- 1二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 20:37:00
「じゃーん! どうかな? どう……か、な?」
ヘリオスに選んでもらった仮装をして。
「マジイケてる! ヤバみハンパない! デビルなパーマー超アガってる!」なんて褒められまくって。
楽しくてつい、あの人に見てもらいたくて。
──約束を、したくて。
勢い余って一人トレーナー室のドアを開けて。
威勢よく声を出したところでポカンと口を開けたトレーナーと目があったところで……我に返った。
「……」
「……ど、どうでしょうか」
彼からの返事がなくて、思わず敬語になってしまう。
恥ずい。ミスった。失敗した。調子に乗りすぎた。
いろんなネガティブな言葉が頭を駆け巡り始めたところで。
「……すごくかわいいと思う」
ようやくトレーナーの言葉をもらえた。
それだけで私の心は晴れてしまう。
思った以上に現金な自分の頭に呆れる。
「え、へへ。ありがと、トレーナー……でも一応悪魔の仮装なんだけど、私」
私は頭に被っている角の先を指差してみた。
「パーマーは悪魔でもかわいいよ」
くそう、この人は……。これだから困る。 - 2二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 20:37:38
「カッコいいとか、怖いとかにならないかな? ……えーっと、食べちゃうぞ〜みたいな?」
そう言って私はヤケクソな感じで、ライオンみたいなポーズを取った。
「もっとかわいいんだが。……ところで悪魔って何を食べるんだ?」
トレーナーの素ぼくな質問に私は言葉に詰まる。
悪魔といえば──。
「うーん、魂、とかかな」
「なるほど。パーマーに魂を取られるなら本望だな」
「──」
ああ、もう。もうちょっと手加減してくれないんだろうか。
「悪魔といえば、取り引きじゃないか? 魂と引き換えに願いを叶えるとか」
「取り引きかあ。……トレーナーは何か願い事とか、あったりする?」
私の質問に彼は顎に手を当てた。そして答える。
「いっぱいあるよ」
「どんな?」
「そうだなあ……手始めにはパーマーがいつまでも好きに、元気に走れるようにとかかな」
まぶしすぎる答えに、邪な私は焼かれそうだ。
「……じゃあさ、それを私がめっちゃがんばって叶えるからさ」
「うん?」
「魂とかは、いらないけどさ」
本当は魂ごと欲しいかもしれないけど。
「聖蹄祭さ、二人で一緒に回らない?」
「──もちろん、喜んで」
何とか約束を。
実に悪魔な取り引きを、成立させたのだった。 - 3二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 20:38:13
おしまい
イラストに惹かれて衝動的に書いた一口SSでした - 4二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 20:40:07
鬼!悪魔!たづな!(ここまで書いておいてデート本番なしとか許されないぞ!
早く続けるんだ!) - 5二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 20:41:58
よき…
- 6二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 20:42:26
こういうの似合うなパーマーは…
- 7二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 20:44:58
良いイラストは良いSSを産む
素晴らしいな - 8二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 20:51:43
なんだこのスパダリ…パマトレなら当たり前か
- 9二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:10:31
甘いね…ところでパーマーはこの格好でこの後もトレーナー室で2人っきりなんです?
- 10二次元好きの匿名さん22/09/28(水) 21:36:17
これはメジロのトレーナー