【SS】厳しくて、でも優しくて

  • 1二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:42:33

    トレーニング中のこと。
    「はっ、はっ、は…」
    『いいペースだぞ、バンブー!』
    「はぃっ!…はっ、はっ…」
    彼女はコースを一定のペースで走るトレーニングをしていた。
    『もう少しだ!もう少し頑張れ!!!』
    …トレーナーが声をかけてくる。

    (…懐かしいなぁ)
    と。彼女はそんな気持ちになった。

    『お疲れ様、バンブー。はい、水』
    「ありがとうございます!…ふぅ」
    『疲れてないか?』
    …こうやって気遣ってくれるところも、やっぱり。
    彼女の中で1つの考えが固まる。
    「…トレーナーさんは、父さんみたいっスね!」
    『えっ!?どうしたんだ、いきなり…?』
    「厳しいトレーニングをしてくれて、でも優しくて…トレーナーさんを見てると、父さんを思い出すっス」
    『…そうか』

  • 2二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:42:45

    彼女…バンブーにとって、父親は憧れそのものである。
    小さい頃本人曰く”弱虫”だった彼女を強くしたのも父親。
    彼女の芯になっている”熱血”の精神を育てたのも、父親だ。

    『…光栄、だな』
    「光栄?」
    『ああ』
    トレーナーはどこか遠くを見るような目をする。
    『…会う機会があったら、お礼を言わないとな』
    「お礼…っスか?」
    『ああ』

    『素晴らしい娘さんを育ててくれてありがとうございます_って』
    「す、素晴らしい…!?」
    彼女は驚いたような表情をする。
    しばし考えるような顔をして、彼女は言った。
    「アタシ、トレーナーさんにとって”素晴らしい”んスか!?だったら嬉しいっス!」
    『もちろんだよ。厳しいトレーニングにもしっかりついてきてくれるし、どんなに辛いことがあっても絶対に折れない。そんな君は…すごい』
    「…!へへっ!」

  • 3二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:42:57

    しばらくして、トレーニングの休憩時間が終わる。
    『さあ、続き…いけるか?』
    「はい!いけます!」
    『よし!行くぞ!』
    「押忍っ!!!」

    (…さっき、父さんみたいだって思ったけど…やっぱり父さんみたいだな、トレーナーさん)
    彼女は走り出しながらそう思う。
    (…でも)

    (父さんみたいだけど…ちょっとだけ、違う気もする)
    その答えはまだわからないまま。

  • 4二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 00:44:09
  • 5二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 01:09:48

    恋…じゃな(早計)

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