- 1スレ主22/09/30(金) 19:09:12
『いきなりこんなお手紙を書いてごめんなさい
どうしても伝えたい気持ちがあって、でも直接言うのは恥ずかしいのでお手紙にしました
本当なら同級生になりたかった
同じ教室で、同じ授業を受けて
たまに教科書を見せあったり、課題を写したり
修学旅行で同じ班になって一緒に観光したり
少しでも多くの時間を過ごしたかった
でももうすぐ卒業の日がやってきて離れ離れになっちゃうから言わせてください
あなたの事が好きです。
名前は...隠します。でももし、心当たりがあるなら、卒業式の日に屋上に来てください』
「...なにこれ」
心の中で読み終えた手紙をクシャクシャに丸めてゴミ箱に捨てる。
「名前隠すって何?それほんとに気持ち伝える気ある?」
目に映らない誰かに言うように独り部屋の中で文句を連ねる。
「ほんと卑怯な手紙、思いを伝えたいなら直接面と向かって言わないと!手紙だけじゃイタズラだって思うかもしれないし、振り向く訳ないでしょ!もう!」
どうしようもなくむしゃくしゃして、八つ当たりにゴミ箱を蹴っとばす。
「ぁ〜...いったぁ〜」
足の小指をぶつけてしまい、足を抑えながら椅子に座り込む。床には書き損じも含めて数十個にもなる丸められた紙ゴミが転がっていく。
「ルフィ...」
上手くいかないことから目を逸らす為に、机の上の写真立てに嵌められた私と彼のツーショットを眺める。ルフィの笑顔は写真の中でも真昼の太陽よりも眩しい。
―卒業まであと1ヶ月 - 2二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 19:12:03
待機してるべ
- 3二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 19:13:09
期待
- 4スレ主22/09/30(金) 19:18:19
「歌は作れるのに...歌詞は書けるのに、なんでラブレターは書けないの〜〜!」
ベッドに飛び乗り枕を抱えて足をじたばたさせる。ここ最近ずっとこんな事ばっかり。
「そういえば私ラブソング作ったこと無かった」
気が済むまでベッドの上で暴れて冷静になり、自分が今まで作ってきた曲を頭の中で流して気づく。ひとつもラブソングがない。
原因は分かってる。たまたまラブソングが候補に上がらなかった訳ではなく、ラブソングを作ろうとするとどうしてもルフィソングになってしまい、恥ずかしくなり途中で作曲データを全消去してきたから。
「今から作る...?いやダメ、絶対ダメ。今の頭でラブソングなんか作ったら『あ〜ルフィ好き〜♪好き好きよ〜大好き〜♪』みたいなアホになる曲しか作れない...!うぅ...全部ルフィのせいだぁ...ルフィがアホの歌なんか歌うから...」
何となくスマホを触る。新しい通知は何も無い。当然だ、今は夜中の2時。ルフィとのLINEもおやすみを最後に止まってるし、インスタも流石にこの時間は誰も更新してない。
そもそも私は音大の推薦を貰ってるから呑気にこんな事できるけど、みんな受験勉強に必死でインスタなんかやってない。
「ルフィと通話したい〜...でも流石に寝てるしなぁ...」
何度もビデオ通話を押しそうになって踏みとどまる。今日は木曜日...いやもう金曜日か、ルフィには授業があるし私にも補習がある。こんな時間から通話したら絶対朝までコースだ、ルフィに迷惑だけはかけたくない。そんな良心と欲望の狭間で揺れ動く。
「あ゛〜ルフィと通話したい゛〜」
大声で叫んだって変わらないのは分かってる、それでも叫ばずには居られなかった。その時シュポ、とメッセージが送られた音がした。そこにはただ一言『起きてるか?』とだけ。
「えっ嘘ルフィ!?なんで!?あーやば、既読付けちゃったどうしよう...」
ルフィとのトーク画面を開いていなければ寝てた、と朝謝れるが通話するかどうか悩んでいたせいで即既読をつけてしまう。
「もう...いいよね、既読付けちゃったし」
手鏡を見て軽く前髪を整えてから、意を決してビデオ通話を選択。 - 5二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 19:18:30
期待
- 6二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 19:20:35
釜を煮込んで君を待つ
- 7二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 19:22:53
- 8二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 19:27:23
最初のラブレターがもしルフィやったらそれはそれで燃える!ウタはきみ悪がって捨てたって理解する時の絶望も美味しそう
- 9二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 19:28:49
最初のラブレターはウタが自分でルフィ宛に書いたけど没にしたやつでは?
- 10スレ主22/09/30(金) 19:35:16
すぐに繋がった。
「ぁ...もしもしルフィ?珍しいねこんな時間に」
何事もなかったかのように笑顔を作り、画面の中の彼に手を振る。
『勉強してたらよ、なんか声聞きたくなったんだ』
画面に写ったルフィはイヤホンを耳につけ、シャーペンを持った手で手を振り返してくれた。笑顔が眩しすぎて失明するかと思った。
「そっか勉強か〜、こんな時間まで凄いね」
赤点まみれで留年スレスレの私とは大違い。確か入学してからずっと総合で5位以内に入ってるんだっけ。私なんか3年間ずっと最下位争いしてるのに...。
『ウタは?何してたんだ?』
「私?私は...うん、作曲してた」
まさか面と向かってルフィのラブレター書いてたなんていえる訳ない、それを言う胆力があるなら直接告白してる。
『じゃあ完成したらまた聞かせてくれ!』
「もちろん!誰よりも先にルフィに聞いて欲しいし!」
あー言っちゃった...。ルフィが早く早くと急かすことは無い。だから最悪有耶無耶にしてもいいんだけど、裏表のないルフィに嘘をつくのは気が引ける。
それと誰よりも先にルフィに聞かせたいのは、本当。今までもこれからも、最初はルフィに聞かせたい。 - 11二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 19:41:43
ウタちゃん可愛いかよ
- 12スレ主22/09/30(金) 19:48:27
「もうこんな時間じゃん...時間経つの早いね」
結局朝まで話してしまった。眠くなってきた目を擦りながら、ルフィの顔を見ながら支度する為に机の上にスマホを立てかけて着替え始める。
『...なぁウタ、お前いっつもこんな事やってるのか?』
「んー?なんの事?」
パジャマを脱いでベッドの上に畳んで置き、シャツを着てボタンを閉める。次にスカートを...うん、ちょっとおやつの量減らそう。
何も見なかったことにして、留めるだけで済むネクタイをつけて鏡を見ながら整える。
「どう?ルフィ」
自撮りするようにスマホを持ち上げルフィにも確認してもらう。
『いいんじゃねえか?』
「もう、適当言ったでしょ。もし彼女できたら怒られるよ?」
自分で言いながらダメージを受ける。ルフィの彼女...彼女かぁ...。あぁやばい、朝から泣きそう。
またスマホを立てかけて、校則を破らない範囲の化粧をして髪を結ぶ。
「ルフィは準備しなくていいの?」
『おれは着替えるだけだしなぁ』
「私化粧終わったら出るから、ルフィも遅刻しないようにね」
少しでも長く会話する為に普段よりゆっくり化粧して、頻繁にルフィに確認してもらう。ルフィが心に思ってないとしても可愛いって言われるのは嬉しいから。
「じゃあ私先に出るね」
『おう!じゃあまた放課後!』
「うん、ルフィも遅刻しちゃダメだよ」
ルフィが遅刻してる所なんて見た事ないけど、どうしてもお姉ちゃん気質が出て注意したくなる。私の方がルフィより学校が遠いので先に出て、コンビニで惣菜パンを買って食べながら学校に向かう。 - 13二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 20:16:09
これルフィウタの下着姿見てるよな…?
- 14スレ主22/09/30(金) 20:24:28
「おわっ...た...」
全ての補習を終えて1人教室の中でぐったりと机に伏す。
こんな事になるなら普段からちゃんと勉強してれば良かった、なんて後悔はいつもいつもしてる。先生曰くこれでどうにか卒業できるそう。学校側としても音大の推薦が出たとアピールしたかったんだろう。何としても卒業させるために私には異例の対応をしてくれた。
「おーいウタ、起きろ」
「んぅ...ふぁ〜...」
いつの間にか寝ていたのだろう、教室は赤く染っていた。
「ルフィ...ありがと。ん〜っ」
肩を揺らして起こしてくれたルフィにお礼を言いつつ上体を反らして大きく伸びをすると、ゴキゴキと身体が鳴る。
「ごめんな、夜中に電話かけちまって」
「いいよ気にしないで。私も話したかったし」
スカートの裾を整えて、荷物を片付けて立ち上がる。
「ルフィこの1年で急に大きくなったよね、入学した時はまだ私の方が背が高かったのに」
いつの間にか身長は逆転したけど、ルフィの肩に頭を預けられるからこれはこれでいい。
「まぁな、おれ男だし」
「いやまあそうなんだけど」
ルフィの横を歩いて教室を出る。グラウンドではサッカー部が練習していて、廊下ではみんながそれぞれのグループを作って楽しそうに話してる。
「腹減ったな〜、なんか食って帰るか?」
「じゃあ私ここ行きたい」
朝の決心なんて忘れて、インスタで見つけたホイップましましパンケーキがあるカフェを所望する。朝からパンしか食べてないしお腹が鳴り止まない。
「...太るぞ?」
「い、いいでしょ別に!」 - 15二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 20:39:57
成績がいいルフィって今までの概念でなかったなおれ
- 16スレ主22/09/30(金) 20:53:33
「ん〜!美味しい!ちょっと遠かったけど来てよかった〜!」
インスタにパンケーキを投稿してから丁寧に切り分けて大口で頬張る。ふわふわのパンケーキに甘いホイップが合わさって天にも昇る心地になる。
「ルフィは食べないの?」
ルフィが頼んだのは大きいいちごパフェ、それなのに一口も食べずにずっと私のことを見ている。
「食うか?」
「えっいいの?」
「迷ってただろ、パフェとパンケーキで」
「ルフィ...!」
私の幼馴染優しすぎる...!遠慮なく受け取ったパフェも口に運び、パンケーキの上にソフトクリームを乗せたりして2つ合わせて楽しむ。
「ご馳走様。ごめんね、全部食べちゃった。勿論全部私が払うから」
ルフィにも分けようと思った時には遅く全て私の胃の中に入ってしまっていた。
「いいよ気にすんな」
「いやでも」
「いいって」
「でも」
「いいから」
「...じゃあ500円だけ出して」
何度か押し問答が続き、結局ルフィに500円だけ出してもらう形で決着した。いちご1つも分けてないのに500円も払わせるのは良心が痛む。
「そういえばルフィ、充電器忘れてたでしょ」
鞄から充電器を取り出してルフィの前に置く。いつからか家に忘れてたのか分からないけど、今朝見つけた。
「あーウタの家にあったのか。でもおれ新しいの買っちゃったんだよな〜」
「あっ、ごめん...」
「じゃあこれウタの家に置いといてくれ!遊びに行く時毎回持ってくのめんどくせぇし。元あったコンセントに戻してくれねえか?」
確かに、どうせ2つあるなら片方私の家に置いておく方が得策か、家には私分の充電器しかないし。納得して再び充電器を鞄の中に仕舞う。 - 17スレ主22/09/30(金) 21:23:00
「ごめんね、家まで送ってもらっちゃって」
あちこちブラブラしながらのんびり話しながら帰ったので、結局家に着いたのは夜8時頃だった。
「気にすんなって、夜にウタ1人で出歩いてたら危ねぇからな」
「私より2歳も年下の癖に生意気だぞ〜」
つんつん、とルフィの身体を突っついて玄関の鍵を開ける。
「...またね」
「おう!ちゃんと鍵とチェーン締めろよ!」
名残惜しいがここでずっとルフィを引き止める訳にはいかない。ルフィは私の気が済むまでずっと居てくれるんだろうけど、そんなの迷惑に決まってるから。諦めて扉を閉め、鍵とチェーンをかける。
手も洗わず、化粧も落とさず、靴下を脱いで、制服も脱ぎ散らかして、ベッドに飛び込んで大きく息を吸う。
「ああああああああぁぁぁ゛ルフィ゛〜〜〜〜〜〜!!」
思いっきり叫ぶ。それから満足するまで何度もルフィの名前を呼ぶ。
「ルフィ好き!大好き!今日だって私がパンケーキとパフェで悩んでた所見抜いてくれた!しかも私が両方頼まないって分かっててパフェ頼んでくれた!あ゛〜大好き!そういう所!ほんとそういう所!好き好き好き!好きなのに!なんでルフィの前だとお姉さんっぽく振舞って一線引いちゃうんだろ!私のバカ!バカバカバカバカ!」
足をバタバタさせて自分の頭を繰り返し叩く。本当ならもっとこう...お姉さんっぽくじゃなくて女の子として振る舞いたいのに!
「こんなのじゃいつまで経ってもルフィに振り向いて貰えないのにぃ゛...!やだぁ取られる゛〜!ルフィが誰かに取られる゛!」
ルフィは昔からモテる。凄くモテる。クラスを覗きにいったら常に周りに2~3人の女子が居るし、男友達と話してる時も女子達がルフィを見て話してる所を何回も見た。バレンタインデーだって沢山チョコ貰ってたし、体育祭では黄色い声援が止まなかった。
「なんでルフィ彼女居ないんだろ...もしかしてもう居る?いやそんなまさか...だとしたら私に時間使いすぎじゃない?」
ルフィに直接彼女の有無を聞こうか悩む。居るならルフィと毎日通話したりLINE送ったりするの止めないといけないし、居ないなら居ないでさっさと覚悟を決めて告白しないと誰かに取られる。
悩み悩んだ末、ルフィに彼女は居ないって勝手に決めつけた。そもそも居るなら私にできたって言いそうだし、ルフィは彼女が居るのに他の女とずっと通話するような男じゃない。 - 18二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 21:25:07
拙者、年上のお姉さんが年下の男の子にベタ惚れのシチュすこすこ侍
このスレを支援しに参った - 19二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 21:34:26
ルフィに彼女いない理由、ウタ本人だけが気づいてないのいいよね…いい
- 20スレ主22/09/30(金) 22:01:46
「あ、充電器戻しとかなきゃ」
ルフィの事で1人悶絶していると、いつの間にか夜10時を回っていた。明日になったら忘れるし無くすからと先にルフィの充電器を挿すと、ちょうどクラスメイトから電話がかかってくる。
「もしもし?どうしたの?」
『ねぇウタ聞いて!私合格してた!』
「えっほんと?良かった〜!おめでとう!」
『それでね!明日他のみんなも誘って遊ぼうって話してたんだけどウタも来る?カラオケにも行く予定だしさ、ウタが来てくれたらちょー盛り上がると思うの!』
「カラオケ無くても行くよ!みんなで久しぶりに遊びたいし!いつぶりだっけ、夏休み前だよね最後に遊んだの」
私にも入学してから仲のいい男女6人のグループがある。最近はみんなの受験とルフィの入学が重なったからルフィとばっかり遊んでたけど、前はよくみんなで放課後カラオケに行ったりして遊んでた。
『あれそんなに前だっけ、やば!私めっちゃ勉強頑張ったじゃん!』
「ほんとお疲れ様。一気に伸びたもんね、成績」
『そういえばインスタも見たよ。私たちが受験で必死に勉強してた中彼氏とカフェデートしたり、色々してて羨ましいねぇ』
「いやっ!あれはちがっ!ルフィは彼氏じゃないから!ほんと!」
『またまた〜、みんなから聞いたよ?毎日一緒に帰ってるんだって?』
「うぅ...違うから!ルフィはそんなんじゃないし!」
『もしかして顔真っ赤にしてる?歌い手UTAのスキャンダル発覚!なんて』
「もうやめて!明日駅前でいい!いいよね!」
『はいはい、後でグループLINEに送っとくから。彼氏と仲良くね』
「だからルフィは彼氏じゃないって...!」
私の言葉を最後まで聞かずに通話は切られる。前々から色恋沙汰が大好物なのは知ってたけど、自分がその餌食になるとは思ってなかった。
でも本気で言ってなかったし、明日遊ぶ時は弄る気ないんだろうなという信頼もある。
『はぁ...お風呂行こ』
「...明日友達とカラオケ、今から風呂、か」
イヤホンから流れてくるウタの声をノートに纏めて、20時から22時までの空欄を眺める。
「何してたんだろうな、この時間」 - 21二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 22:04:59
ん?
- 22二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 22:05:33
あー充電器戻しといてくれってそういう…
- 23二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 22:07:27
あ、
- 24二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 22:08:08
このレスは削除されています
- 25二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 22:21:20
- 26二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 22:42:38
スレタイ簡素過ぎないか?
- 27二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 22:45:45
ルフィ君?
- 28スレ主22/09/30(金) 23:14:38
今日は本当に充実した1日だった。朝からみんなでスイパラに並んだり、ラウンドワンでボウリングしたり、カラオケ行ったり他にも色々。ルフィと遊ぶのも勿論楽しいけど、友達みんなと和気あいあいと遊ぶのはまた別の楽しさがある。
その帰り道、見慣れた顔を見掛ける。
「あれ...ルフィ?えっ嘘!?ルフィ!?なんで!?ちょっと待ってよ心の準備できてない...!スルーする?あぁでもルフィに話しかけたい...どうしよう」
「何やってるんだ?」
ウジウジうだうだ考えてたせいでルフィに見つかり、先に声をかけられてしまった。
「今日友達と遊んでたんだ。さっき解散して、今帰り道」
ルフィと話そうとすると自然と姉のように振る舞える自分が憎らしい。
「奇遇だな!おれも友達とカラオケ行ってたんだ!」
なんという偶然、帰り道ルフィに会えるだけじゃなくて今日カラオケ行ってた事まで一緒だなんて。これもう運命の人だし告白していい?という欲望は理性に踏み潰される。
「そっか、夜遅いし一緒に帰る?」
一緒に帰る誘いは簡単に出来るのに好きだって伝える事は中々できない。
「あっ、ちょっと待ってくれ」
「えっなに?」
突然ルフィが私のうなじ辺りをクンクンと嗅ぎ始める。これで臭いなんて言われたら二度と立ち直れないかもしれない。
「...臭うな」
ルフィが小声で言った言葉はしっかり耳に入ってしまった。臭う...?えっ、嘘?臭う...臭う?それ臭いって事?それとも香水の事かな?それともホイップの甘い匂いとか...かな?
内心焦りながら自分の脇や手首を嗅ぐも、自分の匂いは自分では分からず、ルフィが気になった匂いが分からない。
「ねぇルフィ...臭うってなんの事...うわっ!」
腕を掴まれ強引に歩かされる。状況が飲み込めない私を連れて、いつの間にか私の家の前に着く。
「...もしかして私にさっさと風呂入って欲しいの?」
「おう」
深い刃物が私の心に突き刺さった。このショックで死んでしまいそうなぐらい深い傷を負った。
「待ってて...部屋だけ片付けさせて...」
私がお風呂から上がるまでルフィをこんな寒い外で待たせる訳にはいかず、部屋に招き入れるために先に部屋を片付ける。特に1番見られたくない手紙のゴミはクローゼットの奥の方に押し込む。
「どうぞ...」
泣きそうになるのを堪えながらルフィを家の中に招き入れ、私はお風呂に向かう。 - 29二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 23:17:28
ちょっと待ってちょっと待ってルフィさん!?
- 30二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 23:21:20
男の匂いでもしたか?
- 31二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 23:22:17
仲のいい男女6人のグループってあるからその男の匂いか
- 32二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 23:23:55
ルフィ仲のいい友達グループに男居るの知らなかった口だな。これ
- 33二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 23:32:30
ルフィとしても怖いよな、自分がいない間に2年も経ってるんだもんな
- 34二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 23:34:19
中高が3年ずつしかないから2歳差はでかいよなあ…
- 35スレ主22/09/30(金) 23:42:18
「お待たせ...」
普段...も気を抜いてるわけじゃないけど、今日はいつも以上に丁寧に洗った。髪の毛1本ずつ、根元から毛先まで。それぐらいの気概で。普段ならテレビを見ながらのんびりドライヤーで乾かすけど今日は洗面所で乾かしてきた。
「前閉めないのか?」
「あー...うん、暑いし」
暑いっていうのは嘘。今日パジャマの前を閉めなかったのはちょっと大人っぽい下着をルフィに見せたかったから。私から告白できないならルフィに告白させればいいという天才的な案。ここまでして何も無かったら修復不可能なダメージを食らうという点に目を瞑れば完璧な案。
「どう...かな?」
軽くはだけさせながら、うなじをルフィに見せるとルフィの息が首筋に当たる。
「...ウタの匂いがする!」
ガバッ!と後ろから抱きしめられ、何度も私の匂いを嗅いでいる。
(えぇ〜?これどう?これどっち判定?私に発情してるかな?それとも弟として姉に甘えてる感じ?どっちだ...?あ〜、これ甘えてる方だ...。素肌だよ?自分で言うのもあれだけど18歳のお腹に腕回してて何も起きないことある?もうちょっと上...具体的には胸の辺り触ってもこの雰囲気なら全然許しちゃうって言うか本望っていうか。私のお尻とルフィの腰当たってるじゃん?そうしたらこう...なんか硬いものが当たってさ、ちょっといじらしい雰囲気になるもんじゃないの?私そんなに女として魅力ないかな?ちょっと待ってルフィそんなに何度も嗅がないでくすぐったいから...!)
「ねぇルフィ...さっきの私そんなに臭かった?」
「臭い...ってよりおと...変な匂いがしたんだ」
「あーもしかして香水かな...?ルフィと出掛ける時はつけてないし」
「...なんでつけねぇんだ?」
突然ルフィの腕に力が篭もり、空気が重くなる。
「だって...ルフィ苦手そうだし...それより!ルフィもお風呂入ってきたら?ルフィがお風呂入ってる間に残り物だけどご飯作るから!」
重苦しい空気とルフィの拘束から逃れる為に強引に話題転換。不服そうだったけど納得してお風呂行ってくれた。
「着替え置いとくよ」
突然家に来る事は稀にあるのでルフィの着替えも2日分は家に用意してある。パンツとシャツとパジャマをバスタオルと一緒に置いて、自分はエプロンを着て軽食を作り始める。 - 36スレ主22/10/01(土) 00:15:28
「ねぇルフィ...」
「なんだ?」
「いや、いつまでこうしてるのかなって...」
2人でご飯も食べ終えてゆっくりするかゲームでもするか考えていた矢先、ルフィの腕の中に捕まえられてしまった。
「筋肉...凄いね」
「鍛えたからな」
さっきは気づかなかったが、ルフィの筋肉はすごい。ゴツゴツしてて、抱きしめられてて安心感がある。これが弟としてではなく、恋人としての抱擁だったらどれほど良かったか。テレビをつける気にもならず、前々から気になってたことを聞くことにした。
「ルフィはさ、どうして私と同じ高校選んだの?もっと上にもいけたのにさ」
私達の通ってる高校はお世辞にも偏差値が高いとは言えないし、ルフィはもっと上の高校でもA判定が出ていた。
「おれ高校の事とかよく分からなかったからよ、適当に決めちまった」
「...ルフィらしいね」
「もう...喧嘩はしてない?」
中学生の頃のルフィは何となく荒れてた気がする。毎日のように私のクラスメイトや同級生と喧嘩して、しかも中一なのに勝ってたし。ルフィが喧嘩ばっかりだから怪我の手当も上手くなっちゃった。
「最近はしてねぇな」
「なんで喧嘩してたの?」
「...言わねぇ」
ルフィの腕に力が入る。きっと私には言えない男の何かがあったんだろう。
「高校に入ってからだよね、アポ無しで泊まりに来るようになったの」
「嫌か?」
「全然」
小学校や中学校の頃はちゃんと前々から連絡して週末泊まりに来てたのに、高校に入ってからは連絡も無しで、しかも平日にも泊まりに来る事が少なくなかった。私の親もルフィの親も出張や赴任で家を空ける事が多いから、歳上に甘えたいのかな?って思って特に拒むことはしなかったし、お姉ちゃん代わりに甘やかしてきた。
...そんな事してたから異性としての接し方分からなくなったんだけどね。 - 37スレ主22/10/01(土) 00:42:21
「筋肉...凄いね」
「鍛えたからな」
ウタを守れる強い男になりてぇから鍛えてきた。
「ルフィはさ、どうして私と同じ高校選んだの?もっと上にもいけたのにさ」
「おれ高校の事とかよく分からなかったからよ、適当に決めちまった」
本当はウタと同じ学校に通いたかったから。一年間しか通えねえけど。
「...ルフィらしいね」
「もう...喧嘩はしてない?」
「最近はしてねぇな」
「なんで喧嘩してたの?」
「...言わねぇ」
ウタを好きになったから、色目使ってる男全員締めたなんて言えるわけねぇ。
「高校に入ってからだよね、アポ無しで泊まりに来るようになったの」
「嫌か?」
「全然」
嫌われてなくて安堵する。
高校に入って、学校でウタを見た時焦った。すっげぇ綺麗だったから。彼氏がいるんじゃないかって不安に思って不定期に家に行くようになった。それでも怖ぇから盗聴器も仕掛けた。
勉強だって、あんま好きじゃねぇけど頑張った。賢い男が嫌いな女ってあまり聞いた事ねえし。
女友達に聞いて恋愛ドラマとか色々見た。
できる限り精一杯の事をした。
なのになんで。
いつまでも弟扱いして...男として見てくれねぇんだよ...! - 38二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 00:43:55
すげぇ………ルフィの心理描写よくできてる
- 39二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 00:46:00
このレスは削除されています
- 40二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 00:55:30
姉弟のように育ってきた2歳差男女のすれ違いからしか得られない栄養素がある
- 41二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 00:56:42
拝んとこ…
- 42二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 00:57:33
ルフィおっも♥
しゅき♥ - 43二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 01:05:25
私は両片思いのクソ重ルウタ現パロが大好きでねェ…
- 44スレ主22/10/01(土) 01:28:41
「...飽きない?」
「飽きねぇ」
ルフィっていつからこんなに甘えん坊になったんだろう。前まではずっと私の事抱きしめるなんて事なかったのに。
頼られるのは歳上として嬉しい。嬉しいけど、女としてはずっと密着してるのに手を出されないのは心にくるというか、自分に魅力がないんじゃないかとどんどん不安になっていく。本当ならルフィの手を掴んで私の胸を触らせたいけど...拒絶された時のダメージが計り知れなくて踏ん切りがつかない。そもそもルフィは弟として歳上に甘えてるだけなのに、いきなりそんな男と女の関係に持ち込んだら私の事を嫌うかもしれない...。最悪好かれなくてもいい、付き合えなくてもいい、でも嫌われるのだけは死んでも嫌だ。
「...映画でも見よっか」
「おう...」
遂には無言に耐えられなくなりテレビをつけてしまう。本当ならルフィの好きなロボット物でも流すのがいいんだろうけど、私は未練がましくも海外の恋愛映画を選択してしまった。しかもR-15指定の。多分濡れ場も...ある。
直接的な描写は無いにしろ、私でもわかるぐらいの匂わせ描写はあった。しかも話も微妙に面白くない。こんな映画を見て会話が盛り上がるわけもなく余計に重苦しい空気が漂ってしまう。
「...ごめんね」
「次は...もっと別のにしねぇか?」
流石のルフィも苦笑い。ルフィは恋愛映画好きじゃなさそうだし余計にアレだったのだろう。
「そうだね...やっぱ恋愛映画は恋人同士で見た方がいいよ」
(それっておれとは恋人になれねぇって事なのか...?) - 45二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 01:36:16
麦わら屋と歌姫屋、お前ら思ってること全部口に出せ
- 46二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 01:38:41
うーんこのクソボケども
- 47二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 01:39:50
恋愛ドラマとか観てりゃわかるだろ
気持ち隠すとろくなことにならねェんだよ - 48二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 01:40:54
書きかけのラブレターを信じましょうや
- 49二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 01:41:57
両方とも踏み込んだ関係になりたいのに…幼馴染という慣れ親しんだ立場がそれを邪魔する
ん〜辛いねェ〜 - 50二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 01:43:47
海軍大将、ルウタ気振り勢なの
バ
レ
バ
レ - 51二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 01:46:29
- 52二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 01:48:00
男ならハッキリせい!麦わら!!
- 53スレ主22/10/01(土) 02:19:22
「ルフィ」
「ん」
幸いにも家にお菓子やジュースがあったのでつまみながら映画鑑賞を再開する。私達の姿勢も定まってきて、私はルフィに完全に凭れかり、ほぼ寝転がったような姿勢が楽だってことに気づいた。私の事抱きしめて両手の塞がったルフィの代わりに、ポテチをルフィの口に運ぶ。
「ルフィ、あ〜げ〜...ない!ん〜美味しい!」
「あ!それ食いたかったのに!」
「やーい負け惜しみ〜!」
時々映画そっちのけで遊んだり。
「なんでサメ映画って頭の数増やしていくの...?」
「...しらね」
サメ映画見たり。
「すっごい綺麗...」
「すっげぇなこれ」
アニメ映画を見て映像の綺麗さに心奪われたりした。
時々恋愛映画だって混ぜたのに、いつまで経ってもルフィから手を出されない。
「ごめんルフィ、脱ぐね。暑いし」
暑さを言い訳にしてパジャマの上だけを脱いで、自分からルフィの腕の中に収まる。ここまでしたら流石に意識してくれると信じて。
「次どうしよっか」
「ウタの好きなやつ見ていいぞ」
...映画、見るんだ。
(なんで恥ずかしげもなく脱げるんだよ...!おれだって男だぞ!?やっぱ弟としか思われてねぇのか...!?確かに家族だって思われてるのは嬉しいけどよ!おれは男として見て欲しいんだよ!) - 54二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 02:27:24
ん〜もどかしいぞ〜だがいい!
- 55二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 02:27:51
このレスは削除されています
- 56二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 02:30:18
- 57二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 02:41:06
- 58二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 07:35:30
あげ
- 59スレ主22/10/01(土) 11:34:58
「ふわぁ...ねむ...」
流石に朝まで映画を見ていると身体が限界に到達して大きなあくびが出てしまう。
「そろそろ寝るか?」
「寝る」
ルフィの腕から解放されるとうつ伏せになってベッドに寝転がる。
「あのさルフィ」
「私結構眠り深いから」
手を背中に回してブラのホックを外す。眠たすぎて思考が正常に機能してない、こんな事したらどっちに転んでも起きてから後悔すると思っても止められない。
「ルフィが何しても起きない...かも」
チラッ、と横目でルフィを見てから目をつぶる。本当ならルフィが何かしてくるまで起きてたかったけど、睡魔に襲われ直ぐに入眠してしまった。
夕方頃、パジャマを着た状態で目が覚めた。
どこにもルフィの気配は無い。
「やっぱ...そうだよね」
ルフィが女の子の寝込みを襲うような男じゃないことは分かってた。襲われたかったけど、襲うような男だったら好きになってなかった。
「私そんなに魅力無いのかな」
お腹や胸についた脂肪を揉む。特別太ってる訳でもないし...大きい胸とか男は好きだって聞いたけど...。
これからどうしようか、やっぱりちゃんと手紙でも書いて気持ちを伝えた方がいいんだろうか、などと考えつつベッドから下りると何かを踏む。
「なにこれ...」
拾い上げて見ると細かく破れた紙ゴミ、最初は何かのプリントかと思った。
「これ...私の...手紙......」
部屋を見渡すと床を埋め尽くすように細切れになった手紙...ルフィへの気持ちが散乱していた。恐らく数十通全部破かれている。
「ルフィに...嫌われた...?」
言葉にするとより一層辛くなる。やっぱりルフィは私の事姉としてしか見てなかったのかな。痴女みたいな事したから嫌われたのかな。そんな思いが頭の中をぐるぐる駆け巡って、次第に涙が溢れだしてくる。
「ルフィ...!ルフィ゛!!」
どれだけ歯を食いしばっても涙を止められず、ルフィの名前を呼びながら延々と泣き続ける。 - 60二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 11:38:09
これ他の人宛だと思われたんじゃ…
- 61二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 11:38:50
お互い早く素直にならんかぁ!!!!
- 62二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 11:40:53
ラブレター書いてたことは知らないのか
- 63二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 11:43:04
書きかけの手紙を信じてた藤虎さん……
- 64二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 11:51:44
- 65二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 12:17:29
サカさんはもういらねェ…!!解体しやす…
- 66スレ主22/10/01(土) 13:06:35
もう限界だった。
「あのさルフィ」
「私結構眠り深いから」
16歳男子高校生という多感な時期に、好きな人の下着姿は刺激が強すぎる。
「ルフィが何しても起きない...かも」
今すぐにでもウタに覆い被さって、白いうなじに歯を突き立てたかった。ウタの身体を触りそうになった手をぐっと引っ込め、何とか理性で持ち堪える。
「なんか別の事しねぇと...」
「ん?なんだこれ」
気を紛らわす為にウタの部屋を物色して数時間、クローゼットの奥の方に丸められた紙ゴミが沢山入ったゴミ袋を見つけ、気になって1つを拡げて読む。
『いきなりこんなお手紙を書いてごめんなさい
どうしても伝えたい気持ちがあって、でも直接言うのは恥ずかしいのでお手紙にしました
本当なら同級生になりたかった
同じ教室で、同じ授業を受けて
たまに教科書を見せあったり、課題を写したり
修学旅行で同じ班になって一緒に観光したり
少しでも多くの時間を過ごしたかった
でももうすぐ卒業の日がやってきて離れ離れになっちゃうから言わせてください
あなたの事が好きです。
名前は...隠します。でももし、心当たりがあるなら、卒業式の日に屋上に来てください』
ウタの字で書かれた宛先のないラブレター。もし仮にこれが自分宛なら隠すようにクローゼットの奥の方に置いておく意味が無い。
「そういや家来た時ウタが片付けるって...」
そこまで口にしてこれ以上最悪を考えないように、思考を中断する為に手紙を破く。
こんな事してもウタに嫌われるだけだって分かってるのに、手が止まらない。あそこまで思わせぶりな態度してた癖に、あれは全部弟をからかってただけで、他に好きな男が居るなんて、耐えられなかった。
全ての手紙を破き終えた後、濡れた袖のままウタにパジャマを着せて部屋を後にする。
「じゃあな...」 - 67二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 13:07:45
最悪のすれ違いだ…
- 68二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 13:09:07
>もし仮にこれが自分宛なら隠すようにクローゼットの奥の方に置いておく意味が無い。
そうかぁ!?
- 69二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 13:10:10
- 70二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 13:16:56
このレスは削除されています
- 71二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 13:17:42
それどういう感情だ赤髪ィ!
- 72二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 13:24:01
- 73二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 13:36:58
早く幸せになって…くっついてくれ…
- 74二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 15:01:30
この時は充電器が刺さってないから盗聴器が作動してないと思う
- 75スレ主22/10/01(土) 18:17:58
ルフィに振られたあの日から今日までどうやって生きてきたか分からない。ルフィと連絡を取らなくなった事以外は普通に生きてたのかもしれない。
ルフィと連絡しなくなってから私の人生に色が無くなった。失ってから初めて気づいた、ルフィの存在の大きさと有り難さ。
歌う事も楽しくなくなったし、もう全部どうでも良くなってきた。
でも心残りが1つだけ。最期にルフィに直接的気持ちを伝えたい。振られるなら手紙じゃなくて、直接振られたい。こんなに我儘だから振られるんだろうな。
『明日、卒業式が終わったら屋上に来て』
―卒業式まで後15時間
ウタに好きな人が居るって知ってから、ウタに連絡する気も盗聴器を聞く気も起きなくなった。
ウタからも連絡来ねぇし、嫌われちまった。
それか今頃彼氏とよろしくやってんだろうな。
学校にも行ってねぇし、勉強も運動も何一つやってねぇ。
ウタが許してくれるなら告白してぇ。ウタの大切なラブレター全部破いちまったし、振られるのは分かってるけどよ。
そんな事考えてるとウタからLINEが届く、内容は──
『明日、卒業式が終わったら屋上に来て』 - 76二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:48:01
お
- 77二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 19:12:06
これは…!
- 78二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 19:14:18
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- 79スレ主22/10/01(土) 19:39:15
今日は卒業式、よりも大切なルフィに告白するイベントが控えてる。だからめいっぱい可愛く化粧する。ルフィが見る最期の私は一番綺麗な私がいいから。
- 80二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 20:46:14
誰も突っ込んでないけど最期ってめちゃくちゃ不穏じゃない?
- 81二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 20:55:21
歌う事も楽しくなくなったし、もう全部どうでも良くなってきた…って言ってるから多分玉砕覚悟で突っ込んできちんと玉砕した後に一人でひっそりと消えるつもりだよねこれ
- 82二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 21:15:41
- 83二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 21:26:05
このスレだとガリ勉のキッカケがウタに振り向いてもらうためなのいいよね…
- 84スレ主22/10/01(土) 21:40:41
「ウタ......!」
卒業式が終わって日が沈みかけた頃、言われた通り屋上に着く。夕日をバックに柵の向こうに立ってるウタは何よりも綺麗で、見惚れて立ち尽くす事しか出来なかった。
「色々言いたいことはあるけど...長々話してたら決心揺らいじゃうから単刀直入に言うね」
好きな人が出来たか、彼氏が出来たか、どっちの報告か分からねぇけど口を挟まずに聞く。覚悟はしてきた。
「大好き」
そうか...。え?
「いま、なんて...」
「私はルフィの事が大好き...だったけど、振られちゃったから最期に直接告白したくて」
そう言ってウタは何も無い空に大きく足を伸ばす。
「ウタは他の男が好きで、ラブレター書いたんじゃねぇのか...?」
「えっ?あのラブレターは全部ルフィ宛で...それで...全部破られたから...私振られたと思ってて...」
「ちがっ!おれはウタが大好きで!他の男にラブレター書いてると思ったから!嫉妬して全部破いちまったんだ!」
「うそっ...!あっ...」
ウタの身体はもう既に半分以上地面からはみ出しており、重力に引き寄せられ外に倒れていく。
「やだっ...ルフィ...!助け...」
「ウタァ!!」
腕が伸びたら簡単に届く距離なのに走っても間に合わず、手は空を掴みウタは地に落ちる。
卒業式に似つかわしくないサイレンが鳴り響く。 - 85二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 21:41:41
ウタお前……何て呪いを残そうとしてんだよ
- 86二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 21:42:11
- 87二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 21:43:18
パワポケかな?
- 88二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 21:47:19
お互いの本当の気持ちを知った後にこの仕打ち
ん〜辛いねェ〜 - 89二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 21:50:40
ちゃんと言わないと手遅れになる
本編通りだね! - 90二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:26:17
こんな事されたらルフィくん一生他の女と恋愛できなくなっちゃうよ…
- 91二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:31:29
いや、このままだとこれ現パロCP注意じゃなくて閲覧注意じゃん…
- 92二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:34:49
あの、閲覧注意ならそうつけてくれ...
ルウタ悲恋はもういらんのだ.... - 93スレ主22/10/01(土) 22:46:28
「これがパパとママの馴れ初め...というか付き合ったキッカケかな?」
色はルフィ似の黒、髪質は私に似てサラサラしたロングヘヤー、そんな娘の髪をドライヤーで乾かし櫛で梳きながら付き合ったキッカケを話す。
「ごめんね、パパとママにこんな事言いたくないんだけど...バカじゃない?」
「えっ!?なんでそんな事言うの!?」
感動したとか、泣けるとか、そういう反応を想定していたせいで素っ頓狂な声が出る。
「だって、普通気づくでしょ?」
「うぐっ...」
「それになんで早く告白しなかったの?」
「だってそれは...振られるのが怖かったし...。初恋だったからどうすればいいか分からなくて」
「18歳で初恋って遅くない?」
「ごふっ!」
娘が的確に言葉のナイフを突き刺してくるせいで仰け反り倒れてしまう。なんで小学校に入ったばっかりの娘にここまでダメージを負わされないといけないんだろう、というか最近の小学生マセ過ぎじゃない?
「あと、これからママは私に木登りしちゃダメって言っちゃダメ」
「なんで?危ないからダメに決まってるでしょ」
「学校の屋上から落ちたママがそれ言うの?」
「私が危ない経験したから、子供にはあんな目にあって欲しくないの」
強引に丸め込み、髪を整えてから抱き締める。子供だから元から体温が高いのか、丁度いい温もりが伝わってくる。
「ね、この後どうなったの?」
「え〜この後?結構色んなことあったよ」
...子供には刺激強すぎて言えない事も多いけど。 - 94二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:49:36
- 95二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:53:22
ハピエンだな。風呂入ってくる
- 96二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 23:19:42
- 97スレ主22/10/01(土) 23:33:16
「ねぇルフィ...ここ病院...」
「うるせぇ...黙ってろ」
運のいい事に屋上から落ちても命に別状はなかった。背中に一生消えない傷跡ができてしまったけど、五体満足で生きてるんだからそれぐらい安い。
そして今はルフィに思いっきり抱きしめられてる。手と足でしっかりと私の事をホールドして離してくれない。
「離したら...どっか行っちまうだろ...」
ここまでしおらしいルフィは初めて見たし、ついからかいたくなるけど我慢。多分ここでからかったら退院してから頭おかしくなるまでめちゃくちゃにされる。
目が覚めた日の夜も凄かった、病院なのに。というかルフィがあんなにも私の事を思ってるなんて思いもしなかった。下着姿晒した時は相当ルフィに我慢させてたんだな。
「もうどこにも行かないよ、だってルフィは私の恋人でしょ?」
ルフィの首に腕を回してちゅっ、と頬に口付けをするとみるみるうちにルフィの顔が真っ赤になっていく。
「照れてる、可愛いなぁ」
男らしくてかっこいい所の方が多いのに、こういう所は歳下だなって思ってしまう。
「うわっ!ちょっとルフィ待って!せめて夜まで!夜まで待って!ぁ...♡」
この後看護師に厳重注意された。 - 98二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 00:09:04
- 99二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 00:11:16
(背中の傷は剣士の)恥だが役に勃つ
- 100二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 00:13:10
ウタが重いと見せかけての激重ルフィのルウタは万病に効く…
- 101スレ主22/10/02(日) 00:59:06
私が退院してからルフィと同棲するようになった。と言っても特別な事は特にない。前々からルフィが泊まりに来る事は多かったし、それが毎日続いて洗濯物も一緒に洗うようになったぐらいの感覚。
でも1つだけ前と違う事がある。
「ウタ〜、今日おれが先に風呂入るぞ〜」
「.........うん♡」
お風呂の順番。普通の人が聞けばルフィが早く汗を流したくてそう言ってるように聞こえるかもしれないけど、そんな単純な話じゃない。
それにここで大切なのはルフィが先に入ることじゃなくて、私が後になる事。
「ルフィ...上がったよ」
こういう日は決まって赤い下着だけになってベッドまで向かい、ルフィの隣に座る。
すぐさまルフィの四肢に捕らえられて、ルフィが私のうなじ辺りを吸い始める。いつの間にかルフィが匂いフェチに目覚めていた。ルフィ曰く風呂上がりの私が1番いい匂いするらしい。
正直気が気じゃない。何時間もルフィの筋肉に抱きしめられ、吐息が首筋に当たり続けるだけで身体が出来上がりそうになるのに、これはまだ序の口。
ルフィが満足するとうつ伏せにさせられ、両手を後ろで捕まれる。ルフィが片手でホックを外すと、背中についた傷跡が舌先になぞられる。入念に、入念に、私がした悪い事を忘れさせないように何度も往復。
そして最後は私のうなじにルフィの歯が突き立てられる。
「ぁ〜...♡るふぃ...♡ぁ゛ぁ゛♡♡んっ♡♡んふっ...♡ぁ゛♡♡♡」
歯型がくっきり残るまで噛まれて、抵抗する気力も奪われる。
そして後は喰われるだけ。 - 102二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 01:06:02
これはウタじゃなくてエチ
- 103二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 09:37:14
今まですれ違ってた分好きなだけイチャついていけ
- 104スレ主22/10/02(日) 10:43:43
『ごめんねルフィ』
『今日帰り遅くなるから1人でご飯食べてて』
『あれだったら先寝てていいから』
今日は20歳になって初めての飲み会。前々から飲み会がある事は伝えてたけど、念の為開始前にもLINEを送っておく。言った言ってないで揉め事になりたくないし、ルフィは高3で受験生、余計な心配はかけたくなかった。
「ウタ〜、もう始めるよ〜」
「待ってて!今行くから!」
そうして人生初めての飲み会が始まる。
...本当なら1件目で帰るつもりだったのに2軒目まで来てしまった。
「なぁウタちゃんだって3軒目行くだろ?」
この先輩ボディタッチ多いなぁ...ちゃんと彼氏居るって言ったのに。
「それとも俺と抜け出してホテルとか行っちゃう?」
「ごめんなさい...私彼氏居るので...」
うわ酒臭い...完全に酔ってるし...。お尻とか触られても意外と言い出せないなぁこれ。
「そんな硬いこと言わずにさぁ」
先輩が私の手首を掴んだ時、先輩の手首を誰かが掴む。
「あ?誰お前。いで!いででででで!ギブ!ギブ!」
「あ...ルフィ...」
そこそこガタイのいい先輩を片手で締め上げたのは私のルフィだった。
「帰るぞ」
「ありがと〜♡大好き〜♡」
ルフィが肩を担いでくれたのをいい事に人目もはばからず頬にキスして頬擦りする。さっきまでガードをガチガチに硬くしていた反動か、ルフィの前ではデレデレになってしまう。
「...臭ぇ」
「ね〜そんな事言わないでよ〜♡私の事心配だから見に来てくれたんでしょ♡成人したら一緒に飲もうね♡」
いじらしくルフィの身体に指先で円を書く。
「えっ?ウタの彼氏未成年だったの!?」
「んぇ?そうだよ、言ってなかったっけ。あっ!あげないよ!あげないからね!」
ルフィが取られる気配がして慌てて抱き締めて所有物アピール、ルフィは誰にも渡さない。
「そんなにイチャイチャしてる所見せられたら取る気起きないって...」 - 105二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 10:49:38
どうして助かったんだろ
落ちた先に卒業式のテントでも張ってたのかな - 106二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 10:51:27
- 107二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 10:52:54
人間はそんなにヤワじゃない、か
- 108スレ主22/10/02(日) 11:51:36
「なんか言う事あるんじゃねぇか」
「えー...この度はご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした」
家に着いて酔いが覚めるとルフィにこっぴどく叱られた。お酒の事で18歳男に説教される20歳女の絵面は人に見せられたものじゃない。
「お風呂入っていい...ですか?」
「ちょっと待て」
そういうとルフィは私の全身を嗅ぎ始めた。今お酒とか油物の匂い染み付いてそうだから嗅がれたくないけど怒られている立場なので我慢。
「7ヶ所」
「えっ?」
「なんの数か分かるか?」
「えーっと...ルフィにキスマ付けられた数?」
「それは12ヶ所」
そんなについてたんだ...。
「さっきの男に触られた場所」
「そんなに?」
「...ウタはガードが緩いんだよ」
確かに言われてみれば色々触られた気が、持ち帰りされなきゃ大丈夫だと思ってたけどこれからはボディタッチにも気をつけないといけないな、と心の中で反省する。
「じゃあお風呂入って洗い流しちゃうね」
立ち上がろうとした時ルフィに手首を掴まれそのまま押し倒されてしまう。目が、本気だ。
「せめてお風呂に...ルフィだって臭い私は嫌でしょ...?」
言っても聞かないのはわかってるけど、念の為抵抗してみる。
「おれがマーキングするから関係ねぇよ」
「私明日も大学...」
「しらね」
「...お手柔らかにお願いします」
手首やお尻など先輩に触られた場所全てにルフィの歯型が付けられ朝まで激しくたっぷり愛された。私はベッドの上で動けなくなってるのに、ルフィはまだまだ元気そう。
―大学行くのと連戦させられるの、どっちの方が楽なんだろ。 - 109二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 12:40:05
現パロルフィって性欲強いイメージあるよな
健康にいいぞ - 110二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 16:36:22
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- 111二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 16:44:03
感覚狂いすぎだろ
- 112二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 16:47:53
同棲したての頃ルフィに性常識を壊されてサキュバス化するウタもそうさ!!
必ず存在する!! - 113二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:51:14
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- 114二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:54:45
飲み会で体触って来た男と一緒に歩いてるところをルフィに見られたらなんかしたら…
- 115二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 19:08:10
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- 116スレ主22/10/02(日) 20:04:06
「ルフィお誕生日おめでとう〜!」
「ありがとう!」
今日はルフィの誕生日、遂にルフィも成人した。本当はどこか食べに行きたかったけどゴールデンウィークのせいかどこも予約が取れず、家で焼肉する事に。
「これ、誕生日プレゼント!」
「おお!開けていいか?」
「もちろん!」
今日ルフィに送ったのは腕時計、ルフィ的にはいっぱい歯車とか見えてる方がいいのかもしれないけど、男の浪漫?とかよく分からなかったから無難に長針と短針だけが見えてるシンプルなやつを選んだ。
「どう...かな?」
「ありがとう!一生大切にするよ!」
ルフィのこの笑顔だけで数年生きていけそう。腕時計をつけたルフィは普段より大人っぽく見えた。
「あとこれ、お酒飲みたがってたでしょ。乾杯しよっか」
冷蔵庫から缶ビールを持ってきてルフィの前に置く。普段お酒飲まないから分からないけど、プレミアムって書いてるし多分美味しいビールでしょ。
「「乾杯〜!」」
「どう?」
「...まずい!」
「あはは、ルフィらしいよ」
イッキ飲みしたせいかルフィの顔はどんどん赤くなっていき、思わず頬をつんつんしてしまう。照れてるみたいで可愛い。
「ウタは飲まねぇのか?」
「んー後で、ルフィの為にお肉焼きたいし」
ビールは横に置いて、ホットプレートに牛脂を置き温まり加減を確認してからお肉を焼き始める。 - 117二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:11:19
>>115なぜ大人しくブラウザバックしないの?
- 118二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 21:01:46
このレスは削除されています
- 119スレ主22/10/02(日) 22:33:32
「ルフィも遂に成人かぁ、大きくなったねぇ」
「ちょっと飲みすぎじゃねぇか?」
「何言ってるの!まだ3本目!そんなに飲んでないよ!」
「いやそれ6本目...」
昔のルフィを思い出すと何故かお酒が止まらなくなる。みんなで飲み会してる時ならこんなに飲むことは無いのに、ルフィの前だと恥ずかしい姿見せてもいいやって思っちゃう。
「ルフィはさぁ、昔はこの缶ビールぐらいちっちゃかったんだよ?それなのに今はこんなに大きくなっちゃって」
のそのそとルフィの隣に移動して、背を伸ばしてポンポンと頭を叩く。私は高校卒業以来全く伸びなかったのに、ルフィは大学に入っても多少伸びた。
「どんどんかっこよくなってるし、ルフィと結婚できる人が羨ましいよ」
最近思っていた本音がポロッと溢れてしまう。
「ウタは...おれと結婚したくねぇのか?」
「はぁ〜!?何言ってるの!?したいに決まってるでしょ!ルフィが大学卒業した瞬間入籍したい〜!したいしたいしたい!」
酔いのせいか子供のように足をバタバタさせてルフィに駄々をこねる。これじゃあどっちが歳上か分からない。
「じゃあなんであんな事を言ったんだよ!」
「だって...私最近伸びてないし、曲も中々出来ないし、仮に出来たとしても前ほどみんなに再生して貰えないし、だから...ルフィと釣り合わないなって最近...思っちゃって...」
ルフィの太ももに座り身体を預けてぎゅっと抱きつく。心地いいルフィの心音と体温を味わうと、つい安心してしまい本音が止まらなくなった。
「おれはそんな事気にしねぇよ。とりあえず今日は寝ろ、片付けはおれがやっとくから」
「や...だめ。ルフィ今日誕生日だから私が...」
「気にすんなって」
ルフィに優しく頭を撫でられると途端に眠気が襲ってくる。そうして抵抗できないままベッドに運ばれて寝かしつけられる。
「おやすみ、ウタ」
「おやすみ...るふぃ...」
「昨日の事覚えてるか?」
「何も覚えてない...えっ!?もしかして私なんか変な事やっちゃった?何か恥ずかしい事してない!?」
「ししし!覚えてないならいい!」
「よくないって!昨日私何したの!歳上の威厳無くなるような事とか、女としての尊厳なくなるような事してないよね!?ねぇ!」
聞いてもルフィは笑うだけで何も教えてくれなかった。
―これから先3回ルフィに泣かされる事になる - 120二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 23:51:52
よくやった!酔っ払ってうっかり本音が出ちゃう展開はおれの好きやつだ!
このスレを開いて正解だった - 121二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 01:13:03
このレスは削除されています
- 122スレ主22/10/03(月) 01:15:55
「最近ルフィ遅いな...」
ルフィは4回生、私は普通の大学の事知らないけど多分卒論とか単位とか色々忙しいんだと思う。インターンとか就職は...どうなったんだろ、最近話す機会がめっきり減ったせいで何も分からない。
時刻は夜11時、用意していた2人分の晩御飯もすっかり冷めてしまった。LINEに既読もつかないし、何度か電話したけど電源が入ってないのか繋がらない。
「ただいま」
「おかえり...!遅かったけど何かあった...?」
「...ちょっとな。それより風呂入っていいか?」
ルフィとすれ違った時、嗅ぎとってしまった。女物の香水の匂いを。
「ルフィ...!」
「どした?」
「あっ、えっと...その......晩御飯、晩御飯!冷蔵庫に片付けるから!食べたかったら温めて食べて!」
浮気してるかなんて怖すぎて聞けなくて、当たり障りのない話題で誤魔化してしまう。ルフィを風呂に押し込んでから急いで2人分の晩御飯を冷蔵庫に入れ布団に包まる。
何も考えたくない、早く眠りたいと思うほどネガティブな考えが浮かんできて身体が震える。ルフィが浮気なんてありえない!って思いっきり否定したいのに信じきれない弱い自分がいる。冷静に考えたら6年も私に飽きない方がおかしい、普通ならもっと早い段階で別れが来てもおかしくないのに。もしかして無意識に束縛してた?それでルフィが嫌になって...他の女の子と浮気しちゃった...?
一方その頃。
「香水ってあんなに種類あんのか。参ったな〜、どれがウタに1番合うか分かんねぇ」
「しかも高ぇし」
「...バイトもっと入れるか」 - 123二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 01:19:48
- 124二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 01:24:06
やっぱ肉体労働でしょ
- 125二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 01:30:51
このルフィがウタに飽きるわけねェだろアホンダラ…!
- 126二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 01:33:37
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- 127二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 07:02:51
ほ
- 128二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 14:41:31
H
- 129二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 14:44:00
別スレだとバラティエでバイトしてたな
- 130二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 00:06:40
あげ
- 131二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 07:21:38
保守
- 132スレ主22/10/04(火) 13:21:10
「ただいまぁ〜」
「おかえりルフィ...ってお酒臭っ!どうしたの?」
夏も終わりかけの頃になるとルフィの帰りが遅い生活にも慣れてしまった。今でも時々香水の匂いを漂わせて帰ってきたりするけど、お酒臭いのは初めて。
「の、飲みすぎたぁ〜」
「もう...自分がお酒弱いの分かってるでしょ。お風呂一緒に入ってあげるから」
本当はもう入ったけど、ルフィをこのまま放置しておく訳にもいかず肩を担いでお風呂に連れていく。筋肉質なルフィを運ぶのは骨が折れた。
「最近ごめんな、帰るの遅くて」
「...理由聞いてもいい?」
ベッドに入る頃には酔いも覚めていてしっかりと問答できるようになっていた。
「わりぃ...!それは言えねぇ!」
「ルフィの事...信じてていいの?」
ルフィ胸元に頭を擦り付けてボソッと零す。怖いけど、聞かないと、聞かずに早とちりしたら高校の時みたいになるから。
「当たり前だろ!頼む!今は何も聞かず信じてくれ!」
ルフィの腕が優しく、それでいて力強く私の事を抱き締める。それでもまだ、ここまでされても裏切られたらどうしよう、と嫌な考えが巡るが押さえつけて我慢する。
「分かった...私信じてるから...」
今だけはこの温もりを独り占めしたくて、全身をルフィに擦り付けた。
数時間前。
「やっぱ誕生日にはいい酒飲みてぇよな」
「でもおれ酒苦手だしどれが良いヤツか分かんねぇ...よし!ウタの為に飲みまくって慣れるぞ!そのうち良い酒も選べるようになるだろうしな!」 - 133二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 18:37:58
ルフィはずっと誕生日の準備をしてるのか
サプライズで言えない分、不安にさせないために沢山抱きしめてあげるんだぞ - 134二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 22:31:14
誕生日当日の反動えっがすごいことになるやつじゃん…
果たしてウタの体は保つのか - 135二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 23:30:09
逆にルフィが搾られすぎて持たない可能性も
- 136二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 06:39:53
守
- 137スレ主22/10/05(水) 12:07:52
ルフィに信じてくれと言われて、私はそれに信じると答えた。この答えに嘘偽りは無い。
それでも、それでも、それでも。辛い。
「ルフィ...」
『今日も遅くなりそう?』
3時間前に送ったのを最後に止まったトークを眺めてため息をつく。スマホを消したそばから持ち上げてLINEを開いて既読になってないか、返信が来てないか確認してしまう。傍目から見ればスマホ依存症だ、依存してるのは間違いないけど。
2人で住むには少し狭く感じていたこのマンションの一室も、ルフィが居ない今は広すぎて家具を増やしたり楽器を置きたくなる。家具を増やしても使うのは私だけだし、楽器を増やしても聞いてくれる人はいないけど。
机の上にはスマホとテーブルランプと写真立て、五線譜だけ書かれた作曲用の紙とシャーペンだけ。まるで勉強に手が付かない学生のように、シャーペンを握って置いてスマホを弄ってばかりを繰り返してなんの生産性もない時間を過ごしている。
ルフィが遅いのは今日に始まった話じゃない。ここ数ヶ月ずっと、中には帰ってこない日もあった。帰ってきたとしても香水とかお酒とか...花みたいな匂い漂わせて帰ってくる日ばっかり。どれもルフィの趣味嗜好とはかけ離れた匂い、まるで女が──
「違う!ルフィはそんな事しない!ルフィは私だけ愛してくれてるの!ルフィは私以外に興味ないの!ずっと私に飽きずに愛してくれてるの!最近は減っちゃった...けど、今でも抱いてくれるし...!飽きてたら私と6年間も同棲なんてしない!」
『6年間も同棲したから飽きたんじゃないの?それにさ、抱いてくれるって言ってるけどルフィは本心から抱きたいと思ってるのかな?迫られて嫌々してるだけじゃない?』
この家に今は私しかいないのに、暗い部屋の中から誰かの声が聞こえてくる。 - 138スレ主22/10/05(水) 12:08:02
「ちがっ...!ルフィはきっと本心で...!私の事大好きっていっつも言ってくれてる!疲れてる時でも抱きしめて一緒に寝てくれる!」
『口先だけで女が愛してくれるなら男としては安い経費だよね。それに最近ルフィの方から誘われた?』
「誘われてないけど...だってそれは!私がいっつも直ぐに誘ってるからで...私が何も言わなかったらきっとルフィの方から誘ってくれてた!前はよく一緒に寝ようとか誘ってくれたし!」
『それは何も知らない時のルフィの話でしょ?色んな女の味を知った今、わざわざ私に声をかけると思う?』
「まだ女遊びしたって決まった訳じゃないし...ルフィは私以外愛さないの...!」
『そういうところじゃない?ルフィの帰りが遅くなったのって。はっきりいって重いよ私、そうやって重たい感情ばっかり一方的にルフィに押し付けてるから今みたいに逃げられるんだよ。それにさっきから違う違うって言ってるけど逆にルフィが何してるか言える?...言えないでしょ。私なんか捨てて今頃楽しく女の子達と遊んでるだろうね』
「あ...あぁ......!いや...!いやっ!考えさせないで...!」
『健気だね。置いていかれたくせにずっと男の帰りを待つなんて。悲劇のヒロインでも目指してるの?』
「もう...やめて.........」
いつの間にか目元から涙が溢れ出していて、五線譜にメロディーを生み出す。どうしようもなくぐちゃぐちゃになった私の頭の中を助けてくれたのはLINEの通知音だった。
「ルフィ!?」
音が聞こえた瞬間スマホを手に取るも残念ながらルフィではなく、音大時代の友達だった。
『ごめんねこんな夜遅くに
30日久しぶりにみんなで飲もうって話してるんだけどウタも来る?』
...別にただ昔の友達と飲みに行くだけ、それ以上でもそれ以下でもないんだから二つ返事で了承すればいい。
それなのに少し躊躇してから行くと返信してしまった私の心には、どこか疚しい気持ちがあったのだろうか。 - 139二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 12:33:46
ルフィー!!早く戻れー!!
サプライズとか考えてる場合じゃないぞ!! - 140二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 12:58:27
これは飲み会がルフィのバイト先で偶然. . .
- 141二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 18:50:04
頑張るんだえ……ルフィ…
- 142二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:00:35
いやまあしかしこれだけお互い話をしないで六年も付き合えたな
- 143二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:10:38
ハッピーエンドですよね...?
- 144二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:16:30
- 145二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 20:35:23
ハッピーエンドが確約されてる状態で見る勘違いは心に優しい
- 146二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 23:11:20
このレスは削除されています
- 147スレ主22/10/06(木) 03:03:06
結局30日までの1週間ルフィと1度も会えなかった。毎日LINEとか通話で数時間だけ話す事はできたけど、いつもに比べたら全然足りない。
私の手料理を食べて欲しい。いつもルフィが喜んでくれる顔を考えながら作ってたから、最近の私の料理は不味い。ルフィは結構食べるから準備するのが大変だけど、全部残さず食べてくれるからやり甲斐があった。
映画見ながらポップコーン餌付けしたい。ルフィってかっこいいのに可愛いんだよ?ボーッと映画見てる時に口元にポップコーン近づけたらパクって食べてくれるんだけどね、言葉では言い表せない可愛さがあるの。
一緒にお風呂入って身体洗いっこして、ルフィの上に座ってお風呂に浸かりたい。あ、変な意味じゃなくてね?先にルフィに入ってもらって、背もたれにしながらのんびりしてる時も幸せ。ルフィが抱きしめてくれるだけで特に会話とかないけど、会話がないからこその独特な空気が好き。
もっと欲しい、生のルフィがもっと欲しい。あの優しい腕の中に包まれて囁かれたい。思い出すだけで背筋が震えて悦びで身体が跳ねるようなあの感覚を味わいたい。
ルフィの生フェロモン吸いたい。毎日吸って慰めていたルフィの掛け布団はとっくの昔に私の匂いに変わっちゃったし、ルフィの服だって洗濯済みのものしかないから柔軟剤の香りしかしなくて物足りない。
ルフィの身体触りたい。今でもトレーニングしててしっかり鍛え上げられた肉体に指を這わせたい。ぺろぺろ舐めたい。腹筋の間に舌とか指入れて味わいたい。運動した後ちょっと汗臭い時の身体とか癖になる。
また毎日抱かれたい。えっちする事だけが愛情表現だとは私も思ってないけど、確実にあの瞬間だけはルフィを独占できてるって感じるし、私もルフィに独占されてる事を実感できるから好き。あとルフィめちゃくちゃえっち上手くて好き。
今はこんな大した事ない欲望すら叶わないのが辛い。別に結婚したいとか子供欲しいとか大それた事望んでる訳じゃない。
...もちろんできるなら嬉しいけど!今はそこまで望まない。最低限の幸せでいい。だから帰ってきて...。
『うん...ごめん!やっぱ重い!』
「...これぐらいみんなやってるんじゃないの?」
『全国のカップルに刺されろ!』 - 148二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 06:41:59
すれ違い描写は胸が痛くなるべ……
はよ帰ってこいルフィ - 149二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 06:58:04
保
- 150二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 10:58:22
いいのだ
ルフィ→ウタもウタ→ルフィもこれぐらい重くていいのだ - 151二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 19:52:05
期待して待つ
- 152スレ主22/10/06(木) 23:50:16
『ウタの最低限さぁ...高くない?』
友達が電話越しでも分かるぐらい呆れた声を出している。私的には控えめにしたつもりだけど、変な事言ったのかな?
「でも6年間も付き合ってるんだよ!?これぐらい求めたくならない?」
『...なんでますます燃え上がってるわけ?普通のカップルは6年間も同棲生活続かないよ...大体3年続いたら頑張った方。仮に続いたとしても四六時中くっついたりしないし、毎日えっちなんてしないのよ』
「...そうだったの?」
『私なんて半年レスなんだけど』
「ごめん...私ルフィ以外と付き合った事ないから普通のカップルとかよく分からなくて...」
『今の彼氏以外と付き合ったら半日持たないんじゃない?ほんと大切にしなよ』
「大切にしてるよ!家に帰ってこない日でもおはようとおやすみのLINEと電話は欠かしてないし、ルフィもちゃんと応えてくれてるもん!」
『そこまでしてるのになんで結婚してないの?もう夫婦じゃん』
「うぇっ!?けっけけけっ結婚!?」
やばい、顔が熱い。人から結婚しないの?って言われたの初めてだし、自分でも漠然としたイメージでしか考えてなかったから声が裏返る。
『ちょっと聞きたいんだけどさ、彼氏が腹筋チラ見えした状態で寝てたらどうする?』
「そんなの服ひん剥いて襲うに決まってるじゃん」
『結婚は?』
「けっ結婚!?私とルフィがってことだよね...!?ウェディングドレス着て誓いのキスとかするんだよね!?そんなの恥ずかしくて考えられないよ...!」
『朝起きたら真っ先に何してるんだっけ?』
「おはようのキスだけど?」
『.........誰か助けて。このクソボケを殴って...』 - 153スレ主22/10/06(木) 23:51:00
『...ウタってさ、彼氏が浮気してるかもって愚痴る為に電話かけてきたんだよね?』
「うん...さっきも話したけど最近ずっと何かしてて帰ってくるの遅かったり帰ってこない日もあって...」
『大丈夫、浮気してないから』
「...じゃあ何してると思う?」
『明日ウタの誕生日でしょ。バイトでもしてプレゼント代貯めてるんじゃない?』
「それだったらここまで隠す必要あるかなぁ?一言言ってくれればいいのに」
『言えない理由当ててあげる、明日プロポーズされるよ』
「ね〜からかわないでよ〜!」
確かにさっき唐突に結婚の話題を振られて少しパニックになっちゃったけど、そう何度も顔真っ赤になんてしない。
『いつまでそうやって逃げて被害妄想に浸かれば気が済むの?』
「えっ...」
急に友達の語気が強くなって狼狽えてしまう。
『確かに6年間も付き合った彼氏の帰りが急に遅くなって不安になるのは分かる。だけど彼氏は浮気してないし信じてくれって言ったんでしょ?ちょっとしか話した事ないけど、あの彼氏が言うなら信じてあげなさいよ。そこまで言ってくれたのに勝手に被害妄想に浸かって、今日の飲み会でいい雰囲気になったら浮気しちゃおうかな?みたいな事考えてたでしょ。はっきり言うけどクソ女だから』
「いや...そんな事は...」
認めたくないけど図星だった。0と1の差は1じゃない。1度浮気してしまえば修復不可能な傷が入ると分かってた...つもりだったのに、自分の勝手な思い込みで、浮ついた心でルフィを傷つけるところだった。クソ女という評価は正しい。
『これで彼氏が浮気してたなら私がボコボコにしてあげるから安心しなさい。だから今は彼氏を信じて。私みたいにならないで』
「何かあったの?」
『あーあー聞こえなーい!今日の飲み会は私から欠席って伝えとくから!じゃあね〜!末永くお幸せに!』
「あ、ちょっ!」
凄い早口でまくし立てられて通話を切られてしまった。友達には頭が上がらない。
とりあえずやることは1つ、腕を上げて顔を殴る。
「痛っ...」
ルフィを信じきれないクソ女なんて、顔を殴られて当然だ。 - 154二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 23:53:26
いい友達だ…
- 155二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 00:01:53
REDでもこんな友達居たら結末変わってたんだろうな
- 156二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 00:28:48
この友達にも誰か素敵な出会いがあると良いな…
- 157二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 00:42:45
いいトッモやんけ...
いい人がみつかるといいな... - 158二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 00:45:00
ウタの友達にも幸あれ
- 159二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 06:45:07
とりあえず持ちなおせたか
- 160二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 07:20:01
女友達、ありがとうございました
- 161二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 14:05:31
友達よくやった!!
- 162二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 18:49:15
このレスは削除されています
- 163スレ主22/10/07(金) 18:51:01
『明日プロポーズされるよ』
友達との通話も終わり、ベッドに寝転がって1人その言葉の意味を考える。飲み込んで吸収したいのに上手く飲み込めなくて、言葉が頭の中でぐるぐる回ってる。
プロポーズ。
プロポーズ。
プロポーズ!?
え?私ルフィにプロポーズされるの?やっぱり歳上だし私がした方がいい?いやそんな簡単に出来るならとっくの昔にしてたよね...。プロポーズされるのはもちろん嬉しい、なんて気持ちで表せないぐらいすごい。あ、だめ。頭溶けてる。今語彙力ない。え?えっ?プロポーズ?プロポーズって事は結婚って事?
結婚か。
結婚ね。
結婚(けっこん)とは、両性が夫婦になること。婚姻とも言われ、両性間の配偶関係の締結を意味する。by Wikipedia
私とルフィが結婚!?結婚するってことは夫婦になるってこと?夫婦になるってことは結婚するって事?え?え?結婚って何?結婚、ケッコン、けっこん、marriage。結婚ってあれでしょ、法律で認められた独占制度?マーキング制度でしょ?違う?でも結婚って事は子供も...ルフィとの赤ちゃん...。あ、やば、今お腹キュンってした。これ考えちゃダメだ、バカになる。多分今ルフィの匂い嗅いだら100人ぐらい妊娠する。今ルフィにハグされたら1000人ぐらい妊娠する。
中身の無い器がよく音を響かせるように、空っぽになった私の頭の中に『プロポーズ』と『結婚』というふたつの単語が反響し続ける。自分でも何言ってるか分からないぐらい錯乱していたし、しまいにはピンク色の妄想に頭が支配されそうになった...............訂正、された。 - 164スレ主22/10/07(金) 20:39:07
「ヤバっ、もうこんな時間」
変な事を考えているといつの間にか夜8時を回っていた。今日は完全に飲みに行く気だったから晩御飯の用意なんて何もしてない。外食する元気もないのでコンビニで済まそうと、ジャージに着替えて財布を持つ。別に誰かに会うわけじゃないしだらしなくていいや。
「「あっ」」
玄関開けた瞬間ルフィと目が合った。1週間ぶりの生ルフィだ!ってすぐに抱きつこうと思ったのに、ルフィが慌てて後ろに隠した水色っぽい袋に気を取られてしまいフリーズしてしまった。
え、え、え?えぇ?あれってTIFF...。あんまり袋とか覚えてないけどあんな色だったよね?
さっき友達と話してたせいでアレにしか見えない。他にもネックレスとかピアスとか可能性あるんだろうけど、アレ以外今の私には考えられない。ほんとに?ほんとに言ってる?いやまだルフィ何も言ってないけどさ。え?心の準備が...!待って、落ち着いて、まだそうって決まった訳じゃないから。思い込みが激しいのが私の悪い癖ってさっき友達に怒られたばっかりでしょ!普通の誕生日プレゼントでした〜って可能性もあるから。というかそっちの方が高い......高い...なんて言えないよぉ...。ルフィの顔が完全に『やっちゃった』って顔してるもん!普通の誕生日プレゼントでここまで深刻な顔できるなら愛おしすぎる!私もしかしてルフィのサプライズ台無しにしちゃった?どうしようどうしようどうしよう!今ならまだ気づいてないフリできるよね?めちゃくちゃ色々考えてるけど多分現実なら数秒しか経ってないよね?行ける!行こう私!ルフィにおかえりって言わなきゃ!
「ドウゾ、ナカヘオハイリクダサイ」
パニックになってロボットみたいなぎこちない声しか出せなかった。よし、次の曲はボカロ調にしよう。 - 165二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 20:59:08
結婚と聞いて舞い上がるウタちゃんは非常に健康に良い
- 166二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 21:32:31
最高かよ
- 167二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 21:36:16
100人妊娠するのは有り得ねぇだろ人体の性質上…!
- 168二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 03:18:29
保守
- 169二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 03:36:30
変な時間に目が覚めたついでに保守
- 170二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 06:31:50
ウタはよ新曲出して……
- 171スレ主22/10/08(土) 12:40:19
「...」
「...」
お互い何も言えずに正座して向かい合うだけの気まずい時間が流れていた。別に私もルフィも変な事をした訳じゃないんだからテレビを見て寛いだりハグしたって誰も咎めない。
ルフィが帰ってきてお風呂に入ったところまでは覚えてる。でもどっちが先に正座し始めて相手に合わせたのかまでは覚えてない。もしかしたらお互い同時に正座し始めたのかもしれない。
「...お茶でも飲む?」
「...要らねぇ」
「そう...」
もちろん目なんて合わせられる訳もなく2人とも泳ぎっぱなし。立ち上がって少しでもこの沈黙を何とかしようと思っても、ルフィに要らないと言われればまた正座に戻るしかない。
3時間近く向かい合って、あと30分で日付が変わる頃にはルフィがソワソワしだした。何回も時計を確認したり、チラチラ自分の背後を見ている。私だって気が気じゃない。
時計の針が揺れる音だけが響く。ルフィは何度も時計をチラチラ確認して、私の視線は指先とルフィの顔を行ったり来たりしている。
「ウタ、誕生日おめでとう!」
「ありがとう!」
「...これ、プレゼント!」
そう言ってルフィがポケットから取り出した小箱を私に見せて、ゆっくり蓋を開ける。中から出てきたのは...時計?
「本当は酒とか香水にしようかと思ってたんだけどよ、どれがいいか分からなくて時計に変えたんだ」
そういう事か。何となく今までルフィがルフィらしくない匂いを纏いながら帰ってきたことに合点がいった。...プロポーズはされなかったけど、それでも嬉しい。慎重に、傷1つつけないように小箱から取り出して手首に着けてルフィに見せる。
「どう?似合ってる?」
「おう!その時計にしてよかった!それから今日晩飯いい所予約しといたから準備しなくていいぞ!そのレストランホテルの中にあるんだけどよ、ホテルも予約したんだ。ホームページ見たら結構いい部屋が割とお手頃な値段で...ドレスコード守れる服がねぇなら起きてから買いに行こう!ちょっと喉乾いたしお茶用意してくれ!」
「ちょっ...!」
ルフィらしくない単語や早口でまくし立てられ、部屋に1人置き去りにされる。多分トイレか自室に戻ったんだろうけど...なんであんな早口に?
「...飯の時絶対言わねえと」
時計を取り出した反対のポケットから小箱を取り出して開くと、暗闇の中でも煌びやかに光る指輪が。 - 172二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 13:37:23
うおおおお!
- 173二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 16:48:42
ふぅううううううううう!!!
- 174二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 17:03:16
そりゃ会える時間削ってでもバイト頑張るわけだわ
- 175二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 17:15:10
ルフィ、ありがとうございました
- 176二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 19:08:15
この瞬間が待ちきれねえなぁ
- 177二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 19:22:54
アオハル……
- 178二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 01:51:22
ほ
- 179二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 05:48:46
age
- 180スレ主22/10/09(日) 13:10:41
まさかルフィがこんなにお洒落なレストランを予約してくれるなんて思いもしなかった。誰かに聞いたのかな、それともネットで調べたり?どちらにしても私の為にここまでしてくれたんだと思うと心が暖かくなる。慣れないのか少し緊張してる所も可愛い。
「もう食べ終わったんだし、そこまでガチガチにならなくても」
グラスを傾け食後酒を少しだけ口の中へ。行儀が悪いのは分かってるけど、こんなに高くて美味しいワインを呷るなんて私にはできない。
「物足りなかった?」
皿も下げられ机には2つのグラスぐらいしか残されていないのに、ルフィの目はあちこち泳いでいる。普段からあれだけの量を食べてるルフィにはこういう所の料理は物足りないのかもしれない。それかお手洗いに行きたいのかな。
「いや、そんな事、ねぇけど...」
ものすごく歯切れが悪かった。やっぱりこういう所の雰囲気とかが苦手なのかもしれない。
「ごめんね待たせちゃって、お部屋行...」
「ウタ!」
残りを全て飲み干し、立ち上がった瞬間足の力が抜ける感覚に襲われて倒れそうになる。直ぐにルフィが支えてくれたから大事には至らなかった。
「飲みすぎちゃった、えへへ」
大丈夫だと安心させる為に笑ったつもりだったのに、逆にルフィの不安を駆り立ててしまったのか支えられて部屋まで。
心臓の鼓動が早くなったけど、これはお酒のせいじゃない。
「ルフィ...ちょっと身体貸して...」
部屋に着くなりルフィをベッドの縁に座らせて、向かい合うようにしてルフィの上に座る。
「もう...離さないで...」
背中に手を回し、いつの間にか余計に逞しくなったルフィの胸板に顔を擦り付ける。確かに今日のデートは楽しかった。楽しかったけど、数ヶ月分の孤独の埋め合わせには全然足りない。
もっと、もっとルフィが欲しい。 - 181スレ主22/10/09(日) 13:11:48
「ウタ」
「なぁに」
瞬きだけしたつもりだったのに、気がつけば3時間近く経って日付が変わる10分前になっていた。さっきと全く体勢が変わってないので、ルフィはずっと私を太ももの上に座らせて抱きしめてくれたんだろう。
「まだ酔ってるか?」
「もう大丈夫」
「絶対、今日中に言いてぇ事あるんだ」
「今日中?」
改まってどうしたんだろ、今日は1日中誕生日を祝って貰ったし今更何を──
「ウタ、おれと結婚してくれ」
その言葉と共に開けられた小箱の中を見ると、言葉より先に涙が出た。反射的に手首を触ると誕生日プレゼントとして貰った腕時計もそこにあり、軽く腕を抓っても痛みがちゃんとある。諦めて忘れてた事が現実になった。
「ルフィ゛...!」
両手をルフィの頬に添えて気持ちを伝える。勢い余って押し倒してしまったが、ルフィは優しく受け止めてくれた。
「...測ってたの?」
「おう」
指輪を手に取って左手の薬指に着けると寸分の狂いもなくピッタリ嵌った。ルフィをバカにしている訳では無いけど、ルフィらしくないというか、あのルフィが?という感想が浮かんでしまった。これを機にルフィの事を男の子だと思わず大人の男性だって認識を改めよう。
「これが...」
左手薬指に着けた指輪を眺めると拭ったはずの涙がまた溢れてくる。指輪の美しさに呆気を取られたのもあるが、ルフィはこれを買う為に必死になってたのに、私はそれを疑っただけでなく浮気に走ろうとしてたのかと、自分の愚かさを悔いる。友達に今度お礼しないと。
しばらくルフィの上で泣き続けた私を、何も言わず背中をさすって落ち着かせてくれた。ルフィ的には大した事やってるつもりは無いんだろうけど、私の中ではどんどんルフィへの想いが大きくなっていく。
「ねぇルフィ、──────ていいよ」
気がつけばルフィの耳元でそう囁いていた。
「...いいのか?」
「いいのかって...ルフィがプロポーズしてくれたんでしょ?」
「すっげぇ不安だったけどな」
「夫婦になるんでしょ?」
私の質問にルフィは首だけで応える。もう恋人じゃなくなったんだから、少し先に進んでも誰も咎めない。
「だから、いいよ」
ルフィの迷惑になると思って言わなかっただけで、6年前からあった望みを伝える。
今日の夜はいつもより長かった。 - 182二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 13:18:59
よくやった!!
- 183二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 13:21:46
やったぜ
- 184二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 13:42:55
Foooooooo!
- 185二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 13:59:06
これが万能薬…ワンピース…なのか・・・
- 186二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 13:59:48
最高だぜ!!
- 187二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 18:51:57
最高…
- 188二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 20:09:11
おれラフテル見つけたかもしれねえ
- 189スレ主22/10/09(日) 20:49:02
「...寝ちゃったか」
すっかり昔話に夢中になっていて腕の中で娘が寝ている事に気づかなかった。勿論今年で7歳になる小さな子供に大人の話はせずにデートの話の方を重点的に話したけど。
「...重っ」
娘とはいえ女の子にこんな事言うのはどうかと思うけど、重いものは重い。いっつもルフィが軽々しく運んでるからいけると思ったけど、もう私には無理そう。
「そっちも寝たんだ」
「おう」
寝室に行くとルフィの横で4歳の長男が寝ていた。ルフィみたいで腕白で手のかかる男の子、その横に姉弟仲良く寝かせてあげて、おでこにキスする。
「おやすみ」
「それでね、昼間あの子が──」
子供たちが寝たあとは夫婦の時間。勿論子供たちは大好きだし、家族4人で過ごす時間は何物にも代えがたい幸せな時間。
それはそれとしてルフィと2人っきりになりたい時もある。今みたいに軽く話しながらお茶とか珈琲を啜る時間は落ち着いて過ごせるから好き。
「...よし!」
「えっ、ルフィ?」
話している最中にいきなり立ち上がったルフィにお姫様抱っこされる。このパターンは...まずい。
「ねっ!あの、ルフィ!私もう30...!若くないからさっ!」
自分で30歳なんて本当なら言いたくないけど、言わないとこの体力おばけの旦那は一切加減してくれない。
「29も30も変わんねぇだろ」
...言っても加減してくれなさそう。
「ルフィはまだ29だからそんな事言えるんだって!私今年で31なんだけど!ルフィに愛されるのは嫌じゃないというかむしろ嬉しいけど...!流石に毎日は身体持たないの!」
「あっそうだ!私明日レコーディング!レコーディングしないといけないから喉大切にしないといけなくて...!だからまた今度に...!」
「そっか!大変だな〜」
分かりきってることだけど、どんな言い訳をしてもルフィは聞く耳を持たない。抵抗虚しく2階奥の防音室に連れ込まれる。
子供たちにはママがボイトレする部屋だと伝えていて、実際その使い方もする。するが、大半はこういう使い方。防音室にあるクイーンベッド、あと何年子供たちを騙せるだろうか。現実逃避の為そんな事を考えても、すぐルフィに連れ戻される。
結局次の日のレコーディングは喉が潰れて声が出せず、あちこちに貼られた不自然な量の絆創膏も相まってスタジオの皆から『またか』と呆れられ、同情されてしまった。
END - 190スレ主22/10/09(日) 20:54:20
以上です。
長々とお付き合いいただき本当にありがとうございました。 - 191二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 20:55:41
ありがとう……ポロッ
- 192二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 21:00:09
最高でした…!!
- 193二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 21:16:02
素晴らしかった!!
純愛はいいもんだ - 194二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 21:20:22
この素晴らしいssは語り継がれる
- 195二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 21:35:32
素晴らしいSS をありがとう!ありがとう!これからも生きていけそうです。
- 196二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 21:40:40
このss大好きだわ
- 197二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 21:42:15
ワンピースは・・・実在した…!!!
- 198二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 22:32:25
このスレを最初の頃からリアルタイムで追えてよかった
見事なSSとして語り継いでくよ… - 199二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:07:52
- 200二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:12:58