- 1二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:19:55
- 2二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:20:29
お前が始めた物語だろ
- 3二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:21:29
- 4二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:23:31
- 5二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:27:16
お前の適正ならやれるよ
- 6二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:27:52
そこにありますね
- 7二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:28:47
そこになければお前が始めた物語ですね
- 8二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:30:02
ここのスレ主がそういうSS書いてるって噂聞いたんですけど…
- 9二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:33:39
書くのにはお手本が必要
つまりどういうことかわかるな?お前が書くんだ - 10二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:35:05
ファーストペンギンってご存知?
- 11二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:35:59
- 12辻22/09/24(土) 01:08:54
「おはようございますっ!トレーナーさん!」
「おはよう。いつにも増して早いな、バンブー」
「トレーナーさんの顔見たらなんだか燃えて来たっス!今日も気合い入れていくっスよ!」
「そして元気だな」
明け方。トレーナー室のドアを蹴破らん勢いでやってきたのは、担当ウマ娘のバンブーメモリー。
いつも早起きで快活な彼女だが、朝練もないのにこんな朝早くからこの部屋を訪れるのは珍しいことだった。
「今日は朝一番で校門前の抜き打ちチェックがあるんスよ!近頃は担当のトレーナーさんと距離感がやけに近かったり、生徒の風紀が乱れがちっスからね!それと、まあちょっとしたヤボ用もあったんスけど……むっ」
鼻を鳴らしながら語っていた彼女の視線が訝しげに細められた上でこちらに吸い寄せられる。
「どうした……」
「風紀違反第1号、発見!」
「えーっ!?」
スビシ、と音が出そうな勢いで人差し指がこちらに向けられた。まさかの検挙者第1号、である。
「ダメじゃないスかトレーナーさん!ほら、ネクタイ曲がってるっスよ!」
慌てて自分の首元を見ると、確かにネクタイが右に曲がっていた。今朝は少し寝坊して慌ただしかったからそのせいだろう。
確かにこれはいただけない。すぐに直そうとすると、自分の手を阻むようにバンブーの手が首元に添えられた。
「ちと待っててください、直しますから」
「ああいや、自分で直せる……」
「遠慮はなしっス!アタシに任せてください」
押し切られるまま身体を任せると、バンブーは慣れた手つきで緩んだネクタイを結び直していく。
最後に気合を入れるようにキュッ、と少しキツめに締めると、一仕事終えた彼女は得意げに頷いた。 - 13おやすみ22/09/24(土) 01:09:08
「これでバッチリっス!」
「ありがとう。ネクタイなんて結ぶことないと思うんだが、どこで習ったんだ?」
「こういうの得意だってんで、シチーに教えてもらったんスよ!お披露目する機会があってよかったっス!……ああそうそう、それともうひとつ!」
思い出したようにバンブーが鞄から取り出したのは、大きな包み。
「トレーナーさん、お昼のアテないんスよね?今日は弁当作ってきたんスよ!」
「え、助かるけど……いいのか?」
「はい!トレーナーさんに食べてもらいたかったんで!献立は……開けてみてのお楽しみっス!でも栄養バランスは保証するっスよ!トレーニングの時に感想聞かせてください」
渡された包みは結構な重さがあった。
なるほど、早起きはこれも理由だったか。前に振舞ってもらったオムレツは絶品だったし、味の方は申し分ないだろう。これは食べきれるようにバリバリ仕事に励む必要がありそうだ。
「楽しみにしてるよ」
「はい!それじゃ、今日も1日よろしくお願いします!」
そう言って、バンブーは入ってきたときと同じように勢いよく飛び出していった。学園の風紀が正されるその日まで、彼女はこんな風に元気に戦い続けるのだろう。
トレーナーとしてそんな彼女を支え……だいぶ支えられているような気もするが、とにかく彼女のために頑張ろうと誓いを新たにするのだった。 - 14122/09/24(土) 01:17:10
- 15二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 01:18:51
お前も書くんだよッ
- 16二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 01:34:40
最初のペンギンが海に飛び込んだぞ!後に続け!
- 17二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 01:47:59
見事やな…
- 181(バンブーメモリーとお弁当)22/09/24(土) 11:56:03
ある日の昼下がり、トレーナー室にてスーツを着崩した青年——俺はパソコンの画面と睨み合っていた。
担当ウマ娘であるバンブーメモリーの練習メニューに更なる改良を加えるべく、過去のレース映像やトレーニング時の写真などを見比べながらあれこれと考えを巡らせる。
「今後の課題はスタミナだな。となればプールでの練習に力を入れつつより効率的な脚の使い方を……」
一応の案が纏まりかけたその時、昼休みを知らせるチャイムが鳴り響いた。
極度の集中状態から解き放たれた俺の体に疲労感と空腹感がどっと押し寄せ、椅子の背もたれに寄りかかる。
「……腹減ったなぁ」
俺は数枚の書類と財布の入った鞄を肩にかけ、近くのコンビニエンスストアに向かうべく立ち上がった。
トレーナー室の扉を開け、いざ昼食を調達せんとしたその時——。
「トレーナーさん!!」
バンブーメモリーが現れた。
鬼の風紀委員長とも称される彼女の明るい様子に苦笑して、思わず呟く。
「……相変わらず元気だなぁ」
「えっ? トレーナーさんは元気じゃないんスか?」 - 191(バンブーメモリーとお弁当)22/09/24(土) 11:57:20
「あー……ここんとこ忙しくてな」
口に出した後、俺は自分の失敗に気がついた。
幾らしっかり者で気心の知れた相手とはいえ、一回りも年下の教え子に弱音を吐いてしまうとは何事か。
疲労で碌に働かない頭をフル稼働させ、どうにか取り繕おうとする。
「いやっ、まあちゃんと飯は食べてるぞ? だから大丈夫」
「嘘っスね」
すぐにバレた。
それもそうだ。普段から曲者ばかり相手にしているバンブーにとって、これしきの嘘など児戯ですらない。
観念して両手を上げ、降伏した立て篭もり犯のように懺悔する。
「……はい、このところコンビニ弁当とバイタル40しか摂ってません。何なら寝不足です」
「そう、だったんスか」
「……ごめん」
幾ら疲れているとはいえ、信頼する相手に隠し事をされた彼女はどんな顔をしているだろう。
この一件が今後の二人の関係にヒビを入れ、下手をすればバンブーのパフォーマンスにまで影響してしまうかもしれない。
思考が泥のように濁り始めた時、彼女の声が響いた。
「ありがとうございます!」
「え?」
それは怒るでも悲しむでもなく、感謝の言葉だった。
戸惑う俺に歩み寄り、バンブーが口を開く。 - 201(バンブーメモリーとお弁当)22/09/24(土) 11:58:41
「正直に話してくれて嬉しいっス! 普段トレーナーさんがそうしてくれるみたいに、アタシもトレーナーさんの力になりたいっスから!」
「バンブー……」
「でも、これからは隠し事禁止っスよ?」
「ごめん。もうしないよ」
俺の宣言に満足そうに頷くと、バンブーは黒い弁当箱を取り出した。
目で訴えかける彼女に従って蓋を開けると、中は純白の米飯、そしてその上に厚切りの豚肉が乗った何とも豪快な一品。
思わず生唾を飲み込みながら、食い入るように見つめる。
「これは……!」
「特製スタミナ豚丼っス! トレーナーさん、どうぞ召し上がれ!」
「えっ、本当にいいのか? お前の分は?」
「アタシの分もちゃんとあるっスよ! よかったら一緒にどうっスか?」
「ありがとうバンブー……いただきます!」
「えへへ、いただきます!」 - 211(バンブーメモリーとお弁当)22/09/24(土) 11:59:25
それから俺とバンブーは、特製スタミナ豚丼を味わった。
今まで一番美味しい豚丼だったし、バンブーにとってもそうであったなら嬉しい。
飯粒一つ残さず完食し、名残惜しくも弁当箱の蓋を閉めて両手を合わせる。
「ごちそうさま、美味かった。弁当箱は俺が纏めて洗うから」
「はい、お粗末さまっス!」
昼休みも終わりが近づき、バンブーは自分の教室に戻ろうとする。
彼女の背中を呼び止め、俺は震える声で言った。
「なあ、バンブー」
「何スか?」
「よかったら、また作ってくれ」
「……はい!!」
最後に満面の笑顔を見せて、バンブーはトレーナー室を後にした。
それまでの疲労を根こそぎ持ち去られてしまったかのように胸の内は軽やかで、体にも気力が漲っている。
俺は大きく伸びをして、素敵な時間の詰まっていた二人分の弁当箱を鞄にしまうのだった。
終 - 22二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 12:02:49
- 23二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 12:09:07
約束を守る1は好きだぜ
- 24二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 12:13:58
辻の人と1、ありがとう…
これで俺も成仏できる - 25二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 16:22:17
1ならやると思ってた
- 26二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 21:20:06
ありがとう・・・ありがとうなぁ・・・