いっそのこと……大好き、って伝えられたら、少しは楽になれるのかな……

  • 1◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:38:49

    「ふぅー。……大丈夫、大丈夫。……いつもの感じで誘えばいいだけだから……」

     マックイーンからお裾分けしてもらったハロウスの紅茶……。どうせならトレーナーと一緒に飲もうかな、と思っていた。
     そこまではいい。それだけなら別になんてことのない、いつもの日常なんだから。ただ……。

    (アタシ、トレーナーとどうやって接してたんだっけ……)

     ……きっかけは朝練後に低血圧で倒れてしまった時。季節の変わり目だったり、寝不足がちだったのが祟ってしまったのだけれど、その時にその……トレーナーに、いわゆるお姫様抱っこで保健室まで運ばれた。
     倒れた時はしんどくて、お姫様抱っこされていることを気にする余裕もなかった。それだけで終わったのなら良かったのだけれど……。
     その翌日にクラスの子にお姫様抱っこされた時のことを聞かれた。朝練後だったし、誰かに見られてしまったのは仕方ない。事情が事情だし、トレーナーもトレーナーで動揺していて必死だったわけだし。
     ただ、その時の事を思い返した時……。ここ最近の、自分の抱えている感情の正体に気がついてしまった。それ以来トレーナーとどう接すればいいのか分からなくて。
     いつもどおり、普通にしてたらいい事なんて分かってる。でもそのいつもどおりが今はもう遠い昔の話のようで。どうしていたのかが全く思い出せない。

    (トレーナー、きっと傷ついてるよね……)

     有り体に言ってしまえばよそよそしい、というのが今のトレーナーに対するアタシの態度だと思う。
     いつものアタシが思い出せなくて、どうしても距離を取った態度になってしまう。トゲのある態度にはなってないとは思うんだけど、必要以上に避けてしまう。
     こんな風になってしまった時期が丁度お姫様抱っこされた後な訳だから、トレーナーからしてみればお姫様抱っこが嫌がられた、と捉えられても仕方ないと思う。

  • 2◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:39:00

    (マックイーンからお裾分けしてもらった茶葉があるから一緒に飲まない? ……うん、自然な感じだと思う)

     だから。これはアタシがトレーナーの事を避けてない、ということを伝える為にも必要なこと。アタシから示さないと、トレーナーだってどうしていいか分からないはず。

    (……よし!)

     そんな決意と共にトレーナー室の扉を開けようと、深く息を吸い込み。

    「コーヒーコーヒー……。あれ? ドーベル? 今日はトレーニングはお休みだけど俺に用事?」
    「べ、別になんでもない!」
    「え? ちょっ!?」

     唐突に扉が開けられ目の前に現れたトレーナーを前に、固める前の決意は、脆くも崩れ去ってしまった。

  • 3◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:39:13

    「はぁ~…………。何やってるんだろ」

     落ち着ける場所を求めてカフェテリアへと逃げ込み、何気なく漏れ出た溜息は深く澱む。
     なんだか、最近ずっとこの調子な気がする。アタシから声を掛けようと思ったら、気づかれて先に声を掛けられてそれで逃げてしまったり。
     声を掛けられても挙動不審になったり、声が上ずったり。
     そもそも声を掛けるのにすら勇気が必要だったり……。別に告白をするわけでもないのに。

    「どうしちゃったんだろ、本当に……」

     好きだと自覚してしまったその時から、アタシの世界は変わってしまった。
     少女漫画のように、綺麗なだけだったら良かったのに、そんなことはなくて。

    (いっそのこと……大好き、って伝えられたら、少しは楽になれるのかな……)

     それが出来たら苦労はしていない。
     日に日に大きくなってしまう好きと言う感情は、アタシを苦しめるのには十分過ぎて。
     伝える勇気も持っていないくせに、分不相応な感情を抱えてしまった代償は、あまりにも大きい。

    「あら~? ドーベル~?」
    「あ……ブライト……」

     ティータイムには丁度いい時間だからか、お茶をしに来たのであろうブライトと鉢合わせる。

    「浮かない顔をしておりますが、どうかされましたか~?」
    「別に。なんでもないよ」

  • 4◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:39:23

     悩みごとなら相談出来たのかもしれないけれど、生憎これは困りごとであって、悩みごとじゃない。
     しかもその困っている原因は自分の感情に対してであって、誰かに相談したからといって解決出来るようなものじゃない。
     こればっかりは上手く自分の中で折り合いをつけていくしかない。
     ただその方法が今のアタシにはない、ってだけ。取り合えずは時間が解決してくれるのを待つしかないのかな……。

    (……ダメだよね。浮かない顔ばっかりしてたらブライトだって心配するし。今は切り替えないと)

    「ブライトはお茶しに来たの?」
    「ええ~。今日のトレーニングはお休みでしたので~」

     ……アタシの手元には件のハロウスの紅茶がある。
     当分の間はトレーナーを誘える気はしないし、ブライトと一緒に飲むのもいいかもしれない。

    「ねぇブライト。前にマックイーンからハロウスの紅茶をおすそ分けしてもらってたんだけど、一緒にどう?」
    「まあ~! よろしいのですか?」
    「うん、どうせなら誰かと一緒に飲みたいな、って思ってたし」

     嘘は言ってない。本当ならトレーナーと一緒に飲みたかったんだけど、それが出来なくて一人で飲むのもなんだか寂しいし。
     ……その代わりをブライトにお願いしてるようで、なんだか悪い事しちゃってるかもな。

    「でしたら。ドーベルのトレーナーさまもお誘いしましょう~」
    「はぁ!? え!?」

     今の会話の流れからどうしてそんな話になるのか全く分からない。

  • 5◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:39:38

    「2人でお茶会するよりも、3人でのお茶会の方がきっと楽しいですわ~」
    「え、いや、それだったらブライトのトレーナーを誘えば!」
    「……? ドーベルは私のトレーナーさまと一緒でもよろしいのですか~?」
    「あっ、や、それは……」

     アタシの男性への苦手意識は徐々に改善されてはいってる。けどそれは一部の人に対してだけで。
     同じメジロ家の子を担当してるトレーナー相手でもまだダメな人もいる。
     向こうもアタシが男性が苦手、って理解してるからそれで気を遣われて余計気まずくなって。
     だからこそブライトも自分の担当トレーナーではなく、アタシのトレーナーを誘おうと思ったんだと思う。

    「では、決まりですわね~」
    「でも、トレーナーだって忙しいと思うし」
    「ドーベルはトレーナーさまとお茶会をされたくはないのですか~?」

     したい。したいに決まってる。
     だって元々はトレーナーと一緒に飲みたいな、って思ってたんだから。

    「お誘いするだけしてみても良いのではないでしょうか~?」
    「……でも」
    「まあまあ~」
    「あっ! ちょっと!」

     誘わない言い訳すら許してくれないまま、ブライトに手を引かれ逃げ出してきたトレーナー室に舞い戻る。

    「トレーナーさま~? いらっしゃいますか~?」
    「ちょっと!? 心の準備が!」
    「ほわぁ~? 心の準備ですか~?」

     ……確かにお茶会に誘う、ってだけで心の準備をするのはおかしな話だと思う。
     でも今のアタシには必要な訳で。

  • 6◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:39:51

    「ブライト? ドーベルならさっきどこかに……あれ? ドーベルも一緒なんだ」
    「あっ……」

     どうして。さっきあんなふうに逃げ出したのに、そうやって微笑みかけてくるの。
     そんなトレーナーの顔を直視できずに目を逸らしてしまう。
     笑顔を向けられただけで、どうしようもなく嬉しくて顔が熱い。

    「ええ~。先ほどカフェテリアでお茶会をするという話になりまして。トレーナーさまもご一緒にいかがでしょう~?」
    「俺もお呼ばれされていいのかな?」
    「是非~」
    「……もしかしてドーベル、さっきこの為にトレーナー室まで来た?」
    「……悪い?」
    「いやいやいやそうじゃなくて。ごめん、もしかして外に出ると思って遠慮しちゃった?」
    「そういう訳じゃ……」

     そうじゃなくて、なんだか顔を合わせると気恥ずかしくて逃げだしただけ。
     今だって出来る事なら逃げ出したい。けれどそれはブライトに左手を握られているから叶わない。

    「仕事も急ぎなものがある訳じゃないから大丈夫だよ。ちょっとだけ待ってて。カバンから財布を出さないと」
    「……ドーベル、トレーナーさまとなにかありましたか~?」
    「別に、なにも」
    「そうですか~?」

     本当に、トレーナーとなにかがあった訳じゃない。アタシの中で大きな変化はあったけど。

    「よし、おっけー。それじゃあ行こうか」

     ブライトに深堀りされる前にトレーナーが部屋から出て来る。これ以上踏み込まれたらアタシにはどうしようもなかったし助かった。
     ブライトを先頭にトレーナーに並ぶでもなく、かといって後ろをついていっているわけでもない、なんとも言い切れない距離感でカフェテリアへと向かった。

  • 7◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:40:02

    「トレーナー、チーズケーキにしたんだ」
    「甘いもの、って気分じゃなかったからな。そういうドーベルはショートケーキなんだな?」
    「マックイーンがこの紅茶に合うって言ってたから。……先に言っておけば良かったね、ごめん」
    「いやいや、どっちみちチーズケーキを選んでただろうから気にしないでくれ」

     トレーナーとアタシの二人が先に紅茶と一緒に食べるケーキを選び終えてブライトを待つ。
     ……今はいつも通りに会話出来ている気はする。ただ以前よりも若干気まずい。
     アタシは当然、トレーナーの方もどういう話をすればいいのか悩んでるんだと思う。それもこれもアタシがトレーナーを避けてるのが悪いんだけど。
     そうして待っているうちにほわほわした笑顔を浮かべながらブライトもテーブルの方にやってくる。……ブライトはモンブランみたい。
     全員揃ったところで、ちょっとしたお茶会のはじまり。
     マックイーンの言った通り、紅茶がイチゴショートによく合う。

    「ところでトレーナーさま~?」
    「なんだい?」
    「ドーベルと喧嘩でもされたのですか~?」
    「…………」

     ケーキを食べ始めたところで、ブライトがトレーナーに尋ねる。
     喧嘩はしていない。だってアタシが一方的に避けてしまっているだけだから。

    「いや、喧嘩はしてないよ?」
    「ドーベルったら、トレーナーさまの事を避けているようでしたので」
    「ああ~……。それに関しては俺が悪いんだよ。ドーベルが倒れちゃったときに抱きかかえちゃったから、それで」
    「ちがっ! そうじゃないの!」

     急に大きな声を出してしまったせいで、カフェテリアにいる子達の視線を集めてしまった。
     ……ずっと空回りしっぱなしだ。小さく咳ばらいをして場を仕切り直す。

  • 8◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:40:14

    「トレーナーは悪くないの。アタシが変に意識しちゃってるだけだから……」
    「だそうですわ~? トレーナーさま?」
    「ドーベルは優しいからそう言ってくれてるだけだよ」

     違う。優しくなんかない。だって、今のアタシはアンタを傷つけているんだから……。
     そんなアタシとトレーナーの顔を、ブライトが交互に見て何やら考え込む。
     そうして何かを閃いたのか、ぱぁっと顔が華やぐ。

    「そうですわ~! 食べさせっこをしたらどうでしょう?」
    「俺はいいけど」
    「えっ、それって……」

     食べさせ合い。よっぽど仲のいい間柄じゃないと確かに出来ない事だと思う。だから微妙な距離感になってしまっているアタシたちにさせて、距離を縮めてもらおう、って魂胆なんだろうけど。
     でもそれってあ~ん、ってやつ、だよね? するの? 今ここで? 周りの目だってあるのに?

    「でもドーベルは恥ずかしいよな? ごめんブライト、折角の提案で申し訳ないけど」

     でも。そうでもしないと、このままずっとトレーナーを避け続けてしまうような気がして。
     今まで遠ざけてしまっていた距離を縮める為には、これくらいしないといけないのかもしれない。

    「いいよ。する」

     だから、ブライトの提案を飲む。
     まさかアタシが提案を受け入れるとは思っていなかったのか、トレーナーが呆気に取られたような顔をしている。
     けれどその表情はすぐに柔らかな笑みに変わって、アタシに語り掛けてくる。

    「……よし。じゃあどっちからしようか?」
    「じゃあ、アタシから食べさせてあげる」

  • 9◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:40:24

     ……今更思ったんだけどブライトはこんなところを見せられて楽しいのかな?
     同じメジロ家の子とその担当トレーナーがケーキを食べさせあってるのだなんて、面白いものでも何でもないと思うんだけど。
     まあ、ニコニコしてるから本人的には楽しいんだろうけど。

    「ほら、口開けて」
    「あ~ん」

     誰かに食べさせてあげること自体は、実家に帰った時に弟妹達にしてあげる事もあるからそれなりに慣れている。
     ……そう思うとなんだかちょっと間抜けな絵面に見えてきた。

    「……むふっ」

     ケーキを口まで運びきったと同時に、思わず変な笑いが漏れ出る。

    「なんか変だったか?」
    「え? いや、弟妹達にやってるように思えてきちゃって」
    「俺、身長高い方だと思うんだけど……?」

     今身長はあまり関係ないと思うんだけど……。それにトレーナー、時々でっかい子供みたいな時あるし。

    「まあ、いいじゃない。それより味は?」
    「ああ、確かにこの紅茶によく合うな」

     流石はマックイーンと言うか。
     スイーツ好きなのが高じてか、紅茶に合うお菓子選びがとっても上手い。
     本人はスイーツが大好きだとは思われたくないみたいだけど、別に可愛らしくていいと思うんだけどな。
     それに今こうしてその知識が役立ってる訳だし。

  • 10◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:40:35

    「じゃあ今度はこっちの番だな」

     ああ、そうだった……。アタシからしたんだから次はされる番だ。
     羞恥から逃れるように、思わず目を閉じてしまう。

    「あ、あ~ん……」
    「ごめん、もうちょっと大きく開けてくれないと入らない」

     世のカップルはこんなことをやってるの!? 好きな異性相手に口を大きく開けて待つなんて恥ずかしくないの!?
     いや、さっきはアタシからしたわけだけどさ!?
     そんな抗議を頭の中でして、半ばやけくそ気味に口を開いてケーキを食べさせてもらうのを待つ。

    (早くして……!)

     目を閉じてしまった為、頼りになるのは口の感覚のみ。
     程なくして、微かに唇に触れたケーキを認識して口を閉じ、咀嚼する。

    「どう?」

     味はチーズケーキだな、とは分かるんだけど正直ちゃんと味わうほどの余裕はない。
     ケーキを嚥下して、ふぅっと一息吐く。

    「もうやらないからっ……!」
    「あはははは……俺も人目があるところでは嫌かなぁ……?」

     萌え萌えきゅんとか平気で言えるあのトレーナーが恥ずかしがるのは珍しい。
     いや、でも食べさせてもらう時は別に恥ずかしがってなかったし、アタシに食べさせるのが恥ずかしかった、って事?
     でもアタシは食べさせる時はなんだか小さい子にやってる気分になってそうでもなかったし、なんともズレを感じる。

    「二人とも恥ずかしがり屋さんですのね~」

  • 11◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:40:47

     確かに人目も気にせず、ライアンにしてもらっても平気なブライトからしてみればそうかもしれないけど!

    「じゃあブライトだってトレーナーからされてみればいいじゃない! 絶対恥ずかしいんだから!」
    「あら~? ドーベルは私がトレーナーさまに食べさせていただいてもよろしいのですか~?」
    「えっ!? あっ……だ、ダメ!」
    「あら~? うふふふっ♪」
    「いや、ドーベル。しないからな? そんなに慌てなくても自分の担当でもない子相手には流石に出来ないからな?」

     墓穴を掘った……。恥ずかしさで色々と焦り過ぎだ。そもそもなんで勝手にトレーナーが食べさせてあげる前提で話を進めてるのさ、って話だし。

    「まあまあ~♪ でもこれでドーベルも、トレーナーさまと顔を合わせるの、少しは恥ずかしくなくなったのではないですか~?」

    (あれ……? 本当だ……)

     お茶会をするまであんなに恥ずかしかったのに、今はそうでもない。さっきそれ以上に恥ずかしい事をした反動なのかもしれないけれど。
     ……今なら、少しは素直に話せる気がする。

    「ねぇトレーナー」
    「なに?」
    「本当に、あの時の事は気にしてないの。どちらかと言えば必死になってくれて嬉しかったから。ただ」

     ただ、なんだろう。好きだと自覚して恥ずかしくなった? それは流石に直接的過ぎる。
     でも適切な理由が見つからなくて、もごもごと口ごもってしまう。

  • 12◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:41:00

    「……っ。避けててごめん……嫌な気持ちにさせてたよね?」
    「あ~……。なんて言ったらいいのかな。君は他人の事を気にし過ぎるから、むしろ心配してたよ」
    「心配? なんで?」

    「今だって嫌な気持ちにさせてたかも、って気にしてただろ? ドーベルって人の嫌がる事だけは絶対にしないからさ。それなのに避けてる、って事は何かしら理由があると思ったから」

     そんなんじゃ、ないのに。
     そんな立派な理由じゃないのに。
     だって好きになってしまった相手に、むしろ嫌われるような事をするだなんて。

    「俺の方こそごめん。どうしてあげればいいか分からなくて、時間が解決してくれるかと思ってたんだけど。俺の方からフォローを入れてあげるべきだった」
    「違うの! アタシが逃げてばっかりだったから……」

     でも、恥ずかしいからって逃げるのはもうやめよう。ちゃんと、この気持ちと向き合ってあげよう。

    「だから、もう少しだけ待ってて。ちゃんと自分の中で整理を付けて、それで元通りになるから」

     今は、これでいい。
     どうすればいいのか分からなくて、後ろに下がってしまったけれど。
     少しずつ、元の位置に戻っていければ。
     前に進むのは、その後でも。

    「大丈夫。いつまででも待ってるよ。だって俺は、君のトレーナーだからな」

     ああ……。良かった……。
     あの時から、ちゃんと会話をしたのはこれが初めてな気がする。

  • 13◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:41:16

    「仲直りは出来ましたか~?」

     そういえばそうだった……! 完全に二人の世界みたいになっていたけれど、今の会話はしっかりブライトにも聞かれていた訳で……! 二人きりの時にするならまだしも、今の会話は人に聞かれるのはかなり恥ずかしい気がする。
     ……でも今更か。それにブライトがこうして間に立ってくれなかったら、ちゃんと話も出来なかったんだし。

    「え? 仲直り……? いや、確かにそうかもしれないな。喧嘩をしていた訳じゃないけど、ちゃんと仲は直ったよ」
    「……心配かけてごめん、ブライト」
    「うふふっ♪ やっぱり、仲良しさんなのが一番ですわ~」

     ……敵わないなぁ、ブライトには。トレーナーと出会ってから、背中を押してもらってばっかりな気がする。

    「ところで二人とも? 紅茶、冷めてしまいますわよ~?」
    『え? あっ!』
    「あら~? うふふ、息ピッタリ、ですわ~♪」

     まさかブライトにこの手のことを指摘される日が来るだなんて思いもしなかった。
     少し冷めてしまった紅茶を飲みながら、イチゴショートを食べ進める。
     季節柄、使われているイチゴは少し甘酸っぱいけれど、それすら生クリームの甘さを引き立てていて。
     この味を何かに例えるのなら。

     きっと、アタシの恋心。

  • 14◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 22:41:26

    みたいな話が読みたいので誰か書いてください。

  • 15二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:41:49

    もう書いてる定期

  • 16二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:41:57

    もう読んだんだが?(困惑)

  • 17二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:43:11

    全部出したじゃん()

  • 18二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:49:24

    ベルちゃんSSは寿命を延ばす

  • 19二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:51:58

    待ってたぜ、新作を!

  • 20二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 22:54:00

    先生。この熱量を見せられた後は荷が重いです。

  • 21二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 23:04:07

    このレスは削除されています

  • 22二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 23:04:33

    過去スレを貼っておきましたわ~~~

  • 23二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 23:05:14

    あ~~~

  • 24二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 23:16:28

    良い……

  • 25二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 23:33:51

    ええね〜

  • 26◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 23:37:49

    イベストで言ってたハロウスのバニラブレンド、別に期間限定とかマックイーン一言も言ってないな?と書き終わってから気付いたことを先に懺悔いたします……。

    ただどうしても最後の流れにしたくてイチゴショートだけは使いたかったので適当にイチゴショートがよく合う紅茶だったんだな、と処理しておいてください……。


    アタシ、トレーナーの事好きなのかな|あにまん掲示板「はぁ……眠れない……」 布団に潜ってからかれこれ一時間くらい。同室のタイキの寝息は随分前から聞こえてきているというのに、アタシは未だに寝つく足掛かりすら掴めないでいる。(明日は朝練もあるし、早く寝な…bbs.animanch.com

    一応こちらの過去作の流れを汲んでる続編という体にはなっています。単体で読んでも問題ないようにはなっていると思いますが……。

    なんだかんだブライトいないとこの二人って進展するの難しくない?という事で今回はブライトにかなり頑張ってもらいました。

    ここまで読んでいただきありがとうございました。

  • 27◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 23:38:10

    >>21

    クイズスレと被っちゃったのに放り投げてから気付いてしまったもので、終わるのを一旦待ってただけなんです……。

    過去作貼ってくださった方は申し訳ない!消させてもらいました!

  • 28◆y6O8WzjYAE22/10/01(土) 23:39:54
  • 29二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 23:44:21

    >>27

    ええんやで

  • 30二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 00:59:29

    素晴らしいSSをありがとう
    ドーベルの良さが伝わった

  • 31二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 01:02:00

    先生、いや神様。素晴らしいSSをありがとうございます。

  • 32二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 08:38:55

    ありがとう

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています