- 1二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:03:26
〈12年前〉
「ルフィ、ウタちゃん、もう寝なさい」
時刻は9時、マキノさんが酒場の外で勝負していた私達を迎えにきた
「はーい」
「えーー!?」
素直に返事をする私と違ってルフィは不満げ
「イヤだ!!まだウタと勝負するんだ!!!」
可愛い弟分はまだまだ負け足りないらしい、だけど私はあくびを我慢するのを見逃さなかった
手がかかるんだからルフィは
「ルフィ、私は歌姫だから早く寝てびよー?にも気を遣わないといけないの、ルフィも早く寝ないとシャンクスみたいな強くてカッコいい海賊になれないんだから」
「むぐぐ…じゃあ後一回だ!!一回だけ勝負しよう!!」
ルフィは結構しつこいタイプだ、かと言ってここでマトモに勝負を受けるとズルズル続けてしまう
ここでの最適解はいい感じに言いくるめること - 2二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:06:07
期待
- 3二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:07:01
釜?
- 4二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:29:02
あくびを我慢するルフィも美容をよく分かってなさげなウタもかわいい
- 5二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:31:12
「じゃあ勝負の内容は私が決める」
「わかった!!」
「勝負はねー…早起き勝負!!」
「!!」
言い終わる前にルフィはベッドがある部屋に走っていく、全く単純なんだから
「ウタちゃんはルフィの扱いが上手いわね」
「フフーン、2歳もお姉さんなんだから当然でしょ」
マキノさんに自慢しながら私もベッドに駆けていく
ベッドではルフィがもう毛布に潜り込んでいた
でも早く寝ようとして逆に眠れなくなってるみたい
勝負にしたのは失敗だったかな?
「むー」
ルフィが唸っている
しょうがない、お姉さんとして一肌脱ぎましょう
「ルフィ、入るよ」
「ん?ウタも一緒に寝るのか?」
「同じベッドじゃないとどっちが先に起きたかわからないでしょ?」
「そっか」
ルフィと一緒に毛布に包まれる
- 6二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:32:01
「今日も一回も勝てなかったね、私の122連勝」
「違う!!おれの122連勝だ!!」
「出た、負け惜しみ〜」
いつものやりとりでルフィの緊張がほどける
途端に眠気に襲われたのか目をしょぼつかせ始めた
あとはもう一押し
「ルフィ、歌ってあげようか」
「…うん、ウタの歌、好きだ」
「素直でよろしい」
選んだ歌は世界のつづき、優しい気持ちになる歌だから子守歌にも向いてると思う
「どうして〜♪あの日遊んだ海の〜♪匂いは〜♪」
一番を歌い終える頃には寝息が聞こえてきた
普段の元気いっぱいのルフィも可愛いけどこうやって穏やかに眠るルフィの顔も違った可愛さがある
そんな寝顔を見つめる内に歌った反動で私も眠くなってきた
「おやすみルフィ…」
眠るルフィのおでこにキスをして私も意識を手放した
- 7二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:35:39
支援
- 8二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:38:26
続けて?
- 9二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:38:59
ぶひゃ〜たまんねぇ!!
- 10二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:39:04
かわいい
- 11二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:47:30
〈現在〉
「そんな感じでお姉ちゃんできてたのになぁ〜」
「どうしたのウタ、不満げな顔して」
ここはサニー号の女子部屋、ベッドの上で膨れる私を見て我らが航海士ナミちゃんが声をかけてきた
「ルフィってさ、この船の船長じゃん」
「そうね」
「カッコよくて頼りになるじゃん」
「そう…そうね」
「でも冒険に目をキラキラさせてるときは可愛くてたまらないじゃん」
「ちょっと待って、何これ惚気?」
ナミちゃんに遮られる
「確かに微笑ましいわね」
「ロビンさんもそう思う!?」
「え、何、私が少数派?」
本を読んでいたロビンさんも加わって女子トークの始まりだ
「それで、何が不満なのかしらウタは」
ロビンさんが不意に核心を突いてくる
ちょっと恥ずかしい気もするがぶっちゃけてしまおう
「実は…」
- 12二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 13:58:51
「…つまり、昔と同じように弟みたいに甘やかしたいと、ウタはそう思ってるわけね」
「そういう…ことなのかな?」
言葉にしてみると思ったより恥ずかしかった
ナミちゃんもなにやらニヤニヤしている
「確かに子供の頃のルフィを知ってるのはこの船ではウタだけね」
「本当に可愛かったんだよ、生意気で無鉄砲で、でも素直なところもあって、今も変わってない」
- 13二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 14:01:01
スレ主です
夜に書けたら続き書きます - 14二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 14:01:54
支援
- 15二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 14:16:16
窯を煮込んで君を待つ
- 16二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 14:17:55
素晴らしい…
- 17二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 15:04:25
お姉ちゃんウタ…素晴らしい…素晴らしい…!
- 18二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 15:24:29
- 19二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 16:17:41
- 20二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 20:43:22
「まあ今のルフィはご飯もすごい勢いで食べちゃうし、一緒にお風呂に入ったり寝たりとかはゾロ君たちもいるしでなかなか甘やかせないんだよね…、どうにか二人きりになれないかなぁ」
「ちょっと待ったぁ!!!」
ナミちゃんがツッコんでくる、どうしたんだろ
「ウタの気持ちもわかるけど、昔みたいに甘やかす訳にはいかないわよ」
「えー!?なんでナミちゃん、今のは手伝ってくれる流れだったよ!!」
「今はウタもルフィも大人でしょうが!!男女でお風呂とかベッドとかはいくら幼馴染でもダメ!!」
「そうね、サンジが人間をやめてしまうわ、ルフィとウタなら間違いも起きないでしょうけど…」
…なんかそれはそれでモヤモヤする
なんでだろ、子ども扱いされてるみたいだからかな?
そんなことを考えているとナミちゃんが提案してきた
「無難なものならサンジ君が石化したりもしないでしょうし…そうね、今日は晴れてるし暖かいからルフィが甲板で昼寝すると思うわ、その時になにかしてあげたら?」
私でも知らないルフィの行動ルーチンをナミちゃんが知ってることにビックリすると同時に心がチクチクする
もー!!ルフィのお姉ちゃんは私なんだぞー!!
さておき良いことを聞いたし早速ルフィのところへ行こう
この時間ならキッチンの近くまで匂いに釣られて寄ってきてつまみ食いしようとしてるはず
「じゃあ行ってくるね」
「フフ、気が早いわね」 - 21二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 20:59:29
キッチンに向かうと手際よく野菜を切るサンジ君と、つまみ食いがバレておしおきされたのだろう、床にめり込んでるルフィがいた
「やあウタちゃん、そろそろできるからね」
「うん、楽しみにしてる」
今日のメインディッシュは海獣のステーキ、こんな良い匂いしてたらつまみ食いもしたくなるよね
突っ伏しているルフィのそばでしゃがみ込む
「ねえルフィ」
「ん?どしたウタ」
「私、ルフィと寝たい」
ダイニングに入ってきたみんなとサンジ君の動きが止まった - 22二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:11:06
ウタとルフィの仲がいいSSはいいぞ
- 23二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:41:49
>サンジが人間をやめてしまうわ
ここなんか草
- 24二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:46:18
ウタはルフィといたら何かしら姉ムーブしたがるだろうな
- 25二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:52:01
姉さん女房はマクシムに乗ってでも探せときく……
- 26二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:54:18
すげーな一言で船内の時間が止まったぞ。
もしくは『ビシィッ!!』って緊張が走る音。 - 27二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:56:11
大変美味しい展開
- 28二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:59:15
これもうサンジ人の形してないだろ
- 29二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:00:03
21歳児ウタは健康にいい...
- 30二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:05:13
言葉の選び方ァ!
- 31二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:05:50
エネルは奥さん探しに旅立った…?
- 32二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:12:29
サンジが人間を辞めてしまうは草
- 33二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 22:42:31
ダイニングが静まり返る、なんでだろ、そんなに変なこと言ってないよね?
「良いぞ、おれもウタと寝てぇ!!」
ルフィが静寂を破ると同時にサンジ君が真っ白に燃え尽きていった
「どうしたサンジ!?」
「どうしたのサンジ君!?」
「「「「「お前らのせいだよ!!」」」」」
みんなにツッコまれた - 34二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 23:50:35
- 35二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 23:52:56
うわあ!ナチュラルに膝枕!?
- 36二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 23:53:21
あ〜、脳が癒される…
- 37二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 00:14:42
添い寝なら幼馴染だしまあ…ってなるのに膝枕はアウトなんよ
サンジが砂になるんよ - 38二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 00:17:15
ルフィの頬を、傷をなぞる
昔と変わったところ、変わらないところを確かめるように撫でると、昔とは違う感覚を覚えた
暖かくて、少し苦しくて、なぜか抑えられない気持ち
エレジアで見聞きして歌った歌の中には恋や愛を題材にしたものもたくさんあった
ピンと来なかった私には少し苦手なジャンルで、自分で作ったことは無かったけど、あるときゴードンは言っていた
「いつか、君がこの歌たちを歌いたいと思えることを願っているよ」
そっか、こういう気持ちなんだね
この気持ちが恋しい、愛しいってことなんだ
「可愛い弟だと思ってたんだけどなぁ」
ナミちゃんやロビンさんの言葉で心がチクチクしたのも、なんてことはない、いつの間にかルフィを愛していたからなんだろう
「ルフィ、大好き」
そう言ってルフィの頬にキスをした
私の心に芽生えたこの愛しさを育てていけば、いつか、いつかきっとこのキスが彼の唇に届く日も来るだろう
そして私は次の日もルフィを膝に誘う、可愛い弟としてではなく、愛しい男として
「おいで、ルフィ」
おわり
- 39二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 00:18:47
- 40二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 00:19:14
素晴らしい…尊い…ありがとう…
そしてさよならサンジ… - 41二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 00:20:35
良いSSだった…
最初から一味入りしてたのがまた終始ハッピーな雰囲気を作るのに役立ってたな… - 42二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 00:23:13
ほんのり甘い雰囲気最高だ
- 43二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 00:23:22
ルフィもきっと答えるだろうな
- 44二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 00:23:43
- 45二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 00:24:38
- 46二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 00:26:22
- 47二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 02:03:17
良いSSを読ませてもらった、ありがとう。
- 48二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 02:54:48
良きSSだとスレ主は語り継がれる
- 49二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 07:10:15
優しい世界だ
- 50二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 13:42:55
善きスレだと釜を煮込んで語り継ごう
- 51二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 22:05:18
素晴らしい
年上幼なじみとは良いものだ - 52二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 22:41:52
いいよね…甘やかしてくる姉さん女房
- 53二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 10:01:14
ありがとう…ありがとう…
- 54二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 20:49:32
語り継がれる…
- 55二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 22:38:03
暖かい…ひたすら暖かい…
- 56二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 10:07:32
ウタのお姉さんムーブ大好き