【SS】ルフィ「ウタ、生きてたのか！」【閲覧注意】

11◆jjNz6SJAxXBm22/10/02(日) 20:15:45

ルフィが「ウタが生きてたから連れて帰ってきたんだ」と言った時…私たち全員背筋が凍った。

チョッパーやトラ男が言うにはあれだけのネズキノコを食べていては生存の可能性はかなり厳しいらしい。

あの2人があんな顔でそう言うのなら、本当に残念だけど…そういう事なんだろう。

あの時サンジ君はまた自分を責めていたけど、あれはウタの覚悟がみんなを上回っていたから仕方がなかったと慰めた事を思い出す。

でも…。

ルフィ「なぁナミ！ウタが生きてたんだよ、嬉しいな！連れてきてやったんだ！」

そう言ってどう見ても別人な怯えきった女の子を連れて、曇った目で私を見るルフィなんか見たくなかった。

>>3 >>4

2二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:16:30

🍲🐉………釜、いるか？

3二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:19:49

>>1

4二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:22:07

>>1

そりゃサンジ冒頭でキノコ見つけてたからなあ…

>>10

51◆jjNz6SJAxXBm22/10/02(日) 20:50:23

「またのご利用お待ちしてまーす♡」

コスプレ風俗に勤めている私は、顔が似てるからって歌姫ウタのコスをさせられている。

まあ、正直言ってウタって人がどういう女なのかなんて全然知らない。
どうやら、ものすごい大事件を起こしたと新聞に書かれていたらしいけど、私はあんまり興味がない。

金が貯まったらこんな店すぐに辞めてやるのに。

私を抱いたクソみたいなおっさんから代金を貰ってさっさと帰ろうとした時、訳わかんない男に声掛けられた。

ルフィ「ウタ！生きてたのか！」

「はぁ？いやアンタ誰よ」

ルフィ「何言ってんだルフィだよ！モンキー・D・ルフィ！」

「は！？…ルフィ…って…あ…あの、ヤバい海賊って…」

ルフィ「なあ！ウタ、おれたちの船にこいよ！」
「安心しろよ！誰も怒ってなんかねェからさ！」

そう言って腕を引っ張られて、私はヤバい海賊に誘拐されてしまった。

>>7

6二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:52:29

ルフィ壊れちゃった…

7二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:52:32

>>5

この画像やっぱりこう見えるよね

8二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:54:25

これは…ハピエンを期待してもいいのか…？

91◆jjNz6SJAxXBm22/10/02(日) 21:26:20

ナミ「あの…大丈夫？」

「あ、あの、ここ…ここはどこですか…わ…私、あの、生きて…帰れますか…酷い事されたりとか…」

ナミ「…ここは海の上。私たちの船の女部屋よ」

ロビン「船長が迷惑をかけて本当にごめんなさい…。今仲間たちが必死に説得してるから、もう少しだけ待っててちょうだい」

ナミ「だからそう怖がらないで。ウチのバカが本当にごめん。必ず無事に帰してあげるから」

「お…お願いします！お願いします！助けてください！私何もしてないんです！お願いだから…」

ロビン「落ち着いて、必ず助けるから」

ナミ「大丈夫、絶対に怪我させたりしないから」

「ほ…本当ですか…」

ナミ「本当よ。約束するわ」

「お願いします……お願いします……」

ナミ「…」

10二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 21:29:04

>>4

サンジとウソップは自分責めそう

もっと早く気づいてれば間に合ったかもしれないって

11二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 21:31:05

私は最強歌ったの段階でネズキノコの影響出てたらしいが
あんなん設定知らなきゃ絶対わからんからなあ
キノコが食材に混じってたから気付けってのは酷すぎる

121◆jjNz6SJAxXBm22/10/02(日) 21:51:08

あの哀れな女の子には私とロビンとチョッパーが付いてケアをしてる。

ようやく落ち着きを取り戻した彼女から話を聞くと、当然の事だけど完全な別人。
ただのよく似たコスプレ。可哀想な被害者。

ルフィはあの日以来、ウタの面影をずっと追っている。
島につく度に似た人に声を掛けては問題を起こしてきた。
…けど、とうとう誘拐までするなんて。
いくら顔や髪型が似てたからって…。

ゾロやジンベエが何を言っても聞いてくれない。
ルフィはあの子をウタだと信じ込んでる。

けど、世間的に私たちは凶悪な大海賊、四皇"麦わら"とその大幹部という扱い。
あの子の恐怖は計り知れない。

私だってカイドウやビッグマムに誘拐されてひとりぼっちにされたと考えたら…。
まして相手は一般の人。どれだけ怖いかなんて考えるまでもない。

なんとかして無事に帰してあげたい…。

131◆jjNz6SJAxXBm22/10/02(日) 22:15:48

ナミ「ルフィ。本当にウタだったらあんなに怯えたりはしないでしょ」

ルフィ「きっと記憶喪失って奴だろ」

ナミ「…本当に別人だよ……」

ルフィ「ナミまでそんな事言うのかよ」

ナミ「…」

ルフィ「…やっと助けられたんだぞ」

ナミ「ルフィ…」

ルフィ「本当に死んだと思ってたんだ…」

ナミ「…」

ルフィ「みんなおれが間違ってるって言う」

ナミ「でもあの子は」

ルフィ「おれは間違ってねェ！お前もう部屋から出てけよ！」

141◆jjNz6SJAxXBm22/10/02(日) 22:16:46

続きは明日やります

15二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 22:26:08

期待して油沸かしとく

16二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 23:09:28

ルフィ壊れたんか

17二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 23:27:42

専門的な治療が必要そうなレベル

18二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 06:41:29

かわいそうな子

19二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 06:48:20

これはこれであり…！！！どうなるんだろ

20二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 13:40:42

保守

21二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 13:43:47

かわいそうな一般人の女の子…ひとえにお前がウタに似てるのが悪いんだがな

22二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 19:48:44

世界政府の主要施設に殴りこむような凶悪な海賊に連れてこられるとか怖いだろうな

231◆jjNz6SJAxXBm22/10/03(月) 19:56:53

「その…まだ、ですよね…」

ナミ「本当にごめん。何とかするから…」

「…」

ナミ「いっそアンタを逃がしちゃおうかしら…」

「！」

ナミ「でもそれじゃ根本的な解決には…」

ロビン「…。それ、やってみる価値はあるわ」

ナミ「え？」

ロビン「私たちで彼女を逃がして、ウタはもういないと言う事にして説得を続けてみるのはどうかしら」

ナミ「でも私たちはともかく、この子にもしもの事があったら…」

「あ、あの、私は逃げたい…です」

ナミ「分かってる。必ず何とかするから」

ロビン「彼らに足止めを頼んで、彼女だけは何とかして逃がしましょう」

ナミ「うーん…」

241◆jjNz6SJAxXBm22/10/03(月) 20:10:14

こういう時はみんなと相談するのが1番だ。
こんか作戦、みんなはなんて思うんだろう…。

ジンベエ「ワシは賛成じゃ」

ゾロ「なら、足止めはおれがやってやる」

サンジ「マリモと同じ意見なのは癪だが、おれも足止めするよ」

フランキー「むしろ脱走ならお前らだけの方が上手くやれるだろうよ」

ブルック「ええ、ルフィさんの強さを考えれば戦力はあるに越した事はありませんし」

ウソップ「おれも残るよ。チョッパー、お前はどうする？」

チョッパー「逃がしてやった後に1度手当てはしてやりてェ。アイツが可哀想だよ」

ロビン「あの子の精神状況を考えると早い方がいいわ」

ナミ「よし、決まりね。じゃ今夜やろう」

251◆jjNz6SJAxXBm22/10/03(月) 20:20:08

ミニメリーに女3人とチョッパーだけで秘密裏に脱出。単純だけどルフィの説得が出来ない以上、もうこれしかない。あの子の為にも早く終わらせたい。

…でも厄介な事にルフィの見聞色は未来が見える上に探知できる範囲も広いらしい。私には分からないけど、みんなが言うなら本当なんだろう。

つまり、作戦はとにかくスピード勝負になるはず。

ナミ「…という感じで脱出する予定だから」

「ありがとうございます…」

ロビン「無事に送ったら私たちは二度とこの島に立ち寄らないから、安心してちょうだい」

ナミ「ここはもう海上だからルフィ1人じゃ追ってこれないし、大丈夫よ。きっと」

ロビン「とにかく、今夜決行をするわ。あなたもそのつもりでいてちょうだい」

「…はい、お願いします……」

26二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 20:40:05

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271◆jjNz6SJAxXBm22/10/03(月) 20:47:08

私たちの考えが甘かった。
ミニメリーを出した時点で上からすごい爆音が聞こえてくる。
予想はしてたけど、まさかルフィがこんなに早く気付くなんて。
…なんとかして時間を稼いで、みんな。

「あの、本当に大丈夫ですか」

ナミ「アイツらは死んだりしないわ。それよりスピード出すから気をつけて！」

フランキーに改造してもらってかなりのスピードで走れる様になったメリーを信じるしかない。
私も覚悟を決めておかないと。

後ろから猛スピードで伸びてくる腕をウソップやジンベエが撃ち落として、漏れた分はロビンが迎撃してくれる。

…けど、執念がヤバい。
何度やられても必ず復活する。すぐに腕が来る。

あのルフィを敵に回すってこんなに怖い事だったんだ。

どれだけ離れても睨まれてる気がする。
すぐそこまで腕が伸びてる気がする。

色んな思いが込み上げてきて泣きそうになりながらメリーを全速力で走らせる
…私たちはいつもアンタに助けられてばかりね、メリー。

281◆jjNz6SJAxXBm22/10/03(月) 21:00:02

ナミ「なんとか無事に着いたわ…」

「…大丈夫ですか？怪我が…」

ロビン「私たちなら大丈夫よ。…チョッパー、彼女の手当てを」

チョッパー「いや、とりあえず大きな怪我はなさそうだ」

「みんなが守ってくれたから…」

チョッパー「この子はひとまず大丈夫そうだし、ロビンの方がダメージあるから先にこっちやるよ」

ナミ「そう。任せたわ」

「あの、助けてくれて本当にありがとうございました」

ナミ「お礼はいいから、手当て終わったら早く逃げなさい」

ロビン「迷惑かけて本当にごめんなさいね」

29二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 21:15:18

3人で船に戻るとまるで地獄の様な景色に変わっていた。
至る所で火が燃え、氷柱が立ち、謎の植物が生えている。おまけにそこら中切り傷や弾痕だらけ。

こうまでされても船が沈まないのはひとえにサニーの頑丈さのお陰なのかも。

現実を受け止めきれなくて、みんな強くなったものね、なんて一瞬思ったけど、ルフィ含めて誰も立っていない。

全員が倒れている。
無事な人が誰1人としていない。

ナミ「チョッパー！」

チョッパー「もうやってるよ！おい大丈夫か！」

ロビンと手分けして急いでみんなを手当てして回る。
こんなにされても重傷者がいないのはルフィの最低限の気遣いだろうか。
…でも、そのルフィが見付からない。

ナミ「ねぇロビン！ルフィが居ないの！」

ロビン「待って、今探すわ！……。見つけた。部屋にいるみたい！」

ナミ「ありがとう。ルフィの所に行ってくる！」

301◆jjNz6SJAxXBm22/10/03(月) 21:16:09

残りは明日やります

31二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 21:20:39

こええ

32二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 21:27:35

ここでお預けされるのか……！

33二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 22:23:52

ルフィ怖いでしょう…
ウタのコスプレやめたら大丈夫か？顔似てるらしいから駄目かな…

34二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 06:21:33

部屋でどうなっているのか確認するのが怖い

35二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 12:06:42

ルフィ大丈夫か

361◆jjNz6SJAxXBm22/10/04(火) 19:40:34

部屋の中にはボロボロにされたルフィが座り込んで、私に背を向けてずっと黙っている。
…まるでルフィの傷付いた心がそのまま形になったみたい。

ナミ「…ねえルフィ、手当てしなきゃ」

ルフィ「いい」

ナミ「でも…こんなに血が…」

ルフィ「痛いままでいさせてくれよ…」

ナミ「でも」

ルフィ「いいんだ…このままで」

ナミ「ルフィ！」

ルフィ「わかってんだ！もうウタがいねェ事も！アイツが違う奴だって事も！おれが間違ってるって事も！」

そう言って泣き出したルフィを見ていられなくて、思わず抱き締めてしまった。

371◆jjNz6SJAxXBm22/10/04(火) 20:00:33

ナミ「ルフィ、もう辞めて。アンタのこんな姿見たらウタだって悲しむよ」

ルフィ「でもよォ…」

ナミ「私だってルフィのこんな姿、見たくないよ」

ルフィ「ナミ…おれ…」

ナミ「もっと私たちを頼って。もうアンタは1人じゃないんだから」

ルフィ「ごめ"んな"…」

その謝罪の言葉をキッカケにルフィはまた大泣きした。
…もしかしたら慟哭と言った方が正しいのかも。

聞いてるこっちが辛くなるくらい悲痛な泣き声でルフィはずっと泣いていた。
その声があんまり痛々しいものだから私まで心が締め付けられて涙が出てきた。

それでも、どうしても離れる気持ちになれなくて、私はずっとルフィを抱き締めていた。

ずっと。ずっと。

381◆jjNz6SJAxXBm22/10/04(火) 20:20:48

「悪かった、ナミ…もう大丈夫だ…」

「無理しないでいいよ」

「いいんだ。みんなに謝ってこなきゃ…」

「…」

「…でも、ありがとな…ナミ…」

「…私はウタじゃないから、ルフィの心を癒す事は出来ないかもしれないけど」
「それでも仲間じゃない。もっと頼ってよ」

「…そうか……そうだな…」

私が抱き締めたルフィの背中は信じられないほど小さく、小さく、感じた。

39二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 20:23:18

元気だしてくれ…

401◆jjNz6SJAxXBm22/10/04(火) 20:40:17

翌日、ルフィは仲間全員に謝って回っていたけど、説教こそすれ誰も本気で怒ってはいなかった。
むしろルフィにあんな思いをさせていた事が悲しいって言っていた。

ほらルフィ、アンタはみんなからこんなに愛されているんだよ。
それを分かって。

ウタの事は本当に気の毒だと思うけど、その幻を追っていてはウタの為にもルフィの為にもならない。
ウタだってルフィが楽しくしてる方が良いって言うよ。きっと。

長い付き合いの中で初めて見る重い顔をした我らが船長にまっすぐ目を見つめられて言葉を交わす。

「…ルフィ、大丈夫？」

「ナミ…本当に悪かった」

「いいよ、あんな事があったら誰だって疲れちゃうからさ」

41二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 21:02:23

おっとっと・・・ナミに依存しそうな流れだねェ～

421◆jjNz6SJAxXBm22/10/04(火) 21:04:03

「他の皆にはあんなおれを見せたくねェ」

「うん」

「だから…おれがまた疲れちまったらナミに頼りたいんだ」

「大丈夫よ。もっと頼ってもいいくらいなんだから」

そう告げたら、ルフィにまた抱き締められた。
私は拒否なんかしない。本当に痛ましいから。

「ごめんな、ナミ」
「ごめんな、ウタ」

「いいんだよ」

今出た言葉はどこか私の意思とは違う所から出てきた様な気がした。
…まるで歌声の様な綺麗な声だった気がする。

「きっとウタだってルフィを見守ってくれてるよ」
「だから、もう自分を責めないでよ」

"ルフィのせいじゃないから"

歌声がそう言ってる気がした。

終