おい、フク｜あにまん掲示板

「うふふふ、どうでしょう！トレーナーさん！！」
「マ子にも衣装ってやつだな」
「ﾝｷﾞｬ！酷い！結構苦労したんですよ！？」
「苦労したのは着付け師さんだろうが…」

今日は少し特別な日。
着物姿のマチカネフクキタルは甚兵衛姿のトレーナーと共に神社の祭りへ来ていた。

「しかしトレーナーさんもノリノリですねぇ、服装は別に自由でも良かったんですよお？」
「お前が着物着るとか言い出すから合わせただけだ。押し入れから引っ張り出してきたぞ」
「えへへ…すごくお似合いですよ！スタイリッシュ！」
「はいはい、さっさと行くぞ。転ぶなよ」

いつもの調子で祭囃子の中へと
歩幅を合わせて向かう2人だった。

>>18 >>23

9二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 23:09:42

(むっふっふ。今日は気合い入れちゃいましたよー！めいっぱい楽しんで幸せな思い出作っちゃうんですから！！
…しかし、今朝の占いでは「災い転じて福となす」と出てましたねぇ…今のところこれといった災いは起きてませんが…)

様々な屋台を巡りながら確かな思い出作りに励むフクキタルだったが、占いの言う「災い」が引っかかっており、少しぼうっとしていた

「━━おい、フク！」
「ふぇ？　ってうわっ！？」

どさっと倒れてしまったフクキタル。どうやら目立たない段差に引っかかったらしい。

「あイたたた…」
「段差があるから気をつけろって言っただろ…着物なんだぞ」
「す、すみません…
　ボケーッとしてましてアハハ…」
「仕方ねぇな…もういい、手を貸せ。これ以上ケガされても困るしな」
「…ぱえ！？手繋いでくれるんですか！？」
「なんだその反応…ほら、出せ」

(思わぬ僥倖！トレーナーさんと手を繋いで祭りを回れるなんて！)

でも災いと言うにはちょいとショボいような…と余計な事を考えてたその時だった

>>18

10二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 23:10:16

「あ痛ッ！？」
「！？　どうしたっ！？」
「ｲﾂﾂﾂ…うわぁこれ…
　足捻っちゃってましたか…」

どうやら転んで終わりではなかったらしい。運悪く足を捻ってしまい立つ事も難しくなってしまったようだ。

(うぅ…お祭りはまだまだ続くのに…
これじゃあまともには…)

トレーナーにも申し訳ないという気持ちが芽生え始めた。

「…本当にしょうがねぇ奴だな…」
「…エ？…トレーナーさん、何を…？」
「言わせんな。お前をおぶってくんだよ」

━━━━━━━━━━━━
(……あったかいなあ。背中)

フクキタルは現在トレーナーに背負われている。なんだか夢の中のような気分だ。

(…そういえば、今どこへ…？)

トレーナーは行き先が決まっているらしく、迷いなく祭り囃子から抜け出していた。

「…よし、この辺か… 下ろすぞ、フク」

トレーナーさんがおろすぞって言うと危ない意味に聞こえますねぇなんて余計な事を考えながら足に気をつけて座った。

>>18

11二次元好きの匿名さん21/10/17(日) 23:10:30

「ずいぶん人気のない所ですなぁ…
　何ですかここ？」
「フッ、まあ見てろ」
「見てろ…？」
トレーナーの視線は仰角45度。
どうしましたと口にしようとしたその時

満開の花火が夜空を満たした。

「うわあ…！！」
「ここが穴場らしくてな。知り合いに聞いたんだ」

祭りのビッグイベント、打ち上げ花火。存在は知っていたが、実際に見ると鮮やかさに圧倒される

「……いやぁよ。フクキタルお前、めちゃくちゃこの祭り楽しみにしてたそうじゃねえか」
「えっ…」
「まあ、なんだ。いつもトレーニングとかもしっかりやってるし、折角なら最大限楽しめって思ってな…」

少し照れ臭そうにしながらトレーナーが言う。

(━当たり前ですよ。トレーナーさんと一緒のお祭りって事ですもん)

「…むっふふふー。ではトレーナーさん、私のために色々調べたりしてくれてたんですねー？もおー私のこと大好きなんですからあ」
「うるせぇなあ」ｺﾂﾝ
「ﾋｷﾞｬっ」

やはり今日は大安吉日。
マチカネフクキタルの今日はまた、幸せに終わったのだった。