【閲覧注意】【SS】シュガー「たすけてお姉ちゃん」

  • 1二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 16:54:33
  • 2二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 16:56:31

    『天竜人の一家だァ〜〜!!!』

    ああ、これは…10歳の頃のおれだ。

    おれ達家族3人は天竜人に怨みを持つ者共の『報復』を受けていた。
    焚き上がる炎の中、おれは磔にされる。
    すぐ隣には父上とロシナンテがぶら下がっている。

    『ハンマーで全身の骨を折ろう‼︎』
    『千本の矢を刺そう‼︎』

    『すぐには殺すな…‼︎ずっと生かして苦しめろ!!!』

    連中は口々におれ達への拷問を叫ぶ。


    空を裂きながら一本の矢が飛んできた。

    『……ッッギャアアァァッ!!!』

    矢がわき腹に刺さる

    業火が身体を炙る

    熱気が喉を焼く

  • 3二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 16:59:40

    『い゛たいよォ父上…‼︎も゛う死にだいよォ…』

    ロシナンテが殺してくれと嘆願している。

    『だのむ゛ッ…せめで子供たちだけでも゛…!!』

    父上が助命を請う。

    奴らの手は止まらない。
    おれ達への拷問は休む暇なくもたらされる。

    『こ、殺しでやる゛…!お前ら、オボエてろ゛…‼︎』

    おれは怨嗟の咆哮を上げた。
    だが、奴らはまるで動じていない。
    奴らの1人がおれの頭に狙いを定め、矢を放つ。

  • 4二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:03:30

    このレスは削除されています

  • 5二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:04:30

    『何をされでも生ぎのびて…!! おま゛えらを1人残らず…‼︎』

    眼前まで迫り来る鏃






    『殺しにいくからなァ!!!!』


    矢は吸い込まれる様に眉間に深々と刺さった。

    おれは死んだ。

  • 6二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:05:05

    『………ハァッッッ!!!』
    『ど、どうしたんだドフィ!?』

    気がつくとおれは自分の椅子に腰掛けていた。
    突然叫び声を上げたおれをディアマンテが心配そうに聞く。

    『ハァ…ハァ……なんでも、ねェ…‼︎』
    『そ、そうか、ならいいんだが…、そうだドフィ!漸くコラソンの奴から連絡があったぜ‼︎』
    『なに!!?』

    先週からローを勝手に連れ出し、何処かをほっつき歩いてるコラソン。
    勝手な事しやがって。
    …とはいえ、あんなんでもおれの実の弟なんだ。
    激怒したいのは山々だが、少しくらいは大目に見てやろう。

  • 7二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:07:32

    プルルルル、プルル…ガチャ

    『おれだコラソン…、おめェ今どこで何してやがる…?』
    『…』
    『…まぁいい、ローを連れてとっとと戻ってこい!ローの病気を治す手段ができた!!』
    『…』
    『1週間くらいで戻れそうか?』
    『…』

    ……どうしたんだ?
    あいつは口が聞けねェから、『"はい"か"いいえ"で電伝虫をノックする』のが
    会話手段の筈だ。
    何故返事をしねェ?

  • 8二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:09:35

    『…………あ…』




    『あ゛づいよォォォォ!!!兄上ェェ!!!!!』
    『!!!!?』

    電伝虫の向こうからコラソンの凄まじい絶叫が聴こえた。

    『だずげでェ!おれ゛は……もう…!!』
    『お前声が…!!いやそれはいい!一体何があった!!?』

    耳を澄ませると、コラソンの声に紛れて
    何かが焼ける音と大勢の人間の歓声が聞こえる

  • 9二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:11:19

    気がつくとおれの近くに居た筈のディアマンテやトレーボルの姿がない。

    いつの間にか周りの景色は一変し、辺り一面火の海になっていた。

    『もう゛…むりだァ…!だのむ゛、兄上!おれを……お゛れを゛……!!』


    『ころしでぐれェェェェ!!!!!』




    「……ハァッ!!!?」

    おれは目を覚ました。

    プルルルル!プルルルル!

    「ハァ…!ハァ…!」

    ここは王宮のおれの寝室。
    どうやらおれはずっと悪夢にうなされていた様だ。
    すぐ横で電伝虫が鳴いている。
    これはディアマンテの部屋に繋がってるでんでん虫だ。
    コレも悪夢を見る事になった一因の一つなのかもしれない。
    おれは苛立ちながら受話器を取る。

  • 10二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:12:43

    プルル…ガチャ

    「…こんな真夜中に何の用だ?ディアマンテ…」
    『…』

    でんでん虫の向こうからは何も聴こえない。
    さっきの悪夢と同じシチュエーションにおれの身体は思わず強張ったが、
    『これは現実だ』と頭の中で繰り返して冷静さを保つ。

    『…』
    「…チッ、もう切るぞディアマンテ、おれは今気分が悪ィんだ、…全く、真夜中だってのに起こしやがって…!」ガチャリ

    なんなんだあいつは。
    あいつのせいでとんだ悪夢を見る羽目になった。

    「クソ…!クソ….!!」

    今になって先程の悪夢の恐怖が呼び起こされ、身体が震え出した。

    おれは喉を掻き毟る。

  • 11二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:15:30

    「(さっきのはわりィ夢だろ!?)」

    頭では分かっていても、夢と現実の境目が曖昧になったおれの身体は痛みと乾きに悲鳴を上げていた。

    「水…!とにかく水だ…!!」

    勢いよく酒を呷る。
    それでも喉の渇きは治らず、震えも止まらない。

    今度は籠に入っていた果物を貪る。
    フォークすらろくに使わず、果汁を垂らしながら食い散らかすサマは
    一国の王とは思えない姿だろうが、今はそんな事は一切気にしない。

    「(この国は"おれの国"だ‼︎おれが何をしようと逆らう奴なんざいねェ!!!)」

    恐怖を紛らわす為にくだらない自己暗示をかける。

    あっという間に果物を食い終え、二つ目に手を伸ばす。

  • 12二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:16:53

    続編!

    キタァああああ!

  • 13二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:17:52

    >>10

    なお当のディアマンテ

  • 14二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:19:09

    >>13

    レベッカのハジメテを奪った男

  • 15二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:19:53

    ──ドフラミンゴはここで取り乱さず、一度冷静になるべきだったのだろう。

    おれは二つ目の果物を手に取った。

    ──なぜ、すぐそばに部屋がある筈のディアマンテが真夜中に電話をかけてきたのか?

    そして口元に運び、齧りつこうと大きく口を開ける。
    鼻先数センチの果物から放たれる甘い香りを前に唾が溢れ返る。
    おれは待ちきれず、勢いよく歯を立てる。

    ──なぜ、ディアマンテは何も話さなかったのか?


    視界の端のクローゼットが目に入った。
    確かあの中にはヒラヒラの能力で薄っぺらくして収納している靴やら椅子やらが……



    ………溢れかえってる?

  • 16二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:21:01

    ──なぜ、ディアマンテの能力が解けているのか?


    手の中の果実が鼓動を始める。

    皮の模様が歪み始める。


    ……おれはそのまま齧り付いてしまった。











    シャクリ


    王下七武海、ドンキホーテ・ドフラミンゴの肉体は粉微塵に四散し、その肉片を部屋中に撒き散らした。

  • 17二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:21:04

    このレスは削除されています

  • 18二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:21:04

    その果実…

  • 19二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:21:32

    ですよね!

  • 20二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:21:35

    えぇ

  • 21二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:22:40

    バッファロー「……た、大変だすやん!!!若が…!若が…!!!」

    バッファローの悲鳴が王宮に響き渡る。


    十数分後、ドフラミンゴの部屋にファミリーの幹部全員と、少数の部下達が集まった。
    ……いや、正確にはディアマンテ、デリンジャー、ラオGを除く幹部全員が。

    部屋中に撒き散る血飛沫にファミリーは当初困惑したが、
    所々に落ちている『ピンク色の羽』という見覚えのあるモノ気付き、
    この肉片が誰の者であるかを嫌でも知ることとなった。
    少しして、隣の部屋からディアマンテの惨殺死体も発見された。

    トレーボル「一体何が…!………ん?」

    トレーボルが足元に転がる"ナニカ"に気付く。

  • 22二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:22:48

    可哀想なドフィ
    ひとえに因果応報だが…

  • 23二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:22:53

    ヒラヒラの実?

  • 24二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:23:52

    それは二つの『悪魔の実』であった。
    トレーボルはその二つ共見覚えがあった。

    一つは幼少の頃に仲間が食ったもの

    もう一つは、真っ白い洋梨の様な見た目で、
    まだ幼かったドフィに拳銃と共に自分が与えて…

    トレーボル「……べへ、べへへ…」






    トレーボル「べへへへ!!!べへへへへへ〜!!!!!」

    ベビー5「!!!?」

    トレーボルは壊れた様に高笑いし出した。

    ベビー5「トレーボル様‼︎一体何がそんなに面白いというの!!?」

    ベビー5が憤慨する。
    自分達の船長が死んだというのに爆笑しているトレーボルに怒りを覚えるのは当然といえよう。

    トレーボル「べへへへ〜〜〜〜!!」
    ベビー5「トレーボル様!!!いい加減に…!」

  • 25二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:23:52

    あれ?
    デリンジャーたちは…?

  • 26二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:24:56

    >>25

    これの続編があるなら書こうと思っていますが

    多分もうお亡くなりになってますね…

  • 27二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:25:57

    このレスは削除されています

  • 28二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:26:26

    トレーボル「………これが"面白い"様に見えるか?あァ?」
    ベビー5「!!!」

    サングラスを持ち上げたトレーボルの目は完全に座っていた。
    16年間ファミリーに仕え続けてきたベビー5であったが
    ここまでドスの効いた声で怒りを露わにするトレーボルは初めて見た。

    ベビー5「ヒッ…あ……い…そ、その………申し訳…ありません、でした…」

    完全に萎縮して蚊の様な声で謝罪するベビー5を一瞥もせず、トレーボルは思案していた。

    爆散したドフィと、向こうの部屋で殺されているディアマンテ。
    そして床にはイトイトの実とヒラヒラの実。

    これが意味する事は一つ。

  • 29二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:27:49

    トレーボル「(何者かにディアマンテが殺され、その直後に出現したヒラヒラの実をドフィがウッカリ食した!)」


    元天竜人であり、"王の資質"である覇王色を有する者。
    そんな可能性の塊である男を自身が手ずから見出し、
    "悪のカリスマ"として育て上げてきたこの数十年。
    『世界の破壊者』にもなり得る、類稀なる才能を持つ存在!



    そんな男の実に呆気ない最期。

    あんまりな惨状であるが、その死因が分かれば怒りを通り越して笑わずにはいられなかった。

    ひとしきり笑った後、トレーボルは幹部達にドフィの死因を伝えた。
    笑いこそしなかったが、幹部達は何とも無念そうな表情を各々が浮かべた。

  • 30二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:29:40

    ピーカ「……いいか、この事は国民にはまだ伝えるな」

    ピーカがソプラノ声で重々しく言う。
    いつもなら思わず吹き出してしまう命知らずの部下が出てしまう所だが
    ファミリーのトップと最高幹部の1人が死んだという緊急事態を前にして
    笑う者は一人として居なかった。

    部下「大変ですピーカ様!電伝虫が一匹も使えません!!」

    部下の一人が部屋に駆け込む。

    ピーカ「なんだと!?全部殺されたのか!!?」
    部下「いえ、正確には、『電伝虫から音が全くしない』んです!!!』

    王宮内にある全ての電伝虫が"どういう訳"か、音声を発しない。
    ドフィ、ディアマンテの死に続いて、更なるトラブル。
    今ドンキホーテ海賊団の外部との通信機能は殆ど失われていた。

  • 31二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:30:51

    んんん?????
    これ一晩でファミリー全滅させる気だな???????

  • 32二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:32:07

    ピーカ「バッファロー!お前はパンクハザードに行ってモネやシーザーにこの事を伝えろ!丁度ヴェルゴも滞在してた筈だ!!」

    バッファロー「りょ、了解だすやん!!!」

    ピーカがバッファローをパンクハザードへと向かわせる。
    これは『バッファローの口が軽く、うっかり国民に漏らし兼ねない』というのもあったのだろうが
    現状、パンクハザードに最速で迎えるのはバッファローだけである。

    バッファローが窓から飛んでいくと

    ピーカ「お前達は部下を引き連れて、今回の"下手人"を探し出せ‼︎」
    ピーカ「その命を以って償わせろ!!!」

    ピーカは大声で檄を飛ばした。
    幹部達は国中に散り、犯人の探索を始めた。




    トレーボル「べへへ、おれも犯人探しをするとするか…ん?シュガーの奴どこいった?」

  • 33二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:32:46

    やっちゃえレベッカー!って気持ちと
    無茶すんなレベッカ…!って気持ちがある

  • 34二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:33:33

    シュガーは街の中を駆けていた。

    街人「わっ!!シュガー様!?そんなに慌ててどうかし…」
    シュガー「邪魔!!」
    オモチャ「…ましたか?」
    シュガー「契約!!アンタは一生私の命令に従いなさい!!!」

    シュガーはすれ違った街の人間を片っ端からオモチャに変え、
    ザックリとした"契約"を交わしながら走り回っていた。

    シュガー「(信じられない!信じられない‼︎)」
    シュガー「(若様が死んだ?そんなのあり得ない!!!だって若様は"海賊王"になる人だもの!!)」

    シュガー「(若様こそが世界で一番偉くて強い!!あの時だって…!あの時だって……‼︎)」


    シュガーは思い起こしていた。
    自分が、姉であるモネが救われた、"あの日"の事を……

  • 35二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:35:19

    『お姉ちゃん…寒い…』
    『だ、大丈夫よ…シュガー…お姉ちゃんが、ついてるから…』

    "北の海"のとある冬島。
    お姉ちゃんは17歳、私はまだ9歳だった。
    私たち姉妹には親も身寄りも居なかった。
    仕方なく、村のとある男の家で小間使いとしてずっとコキ使われていた。
    食事は1日一度あれば良い方、寝床は納屋。
    あの男は気分が悪ければ私たちを殴り付けた。
    そんな中、お姉ちゃんは私を庇う様により多く痛めつけられていた。

    お姉ちゃんは頭が良かった。
    他人を観察する能力に秀でていたのだ。
    だから男が何を言われれば怒るのか、何を言われれば気を良くするのか鋭く分析して
    私たちへの被害が少なくなる様に上手く立ち回っていた。
    きっと私に対してもその観察眼を使っていたんだろう。

    『シュガー、あなたまだお腹空いてるんじゃないの?』
    『え?……す、空いてないよ!』
    『……お姉ちゃんはもうお腹一杯だから、残りは食べてもいいわよ?』

    私が嘘をついてもお姉ちゃんはすぐに見破った。
    ダメな事をした時はちゃんと叱ってくれたし、
    私が空腹なのを隠していた時は食べ物を分けてくれた。

  • 36二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:37:00

    世界で一番頼りになる、優しいお姉ちゃん。
    ……いつも頼ってばかりで、そんな自分が情けなかった。

    ほんとは私もお姉ちゃんの役に立ちたい…。


    そんなある時、お姉ちゃんが持っていた『鳥類の本』が男に見つかった。
    アレは私がゴミ山で見つけてお姉ちゃんにプレゼントした物だ。
    男はそれを売ってお金にしようとしていた。
    珍しく、お姉ちゃんは男に楯突いた。
    男はお姉ちゃんを殴りつけた。
    何度も何度も殴りつけた。
    それでもお姉ちゃんは『売らないでください』と食い下がっていた。

    私が止めに入り、男が私の事も殴り始めると
    お姉ちゃんは途端に諦め、男に平謝りした。

  • 37二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:39:46

    その日は食事は抜きで、ボロボロになった私たちは納屋で震えていた。
    普段は感情をあまり表に出さないお姉ちゃんがすごく泣いていた。
    私は一晩中お姉ちゃんの背中を摩ってあげた。
    その時だけは、私の方が"お姉ちゃん"みたいだった。
    お姉ちゃんの力になれたみたいで、ちょっぴり嬉しかった。

    辛い事がたくさんあるけれど、それでも
    『生きていければ充分』『こんな目に遭っている人間は世界中のどこにでもいる』
    そう言い聞かせて私たちは生活していた。

  • 38二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:40:53

    冬が訪れた。

    『冬島に冬が来る』と聞くと変な感じだが、
    要はたださえ寒い冬島に一際寒い時期が訪れる事だ。
    その時期は寒波が例年よりも強く、自分達のいた村も大雪に包まれた。

    備蓄した食料にも限りがある為、男は私たちの食事を"3日に一度"に減らすと言い出した。
    勿論そんな事されれば私たちはあっという間に餓死してしまう。
    お姉ちゃんは男に土下座した。

    『私は構いません…せめて妹にだけは食事を与えてください…』

    すると男は下卑た表情を浮かべて、とある『提案』をしてきた。
    私はこっそり覗いていたから男の声が殆ど聞こえなかったが
    男の『提案』を聞いたお姉ちゃんは完全な固まっていた。

  • 39二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:42:12

    男は己のズボンを下ろし、"ソレ"を外に放り出した。
    "そういうコト"を強要していたのだ。
    恐らく、お姉ちゃんがこうやって嘆願してくる事も見越して
    あのクズは食事を減らすと言い出したに違いない。
    お姉ちゃんは震えながら"ソレ"に顔を近づける。
    クズは腰を振り、『早くしろ、冷える』と"ソレ"をぶらぶらさせている。

    "ソレ"がお姉ちゃんの目と鼻の先まで来た。

    お姉ちゃんは涙を流し、目をギュっと瞑りながら舌を出し…




       

  • 40二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:42:47

    >>36

    なるほどね...この本がパンクハザードでの改造に繋がるわけだ

  • 41二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:43:09

            


        


    私は後ろから棍棒で男を殴りつけた。

    その後の事は殆ど覚えていない。
    吹き荒れる吹雪の中、私たちは息を切らしながら走っていた。
    お互いの手を絶対に離さない様にしっかり握り締めながら。
    背後から男の怒声が近づいてくる。
    私は転んでしまった。

    『シュガー!!!』

    そう叫んでお姉ちゃんは私に駆け寄った。
    やめて、私に構わないで、お姉ちゃん一人ででも逃げて。
    男の怒鳴り声はすぐそばまで来ていた。
    いよいよ絶体絶命だ。
    お姉ちゃんは私を守ろうとキツく抱きしめてた。

    お姉ちゃんが居た事以外何一つ楽しい事が無かった人生

    あぁ、私たちはここで終わるんだ

  • 42二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:44:13

    >>40

    実はモネは幼少期に鳥の本を持っているから

    何か鳥に惹かれるものがあったのかもしれません

  • 43二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:45:25

            






    『フッフ……酷ェあり様じゃねぇか…どうだお前達、おれに付いて来る気はねェか…!?」


    ……そんな私たちに、『救いの神』が現れた。

    若様は男を一瞬で殺した。
    緊張の糸が解け、私とお姉ちゃんは抱き合いながら大泣きした。

    それから私たちはドンキホーテ海賊団に迎え入れられた。
    若様の為なら命を捨てる覚悟だってある。
    私たちの強い覚悟が伝わったのか、入団して僅か一年後に私たちは"能力者"になった。

  • 44二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:46:20

    うーんこれは惚れる

  • 45二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:47:01

    私が食したのは『ホビホビの実』。
    食べて以来、身体の成長は完全に止まってしまったが
    これはこれから行う"国盗り"において、一番大切な能力らしい。
    そんな大役を任せられた事を私は誇りに思った。

    一方、お姉ちゃんが食したのは…

    ロギア系『ユキユキの実』だった。

    ……お姉ちゃんも私も、"雪"にはあまり良い思い出が無かった。
    食べる前に若様はお姉ちゃんに聞いてきた。

    『戦闘力という意味合いではロギアを食うのが一番だが、コレを食うのが嫌だってんなら構わねェ、何か別の実を見繕ってやる』

    そんな若様と私の両方を見て軽く笑いかけた後、
    お姉ちゃんは迷わずユキユキの実を食べた。

    私は思わず感動した。
    お姉ちゃんは若様の為ならどんな事だってやってのける。
    私もお姉ちゃんの様に若様の役に立ちたい。
    それだけを思って今日まで生きてきた。


    それなのに…!それなのに…!

  • 46二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:50:28

    シュガーの心は乱れに乱れていた。
    自分にとって実姉モネの次に偉大であった"若様"。
    その若様が死んだという現実をどうしても受け入れる事が出来ずにいた。

    大勢の街の住民をオモチャに変えたシュガーは幹部塔まで来ると
    引き連れたオモチャ達に命令を下した。

    シュガー「命令よ‼︎若様と…ついでにディアマンテを殺した奴を探し出しなさい!!殺しちゃダメ!生きたまま私の前に引っ張ってきて!!!!」

    シュガーはオモチャに変えた直後に"契約"する事で
    オモチャを服従させる事が出来る。
    万が一『オモチャに変えた直後に契約出来なかった場合』は
    そのオモチャに二度と契約を言い渡す事は出来ない。
    故に相手をオモチャに変える際は契約する事を必ず心掛けている。

    数百ものオモチャ達は『一生シュガーの命令に従う』という契約に従い、街中に散っていった。

  • 47二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:52:18

    シュガー「これで後は犯人が連れてこられるのを待つだけ…‼︎」
    シュガー「オモチャにするだなんて"生温い事"絶対しないわ…!手足を叩き折って、たっぷり痛めつけながらこの手で殺してやる!!!」

    怒りを激らせたシュガーが吠える。


    この時シュガーは怒りの余り、周りが見えていなかった。
    幹部塔にはいつも最低限の部下達が常駐している。

    シュガー「……あれ?そういえば」

    今、自分の周りには誰一人居なかった。

    シュガー「幹部塔にいつもいる筈の部下達は何処?」

    シュガー「………!!!」バッ

    何かの気配を感じた。

    咄嗟に身を翻し、距離をとる。

  • 48二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:53:49

    シュガー「……トンタッタ族?」

    音一つ立てずに現れたトンタッタ族の群れ。

    シュガー「…なるほどね」
    シュガー「(どうやら部下達はこいつらにやられたようね…大方、工場で働かせられている仲間を救い出す為のクーデターってとこ?)」
    シュガー「(という事はこいつらが若様を殺した下手人…?)」
    シュガー「(いや、疑う事を知らないマヌケ極まりないこいつらがそんな段取りよく行動出来る筈ない…"裏"に誰かいそうね)」 

    シュガーの考察は当たっていた。
    今回のトンタッタ族の反乱はレベッカをリーダーとして起こされた。
    詳細な作戦の組み立てをしたのもレベッカである。

    シュガーは一番先頭にいたトンタッタ、隊長のレオに声をかけた。

    シュガー「へぇ…あなた達の仕業?でも変、マヌケなあなた達が騙されてる事に気づく筈ないもんね…」
    レオ「…」
    シュガー「ふーん、何も言い返さないんだ、珍しいの…まぁいいや」

  • 49二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:55:24

    レオ「………!!!!」

    レオが何やら口をパクパクさせると、後方にいたトンタッタ達がシュガーに飛び掛かった。

    シュガー「(音一つ立ててない…!何らかの能力…!?)」

    シュガーは少し驚く。
    その小さな身体と俊敏さ故に『姿が無い妖精さん』と言われているトンタッタ族。
    そこに"物音一つ立てずに行動する"という要素が加われば
    相手取るのは厄介この上ないだろう。



    シュガー「…でも、やな感じ」
    シュガー「私、弱いと思われてる……」

    だがシュガーは動じていなかった。

    シュガー「"小熊玩具(リトルブラックベアーズ)"!!!」

    目にも止まらぬ速さで、迫ってきたトンタッタを次々と触り
    オモチャに変えてしまう。

  • 50二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:56:50

    オモチャ達「……‼︎」
    シュガー「さぁ、"契約"よ」

    シュガー「『私の命令に命尽きるまで従うこと』!!!」
    シュガー「そして…『目の前にいるトンタッタ共を皆殺しにしなさい』!!!!』

    オモチャに変えられたトンタッタ…
    実はシュガー本人にも『何処の誰をオモチャにしたのか』は一切分からないが
    少なくとも自分に襲い掛かってきた連中だという事は何となく予想がつく。
    オモチャにされる前と変わらず、一切の物音がしない元トンタッタ兵達が
    ゆっくり仲間の方に振り返る。

    シュガー「さぁ、仲間同士で殺し合いなさい!!!!」


    シュガーの邪悪な命令に従い、オモチャ達は一斉に武器を構えた。

  • 51二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:58:07

    ホラー映画の舞台装置みたいになってるレベッカ

  • 52二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:58:36

             








    シュガー「(……あ、あれ…?)」

    シュガーはこれから目の前で起こる筈の惨劇がいつまで経っても始まらない事に戸惑いを覚えた。

    命令に従い仲間を攻撃するオモチャ

    仲間だとも知らずに応戦するトンタッタ共

    傷つきながら互いの身体を破壊し合う愚かな小人達

    シュガーの脳裏に浮かんでいた事は何一つ始まらない。




    《《ザクッ》》

    シュガー「アイタ!……え?」

    目の前のオモチャの一体が、シュガーの脚を突き刺した。

  • 53二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:59:05

    凪ーーーーーー!!!!

  • 54二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:59:44

    命令を聞こえなくするの強くない?

  • 55二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 17:59:46

    >>50

    …既に『凪』の中にいるとしたらまさかこの命令も玩具たちの耳には…

  • 56二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:00:11

    絵面怖すぎるだろ

  • 57二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:00:13

    サイレント掛けられてる?

  • 58二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:00:25

    シュガー「…………!!!!」


    シュガー「い゛だぃぃィィィィッ!!!」

    シュガーは痛みに絶叫した。
    何より衝撃的なのは、オモチャ達が自分の言う事を聞かない事だ。
    よく見ると周りのオモチャ達もジリジリとこちらに迫って来る。

    シュガー「(な、なんで!?なんでなんで!!?)」
    オモチャ「!!」バッ
    シュガー「チッ……!あんたが戦うのは向こうの小人共よ!!!」

    飛び掛かったオモチャにシュガーはタッチする。
    しかし、相手は既にオモチャである。


    既にホビホビの能力を掛けられている為、これ以上は能力の掛けようが無い。

    他のオモチャ達が飛び掛かった。

    シュガー「ヒッ…、来るなバケモン!!!!」

    オモチャ達を殴りつけて応戦するシュガー。
    だが痛みを知らない無機物と化したオモチャ達には効き目は薄く、
    不死身の兵士と化して次々と襲い来る。

  • 59二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:02:36

    そうか、オモチャにされてもシュガーの命令が聞こえない限り従わないのか
    膝打ったわ

  • 60二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:03:04

    レオ「……!?…!!………!!!!」

    それに続きトンタッタ達も飛び掛かる。

    あっという間にシュガーは羽交い締めにされた。

    シュガー「ガッ…!な、なんでアンタら、"契約"されないの!!?」


    時を戻すこと数時間前

    レオ「それじゃぼくたちはシュガーを捕まえに行くのれす!!」
    レベッカ「……!待って!!」

    レベッカは考えていた。

    トンタッタ達は確かに強い。
    しかし、幹部連中の強さは計り知れない。
    見た目が子供で一見弱そうなシュガーにしたって実はめちゃくちゃ強い可能性もある。
    ディアマンテとの鍛錬で強くなった自身なら勝算は充分あるだろうが
    自分は他の幹部連中…特に残りの最高幹部を討ち取らなければならない。

    仮にトンタッタ族だとシュガーを相手取ってどうなるか分からない。

    それにトンタッタ族は正直言って……純粋すぎる。
    戦う前に相手に攻撃宣言をするだろうし、
    敵のある事ない事を間に受けてしまうかもしれない。

  • 61二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:04:31

    レベッカ「(だったら…!)」

    レベッカ「"凪(カーム)"」

    レベッカはトンタッタ達に次々と能力を掛けていった。

    レベッカ「これでみんなの足音や声は一切聴こえないから、安心して戦えるよ‼︎」
    レオ「ありがとうなのれす!…でもこれだとお互いの声を聴こえない様な気が…」
    レベッカ「それは安心して!私と仲間のトンタッタに対してだけはちゃんと声が届く様に調整したから!!」

    レベッカはこの半年間でナギナギの能力をかなりの水準まで鍛え上げていた。
    レベッカは知る由もないが、ナギナギの前任者である『とある海兵』と
    同等の域にまで成長を遂げていた。

    これは前任者よりレベッカが優れているというよりは、
    レベッカが『能力を使って国を乗っ取った奴らを皆殺しにする』という
    殺意を伴った明確な目的意識を持って訓練していた事が起因するのだろう。

    ナギナギの前任者は良くも悪くも『心優し過ぎた』のだ。

  • 62二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:05:08

    うっ…こらざぁん(泣)

  • 63二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:07:17

    レベッカ「あ、それともう一つ!確かレオ君の仲間の情報だと、シュガーは『"契約"を交わしてオモチャを服従させる』んだよね?」
    レオ「そうなのれす!目の前でオモチャに変えられた誰かが、シュガーから"契約"を言い渡されてたそうなのれす!!」
    レベッカ「だったら……正直"コレ"が上手く行くのか分からないけど…!」

    レベッカはそう言うと再びトンタッタ達に触れていった。


    そして現在

    シュガー「……!……⁉︎…!……‼︎」パクパク
    レオ「……な、なんて言ってるのか分からないけど、凄い叫んでるのれす…!」

    結論から言うと、シュガーの"契約"が効かなかった理由はただ一つ。
    単に『シュガーの声が全く聴こえていなかっただけ』なのだ。
    レベッカが重ね掛けした"凪(カーム)"の効果は以下の通りである。

    『トンタッタ達とレベッカ以外の全ての声が聴こえなくなる』

    敵の声が全く聴こえなくなってしまうのは状況によっては不利なのかもしれないが、
    『シュガーの"契約"を防げるのかもしれない』
    『トンタッタは相手の言葉を鵜呑みにしてしてしまいがちな弱点を防ぐ』
    この二つをデメリットと天秤に掛けてレベッカは能力を行使した。

  • 64二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:08:53

    結果は大成功と言えよう。
    たとえオモチャに変えられようと、ナギナギの効力が解けてしまう訳ではない。
    つまり、

    レオ「という事は君たちはぼくらの仲間の誰かだったのれすね!!?」
    オモチャ「!!!」コクッコクッ

    オモチャに変えられた仲間の判別もある程度出来るという事である。

    シュガー「……!」パクパク
    レオ「…まずはこいつを連行していくのれすよ!!!」

    トンタッタ達はシュガーを縛り上げた上で
    頭に麻袋を被せて何処かへと連れ去っていった。

  • 65二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:11:21

    シュガー「(……私は何処に連れてかれてるの…?)」

    トンタッタ達の目的が『オモチャに変えられた皆を戻す』事ならば
    すぐに自分を気絶なりさせればいいだけの話だ。
    なのに彼らはシュガーの意識を保ったまま、何処かに運んでいた。



    レオ「着いたのれす!」
    シュガー「きゃっ!?……ここは?」

    麻袋を取られたシュガー。
    周りを見回すと、壁や天井が一面、花やら蔦やらで彩られた空間だった。

    シュガーは反ドフラミンゴ体制『リク王軍・決起本部』まで運ばれていた。

  • 66二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:12:19

    シュガー「これから私をどうする気!?」
    レオ「それじゃあ『計画は成功した』と"隊長代理"に伝えるのれす!」
    シュガー「言っとくけど私はファミリーの特別幹部よ!!?」
    フラッパー「伝えてくるのれす‼︎」
    シュガー「こんな事して!ただじゃ済まないから!!」
    ビアン「私達は、オモチャに変えられた仲間と共に地上へ…!」
    カブ「おれもいくぞ!」

    シュガーは完全に無視されていた。
    実際はトンタッタ側もシュガーもお互いの"声"が聴こえていないだけなのだが、
    自分が無視されているかの様でシュガーは更に激昂する。

    シュガー「くっ…….!!」

    もがいて逃げ出そうとするも、身体を地面に"縫い付けられてしまっている"為に
    身じろぎ一つ出来ない。

  • 67二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:15:10

    ここからかなり胸糞注意です



    レオ「…そうだ!これをちゃんと食べさせないとダメなんれした!!」

    レオはシュガーの口にピンク色の丸薬を無理矢理放り込んだ。

    シュガー「ムガッ…!」
    シュガー「(なにこれ!……まさか、毒!?)」

    吐き出そうとするもトンタッタ達に口を押さえつけられて無理矢理飲み込まされた。

    シュガー「(………少なくとも即効性のある毒じゃなさそう…)」

    シュガーは食べさせられたモノが毒で無い事を祈りながら
    誰かの助けをひたすらに待ち続けた。


    あれから数時間が経過したが、シュガーは未だに縛り付けられている。

    シュガー「お願い!!幹部の誰でもいいからここに気付いてぇ!!!…もうトレーボルでもいいからァ!!!!」

  • 68二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:19:22

    シュガーは普段の余裕のある立ち振る舞いを捨て去り、大声で助けを呼んでいた。

    シュガーは段々と感情のコントロールが利かなくなってきていた。
    しかもどういう訳か、不思議と眠気が全く訪れない。





    フラッパー「……そういえばレオ、さっきシュガーに食わせたアレは一体なんなんれすか?」
    レオ「アレれすか?あれは"とあるキノコ"を乾燥させて粉末にし、固めた物れす!」
    コットン「……"とあるキノコ"…?」

  • 69二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:20:05

    ネズキノコぉ!

  • 70二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:20:18

        



              

        


    レオ「……"ネズキノコ"れす!!!」

    フラッパーとコットンは絶句した。

    『トンタッタ族に育てられない植物はない』

    故に、様々な植物の特性も把握していた為に
    そのキノコの名前は衝撃的だった。

    レオ「レベッカ隊長代理曰く、『ここぞという時まではシュガーの能力を解除しない』そうれす!!」
    レオ「だから絶対に!気絶させちゃダメなんだそうれす!!」
    コットン「で、でもネズキノコには致死性の毒が…!」
    レオ「……勿論、承知の上れす…」

    レオは俯きながら言う。

    レオ「多分シュガーは、隊長代理からの指示があり次第に…!」

  • 71二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:20:38

    あの……とんでもないもん食わせてるんすけど………

  • 72二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:20:54

    えなにをするつもりなんだ

  • 73二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:21:51

    ここぞ…?

  • 74二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:22:04

    カブ「レオ!工場の仲間達を全員助け出したぞ!!」
    レオ「!!ほんとれすか!!?」

    レオの声を遮る様に、カブが大勢のトンタッタ達を連れて戻ってきた。

    誰も彼も傷だらけで、鞭で打ち据えられた痣が全身にある。
    中には、怪我の度合いが余りにも酷かったのか
    既に虫の息の者も少数ながらいた。

    レオ「みんな…、おのれ、よくも…!」
    シュガー「ふん!あの工場から助け出したってなんの意味もないから!!あんたらどうせ全員また奴隷生活よ!!!」

    シュガーが吐き捨てる様に喋り出す。

    シュガー「そもそもあんたらトンタッタは900年前まではドンキホーテの一族に仕えてたそうじゃない!!それに何の不満がある訳!!?光栄に思うべきよ!!!!」

    高濃度のネズキノコの成分のせいもあってか、必要以上に攻撃的な言動になっているシュガー。
    声は聞こえずとも、シュガーからは明らかに嘲りの表情が見られ
    トンタッタ達は怒りを募らせた。

  • 75二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:24:36

    シュガー「若が海賊王になればあんた達も美味しい思いが出来るってのに!バカな"妖精"達!!!」
    シュガー「あんたらみたいな疑う事すら知らないマヌケ共なんて…!」




    フラッパー「もう許さないのれす!!!」

    ついに怒ったフラッパーがシュガーの顔を殴りつける。

    シュガー「がはァ!!?」

    トンタッタ族の腕力は見た目以上に凄まじい。
    頬骨の砕ける音を立てながらシュガーは激痛を味わった。

  • 76二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:27:09

    シュガー「こ、こいつ!!よくも殴ったわね!!?たかだか"奴隷"の分際…」

    コットン「あなた達さえ居なければ!!」

    続けてコットンがシュガーの手足の骨を踏み砕く。

    シュガー「ンがあァ!!?」

    それを皮切りに、堰が崩れるかの様に他のトンタッタ達もリンチに加わった。

    トンタッタ「「お、おれたちも…!!」
    シュガー「ヒ、ヒイッ…!」

    本来はドンキホーテ海賊団全体に向けて向けられる筈の憎悪が
    シュガーただ一人に一点集中していた。

  • 77二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:29:23

    シュガー「わ、わかった!!謝るから‼︎謝ればいいんでしょ!?だ、だから…ッッガフッ!!?」

    トンタッタ「お前達に騙されて工場で働かされたせいで!兄弟は死んだのれす!!」
    トンタッタ「妹を返せなのれす‼︎!」
    トンタッタ「父を返せなのれす!!!!」


    パンチ1発で家屋を倒壊させるトンタッタ族の剛力を以て
    シュガーの身体に休む暇なく殴打の嵐が襲う。
    しかしネズキノコによって覚醒しているシュガーは気絶する事すら出来ない。

    シュガー「も、もう゛やめで……!!」

    シュガーは泣き叫ぶが、今のトンタッタ族は文字通り『聴く耳を持たない』。
    工場から連れてこられたトンタッタ達は泣き叫ぶシュガーの言葉に
    思わず罪悪感を感じて手を緩めてしまったが、
    懺悔や命乞いが全て"凪(カーム)"でシャットアウトされてるトンタッタ兵の暴行は緩まない。
    寧ろ更にヒートアップした。

  • 78二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:31:25

    レベッカちゃんも随分悪女に育ったなぁ...

  • 79二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:33:13

    シュガー「も、もう゛、もうやべ……………言うごと聞くから゛!もうぶたないでよォ!!!」

    ネズキノコによって不安定だったシュガーの精神はついに幼児退行を起こしてしまった。

    恐らく今のシュガーの目には、暴力を奮ってくる目の前のトンタッタ達が
    かつて自分と姉をコキ使っていた『あの男』に重なって映っていた。

    シュガー「な゛んで!?言うごと聞けばぶたないっで!!いづも言ってたのに゛!!!」
    シュガー「お掃除もちゃんとする゛がらッ…!!食事も3日にい゛ちどでもいいがらァ…!!」
    シュガー「だから…!だからァ……!!」





    シュガー「タスケテ……たすけてよ゛ォ!!お姉ぢゃん!!!」

    ついには姉に助けを求め出した。
    だがモネは今パンクハザードにいる。
    当然声など届く筈もない。

  • 80二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:34:48

    レオ「そこまでれす!!」
    トンタッタ「……!」ピタッ

    レオの一声でトンタッタ達の手は止まった。
    幼子の見た目をした相手を痛め付ける行為に罪悪感を覚えたであろうか?


    シュガー「ヒック…エグッ…だずけ…たすけてェ…!」
    レオ「隊長代理から……指示が来たれす…‼︎」

    残念ながら違った。
    レベッカから電伝虫で連絡があったのだ。

    『今、このタイミングでホビホビを解除して欲しい』と
    ここから外の様子は闘技場内を映すモニターのみでしか確認出来ないが
    どうやら今、この瞬間こそがオモチャにされた人々を元に戻すのに最適なタイミングらしい。

  • 81二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:35:07

    このレスは削除されています

  • 82二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:36:21

    >>81

    命乞いも聞かれてないんだと思う

    聞かれたらトンタッタがここまでのことはしない

  • 83二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:38:09

    >>81

    工場から連れてこられたトンタッタには聞こえてますが

    元からナギナギ掛かってるトンタッタには相変わらず聴こえてないです


    逆に言えば前者は奴隷発現のヘイトスピーチを聴いた上で

    泣き叫ぶシュガーを前に罪悪感を感じて手を止めました

    多分リンチを続行してるトンタッタ達も、『聴こえてさえいれば』辞めてた可能性が高いですね

  • 84二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:39:54

    >>82

    >>83

    あ、なるほど。81です返信ありがとうございます!

  • 85二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:41:05

    このレスは削除されています

  • 86二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:41:44

    レオがレベッカになっちょる

  • 87二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:43:21

    >>86

    すみません…流石に誤字があんまり過ぎたので再投稿し直します





    当然だが、ネズキノコの解毒薬などここには無い。

    "ホビホビを解除する方法"はただ一つ





    レオはシュガーの細い首に足を乗せる。


    レオ「悪い大人間だったけど……もう苦しめないのれす…!」

    シュガー「…!……!?……や゛めで!やめでェ!!!おねがいだからァ!!!!」


    そして足に力を込める。


    シュガー「いやだ…!やだァァ!!しにたぐない゛!!!!」


    シュガーの声はレオには届かない。

    仮に届いていたとしても辞めないだろう。

    レオの肩にはトンタッタ族の存亡…、マンシェリー姫の安否という重石がのし掛かっているのだ。


    ミシミシと首から音がする。

  • 88二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:43:44

    原作では絶対に見れない下劣さでとてもいい。復讐に浄不浄なんて関係ないもんね。突き進んでくれレベッカ

  • 89二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:43:54

    AVスレからディアマンテスレ知ったけど滅茶苦茶良かった

  • 90二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:44:30

        



        




    シュガー「たずげてェ!!たすけてェ!!!お姉ぢゃ」

    ゴキャ


    湿った生木を折る様な鈍い音がした




    その瞬間、ドレスローザから動くオモチャは一つもなくなった

  • 91二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:45:09

    oh

  • 92二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:45:09

    >>90

    …あれ?元に戻ったではなく?

  • 93二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:45:32

    問題はホビホビがウタウタみたいに死んだらもう解除できないパターンの可能性もあるということだな…

  • 94二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:45:52

    【パンクハザード】

    モネ「…!」ガバッ

    シーザー「んん?どうかしたか?モネ」







    モネ「いえ…今、妹が『たすけて』って呼んだ気がして…気のせいよね…?」



    《《終わり》》

  • 95二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:46:16

    気のせいじゃないです

  • 96二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:46:33

    人形は全部元に戻った感じかな?

  • 97二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:46:51

    うわ容赦ないエンドマーク…

  • 98二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:48:21

    哀れだけど、こいつらのやらかし顧みれば同情できない。この調子でレベッカさんやっちゃってどうぞ
    …レベッカも最期は悲しいことになりそうだな

  • 99二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:49:08

    シュガーssは以上です
    ご愛読ありがとうございました
    シュガーちゃん来世では優しい家庭に産まれるといいですね


    一応ホビホビの能力者が死んだ時点で
    オモチャは元の姿に戻っているので安心してください



    いつになるか分かりませんが、
    この後のレベッカsideのドンキホーテファミリー壊滅までの描写と
    モネの外伝みたいなのも書けたら書いてみたいと思っております

  • 100二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:49:32

    このまま残りも殺されていくのか
    そういやジョーラとかバイスとかってどうなってたっけ

  • 101二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:51:32

    >>99

    乙!

  • 102二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:52:25

    面白かったって言っていいのかあれだけど面白かった
    これもうローやることなくね?

  • 103二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:56:55

    前スレの1の


    >正直言っちゃうと、ナギナギレベッカが小細工を浪しても

    >ドフィには逆立ちしても勝てなさそうなんで

    >ディアマンテ死亡からのピタゴラスイッチ方式で死んで貰う予定でした…


    がマジで偽りなく実行されてて草も生えない

  • 104二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:28:19

    これドレスローザどうなるんだろうな・・・
    ルフィたち来るのかな・・・

  • 105二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:35:39

    あぁ、これもしかしてドフラミンゴが『ドジ』で死んでるっていう…?

  • 106二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:36:01

    ドフラミンゴが爆発死したのはレベッカの作戦か?

  • 107二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:38:21

    >>104

    前スレでルフィやローは来ない想定って言ってた

  • 108二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 21:08:15

    >>106

    実はこれはマジの偶然です

    レベッカの予定ではディアマンテ惨殺から間髪入れずに闇討ちかけて殺す

    (ここで自分が深手負う可能性有り、最悪返り討ちにされる危険もある)

    感じでしたが、棚ぼたでドフィが死んでくれました。


    前スレでは設定ふわふわだったんでレベッカが負けるかもしれませんでしたが、

    今のレベッカはジェネリックキュロスみたいになってるので


    それこそ『ディアマンテの生首見せつけ』たり

    ディアマンテが半年間でペラペラ喋った『ドフィの過去とかを煽る』等

    本編でドフィがベラミーを盾にした様なゲスい戦法総動員させて動揺を誘えば

    手足を一本くらい犠牲に勝てたと思います。

  • 109二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 21:17:42

    シュガー……。
    幸せになって欲しくもあった。
    レベッカも破滅ルート進んでる気がするなぁ。

  • 110二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 21:23:16

    ホビホビ解けても父も母も既に殺されてるからなぁ
    ディアマンテが初めてだから闘技場でリッキー殺めてましたが無いけど…やっぱダメだレベッカが幸せに生きる未来が見えねぇ
    助けてヴィオラ

  • 111二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 21:25:38

    >>108

    きっかけが夢だったし、もしかしたらコラさんの死に対してのナギナギの実からの復讐だったのかなって思ってしまった

  • 112二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 21:28:46

    優しい海兵、優しかった少女の前に現れるナギナギの実良いな

  • 113二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 21:30:00

    >>110

    そのヴィオラも殺されるのだろうか…

  • 114二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 23:15:50

    レベッカってヴァイオレットが叔母であること知ってたっけ…
    知らないまま巻き添えに手にかけられようともヴィオラは受け入れるだろうけど…

  • 115二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 01:26:38

    >>109

    レベッカは覚悟の上だろうよ

  • 116二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 11:56:23

    スレ主さんありがたいことに執筆途中でもちょくちょく返事してくれるから次回作以降は分かりやすいようにコテハンなりトリップなり付けるのはどうでしょ?

  • 117◆wN3D6OGRA.22/10/03(月) 12:25:43

    >>116

    確かにそうした方が分かりやすいですね

    次回からはそう致します

    ありがとうございます

  • 118二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 13:14:13

    よりによってレベッカの前に現れたのがナギナギの実なのが全方位にグロテスクで好き

  • 119二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 01:13:14

    保守

  • 120二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 08:59:45

    >>118

    レベッカのしてる事と実食べてることローが知ったら複雑だろうな…。心優しい大好きな人の形見がエグい使われ方してるのあんま気持ちのいいもんじゃないだろうし…。

    レベッカの置かれてる状況的にそんなこと言ってられないけど

  • 121二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 09:00:46

    >>105

    わあ皮肉

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