プロポーズ大作戦

  • 1二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:19:02

    時間には限りがある。

    有効に使うか、無駄にするかは使い方次第だ。

    それは過去も現在も、何ら変わらない。

  • 2二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:19:41

    今日はトレーナーさんの結婚式。
    主役の証である白いタキシードはトレーナーさんには絶妙に似合っていない。
    服に着られているとはまさにこのことだ。


    「はぁ……」

    「セイちゃんのトレーナーさん、すっごくかっこいいね!タキシード、すごく似合ってるな~」

    「えぇ……スぺちゃん、本気で言ってる?なんか派手すぎない?」

    「そうかなぁ……?」

    「洋式だとこんなものじゃないかしら?」

    「アタシはもっともーっと派手なほうがいいと思いまーす!ついでに食べ物ももっと辛くていいデスよ!」

    「エルが裏方だったらおよそ結婚式とは言えないものになりそうですね~」



    私たちはいつものメンバーで集まっていた。
    それぞれが結婚式にふさわしい装いだ。
    ……そう、今日はトレーナーさんの結婚式なのだ。

  • 3二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:20:12

    「……ねぇ、スカイさん」

    「ん?どしたの、キング?」

    「……いえ、なんでもないわ」

    「……ぼーっとしてると辛くなっちゃうよ、それ」

    「え?」

    「ケ!?」サッ

    「ちょっとエルさん?今何を隠したのかしら?」

    「ち、違います!これはグラスが……」

    「『私が』なんですか、エル?」

    「……一時撤退デース!!」ダッ

    「待ちなさいエルさん!わたしの料理にデスソースをかけようとしたわね!!」ダッ

    「何にでもデスソースをかける悪癖、今日こそ治してあげましょうね~」ダッ

    「あぁっ、みんな!式場で走っちゃだめだよー!」

    「にゃはは~。相変わらずだねぇ、みんな」

  • 4二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:21:00

    「━━━━━あなた方は、病めるときも、健やかなるときも、富めるときも、貧しきときも」


    ……いや、変わっていないのは私だけか。


    「いついかなる時も互いに寄り添い、愛を持って支えあうことを誓いますか?」


    いまだに過去の恋愛を引きずって、でも何もできなくて。
    今日にいたるまでこうしてただ静観していただけ。


    「「誓います」」


    思えば機会は何度もあったように思える。

    皐月賞で勝った時。日本ダービーでスぺちゃんに負けた時。菊花賞で勝って二冠達成したとき。宝塚記念の後に自分の限界を感じたとき。キングと一緒に想いをぶつけてくれた時。天皇賞「秋」で勝った時。有馬記念で勝った時。URAで勝った時。祝勝祝いで二人きりで温泉に行った時。
    あの時も、あの時も、あの時も……。


    私の勇気がなかっただけだ。

  • 5二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:21:25

    「……戻りたいなぁ」


    ポツリと口に出てしまった本音。
    それはとても小さな声で、周りの喧騒に紛れて誰にも聞こえていない。
    ……はずだった。


    「んじゃ、戻ればいい」

  • 6二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:23:23

    「はい?」


    目の前に、ゴールドシップが立っていた。


    「……ゴルシさん、お久しぶりです」

    「あたしはゴルシじゃねぇ。この式場の妖精だ」


    ……またよくわからないことを言い始めた。


    「信じてねーな?」パチン


    ゴルシさん(自称・妖精)が指を鳴らしたその瞬間、周囲の喧騒は一瞬で静まり、照明がなぜか消えた。
    それでいて、視界は元のままくっきりで。


    逃げるエルとそれを追うキングとグラスちゃん。

    それを見て笑いながら山のように盛った料理を嬉しそうに食べているスぺちゃん。

    ……似合わないタキシードを着て微笑んでいるトレーナーさん。


    私とゴルシさん以外の全ての時間が止まっていた。

  • 7二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:24:32

    「人間の大半は……いやウマ娘もだな。何かが終わってから本当の事実に気づく。スカイと、お前のトレーナーのようにな」

    「……えーと」

    「余計なことは考えなくていいぜ。戻りたいのか、戻りたくないのか、どっちだ?」

    「いやまぁ……戻りたい、けど」

    「じゃあ、決まりだ」


    ……なにが?


    「まぁ、戻るにしても時間には限りがある。有効に使うか、無駄にするかは使い方次第だ。それは過去も現在も、何ら変わらない」

    「……」

    「すべてはお前次第ってわけだ」

  • 8二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:25:26

    ゴルシさんはおもむろに近くの皿からエビフライをつまむ。


    「これ、お前の?」

    「……いや、スぺちゃんのキープだと思うけど」

    「ふーん」サクッ


    誰のか聞く必要あった?


    「━━辛ッ!!」


    どうやらエルの魔の手はスぺちゃんにも忍び寄っていたらしい。

  • 9二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:26:42

    一通りつまみ食いをした後、ゴルシさんは私に「魔法の呪文」を耳打ちした。


    「……いや、なにそれ」

    「求めよ、さらば与えられん」

    「……」

    「三女神様は信じて妖精は信じられねぇってか?」

    「…………レルヤ・チャンス」

    「声が小さい!」

    「……ハレルヤー・チャンス」

    「もっと感情を乗せろよ!URA優勝した時を思い出せ!」

    「……ハレルヤ・チャンス!!!!!」



    視界が、暗転した。

  • 10二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:27:48

    電波を受け取りました。

    続きは原作見てください。


    https://www.fujitv.co.jp/b_hp/propose/

  • 11二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:37:14

    他の女性と結婚したのなら素直に祝福すれば良いだろう
    結婚式まで出ておいて恨み辛みを語るのはお門違いだ
    一般的な人はみんなそうしている
    何故セイウンスカイはそうしない?
    答えは一つ
    セイちゃんだけがトレーナーさんを幸せにできる最高のウマ娘だからだ

  • 12二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:37:59

    ここからだろぉ!?

  • 13二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 20:43:08

    「明日晴れるかな」

  • 14二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 00:19:51

    ハレルヤーチャンス!

オススメ

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