【SS】星空の下で

  • 1二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:03:18

    『はぁ…今日は、楽しかったな』
    「ほんとっスよ!今日でこれだけ楽しいなら明日からは…くぅ〜っ!!!今から待ちきれないっス!!!」
    『はは、バンブーらしいな』
    満点の星空の下。
    トレーナーとバンブーは、2人賑やかに語り合っていた。

    話の始まりは、数日前まで遡る。
    「山籠り特訓…っスか!?」
    『ああ』
    最近、トレーニングがマンネリ気味になっていた。
    普段と違うトレーニングを取り入れたい。そうトレーナーは考えた結果、彼女に提案を持ちかけたのだった。
    『1週間ぐらいかな?山でトレーニングをしようかと思っている。初日はテントとかの準備が優先だが…トレーニングの一環にもなるだろうし…嫌なら断ってくれても…』
    「何言ってるんスかトレーナーさん!こんなアツいドラマみたいな状況、乗らないわけがないっスよ!」
    彼女はあっさりと引き受けた。
    『それなら話は早いな。明後日くらいに出発できるか?』
    「はい!用意しとくっス!うわぁ…!楽しみっスー!!!」
    彼女はハイテンションでその日は去って行った。

  • 2二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:03:28

    そして出発する日の朝。
    「トレーナーさん、用意持ってきたっスよ!テントに、あと食材、それからそれから…」
    彼女は大興奮で荷物の確認をする。
    「…あと初日用のカレーの材料っス!やっぱりキャンプといったらカレーっスよね!?」
    『確かにそうだけど…重くないか?』
    「どうせ1日でなくなるし大丈夫っス!多少我慢してでも、キャンプにカレーは欠かせないっス!」
    そういって彼女は目を輝かせる。
    トレーナーはそれを見て、こんなに喜ぶならまあいいか、と自分を納得させた。
    『出発するぞー!助手席乗ってくれ』
    「了解っス!…あ」
    …思ったより彼女の体格が小さかったのでシートを調節し、出発した。

    数時間車を走らせたのち、山の入り口についた。
    「ここがその山…あ、トレーナーさん!?」
    『どうしたんだ』
    「その、ここの土地の管理人さんにちゃんと話通ってるっスか…!?山とはいえ私有地だろうし…!」
    『ああ、大丈夫。理事長には話通してあるよ』
    「理事長!?」
    …ともあれ、キャンプ地点まで2人は山登りをした。

  • 3二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:03:43

    「到着っスね!」
    『ああ。そうだ、昼飯を持ってきた中から適当に…』
    そういって鞄の中の食料を漁ろうとしたところ、横から包みを差し出される。
    「昨日の夜、気分が乗ってお弁当作っちゃったっス!よかったら一緒に食べないっスか!?」
    『いいのか?』
    「もちろんっス!」
    中には、色とりどりの美味しそうなおかずが所狭しと詰まっていた。
    時折切れてなかったりするにんじんや形が不恰好なミートボールなどがあったが、味は文句なしどころか最高と言ってよかった。
    『美味しい…!』
    「ホントっスか!?それならよかったっス!」

    食事を終え、テントを貼る作業と夕飯のカレーを作る作業に取り掛かった。
    カレーを作る彼女を見守りつつ、トレーナーは簡易テーブルを出し、テントを貼り…
    「トレーナーさん、大丈夫っスか?」
    『お、バンブー。おつかれ!…実はちょっとうまくテントが貼れないんだ。ちょっと弛んじゃって…』
    「ならこっち抑えとくっス!」
    …彼女の手伝いもありつつ、トレーナーは2つテントを貼り終わった。

  • 4二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:03:57

    すっかり日も暮れてきた。
    パチパチという火の音だけが響いている。
    「ふぅ…もうすぐカレー完成っス!」
    『ごめんね、任せっきりで』
    「いやいや、むしろ今アタシすっごく燃えてるんで!自力で頑張りたいからちょうどいいっス!」
    そう言って彼女はカレーを混ぜている。
    …スパイスの美味しそうな香りが漂ってきた。
    不意にトレーナーのお腹が鳴る。
    「あ、待たせててすみません!今できたっスよ!」
    簡易テーブルに並べられたそれは、非常に美味しそうだった。
    米が少し焦げ付いているのも、逆に食欲をそそる。
    『美味しそう…』
    「早速食べるっス!」

    「『いただきまーす!」』

    「おおお…!美味しいっス!!!やっぱりキャンプのカレーは格別っスね!」
    『本当に美味しい…!』
    疲れた体に染み渡る味。
    鍋いっぱいにあったカレーと米は、あっという間になくなってしまった。
    「さて、テーブル拭かないとっスね」
    『それは俺がやっとくよ、バンブーはもう休んでくれ』
    「え、でも…」
    『明日以降も早いからさ。…それに、テーブルはしっかり拭けって普段から言われてるしな』
    そう言ってトレーナーは慣れた手つきでテーブルを拭いた。
    「…ちゃんと聞いて覚えてくれてたんスね」

  • 5二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:04:10

    夜になりすっかり辺りは暗くなる。
    満点の星空の下、2人は賑やかに会話をしていた。
    『はぁ…今日は、楽しかったな』
    「ほんとっスよ!今日でこれだけ楽しいなら明日からは…くぅ〜っ!!!今から待ちきれないっス!!!」
    『はは、バンブーらしいな』
    「…にしても…ホント、星綺麗っスね」
    『あ…本当だな』
    「…へへ…アタシこんな綺麗な空全然見たことないっス!連れてきてありがとうございます、トレーナーさん!」
    『…どういたしまして』

    無邪気に笑う少女の瞳は、星空を映して輝いている。
    しかし、その傍にいるトレーナーの目は…少女だけを映していた。

  • 6二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:04:42
  • 7二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:09:46

    まるで青春やってるみたいだ

  • 8二次元好きの匿名さん22/09/26(月) 22:20:12

    コラ!ちゃんとトレーニングしろ!
    と草陰から言いたくなるほど甘々だぁ

  • 9二次元好きの匿名さん22/09/27(火) 01:36:14

    衣装違いの追加イベ感ある

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