フリーザ様がフクトレやっていても特に違和感無い説

1二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 19:42:59

「はんにゃか～へっちゃら～」
「おやおや、今日は朝からご機嫌ですねフクキタルさん」
朝、私がトレーナー室で水晶を磨いているとトレーナーさんがセグウェイに載ってやってきました。
フワフワと宙に浮いている不思議なセグウェイですがトレーナーさんの故郷の乗り物だそうです、凄いですね！
「むむっマチカネましたよトレーナーさん！今日もいい感じの水晶を見つけてきましたよどうでしょう？！」
私は磨いていた水晶をトレーナーさんに渡しました。
なんでもトレーナーさんは水晶集めに集めに嵌っているらしくこうしていい水晶を見つけてはおすそ分けしているのです。幸運はみんなで分け合ってこそですからね！
「ふむ…これは違いますが…まぁ貰っておきましょう。いつも感謝しますよフクキタルさん」
トレーナーさんは水晶をセグウェイの中にしまい込みつつ「それにしても…」とこちらを見ながら呟きました。
「なかなかいい仕上がりになってきましたねぇ、これなら週末のレースは問題ないでしょう。よく頑張りましたねフクキタルさん」
手持ちのタブレットを見ながらトレーナーさんが満足そうな笑みを浮かべます。
実際初めて会った時は、生まれてこの方訓練をした事無いと言っていたトレーナーさんに少々不安な気持ちがありましたが、今ではそんな不安はこれっぽちもありません。
適切なトレーニング方法・施設はもちろんの事、趣味の占いや開運グッズ集めにも耳を傾けてくれますし、何よりいつも自身に溢れていてこの人に付いて行けば大丈夫！そう思わせてくれます。
「ふへへぇ～そうですかねぇ～まぁ実際私もかつてないほど開運パワーがスパーキングしてるのは感じてますけどぉ～」
ニコニコする私を見て、トレーナーさんも気を良くしたのか更にテンションを高めていきます
…が
「ホーッホッホッホッ！レースが無ければ親衛隊にスカウトしていた所ですよ！さぁこの調子でトレーニングを続けて当日はお待ちかね…」
「オマチカネフクキタル100%で臨む、ですねトレーナーさん！」
「………ふふふ…」
言葉を遮られたのがいけなかったのか、決め台詞を取ってしまったのがいけなかったのか、ともかくトレーナーさんが一瞬思う所があるようにピク…っとしました。
けどご機嫌な私はその反応に気が付けませんでした。…気が付くことが、できませんでした。

2二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 19:44:05

「任せてくださいよトレーナーさん！この調子でいけば当日には府中の…いや宇宙のテイオーさんにだってなれそうです！いや私はマチカネフクキタルですけど」
───ｽﾞｧｯ！！！
「へぇあぁっっっ？！」
気が付いたらトレーナーさんの姿が変化していました。逞しい上半身、そして大きく出っ張った肩と頭…通称第三形態です。
「前よりかは優しくない」と言っていた第二形態を通り越して一気にこの形態に行くという事は…
「ひゃあっ！！！」
「あ"い"だっ！」
トレーナーさんの人差し指が思いっきりおでこにヒットします。だけどトレーナーさんの猛攻は終わりません。
「ひゃひゃひゃひゃひゃ…！！！！」
突く、突く、突く。とんでもないはやさで突指が当たります。そして…
「ご…ごべん"な"さ"い"…調子に乗りすぎましたぁ～～～～」
「そうです、判ればよろしいのですよフクキタルさん」
完全降伏した私を見つつ第一形態に戻ったトレーナーさんは続けます
「いいですかフクキタルさん、自信を持つのは大事ですが油断はいけませんよ。油断していると普段はなんて事ないアクシデントでも大きな怪我に繋がる…なんて事もありますからね」
何か思う所があったのか思わせぶりに笑っていたトレーナーさんですが、気持ちを切り替えるように手を叩きました。
「さて！そろそろトレーニングに行きますよフクキタルさん！」
「あっ待ってくださいよトレーナーさぁん」
まだヒリヒリと痛むおでこを抑えながらトレーナーさんについていく私。
だけど、本当は知っています。トレーナーさんが本気を出したら私のおでこは痛むどころでは済まなかった事を。きっとあのナメック星人さんみたいに穴だらけになっていてもおかしくはなかったはずです。
自分に自身が持てないけど、同時に調子に乗りやすい私。トレーナーさんはそんな私を優しく見守ってくれて時に優しく、時に厳しく指導してくているのです。
そんな素敵なトレーナーさんと一緒に…私は今日もトレーニングに励みます！

あっそれと、部屋を出た所でたまたまやり取りを目撃したであろうベジータさんがガタガタ震えていました。
めでたしめでたし