少し不味いわね。」
彼女の体がホログラムのように揺れる。
「ここに居すぎると福王が起きかねない。名残惜しいけどここまでみたい。」
彼女はもう一度アズーロの髪に触れる。
「『憎悪の空より来たりて、正しき怒りを胸に』といったところかしら?頑張りなさい、貴方はきっと大丈夫。」
そう言って、彼女は『この次元』から消失した。
「全てが終わったら帰ってきなさい。"私の"アズーロ。」 - 545二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 20:20:15
このレスは削除されています
- 546二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 22:01:39
おやおや
- 547二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 02:57:29
アイエッ!?アクマベイン=サン?
- 548二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 07:16:11
保守
- 549二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 11:40:03
保守
本編でもアルトルージュ使ってみたい - 550アズーロ・ピース22/10/28(金) 12:26:04
- 551二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 19:37:46
ほすゆ
- 552二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 23:31:29
復旧
- 553アズーロ・ピース22/10/29(土) 07:44:40
ナイフと刀がぶつかり火花を散らす。
ジャックは素早い身のこなしでアズーロを翻弄しようとするもアズーロは完璧に対処する。
「じゃあ、これでおわり!」
「不合格。」
「へっ?わぁ!」
ナイフを突き立てようとするジャックの首根っこを掴み、蹴り飛ばす。
「むぅ~…おじちゃん嫌い!」
「おじちゃんじゃねぇ。お兄さんと呼べ。」
「おらァ!」
そこに、赤雷を纏ったモードレッドがかっ飛んできてジャックに攻撃する。
「しよーがない、今日はここまでだね!じゃあね!」
そんなことを言ってジャックは消えていった。
「…やれやれ、逃げられたな。」 - 554二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 11:56:16
- 555二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 13:58:27
- 556アズーロ・ピース22/10/29(土) 14:39:27
- 557二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 19:41:21
ねぇそれって単なる若作rウボァー(何者かの黒鍵で吹き飛ばされる)
- 558二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 22:06:53
帆朱
- 559二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 03:32:30
- 560アズーロ・ピース22/10/30(日) 07:05:41
- 561二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 11:39:53
なるほどTSして可愛く綺麗になったデップー、と……(ぇ
- 562アズーロ・ピース22/10/30(日) 11:57:48
ちなみに何処がとは言いませんが青子並です。
- 563二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 15:37:12
すげえな
保守 - 564二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 00:10:26
なるほど
- 565二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 07:54:22
ほーしゆー
- 566二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 12:12:37
保守
アオアオ懐かしいけどまほよどうなるんやろ - 567二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 17:34:09
☆
- 568二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 22:26:02
保守
- 569二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 07:44:36
ぽ
- 570アズーロ・ピース22/11/01(火) 12:18:56
ロンドン編が終わったら、マインスターとの小話でも書こうかと思ってるんだがどう?
- 571二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 18:44:24
いいんじゃないかな?
- 572二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 21:29:35
はい
- 573アズーロ・ピース22/11/01(火) 21:56:01
とある世界。
水晶の欠片のような物が沢山浮かんでいる世界で一人の女性が椅子に腰掛けながら一つの欠片を眺めていた。
「あら、マキリが魔神柱に選ばれたのね。悪の根絶を為さんとした男が世界を否定する側に回るなんて…なんとも意地悪なことをするわね、あの魔術式は。」
欠片を掌の上で転がしながらぶつぶつと呟く女性。血のように赤い眼を細めると、欠片を翳す。
「…へぇ、ニコラ・テスラを召喚したのね。最後の抵抗とでも言うのかしら?貴方はどう思うかしらゼルレッチ?」
「さてな。儂がそれを見ては確定された世界となってしまう。そう易々と意見は言うまい。」
女性の後ろから、厳格そうな見た目の老人が歩いてくる。
名を、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ。第二魔法『平行世界の運営』の使い手である。
「あら、弟子が心配ではないの?」
「お前こそ、お気に入りが心配ではないのか?」
お互い、軽口を交わす。魔法使い…それもゼルレッチに対して軽口を叩ける相手などそういないだろう。
「…まぁアズーロがこの特異点でやることはもう殆ど無いわ。とはいえ、あのマスターを導く事くらいはしそうだけど。」
「それがあやつの美徳であろうよ。魔術師としては些か問題ではあるがな。」
「それもそうね。」
納得したらしい女性は、再び水晶を見つめる。
「さぁ…貴方はどうするかしらね?愛しいアズーロ?」 - 574二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 02:01:51
きたきた
- 575二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 07:59:12
保守
待ってました - 576二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 17:10:24
保
- 577アズーロ・ピース22/11/02(水) 21:07:02
「我らが王は裁定を下した。ならばそれに従うしか無いだろう。」
「誰よりも平和を願ったお前がそんな決断をするとはな。掲げた思想を捨てて、世界を滅ぼすことを良しとするならば全力で阻むまで。」
魔霧を発生させていた装置の前で、マキリ・ゾォルケンとカルデアメンバーが対峙する。
「…貴方には分からないだろうな…そして、私は生まれ変わったのだ…!」
「話にならん。この時代のお前はそのような思考はしなかった筈だがな。一人で絶望して周りまで巻き込むならそれはお前の目指した平和ではないだろう。」
マキリの体から凄まじい魔力が噴き出し、体が異形へと変質する。
「我が名は魔神柱バルバトス。カルデアよ、苦悶の海で溺れる時だ…!!」 - 578アズーロ・ピース22/11/02(水) 21:10:30
バルバトス…!バルバトスだ!!やっと会えたね❤️
殺したかっただけで死んで欲しかったわけじゃないんだ。でも断末魔が長いね。
一秒でも早くくだばって、素材を寄越せ❤️ - 579二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 02:27:31
- 580二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 08:09:46
「断末魔が長い」というパワーワード
- 581二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 15:25:06
まあ、殺したかっただけで死んでほしくはなかった、だけど
- 582二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 20:15:04
このレスは削除されています
- 583アズーロ・ピース22/11/03(木) 20:28:13
まぁ、その後の顛末を語るのなら魔神柱は敗北。その後マキリの手によって召喚されたニコラ・テスラも打ち破られ、残すは聖杯を確保するのみとなったーーなったのだが
そこにいるのは、まさしく神としか言い様のない存在。
あらゆる魔術師の頂点に立ち、魔術であれば敗北は無いだろうと断言出来るほどの存在感…
魔術王・ソロモンが姿を現した。
「カルデアの者共よ。お前達が聖杯を七つ獲得したのなら、その時にこそ取り掛かるべき問題として見てやろう。」
すなわち、聖杯を七つ獲得するまでは気に止める必要は無いと言うこと。
「だがーー」
ソロモンの双眸が、こちらを射抜く。
「貴様は別だ死徒の王よ。ここで朽ちよ。」
「ッ!?ガッ───!!」
咄嗟に刀を突き出すが、それごと吹き飛ばされる。
(くそったれ…!今ので霊核の四割が削られた…!こいつはホントに不味いぞ…!?)
軋む体に鞭を打ち、何とか立ち上がる。 その間にアンデルセンが正体を看破する。
天より遣われし七つの御使い。冠位サーヴァントであると。
(冠位サーヴァントだと…?それにしては悪意しか感じられないが…。)
そして、アンデルセンは褒美としてその五体を百に分けられた。
万事休すかと思われたが、何を思ったかソロモンは退却していった。
かくして、聖杯は回収され特異点は修復された。
「立夏君、マシュ嬢。そう気に病むことはない。奴の思惑がなんであれ悪が出たのならそれを打ち破る方法が必ずある。悪しき者を打倒するのはいつだって正しい人の心に他ならない。」
アズーロが語る。
「どうかこれからも良い旅を。辛くなったら周りを頼るように。これ絶対ね。」
そして、アズーロも特異点から退去していった。 - 584アズーロ・ピース22/11/03(木) 21:34:11
「…まぁ、妥当な結果ね。」
欠片を眺めながら女性が呟く。先ほどまで眺めていた欠片を動かし、別の欠片を眺める。
「……こうして、人類に憐れみを抱いた獣は打ち倒され世界に平和がーー訪れることはなく、また新しい災厄がやって来ました。」
その欠片には、魔術王……否、魔神王・ゲーティアが打倒される場面と、地球が白紙化される光景が映し出されていた。
「……それにしても…ふ、ふふ……!」
「あは」
「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
少女は笑う。
巫女は笑う。
魔女が嗤う。
「ねぇ、誰よりも愛しいアズーロ!私は貴方が好きよ!!貴方が幸せなら私も嬉しいもの!!でも、ねぇーー」
「────そろそろ、私も参加していいでしょう?退屈は嫌だもの。」
少女の近くに置かれていた一冊の本から、闇が噴き出る。
「さぁ、もっともっともっともっと楽しい、私と貴方のゲームを始めましょう?」 - 585二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 21:56:10
うおおお
- 586二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 21:59:03
次章でついに来るか…!
そういえばアズーロさん英雄の座にいるのか生きたままサーヴァントになったのかどっちだろ - 587アズーロ・ピース22/11/03(木) 22:07:38
一部マテリアルが更新されました。
時空の魔女
好きなもの∶アズーロ、可能性、娯楽
嫌いなもの∶黒血の月蝕姫、退屈、抑止力
「奇跡?さて、なんのことかしら?」 - 588二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 22:08:35
まさかこいつ……
- 589アズーロ・ピース22/11/03(木) 22:38:39
魔女からアズーロに対する好感度
dice1d100=100 (100) 狂愛補正+40
- 590二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 22:49:11
おいおい
- 591二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 04:06:34
えぇ???
- 592二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 05:20:47
さすが...
- 593アズーロ・ピース22/11/04(金) 07:54:50
約2000年前
「…ぜぇ、ぜぇ…これでどうだユミナ…!」
「…まだまだね。効率が悪いわ。」
とある一組の男女が魔術の鍛練を行っていた。
「魔術を行使するなら、まずどのようにして扱うかを考えなさいと言ったでしょう?」
それでは中身のないスカスカよ。と辛口な評価をいただく。
「誰も彼もがお前のような天才だと思うなよ…!こちとら才能が無いんだって…!」
「そんなことはないでしょう。貴方は十二分に才能がある。極めれば私すら超えるほどにね。まだ気付いていないの?」
心底不思議そうな顔で見られると俺が間違っているのかと思ってしまう…
「まぁ、気付いていたのならこんな作業はすぐに終わらせられるでしょうから本当に分かっていないのね…」
くっそ、ムカつく顔しやがってぇ…!!
「……ロクに人と関わったことのない引きこもりでコミュ障の癖に…」
「……薔薇の猟犬」
……あっ。
「ゲェ、聞こえてたのか!?ってか、グレートスリーまで使うかよ!?」
「五月蝿いわね!引きこもりじゃなくて魔術の隠匿の為に仕方無く森にいるだけだし、コミュ障じゃなくて人と話そうと思えば話せるわよ!!」
くそ、これで魔法使いだってんだから世も末だぁぁぁ!! - 594アズーロ・ピース22/11/04(金) 12:44:26
新章、予告──
「新しい特異点が発生したんだ。」
「うむ、さすがにこの規模の特異点は見過ごせんな。」
「面倒ね…燃やすわよ!」
「行くわよ、イリヤ、美遊!私たち三人の力見せてやろうじゃない!」
「さいっこうにゴールデンじゃねぇか!」
「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ──!」
「あっぶなぁ…!蹴り飛ばす所だったじゃない…!」
「さぁ…ごっこ遊びをしましょう。」
「久しぶりだな立夏君、マシュ嬢。」
「そうですね…私は古時 澪花と言います。」
夢幻奇跡都市・三咲町
魔女の詩 - 595二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 13:53:20
三咲町って事は琥珀さんや翡翠いるかな?
金時はかなり好きなキャラなので登場させてくれて嬉しいです - 596二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 18:31:54
保守
アルクェイドも実装されて久しいしFGOにもっと月姫キャラ出て欲しい - 597二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 21:31:04
やろうぜ
- 598アズーロ・ピース22/11/04(金) 21:39:37
深い夜の帳が降りる町に凄まじい爆発音が響く。
黒い人の形をしたモヤが一人の男に向かっている。
男は刀を振るい、モヤを切り裂くとその中心に飛び込み四方に血で出来た槍を振り撒く。
「ったく…数が減らないな…!青子!そっちはどうだ!!」
男ーーアズーロ・ピースが叫ぶと、後方から爆発音と共に一人の女性が吹っ飛んでくる。
「見ての通りよ!劣勢ね…あぁもう、ホントしつこい!!」
青子は苛立たしげに叫ぶと、魔弾でモヤを凪ぎ払う。
「『おしゃべり双子』」
そして、小豚がモヤを一掃した。
「有珠か。助かった。」
「いえ。それよりも…来たわよ。」
有珠の声に従えば、モヤの向こうから人影が歩いてくるのが見える。
一見すれば通行人か何かと思うだろう。一つ違いを挙げるとするならば、それは背中にまるで堕天使のように黒い翼が生えていることだろうか。
「やはり、貴方達にはこの程度意味がありませんか。」
人影は称賛するように手を叩き、アズーロ達を見据える。
「ッ──!!」
瞬間、アズーロの刀、青子の魔弾、有珠のおしゃべり双子が人影を抹殺せんと迫る。
だがーー
「ーー忘れましたか?」
人影はそれらの攻撃全てを捌ききる。
「貴方方では私には届かないと。」
人影はアズーロの腹に掌底を放ち、吹き飛ばす。
さらに掌から『闇』を放ち青子と有珠すら防御の暇なく吹き飛ばされる。
死徒二十七祖第一位、魔法使い、最後の魔女。それらを相手取り尚且つ完封する。
それは、もはや絶望と呼ぶに相応しかった。 - 599二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 03:28:08
やべえ始まってんじゃん
- 600二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 08:14:46
保守
- 601アズーロ・ピース22/11/05(土) 12:12:27
人理焼却を解決し、人理白紙化に挑むカルデア一行。今日も今日とて発生した特異点の修復を試みたのだが…
「新しい特異点が発生したんだ。でも規模がすごくてね…」
「うむ。さすがにこの規模の特異点は見過ごせんな。」
「そこまで何ですか?」
虚数空間を漂うノーチラス船内で、レオナルド・ダヴィンチと新所長ゴルドルフ・ムジーク、そして藤丸立夏が会話する。
「うん、下手をすると人類史に影響を与えかねない…規模としてはゲーティアが用意した七つの特異点かそれ以上かも…」
「そんなに…!?」
「うむ、それで今回同行するサーヴァントなのだが…」
「私たちです!」
立夏に声を掛けてきたのはイリヤ、美遊、クロエの魔法少女三人組、坂田金時、ジャンヌ・ダルク・オルタの五人だった。
「私とミス・キリエライト、ミス・シオンは観測に回るよ。」
「分かりました!」
そして、舞台となる特異点へとレイシフトする。
舞台は……
日本の地方都市、三咲町。 - 602二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 19:22:04
ちょいちょい落ちる
- 603二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 21:00:09
乙です
メルブラACあたりからあんまりやらなかったけどシオン使ってたなぁ - 604アズーロ・ピース22/11/05(土) 21:31:37
『無事にレイシフト出来たようです。何かお体に不調は有りませんか先輩?』
「うん、特に問題はないよ。」
レイシフトし、特異点へとやって来た立夏にマシュから通信が入る。
『バイタルはこちらで計測しておきますので先輩は特異点の修復に専念してください。』
「分かった。マシュ達も無理しないようにね。」
そう言って、通信を切った立夏は辺りを見回す。
「えっと、皆は「おっ!見つけたぜマスター!」…良かったちゃんといた。」
声を掛けてきたのは同行サーヴァントである金時。その後ろからほかの同行サーヴァントもついてくる。
「それでどうする?とりあえず周辺を散策して何か異常がないか探ろうと思うんだけど…」
「それでいいと思います。」
立夏の提案に美遊が賛同する。
「まぁ、異常なら既に起こってるしねー?」
「?どういうことオルタちゃん?」
ジャンヌオルタがこぼした呟きに立夏が問う。
『人の気配がありませんねー。今はお昼ですから気配なんてたくさんあって然るべきなんですけど…。』
イリヤの手にあるカレイドステッキ・ルビーが訝しげに答える。
「それはこの特異点が出来た時からそうだった…と言うことですよ。」
「ッ、誰!?」
突如として掛けられた言葉にクロが黒白の双剣を出現させ警戒する。
「ふむ…そう警戒する必要はありません。私は敵ではないのですから。」
「貴女は…?」
現れたのは、藍色の長髪に赤い目をした女性だった。
「おっとマスター。不用意に近付かない方がいいぜ。」
『私も金時様と同意見です。』
『ルビーちゃんもです!というか私達に感知されることなく現れるとかそれはそれで不気味なんですよねー?貴女、何者なんでしょうか!』
「何者…そうですね…私は──」
「私は古時 澪花と言います。」
そして、少女は笑みを浮かべた。 - 605アズーロ・ピース22/11/05(土) 22:08:21
『……なぁ、お前何してるんだ?』
『見て分からない?蝶を観察してるのよ。』
彼が自分に語りかけてくる。それに対し自分は素っ気なく返す。
それは何処にでもあるような日常の何でもない一コマ。
『何かしらねぇ…蝶の観察をすることで新しい魔術のヒントに成り得るかもしれないでしょう?』
『凄くヤバイこと言ってるって自覚あるか?』
私の言葉に彼は可哀想なものを見る目付きをする。
『何かしら、これに関してはユミナも褒めてくれたのだけど。着眼点が素晴らしいって。』
『絶対それ気を使われてるだけじゃないか?』
……少しくらい、人を褒めることは出来ないのだろうかこの馬鹿は。
『……まぁ、それ以外にもやることあるけどね。巫女としての仕事とか。』
『なんだっけ、神様への祈りだっけか?』
『まぁそんなとこね。じゃ、そろそろ行くから。』
『そうか。……あ、そうだ。』
『?』
『たまには遊びに来いよ。少しばかりのもてなしはするぜ?』
『……ふふっ。えぇ、考えておくわ。』
彼の言葉に少し足取りを軽くする。
そうだ、私は───
───私(魔女)はこの時、人生に二度と無いような……魂が震えるような恋をしたのだ─── - 606二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 00:58:20
乙です
蝶の観察というとバタフライエフェクトかな? - 607二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 01:42:00
綺麗ながらもせつないな
- 608二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 09:59:25
ほしゅー
- 609アズーロ・ピース22/11/06(日) 11:40:53
「本来の三咲町はこのような閑散とした町ではなく、活気に溢れた町でした。」
「本来…?」
連れたって歩く澪花と名乗った少女の言い分に疑問を覚える。特異点であるならそういった異常は当然あるのだが、それを現地人である少女が理解していることに疑問を持ったのだ。
「この町はいわゆるゲーム盤。とある存在が自身の目的のために一から作り上げた世界なのです。」
『となると、その存在がこの特異点を作り出した…ということで良いのかな?』
通信越しにダヴィンチちゃんが尋ねる。
「特異点を作り上げたのはその存在ですが、ここの主は別にいるのです。先に言っておきますと、何故私がそのようなことを知っているのかと聞かれれば私が『案内人』であると答えさせていただきます。」
「案内人…?」
それの返答を得るより早く、澪花が足を止める。
「どうやら来たようです。」
「えっ?何が…」
『ッ!魔力反応多数!!すごい数だ!!』
そして、立夏達を取り囲むように人型の黒いモヤが現れる。
「何よコイツら!?」
「いわゆる尖兵と言いましょうか…もしくは黒幕の手下と言った方が分かりやすいですかね?どうあれ、この人形は敵以外の何者でもありませんよ。」
「ハッ!分かりやすくていいじゃない。つまり燃やしていいって訳ね!!」
「しゃあねぇか。オレっちもゴールデンにいくぜ!!」
「オルタちゃん、金時は前に!イリヤ、美遊、クロは澪花さんの護衛を!」
立夏の指示の元、それぞれが動き出す。
オルタが燃やし、金時の斧により砕かれる。一騎当千のサーヴァントにとって問題なく倒せる存在であった。魔法少女三人組も澪花の護衛をこなしつつ近付いてきたモヤを撃退し、立夏もガンド等で的確な援護を送っていた。
「成る程…これが人類最後のマスターの力というわけですか。」 - 610二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 19:57:05
鯖落ちから復旧
- 611二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 21:57:09
冬木もそうだけど結構都会なんだよね>三咲町
- 612二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 02:04:33
どきどき
- 613二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 08:19:36
ほ
- 614二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 13:44:56
wktk
- 615アズーロ・ピース22/11/07(月) 17:37:26
戦い続けてしばらく。倒しても倒しても一向に数を減らさないモヤに、カルデアは苦戦していた。
「あーもう!!マスターちゃん、撤退するわよ!こんな奴ら相手にしてたら魔力が尽きるわ!!」
「だね、それじゃあ「いえ、撤退の必要は無さそうです。」え?」
撤退の指示を出そうとした立夏を澪花が遮る。どういうことなのか聞こうとしたところで──
「"炎とは、斯くあるべし"」
モヤが、炎により焼き払われる。
「…いくつか初めて見る顔の人もいるが、久しぶりの再会となるかな?」
「貴方は…!」
立夏達の前に躍り出た人物が立夏に声を掛ける。
その人物を立夏は知っていた。少しの間とはいえ、確かに絆を結んだ人物なのだから。
「久し振りだな立夏君、それと通信越しのマシュ嬢も。」
「アズーロさん…!」
肩に一匹の黒猫を乗せたアズーロ・ピースが、カルデアの前に姿を見せた。 - 616二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 20:00:32
来たか
- 617二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 00:20:55
このレスは削除されています
- 618二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 07:41:24
保守
- 619アズーロ・ピース22/11/08(火) 07:46:46
アズーロの魔術によって大半のモヤが焼き払われると、立夏達はその場を離れ安全地帯まで退避していた。
「さて、改めて久し振りだな立夏君。」
「はい!アズーロさんもお元気そうで!」
改まってアズーロと立夏は挨拶を交わす。
「マスターさん、この人とお知り合いなの?」
「そっか、皆は知らなかったよね。この人はーー」
そう言って、立夏がアズーロの方を向くと、アズーロはイリヤを見て固まっていた。正確にはイリヤと美遊が持っているステッキに、だが。
『あ、アズーロさんじゃないですか~!お久し振りですね~!』
「…げ、ゲテモノステッキ!!テメェどこに逃げたのかと思ったがそんなとこにいやがったのか!!」
ルビーに掴みかからんばかりの勢いで詰め寄るアズーロ。どうやらルビーに嫌な思い出があるようだ。
『ひゃ~、イリヤさーん助けてくださいよ~!!』
「えぇ!?え、えっと、その…」
「……仮にも契約者を盾にするかコイツ。」
ルビーとイリヤのやり取りに呆れたのか毒気を抜かれたのか定かではないが、幾分か冷静になるアズーロ。
「まぁ、いいか。とりあえず今はこの状況を説明しなきゃな。あのモヤについても。」
そう言ってアズーロは立夏達に真剣な面持ちを見せた…… - 620二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 15:59:09
アズーロさんカワイイ
- 621二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 21:45:35
保守?
- 622二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 22:17:53
敵はタタリか?
- 623アズーロ・ピース22/11/09(水) 07:54:49
「君達が戦ったモヤ。あれは魔力の塊のようなものだ。」
アズーロが朗々と語り始める。
「この街に存在していた人間を核として作り出した人形…それがあのモヤの正体。とはいえ、実際に生きた人間を使用した訳じゃなく死者を再利用した形になるが。」
そう語るアズーロの顔が不愉快げに歪む。いくら死者とはいえ人間を利用することに嫌悪感を抱いているのだ。
「厄介なのは倒したとしても奴らは一向に数を減らさないこと。倒した傍から湧き出てくるからな。まぁ、出てくる数に限りがあるから永遠に出てくるという訳でもないか…」
「そんな存在が…」
そんな存在をどうやって倒すのか…立夏は頭の中で考えを巡らせる。
「……で、次にこの街の状況についてだが、ある程度は澪花から聞いていると思うから省くがこれは伝えておこうか。」
一瞬だけ澪花の方を見たアズーロだが、再び立夏達に視線を戻す。
「……この舞台は夢幻、所謂存在しない奇跡の街だ。俺が知ってる三咲町は健在だからな。」 - 624二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 12:04:23
保守、
- 625二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 12:07:03
乙です
新宿とかセイラムとはまた違うのかな - 626二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 16:42:15
- 627二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 21:08:56
デフォルメ化かわいい
- 628二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 02:18:36
へ
- 629二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 07:57:16
星
- 630二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 12:12:04
ほし
- 631二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 19:11:48
アズーロがんばえー
- 632二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 22:34:52
ほ
- 633アズーロ・ピース22/11/10(木) 22:35:36
ニャア、とアズーロの肩に乗っていた黒猫が鳴く。
黒猫の顔には呆れとも焦りとも見える表情が浮かんでいた。
「ん?あー、そろそろ行かないといけないか。…分かった分かった。行くから爪を立てるなよ。」
「あの、アズーロさんその猫は……?」
「コイツの名前は『アイ』。俺の使い魔さ。」
立夏の質問に答えつつ、アズーロは踵を返す。
「さてと。そろそろ行かないと二人が怒りそうだ。皆、悪いけど俺に着いてきてほしい。これから『俺達』の拠点に案内するよ。」
いつの間にやら頭に乗っかっていたアイを気にせず、アズーロは朗らかに笑いながら語りかけた。 - 634二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 22:56:57
キタキタ
その使い魔はきっと猫耳ロリっ娘になったりするんだ
俺は詳しいんだ - 635二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 03:54:11
さてさて
- 636二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 07:22:49
にゃーん
- 637二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 12:02:34
ほし
- 638二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 18:54:03
保守
- 639二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 21:16:35
レンみたいなもんか?
- 640アズーロ・ピース22/11/11(金) 21:39:34
幕間 とある使い魔の独白
恐る恐る目を開けた時、初めて見たのは深い蒼のような月と、優しい笑みを浮かべた主の顔だった。
「今日からキミは俺の使い魔だ。よろしくな。」
使い魔と友好関係を築こうとするのはどうなんだろう?と考えながら鳴き声を上げる。
主は何を勘違いしたのか「あ、そっか。キミの名前を考えなくちゃな。」と言って考え始めた。
……もしかしたら私の主は能天気なのかもしれない。
しばらくして、主が太陽と見間違えんばかりの笑顔を浮かべながら自分に名前を与えてくれた。
「キミの名前はアイ。どう、気に入ったかな?」
子供のように無邪気な笑みを浮かべながら聞くものだから、それにつられてニャアと鳴く。
なるほど、主はネーミングセンスはあるようだ。
主の使い魔として苦楽を共にした。その中で分かったことなのだが主は魔術師としては「甘い」部類に入るのだ。
他の魔術師のように根源を目指すのでもなく、魔術を研究するでもなく、ただ己が信じた道を進むだけ。一見するとただの放浪者のようにも見えるがその中で主は私と共に様々な出来事を体験した。
魔術同士の小競り合いに巻き込まれたり、悪さをする幻獣を共に撃退したり、主がナンパされるのを妨害したりと色々あった。
……長々と延べたが私が言いたいこと、伝えたいことはこれだけだ。
どうか、どうかこれからも貴方のお側に。誰よりも愛すべき私のご主人様(マスター)。 - 641二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 01:40:41
アイちゃんええ子やんけ
- 642二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 03:46:54
アズーロさん好青年やからな
- 643二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 12:26:04
猫は案外忠義者
- 644二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 19:09:37
補
- 645アズーロ・ピース22/11/12(土) 21:01:34
アズーロの案内でカルデアメンバーは、坂の上にある屋敷に通される。
「ここが俺達が拠点としている場所だ。あいつらも君達のことは把握してるから問題は無いよ。」
そう言ってアズーロは扉を開け放ち全員を通すと、扉を固く閉ざす。
「お、有珠。来たわよ。」
「分かってるわ。」
廊下を歩いていると二人の女性が姿を見せる。
「初めましてかしら?私は蒼崎青子。でこっちが」
「久遠寺有珠よ。」
「……あ、俺は藤丸立夏です!よろしくお願いします!!」
挨拶もそこそこに二人はこの特異点についての説明を始める。青子は魔法使いとしての、アズーロは死徒二十七祖第一位としての本体であるものの有珠はサーヴァントであること。
黒幕の目星は付いており、以前戦闘となり敗北したものの、カルデアの助力があれば十分勝ちの目はあるとのことだった。
「そして、今日にも決着を付けるつもりだ。協力を頼めるか?」
「はい!」
「さて、来ましたか。」
三咲町の地下、開けた洞窟に黒幕は居た。まるで神話に出てくる堕天使のような風貌をした女性は、立夏達を認識すると『闇』を放ち、葬らんとするが六騎のサーヴァント、魔法使い、二十七祖の前に破れ去る。
こうして、特異点は修復されたーー
「あら、意外と早かったわね。」 - 646アズーロ・ピース22/11/12(土) 21:24:59
突如として響いた声に全員が振り向く。そこにいたのは拍手をしながら佇む澪花の姿があった。
「澪花さん…?」
「……あぁ、そう言えばまだこの姿だったわね。」
澪花?の体がホログラムのようにブレ、姿が変わる。と言っても変わったのは髪色くらいで、藍色から銀色の髪に変化した程度だった。
……いや、それだけではない。
彼女の体から発せられる"圧"が尋常ではなかったからだ。
例えるならそう。かの魔神王や月世界の王。それらに匹敵するほどの存在感。
「全員この場から離れろぉっ!!」
それは長き時を生き続けたアズーロだからこそ感じられた僅かな動き。
ほんの少し、指先が動いただけ。それだけなのに……
「……う、そ……」
あの堕天使との戦いで洞窟は崩れ、夜の帳が顔を覗かせていた。その彼方から無数の星の欠片が敵対者を葬らんと墜ちていた。
落下速度が尋常ではない。真面に防御する暇さえ与えられぬ程の速度で隕石が迫り、降り注いだ。
「ッ、……ゲホッ、ゲホッ……!皆、大丈夫!?」
立夏がいの一番に起き上がり、辺りを見回す。
全員何とか消滅は免れたようだ。
「……お前は、何だ…!!」
刀を杖代わりにしながらも、立ち上がったアズーロが澪花を睨む。それに対し澪花はーー
「そうね、そろそろ頃合いかしら。」
刹那、アズーロの目の前に転移した澪花がアズーロの頭に触れる。
その行為になんの意味があるのか分からない。だがそれは確実に、アズーロに効果をもたらしていた。
それは、失っていたかつての記憶。否、己の無力さから封じていた記憶であり、彼女が干渉してさらに深く押し込めた記憶。
共に魔術を学んだ女性(ヒト)ーーユミナ教室の秀才∶レイフィアス・アニムスフィアの事だった。 - 647アズーロ・ピース22/11/12(土) 21:42:32
マテリアルが更新されました。
時空の魔女
真名∶レイフィアス・アニムスフィア
得意魔術∶天体魔術
属性∶秩序・善(如何なる理由か、現在は混沌・悪)
髪色は銀、眼は赤。何故か今は髪色が藍色だが。
身長/体重∶162cm/51kg
2000年前に存在した魔術師であり、アズーロの幼馴染みその1。才能及び実力はキリシュタリア以上であり、ソロモンの実力に小指をかけるくらいには届きうる程。
ユミナ教室のメンバーでもあり、多分現代の時計塔にいたら絶対に『冠位』の称号を与えられた。
ある一件により、その肉体は人ならざるものへと変質しているが人間時代の記憶もしっかり保有している。
ちなみにレイフィアスの妹がアニムスフィアを継いだ。 - 648二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:07:21
乙です
レイフィアスちゃん強いな
これからアズーロさんどうやって闘うんやろ…… - 649二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 07:07:52
おつ
- 650アズーロ・ピース22/11/13(日) 10:38:36
「……フィア……?」
「えぇ。久しぶりねアズーロ。」
目の前の彼女を凝視する。朗らかな笑みを浮かべるその姿はかつての記憶そのままでーー
「あり得ない……あり得ない……だって、だってお前はあの時、俺が…!!」
殺した筈だ…!!
「そうね。私はあの時に死を選んだ。それが最善だと信じて。けれどどういう訳か私の魂は外なる神に拾われ、今こうして生きているの。」
生きている…?そんな、そんな邪悪な笑みを浮かべているお前を生きているなどと思えるものか…!!
「(落ち着け…!思考を乱すな…今、重要なのは…!)皆、ここから離れろ!」
とりあえず、彼らを逃がすこと…!
「させるとでも?」
しかし、逃げようとした立夏君達を囲むようにモヤが現れる。
一体一体がこれまでのモヤより数段強い。上の下レベルのサーヴァント並か…!?
「アズーロ!こっちはこっちで何とかするからアンタはそっちのことに集中しなさい!!」
モヤ達と相対する青子が声を掛けてくる。言われずとも…!!
「アイ、お前は向こうのサポートを頼む。」
「…分かりました。ご無事に。マスター。」
人の姿に変化したアイが立夏君達の方へと駆けていくのを見届け、改めてフィアと対峙する。
「(特異点の影響による能力の制限は取っ払われている…なら、一切の油断無く全力でかかる!!)」
アズーロが刀を構え、距離を詰める。そのまま横凪ぎに振るうが、それは部分展開された障壁に阻まれる。
そして間髪入れずの掌底がアズーロの腹部を穿つ。
アズーロは吹き飛ばされぬよう刀を地面に突き刺して無理矢理に衝撃を殺すが、レイフィアスの周りに展開された無数の魔法陣から放たれた砲撃が雨の如くアズーロを襲った。 - 651二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 10:52:40
乙です
敵はやはりタタリなのか? - 652アズーロ・ピース22/11/13(日) 11:10:53
- 653アズーロ・ピース22/11/13(日) 17:22:21
「まぁ、この程度で終わらないわよね。」
時間加速(タイムアクセル)でフィアの背後に移動し、刀を振るう。が、これも障壁に阻まれ逆に刀を吹き飛ばされる。
「ッ、チィッ…!」
舌打ちを溢す。が、この距離は好都合だ!
身体強化を限界まで施し、さらにタイムアクセルを使用して動きをワンテンポ早くすることで拳を勢いよくフィアに叩き込んだ。
「ガハッ……!!」
勢いよく吹き飛んだフィアが、口から血を流しつつ岩壁に激突する。
「俺の本領は時間魔術と体術の組み合わせだと忘れていた訳ではないだろう?」
そう、これまで刀による剣技と魔術を併用していたが、俺の本領は魔術と体術の組み合わせによるオールラウンドだ。
だって刀を振るうより、拳叩き込んだ方が早いしな。
「……えぇ、忘れていた訳ではないけれど、死徒になったことで身体能力も向上していたということも視野に入れておくべきだったわ。」
立ち上がったフィアが腹部を撫でながら言う。
あれくらいで倒れる奴ではないと分かっていたが、それはそれで面倒だな…。
「なら、私も本領発揮と行きましょうか。」
フィアが、全身に眠る魔術回路(チャンネル)を開く。
対してこちらも魔術回路を叩き起こし、何が来ても対処出来るように構える。
「ッ!」
先に動いたのはレイフィアスだった。背後に魔法陣を展開、そこから魔力による砲撃を幾度と無く放つ。
だが、その程度はアズーロにとって障害となり得ない。タイムアクセルによる時間流の加速で砲撃をかわすーー
ことはなく、砲撃による僅かな隙を突いて砲撃の雨を掻い潜りながらレイフィアスに接近する。
それには意表を突かれたのかレイフィアスが眼を見開く。
そしてその僅かな隙を見逃さず、アズーロはレイフィアスの腕を掴み引き寄せると、そのまま腹に膝蹴りを浴びせる。
「ぐっ…!!」
しかし、レイフィアスもただでは終わらせず、吹き飛ばされた勢いを利用してアズーロから離れると砲撃を放ち、アズーロを吹き飛ばした。 - 654アズーロ・ピース22/11/13(日) 21:42:52
アズーロとレイフィアス。戦況は互角と言えた。だが、アズーロはある疑問を抱いていた。
(……この程度か?)
この程度…レイフィアスの実力がこの程度とはどうしても思えなかったのだ。
互いの実力は今のところ拮抗している。だが本来のレイフィアスを知るアズーロからすればどうしても違和感を覚えるのだ。かつて、共に師や数人の同胞と共に魔術を研究し、鍛え上げていた時から彼女の才能は一線を画していた。
アズーロの場合、才能が花開くのが遅かっただけではあるが、それでも当時の彼女は抜きん出ていた。それが彼女の凄まじい努力の賜物だったからだ。
それ故に、この程度ではないという思いがアズーロの体を支配していた。
そして、それを示すようにレイフィアスから発せられる圧がまた一段と強くなる。
「ふふふふ。さぁ──宙(ソラ)に輝く星の宴を始めましょう。」
「遍く星を束ね、奇蹟の光をここに。」
一つ一つ、レイフィアスが謳いあげていく。
「秩序は古く、全能は死せり。我は星辰を象りて新たな未来(よあけ)を紡がん。」
「星は循環し、生命は流転する。」
「星の聖樹林(セフィラ・アニムスフィア)。」
瞬間、体が灰になるのではと錯覚する程の熱がアズーロを襲った。 - 655二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 01:15:01
そうだったのか……
ところで現実でも偽物が本物を越えたケースって希にだけどあるよね
虎徹の偽物の刀がオリジナルである虎徹の刀より高評価になったりとか
宝石でも天然物より人工宝石の方が不純物が少なくて綺麗だって言われてるし
- 656二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 08:29:32
エグいな
どうやって勝つんだアズーロさん - 657アズーロ・ピース22/11/14(月) 12:41:31
何が起きたのか。簡単に言えば天体同士の魔力を集束させ、成層圏付近から光の魔術を放っただけにすぎない。
いわゆるカルヴァリア・ガルガリンと同じ原理だ。
「ぐっ…!ごぼっ…!」
タイムアクセルを使用し、なんとか全身灰になることは防いだアズーロだが全身の10分の8が塵となっていた。
吸血鬼の超速再生である程度は復元できているものの真面に戦闘できるとは言い難い状態にあった。
そして、一歩ずつレイフィアスが近付いてくる。
が、ふとレイフィアスが足を止めた。
瞬間、アズーロとレイフィアスの間に様々な魔術が打ち込まれる。
土煙が晴れると、そこには数人の男女がいた。
「ったく、世界ひとつ巻き込んでの痴話喧嘩かぁ?おい。」
少し癖のある金髪に紫眼を持った精悍な顔立ちの青年が呆れるように肩を竦める。
──アイリス・エスカルドス。アズーロの幼馴染みその2であり、アベレージ・ワンであり雷の魔術を得意とする魔術師。
「そう言うな。私としてはこんなノリも懐かしいと思うよ。」
次に、金髪を後ろで一纏めにし、短い杖を持った青年が不敵に笑う。
──スィザムル・クライトン。北欧の魔術及び虚数魔術を扱う魔術師。
「でも、やっぱり緊張感と言うものも大事じゃありませんかぁ?」
次に、腰まである緑髪にエメラルドの瞳を持ったおっとりした雰囲気の女性が朗らかに笑う。
──セラ・エメラルダ。結界魔術と治療魔術に特化した魔術師。
「いやぁ、緊張感はあるんじゃないかな?二人とも真面目なときはとことん真面目だし。」
最後に、金髪を一纏めにし、肩に垂らした碧眼の女性が苦笑しつつもアズーロとレイフィアスを眺める。
──リムナ・ヴィレン。魅了の魔眼を持ち、宝石魔術を最も得意とする魔術師。
なんとか立ち上がったアズーロの肩を、アイリスがポンと叩いた。
「ま、俺らが呼ばれた理由は一つだ。」
彼らが、アズーロの横に並ぶ。
「世界を救いに来た…ってな。」
ここに、ユミナ教室のメンバーが揃った。 - 658二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 18:49:21
乙です
反撃開始なるか? - 659二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 21:25:23
やばいよやばいよ
- 660アズーロ・ピース22/11/14(月) 21:59:54
・ユミナ教室
古代版エルメロイ教室のようなもの。才能ある若者をユミナが直々に親などに交渉して生徒にし、魔術を教えていた。
実力的には全員"冠位"か"色位"に確実に至れる。
中々に癖のある奴らが揃ったものの、バランスもよく、これ以上ない程に楽しい時間を過ごせたとアズーロは考えていた。
時間を操り、武器使うより素手で殴った方が早いと宣ったアズーロ・ピース。
天体魔術を極め、クールぶっていたが内心アズーロ大好きなのがバレバレだったレイフィアス・アニムスフィア。
五大元素と雷を手懐け、天才とバカは紙一重どころか天才とバカが同居してるアイリス・エスカルドス。
北欧の魔術を得意とし、さらに虚数魔術すらも扱えるが時たまマッドな事を発言してくるスィザムル・クライトン。
結界、回復などの後方支援の魔術に特化した癒し系でありながら怒らせると一番怖いセラ・エメラルダ。
魅了の魔眼を持ち宝石魔術を大の得意とする決めるところは決めるが"ちょっと"うっかりなリムナ・ヴィレン。
そんな彼らを纏める偉大な魔法使いであり、超自然的な存在たる魔女ユミナ。
以上、七名がユミナ教室のメンバーである。 - 661二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 22:11:56
言葉で上手く表現出来ないがみんなとにかくスゴそう
- 662二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 01:46:32
北欧の魔術っていうとルーン魔術?
- 663二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 08:24:26
全員が別方向にぶっとんでる
- 664二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 09:48:27
宝石魔術って凛が使ったアレの事かなんて懐かしむ俺ももうトシか……
- 665二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 13:49:23
アイエエエ
- 666二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:33:36
保守
- 667二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 00:43:55
ほし
- 668アズーロ・ピース22/11/16(水) 07:48:47
「どうして、なぜ貴方達が……」
レイフィアスが驚きに眼を見開く。
そう、彼らはサーヴァントでもなければレイフィアスが呼んだゲストでもない。一体どうやって…と考えていると、アズーロが不敵に笑う。
「この特異点の性質を利用しただけさ。夢幻と奇跡。それらはあり得ざるものも呼び出せることが可能なほどに強い性質だ。」
「だからといってどんな手段で……!!」
考えを巡らせていたレイフィアスだったが、弾かれたように遠くを見つめる。
「ッ、あのマスターの英霊召喚ね…!」
「正解!この特異点の性質を利用して擬似的なサーヴァントとして現界したって寸法だ。」
忌々しげに顔を歪めるレイフィアスにアイリスが答える。
「これ以上の問答は不要だろう。…決着をつけるぞ。」
「いいわ…からくりは理解した。ならば、それごと叩き潰すまで…!!」
レイフィアスが自然体となり、アズーロ達もそれぞれ構えを取る。
まず始めに、アズーロとアイリスが飛び出す。近接戦闘においてはこの六人の中でもトップの二人だ。
アズーロが拳を打ち出し、アイリスが雷を纏った蹴りを繰り出す。
しかし、レイフィアスはそれらを部分展開した障壁で的確に防ぐ。
二人の合間を縫うようにリムナの宝石魔術による爆撃、スィザムルのルーン魔術が襲いかかる。
その全てを防ぎきり、レイフィアスはお返しとばかりに天体魔術による砲撃を凪ぎ払うように放つ。が、セラの障壁によって阻まれる。
(互いに千日手か…どこかで流れを変えないとな。)
そう思考しつつ、アズーロは再びレイフィアスに迫る。蹴りを放ち障壁を砕くと、タイムアクセルで動きを倍速にし、拳を繰り出す。そして追撃に踵落としでレイフィアスの体を穿つ。 - 669二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 09:49:21
乙です!
- 670二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 15:22:10
保守
- 671二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 20:28:44
三咲町のラスボスは誰だろ?
- 672二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 00:08:22
27祖の誰かか?
- 673二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 09:22:20
ほし
- 674二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 20:19:19
捕手
- 675二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 21:41:24
ほし
- 676二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 00:26:27
ほしゅ
- 677二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 07:48:17
ほす
- 678二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 11:40:03
ほしゆ
- 679二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 16:42:29
ロアかな
- 680二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 22:21:12
今日はお休み?
- 681二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 07:25:53
捕手
- 682二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 12:36:43
ほし
- 683二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 19:40:53
保守
- 684二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 23:10:11
干す
- 685二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 08:02:28
ほし
- 686アズーロ・ピース22/11/20(日) 12:02:23
「ぐっ…なるほど、ね…」
体を地面に打ち付けたレイフィアスが、何やら納得する素振りを見せながら立ち上がる。
「……まだやるのか。」
「当然よ。」
「フィア、何がお前をそこまで駆り立てるんだ?」
思わずアズーロが尋ねる。
「あら、貴方は気付いているんじゃない?」
「……。」
「聞かなきゃ分かんねぇこともあるだろうが。」
レイフィアスの言葉に黙り込むアズーロに代わって、アイリスが質問する。
「そうだな。本当に私たちの考えていることがお前の思う通りなのか、はっきりさせておきたい。」
「それに、私達の思う通りなら見過ごせる訳ありませんしね~。」
「そうそう。友達が困っていたら助けるべし!ユミナ教室のモットーだしね。」
スィザムル、セラ、リムナも声を掛ける。
「スィザ、セラ、リムナ…。」
「勿論俺もだ。今度こそ、お前を救う。」
例え、俺が死ぬことになっても。
「……変わらないわね、貴方達は。」
レイフィアスが、薄く笑みを浮かべる。
「……それじゃあ、改めて名乗りましょうか。」
「我が名はレイフィアス・アニムスフィア。外なる神、ヨグ=ソトースの巫女なれば!!いざ来たれ、窮極の門よ!!」
「っ、いけない!」
セラが、大急ぎで守護の結界を宿したお守りを全員の元へ渡す。
いつの間にか、レイフィアスの背後には"門"があった。見た目はいたって普通の門だが、そこからおぞましい気配が蠢いていた。
「最終ラウンドってやつか。行こうぜお前ら!」
アイリスの号令と共に、全員が最大限まで力を高めた。 - 687二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 14:41:06
ほし
- 688二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 21:04:58
ヨグ様はやばいぜ……
- 689二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:24:25
乙です
- 690二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 03:14:17
俺もユミナ教室入りたい
- 691二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 07:41:46
ヨグソトースかぁ
- 692二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 15:27:57
穂手
- 693二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 19:04:28
関係ないけど某匿名掲示板の最強スレでは
アザトースより強いんだよねヨグ様 - 694アズーロ・ピース22/11/21(月) 21:35:50
「……いあ いあ んぐああ んんがい・がい いあ いあ んがい ん・やあ ん・やあ しょごぐ ふたぐん いあ いあ い・はあ い・にやあい・にやあ んがあ んんがい わふる ふたぐん よぐ・そとおす。」
まるで聞いたものの正気を削るかのような詠唱がレイフィアスの口から紡がれ、彼女の掌に銀色の粒子が集っていく。
それを聞いたアズーロ達は、直感的に『あれは不味いものだ』と悟り、詠唱を阻むべく動き出す。
……だが、アズーロ達を妨害するように“門”が開き、そこから無数の蛸のような触手がアズーロ達に襲いかかった。
「クソがっ……!!」
触手の対応に全員が追われている内に、レイフィアスの掌の銀色の粒子がまるで鍵のような形を形成する。
「……来たれ、“銀の鍵”。」
そうしてレイフィアスの掌に顕れたのは、銀色を無理矢理鍵の形に押し込めたような物体だった。
其は、門にして鍵。
其は、一にして全なる彼方のもの。
『かの副王』ヨグ=ソトースの力の断片たる鍵が顕現した。 - 695二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 03:07:04
ひえええ
- 696二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 08:08:22
あかん
- 697二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 09:21:58
どうやって勝つのだろうか楽しみ
- 698アズーロ・ピース22/11/22(火) 11:57:42
「そうね、まずは舞台を整えましょうか。」
レイフィアスが鍵を軽く捻る。
すると、先程まで三咲町に居たはずなのに景色がまるで宇宙を思わせる風景へと変わっていた。
「これ、は……一種の固有結界か!?」
辺りを見回したアズーロが驚きのあまり声を上げる。
「それと…貴方達にはご退場願いましょうか。」
「なに、を……!?」
レイフィアスが銀の鍵を振るい、アズーロ以外の全員をこの空間から消失させた。
「元の場所に還しただけよ。あちらもあちらで苦戦しているようだから助けにはなるんじゃない?」
どうやら、特異点に戻したようだ。
「本気で来なさいアズーロ。貴方はまだ全てを出し切ってはいないでしょう?」
見透かすような真っ赤な双眸がアズーロを射抜く。
……確かにアズーロは全力を出していない。“人間”としては全力であったが、“死徒二十七祖”としては全力を出していないのだ。
「……今のお前に何処までやれるのか正直分からない。だがーー」
「手加減する理由も、ないッッ!!!」
そして、アズーロから膨大な魔力が溢れる。
それを見たレイフィアスが歓喜の表情を浮かべる。
「来るのね…いいわ、来なさい…見せて…魅せて…早く…さぁ、さぁさぁさぁさぁ!!!」
大きく息を吸い、吐く。それを繰り返す。そして───
「原理血戒、起動。」 - 699二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 12:19:59
どうなるんや……!?
- 700アズーロ・ピース22/11/22(火) 17:04:56
……気がつくと、不思議な空間にいた。空には沢山の星が広がり、光り輝く月が浮かび、大地には白い花が海のように咲いている。
───この場所を、よく知っている。ここは……
「ーー千年城 ブリュンスタッド。」
何人も侵すことの出来ない、月に照らされた白い都。月の王族が座す絶対の城。
歩を進め、城に入る。何故此処にいるのか。その答えを思い出せぬまま、突き動かされるようにして城を進む。
漸くして、とある場所に辿り着く。
月の光が差し込み、王が座るべき玉座と、下々が頭を垂れる場を幻想的に塗り替えていた。
その玉座に、当然の如く座る影が一つ。
“それ”を、自分はよく知っていた。
真っ赤な怖くて優しい目と、少し長めの黄金に輝く髪。
優雅に足を組み、頬杖を突きながら愉快げな笑みを浮かべている。
傍らには凄まじい神秘を放つ魔剣が一振り、主に控えるようにして白い床に突き刺さっている。
其は、月の王。原初の一。名を───
「……ブリュン、スタッド……。」
「クフフ、久しいな。幼子よ。」
“二つ目”に滅ぼされた筈の、アズーロ・ピースにとっての絶対の恐怖が君臨していた。 - 701二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 17:15:58
ついに来ちゃったよアズーロさん
こいつはどうなるのか読めん - 702二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 21:47:17
やばいぜ
- 703二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 01:44:06
真祖と外なる神ってどっちが強いんだろう
- 704二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 08:59:39
ほーしゅー
- 705アズーロ・ピース22/11/23(水) 12:32:17
「実に1700年振りか?あの頃と変わらず“人間らしい”な。」
「……お前に人間らしいと言われるのも心外だな、侵略者(インベーダー)。」
愉しげな笑みを浮かべる月の王に対し、アズーロは恐怖を押し殺しながら睨み付ける。
「ほう…?……いや、なるほど。祖となったことで我が思惑を察したのか。」
「知りたくもなかったがな。…まぁお前の思惑そのものはゼルレッチ師から聞いていたが。」
「ククク…!なるほど、あの男から聞いたか。」
変わらず愉快げに笑うブリュンスタッドを見て、話が進まないと判断したのかアズーロが問いかける。
「で、なんでお前が此処にいるんだ?此処、俺の精神世界だろ?」
千年城を探索するなかで、アズーロはここが己の精神世界のような場所であると察していた。
「そう急くな。ここと外の時間は違う。ゆっくりと話も出来よう。」
「……はぁ、分かったよ。」
そう言って、いつの間にか用意されていた椅子に腰掛ける。
「さて、何故なら私が此処にいるのかだったか?」
「あぁ。」
「それについては、原因は我が娘だろうよ。」
「娘…?」
「あの失敗作…アルトルージュの事だ。……クフフ、そう睨むでない。」
アルトルージュを失敗作と罵られたことに、アズーロが凄まじい殺気を放ちながらブリュンスタッドを睨む。
その殺気を受けてなお、朱い月は態度を崩さない。
「アルトルージュと貴様の情事の際に、私の情報が貴様の内側に入り込んだのだろうよ。」
「血液を送られた事を情事って言うのやめろや。」
まどろっこしいだろ。 - 706二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 15:05:59
アズーロさんかわいい
- 707二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 20:08:31
コトダマ空間的な場所?
- 708二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 23:59:52
こんなとんでもない奴相手でも物怖じしないアズーロさん凄いぜ
- 709二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 07:27:45
あげ
- 710アズーロ・ピース22/11/24(木) 12:38:45
幕間/ずっと前
とあるお城でお姫さまが生まれました。
黒くて長い髪に真っ赤な目。
遠い昔にいた月の王様の子供が生まれたのです。
真祖達は喜びました。真祖と死徒の力を併せ持った吸血鬼が生まれたこともそうですが、この子では月の王様の素体になり得ないと分かったからです。
真祖達は、お姫さまに様々な知識を与えました。お姫さまもまるでスポンジのように教えられた事を飲み込んでいきます。
けれど、生まれた時からお姫さまの頭の中にはある言葉が聞こえていました。
『お前では駄目だ。お前は失敗作だ。』
そんな声が毎日聞こえます。耳を塞いでも聞こえるので、お姫さまは嫌になってお部屋に引きこもってしまいました。
それに困ったのは真祖達です。まだ教えることは沢山あるのにお姫さまがお部屋から出てこないと教えられません。
困り果てた真祖達は、魔法使いと呼ばれるお爺さんを呼び出しました。
呼ばれた魔法使いは、お姫さまと会話しました。
魔法使いは早速世界のこと、吸血鬼のこと、果ては魔術や魔法のことまで様々なことをお姫さまに教えました。
お姫さまも魔法使いと話すのは楽しいので、熱心に聞きます。でも、お姫さまには不思議なことが一つありました。
「ゼルレッチはどうして笑うの?お城のみんなは笑わないのに。」
その言葉に魔法使いは意地悪そうに「教えてほしいか?」と聞きます。
お姫さまは早く聞きたくて頷きます。
「いいだろう。だが教えるのは儂ではなく他の奴だ。その答えを持っている奴を呼んでこよう。」
少し残念でしたが、魔法使いが約束を破ったことは無いのでしっかりと待つことにしました。
その間、お姫さまは生まれた頃から一緒にいる白いフサフサの毛を待つ大きな動物と戯れます。
魔法使いが去って何度目かの夜、ついに待ち人がやって来ました。 - 711アズーロ・ピース22/11/24(木) 12:40:10
黒猫を肩に乗せたアズーロと名乗った魔術師はお姫さまを見て、“こんなに面白いことがあるとは”と笑いました。
その意味がお姫さまにはさっぱり分かりません。
だから、魔法使いにしたようにどうして笑うのと聞きました。
笑うのは人生が楽しいからだと魔術師は言います。
やっぱりお姫さまには分かりません。
「人間は寿命が短いから楽しむなんて無駄なことをしている暇はないのに、どうしてそんなことをするの?」
その言葉に、魔術師は人生とは無駄を楽しむためにあるのだと答えました。
真祖は無駄なことが出来ません。だからその意味もよく分かりませんでした。
ウンウン唸るお姫さまを見て魔術師はもう一度笑い、お部屋を去っていきました。
そして、去っていく時に言いました。
「いつか君も分かる時が来る。人生とは、こんなにも楽しく美しいものなのだ」と。
お姫さまがその本当の意味を理解したのはずっとずっと後のことでした。 - 712二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 13:37:24
きたきた
- 713二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 15:20:17
想像以上に付き合い深いな…
- 714二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 21:56:19
アズーロさんかわいくて強くて格好よすぎる
- 715二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 07:36:08
ほし
- 716アズーロ・ピース22/11/25(金) 07:40:20
「ともかく、お前が俺の中にいる理由は分かった。…何の用だ。今は一刻を争うぞ。」
「クク…忙しないな。何、私がこうしているのはただの戯れよ。これから貴様の活躍……否、喜劇を楽しませてもらうぞ。」
未だに警戒を怠らないアズーロを見て、愉しげにくつくつと嗤う。
「……貴様が原理血戒を使用したところで外なる巫女に勝てるかは半々だ。それでもか?」
「……分かりきったことだな。勝てる“可能性”があるならそれで十分だ。」
そう、可能性が0でないのならそれを掴み取るまで。可能性こそが己の原理故に。
「ク、ハハハハハハッッ!!成る程、ならば見せてみるがいい!人の可能性をッ!!」
そんな笑い声が響くと同時、意識が浮上する感覚に襲われた。
「原理血戒、起動。全魔術回路、開放。」
アズーロを中心に魔法陣が展開される。
「可能性検索。……矛盾修正、全工程完了。」
瞬間、アズーロから放たれる魔力が一段と強くなった。
「……まさか。」
何をしたのか、あらゆる時空に干渉できるレイフィアスはその行動を理解した。
「まさか、まさか……平行世界の魔術師として完成した自分を引っ張ってきたというの!?」
畏れを抱く。有り得ない、平行世界の干渉は第二魔法か己のような外なる神と繋がった者にしか出来ないはず…。
銀の鍵であれば干渉を防げるだろうが、使いすぎれば副王を起こしかねない。
(銀の鍵は使わずにいるべき、ね…。)
虚空に銀の鍵を仕舞い、改めてアズーロを見る。
予測が正しいのならこれまでの彼とは比較にならないはず。
(けど、たかが原理血戒でそんなことが……?) - 717二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 13:00:00
きたきたきたきた
- 718二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 19:56:51
ほし
- 719二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 22:22:35
リメイク版月姫やってない上に知識が旧作で止まってるから
原理血戒って何かと思って調べたら想像以上にヤバイ代物でビビった - 720二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 01:44:45
これは星5鯖ですわ
- 721二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 10:34:15
ほしゅ
- 722アズーロ・ピース22/11/26(土) 11:03:21
一歩、男が前に出る。ただそれだけなのに思わず後退してしまう。
何かが違う。先程までの彼とは、何かが。
確信というわけではない。漠然とそんな風に思っただけ。
だが、こと直感という分野においてはレイフィアスは己に絶対の自信があった。即ち、今までの彼と同じと思いながら挑めば、敗北を喫するのは確実にこちらだ…!
「っ…!術式(プログラム)、接続(アクセス)!!」
眼前に数個の魔法陣を展開する。己の直感に従い、魔法陣の一つ一つに今までの十倍の魔力を集束する。
先程までとは比較にならないほどの熱が魔法陣に集束していく。
対して、アズーロは歩みを止めることはなく、表情は動かなかった。
「……。」
嘗められているのか、とも考えたがそれはないだろうと思考をカットする。
アズーロの目には侮りが無かった。あるのは波風一つない海のように静かな目。
それだけであるはず。だが、油断はしない。工程の一つ一つに誤りを許さず、確実に消し去るために術式を叩く。
アズーロとレイフィアスの距離が十メートルに縮まった刹那、レイフィアスが準備を終える。
「砲弾(ドロウ)、掃射(ブラスター)!!」
光の大砲が唸りを上げて襲い掛かる。
その数、実に四十。並の魔術師であればこれだけで消し飛び、上級死徒であっても深手を負うほどの魔術。
今までのアズーロであれば即座に顔色を変えタイムアクセルによる回避を取らざるを得なかった。
「…起きろ。」
己に命ずる。その言葉で魔術回路(血液)がキィィィン…と澄んだ音を立てつつ、眠りから覚める。
「なっ…!」
これに驚いたのはレイフィアスだ。ただ魔術回路を起動しただけでここまでの快音を発するなどあり得ない…!
「“焔よ、弾丸となれ。”」
背後に、炎で構成された弾丸が百発近く展開される。
そしてアズーロの号令と共に放たれ、光の大砲を全て砕いた。
単純すぎる魔術。だというのに一発一発の威力が馬鹿にならない。
これこそが、アズーロ・ピースという魔術師の完成形であると物語っていた。 - 723二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 15:47:06
更新着てた!
- 724二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 16:38:36
乙です
このまま押し切れるか? - 725アズーロ・ピース22/11/26(土) 18:11:23
もはや疑う余地などない。以前までのアズーロとは全くの別物。先程も油断していたつもりは無いが心のどこかで侮りがあったのだろうと戒める。
そして、アズーロが大地を駆ける。拳と両足に魔力を集中させながら行く手を阻む魔法陣を蹴り砕き、殴り飛ばしながら一直線に突き進む。
「……っ!!」
レイフィアスは空中にさらに魔法陣を展開、砲撃を放つ。
しかし、それすらアズーロは意に返さない。
アズーロがレイフィアスの目前に迫り、踏み込んで拳を全力で突き出す。
レイフィアスはこれを多重展開した防壁で押し留めようとする。……が、無意味。防壁はまるで障子の和紙のようにごく当たり前に砕けていく。
……されど侮るなかれ。ここにいるのはアズーロと共に生きてきた幼馴染みであり、彼らの中でも抜きん出た才能を誇った魔術師、レイフィアス・アニムスフィア。
この程度、予測できずして何が天才か…!
瞬間、アズーロの足元に魔法陣が出現。そこから光の柱が立ち昇りアズーロは空中にその身を投げ出す。
「ガハッ…!」
思わず、と言ったようにアズーロが呻く。完全に死角からの攻撃。
加えて、空中に投げ出されたアズーロを囲うように魔法陣が展開。そこから無数の砲撃がアズーロを焼き焦がした。
「ぐぁぁぁぁぁっ…!!」
みっともなく地面に体を打ち付ける。星の大海に広がる天体に満ちる魔力。それを利用した砲撃は二十七祖となったアズーロさえも焦がすほどの熱を帯びていた。
油断など許されない。力を開放したとてそう易々と勝てるほど彼女は甘くないとお前は誰よりも理解している筈だ。
(先程砲撃を突破できたのは、牽制の意味があったからか…!)
あぁやはり…だが、負けるわけにはいかない。
『きっと、今はお前が正義の味方なんだろう。』
……知らない、憶えのない記憶が流れてくる。
後ろには横たわったフィア。そして目の前には誰か(悪魔)がいる。
『なら、俺は悪で構わない。たとえこの身が悪であったとしても──』
そう、己を悪と定義して尚──
『──俺は、最後に残った彼女を守る。』
……そう誓ったのだ。 - 726二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 21:48:28
乙です
終わりが近づいてるな
毎度カッコいいぞアズーロさん - 727二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 22:42:59
乙です
本編でも三咲町イベやらないかな - 728二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 02:31:39
おつおつ
- 729二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 07:49:21
ほし
- 730アズーロ・ピース22/11/27(日) 09:53:29
立ち上がり、レイフィアスを見据える。実力は良くて拮抗、どちらかが圧倒するなど有り得ない。
故に、アズーロは切り札を切る。
「“我が最奥を此処に。生命の持つ無限の可能性を示そう。”」
自然体となったアズーロが詠唱を唱え始める。その意図を察したレイフィアスが詠唱を妨害しようと砲撃を放つが──
「遅い。」
“生命よ、可能性を示せ”(アニマ・デュナミス)
次の瞬間、世界は塗り変わっていた。
宇宙のような空は澄み渡る青空に。地面は鏡面のように青空とレイフィアス、アズーロを写し出し、“可能性”を波紋のように広げていた。
ふと、アズーロはある背中を幻視する。
白銀に染まった髪。黒コートをはためかせ、口元に僅かな笑みを浮かべながら己を見ていた。
“───ついてこれるな?”
「……はっ。言ってろ、すぐに追い越してやるさ。」
その背中が誰かは分からない。……いや、本当は誰よりも知っているがそれを思い返すことはしなかった。
「……いくぞフィア。」
右手に愛刀を持ち、自身の出せる最速でレイフィアスに迫った。
レイフィアスは冷静に魔法陣から砲撃を放ち、空中にルーン文字と魔法陣を刻んで防壁を作り出す。さらに手を掲げ、隕石群をも繰り出す。
「古い!」
勢い良く地面を踏みしめる。波紋が広がり、魔法陣と砲撃を文字通り霧散させた。
「なっ…!?」
一瞬の驚愕。が、それこそ命取り。
タイムアクセルを使い、レイフィアスの懐に入り込んだアズーロが刀を振るう。
しかしレイフィアスも瞬きの間に防壁を展開。
急造した為か防壁は破れたものの、斬擊の威力を減衰させ致命傷となることは避けられた。
そして標的を失った隕石が後方で地に落ち、爆発を起こす。
レイフィアスは回路を右腕に集中させ正拳突きを放つ。その隙に後方に跳躍、距離を取る。
対してアズーロも正拳突きを喰らう瞬間に後退していた為か大したダメージにはならず、空中で体勢を整えて着地した。 - 731二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 16:10:51
おお
- 732二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 17:05:11
がんばれ
- 733二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:50:24
アズーロさんすげえぞ
- 734二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 00:24:12
保守
- 735二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 07:53:34
保守
- 736二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 11:18:46
ほし
- 737二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 18:37:02
ほっしゅ
- 738二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 23:45:43
どうやって決着をつけるんだろう
- 739二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 04:20:01
ほし
- 740二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 11:11:29
星
- 741二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 16:08:37
ほしし
- 742アズーロ・ピース22/11/29(火) 20:28:42
距離を取り、睨み合っていた二人だったがレイフィアスが天高く舞い上がる。
そしてこれまでとは比にならないほどの魔力を解放し、その魔力が天体を形作る。
(決着をつけに来たか…!)
ならばと、アズーロは右腕をレイフィアスに向けて差し出すと、抑えるように左手を右腕に添える。
「固有結界集束。術式安定、魔力循環正常。刻印、起動。」
二人を覆っていた固有結界が解除され、その魔力がアズーロに還っていく。
そして右腕を覆うように三つの魔法陣が形成、それらが眼前に移動し、砲台となる。
「砲門、三層確認。回路接続。刻印及び回路の魔力流を固定。」
バチバチ、と青い魔力を散らしつつ、淀みなく術式を叩き込んでいく。
「術式、展開完了。」
アズーロが展開を終えると同時、レイフィアスの頭上に贋作の星が写される。
「これなるは宙(ソラ)の理。諸人よ、星の裁きこそ絶対と知れ!!星落としッッ!!」
鏡像の星が遍く全てを焼き払わんと堕ちる。
「刻印(トリガー)、装填(セット)。極光投射・星穿ち(デュナミス・スターゲイザー)!!」
されど侮るなかれ。
刮目し、覚悟せよ。其はあらゆる可能性を掴み、見定める体現者、無限の可能性──!
地に堕ちる星に向かって極限まで高められた極光が伸びる。
星と極光がぶつかり、凄まじい衝撃波と魔力が吹き荒れ、お互いに相手の技を打ち破らんと全力で維持を続ける。
そして音が消え、色彩が消え──星は、極光に貫かれた。 - 743二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 21:04:01
カッコ良すぎる
両方とも - 744二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 01:24:23
決着が近いな
- 745アズーロ・ピース22/11/30(水) 07:57:35
砕けた星が光の粒子となって辺りに散る。その中で、レイフィアスは落下していく。
己の全てを注ぎ込んだ一撃だった。それを打ち破られてはもう残す手札が無い。
しかしまぁ、悔しさもあるがそれ以上に“それくらいはやってのけるだろう”という確信があった。
そして、飛び上がった彼が黄金の光を纏った刀を構えている。
「絶剣、開放…!」
(あぁ、本当に……)
振り上げられた刀を見て、思わずといったようにほぅ、と息が漏れる。
「事象断絶・無限一刀!!」
(どこまでも、真っ直ぐな……これ以上ない、私の初恋……ね……。)
黄金の光が、巫女を一刀の元に斬り伏せた。
気が付くと、景色は三咲町のものへと戻っていた。
「アズーロ!」
ユミナ教室のメンバーやカルデア、青子と有珠にアイが駆け寄ってくる。
全員かなり消耗しているものの、なんとか勝てたようだ。
「終わった…か?」
「あぁ。」
アイリスの問いに答えつつ、アズーロの目は仰向けに倒れているレイフィアスへと向けられていた。
「……そんなに見つめられても何も無いわよ。」
倒れていたレイフィアスが声を発する。その声はこれ以上無いほどに穏やかなもので、憑き物が落ちたような顔をしていた。
「それは悪い。ちゃんと“斬れているか”疑問だったものでな。」
「どういうことだ?」
含みのある言い方をするアズーロに、全員が首を傾げる。
「フィアの中の繋がりを斬った。それだけだよ。」
要領を得ない言い方ではあったが、レイフィアスの様子からするに彼女を蝕んでいた“ナニか”を絶ち斬ったということだろうと納得する。
「おめでとう。貴方達の勝利よ。これは戦利品。」
そう言って、レイフィアスは立夏にあるものを投げ渡す。それは──
「聖杯!?」
聖杯だった。 - 746二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 08:17:37
聖杯!?
どうなるんや一体 - 747二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 11:34:10
どうする
- 748二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 14:45:42
さてさて
- 749二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 19:39:49
すっかり失念してたわ聖杯
そうか特異点なんだもんやっぱりあるわな - 750二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 19:40:58
そうだった
これFGOとのクロスだったわ - 751二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 23:35:39
念のため保守
- 752二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 23:35:53
保守
- 753二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 07:31:25
ほし
- 754アズーロ・ピース22/12/01(木) 07:53:06
「さすがの私でも、この特異点を維持するのは面倒だったから聖杯を利用させてもらったわ。私が負けたことでこの特異点は意義を失い、リソースとしていた聖杯も回収されたからそろそろ消滅するでしょうね。」
その言葉に呼応するように、景色が光に包まれていく。
「……私もここまでみたい。それじゃあね青子、藤丸君。アズーロさんも。」
そう言い残して、有珠は一足先に退去していった。
「っと。俺らも時間みたいだぜ。」
そして、アイリス達も退去が始まる。
「ありがとな、アイリス、スィザ、セラ、リムナ。」
「良いってことよ。ま、後はお前らに任せるぜ。」
「やれやれ、相変わらず世話を焼かせる…。」
「それでは皆さん。ごきげんよう。」
「今度会ったら力になるよー!」
そう言い残して、四人も退去していった。
レイシフトによりカルデアも退去し、残ったのはアズーロとレイフィアス、青子とアイだけになった。
「……って、私も退去するんでしょ?」
「そうね。と言っても貴女は魔法使いだから退去が遅いみたい……始まったわね。」
話の途中に、青子も光に包まれる。
「タイミング悪っ!まいっか。じゃあね。」
簡潔に言葉を残して、青子も特異点から退去した。
アズーロはレイフィアスの隣に腰を下ろし、空を眺める。
「これからどうするんだ?」
「貴方が契約を絶ち斬ったことで私は巫女ではなくなった。けど、銀の鍵はそのままだから世界でも渡って過ごすわ。」
レイフィアスが銀の鍵を振るい、時空のゲートを開く。
「……たまには、さ。こっちに来いよ。もてなしはするぜ。」
「ふふ、昔も言ってたわねそれ。」
──ありがとう。
そして、レイフィアスはゲートに飛び込んでいった。
アイが黒猫の姿になり、アズーロの肩に乗る。
「そうだな、俺達も帰ろう。」
無限奇跡都市・三咲町 復元 - 755二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 13:19:08
乙でした
長かった闘いよさらば!! - 756二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 14:04:05
おつおつ
- 757二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 17:04:19
乙でしたー
- 758アズーロ・ピース22/12/01(木) 17:47:28
多分、きっと分かる!アズーロ年表!その1
AD∶27年頃 アズーロ・ピース誕生。
35年頃 魔術を広める勢力の主力だったピース家を疎ましく思った朱い月の襲撃に遭い、アズーロを除いたピース家が滅亡。事実上の断絶となる。その一ヶ月後、アズーロがユミナに拾われる。
41年頃 ユミナ教室発足。目的としては優秀な魔術師を育て上げること、死徒への対抗手段を増やすことなどがある。同年、ブリシサン、ゼルレッチと接触。ゼルレッチに時間魔術の基礎を教わる。
50年頃 レイフィアスが外なる神の降臨のための生贄にされる。救出に向かうも間に合わず。アズーロが生贄を主導した人物を惨殺し、同時に精神異常となり、無意識の内に記憶の自己封印を行った。
50~110年頃 この間に初代ユミナ教室のメンバーがアズーロを除いて死去。アズーロは時間魔術の暴走により、肉体の老化、及び腐敗現象が著しく低下する。
アズーロはそれぞれの家の行く末を見守ることとなる。
110~300年頃 死徒狩りを開始。同時に、いずれ迎えるであろう死徒との全面戦争に向けて様々な魔術師と接触を図る。
300年頃 夜の森の都、千年城の戦い勃発。アズーロも参加し、上級、後継者の死徒を倒していった。この戦いでメレム・ソロモンと戦闘になる。
ゼルレッチやユミナ、ブリシサン等の規格外を除けば実質的なリーダー格。 - 759二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 19:38:42
ふむふむ
- 760二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 19:55:11
アズーロさん、これだけでゲーム1本作れちゃうくらい濃密な人生を歩んでいるな
- 761アズーロ・ピース22/12/01(木) 21:33:42
多分、きっと分かる!アズーロ年表!その2
300~400年頃 魔術世界は衰退し、聖堂教会が勢力を強める。アズーロも迫り来る代行者を撃退する日々を送る。クライトン、エメラルダ、ヴィレン家が朱い月との戦争の影響により魔術世界から脱退する。アズーロがユミナと共に彼らの生活に魔術協会、聖堂教会の手が伸びないように細工する。さらに、ヴァン=フェムら二十七祖と交流を持つようになる。
400年頃 ある村で生贄にされた少女と黒猫の遺体を使用し、使い魔を錬成する。名前を『アイ』と名付ける。
490年頃 ゼルレッチに連れられ、千年城を訪れる。そこでアルトルージュと出会い、彼女の生を言祝いだ。
なぜ言祝いだのかと言えば、“どんな存在であっても生まれてきたことに意味がなければ嘘だ”という持論と、彼女を失敗作と断じた朱い月への当てつけが理由。
500年頃 アルトリアと交流し、その死を見届ける。その後時計塔の設立に立ち会い、魔術世界の繁栄を願う。
500~1000年頃 世界中を旅する。エスカルドス、アニムスフィア家にとっての師のような存在となる。
1000年頃に、直死の眼を持つ少女を救い導いた。少女の人生に大きな影響を与える。少女の家系は後に、『両儀』と呼ばれるようになる。
1050年頃 ネロ・カオスの襲撃に遭う。応戦するも、噛まれ死徒化する。本来であれば数日もすればⅧ階悌まで登り詰める筈だったのだが、様々なバグにより夜魔止まりとなる。
死徒化を聞き付けたゼルレッチに連れられ、日光やら流水やらを克服する訓練を施される。通称『悪夢の一ヶ月』。
1100年頃 死徒となった自分を受け入れてくれた住人の九割をトラヴィアータに殺される。殺意のままにトラヴィアータと交戦し、深手を負わせる。
1200年頃 第一の魔法使い、黄昏の森の魔女ユミナ、安らかにその生涯を終える。次代が待たれる。
1400年頃 ユミナの次代、マインスターが誕生。 - 762二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 22:21:19
ネロが親か
しかし、振り返ってみるとスゴい人生やな - 763二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 22:56:36
乙です
メルブラでもアズーロさん使いたくなってきた - 764二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 03:24:08
貫禄あるな
- 765二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 09:32:25
サーヴァント適正はルーラーの他にはセイバーとキャスターだろうな
- 766アズーロ・ピース22/12/02(金) 12:24:33
多分、きっと分かる!アズーロ年表!その3
1400~1900年頃 死徒となったことで彼らと交流を深く持つようになる。ゼルレッチと共に冬木の大聖杯の儀に立ち会う。さらに、遠阪永人の娘を弟子に取る。
これにより英霊召喚、死徒二十七祖を両立させるピースがすべて揃った事となる。フェムのカーサに頻繁に訪れるようになる。
1950年頃 マインスターに手を出したフランチェスカを惨殺、当時の肉体を破棄させる事態に陥らせた。
1968年頃 マインスターと久遠寺の御曹司のささやかな結婚式を見届け、彼らの未来を祝福した。
1985年頃 マインスター、幸福に包まれながら死去。アズーロ、久遠寺家への援助を行う。
1987年頃 蒼崎橙子に連れ回され、レール・ツェッペリンに乗車。橙子とルゥ・ベオウルフがレール・ツェッペリンを破壊するのを傍観する。
1988年頃 蒼崎姉妹の喧嘩、及び第五魔法を確認する。
2004年頃 時計塔でエルメロイ教室のメンバーと出会う。フラット・エスカルドスを見て、千八百年の悲願が果たされたのだと悟った。
さらに、冬木で第三魔法、宝石剣ゼルレッチが再現されたと聞いて椅子から転げ落ちる。
マリスビリー・アニムスフィアと密約を交わし、これに関連してオルガマリー・アニムスフィアの後見人となる。
2005年頃 三咲町で復活したトラヴィアータと交戦、これを打倒する。
2009年頃 スノーフィールドに赴く。目的は盟友ヴァンからの依頼であるジェスターの抹殺、エスカルドス家の大望を見届けること、聖杯戦争というシステムそのものの解体、フランチェスカを完全に滅ぼすこと。 - 767二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 17:41:55
ふーむ、主人公感に溢れた経歴やな
そういえば死徒が主人公の型月作品って何気にこれまで出てないよね
メルブラのシオンはちょっと違うし - 768二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 21:53:26
なかなかに忙しいな
- 769二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 00:28:53
ゲーム3本くらい出来そう
- 770アズーロ・ピース22/12/03(土) 08:32:06
2015年頃 アルトルージュと共にオーベッド・マーシュの計画を阻止。同年、遠野志貴と出会いロアとヴローヴを倒した功績を讃えた。
2017年頃 吸血衝動を抑制出来なくなったアルクェイドの為にアインナッシュを襲撃し、実を志貴に手渡す。
2019年頃 アルズベリの戦い。これによりトラフィム派が壊滅。埋葬機関、及びクロンの大隊も大打撃を喰らう。the・dark・sixの依り代となる。
2020年頃 抑止力により、特異点へ介入。その後レイフィアスにより特異点と化した三咲町へ送られた。 - 771アズーロ・ピース22/12/03(土) 09:08:24
二十七祖から見たアズーロ評
・ゼルレッチ→ 我が弟子。死徒となって尚、その在り方は変わらぬか…
・ORT→ Zzz…Zzz…食材…
・リィゾ→ 姫を護る同士にして友。剣の腕前が上がったか?
・フィナ→ 姫を護る同士にして友。もう少し若ければなぁ…
・アルトルージュ→ 自身の生を認めてくれた人。道を示してくれた、掛け替えのない初恋。
・ネロ・カオス→ 子供。すぐにⅧ階悌まで行くと思ってたのに夜魔止まり…?なんでぇ…?
・プラックモア→ アルトルージュ派に属しているため嫌い。ただ、アルクェイドを認めているところは共感する。
・トラフィム→ 小僧。主に目をかけられておきながらそれを無視した愚か者。
・メレム→ おもしれー男。次に戦う時は1700年前の続きと行こうじゃないか!
・ヴァン=フェム→ 友人。アルトルージュ派は嫌いだが彼は例外。船宴に訪れる常連。アレの始末を頼むよ。
・リタ・ロズィーアン→ 個人的なお気に入り。レール・ツェッペリンや酒池肉林の宴に誘ったこともある。
・アインナッシュ→ 襲撃犯。実を取られた…。
・ヴローヴ→ 原理に苦しむ様を哀れまれた…よくゼリア様の元を訪れていたと記憶している。
・ゼリア→ 少し寒さを和らげようとしてくれた事は感謝している。
・スミレ→ 酒盛りに付き合ってくれる。ただ、お前は酔うと面倒くさいと言われた…そうかなぁ?
・ベ・ゼ→ 対死徒剣術を教え込んだ門弟。かつて魔術師と代行者として死闘を繰り広げた事がある。
・コーバック→ 話に付き合ってくれる良い人。ただ、迷宮から出られなくなったことは呆れられた…助けてー。
・エンハウンス→ 怨敵たる死徒。だが、色々あって殺しはしていない。
・朱い月→ おもしれー男。その生を内側から見届けさせてもらうぞ。 - 772二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 11:52:52
すげえ
- 773二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 15:38:39
確かにⅤ止まりなの疑問だったな
- 774アズーロ・ピース22/12/03(土) 17:27:20
時計塔 最重要機密事項 ピース家について
・ピース家とは
紀元前1500年前より活動する、魔術師の中でも古い家系。
時を司り、時をまつろう家系であった。
それ故に魔術系統も時間であり、時の流れを読み取ったりすることも出来た。
しかし彼らの使う時間魔術は他とは違い、流れを早めることや遅くさせることだけではなく、流れそのものを操ることが出来た……とされている。
いわば物理的に時間を停止させたり、時間旅行すら可能だったのではないか…とするものである。
とはいえ、時間旅行に関しては第二魔法に含まれるのでその可能性は低いが。
彼らの操る時間魔術を鍛え上げればデフォルトで未来視、過去視が可能であったと魔導元帥より語られている。
さらに、歴代のピース家当主は何らかの原因により、この世界の理から半歩ズレた場所に身を置くため今も世界の何処かに歴代当主の意識が存在しているのではないか…とされている。
ーーーこれ以降の項目を閲覧、及び編集できるのはキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ、ブリシサン、ユミナ、アズーロ・ピースのみとする。ーーー
・アズーロ・ピースの時間魔術の暴走による肉体の現象低下について。
これはアズーロの才能が強大過ぎたが故に起きた事故であり、内側に溜め込まれていた時間魔術に消費する魔力が限界を超え、外側に逆流したものである。
アズーロの肉体を検査したところ先代当主であり、アズーロの母親だったクレア・ピースによって大部分の魔力回路が封じられていることが判明。朱い月の襲撃を予見し、朱い月からアズーロを守るための措置であろうと考える。
以後ユリフィスに掛け合い、歴代ピース家当主の意識と話が出来ないか確認し、了承を確認次第アズーロの時間魔術の向上と暴走の抑制を強化するものとする。 - 775二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 19:59:51
神代からの魔術師の家か?
想像以上にグレートな家系だな…… - 776二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 20:09:24
なるへそ
切嗣と同じタイプの魔術を使う家系か - 777アズーロ・ピース22/12/03(土) 22:33:10
幕間/運命は湯水のように
「ここは……」
藤丸立夏は辺りを見回す。
「またレムレムしたのかなぁ…?」
時折、夢を介して別世界に転移することがあるので今回もその類いかと考えたのだ。
「とりあえず、辺りを探索してみよう。」
そう言うと、立夏は宛もなく歩き出した。
「人の気配は無し、かぁ…。」
歩き続けて暫く。人の気配が一つもないことに落胆する。
「それにしても、大きな鳥居だなぁ。」
目の前に聳える巨大な鳥居を見上げる。鳥居の向こうを見れば参道と共に神社も見受けられる。
「折角だから、お参りしてこう。」
そうして参道に足を踏み入れた瞬間──
「………っ?」
空気が、変わった気がした。同時に後ろに気配がして振り替える。
鳥居の前にあった岩に、一人の女性が腰掛けていた。年は二十代前半だろうか。彼女はぼんやりと空を眺めている。
「アズーロ、さん…?」
思わずそう呟いてしまう。
絹糸のように真っ直ぐな腰まである黒髪に、黒の着物と赤い帯。
どこか浮世離れしたような女性は立夏の方を向くと、やがて何かを悟ったかのようにため息を突くと再び空を見上げる。
「……なるほど。本当に、残酷ね。」
その言葉の意味が判らず、首を傾げる。
「……気を付けなさい、藤丸立夏。貴方達の行いで世界を救えたとしても貴方自身が戻れる保証はない。寧ろ、運命に食い潰されてしまうわ。」
淡々と事実のみを伝えるその眼が、どこか立夏を憐れんでいるように見えた。
「“視たいものを視て、聴きたいことを聴いて、触れたいものに触れなさい。それだけで、世界は美しくなる。”私の父が言った言葉よ。今の私に言えるのはそれだけ。」
そう言うと、彼女は立ち上がり神社の拝殿の方へ向かっていく。
「ま、待って…!貴女は一体……」
立夏の声に、彼女は淡い微笑みを浮かべながら口を開く。
「私はラン・ピース。時を司る最後の娘。」 - 778二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 22:36:28
レムレムしたというパワーワード
- 779二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 02:58:28
御先祖様?
- 780二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 09:01:16
もうORTにも勝てそう
- 781アズーロ・ピース22/12/04(日) 11:52:07
・ラン・ピース
剪定世界の住人。武蔵ちゃんのように剪定された世界から弾き出された結果、様々な世界を巡っている。
正体はアズーロとレイフィアスの子供。父親譲りの綺麗な黒髪に母親譲りの顔立ちと赤目を受け継いだ美人。
剪定され、自身に子供が居なかった故に己を“時を司る最後の娘”と名乗っている。……まぁ、旦那はいたが。
父親同様に凄まじいまでの才能を秘めており、アズーロとレイフィアスが指導したことで、この若さで時間魔術を極めることが出来た。
過去視と未来視を備え、さらには相手の因果すら見通せるほどの力が眼に宿っている。
藤丸立夏を呼び込み、これから起こるであろう出来事に対して忠告した。 - 782二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 12:10:35
ああそういう事か
この子もかなり強いな - 783二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 17:12:33
想像したら結構かわいい
- 784二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:54:02
もしかしてヤバそう?
- 785二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 22:42:36
すんげえ性能の魔眼持ちやな
- 786二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 22:42:37
娘かあ
- 787二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 00:26:44
うごごご
- 788二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 09:54:39
ほし
- 789二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 16:02:51
ほし
- 790二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 20:16:21
正史では子供なし?
- 791アズーロ・ピース22/12/05(月) 21:18:45
剪定章、予告ーー
「分からんな、どうも貴様は死角から現れては邪魔をするらしい。」
「……悪い、間に合わなかったよ。」
「お…父、様……?」
「だって…娘だもの…私の、大切な…」
「気持ちが悪い。吐き気がする。──ならば、誰かがその負の連鎖を絶たねばなるまい。」
「なら、俺は悪で構わない。たとえこの身が悪であったとしても──」
「──俺は、最後に残った家族を守る。」
殺して、殺して、殺して殺して殺してコロシテ殺し尽くして。血で染まっていない箇所などない。
全てを失い、ただ殺すのなら、それはただの──
「は、はは…ははは……」
──化物じゃないか。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?!?」 - 792二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 00:24:27
おいおい怖いな
- 793二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 07:44:13
なにがあった?
- 794アズーロ・ピース22/12/06(火) 12:45:45
これはとある閉ざされた世界のお話──
日本のとある街にある屋敷。
辺りには川や木々が屋敷を囲むようにして配置されている。
「……そのお陰で凄く目立っちゃってるんだけどね…。」
屋敷の門の前に佇むどこかの学校の制服を着た少女が、ため息を吐きつつ門を開ける。
そして玄関を開け、靴を脱ぐと廊下を歩きつつ制服を脱ぐ。
「あら、お帰りなさい、“ラン”。」
居間の方から一人の女性が姿を見せる。
スリッパをパタパタとさせ、銀髪を揺らしながら帰ってきた娘に挨拶する。
「ただいまお母様。お父様は帰ってる?」
「いいえ、まだ時計塔よ。もうすぐで帰ってくる──噂をすればね。」
母の言葉に後ろを向くと、ちょうど父が玄関を開けた所だった。
「ただいまー。」
「お帰りなさいアズーロ。」
帰ってきた父に母が笑顔で駆け寄る。もうすぐ四十路の両親だが、魔術で若々しさを保っているのもあってか二十代の新婚夫婦にしか見えない。
……そんな二人の子供である私からすれば堪ったものではないが。まぁ、人前ではこんなことはないのでまだマシかと考えつつ父を労いにいく。
「お帰りなさいお父様。」
「あぁ、ランもただいま。今帰ったとこか?」
「うん。」
なるほどなるほど。と笑顔で頷きつつ、私の頭を撫でる。もうそんな年ではないのに嫌がらない私はファザコンの素質でもあるのだろうか。 - 795二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:10:22
ほわ!?
なんかいきなりヤバげな感じ?
それはそうとこの剪定事象のアズーロさんは日本在住なんやな - 796二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 20:36:34
悲しい話になりそう?
- 797アズーロ・ピース22/12/06(火) 21:45:42
「…時間、掌握開始。」
回路を起動し、時の流れを掴む。
ユラユラ揺れる糸を掴もうとするが、上手く手の中に収まらない。
(あと少し……あと、少し、で……!)
「はいストップ。」
瞬間、埋もれていた意識が急浮上した。
「──っ!はぁ、はぁ、はぁ…!」
体から大量の汗を流して、私は膝を着いた。
「それ以上はお前の体が持たない。今日はここまでだ。」
「お父様…でも…!」
「でもも何もない。この先の人生を棒に振る気か戯け。己の体を第一に考えろ。」
父の厳しい言葉が突き刺さる。
「お前は良くやってる。まだまだ時間はあるんだ。そんなに急ぐことないさ。」
「……うん。」
その日の夜。
「……やっぱり、難しい?」
「何がだ?」
「ランのこと。あの子無茶してるんじゃないの?どっかの誰かさんみたいに。」
レイフィアスの言葉に、アズーロは思わず顔をしかめる。
「ふふふ、ランに昔の貴方の事を話したら信じられないような顔をしてたわよ。」
「…何、人の昔話を掘り下げてるんだよ…。」
呆れつつ、コーヒーに口をつける。
「昔の貴方も良かったけどなぁ?ねぇ、“黒衣の英雄”さん?」
「その名で呼ぶなよぉ……。」
割と真面目に恥ずかしい二つ名なんだが……!
そんな穏やかに話す二人を、どこまでも青く光る月が照らしていた。 - 798二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 21:46:51
キタキタ
ラン=チャンかわいい - 799二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 07:35:18
保守
- 800二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 08:48:27
保守
ひたむきでええこやな - 801二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 15:48:43
武蔵ちゃんみたいにカルデアに来ないかなぁ
- 802アズーロ・ピース22/12/07(水) 18:19:57
剪定事象のキャラ紹介
アズーロ・ピース
1967年生まれ。
イギリスの名門魔術師の一族であるピース家の一人息子として生まれる。
時計塔の封印指定執行者であり、執行局局長として働いている。(ハリ◯タの闇祓いみたいなもの。)
悪事を働く魔術師や封印指定魔術師を倒し続け、黒衣の英雄の二つ名を貰った。
魔術師として完成しているが、正史のアズーロと比べると戦闘能力は劣る。
現在は日本のとある街で暮らしている。
レイフィアス・ピース(アニムスフィア)
1967年生まれ。
マリスビリーの姉として生まれる。19歳の頃にランを授かった。
特に正史と変わった点はなく、外なる神とは一切関係ない。
アズーロと結婚しているため、幸福度は正史より上かも知れない。 - 803二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 19:05:15
ふむふむ
- 804アズーロ・ピース22/12/07(水) 22:19:57
「A部隊、B部隊は遊撃に回れ。C部隊は俺と一緒に来い、元凶の元へ突撃する。」
この日、アズーロ率いる封印指定執行部隊は大規模な魔術師連合を捕らえるべく、ロンドンの地下に集結していた。
黒スーツに同色のネクタイ、黒いローブ姿の“黒衣の英雄”としての姿でアズーロは行き先を睨み付けていた。
「……よし、行けっ!!」
アズーロの号令と共に、十数名の執行部隊が遊撃として突っ込んでいく。
「アズーロだ!!」
「“黒衣の英雄”だ、逃げ──」
アズーロの姿を視認した魔術師達はしかし、逃げることすら出来ずにアズーロの放った魔術の餌食となった。
「やれやれ、手間をかけさせ──ッ!!」
肩を竦めると同時、飛んできた閃光を防ぐ。そしてお返しとばかりに下手人の魔術師を吹っ飛ばした。
闘いは予想以上に呆気なく。執行部隊により鎮圧された魔術師達は時計塔へと引き渡され、裁判へかけられるだろう。
「……しかし、どうもきな臭いな。」
「アズーロさん。」
「ん?…。あぁ、ご苦労。何か分かったか?」
考え込むアズーロの元に一人の魔術師がやって来る。それはアズーロが頼んでいた“あること”を終わらせた為だった。
「いえ。ただ、とんでもない奴が今回の魔術師達を手引きしたとしか…。」
「それでも十分な成果だ。ありがとう、今日は帰っていいぞ。他の皆にもそう言っておいてくれ。」
凹む部下の肩を叩き、笑顔で見送るアズーロ。
しかし胸の内は、これほどまでにこちらに存在を感知させない敵の周到さに対する厄介さに支配されていた。 - 805二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:27:37
黒衣の英雄がこの平行世界での呼び名か?
今度はどんな魔術師が相手なんだろ - 806二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:35:16
乙です
敵は封印指定の魔術師か? - 807二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 00:44:39
アズーロさんは死者の冒涜嫌いだし死徒?
- 808二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 10:25:30
ほし
- 809二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 17:00:32
保守
- 810アズーロ・ピース22/12/08(木) 21:15:28
- 811二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 21:15:29
月姫が1999年だからアズーロさん32歳?
- 812二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 01:32:37
乙です
- 813二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 08:17:59
32
- 814二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 14:25:33
まほよはいい作品だよね
- 815二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:10:00
次はらっきょも読もうぜ
- 816二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 01:23:23
了解です
- 817二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 08:58:58
ほしし
- 818二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 15:54:43
まほよ続報こないかなあ
- 819アズーロ・ピース22/12/10(土) 16:20:46
今日は一段と我が家が賑やかだなと思考する。
いつもは私たち三人しか居ないからか、この広い屋敷はガランとした印象だった。が、今日は父の親友であるアイリス・エスカルドスおじ様とその奥様であるティアラおば様、その娘で私の友人であるエレナも居るのだから騒がしいのも当然である。
「久しぶりラン!元気だった?」
「えぇ、久しぶりねエレナ。」
お互いハイタッチを交わし、言葉をかわす。久しぶりにあった友人は、また一段とお洒落になったようだ。
私達が話す横で、母は紅茶とクッキーを取りにキッチンへと向かい、父はソファに体を沈ませてアイリスおじ様とティアラおば様と話していた。
「ランも久しぶりだな、元気にしてたか?」
と、アイリスおじ様が私に声を掛けてくる。
「はい、アイリスおじ様とティアラおば様もお元気そうで何よりです。」
「ふふふ、相変わらず畏まった喋り方ね。」
ティアラおば様が笑う。う…仕方ないじゃないか。目上には敬意を払うようにねと言われてきたのだから。
「……そういえば、」
お母様が持ってきた紅茶とクッキーにソファに座りながら全員で舌鼓を打っていると、思い出したようにエレナが声を上げる。
「お父さんからアズーロさんとレイフィアスさんは小さい頃から仲が良いと聞いたのですけど、お二人は喧嘩などしたことはあるんですか?」
その内容に二人は顔を見合わせたもののすぐに笑顔になり…
「喧嘩なら良くしたなぁ。」
「えぇ。と言っても子供同士の喧嘩みたいな些細なこと……いえ、昔に一度だけ本気で戦った(殺し合った)事があったわね。」
と、今の両親から考えられない言葉が飛び出してきた。
「えぇウソ!?私、そんなの知らないんだけど!!」
「聞かれなかったし、聞かせる必要も無かったからな。もう終わった事だから態々言う理由も無かったよ。」
そうは言うが、あれだけ街の人たちからおしどり夫婦と言われている二人のガチ喧嘩なんて想像も出来ない。
……いや、お父様が女性に言い寄られているのを見る度にお母様が途轍もないほどの嫉妬にまみれた黒いオーラを放つことはあったが。
「それ、一体どんな内容なんですか!?」
「あぁ。あれは───」 - 820二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 16:23:14
きたきた
- 821二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 21:35:48
喧嘩ねぇ……
- 822二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 01:24:53
保守
取り敢えず幸せそうでよかった - 823二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:17:38
わくわく
- 824二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 13:55:30
保守
- 825アズーロ・ピース22/12/11(日) 14:29:24
あれは、俺達がまだ18歳の頃──
「失礼します。」
「おぉ、来たかアズーロ。」
この日、真新しい黒スーツにネクタイ、ローブを着たアズーロは執行局長に呼ばれて執行部の部屋に来ていた。
(俺以外の執行者達まで……もしかして全員集められてるのか?)
アズーロはぐるりと辺りを見回し、執行局に所属するメンバー全員が集められているのだと気付く。
「さて、今回皆を集めたのは他でもない。とある魔術師の一族が揃って時計塔から離反、宣戦布告を行ってきた。」
局長の言葉にざわめきが広がる。
時計塔に宣戦布告など魔術師としての破滅を意味するも同義だ。しかも一族単位ともなれば、最早その一族は完膚なきまでに滅ぼされるだろう。
「それで、時計塔に宣戦布告した魔術師とは…?」
局員の一人がおずおずと尋ねる。
「……グリンデルア。リューク・グリンデルアだ。」
局長から飛び出た名前に、再度ざわめきが先程よりも強く広がる。
「グリンデルアだって……?」
「あの名門一族がか……?」
「冗談でしょ……」
周りの人間は動揺を隠せずにいる。それもそうだろう、グリンデルア家は時計塔の設立当初からある由緒正しき家系で、グリンデルアの魔術師は最低でも典位以上の階級を持ち、戦闘面にも秀でた魔術師が数多くいる。
中でもリューク・グリンデルアは弱冠20歳で冠位の称号を得て様々な特許を取得した天才であり、“伝承科の秀才”と言われた魔術師なのだ。
「奴等は時計塔に対して宣戦布告を行った後、神秘を外部に漏らすと宣った。」
「……神秘の秘匿を破ろうって訳か……。」
局長の言葉に思わず呟く。
魔術師は神秘の秘匿を絶対とし、それらを目撃された場合は目撃者を殺すという手段を取ってきた。
秘匿されてこその神秘が故に。
「この計画が遂行されてしまえば、我ら魔術師はその力を大きく失う事となる。それだけはなんとしても阻止しなければならない。」
全員が頷く。
「決行は午後に行う。各自、準備を整えておいてくれ。」 - 826二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 14:44:43
ううむ、魔術師達にとって間違いなく貴族と言える家格の者達が単に時計塔から離反するだけにとどまらず、
揃って堂々と宣戦布告し、あまつさえ神秘を漏らす、か
魔術師や魔術協会に恨みや怒りを抱く者が一族を乗っ取ったとか? - 827二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 17:24:03
時計塔創設当初からってことは神代とまではいかずとも相当な家系だよな
- 828二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 21:57:15
ほし
- 829アズーロ・ピース22/12/11(日) 22:00:29
「想定していたよりも早い到着だ。」
イギリスの大都市ロンドン。その中心区にて、時計塔執行部隊とグリンデルア家の大規模な抗争が行われた。
魔術が飛び交い、爆発が起こり、怒声や罵声が辺りに響き渡っていた。
そしてその中で、一際異彩を放つ人物が一人。逆立てたプラチナブロンドの髪に銀色の眼。グレーのチェスターコートに黒のバンツやベストといった英国紳士のような出で立ちのこの男こそ、時計塔に反逆した天才、リューク・グリンデルアだ。
「やぁ、初めましてになるのかな?執行者の諸君。私の名はリューク・グリンデルア。この度、時計塔を離反させて頂いた者だ。」
とても敵対する存在に向けるとは思えないほどに穏やかな声音で語りかけるリューク。
それに薄ら寒い物を感じつつ、アズーロと局長たるテセウス・ウェルファーは回路を起動させ臨戦態勢に入る。
まずは牽制とばかりにアズーロが炎の弾丸を飛ばすが、リュークは自身の眼前に出現させた孔に弾丸を吸収してしまった。
「やはり、情報にあったように奴の得意とする魔術は虚数魔術ですか……。」
「なんだ、怖じ気づいたのか?」
「はは、まさか。この程度で怖がってるようじゃ執行局員なんてやっていけませんって。」
互いに軽口を交わしつつ、アズーロは風で出来た刃を、テセウスはアズーロが飛ばした風の刃のいくつかを置換魔術でリュークの背後に繋げて打ち出す。
が、それらは虚数魔術に吸収され、逆に跳ね返される。
二人は落ち着いて対処し、油断なくリュークを見据える。
「……舞台を整えるとしようか。」
リュークが呟くと、三人を囲うように蒼い炎が出現する。
「これは……!?」
「結界魔術と火の魔術の組み合わせである“悪魔の舞台”(デアボリカ・ステージ)か…!」
炎が揺らめき、二人に襲いかかる。これは結界と同時に敵対者を葬る炎ともなり得るのだ。
「さて。少しばかり君には幻を見て頂こう。」
リュークはそう言うと、アズーロに向けて手を翳す。
それに危険を感じたアズーロが離れようとするが、全身がぐらつくような感覚に襲われ、その場に倒れ込んでしまった。
「アズーロ!?」
テセウスがアズーロに駆け寄ろうとするものの…
「こらこら。余所見は駄目だぞー。」
そう言って、蒼い炎がアズーロを囲ってしまった。 - 830二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 22:01:59
いきなりクライマックスやん…!
- 831二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 01:21:50
エグい能力だな
アズーロさん頑張って! - 832二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 11:58:54
保守
- 833アズーロ・ピース22/12/12(月) 12:42:27
目を覚ますと、俺は何処かの道で横たわっていた。
「ぐっ……一体何、が──」
リュークが俺に手を翳して、それで──
そうして顔を上げて、眼に写ったものが信じられなかった。
人が、四人倒れている。男女二人ずつの俺と同年代だろう人達だ。
「アイリス…スィザ…セラ…リムナ…?」
その顔をよく知っていた。時計塔でよく話す学友達だったから。
そんな彼らが、血を流して倒れている。
四人から溢れた血が、小さな池を形作っている。
「なん、で……四人とも!!」
四人に駆け寄り、治癒魔術を行使する。しかし、血は止まることは無かった。
「なんで……なんでだよ……!!」
瞬間、アイリスの顔がこちらを向き──
「お 前 の せ い だ 。」
景色が変わる。
足元には、血の池。
目の前には、俺の腕に貫かれたダレカ(レイフィアス)が──
「あ、あぁぁ…!ぁぁぁぁぁぁ……!?!?」
恐怖で思わず腕を引き抜き後ずさろうとする。
しかし、俺の意思とは正反対に腕はさらに深く、深くフィアの体に沈み込んでいく。
「何で……!!やめろ、やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろぉぉぉ!!!」
そして、彼女の白く細い腕が自分を貫いている俺の腕を万力のような力で掴み──
「貴 方 の せ い よ 。」
場面が変わり、俺の足元には沢山の死体死体死体死体──
殺して、殺して、殺して殺して殺してコロシテ殺し尽くして。血で染まっていない箇所などない。
全てを失い、ただ殺すのなら、それはただの──
「は、はは…ははは……」
──化物じゃないか。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?!?」
──あぁ、これは俺への罰なのだろう。 - 834二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 13:31:00
うわあああああ
- 835二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 20:13:16
やばい
- 836二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 22:06:16
文章の作り方が奈須きのこ先生に似てて上手いな
- 837二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 01:40:13
幻覚か?
- 838アズーロ・ピース22/12/13(火) 10:08:12
「アズーロ!目を覚ませ!…グッ!」
必死に呼び掛けるテセウスだが、アズーロは一切の反応を示さずリュークを相手にしているのもあってかテセウスに焦りが出始める。
「何、彼には幻を見せているだけだよ。親しい友人達が死ぬ様をね。」
「貴様……!!」
涼やかに語るリュークに怒りを滲ませるテセウス。しかし、戦況はリュークが依然として有利であった。
「テセウス局長!アズーロ!」
そこに他のグリンデルア家を捕縛し、手の空いた数名の局員がやって来るが、炎に阻まれ中に入ることが出来ないでいた。
「この炎、ただの魔術じゃないのか…!?」
「くそっ…中に入れないんじゃ二人の援護すら…!」
一方で幻覚を見せられ、精神が限界を迎えつつあるアズーロ。
頭を抱えて踞るアズーロの周りには、親しい者達の死に様が映像として延々と流れていた。
「もう嫌だ……!何も知りたくない…頼むから、もうやめてくれ……!!」
涙すら流して懇願するアズーロ。身体を支えてくれる誰かの暖かな熱は無く、もはや恐慌状態だった。
──大丈夫よ、貴方は独りじゃないわ。
「……えっ?」
ふわり、と風が舞う。
その風は悪意に晒されていたアズーロを包むようにして覆い、さらには幻覚すら消し去った。
気が付くとアズーロの周りに様々な人物が立っていた。年齢も性別もバラバラ。だが、共通することが一つだけあった。それは──
「今までの、ピース家当主…?」
その呟きに彼らは頷いて応えると、アズーロに優しく触れていく。
そして、その熱が孤独に苛まれていたアズーロを覆っていく。
そして一人の女性がアズーロの両頬を優しく包む。
──I LOVE YOU
「……母、さん……」
そして暗闇に包まれていた空間が、青空が澄み渡る物へと変化した。
歴代の当主達が、アズーロの背を押す。
──まったく、別世界とはいえ世話の焼ける宿主だ。
そんな、アズーロであってアズーロではない声も背を押した。 - 839二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 14:41:36
やっぱり幻覚か……えげつない真似するやつだな
頑張ってアズーロさん! - 840二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 18:11:03
やべえ
展開が全く読めない - 841二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 23:03:13
なんかちょくちょく落ちるな
- 842二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 01:20:05
メンテじゃなさそうだし何だろ
- 843二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 07:43:41
、
- 844アズーロ・ピース22/12/14(水) 10:07:54
「……ぐはっ……」
テセウスが倒れる。決着は着いた。
止めに、魔術を放とうとしたところで──
「……分からんな、どうも君は死角から現れては邪魔をするらしい。」
「そりゃ、止めなきゃ不味いだろ。」
現れたアズーロが魔術を防いでいた。
「アズーロ……」
「ご迷惑をおかけしました、テセウス先輩。しばらく休んでいてください。」
見れば、先輩はボロボロ。一刻も早くここから離す方がいいだろう。
「……すまない。」
申し訳なさそうにして、先輩は置換魔術で炎の外側にいた同僚たちの元へ退避した。
「あのまま幻を見ていれば苦しまずに済んだものを。」
「あれが幸福な幻だって言うなら是非とも頭を診てもらった方がいい。」
瞬間、一際大きなぶつかり合いが起きた──
結果としてアズーロが勝ち、リュークは取り押さえられた。
これでグリンデルア家の野望は潰えるだろう。
「捕らえ続けていられるとでも?」
リュークは笑みを浮かべ、局員に連れられていった。
数日後──
「アズーロ!」
「……あぁ、フィア。どうした?」
時計塔の廊下でアズーロを塞ぐようにレイフィアスが現れる。
「どうしたも何もないわ。貴方、最近私達を避けているでしょう?」
「俺がお前達を?まさか。」
「冗談な筈ないでしょ。明らかに避けられているもの、気付かないとでも思ったかしら?」
「……避けてないよ。もういいか?急いでるんだ。」
話を切り上げ、去ろうとするアズーロの腕を掴み強引に引き寄せる。
「いい加減にして!!貴方がどんな理由で私達を避けてるのかは分からない。でも、理由を聞くことすら許されないの!?」
レイフィアスの眼から涙が零れる。
──あぁ、泣かせたい訳じゃ無かったのに。 - 845二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 11:36:24
ええこや……
- 846二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 16:40:39
この剪定事象でも戦う運命なんだな
- 847二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 19:46:22
幻術とか夢とか使うキャラって見破られるとよく
「このままオレの技にやられてた方が幸せだったぜ」みたいな事云うけど
それを決めるのはお前じゃないしそもそもそんな代物に付き合ってやる義理なんてないよな - 848二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 23:27:50
保守
- 849二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 09:37:58
期待を込めて保守
- 850二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 17:18:26
このアズーロさんはキャスター枠かな
- 851アズーロ・ピース22/12/15(木) 19:59:08
幕間
被験体レポート
被験体001
病院にて拉致。魔術師への対抗手段の模索のためためデータ採取を行う。出産したばかりのためか生命力が急激に低下。
魔力、及び生命エネルギー抽出装置に接続。
データ採取完了後、装置から解放。以降、定期的に抽出装置へ。
魔術師の基本的な耐久確認のため機関銃五丁による乱射を行う。既に肉体の損傷が激しく、テストを中止。抽出装置へ。
開始一週間で髪の脱色を確認。
開始一ヶ月で痛覚神経の麻痺を確認。監視員からの呼び掛けに反応せず虚無化を確認。
以後、新たな被験体が捕獲できるまで生命維持装置に繋げ、データ採取を続行。定期的に抽出装置に繋げる。
【データ作成者により、項目消去済。】
これ以上のデータ採取は不能と判断し、生命維持装置との接続を切断。
実験開始から10年後、死亡を確認。
標本として保存する。
被験体002
001の死亡より一週間後、実験施設にて捕獲。
魔力、及び生命エネルギー抽出装置へ。
実験開始二週間で髪の脱色を確認。
実験開始三ヶ月で虚無化を確認。
装置から解放、ラン・ピース捕獲の為、002を連行、研究員八名を派遣。
ラン(以後003)捕獲後、施設に監禁。
二年後、施設に侵入した要注意人物エミヤシロウと素性不明の何者かが002を解放。
虚無化からの再起を確認。
施設の── - 852アズーロ・ピース22/12/15(木) 19:59:35
被験体003
捕獲後、エネルギー抽出装置へ。
開始四日で髪の脱色を確認。
開始一ヶ月で痛覚神経の麻痺を確認。
これまでにはなかった色覚異常の兆候あり。(僅かに灰色に見えるとのこと。)
装置から解放後、監禁。
002と同様の謎の周波数を確認。さらなるデータ採取の為、装置に接続する期間を増やす。
耐久テストの際、誤って右腕が千切れ欠けるも、魔術による影響か数日で回復。データ採取を続行。
【データ作成者により、項目消去済。】
魔術師との戦闘実験の際、魔術師の特攻により重症。
【データ作成者により、項目消去済。】
数日後、完治した003をさらなるデータ採取の為、抽出装置へ。
【データ作成者により、項目消去済。】
再起した002襲撃による── - 853二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 20:00:16
おいおいどうした
- 854二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 00:06:14
不穏
- 855二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 09:08:35
保守
- 856二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 15:59:49
何だかわからんがコイツはヤバイぜ
- 857二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 22:14:11
教会に捕まえられたとか?
- 858アズーロ・ピース22/12/16(金) 22:24:37
被験体レポートは異なる剪■■象にて行われた魔術師と非魔術師による戦いで、魔術師に勝利する為にとある研究者一団がランを産んだばかりのレイフィアス、レイフィアスを取り戻しに来たアズーロ、そしてランを捕獲して研究材料とした際のレポートです。
ちょこっと裏話をすればリュークとアズーロの戦い。これは結果的に言えば、“リュークの勝利”となります。 - 859二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 22:26:07
なるへそ
- 860二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 01:48:40
いきなりバッドEDかと思ってビビった
- 861二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 10:10:59
保守
- 862アズーロ・ピース22/12/17(土) 12:29:10
「……で、まぁその後に俺とフィアが殺し合って、和解して結婚って流れだな。」
「え、そこ省くの!?」
ランが声を上げる。
「もう夜だしな。見ろ、エレナなんて机に突っ伏して寝てるぞ。」
「えぇ……。」
「さ、今日はもう寝なさい。また明日から魔術の勉強だ。」
「うっ…はーい。」
渋々、と言ったようにランがエレナを担いで宛がわれた部屋に運んでいく。
そのままランも眠るのだろうと考えつつ、紅茶を飲む。
「……で?お前は寝ないのかアイリス?」
既にティアラは寝たぞ。とアイリスに顔を向ける。
序でに言えばフィアも眠っている。俺の横で。
「分かってんだろ。俺の言いたいこと。」
「……最近起きてる執行者襲撃事件、か。」
時計塔にて配られる新聞に、そんな記事が大々的に載っていたなと呟く。
「襲撃されてる奴らの共通点は……」
「グリンデルア家との抗争に参加した奴らか。」
「襲撃にあった奴らは殆どが重症。少ないが死亡した奴もいる。こりゃあ、ただの襲撃事件にしちゃ大事すぎだぜ?」
「こう言いたいのか?グリンデルア家の生き残りが恨んで襲ってるって。けどあの場にいたグリンデルアの奴等は捕縛済み、裁判にかけられて死んだ奴もいれば、まだ冷たい鉄格子の篭に詰められたままの奴もいる。」
「……グリンデルアが全員捕らえられたとは限らねぇんじゃねぇか?たとえば、誰か…それこそリュークのガキンチョが養子に出されてた…とかな。」
アイリスの言葉に思わず目を見開く。
「リュークに子供…?資料にはアイツは結婚もせず、子供も居なかった筈だが…」
「一族揃って時計塔から離反するような奴らだぜ?態々敵に情報を与えるとは思えねぇけどな。それに、野郎の子供なら最低でも17歳。魔術師として頭角を表すなら十分すぎる年齢だ。」
「そう、か……。そうだよな……。」
たとえ極悪人だとしても唯一の父親だ。その父親を失ったとすれば、怒りの矛先は失う原因となった俺達へと向くのは必然だ。
「グリンデルアとの対決は、まだ終わってないって事か……。」
仕事が増えたなぁと、天幕から星空を仰いだ── - 863二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 22:00:47
しゅほ
- 864二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 02:12:01
復讐か
- 865二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 11:07:30
ほほら
- 866アズーロ・ピース22/12/18(日) 11:47:03
それは、蒼い月の夜の事だった。
ぐちゃり、とまるで生肉を踏みしめたような音が響く。
暗く、深い森の奥。そこに二つの影があった。
一つは赤黒い池を作り出して倒れ、一つはそんな影を見下ろしている。
──ぐちゃり、ぐちゃり。
肉を踏む音止まず。
そこには憎悪があった。憤怒があった。狂気があった。悦楽があった。
光を通さぬ深い木々のヴェールが、蒼い月光を落とす。
月光が照らす先には、無惨にも贓物をぶちまけた惨い死体(いれもの)と、そんな空の器を見て狂気的な笑みを浮かべる金髪の女の姿があった。
あぁ、なんて────
酷く哀れな人生か。
窓を見れば、外は一面の銀世界。
娘はこの銀世界の中、苦労して学校に行っているのだろうなと夢想する。
礼園女学院。それが娘の通っている学校の名前だった。
本来は全寮制の学校なのだが、色々あって娘は自宅からの登校を許されているのだ。
そんなことを考えつつも、手元にある本に目を落とす。
暖炉の火がパチパチと音を立てて雰囲気を醸し出してくれているお陰か、とても集中出来るのも素晴らしい。
「面白い?それ。」
ふと、正面から声がかかる。
顔を上げると、最近髪色が銀から黒に変わった妻がニコニコしながらこちらを眺めていた。
「まぁな。殺伐としてるこっちより、この世界の方が夢があっていいと思うよ。」
「そう。」
フィアはそう呟くと紅茶を含む。何故か知らないが、彼女は俺が日常的なことをしていると物凄く満たされて笑顔になるらしい。
「ん~、そうね。今から出掛けない?」
なるほど、デートの誘いとは唐突だな。なんて思った俺は頭が平和ボケしたのだろうか。 - 867二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 12:07:19
きたきた
- 868二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 19:42:11
期待を込めて保守
- 869二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 23:34:23
子煩悩
- 870二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 08:49:27
ほー
- 871二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 14:34:49
どの世界でもアズーロさんは闘う運命なんやな
- 872アズーロ・ピース22/12/19(月) 22:18:15
「なんだかんだ、こうやって二人っきりで出掛けるのも久し振りじゃないか?」
「そうね。大体…六年ぶりくらいかしら?」
銀世界の中をアズーロとレイフィアスが並んで歩く。
クリスマスが近いからか、街のいたるところにイルミネーションが飾り付けられ、普段と違い華やかな雰囲気を見せている。
お互い子育てに明け暮れたことや、アズーロは執行者の、レイフィアスは時計塔講師として多忙な生活が続いた為かこうやって二人っきりで出掛けることなど随分久し振りだった。
「……日本と言えど、馬鹿みたいに寒い時だってあるんだもんなぁ。」
「雪が積もるのはごく一部の地域だけね。まぁ、積もるなら積もったで雪掻きが大変だからそこは楽なのかもしれないわ。」
他愛もない会話をしながら歩く二人を、周りの人は羨ましそうに眺める。
時たまアズーロとレイフィアスのどちらかに下卑た視線を投げる輩がいるので、そう言った奴はどちらかが睨み付けて退散させる。
「そうだな、少しこの喫茶店でお茶でもしよう。」
入店した二人を迎えたのは、外とは違い暖かな空気と、喫茶店らしくコーヒーやら紅茶やらの豊かな香りだった。
「ご注文は如何致しましょう?」
「俺は紅茶で。」
「私も同じものを。」
注文を受けた店員が下がっていくと、それを見届けたアズーロが外を眺める。
「………」
「………」
お互い会話は無い。周りの人の話し声やチクタクチクタクと秒針の刻む音を聴くだけ。
とはいえ、二人にはそれで良かった。意味の無い会話を続けるよりもこうやって静かに過ごしている方が、何倍もお互いを近くで感じられている気がしたからだ。 - 873二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 23:53:29
うらやまC
- 874二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 10:31:24
捕手
- 875二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 17:16:17
ほし
- 876二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 22:02:33
ほし
- 877二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 02:37:02
保守
- 878二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 11:44:45
保守
- 879二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 19:27:40
保守
- 880二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 23:07:22
期待を込めて
- 881二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 08:17:16
、
- 882アズーロ・ピース22/12/22(木) 10:09:49
“執行者の被害甚大!謎の襲撃者は何者なのか?”
“緑色の喋るきのこ!これは一体何なのか!”
“宝石科の二大厄災、またやらかす。”
……今日も時計塔で配られた新聞には執行者の襲撃事件が載っていた。
「とはいえ、尻尾を全く掴めないのも厄介だな。」
あれから捜査範囲を広げて追っているのだが一向に動向を掴めない。あのグリンデルアなら、逃げ切ることも可能なのかもしれないが。
「これ以上被害を増やすわけにもいかない。さてどうするか……」
その時、扉をノックする音が響く。
「失礼します。局長、至急お知らせしたいことが。」
「どうした?」
やって来たのは執行局の中でも突出した戦闘能力を持つチーム、“A部隊”のリーダーだった。
「襲撃者の動向をキャッチしました。現在、執行者十数名で抑えています。」
「ッ、良くやった!部隊を編制次第、すぐに向かえ!」
「はっ!」
「ようやくか……!」
「孤立するな!常に一定の距離を保ちつつ戦え!」
イギリス、郊外のとある深い森で執行者と金髪の女性との激しい攻防が繰り広げられていた。
「邪魔を……するなッッ!!」
少女が薙ぎ払うように放った砲撃が執行者の殆どを吹き飛ばす。
死者こそ出ていないものの、被害は甚大だった。
瞬間、風が鎖のような形となって少女を拘束する。
「くっ……!」
「アズーロ局長!」
「間に合ったか…負傷者は下がれ、まだ戦える奴は用意を整えろ。」
現れたアズーロが指示を飛ばす。
「アズーロ・ピース……!!」
「初めましてだな、襲撃犯のお嬢様?それともこう言った方がいいか、シェフィナ・グリンデルア。」
少女…シェフィナの憎悪に満ちた言葉にも動じずアズーロは声を掛ける。
ここに、因縁の終わりの始まりが告げられようとしていた。 - 883二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 11:09:04
喋るきのこワロタ
- 884二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 16:57:25
- 885二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:30:18
きのこのこ保守
- 886アズーロ・ピース22/12/22(木) 22:39:28
アズーロの魔術協会、聖堂教会に対する認識
・魔術協会
根源を目指すやら、神代最高やら、それぞれの終末に立ち向かうやら沢山の思惑が入り交じった場所。
アトラス院と彷徨海はよく知らないが、時計塔に関してはホルマリン漬けはどうかと思う…後、最近は権力やら何やらで腐敗し始めているのでせめて自分に被害が及ばない所でやってほしいと思う。
・聖堂教会
かつて敵対関係にあった組織。死徒になったばかりの頃は、襲ってくる代行者が数倍増えたので直接本部に乗り込み、襲撃の数を減らせと直談判した。
今は協力関係を敷いている。たまに正義感に燃える若手の代行者が襲ってくるが全員返り討ちにし、戦闘のアドバイスを行うといったことをしている。
埋葬機関?あぁ、化物連中ね。
ナルバレックは戦闘狂というか拷問が趣味なので、くたばってほしい。シエルはいい子。
キアラ・キッショウイン、やめろこっち来んな寄るなやめろやめろ!! - 887二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:57:08
生かして帰すだけでなく指導までしてるのか……
- 888二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 10:17:28
アズーロさんマジ聖人
- 889二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 20:48:13
保守、
- 890アズーロ・ピース22/12/23(金) 22:18:37
アズーロの“永遠”や恒久的世界平和に対するスタンス
永遠を求めることは否定せず、その為の行いを糾弾することはない。しかしロアの“転生”だけは別。何でって?
だって永遠を求めてるくせに、その方法が死を前提とした転生なんて論外だろ。永遠を果たすのならそれは完璧でなくてはならない。
アズーロは別に永遠を求めていない。どんな存在にも終わりがある。終わりの無い生命などいずれ破綻すると知っているからだ。
世界平和についても同じ。だが、たった一人で救えてしまう世界など矛盾している。
平和は、必ず何かの犠牲の上で成り立つモノ。何の犠牲もなく平和を成せるのならそれほどまでに喜ばしいことは無いだろうが、そんなものは絶対に無い。
多くの犠牲の果てに掴み取った小さな平和こそをアズーロは是とする。
が、それを理解してなおアズーロは世界を救わんと足掻いた者たちの想いを否定しない。
多くの犠牲の上に成り立つ平和だとしても、それまでに積み重ねられてきた想いは間違いではないと信じているからだ。 - 891二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 02:16:58
深いな
ジャンヌ=チャンとも気が合いそうやね - 892二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 11:47:39
格好良すぎや
- 893二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 16:05:23
永遠の平和をもたらそうとした者の志そのものまでは否定しないわけか
- 894アズーロ・ピース22/12/24(土) 18:30:17
閃光が弾ける。
薄暗い森を火花が照らすが、それも一瞬。
身体強化を施したシェフィナが突っ込むがそこにアズーロの姿はない。
何処に──と思考した刹那、真横からの衝撃で地面を転がる。
すぐさま起き上がり、衝撃の発生地点を見やる。
そこには足を振り抜いたアズーロが居た。
「こ、の……!いつまでも私を侮辱して…!!」
「侮辱しているつもりはない。ただ惨めに思っているだけだ。」
怒りで顔を歪めるシェフィナをアズーロは冷たい眼差しで見つめる。
「来い、小娘。相手をしてやる。」
それは、本来のアズーロでは考えられないほどに相手を見下した言動だった。
───アズーロがここまでシェフィナを見下すのには理由がある。
元々、彼女の秘める潜在能力はアズーロ程かそれ以上。であれば、冷静さを失わせ短期決戦を望むのがベストと判断した。
“長引かせて相手が開花させでもしたら余計に被害が広がる……悪いが、直ぐに終わらせる!”
思惑通り、激昂したシェフィナが襲いかかってくる。
今度は搦め手を使い、真正面からの攻撃と不意をついた左方向からの攻撃。
左方向からの攻撃に関してはアズーロは知覚出来ていない。
これが決まり次第、一気に畳み掛けて地面に頭を這いつくばらせてやる。
そんなことを考えていたシェフィナだったが──
「甘いな。」
アズーロの目が妖しく光ったかと思うと、不意打ちの攻撃すら対処した。
“ーーーッ!?”
これに動揺したシェフィナだが、直ぐ様切り替えて攻撃を続ける。
自身の持ちうる最速でアズーロに迫り、その心臓に刃を突き立てようと──
「学ばん奴だ。」
アズーロの掌に球状の魔力で構成された塊が出来る。そして──
「──“明けの明星”。」
カウンターの如く、その星がシェフィナに炸裂した。 - 895二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 22:50:11
めっちゃキレてる?
- 896二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 23:39:00
キレてないっすよ
- 897二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 02:46:06
明けの明星ってルシファー?
- 898二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 12:08:33
保守
- 899アズーロ・ピース22/12/25(日) 17:23:16
“フィアが得意としてた明けの明星、何とか形になったな。”
倒れ伏すシェフィナを見て、アズーロはそう思考する。
明けの明星はレイフィアスが得意とする魔術で、魔力を球状に変化させ、カウンターの要領で相手に叩き込む魔術だ。
レイフィアスにこの魔術を教わり、中々に手こずったものの、アズーロはそれを物にしていた。
「ぐっ……ごほっ……!!」
痛みに踞るシェフィナを局員達が取り押さえる。
「多くの執行者を殺した罪は重すぎる。恐らく、残りの一生を暗い鉄格子の中で過ごすことになるだろうな。」
「嫌…嫌…!嫌だ嫌だ!!父さん……お父さん……!!」
涙を溢し、恐慌一歩手前の状態に陥っているシェフィナを局員達が連行していく。
「……やるせないな。」
その姿を見て、思わず天を仰ぐ。
───ただ彼女は愛が欲しかった。
どれ程多くの魔力を得ていても、ただ──もう会えない父親からの愛が、欲しかったのだ。
子が親からの愛を求めるのは当然だ。親は子に愛情を注ぎ、子は貰った愛情を糧に成長し、いつの日かその愛を親へ返すのだ。
だが、シェフィナにはそれが無かった。親からの愛を知らずに育った娘は愛に飢えた。
返すべき愛を知らぬ少女は、愛を知るために父親を求めた。
あぁ、それはなんて虚しいのだろうか。
愛を知らぬ娘。ただ1つの愛に拘った哀しき娘。違う未来であれば──いずれ剪定される閉ざされた未来でなければ愛を受け取れたのではないかと、そう思うのだ。
これ以上の世界の存続は不可能と判断。剪定し、正史となるべき世界の判別を続行。お疲れ様、もうすぐ消える愛しき子らよ。
霊長と世界の抑止力より、最後のさよならを。 - 900二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 20:16:03
せつない
- 901アズーロ・ピース22/12/25(日) 23:33:11
最終章、開幕
「行くぞ、黒騎士ーー!!」
「来るがいい、遠野志貴!!」
「人理の否定者となってなお人を信じ、護り抜く貴方に敬意を、アズーロ・ピース。埋葬機関 第七位シエル。ここで貴方の旅路に幕を引きましょう。」
「……『城』、『剣』、『実り』。最初から飛ばしてくるな。いいだろう。死徒を束ねる者として、なにより今を生きる人間の先達として!我が生を刻み付けようーー!!」
「さて…少しは頭が冷えたかしらアルク?」
「えぇ。でも、それはお互い様でしょ姉さん?」
「──何だ。結局、それだけのことじゃないか。」
俺が意地を貼る理由など、一つしか無いと言うのに。
「やれやれ、お互いにボロボロだな。」
「そうね……。」
長い月の夜が終わる。
最終章 『the moon Lite fate』
「ーーーあぁ。月が綺麗よ、アズーロ。」 - 902二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 00:17:37
期待
- 903二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 08:58:33
保守
- 904二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 16:14:24
ついにクライマックスか
そういえばこのスレが安価系で一番長寿なんだよね - 905アズーロ・ピース22/12/26(月) 21:22:20
「……いよいよか。」
空を見上げる。約束の刻は近い。アルトとアルクェイド。“一”を決めるための決闘が行われる。
「アルクェイドと共に来るとすれば、志貴君とシエルか。」
多分、志貴君の相手はリィゾが務めるだろう。あの二人にはアルズベリで何かしらの因縁が出来た。なら、それを邪魔するのは無粋か。
「となると、俺の相手はシエルか……。」
中々に面倒な相手だと思う。シエルは偶然もあったとはいえアルクェイドの器を破壊し、光体を顕現させたことがある。舐めてかかれば狩られるのはこちらだろう。
「………妙に古傷が痛む。何かあったか?」
腹部を撫でる。かつて“どうしようもない絶望”と相対した際に負った傷。五体満足なだけマシなのだろうが、体が再生してなおこの傷が癒えることは無かった。
「こことは別の枝で目覚めたのか。奴め、せめて後三千年は寝ていればいいものを。」
てか寝ててくれ。世界と俺の安全のために。
「あらアズーロ。星見はもういいの?」
「あぁ、十分楽しんださ。それに、もうすぐで刻が来る。ゆっくりしてられないさ。」
「……それもそうね。」
玉座に腰掛けるアルトルージュが頬杖を突きつつ、月を見上げる。
「……私とあの子、どちらが勝つのかしらね。」
アズーロがその呟きに答えることは無かった。 - 906二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 21:23:26
どきどきわくわく
- 907二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 22:47:42
カラダニキヲツケテネ!!
- 908二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 03:08:16
文章が全体的にきのこっぽくていいなw
- 909二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 11:41:15
ほし
- 910二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 21:35:09
ほほ
- 911二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 03:04:32
期待を込めて
- 912二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 07:57:34
、、
- 913二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 16:52:30
ほし
- 914アズーロ・ピース22/12/28(水) 21:56:16
月光を蓄えた白い花園(じゅうたん)に佇む六つの影。
リィゾ=バール・シュトラウト。真性悪魔ニアダークを携え、黒騎士の異名を与えられた二十七祖第六位。
シエル。埋葬機関第七位にして、二十七祖を三体討伐した実績を持つ代行者。
遠野志貴。直死の魔眼を持ち、退魔組織“七夜”の最後の生き残り。
アルトルージュ・ブリュンスタッド。二十七祖第九位であり、“原初の一”を名乗る資格を与えられている真祖と死徒の混血。
アルクェイド・ブリュンスタッド。最後の真祖であり、アルトルージュ徒同じく“原初の一”を名乗る資格を与えられた少女。
そして、アズーロ・ピース。二十七祖第一位。“闇色の六王権”をその身に宿した死徒を束ねし王。
「……この場に来たということは、覚悟は出来たということかしら?」
一歩前に出たアルトルージュが語る。
「えぇ。私も貴女とは決着を着けておきたいと思ったもの。」
アルクェイドが答え、互いに凄まじい覇気を放つ。
「俺の目的はただ一つ。」
そう言って、リィゾが志貴に魔剣の切っ先を向ける。
「貴様と決着を着けたい、遠野志貴。」
「……あぁ。俺も…お前とはけじめをつけなきゃいけないからな。」
志貴も応えるように“七つ夜”と彫られた短刀を右手に持ち、構える。
「……出し惜しみはしません。人理の否定者となってなお人を信じ、護り抜く貴方に敬意を、アズーロ・ピース。埋葬機関 第七位シエル。ここで貴方の旅路に幕を引きましょう。」
「……『城』、『剣』、『実り』。最初から飛ばしてくるな。いいだろう。死徒を束ねる者として、なにより今を生きる人間の先達として!我が生を刻み付けようーー!!」
シエルとアズーロも覇気を放つ。
「いくぞ、黒騎士ーーー!!」
「来い、遠野志貴!!」
その言葉と共にリィゾと志貴、アズーロとシエルの戦いが始まった。
「さぁ、久しぶりの姉妹喧嘩としましょう、アルク。」
「…いいわ。その顔、苦痛で歪ませてあげる!!」
“原初の一”を決める決闘も、同時に幕を上げた。 - 915二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 22:37:02
わくわく
さてさて - 916二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 08:40:45
がんば
- 917二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 10:36:32
保守
ついにここまで来たか - 918アズーロ・ピース22/12/29(木) 13:20:53
黒鍵と刀が火花を散らして交差する。
投擲された黒鍵を指の間で挟んで掴み、投げ返して他の黒鍵とぶつけ合わせる。
その間を縫うように“焼死”による銃弾が雨霰のように降り注ぐ。
刀でそれら全てを斬り払い、手を翳して黒炎を発生させる。
黒炎は蛇のようにうねりながら、対象を焼き付くさんとシエルに迫る。
ーーーバチッ、という音が耳に届いた瞬間、アズーロはその場から跳躍した。
凄まじいまでの閃光と爆発。同時に黒炎も消滅した。
“数秘文による雷霆……やれやれ、あのクソ蛇が。面倒なものを残してくれる……”
今は亡きロアに対して愚痴を溢しつつ、油断なくシエルを見据えていると辺りが遮断されたような感覚に陥る。
「むっ。これは…クロムクレイの原理を使用した結界か。いつの間に……。」
辺りを見回して原因を看破する。大方先ほど打ち落とした黒鍵を利用したのだろう。
「喰らうのは初めてだが…成る程、外界との遮断だけでなく空間歪曲の能力も有しているのか。」
分析しつつ刀に魔力を込める。大人しく閉じ込められてやる気もないので、とっとと脱出しようと考えてのことだ。
極大の斬擊を放ち結界を粉々にする。シエルは俺が直ぐ様抜け出してきたことに驚きを隠せないようだ。
「本物ならいざ知らず、劣化したものならある程度の力で壊せる。侮ったかシエル?」
「あまり意味を為さないだろうと思ってはいましたが、こうも早く抜け出てくるとは少々予想外です。」
「考えが甘い。意味を為さないと感じたのなら対策を立てておくべきだろう。」
そこら辺の認識が少し甘い妹弟子に灸を据えるべく、高速移動で接近し刀を振るう。
ある程度は黒鍵に妨害されるも、浅い傷を残す。
「ッ…!“出血死”!」
鋭い痛みに顔をしかめつつ、蛇腹剣に姿を変えた第七聖典が魔力を乗せて敵を引き裂かんとうねる。 - 919二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 18:02:23
どっちも頑張れ
- 920二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 00:08:48
転生かっこわるい、のアレか
うーむ懐かしい - 921二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 02:20:04
保守
- 922二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 10:28:37
相撲 闘い
- 923アズーロ・ピース22/12/30(金) 14:49:03
「ぬんッッ!!!」
烈迫の気合いと共に魔剣が振るわれる。
身体を捻り、回避するものの浅くない切り傷が出来る。
返しに死の線をなぞろうとするものの、余りに線が薄く、意味を為さない。
“確か、シエル先輩が言うには黒騎士は時の呪いを持っているから不死なんだっけ?だから線も異常なまでに見にくい。”
それでも、薄くと言えど見えるだけマシだろうか。
「勝算は奴の“点”を突くことか。」
距離を取って奴の動きを注視しつつ、策を練る。
隙を作り、そこで点を突く。それこそがこちらに提示された勝ち筋だ。
「……やはり一筋縄ではいかんか。」
人間とは思えぬほどの体術に直死の魔眼。数々の死徒を葬ってきた実力は確かで、決して侮れる相手ではない。
────だが、こちらにも祖としての意地がある。
「そう易々と終わらせられるとは思わんことだ、遠野志貴よ。」
短刀と魔剣がぶつかる。
刹那、押される勢いを利用して志貴が後方に背を倒し、勢いに乗せてリィゾの顎を蹴り上げた。
とはいえ、リィゾも只では食らわず志貴の顔面を全力で殴打した。
「ぐっ……」
「があっ!!」
リィゾは軽くよろめく程度。志貴は数十mは吹っ飛ばされる。
直死の魔眼があるとはいえ志貴は只の人間。
さらに、己の肉体スペックを最大限に利用出来る遮蔽物などがここにはない。
白い花園と月の王城が佇むのみ。
だとしても、志貴に撤退の二文字はない。
愛した彼女のために、負けることは決して許されないのだから。 - 924二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 16:27:08
きたきたきたきた
- 925二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 23:25:23
星
- 926二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 23:28:34
乙です
ネロカオスに最初は死の線が見えなかったのと同じ感じか? - 927二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 01:48:29
あにまんで野生のきのこを見た
- 928アズーロ・ピース22/12/31(土) 10:15:46
「ふっ…!」
「はぁッ!」
爪による斬擊がぶつかり、空間が揺れる。お互いに“星の頭脳体”としての力は全くの互角。
だが、安定して力を発揮できるアルクェイドと違い、アルトルージュは出力が不安定だ。
無論全力の状態であればアルクェイドに劣らない力を持っている。
さらに言えば、アルクェイドは吸血衝動の抑制の為に全体の七割の力を割いている。
現在は互角だが、徐々にアルトルージュが優勢となるであろうことは明白だった。
“…まぁ、私はアルクほど直接戦闘に向いていないのだけれどね。”
アルトルージュが独白する。
そう、アルトルージュはアルクェイドと比べて素の戦闘能力は劣る。では何故“星の頭脳体”として互角でいられるのか。
簡単に言えばアルトルージュが得意とするのは“事象への干渉能力”である。
神霊の持つ権能など、そう言った概念へ働きかける力こそがアルトルージュの専門分野と言えた。
そして、朱い月がアルトルージュを失敗作と蔑んだのもこれに起因する。
いくら概念干渉が優れていようと、戦闘能力が己の求める基準値を越えていなければ意味がない。
個人ではなく空間そのものに働きかける力は確かに強力だが、戦闘能力が低く、安定して力を出力出来ないのであれば己の後継者とは言えないからだ。
各方面それぞれが安定した数値を持つアルクェイドと、一つの分野に特化したアルトルージュ。どちらを取るかと言えば安定した前者を選ぶだろう。
「…まぁ、今更そんなことはどうでも───?」
ふと、眼前の妹の動きが変化する。
何かを抑えるように動きが緩慢になっていた。
「なるほど、そういうこと。」
アルクェイドの状態を見抜いたアルトルージュはその瞳を黄金に変化させ、奥底の力を解き放つ。
それに呼応するように、アズーロとリィゾからも同質の力が溢れ出す。
相対していたシエルと志貴が警戒するように身構える。
───さぁ、しかと眼に焼き付けるがいい。
此なるは地上に堕ちた深紅の染み。
月の王が遺した足跡にして、星を塗り潰す禁忌。
名をーーー
「「「原理血戒<イデアブラッド>、起動」」」
- 929二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 14:06:39
乙です
ついに切り札を切ったか - 930二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 20:13:54
今北産業
- 931二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 03:25:38
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- 932二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 12:11:16
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- 933アズーロ・ピース23/01/01(日) 16:36:20
それは、言うなれば蹂躙だった。
原理を三つ保持しているシエルはともかく、直死の眼しか持たない志貴はリィゾにとって赤子のようなものだった。
───されど侮れるなかれ。遠野志貴を。生死の境に立ち、死を捉えた死神(ニンゲン)を。
「おおおおおおおッッッ!!!」
胸の奥からせりあがる衝動を声として吐き出し、ただ駆ける。
───あのバカ女の為?世界のため?否。確かに両方とも大事な思いではある。だが、今俺の胸を支配する想いはただ一つ。
俺はコイツを、この化け物(ライバル)をーー
───殺す……ッ!!
視界には奴が魔剣を振り上げる姿が、コンマ0秒後の死が視えている。
心臓が早鐘を打つ。迫り来る死に怯えている。
───だが、それがどうした。
迫り来る死は奴も同じ。俺にも奴の心臓が視えている、条件は対等だ。
短刀と魔剣では射程が違う。
死を与えるのは向こうの方が早いだろう。
だからこそ、脚に今までの最速を超えろと訴える。
まだ死にたくないのなら、生きていたいなら限界を超えろと叫ぶ。
距離にして二メートル。お互いの目と鼻の先。
騎士が魔剣を振り下ろす。青年が短刀を突き出す。
果たして世界は、青年に微笑んだ。
突き立てられた刃。全身のあらゆる力が抜けるような感覚。
“あぁ、ここまでか。”
騎士は空を見上げる。雲一つなき漆黒の帳、白く輝き月。
「ーーなるほど、存外俺の最期は美しいものだったらしい。」
ドサリ、と体が崩れる。
───申し訳ありません姫様、そして我が友よ。先に逝かせていただきます。
───フィナと向こうで二人のこれからを見守っております。
いつも共にいた三人を思い浮かべながら、リィゾ=バール・シュトラウトはその永き生を終えた。
とても、とても幸福そうな顔を浮かべながら。 - 934二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 16:37:56
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- 935二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 22:13:29
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- 936二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 10:12:17
ほ
- 937アズーロ・ピース23/01/02(月) 10:31:04
“そうか…逝ったのか、リィゾ。”
遠くで一つの巨大な力が消滅したことを感じ取り、向こうの勝敗がついたのだと悟った。
「どうやら、遠野君が勝ったようですね。」
「そうみたいだな。」
俺の反応が意外だったのかシエルが目を見開く。
「…驚きました、貴方はそこまで薄情でしたか?貴方なら真っ先に遠野君を狙うだろうと思いましたが。」
「…アイツは満足して逝ったんだ。ならそれに水を指す理由も無いだろ?」
一つの戦いが終わりを迎えた。そこに横槍を入れるなど無粋極まりない。
「とはいえ……」
砕けた愛刀を鞘に納める。これ以上使えばホントにコイツとはおさらばになりそうだ。
右手を掲げる。遠くから飛来した何かが掌に収まる。
ずっしりとした重みを感じさせるソレは、担い手の想いを受け取ったのか、掌に収まって尚抵抗することは無かった。
“ありがとな、リィゾ。少し借りるぞ。”
魔剣をシエルに向ける。
「友の想いを継ぐくらいはやらせてもらうさ。」
「うっ…くぅ……!!」
「動きが鈍くなったんじゃないアルク!!」
「うる……さいっ……!!」
先程とは打って変わり、アルクェイドが防戦一方となっていた。
楽しげに嗤う黒と苦しげに呻く白。
もはや、天秤は黒に傾いていた。
「それじゃ、これで幕を下ろしましょうか。」
───頭上の月が黒く染まる。
「あらゆる事象は須く頭を垂れよ。我は血と契約の支配者。呑み、堕とし、支配する者。」
「黒き月より溢れし血よ。総てに救いを、総てに偽りなき呪いあれ。」
黒き月から溢れた血が泥のようにアルクェイドを呑み込み、凝縮していく。そして──
「罪火は此処に。“月蝕みし災厄の世”(ムーン・イロウド・ディザスター)。」 - 938二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 13:13:19
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- 939二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 19:12:14
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- 940二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 00:26:02
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- 941二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 03:02:00
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- 942二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 10:27:34
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- 943アズーロ・ピース23/01/03(火) 10:47:49
アルクェイドが大地に伏す。身体は夥しい血で溢れ、勝敗は明らかだった。
「アルクェイド!!」
そんな二人の元に志貴とシエル、アズーロがやって来る。
「……これは、もはや第九位の勝利と認めるしか……」
「………。」
驚愕するシエルと呆然とする志貴の横で、アズーロは何かを警戒するようにアルクェイドを見つめていた。
数瞬の沈黙の後、アルクェイドから膨大な魔力が溢れ出す。
「これはまさか、光体化……!?」
その現象を、シエルはかつて目撃した光体化なのではないかと述べるがーー
「いや、出るものが出てきただけだ。」
アズーロはそれを否定し、アルトルージュの横に移動する。
「最悪、俺達が死ぬことも視野に入れるぞ。」
「…分かってるわ。」
臨戦態勢を取りつつ、アズーロとアルトルージュはアルクェイドを見つめる。
───さぁ、頭を垂れよ。
一つの側面なれど、それは確かに原初の一なれば。
「ふむ、器を砕かれた故姿を晒したが……成る程。良い、良いな。」
アルクェイドが威厳のある口調で話す。
服装は荘厳な白いドレスに、アルトルージュに奪われた筈の髪は長髪に戻っている。
そして何より、アルクェイドから発せられる圧が段違いだった。
「……貴様らはどれだけ私を楽しませてくれる?」
月姫が嗤う。
「もはや、それぞれで戦いを続けている余裕はありませんね。」
「当然よ。アレが出てきたのなら、ここからは何時死んでも可笑しくないわ。」
「アズーロさん、アルクェイドは……」
「もう一つの側面が出てきただけだ。姫君そのものが失くなった訳じゃない。だが、奴を止められなければ俺達に、この星に未来はないだろう。」
四人が並ぶ。
「ーーー宵の宴だ。参るがよい。」
姫が歓迎するように、両腕を広げた。 - 944二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 17:23:34
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- 945二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 18:36:52
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- 946二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 00:27:43
保守
- 947二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 03:24:56
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- 948二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 09:02:11
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- 949二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 16:20:38
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- 950二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 18:48:09
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- 951アズーロ・ピース23/01/04(水) 21:10:10
まず、アズーロが凄まじいスピードで接近し膝蹴りを繰り出す……が、見えない壁のようなものに阻まれる。
阻まれたと悟ったアズーロは直ぐ様後退し、体勢を立て直そうとするがーーー
「轟け。」
「ごぁっ……!?」
凄まじい衝撃がアズーロを襲い、アズーロは数百mは吹っ飛ばされる。
「アズーロさん!!」
「ッ、行きますよアルトルージュ、合わせてください!!」
「えぇ、乗ってあげるわ!!」
入れ替わりでアルトルージュが爪を振るい、その援護としてシエルが雷撃を放つ。
「温いな。」
しかし、月の王は腕の一振りで雷撃を打ち消し、アルトルージュもアズーロと同様の衝撃波によって吹き飛ばされる。
「迸れ。」
かの騎士王の聖剣の光に匹敵するほどの極光がガンドの如き気軽さで放たれる。
すかさずアズーロが前に出て、極光に魔剣を合わせて着弾点を逸らす。
(こんの怪物スペックが……!!)
息を切らしながら、アズーロは姫アルクを睨む。
力の差は歴然。二十七祖として恥ずべきことであるが、奴に対して全く勝てる気がしないと言うのが本音だった。
(てかゼルレッチの爺さんアイツと第三位纏めて葬ったとかホントに人間止めてるって!!)
かつて千年城での対決を思い出すあまり昔の呼び方に戻っていることに気付かず、なんとか打開策を考える。
(落ち着け。あれはアルクェイドの身体だから本物よりスペックは低い……低いな、よし。とりあえずそれを利用して俺とアルトで攻めつつ、その穴をシエルに埋めてもらって最後に志貴くんに直死でズバッと殺ってもらおう。よしそうしよう。)
思考時間0.1秒。己の考えを視線だけでアルトとシエルに伝える。志貴くんにはシエルから伝えてもらうとしようと考えてのことである。
「ふむ。考えは纏まったか?」
「律儀に待ってくれるなんてな、一つの側面故か?」
「フッ……さてな。」 - 952二次元好きの匿名さん23/01/05(木) 02:22:50
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- 953二次元好きの匿名さん23/01/05(木) 10:35:16
乙
- 954二次元好きの匿名さん23/01/05(木) 15:08:34
宝石翁との修行の成果を見せる時だ
- 955二次元好きの匿名さん23/01/05(木) 22:33:19
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- 956二次元好きの匿名さん23/01/06(金) 03:25:37
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- 957アズーロ・ピース23/01/06(金) 10:07:06
アルトルージュの爪による斬撃、アズーロの魔剣による不可視の刃。
その全てを姫アルクは防ぎ、逆に反撃を与える。
テンカウントの雷撃も意味は無い。
彼らの攻撃は届かない。届かないはずなのだがーーー
「ほう……」
姫アルクの腕から鮮血が舞う。
「なるほど、次元屈折現象か……」
「一方からの攻撃が通らないならあやゆる方向から攻撃すれば良いだけだからな!」
「ハハハハッッ!!愉快、愉快だな!」
姫アルクが笑う。
「チャンスだ!!ここで終わらせるぞ!!」
アズーロの声が響く。
「星の呪い、月の嘲り。“月蝕みし災厄の世”(ムーン・イロウド・ディザスター)!!」
原理を使用した黒血の厄災が姫アルクを呑み込む。
そしてその隙を縫うようにシエルが“剣”の原理を発動する。
「これなるは太陽の車輪、光の断頭台。カルヴァリア・ガルガリン!!」
成層圏から光のギロチンが堕ちる。
「あらゆる可能性、あらゆる祈りを此処に。極光投射・星穿ち(デュナミス・スターゲイザー)!!」
パキリ、と何かが割れるような音と共に可能性の極光が姫アルクを焼いた。
だが、姫アルクは未だ健在。三人は力を使い果たしている。しかし───
「愛した女の一人くらい、助け出してこい志貴ィッ!!」
その言葉と共にアズーロが志貴を勢い良く蹴り上げる。そしてーーー
「……なるほど、その蒼い眼こそが私の恋かーーー」
「終わりにしよう、アルクェイド。」
短刀が、静かに突き立てられた。 - 958二次元好きの匿名さん23/01/06(金) 12:35:55
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- 959二次元好きの匿名さん23/01/06(金) 20:47:42
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- 960二次元好きの匿名さん23/01/07(土) 00:06:24
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- 961二次元好きの匿名さん23/01/07(土) 07:58:48
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- 962アズーロ・ピース23/01/07(土) 09:14:06
「やれやれ…お互いにボロボロだな。」
倒れ伏すアルクェイドとシエルに肩を借り立ち上がる志貴を見つつ、アズーロはアルトルージュの傍に寄る。
「そうね……」
ここまでボロボロになるなどいつ以来だろうか。少なくとも祖となってからは初めてだ。
「姫君の元に行ってきたらどうだ?姉として言いたいこともあるだろう。」
「いえ、別に───分かったわ。」
別に話すことはない。と言おうとしたのだが、アズーロがあまりにも真剣な目をするものだから思わず了承してしまった。
「さて、少しは頭が冷えたかしらアルク?」
「……それはお互い様じゃない?姉さん。」
アルトルージュが声を掛けると、ゆっくりと目を開けたアルクェイドが答える。
「全く。最高純度の真祖というのも考えものね。朱い月の側面がいつか出てくるなら混血で良かったように思うわ。」
そう言いつつアルトルージュはアルクェイドの隣に腰を下ろす。
「……あぁ。なんだ、結局それだけの事じゃないか。」
これ迄にないほど穏やかに会話するアルクェイドとアルトルージュを見て、アズーロはようやく己の気持ちを理解する。
そうだ、なぜこんなにも自分はアルクェイドを気に掛けたのか。
アルトルージュの敵であるならば態々吸血衝動の抑制など手伝ってやる道理など無いはずだった。
何故、こんなにもアルクェイドを気に掛けるのか。何故、あそこまでロアに執着したのか。
「そうだ。俺は、ただーーーー」
姉妹として笑い合う二人こそが、見たかった。
幼い頃から外界を知らずにいた黒い娘。肉親とも呼べる存在からは捨てられた“星”。
そんな彼女に妹が出来た。ならば、アルクェイドを会わせてあげれば彼女も心の底から笑えるのではないか。
ーーーもう寂しい思いをしないで済むのではないか。
そんな己の考えをエゴが故の考え。どこまでも自分勝手な独り善がりの願いだった。 - 963二次元好きの匿名さん23/01/07(土) 16:22:57
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- 964二次元好きの匿名さん23/01/07(土) 22:39:40
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- 965二次元好きの匿名さん23/01/08(日) 08:24:21
おつ
- 966アズーロ・ピース23/01/08(日) 10:00:48
アズーロのマテマテマテリアル!!
アズーロ・ピース
年齢∶1994歳
称号∶死徒二十七祖第一位 時計塔の常連 聖堂教会のお得意様 鈍感野郎 ギャグ落ち不可避
属性∶中立 善
魔術回路 量∶A+
質∶B-
原理∶可能性
好きなもの∶旅 人 世界 平和
嫌いなもの∶蛇 白翼 自分自身
天敵∶ORT ヨグ=ソトース ネコアルク 衛宮士郎
決戦の地∶千年城ブリュンスタッド
決戦の日∶鋼色の錆びた大地
聖杯について∶高潔な願いの元に産まれた願望器。何者でもない悪を孕んだ虚しい器。 - 967二次元好きの匿名さん23/01/08(日) 14:16:35
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- 968二次元好きの匿名さん23/01/08(日) 18:38:57
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- 969二次元好きの匿名さん23/01/08(日) 23:21:51
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- 970二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 02:07:37
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- 971二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 12:32:20
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- 972アズーロ・ピース23/01/09(月) 12:42:44
「アズーロ・ピース。一つ聞きたいことがあります。」
いつの間にかアズーロの近くにやって来たシエルが問いかける。
「ーーーー?」
「貴方は、何故死徒になったのです?」
それはネロに吸血されたからと答えようとして、口を閉ざす。
確かにネロに吸血されたのが大きな要因だろう。だが、何故死徒を嫌っていた己が死徒化を受け入れたのか。
それは、多分ーーー
「───────────ーーーーーーそれはね、輝きを見たからだよ。エレイシア。」
「え───?」
アズーロはまるで父が子に話すような柔らかな声音で語る。代行者シエルではなく、人であったエレイシアに。
「我々ピース家は時間の流れを読み解いて、人類史が続くことを証明する一族だ。俺も例外では無かったけどね。俺は千年の間様々な人を見てきた。
祖国のために完璧な王を演じていた少女の輝きを見た。魔術師の繁栄を願い、その人生を捧げた者達の輝きを見た。破滅の未来を否定し、計算しきれぬ未来を求めた錬金術師の輝きを見た。輝きを見た、視た、観たーーー。
そうだ、私は美しいものを見たのだ。だからこそ私は死徒となることを受け入れた。私にも輝きがあると信じたかったから。」
アルトルージュとアルクェイド。シエルと志貴。彼らにも輝きがあった。そうして、ふと思い出した。己の願い。初めて抱いた星のような願い。
「そうだ、そうーーー私は…俺は美しいものを見ていたかった。世界はこんなにも美しいのだと、信じていたかった───。」
目から血が流れ、口からも血が流れる。ぐらり、と体が倒れた。
アズーロは既に、限界だった。 - 973二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 19:17:54
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- 974二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 22:58:11
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- 975二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 07:34:44
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- 976アズーロ・ピース23/01/10(火) 07:53:55
「アズーロさん……なんで……」
倒れたアズーロを直死の魔眼で視た志貴は愕然とする。
限り無く薄く見えていた“線”が、今は普通の人と変わらないまでに色濃く見えていたからだ。
「元々、夜魔としての俺の体は崩れ出していた。そこに原理血戒なんて物を取り込めば、体がさらに崩れるのも分かりきった事だ。」
アズーロの周りが血の池と化していく。その中でアズーロは笑みを浮かべていた。何かに安堵するように、とても安らかな笑みだった。
「アズーロ……────」
アルトルージュがアズーロの傍に寄る。そしてドレスが血で汚れるのも構わずに座り込み、アズーロの頭を持ち上げて自身の膝に乗せた。
「子供じゃ、無いんだぞ……」
「知ってるわ。でも、少しこうされなさい。」
アルトルージュは泣いていた。愛する者が死に行くのが悲しくて泣いていた、散々苦しんだ彼がようやく終わりを迎えることが嬉しくて泣いていた。
────あぁ、そうだ。今日は
「……ねぇ、月が綺麗よ。アズーロ」
「そうか、綺麗か。……そうだな、とても綺麗な、星達だ─────」
────ドクン。
「────?」
アズーロの中の王冠が、鼓動を始める。
「何───?」
シエルと志貴が、驚愕に目を見開く。
アズーロから流れ出ていた血が彼に戻っているのだ。変わらず線は濃いままだが、アズーロの肉体は回復していた。
「こんなことがあるなんてね。」
「えぇ。」
アルクェイドとアルトルージュも驚きを隠せない。こんな現象は今まで見たことが無かったからだ。
「原理が、俺を生かそうとしているのか……?」
アズーロは答えに辿り着く。己の中の可能性の原理がアズーロを生かそうとしているのではないかと。
「アズーロさんの“点”が……」
直死で、志貴も悟る。アズーロの中の原理が縮小していく。
ここにいるのはもはや死徒アズーロではない。
在りし日の、人間としてのアズーロ・ピースが其処にいた。 - 977二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 08:04:14
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- 978二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 13:19:50
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- 979アズーロ・ピース23/01/10(火) 17:47:42
エピローグ/汝、平和な日々を。【前】
柔らかな陽射しが差し込む森を、一人の老人が歩いている。
白髪を乱雑にオールバックにし、深いシワが刻まれたゲルマン系の顔立ちをした男は迷いなく森の中を進む。
しばらくして、森の開けた中に一軒の家が見えた。男が扉をノックする。
しばらくしてドアノブが回り、一人の青年が顔を覗かせた。
「待ってましたよ、ゼルレッチ。」
「久しぶり、と言うべきか。アズーロよ。」
上等な物ではありませんが。とアズーロから差し出された紅茶を口にしつつゼルレッチはアズーロを観察する。
最後に会った日より伸ばしたであろう黒髪に、眼の色は人間であった頃の金に戻っていた。
「死徒から人間に戻ったと聞かされた時は、いよいよ我が耳も老いたかと疑ったぞ。」
「……あー、色々とご迷惑をお掛けしました。」
そう言ってアズーロは頭を下げる。
人間に戻った後、色々と便宜を図ってくれたのが他ならぬゼルレッチだったからだ。
「……あの子が来ていたのか。」
辺りを見回していたゼルレッチが気付いたように問う。
「はい、志貴や子供と一緒にね。」
アルクェイドに子供が出来たのはつい二年前の事だ。
「お前はこれからどうする?」
「……また、世界でも見て回ろうかと。とはいえ、今回は寿命の問題もありますが。」
トントンと胸を指で叩く。原理が消失した際、アズーロを蝕んでいた時間魔術の暴走が綺麗さっぱり失くなったのだ。
「お前が目をかけていた娘は埋葬機関を脱退したそうだな。」
「そうですね。故郷に戻ってパン屋を経営しながら余生を過ごすそうです。あの店で強盗は出来ないでしょうね。」
埋葬機関第七位とへっぽことはいえ一般人とは大きく差がある代行者。強盗犯は涙目だ。
シエルとノエルの二人も案外充実した人生を送れてそうだ。
「アルトルージュはどうした?」
「アルトは今も千年城にいます。彼処が彼女にとっての家ですから。」
千年城にはフィナの形見である銃、リィゾの魔剣、俺の刀が置いてある。今の俺が長く千年城に留まれば無事では済まないと判断しそれぞれの想い出を置いてきたと言うわけだ。
「アトラス院はシオンが継ぎますし、世界に新しい風が吹き始めています。」
そう、確実に世界は新生しようとしているのだ。 - 980二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:57:13
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- 981二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 01:43:20
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- 982二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 08:19:41
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- 983アズーロ・ピース23/01/11(水) 12:26:47
エピローグ/汝、平和な日々を。【後】
帰路につくゼルレッチを見送り、再びソファに腰掛ける。
足元にやって来たアイを持ち上げて膝に乗せると、アイは体を丸めしばらくして寝息を立てる。
あの戦いを終えて、何かが劇的に変わったわけでもない。世界は変わらず廻り続け、人々は自分の日常を送っている。
変化がないと言うのは停滞と同じと言う人もいるが変わらない日常を良しとする人も大勢いた。
かつてのしがらみの全てを取り払った俺も、この何気ない日常を過ごしている。
いつか、人はこの星を飛び出して果てしない宙の航海へと乗り出すのだろう。子が親の手を離れることと同じように、人も地球から飛び出すのかもしれない。
まだまだ人類に残された課題は多い。けど、焦る必要はない。一つ一つゆっくりとこなし、いつか胸を張って巣出って行くのだ。
────この人生に後悔はない。
これまでも、そしてこの先も俺は俺のままこの世界で生きていくのだろう。
綺羅星のような輝きに、恋をしたのだから。
長い長い月の夜。いつか見た星を頼りに、青年は花園を目指す。
~fin~ - 984二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 15:25:12
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- 985二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 17:58:06
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- 986二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 19:57:41
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- 987二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:35:53
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- 988二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 02:35:12
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- 989二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 12:23:39
乙
- 990二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 18:29:30
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- 991アズーロ・ピース23/01/12(木) 19:29:00
くぅ疲。
約四ヶ月、お付き合い頂きありがとうございました!殆ど自分のSSで安価カテの意味が消失していましたが、そこはご愛嬌です。
このコテハンを使うのも最後となるかと思います。気が向いたらこの世界線を使った聖杯戦争スレを立てるかもしれません。その時はお付き合い頂ければ。
では最後に。
きのこは月姫とまほよの続編を早く出して❤️ - 992二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 19:37:25
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- 993二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 23:45:22
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- 994二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 11:39:21
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