【現パロCP注意】ウタ「あれ…?」

  • 1122/10/01(土) 17:13:53

    大学生ウタ×高校生ルフィSS投下します
    書くのに時間がかかっていたらウタちゃんの誕生日になってましたが誕生日ネタではございまぬ…

  • 2122/10/01(土) 17:14:41

    青天の霹靂とはよく言ったものだと思う
    晴れた青空に雷が鳴ったらそりゃ驚くよね

    でもあのことわざには足りない説明があったらしい

    どうやら人間は、予想だにもしていなかった出来事が突然起きると想像以上に冷静になるようだ

  • 3二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:14:49

    頼むぞ!!

  • 4二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:15:17

    よっしゃ!楽しみ

  • 5122/10/01(土) 17:15:46

    朝、寝室で目を覚ました私はふと違和感を覚えた

    普段よりもカーテン越しに差し込む朝日が明るい気がする

    いつも聞こえてくる小鳥たちの囀りが聞こえない

    「………まさか寝過ごした!?」

    起き抜けに叫びながら枕元の時計を手元まで引ったくる
    短針が指し示すのは絶望、いつも起きる時間より2駅先だった

  • 6122/10/01(土) 17:16:47

    「……やらかした〜」

    思わず顔に手をやる
    念願のエレジア音楽大学に入学して1年と半年
    1度たりとも講義に遅刻したことのなかった私が、まさかよりにもよって寝坊するとは

    ゴードン教授に何と言い訳しようか
    代返は友人たちに頼めるだろうか
    これで幼馴染で最愛の恋人であるルフィとの無遅刻無欠席対決が私の敗北で終わるのか

    そんなことを頭の中でぐるぐると考えていたが、時計を見つめているとまた違和感を覚えた

  • 7122/10/01(土) 17:17:22

    「あれ…?」

    音が

    「……どういうこと?」

    秒針が打ち鳴らしているはずの音が

    「…………まさか」


    聞こえないのだ

  • 8122/10/01(土) 17:18:18

    そこからの私は自分が思っているよりも冷静そのものだった


    昨日までちゃんと聞こえていたのに何故

    そりゃ聞こえないなら時計のアラームも聞こえないよね
    じゃあ寝坊しても仕方ない

    病気か何かか
    あまりにも突然すぎる

    こう言うのをことわざで青天の霹靂って言うんだっけ
    まぁ耳が聞こえないなら霹靂も何もないけど

    しょーもな!

  • 9122/10/01(土) 17:19:19

    「………はーっ!」

    次から次へとどうでもいいことばかり考える自分の頭に対して、特大の溜息を吐いてみる

    案の定その溜息も私の両耳は捉えてくれなかったが


    「とりあえず大学には…病院行ってくるって連絡して…代返頼んで…ノートは治ったら借りて…」

    ぶつぶつ呟きながら講義に出ているであろう友人たちとのグループラインで病院に行ってくることだけ伝えた

    案の定すぐに返信が来た
    どうやら私が思っていたよりもずっと心配をかけていたみたいだ

    治ったらお昼を奢ってあげよう、1食だけ

  • 10122/10/01(土) 17:20:30

    「次は…病院だよね…こういうのは…耳鼻科?」

    「シャンクスにも伝えて…繋がるかなぁ…」

    「あっ…そうだSNSにも載せないと…配信延期って…」


    スマホを弄る指が止まる

    思考がまとまらない

    何から手をつければいいか分からない

    何故さっきはグループラインで伝えられたのかも分からない


    不意に涙が溢れてくる

  • 11二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:20:34

    大丈夫か…

  • 12二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:21:09

    おおう

  • 13二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:21:47

    ルフィ――早く来てえええ

  • 14122/10/01(土) 17:22:24

    「うっ…ぐすっ…どうしよ……」

    1番考えないようにしていたことが頭に浮かぶ

    『もし2度と音が聞こえなかったら?』

    私の声で、私じゃない誰かが頭の中から語りかけてくる

    『もう好きな音楽も聞けないね』
    うるさい

    『歌も歌えないだろうね』
    黙って

    『歌姫だって言ってたファンのみんなは離れていくだろうね』
    静かにして

    『大学にも行けなくなるだろうし』
    やめて

    『ルフィにも捨てられるかもね』
    お願いだから


    『貴女の存在価値って何?』

    そんなこと───言わないで

  • 15122/10/01(土) 17:23:29

    「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ!!!!」

    慟哭、心の底から吐き出した想い
    でも私の両耳は残酷にもその声すら拾ってくれなくて

    目から大粒の涙が溢れて止まらない

    うまく息ができない

    助けて

    誰か

    タスケテ

  • 16122/10/01(土) 17:24:19

    必死の思いで、

    最愛の人に、

    こんな時でも鮮明に頭に浮かぶあの笑顔の持ち主に、

    今頃高校の授業中であろうあの人に、

    助けを乞う

  • 17122/10/01(土) 17:25:23

    ああ、でも彼のことだから寝ているんだろうなぁ

    無遅刻無欠席勝負は10年以上続いてるけど、運動部の彼が寝坊しないのは授業中に爆睡してるからと聞いたことがあったっけ

    じゃあ私は安眠を妨害した悪者か

    いやそもそも起きないか

    涙と汗でぐしゃぐしゃな顔でも、自嘲の笑いはできるらしい

  • 18122/10/01(土) 17:26:17

    病院を調べようともせず、SNSで報告しようともせず、当然ながら着替えたり、朝食を食べようともせず、ただひたすら啜り泣く

    歌"姫"とは決して呼べないであろう、泣き腫らした目を枕に思いっきり押し付ける

    泣くしかできない

    でもその泣き声すら自分は聞き取れなくて

    視界が暗くなる

    一筋の光もない、闇───

  • 19122/10/01(土) 17:27:11

    ふと肩が強く引っ張られた感覚が襲った

    ハッとして後ろを振り返る

    そこに映ったのは、汗だくで、制服にところどころ泥をつけて、多分私よりも深刻な顔をした、
    この世で1番優しくて、逞しくて、可愛くて、かっこよくて、愛おしくて、大好きな彼だった

    「  !    !?」

    ああ、神様は残酷だ
    こんなにも心配してくれている彼の声すらも聞かせてくれない

    ろくに返事もできなくて、ただ泣きじゃぐるだけの私を、ルフィは優しく、けれども力強く抱きしめてくれた

  • 20122/10/01(土) 17:28:07

    昔、学校で身体障害者の体験をする特別授業を受けたことがあったが、
    いざ自分がその立場になると想像を遥かに超えた困難があるのだと思い知らされる

    涙は止まったが、うまく声にならず、伝えられない

    ルフィがさっきから何か言っているが、伝わらない

    どうしたものか、どうして自分はこうなのか、折角助けに来てくれたルフィに何も伝えられないのか
    そんな思考に陥っていると、ルフィは何か閃いたか、辺りを見回した

  • 21122/10/01(土) 17:29:05

    何度も一緒に昼も夜も過ごした部屋とはいえ、女の子の部屋なのだからジロジロ見ないでほしいのだが

    そんなくだらない見栄をどう伝えようかと思っていたら、ルフィが机の上にあった紙とペンを持ってきた

    『何かあったのか?』

    お世辞にも綺麗とは言えない、男らしい字体で聴いてくれた

  • 22二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:29:32

    >>無遅刻無欠席勝負は10年以上続いてるけど


    んな勝負するな

  • 23二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:30:14

    >>22

    まあ休まず出られているならそれでいいじゃないか

  • 24122/10/01(土) 17:30:37

    ─なんて気遣いのできる人なのだろう

    きっと身体の半分は優しさでできているのだろう

    いや100%とんで120%優しさだろう
    バファ◯ンも裸足で逃げ出す優しさだ

    必死に頭を縦に振りながら、紙とペンを受け取る

  • 25122/10/01(土) 17:31:40

    『耳が聞こえない』

    『いつからだ?』

    『今朝起きたときから』

    『心当たりとかあるか?』

    『ない』

    その一言に思わず付け加える

    『たすけて』


    即座に紙に乱雑に書き殴る彼

    『あたりまえだ!』

    出し切ったと思った涙がまた溢れてきた

  • 26122/10/01(土) 17:33:20

    そこから先は記憶が曖昧だが、ルフィの自転車に2人乗りする形で病院に向かった
    ルフィの高校の先生にでも見つかったら大事だったろうに

    ルフィの友達がいるという病院だが、受付で早速ルフィと友達が会話を始めたようだ

    後日友達のお母様から聞いたが、会話はこんな感じだったらしい

    「トラ男ォー!!助けてくれェー!!!」
    「うるせえ!!!ここどこだと思ってんだ!」
    「早く!ウタが多分病気なんだ!!」
    「分かったから静かにしろ病院だぞ!!」
    「お兄さまもルフィさんもうるさい!!!」
    「「すみませんでした…」」

    妹さん、強いねー

  • 27122/10/01(土) 17:34:28

    さて、そんなこんなでルフィの友達のトラ男くんのお父様が経営してる病院に来た訳だけど、耳鼻科が専門でもないのに丁寧に診てくれた

    問診はお互いに筆談

    いつから聞こえないのか、
    どちらの耳が聞こえないのか、
    最近耳鳴りや高音だけ聞こえないといったことはなかったか、
    昨日食べたご飯は何か、
    何時頃寝たか、
    昨日の夜は何をしていたか、

    こんなことまで聞かれるのかと思いつつ、正直に答える


    時折ルフィに何か聞いていたようだけど、2人は筆談ではなくて少し寂しかった

    顔に出ていたのか、ルフィがそっと頭を撫でてくれた
    うれしい

  • 28二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:35:03

    麦わらは
    お前みたいな
    いい男だよ

  • 29122/10/01(土) 17:35:32

    『ウタさん、恐らく突発性難聴です』

    先生から紙で告げられた病名
    詳しくは知らなくても、事実として突きつけられた"難聴"の文字に身体が震えた

    『突然片方の耳が聞こえにくくなるケースが多いですが、稀に両耳に症状が出る人もいます』
    『高い音だけ聞こえない人もいれば、全く聞こえない人もいます』

    へーじゃあ私はめちゃくちゃレアケースなんだすごーいって言ってる場合か


    左手が無意識に隣に立っているルフィのシャツの裾を掴む

    ルフィが腰を下ろしてそっと肩を抱き寄せてくれた
    安心する

  • 30122/10/01(土) 17:36:36

    『原因は様々です。耳の中の血管の問題、ウイルス、ストレス、生活習慣ー』

    生活習慣…そりゃパンケーキは大好きだけど、仮にもSNSで騒がれる歌姫だし、美容には気を配ってお野菜とかも食べてるし、運動不足って訳でもないよなぁ…

    『あくまで推測ですが、原因はストレスかと』

    ストレスかー

    「えっ?」

    自分では聞こえなかったが、思わず呟いてしまった

  • 31122/10/01(土) 17:37:41

    『ウタさんのお話と、ルフィさんのお話、そして拝見しましたウタさんのSNS、大学のご予定
    …かなり無理をされてましたね?』

    「………………」

    どうだろう?思い返してみる

    確かに最近新曲の作詞作曲をしたし、それをSNSで公表したらメディアを名乗るアカウントからお誘いのDMが殺到したし、音大でも見知らぬ人たちに囲まれたし

    そういえばあの講義は来週自分の発表の番だから準備してたし、友達から歌い方について相談を受けてレクチャーしてたら真夜中ってこともあったし

    昨日夜遅くまで起きてたし、晩御飯作るの面倒でカップラーメンだったし

    あと最近ルフィと会えてなかった
    思い返すとルフィニウム欠乏症寸前だったな

  • 32122/10/01(土) 17:39:06

    「む、無理してた…のかな?」

    頬を引き攣らせながら隣にいたルフィに聞いてみた

    「              〜〜!!」

    珍しく怒ったルフィが、多分だけど「無理してたに決まってんだろォ〜〜!!」と叫びながら私の頬をみょんみょん伸ばしてきた

    いたい
    でもうれしい
    こんなにも心配してくれてることが



    ああ愛ある罰ってこういう
    やかましいわ私

  • 33二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:39:32

    ルフィニウム欠乏症で草

  • 34二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:39:39

    出たな特定保健用栄養素ルフィニウム

  • 35二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:39:50

    現パロにのみ出現するという伝説のストレス緩和物質「ルフィニウム」来たな…「ウタニウム」という亜種も存在すると聞く…

  • 36二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:40:10

    まあ本編からしてそういうとこはあるよな……

  • 37122/10/01(土) 17:40:46

    『治療ですが、内服薬の処方箋を出しておきます。
    それらを飲みつつ、なるべくストレスの少ない生活を過ごしてください。』

    ふむふむ

    『具体的にはSNSや動画配信を自粛してください。』

    えっ

    『当然ですが大学も治るまでお休みです。』

    ほわっと?

    『突発性難聴は早期の治療により、早い人だと1日で治りますが、長引く人は長引きます。
    最悪の場合、聞こえないままです。』

    ゾッとした
    あの白昼夢のような頭の中に響いた声がまた聞こえたような錯覚があった

  • 38122/10/01(土) 17:42:01

    『親御さんはどちらに?』

    するとルフィが代わりに答えてくれた
    父親、とは言っても血の繋がりはないが、シャンクスは捨て子の私を育ててくれはしたが、今は仕事の関係で外国に赴任していて、最近だと音信不通もプラスされた

    ルフィとは幼少期にご近所付き合いで知り合ったが、お互い親が家にいないという共通点から一瞬で仲良くなったことは今でも昨日のように思い出せる


    先生が頭を抱えたあと、またルフィといくつか話をし、紙に書き出してくれた

  • 39122/10/01(土) 17:43:14

    『ではしばらくルフィさんと一緒に暮らしてください』

    ???????

    多分今私は宇宙に放り投げられた時の顔をしているのだろう

    『音の聞こえない生活は危険と隣り合わせです。なるべく他の人の助けがあった方がいい。』

    『メシはウタほど美味くは作れねえけど、おれがついてるからな!』

    いや嬉しいけど、同居してお互い助け合うなんてまるで夫婦みたいで有頂天だけど、高校とか部活とか大丈夫なのだろうか?

    『なんとかなる!』

    多分根拠も何もないんだろうけど、この太陽のように明るい笑顔で自信満々に言われたらこちらもそんな気になってくる

    『よろしくねルフィ』

    『おう!』

  • 40122/10/01(土) 17:44:54

    そんなこんなで帰宅した訳だが、まずはルフィに見られたら恥ずかしいものをクローゼットに投げ込む
    乙女の死活問題なのだ

    ルフィはその間スマホで誰かと電話していた
    恐らくは高校の関係者だろう

    日記、捨てずにおいた小さい頃の服、下着、こっそり撮ったルフィの寝顔(引き伸ばし印刷済)、こっそりいただいたルフィグッズ…あとは…ルフィと会えなくて寂しい時に酔った勢いで買った…アレなオモチャ……

    をまとめてクローゼットにシュゥゥゥ───!!!
    超!エキサ〜イトなんて気分じゃない


    必死にスケッチブックに『絶対にクローゼットは開けないで!』と書き込んでルフィにこれでもかと見せつける

    ルフィは呆気に取られていたけど、どうやら色々と察してくれたようで笑顔で頷いてくれた

    私の彼氏理解力ありすぎ…神か…?

  • 41122/10/01(土) 17:46:24

    一通り整理を終え、ルフィと共同して作った朝食兼昼食を食べた

    初めはルフィも『ウタは座ってろ』って頑として言ってきたんだけど、こればかりは譲れなかった


    結果として手伝えたのはじゃがいもの皮剥きとかそれくらいで、火のまわりはルフィ担当になったが

    2人で力を合わせた料理は、少し火の通りが甘かったのか少し硬めに感じたが、噛めば噛むほど幸せが染み出すようで最高だった

  • 42二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:48:22

    ルウタニウムが大変含まれていて健康的ですね。

  • 43122/10/01(土) 17:48:30

    さて問題はこれから

    と言うのも、普段の私の休みの日は大体が作詞作曲活動と動画配信とルフィとのデートで占められている

    耳が聞こえないのでは作詞作曲なんて無理だし、動画配信やSNS巡回は禁止されたし、外デートは危ないからと断られた


    そんなこんなでさっきからずっと胡座をかいたルフィの前に座り、寄りかかっている

    お家デートならここでテレビを見たりゲームをしたりするのだろうが、無音のテレビやゲームは嫌気が差すのが目に見えていた
    ルフィもそう思っているのか、テレビの電源を点けようとはしなかった

  • 44122/10/01(土) 17:49:31

    正直私としてはルフィと密着してるだけで幸せ全開なのだが、肝心のルフィがどう感じているのかが気掛かりで仕方ない

    何度も振り返り様子を伺うが、彼は視線が合う度はにかんで頭を撫でてくれる

    まるでルフィも私と密着してるだけで幸せと言葉にせず伝えてくれるようで


    もうこんなの彼氏じゃない
    スーパーダーリン超えてゴッドダーリンよ

  • 45122/10/01(土) 17:50:53

    そんなアホなことを真剣に考える頭をルフィの胸板にスリスリさせていると、ルフィが両腕を私のおへそ辺りで交差させて抱き寄せてくれた

    ルフィの温もりを感じるとこんなにも安心できるなんて


    もうあの私じゃない誰かの声は聞こえてこなかった

    なんとかなる、そんな気がしてならなかった

  • 46122/10/01(土) 17:52:32

    時間が経つのは残酷なまでにも早くて、『そろそろメシと風呂の準備するかー』とルフィに言われて夕方になっていることに気付いた

    お風呂掃除は危ないから絶対にやらせないとルフィが言うので仕方なく夕飯の方に専念する

    ルフィがお風呂掃除中にやれるところまでやろうと意気込んだら、お鍋に全ての具材を入れ終えてしまった
    残るは火をかけてお味噌とかを溶かすだけ、ご飯も炊き上がりを待つだけ


    ちょっと張り切り過ぎたかな〜と思っていたが、どうやらルフィはお風呂掃除の最中に洗濯物をしまい、不慣れながらもアイロン掛けをしてくれたようだ

    折りたたみ方がまぁ男らしかったがご愛嬌、むしろやってもらえて感謝しなければ…

  • 47122/10/01(土) 17:57:05

    あれ?

    洗濯物しまったってことは…

    『ルフィ 洗濯物見たの?』


    あっ、と口から出ているであろう彼
    そもそも嘘が苦手な彼だが、言い訳は絶対に通じないと観念したのか、スケッチブックに何か書き始めた

    『おれは好きだぞくまさんパンツ!』


    一閃

    私の拳がルフィの脳天に一撃をお見舞いさせた

    よりによってそれを言うなそれを
    アレは明日捨てに行こうそうしよう

  • 48二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 17:58:33

    ルフィはそういうことする

  • 49122/10/01(土) 17:58:38

    ご飯が炊き上がり、ルフィがお鍋を温めてくれたので、お風呂の前に夕飯をいただく

    怒られたことが気掛かりなのか子犬のようにこちらを伺いながら食べるルフィがいじらしくて思わず笑ってしまう

    『もう怒ってないよ』

    そう書いた紙を見せて、はんぺんをあーんしてあげる

    嬉しそうに口を開けて近付ける彼の頬にはんぺんを当てたら凄いリアクションしてくれた
    かわいい

  • 50122/10/01(土) 18:00:30

    夕飯の後片付けも共同して終え、遂にお風呂タイム

    何があるか分からないからと一緒に入ることにしたが、謎の緊張で自分の心臓がうるさい

    いつ見てもルフィの身体は引き締まっていて、昼間はあの両腕に抱き締められて、あの胸板に頭を擦り付けていたのだと考えると胸がキュンと鳴き声をあげた


    お互いに髪を洗いあい、そのままの流れで身体も洗いあおうかとルフィの腕にタオルを当てたら、両手で制止された

    不可解に思ったが、顔を真っ赤にしたルフィが、その、股間を必死に隠していて全てを察してしまい、こちらも顔が真っ赤になった気がした

    結果、お風呂はお互いほぼ無言(のはず)で手早く終えてしまった

  • 51二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:01:00

    あら^~

  • 52122/10/01(土) 18:04:36

    風呂上がり、お互いにドライヤーをかけあってパジャマを着て、昼間のような体勢になる

    違うのは、お互い熱を帯びていて、私は髪を下ろしていて、さっきまで見ていた裸が脳裏に浮かんで、腰の辺りに何かが当たる感覚があって

    振り向いてもルフィは顔を真っ赤にしながら逸らして


    クローゼットの中から大人のオモチャが自己主張した気がしたが気付かないことにした

  • 53二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:05:01

    持ってるのか…

  • 54122/10/01(土) 18:05:50

    そう、私は病人!
    安静にしなきゃいけない!
    不安、焦り、疲れを忘れなきゃいけない!

    多分ルフィもそう思っているのだろう
    だから必死に我慢して隠してくれている
    そんな彼にこれ以上無理をさせる訳にも…


    あれ?

    難聴はストレスが原因
    →ストレスから離れた生活が必要
    →ストレス発散が必要
    →ルフィニウムの補充が不可欠
    →えっちしても問題ないのでは?

    →ストレス発散もでき、性欲も解消でき、幸せな気分に浸れて、ルフィも我慢しなくて済む

    Q.E.D(証明完了)

  • 55122/10/01(土) 18:07:17

    不意に後ろを向き、ルフィをベッドに押し倒す

    困惑する彼にスケッチブックを見せつける

    『ガマンはよくないよルフィ』

    そうしてボタンを外す私を見て、彼は意を決したようだ───

  • 56二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:08:31

    あら〜

  • 57二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:09:22

    素晴らしいねェ〜…

  • 58122/10/01(土) 18:09:38

    キング・クリィムゾン!!

  • 59122/10/01(土) 18:10:41

    『キング・クリィムゾン』の能力の中ではこのSSの時間は消し飛び……

    そして全ての読者はこの時間の中で起きた出来事を認識できないッ!

    『酸欠一歩手前まで濃厚なキスをしたルウタを見れず!』
    『結局バレて使うことになった大人のオモチャの形さえ認識しない!』

    『結果』だけだ!!
    このSSには『ルウタがイチャラブしたという結果』だけが残る!!

    下手に描写すると運営がどう『動く』か全て見えるッ!

    これが『キング・クリィムゾン』の能力だッ!

  • 60二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:10:50

    >>58

    そんなああああああ

  • 61二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:11:13

    バスターコール案件の時間吹っ飛ばしやがった!

  • 62二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:11:42

    いいのだ
    その方が想像できるからいいのだ

  • 63二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:12:44

    >>62

    (規則には)敵わぬ…ポロッ

  • 64122/10/01(土) 18:14:50

    朝日が差し込んでくる

    小鳥たちが囀っている

    時計の秒針は狂いなく等間隔で音を奏でる

    「ん〜〜〜」

    思いきり伸びをする
    昨日なんとかシャワーを浴びてから寝ることはできたが、結局2人してヘトヘトになってしまった

    隣に目をやる
    最愛の恋人が幸せそうな顔で眠りについている

    「朝だよ〜ルフィ」

    もう少し寝かせておきたい欲に駆られたが、悪戯心の方が勝ってしまい彼の鼻を摘まむ

    「…フガッ! ………お?おはようウタ」

    「うん、おはようルフィ」

  • 65122/10/01(土) 18:15:58

    「いやーよく寝た!」

    「私が起こしてなかったらあと半日は寝てたんじゃない?」

    「流石に起きるわ!腹減るだろうし!」

    「あはは!じゃあ朝食作ったげる!」

    「おう!ウタのメシ楽しみだ!!」


    「「………あれ?」」

  • 66122/10/01(土) 18:17:20

    「ウタ、耳は大丈夫か?」

    「あれ?あーあーあー!
    …うん、どっちの耳も聞こえる」

    呆気に取られた
    確かに先生は早い人だと1日で治ると言っていたが、こんな突拍子もなく治るものなのか
    正直実感がない、あれは夢だったのではと思うくらいだ

    「そっか!治ってよかったなウタ!!」

    そういって困惑する私よりずっと嬉しそうな表情をしたルフィがハグしてきた


    ああ、私の耳、治ったんだ

    ようやく実感が追いついてきたところで、昨日あれだけ流したというのに涙もまた出てきてしまった


    ルフィが抱きしめたまま背中をポンポンしてくれた
    すき
    大好き

  • 67二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:17:42

    病み上がりだから気を付けような...

  • 68122/10/01(土) 18:19:05

    「治ったっつってもどうする?」

    「流石に大学の講義は間に合わないしまだ完治したとは限らないから、今日は休みにして病院行ってくるよ」

    「そっか!おれも高校はしばらく休みって言ったしウタが完全に治ったら出ることにする!」

    朝食を食べながらそんな会話をする
    どこまでも私を大切にしてくれる彼の温かさにまた泣きそうになるが、折角の朝食が味わえなくなるので我慢する

    「あっでもしばらくはSNS見たり配信する頻度減らせよー?なくせとは言わねェけど!」

    「うん、流石に懲りたし冷静になったら依存してんのか〜ってぐらいだったしね」

    「よし、じゃあ病院開くまで何すっか!」


    「あっそれなんだけどルフィ!」

    「ん?」

  • 69122/10/01(土) 18:20:18

    「ほら…昨日…その…シたじゃないですか」

    「お、おう」

    「でも昨日私は耳が聞こえてなかった訳で…」

    「そだな?」

    「あの時の…ルフィの声が…また聴きたいなぁって……ダメ…かな?」



    「………皿洗ったらベッド行くぞ」

    「!! うん!」

  • 70二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:21:04

    現パロで太陽みたいなルフィと絡むウタはいい
    万病に効くし戦争も終わる

  • 71二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:21:22

    またキンクリ案件やんけ

  • 72122/10/01(土) 18:21:22

    午後、トラファルガー病院ロビーにて

    「大変だトラ男!ウタの腰が!!」
    「お世話になりまーす!!」

    「湿布持ってけバカ共!お大事に!!!」

    -終-

  • 73二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:24:55

    よし!ハッピーエンド!

  • 74122/10/01(土) 18:27:52

    終わりです!
    最近現パロ激重ルフィ×激重ウタSSが多く、ここが新時代かと書き出してみたはいいものをメンヘラヤンデレが書けぬ…!となってたら単なるシリアスな話になってきたのでネタぶっこませてもらいました

    イム、ありがとうございました

  • 75二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:27:59

    死・死死尊尊

  • 76二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:32:49

    なんでチョッパーじゃなくてトラ男の所なんだと思った
    現パロだった
    チョッパーただの鹿になってるわ

  • 77二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:33:56

    >>76

    一応アオハル時空だと人間だけどルフィより下だからね

  • 78二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 18:45:25

    シカじゃねぇよぉ!!

  • 79二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 19:48:10

    ちょいちょいあほな思考になるウタがカワイイ

  • 80二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 20:42:37

    時々入る原作っぽいノリのギャグのおかげでライトに読めた

  • 81二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 21:24:58

    これが新時代か…
    現パロでもイチャラブでも、ウタが生きてルウタがあるならとてもいいじゃないか

  • 82二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 21:55:21

    バファ◯ンで笑う

  • 83二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:02:08

    内容的には結構シリアスなんだけどところどころの語りでくすっとして気楽に読めた
    好き!

  • 84二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:34:13

    最高に癒された
    ありがとう明日も生きていける!

オススメ

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