- 1スレ主21/10/18(月) 23:36:44
- 2スレ主21/10/18(月) 23:39:49
トレーナーの性別とか、あとはスカウト力や教えるのが得意な練習とか考えているんですが
- 3二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 23:40:25
ダイスでいいんじゃない
- 4スレ主21/10/18(月) 23:46:29
- 5二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 23:46:47
オネェ
- 6二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 23:47:31
dice1d2=1 (1)
- 7二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 23:48:56
dice1d100=41 (41)
- 8二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 23:49:36
dice1d5=5 (5)
- 9二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 23:50:43
新人トレーナー。
両親は有名トレーナーで両親に憧れてトレーナーになった - 10二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 23:51:13
特別移籍制度で移ってきた微妙な才能のウマ娘をなんとかOPレベルに持っていくことに喜びを覚えるタイプ
- 11スレ主21/10/18(月) 23:52:15
トレーナー完成しました
男性
スカウト力41
得意練習賢さ
特別移籍制度で移ってきた微妙な才能のウマ娘をなんとかOPレベルに持っていくことに喜びを覚えるタイプ
新人なんかこいつは… - 12二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 23:52:21
というか俺らがダイス回すのか…
てっきりスレ主が回すものかと… - 13スレ主21/10/18(月) 23:53:00
あーそっちのがいいですかね、自分ひとりでやることになりそうで
- 14スレ主21/10/18(月) 23:56:02
ダイスはこっちで回す感じにしてみますね、名前とかの安価は出して見ます
名前忘れてたので>>16でお願いします
- 15二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 00:00:51
ksk
- 16二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 00:01:24
妻寺祭事
- 17二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 00:01:41
このレスは削除されています
- 18スレ主21/10/19(火) 00:02:57
今年の春から新人トレーナーとしてトレセン学園に配属された妻寺祭事
ウマ娘の数に対してトレーナーが少ないということで、初年度からウマ娘を一人担当として見ることを理事長から命じられた
「いきなり言われてもスカウトとかどうすればいいんだろう…」
模擬レースが明日開催されるようだが見に行く?
- 19スレ主21/10/19(火) 00:05:59
行くか行かないかダイスで決めたほうが良いか
1で行く2で行かない
dice1d2
- 20スレ主21/10/19(火) 00:06:21
dice1d2=1 (1)
- 21スレ主21/10/19(火) 00:08:55
「まずはウマ娘を見に行かないと何も起きないか」
模擬レースは短距離、マイル、中距離の3種類でそれぞれコースが違うようだ
どれを見ようか
1短距離2マイル3中距離
dice1d3=1 (1)
- 22スレ主21/10/19(火) 00:12:18
「短距離路線の子の方が新人向けだって理事長が言っていたな…短距離を見に行こう」
短距離のレースは3回あったが、この中にアプリウマ娘はいたかどうか
1いる2いない
dice1d2=2 (2)
- 23スレ主21/10/19(火) 00:20:47
いないということになりました、ぶっちぎりに早い子はいないというように進めていきます(バクシンは長距離出てるから同世代の可能性あり)
「やっぱり皆早いなあ…特に1レース目の一着の子はいいタイムだ」
スカウト対象を選択します、チャンスは3回
各レース好成績の子はウマ娘のステータス決定時に補正がかかりますが、スカウトが難しいです
また、失敗すると好成績を残した子達は他のスカウトに取られて減っていきます - 24スレ主21/10/19(火) 00:22:50
- 25二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 00:23:04
このレスは削除されています
- 26二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 00:24:01
- 27スレ主21/10/19(火) 00:29:11
「1レースで3着だった子にしよう、1着の子はベテランの人や実績のあるトレーナーに囲まれてしまったし、あの子にはなにか惹かれるものがある」
3着の子も何人かスカウトが来ていたが負けるわけにはいかない
スカウト成功判定
スカウト力+1d100が100以上で成功
3着のウマ娘のため成功率-15
dice1d100=63 (63)
- 28スレ主21/10/19(火) 00:35:47
41+63−15=92 失敗
「君ならきっとG1も勝てるようなウマ娘に成長する、いや、させて見せる。僕の担当になってくれないか?」
「気持ちは嬉しいのですが…あの子(一着を取った子)がいる限りG1なんて難しいと感じてしまいました。
私には期待が重すぎます」
- 29スレ主21/10/19(火) 00:41:28
残念ながら断られてしまった…
「レースで負けた子には重すぎる言葉だったか…?いや、俺には本当にそう思えたんだ。だが本人の意思にそぐわない勧誘は良くなかったかもしれないな」
遠くから様子をうかがうと1着、2着の子達はみんな他のトレーナーと契約してしまったみたいだ
残りは3着の子が二人に4着の子が二人、5着の子が一人、掲示板外の子は…全員残っているようだ
誰をスカウトする?
- 30二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 00:43:22
ksk
- 31二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 00:43:39
ksk
- 32二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 00:43:50
- 33二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 00:43:58
2
- 34二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 00:47:25
3レース6着
- 35二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 00:50:16
名前って完全オリジナルにする感じ?
- 36スレ主21/10/19(火) 00:52:48
ちょっと来ると思ってたわ
「いや、それでも俺はあの子の走りに惹かれたんだ。迷惑かもしれないけどこの気持ちに嘘はつけない!」
もう一度あの子に声を掛けにいくと、最初に集まっていたトレーナーとは別の人達に声を掛けられていた
どうやら他の子のスカウトに失敗した人達が声を掛けているようだ、聞こえてくる声は「短距離路線ではなくマイルや中距離を走る気はないか?」「俺に師事してくれれば重賞クラスは狙えるだろう」といった言葉が聞こえてくる
彼女は自信のなさそうな顔でいろんなトレーナーの話を聞いているようだ
マイナス補正緩和−5
dice1d100=73 (73)
- 37二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 00:56:05
緩和されるのか
悪化するかと思った - 38スレ主21/10/19(火) 00:57:02
何も決めてなかったのですが安価でオリジナルを募集するかなと考えてます
現実の競走馬と被ってもいいですけども詳しくないので史実とかと合わせては考えられないと思います、あとめっちゃ強い馬はNGということでお願いします
- 39スレ主21/10/19(火) 01:06:26
- 40二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 01:09:42
ksk
- 41二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 01:12:21
ksk
- 42二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 01:17:19
ksk
- 43二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 01:18:05
ksk
- 44二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 01:22:29
このレスは削除されています
- 45二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 06:58:38
ksk
- 46二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 08:02:58
ヴァーディクトデイ
- 47二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 08:05:34
ヴェルサーチアロー
- 48二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 08:06:18
レイファサージ
- 49二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 08:07:07
インフオチョン
蛍火虫:中国語で「蛍」 - 50スレ主21/10/19(火) 11:48:29
- 51二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 11:52:45
緑、ツインテール
- 52二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 11:53:08
白、ロング
- 53二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 11:54:40
メンコをつけてるかどうか
- 54二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 11:55:31
青
- 55二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 11:58:51
ksk
- 56二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:00:09
111
- 57二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:05:14
どのくらい食べるか
- 58二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:08:58
60 50 55
- 59二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:24:07
ksk
- 60二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:24:20
ksk
- 61二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:24:37
ksk
- 62二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:24:50
111cmとか5、6歳児で小学生でもないんですがそれは…
- 63二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:26:40
健気
- 64二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:28:16
中1(飛び級)
- 65スレ主21/10/19(火) 12:28:45
- 66二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:35:31
ksk
- 67二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:35:54
ある 青色一色
- 68二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:36:59
少食
- 69二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:41:36
タイシンくらい
- 70二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:42:01
たくさん食べる
- 71二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:43:30
両耳
- 72二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:43:38
左
- 73二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:43:45
左
- 74二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:44:02
蜂の子
- 75二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:44:31
桃
- 76二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:49:07
元の馬が蜂の巣でも食ってたのか
- 77スレ主21/10/19(火) 12:52:19
まとめ
名前 レイファサージ
白のロングヘア
青目
身長111cm B60W50H55
健気な性格
中等部1年で飛び級
真っ青なメンコをつけている
耳飾りは左(前世は牝馬)
好物は蜂の子で大食い - 78二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 12:55:27
ちっさ
- 79ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 12:56:16
- 80二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 13:01:49
つけていない
- 81二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 13:02:09
ライスくらい
- 82二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 13:04:03
体格の割に
成人男性なみ - 83二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 13:04:34
- 84二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 13:04:35
ウマ娘からみても大食い
- 85二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 13:06:34
身長の最安価なしで行くんすね…
- 86ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 13:13:18
レース時のみメンコをつける
ライス並に食べる
数年後リギルに入ることが確約されてそうな逸材だぁ…
身長は伸びるようにします、順調なら3年で30〜40センチ伸びるかも?
次はまた夜更新しますので要望があればレスお願いします - 87二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 13:27:25
交遊関係や勉強の成績とか
- 88二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 13:34:35
逃げ〜追込の脚質
飛び級の理由
現在の目的、目標 - 89二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 13:36:14
家族の情報
- 90二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 14:08:25
趣味
- 91二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 15:08:05
デビュー時までに何センチ伸びたか
- 92二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 15:20:04
芝ダート、距離の適正
- 93ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 17:45:29
- 94二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:17:20
ksk
- 95二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:17:30
養蜂
- 96二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:17:44
公園の遊具で遊ぶ
- 97二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:20:53
中の上
- 98二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:23:58
トップクラス
- 99二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:41:35
ksk
- 100二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:41:41
ksk
- 101二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:42:03
ksk
- 102二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:42:19
ksk
- 103二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:51:05
スペに大食い勝負で負けたから
- 104二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:51:16
ksk
- 105二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:52:54
ksk
- 106二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:55:32
父 母(ウマ娘) 弟 妹(ウマ娘)
- 107二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:56:17
スペに大食いで負けて飛び級はいみがわからんぞ
- 108二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 18:57:59
適当に理由付けするなら
超超超早熟、今でないと本格化のピークが過ぎるとか - 109二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:01:05
本格化はもちろん前提だろうが、
成績トップクラスってことだし頭がいいのもあったのかね?
小学生(低学年の可能性あり)に中学の勉強させるわけだし - 110ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 19:02:38
うーん難しい
ウマ娘の中でもかなり大食いということで地方の大食い大会に母親に連れて行ってもらい、そこで年上のスペと会って決勝で負ける
何歳かはわからんがそこでスペがトレセン学園に入る予定だという話をしてまた会いたいと思うが、年齢が離れているから一緒に入ることはできない
なら飛び級で入っちまえばいいじゃんと言うことでトップクラスの成績を使って入学という感じですかね - 111ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 19:03:39
これで良さそうなら安価そのままで行ってみますが最安価しますか?
- 112二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:04:34
それでいいんじゃない?
スペはあくまで入学の動機であって、元々入れる能力はあったんだろう - 113ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 19:10:11
ではこの路線で行きます
やべえスペの育成一回もしてないしサポカイベも知らねえや、育てて来ます
9時か10時再開予定ということで… - 114二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:10:19
やり直すとしたら身長からになりそうだしな
- 115二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:13:45
持ってたのにしてなかったのか 。
どうせ離れるなら、次の関係性の安価も投げておいた方がいいんじゃなかろうか。
スペ以外になるかもしれないし二度手間だろう - 116二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:13:56
さすがのタイシンでもビビるレベルの小ささだな
- 117二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:16:43
幸いデビューまで時間あるし、身長伸ばしていこう
- 118二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:20:24
- 119二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:23:28
スペとの学年差結構重要ですね、原作と違ってもいいので今スペは何年生ですか?トレセン学園にまだ来てないも可でその場合サポカ枠増やしたりで対応します
- 120二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:25:44
スペは中3
- 121二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:27:19
アニメと一緒
- 122二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:31:20
中二
- 123二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:31:25
原作通り
- 124二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:32:23
ニシノフラワー、飛び級仲間のお姉さん
- 125二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:36:32
- 12612521/10/19(火) 19:38:21
会長から飛び級してきた娘の学校案内を頼まれそこで知り合う
- 127二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:38:28
関係性も合わせて欲しいらしいぞ
安価ならライスシャワー
小柄な健啖家繋がり - 128二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:39:27
ksk
- 129二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:39:32
ksk
- 130二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:44:20
ウオッカ、同級生で世話を妬かれる。勉強はこっちが教えている
- 131二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:44:35
ksk
- 132二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:45:38
何かダービー馬が多いな
- 133二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:46:41
フジキセキ
- 134二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:46:59
スピカだらけだ
- 135二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:55:05
ダイワスカーレット ウオッカと一緒に勉強を教えている
- 136二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 19:56:13
8割スピカじゃないか
- 137二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 20:03:37
ははっ
- 138二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 20:04:35
ヒシアマ姐さん、寮長
- 139二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 20:05:34
ksk
- 140二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 20:05:48
- 141ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 20:56:39
ニシノフラワー 立場が似ている先輩 中等部?年生
トウカイテイオー 生徒会長に言われ面倒を見る 中等部2年
ウオッカ 勉強を教えられている、日常生活で気にかけてくる 中等部1年
ダイワスカーレット 勉強を教えられている 中等部1年
スペシャルウィーク トレセン学園に来るきっかけ 中等部3年 - 142ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 21:07:12
続きです>>36
どうやらちょうど他のトレーナー達のアピールが終わったようだ
少しの間考え事をするように俯いていた彼女は、決心をしたように顔を上げ喋りだそうとしていた。
ここで足踏みをしていたらきっと彼女は別のトレーナーのスカウトを受けてしまうだろう
「私は…」
今にも答えを出しそうな彼女に対し、咄嗟に声が出てきた。
「もう一度話をさせてくれないか!」
- 143ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 21:26:06
周りのトレーナー達が一斉にこちらに目を向ける。
いや、トレーナーだけでなく少し遠くのウマ娘の目線すら感じる、咄嗟に出たせいか予想外に大きな声になってしまったようだ。だが、今は周りの目線を気にしている場合ではない。
彼女に意思を伝えることだけに集中しろ。
「あなたは先程の…確か、妻寺さん」
名前を覚えていてくれたのか、大言壮語を吐くトレーナーだと悪印象だったのかもしれないが嬉しくなる
「ああ、名前を覚えていてくれてありがとうレイファサージ
もう断られてしまったが、やっぱり僕は君のトレーナーになりたいんだ!」
「……先程お伝えしたのですが、私は自分がG1に勝つ姿は想像できません。特にあなたはまだ新人のトレーナーなのでしょう?周りの人達があの後話していました、若く経験がないからあんな大口をたたけるんだ、現実が見えていないんだ、等と言われていましたよ?
あなたよりも経験豊富な方たちは私がG1に勝てるという人はひとりもいませんでした。」
「……お気持ちは嬉しいですが、私よりも強い…G1を勝てるようなウマ娘をスカウトなさってください」 - 144ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 21:44:31
レイファサージは今回の模擬レースで自身を失ってしまっているようだな…僕の見る目が当てにならないというのは確かに否定しづらい。
実際初年度でいきなり担当を持てと言われた時は僕も理事長の正気を疑ったし、学園の生徒全員を見れたわけでもない。
だけどウマ娘のレースはここに来るまで何度も見てきたし、見る目なら他のトレーナーに負けてるとは思わない。
レイファサージは間違いなくG1を勝つポテンシャルを秘めている。今はあまりにも体が小さいが、現状でも3着だが素晴らしい走りをしていたし成長すれば間違いなく勝てるウマ娘になるだろう。
というかなんで他のトレーナーはもっと高く評価しないのだろう…実はもう有名なチームに勧誘されてたりしていて手を出すなっていう話でもあったのか?
まあ、僕は聞いてないし気にしなくてもいいか - 145ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 21:58:10
「君は今回のレースで自身を無くしてしまったのかもしれない。君の言うとおり僕は新人で見る目が疑わしいと言われても仕方がないけど、レースを走っていた君から負けないと言う強い意志と自信を感じたんだ。
コーナーで他のウマ娘の膨らみに押されなければ今回のレースだって勝てたと思ったんだ。」
「…はい、確かにレース前や途中は勝てると思っていましたし、最後のコーナーで弾かれなければ勝てたと思います。それでも事実はあそこで押し負けてしまった、その遅れを挽回できなかった。
見ての通り私は小さく、他のウマ娘達とぶつかれば弾かれてしまいます。模擬レースという少人数のレースでこうなるのであればもっと大きなレース…それこそG1では密度が増してバ群に流されていってしまうでしょう。」 - 146ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 22:12:23
「これから体を大きくして当たり負けしない体になればいいと思いましたか?それはかなり確率が低いんです。
私のお母さんはウマ娘で、今の私よりは大きいけれどかなり小柄なんです。ご存知でしょう?ウマ娘から生まれるウマ娘は親の体型を大きく引き継ぐモノだって。」
なるほど、だから彼女をスカウトする人が想像より少なかったのか。
でも僕はレイファサージがパワーで勝負する姿は想像していなかったな。
「確かに君は体格に恵まれているとは言えない、でも僕が想像する君の未来は小さな体のままで勝つ姿が見えたんだ。
今回初めて模擬レースに出て負けて、想像以上に現実が厳しく感じて悲観的になっているのかもしれない。これからの未来、レースで勝てるか、怪我をするかとかもかな」
「分かっているなら、そんな、希望を持たせるようなお世辞は、やめてください。」 - 147ペド疑惑のトレーナー21/10/19(火) 22:13:44
全然進んでないけど一旦休憩しますね…
- 148二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 22:15:17
はーい
- 149二次元好きの匿名さん21/10/20(水) 00:07:53
保守
- 150ペド疑惑のトレーナー21/10/20(水) 00:45:34
どうやら怒らせてしまったようだ。
語気からだけではなく、目や雰囲気からも怒りが伝わってくる…当然だろう。
彼女はたった今、挫折の中にあり、その原因を無神経な新人トレーナーにあげつらわれているのだから。
それにしてもこの小さな体からは想像もできないくらいの圧力を感じる。ウマ娘は皆怒るとこんなに怖くなるのか、彼女が特に怖いのか。
先程の姿よりは気力に溢れて見えるので個人的には今の姿のほうが良いようにみえるが、やはり1番はレース中の強い意志を感じる姿だろう。
その姿をまた見る為に、いや、その先さえも見たいが為に自分の本心を伝えよう。 - 151二次元好きの匿名さん21/10/20(水) 01:26:48
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- 152ペド疑惑のトレーナー21/10/20(水) 01:30:48
「お世辞なんかじゃない、僕は君が怪我なくG1に勝てることを確信している!」
彼女は胡乱な目でこちらを見ており、僕に対する不信感を隠そうともしていないようだ。
「先程あなたが仰ったように私はレースで勝てるかそれ以前に走って怪我をしないで走りきれるかという問題があります。特に重賞レースでは優れたウマ娘達が死にものぐるいで戦うんです。そんな中に私のような矮躯が割って入ることができると思いますか?ましてやG1なんてトップクラスの更に上澄みですレースを走り切ることができても競り合いの起きない最後方にしか居場所はありませんそんな無様な姿を見たいんですか?」
かなり余裕が無くなっているようだ…敵視すらされているように感じる、いや、されているだろう。
なんとかこちらの意図を早く伝えなくては…
「絶対に勝てる、君の」「あなたは私に走って死んでくれって言うんですか!?」 - 153二次元好きの匿名さん21/10/20(水) 08:03:05
保守
- 154ペド疑惑のトレーナー21/10/20(水) 10:14:08
日曜くらいまで日中書けなそうなので昼頃には保守だけ書き込むと思いますが、気にしないでいただけるとありがたいです
- 155二次元好きの匿名さん21/10/20(水) 16:37:29
保守
- 156ペド疑惑のトレーナー21/10/20(水) 21:54:40
「さっきから分かったような事を言って!勝てるだなんて簡単に言わないでよ!自分で走るわけでも、走ったわけでも無いのに!どんなに怖かったか、あなたに分かるわけがないのに!」
怒りと恐怖がないまぜになった絶叫が耳に突き刺さる。
一瞬の間頭が真っ白になり、彼女の言葉を理解すると同時に膝から先が氷のように冷たくなる。
……僕は今まで誰に話しかけていたんだ?彼女の走りを見て全て分かったような気になって、自分の思う「理想の彼女」を押し付けて、ここにいるレイファサージを見ていなかった。
「あなたに、あなたなんかに分かるわけがない!わ、わたしが、いままでどんなにはしりたいとおもってたか、おねえちゃんといっしょにはしってかちたいとおもってたか…!」
「じかんがないからはやくはしらないといけないのに!こわくて、こわくて…うごけないの……」
「ごめんなさい……おねえちゃん…ごめんなさい」 - 157ペド疑惑のトレーナー21/10/20(水) 22:13:32
静まり返った模擬レース場にレイファサージのむせび泣く声のみが響き渡る。まるで止まった世界の中で彼女だけが取り残されたかのようだ。
僕は何をするべきだ?謝る?どうやって?それで彼女の絶望は晴れるのか?
できることなら数分前の自分を殺してやりたいがそんなことはただの自己満足だ。
今の自分がするべきことは──── - 158鬼畜ペドトレーナー21/10/20(水) 22:41:02
震えて倒れ込んでいるレイファサージに近寄る祭寺
周囲にいた幾人かのトレーナー達はこれを止めるべきだと考え、各々で動き出そうとしたがすぐに足を止めることとなった。
(僕は彼女を絶対に立ち直らせなければいけない。たとえ何をしようとも。)
決死の覚悟をしている彼を止めるには、周りの人間はあまりにも混乱していた。平常な環境であれば怯みはすれど間違いなく止められていただろう。
レイファサージの前まで辿り着くと、しゃがみ込み彼女の名前を呼んだ。
「レイファサージ」 - 159鬼畜ペドトレーナー21/10/20(水) 23:01:05
彼女は倒れ込んだままこちらに目を向けることはない。もし見ていたとしてもやることは変わらないのだが。
「ごめんなさい、レイファサージ」
「僕は君のことを何も見ていなかった、ただ君の心を傷つけていた。」
泣き続けるレイファサージに話しかけ続ける
「僕が何を言っても君を更に傷つけるだけだろう、だから最後にもう一度謝る…ごめんなさい。」
いまだに泣き止む様子のないレイファサージに謝る。
どれほどの悲しみに暮れているか僕には想像もつかない、だが声だけは耳に入っていると信じて次の言葉を捻り出す。
もし地獄があるのなら僕は間違いなく落ちるだろう。 - 160鬼畜ペドトレーナー21/10/20(水) 23:05:01
「レイファサージ」
喉は乾き、手足は冷え切っている。だがここで決意を翻すわけにはいかないんだ、今だけ力を貸してくれ神様、いや、閻魔様!
「君はG1に勝つことができる。怪我も絶対にしない。」 - 161鬼畜ペドトレーナー21/10/20(水) 23:24:43
時が止まった気がした。いや、おそらく自分の心臓が止まっていたのだろう。
レイファサージは嗚咽をあげるのをやめ、ゆっくりと顔をこちらにあげる。
どれほど泣いたのだろう、目の周りは真っ赤に充血しており、涙の跡がはっきりとわかる。
というか今もまだ涙がポロポロとこぼれ続けている。
しかしその顔は何かUMAを不意に見つけたような顔をして固まっている。
「レイファサージ」
僕が声をかけると困惑に染まりきった顔で周りを見渡している。当然だろう。
「祭寺…さん?」
困惑の抜けきらない表情で僕の名前を呼ぶ彼女。
何を言われたかまだ理解できていないのだろう。
もう一度同じ言葉を繰り返す。僕の心臓はさっき止まったようで、今度はさらりと口に出すことができた。
「君は絶対に怪我もしないし、G1にだって勝てるウマ娘だ」
そう話すと、彼女は困惑半分、呆れ半分といった調子で「正気ですか?」と答えた。
薄っすらとこちらを心配するような声音も混ざっていたような気がする…こんな無神経な男を心配するのはあまりにも優しすぎやしないか?頭の可哀想な人と思われてるんだろうけど - 162鬼畜ペドトレーナー21/10/20(水) 23:39:19
悲しみのあまり何も寄せ付けなかった先程とは違い対話ができそうだ。呆れられてるけど。
「君を傷つけてしまった時と同じことを言っているけど、間違いなく正気だよ。もちろん君を傷つけようとしてるわけでは無いんだけど。」
「傷つけたことをわかってて同じことを言うのに傷つける気はない…?何を言っているんですか…?」
彼女の涙は完全に止まって、こちらを見つめてきている。表情から伝わる困惑の割合が更に増えており、こちらが次に何を喋るか気にしているようだ。
「さっきは君のことを知らずに僕の理想を押し付けていた。君が何を考え、どんな気持ちで生きているのか、それすら考えずにモノとして扱おうとしていたんだ…」
こんなことを言われてもレイファサージには何も分からないだろう、ただ僕の自己満足の懺悔でしかないが、喋らずにはいられない。 - 163鬼畜ペドトレーナー21/10/20(水) 23:54:14
「だけど今は、さっきの君の言葉を聞いて少しだけ分かったんだ。君がなぜ走っているのか、それがどれほど大きな想いなのか。」
「到底すべてを理解しているなんて言えるわけがないけど、君の想いを聞いて言うんだ。」
「君は必ず勝てる」
レイファサージはまた一瞬怒ったような雰囲気になったが、すぐにそれは霧散し空を見上げて大きく深呼吸をした。
「すぅ───……はぁ────」
「怒る気も薄れちゃいますね、そんなにはっきりといわれちゃうと。正直に言うともう走る気も起きないし、なんでそんなに私に期待をするのか最後に聞きたくなっちゃいました。」
呆れ笑いのような顔で彼女はそう答えた。 - 164鬼畜ペドトレーナー21/10/21(木) 00:09:25
とんでもない爆弾発言をするな…走る気が無くて「最後」にだなんて。おそらく「お姉ちゃん」といっていた人が鍵なんだろう。
彼女の走る意味である「お姉ちゃん」にはとても興味を湧かされるが、重要なのは彼女がこのままではレースを走れないという点だ。
心が折れて自暴自棄になってしまっている彼女は、このまま行けば本当に走るのをやめてしまい、大きな挫折を引きずり続けて生きていくだろう。
未来を見えない僕には、それが不幸だとは断言できないが、僕は今の彼女に幸せになって欲しいんだ。 - 165鬼畜ペドトレーナー21/10/21(木) 00:34:33
「さっきのレースの話になるんだけど…」
僕は模擬レースについて話を始めた。彼女は話が始まると、すっと真剣な顔になりこちらに耳を傾けた。
「さっきのレースは君は5番、真ん中の位置でのスタートで、好スタートを切って最初にハナに立ったのは君で、短距離だしそのまま最後まで走ると思っていた人がほとんどだったと思う。」
「でも君は、1番の子の前に出て少し抑えて走ったんだ、今回2着だった娘だね。あの子は逃げウマ(らしい、他のトレーナーが話しているのを聞いた)で最内枠だったし、そのまま逃げられたら最有力だった。だからまず彼女の逃げを潰したんだ。」 - 166鬼畜ペドトレーナー21/10/21(木) 00:35:42
こいついつまでスカウトに話をかけてるんだ……?
また進んでないけど今日は終わりです… - 167二次元好きの匿名さん21/10/21(木) 07:47:06
スカウト長いな
- 168二次元好きの匿名さん21/10/21(木) 12:14:10
保守
- 169二次元好きの匿名さん21/10/21(木) 18:55:58
保守
- 170鬼畜ペドトレーナー21/10/21(木) 21:55:31
今日はサボってた仕事を終わらせなければならないので明日書きます、今の感じで行くとの説得の仕方もちょっと変というか自分で解釈違い起きそう…でも思いつかない
- 171鬼畜ペドトレーナー21/10/22(金) 03:06:40
「前を塞がれた彼女はすぐに横から君を抜こうとしたんだけど、ここで最内枠だったことが災いして他の子達に横も塞がれてしまっていたね。これも狙って動いたのかな?きっと。」
「君が彼女の逃げを潰しながら内ラチ走っていたことで、直線で大きく抜け出すウマ娘がいなくなった結果、絶好の位置でコーナーに入ることができた。短距離としては少しローペースだったことから見ても、序盤のレース展開は完璧に君が支配しているように見えたよ。」
「そしてコーナーの中盤辺りからスパートをかけて抜け出そうとした。普通よりも早い位置でのスパートだったけど、終盤の位置だと加速力が足りないと思ったのかな。推測だけどね。」
一通り中盤までのレース展開を振り返り、一呼吸間を置く。
今のところは特に問題なく話を進められているが、終盤は彼女のトラウマになりかねない部分について触れることになる。細心の注意を払って話さなければならない。 - 172二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 11:17:42
保守
- 173二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 18:09:41
保守
- 174二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:57:59
保守
- 175二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 23:37:22
保守
- 176鬼畜ペドトレーナー21/10/23(土) 02:58:10
昼寝したら寝過ごしました、朝できたら書きます…
- 177二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 11:42:48
保守
- 178二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 18:57:05
保守
- 179二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 20:23:16
「コーナーでスピードを出すと遠心力が大きくかかるのは誰でも知っているし、ここで加速するウマ娘はほとんどいない。普通は遠心力に振られて外に流れていくか体制を崩して減速してしまうからね。」
「でも君はほとんどふくれることなく抜け出しかけた。なぜそんなことが出来たのかっていうのはいくつか想像がつくけど……まあなんにせよ、常識破りの走りをして勝ちに手をかける寸前まで行ったんだ。だけど…」
一番大きな理由としては身長が低くて重心の操作がしやすいってことだと思うけど、わざわざ今そんなことを指摘しても気まずくなるかもしれないし濁しておこう… - 180二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:05:24
保守
- 181二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 01:12:19
「……完璧に回り切れてはいなかったんだ。加速前は内ラチに一人も入る隙間は無かったけど、少しだけ、たった一人分程度の隙間だけど空いてしまった。」
「すでに加速に入っていて前にいる君を抜かすことは不可能だった、たとえ君以上にコーナリングが上手くても、追い抜かすほどの加速でより強い遠心力がかかれば曲がりきれるウマ娘はきっと存在しないだろう。」
「それでも、曲がりきれなくてもそこを走りに来てしまった子がいたんだ。……君が蓋をしていたあの1番の子が。」
「逃げの脚質だけど完全にそれを封じられていたところに少しだけ見えた隙間、ほぼ詰みかけたレースの中で見えた一縷の希望だったのだと思う。だから、無理な加速をしてしまい、そして……」
「私と接触してしまった…」
僕が言い淀んだ言葉を引き継ぐように、レイファサージは言葉を漏らした。
その表情を見ると憂いの中に理解のような感情が混ざっているように見える。 - 182二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 01:47:35
「……その後の事はあまり説明したくないかな…わざわざ思い出すのも辛いだろうから、ここまででいいかな?」
状況は鮮明に焼き付いているが、事細かに説明すれば恐怖を強く想起させてしまうだろう。
そう考えた僕の思いとは裏腹に、彼女はこう返答した。
「いえ、あの時外から見た私はどうなっていたか教えてくれませんか?あの後自分がどう走っていたか自分では思い出せなくて…」
それは……大丈夫なのか?強い衝撃を受けた時自己防衛として記憶を失うと聞いたことがあるが、もしそうなら思っていた以上に彼女の心に恐怖が焼き付いてしまっているのかもしれない。
「心配していただくのは嬉しいですけど、自分に何が起きたかは知っておきたいんです。わからないままでいる方が、いやですから。」
答えるべきか少しだけ逡巡していると、僕の心を見透かしたようにそう続けた。
彼女が望んでいるなら教えるべきだろうか、恐怖の原因がわからないままでは克服することもできないという考え方もある。
それにしても考え事がすぐバレるのはトレーナーとしては情けないのではないか…?レイファサージが機微に敏感なだけだといいけど。 - 183二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 02:02:31
「分かったよ、と言ってもあまり話せることは無いんだけどね。内から来た1番の子は遠心力に耐えられず、君と接触するタイミングで大きく外に膨れたんだ。その結果として君は外に弾き飛ばされて、体制を大きく崩してしまった。」
「先頭二人が大きく崩れた時、差しで走っていた3番(1着の子)が抜け出して、外に膨れながらもなんとか体制を整えた1番、外に大きく飛ばされて体制を整えるのが遅れてしまった君をという順でゴールしたというわけだ。」
「よく体制を立て直せたと思うよ、あんなに弾かれたら普通は萎縮して走れなくなるけど、君からは強い闘志を感じたんだ。負けないっていう闘争心をね。」 - 184二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 07:48:36
保守
- 185二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 15:58:13
「総括すると、君は今回のレースで殆ど展開を操ることに成功していた。だけどたった一度、想定外の動きをされて、それに対応しきれずに勝つことができなかったと言うことになるかな。そして君自身、敗因はフィジカルによるものだと考えてしまって自分の限界を悟ってしまったんだろう。……これがさっきのレースを見た僕の考えだ。」
模擬レースについて話し終わり、レイファサージの反応を伺う。大きく的外れなことは言ってないと思うが、もし違っていたら長々と恥を晒していた事になってしまうが……
「そう、ですね…ほぼ全て説明の通りです、スタートした後の動きとコーナーで加速した理由。全員がベストタイムを出せる条件ならば、私は良くて5着に入れるかどうかです。最初に前につかれたら、コーナーで上手く回っても前が詰まって加速しきれなくて、どうしても先行して最初にスパートをかけなきゃいけませんでした。」 - 186鬼畜ペドトレーナー21/10/24(日) 17:15:33
「最後の事は、上手く走れて勝てると思ったら横から急に何かがぶつかってきて……気づいたときには内から大きく離れたところで外側に向けてはしってました。ゴールに走らないと、って思って、なんとか前に走ったんですけど、ゴールしたあとは足がふるえてきて…」
また少し震えている。ついさっきの出来事なんだ、一度落ち着いたとはいえそう簡単に克服できる問題ではないか……。
「あなたとこうして振り返って見て、やっぱり私は力不足でしたね。ただでさえ優れた走力じゃないのにレース中に油断もして、皆に迷惑をかけてしまって……それに怖くて走れないウマ娘なんて、もうこれ以上構う必要なんてないでしょう?」
悄然とした様子でひとりごちるレイファサージ。その目はこちらを向いてるようで何も映してはいないようだ。自分の殻に閉じこもってしまっているのか…?
ならば、まずは言葉を強くぶつけてこじ開けるしかなさそうだ。 - 187鬼畜ペドトレーナー21/10/24(日) 20:51:16
「そんなことはない!確かに現状、体格では劣っていることは否定できない。それでも、君にはたくさんの武器がある!今回のレースだけでも、レース戦略やコーナリングは誰にも負けない君だけの武器なんだ!見ただけでも君が今までどんなに頑張ってきたか伝わって来た。君の努力を自分で否定するなんて悲しいことはやめてくれ……」
「そんなこと言っても、勝てなかったじゃないですか!今までどんなに頑張っても勝てなきゃ意味がないんですよぉ!それに身長なんてどうやってもすぐに大きくなんてならないんです!」
「今回勝てなかっただけで次も勝てないだなんて思い込みだ!まだ本番のレースでも無いんだ、今回負けても、それを糧にして次は勝てるように学べるだろう君は!それに今の体格のままでも勝つ方法はあるんだ!」
「さっきのレースなら、後ろの子が加速したとき、それを予期できていれば接触しないように走れたはずだ。模擬レースで他の子の情報が少ないのにあんな走りが出来たんだ、情報さえあれば君なら出来るはずなんだ!」
「そんな、ことは……いや、毎回のレースで他のウマ娘の走り方を研究なんて時間がありませんよ?机上の空論です。」 - 188二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 22:28:54
保守
- 189二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 07:44:04
保守
- 190二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 16:46:37
保守
- 191鬼畜ペドトレーナー21/10/25(月) 17:29:21
「僕が協力する!トレーナーの仕事はトレーニングだけじゃない、レースの作戦や対策を立てるのも大事な仕事なんだ。それにレース展開や他のウマ娘の研究とかは得意なんだ、僕は。」
レイファサージの目に動揺が見える。
「そ、それでも、私は走るのが怖いような、弱いウマ娘なんです。教えてもらっても、走れなきゃ貴方にも迷惑を……」
「僕の迷惑だなんてどうでもいい!君の走りに夢を見たんだ。僕が君を支えたいんだ!もし、万が一走れなくても君が僕に責任を感じることなんてない!」
「僕じゃ頼りないかもしれない。実際に走る君の恐怖を完全に理解することもできない。でも、君が自信を持てるように、怪我を気にせず、安心して走れるように育てて見せる!」
「だから、レイファサージ。僕に君を、君の夢を支えさせてくれないか。」
膝をつき、彼女の目を見つめて最後の言葉を告げる。
これで僕が伝えたいことはすべて話せた。あとは彼女の答えを待つのみだが…… - 192二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 21:54:17
保守
- 193鬼畜ペドトレーナー21/10/25(月) 22:21:59
目を見ながら彼女の答えをじっと待つ。
「え、えっと……あの、その……うぅ」
しばしの間言葉に詰まった様子で目を泳がせていたレイファサージだったが、考えが纏まったのか目を合わせてきた。
「……私の夢は、スペお姉ちゃん…ある年上のウマ娘と一緒に本番のレースで走ることでした。その人が今年デビューしてしまうって知って、一緒に走るには私もデビューしなきゃって思って、今回の模擬レースに出たんです。」
「途中までは上手く走れて、これなら一緒に走れるって思ってたけど、結局は力不足で勝てませんでした。………レース中にぶつかって弾かれたのも怖かったです。でも、もっと怖かったのは、お姉ちゃんと走れないっていう想像だったんです。そう考えたら、足が動かなくなって。」
「やっぱり、私は弱いウマ娘です。たった一度、自分の想像通りに勝てなくて、諦めて足を止めてしまうくらいに。こんな私じゃあ絶対に、あなたに迷惑をかけてしまいます。」
「……でも…それでも、信じてくれますか?私が勝てるって、諦めなくてもいいって。私の夢が叶えられるって!」 - 194鬼畜ペドトレーナー21/10/25(月) 22:49:04
「信じる!君が自分を信じられなくても、信じられるまで支え続ける!僕を信じて一緒に走ってくれ、レイファサージ!」
「っはい!よろしくおねがいします、トレーナー!」
涙声で返事をし、僕の出した手を両手で掴む彼女。
涙の跡で赤くなっていたが、その顔は晴れやかで可憐な笑顔だった。 - 195鬼畜ペドトレーナー21/10/25(月) 23:00:50
150レス以上使ったスカウト完了です…(白目)
ステータスに入りますがアプリと同じようにスピスタパワー根性賢さを1D100で取ります、3位でプラス補正かける予定だったんですが、パワーにかけるのはないかなってなっているのでご意見募集中です。
もとは全ステ+15にしようとしてたので+75をどう振り分けるかって感じですね、安価で決めるなら明日の夜飛ばします。
他にダイスは今の所
バ場
脚質
距離
ですね
最低保証値とかも必要そうな気がしますがないほうがいいですかね? - 196二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 08:51:48
保守
- 197二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 12:18:01
保守
- 198二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 12:23:48
個人的にはあったほうがいいと思います
- 199二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 19:42:31
保守
- 200二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 22:37:35
保守
- 201二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 23:05:24
ありがとうございます、最低保証つけることにします
ではダイス、ステータスは全てアプリの並び順で
dice5d100=61 52 43 50 25 (231)
最低保証30、ステボーナスはとりあえず後で
バ場適正 芝は最低保証Bにします、どっちがB以上じゃないとどうしょうもないので
dice2d7=2 5 (7)
脚質適正 これどうしようかな……全部死んでたら考えようと思います
dice4d7=1 3 7 5 (16)
距離適性 模擬レースの距離的に短距離B以上にします。スペちゃんと走りたいのでダイス頼むぞ……
dice4d7=1 6 2 3 (12)
- 202二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 23:10:57
スピ61スタ52パワ43根性50賢さ30(最低保証)
芝BダートE
逃げA先行C差しG追込E
短距離AマイルF中距離B長距離C
賢さが一番低いってどういうことなの…… - 203鬼畜ペド?トレーナー21/10/26(火) 23:17:10
レイファサージの練習補正 賢さ10%以上は確定、大きい数字2つに10%ずつ入ります、パワー入ったら調整します
dice5d100=25 32 25 89 29 (200)
- 204鬼畜ペド?トレーナー21/10/26(火) 23:26:16
- 205二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 23:27:30
ksk
- 206二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 23:28:03
ksk
- 207二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 23:34:01
最終コーナーで上位から中位に落ちた時
- 208二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 23:36:28
ksk
- 209二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 23:36:38
ksk
- 210二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 00:31:15
諦めない心
- 211二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 00:55:59
- 212二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 07:45:37
ksk
- 213二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 07:45:45
ksk
- 214二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 07:45:54
ksk
- 215二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 09:18:46
逃げコツ
- 216二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 15:28:22
- 217二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 15:43:39
- 218二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 16:47:21
勢い任せ
- 219二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 20:38:15
逃げコツ、スプリントギア、勢い任せ
スキル取得はレース前に安価取って行きます - 220二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 22:43:33
保守
- 221新人トレーナー21/10/27(水) 23:29:57
初めてのスカウトを終えた僕らは今、保健室に来ている。
本人曰く足には違和感もないようで、走りきったあとも問題なく歩けていたとはいえ念の為見てもらう必要があったからだ。それに、できるだけ人目につかないところに行きたかったこともあるし……
白いカーテンが開き、奥から保険医と一緒にレイファサージが現れる。
恐らく問題は無いとは思うが、万が一何か不調が起きた事を考えると否応なしに緊張が高まる。
「先生、大丈夫でしたか、レイファサージは。」
「レース後だから少し熱を持っていたけど、骨や関節等に特に以上は無かったよ、だから少し落ち着きなさい。」
良かった……ここで一人で待っていると想像が悪い方向へ行ってしまい、不安によって冷静さを失っていたようだ。
落ち着きを取り戻しレイファサージに目を向けると、苦笑を抑えたような顔でこちらを見ていた。
大の大人が狼狽える姿が可笑しかったのだろうか。 - 222二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 08:03:38
保守
- 223二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 15:35:28
「それにしても随分慌ただしくして駆け込んできたけど……そんなに故障が心配だったのかしら?」
「それは、まあ、そんな感じです。」
嘘だ。本当のところは、早く人目につかないところに行きたかったからだ。
スカウトが終わったあと視線を感じて周りを見ると、凄い数の人達に見られていることに気づいた。スカウトに夢中で頭から消していたけど、最初からずっと見られていた事を思い出す。
恥ずかしさがこみ上げてきて目を逸らすと、レイファサージが赤面して狼狽える姿が目に入った。
僕はあまりの居たたまれなさから、彼女を連れてその場から逃げるように立ち去った。彼女を抱えて。
完全にパニック状態にあった僕は、どうにかして人目のつかないところへ逃げようと考えていたところにふと、怪我の可能性に思い至り、足に負担をかけさせるわけにはいかないと彼女を抱きかかえて保健室へ疾走してきたというのがここに来る経緯だ。
ゆっくり歩いて来たほうが目立たなかったんじゃないのか……?まあ過ぎたことは仕方がない、忘れよう。
ここに来るまでのレイファサージの様子は、目を回してろくに喋れないようだったが、今は大分落ち着いてるようだ。 - 224新人トレーナー21/10/28(木) 21:01:01
「まあなんにしても良かったわね。他の子よりも体が小さいからあなたからも気をつけてトレーニングさせてあげなさい、この子も分かっているようだけどね。」
「ご心配ありがとうございます、肝に銘じます。」
「ええ、怪我をしないように祈っておくわ。頑張ってね。」
そう言って先生は奥へ行き、レイファサージとふたりきりになった。
さて、これからのことについて話すにしても何から話そうか?
それともまずは場所を変えたほうがいいかな?
場所決め安価
- 225二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 21:21:03
ksk
- 226二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 21:21:31
保健室
- 227二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 21:21:43
食堂
- 228二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 22:10:27
よし、保健室で話すとしよう。外に出たらまた悪目立ちしてしまうかもしれないしな。
「お疲れ様、レイファサージ。特に異常は無いみたいで良かった。それでこれからのことなんだけど……ここで話してもいいかな?」
「いいですよ、ここで。というよりここがいいです、あんな風に運ばれたら恥ずかしくって直ぐに外になんか出れませんからね!」
「ご、ごめんなさい……」
半目になってこちらを睨んでくる……本気で怒っている訳ではないようだけど、今後は落ち着いて行動しなければ……!
「もう、ほんとうに気をつけてくださいね?……それじゃあ、何からお話しますか?」
「反省してます……んん、まずはメイクデビューを何時にするか相談したいんだけど……今は>>230月で、多くのウマ娘は6月後半にデビューするのが一般的だけど、どうしたい?今年デビューの子と走りたいなら遅くても12月中には走らないとだね。」
「そうですね……>>233で考えているんですけど、大丈夫でしょうか?」
- 229二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 22:11:29
5
- 230二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 22:11:54
- 231二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 22:33:28
ksk
- 232二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 22:33:36
ksk
- 233二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 22:33:51
7月
- 234新人トレーナー21/10/28(木) 22:45:47
5月……嘘でしょ……7月って今年じゃなくて来年よねスペちゃん???
というわけでスペちゃんのデビュー年は今年か来年か
1今年2来年
dice1d2=1 (1)
今年だとこれアプリでやらされても普通に失敗しそう
- 235新人トレーナー21/10/28(木) 22:58:06
あーこりゃ駄目みたいですね……
目標設定とか考えるので今日は終了します
最後に現在のステータスまとめ
スピスタパワ根 賢
61 52 43 50 30
芝 ダート
B E
短 マイ 中 長
A F B C
逃 先 差 追
A C G E
成長補正
スタ根賢
各10%
覚醒スキル
逃げのコツ
スプリントギア
勢い任せ
所持スキル
諦めない心
ボーナス75の振り分け
dice4d100=93 41 29 31 (194)
パワーを抜いて数値が高い順に適当に振り分けます
- 236新人トレーナー21/10/28(木) 23:01:15
スピ30スタ20根性10賢15にします
というわけで
スピスタパワ根 賢
91 72 43 60 45
となりました
総ステータスは☆1よりちょっと低いですね。 - 237二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 07:42:40
保守
- 238二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 16:33:38
保守
- 239二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 20:58:46
保守
- 240新人トレーナー21/10/29(金) 21:46:43
自分用メモ
トレーニングでのステータスの上昇量は計算が面倒くさいので
URAレベル3の基礎値で固定
賢さのみレベル5(トレーナー補正)
スピ練 スピ12パワ5
スタ練 スタ11根性4
パワ練 パワ10スタ5
根性練 根性10スピ4パワ5
賢さ練 賢さ13スピ4 SP4
これに各種効果乗算
サポカ枠5人
トウカイテイオー
ニシノフラワー
ウオッカ
ダイワスカーレット
スペシャルウィーク - 241二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 23:14:10
保守
- 242新人トレーナー21/10/30(土) 01:22:39
ヒント発生率.レベル
ニシノフラワー10%、4
根幹、良馬、阪神、先コ、上昇 5個
トウカイテイオー9.5%、3
巧み、垂れ、ポジセン、臨機、イナズマ、軽やか 6個
スペシャルウィーク5%、1
末脚、食下、外差、栄養、道悪、雨、差コツ 7個
ウオッカ9.5% 、4
末脚、直巧、マ直、中直、直加、上昇、差切、直回、東京 10個
ダイワスカーレット9%、3
ギアシ、テンポ、抜出、前途、好位、対抗 6個
レスボ35%ファンボ70% - 243二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 07:10:07
保守
- 244二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 17:53:35
保守
- 245二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 22:48:11
保守
- 246二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 02:38:24
保守
- 247二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 10:23:45
保守
- 248二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 14:53:24
保守
- 249二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 16:15:13
「7月か……今年デビューしないといけないのは分かっていたけど、どうしても厳しい日程になるね。」
今回の模擬レースは、来年デビューするのを見据えて走っていた子が殆どだろう、恐らくレイファサージを除いては。
「やっぱり難しいですよね……無謀ですらあるっていうのは、自分でも分かってます。でも、どうしても走りたいんです。お姉ちゃんと。」
不安げながら決意に満ちた顔をしながらそう告げるレイファサージ。
さっきも話に出ていたけど、彼女の夢である「お姉ちゃんと走る」ことについて僕はまだ詳しく知らない。
想像できる部分はあるけど憶測で話していい内容ではないし、これからの目標設定にも関わることだから全て聞かせて貰おう。
「さっきも少し話してくれたけど……「お姉ちゃん」について教えてくれないか?君にとって一番重要な部分だと思うし、これからの方針を決めるのにもどうしても聞いておきたいんだ。」 - 250新人トレーナー21/10/31(日) 17:59:49
「わかりました。少し長くなっちゃうかもしれませんけど、よろしくお願いします。」
「どこから話すべきか悩んじゃいますけど……まずはお姉ちゃんのことからお話しますね。」
「お姉ちゃんの名前はスペシャルウィーク。中等部の3年生で、去年転入してきたウマ娘です。今はチームスピカに所属していて、来月デビューする予定です。転入して直ぐにスカウトされちゃう凄い人なんです!」
何やら自慢気な雰囲気で話し出すレイファサージ。
余程そのスペシャルウィークが好きなのか、先程までの大人びた様子は鳴りを潜め、見た目相応の可愛らしい振る舞いで説明を続ける。
「それにとっても優しくて、近くの商店街で良く八百屋さんのお手伝いとかしてるんです。私も一緒にお手伝いすることもあるんですけど、私よりもずっと力持ちでとっても頼りになるんです!」
「何よりとっても早くて……日本一のウマ娘になるのがお姉ちゃんの夢なんですけど、きっと叶えられるって思えるくらいに強いんです。」 - 251新人トレーナー21/10/31(日) 20:25:01
「初めて会った家族以外のウマ娘で、憧れで…………私がこのトレセン学園に来たのも、スペお姉ちゃんと一緒に走りたかったって理由だったんです。早すぎてスペお姉ちゃんより先に入学しちゃいましたけどね。」
「だからスペお姉ちゃんが転入してきてくれたときは凄く嬉しかったし、いつか一緒に本番のレースで走れると思ってた……でも、直ぐにスカウトされちゃって一年も経たずにデビューすることになって、置いていかれそうになって……」
「まだ力が足りないのは分かっていたんです。でも模擬レースで1着で走れれば、もしかしたら追いつけるんじゃないかって思って、レースに登録しました。
結果はご存知の通り3着で、諦めかけていたところにあなたにスカウトされました。ひとまずはこのくらいで大丈夫ですか?」
最後の方では理知的な様子に戻って話していたが、お姉ちゃんについて嬉しそうに語っている姿を見れて安心した。
あまりにも大人びていて、何か重いものを背負い込んでしまっているのかと感じていたけど、家族や友人等の関係は良好のようだ。
それにしても色々と気になる情報があったな……聞いてみよう。 - 252二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 22:48:28
保守
- 253二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 10:37:31
保守
- 254二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 18:06:44
保守
- 255二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 21:57:37
保守
- 256二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 07:40:32
保守
- 257二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 11:57:39
保守
- 258二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 18:17:33
保守
- 259二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 21:56:50
保守
- 260二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 02:43:03
保守
- 261二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 07:38:56
保守
- 262二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 13:29:55
「なるほど、そのスペシャルウィークさんに憧れて一緒に走りたいっていうのが君の夢というわけか。
ところで、さっきの話で気になる所がいくつかあったんだけど……聞いても構わないかな?もし話しにくいことがあったら教えてくれなくてもいいから。」
「特に隠したいこともありませんし……大丈夫ですよ?どんなことですか?」
「ありがとう、まずは君とスペシャルウィークさんの関係だけど、トレセン学園の外で知り合ったのかな?二人とも入学前に会っているような感じだったけど。」
「そうです!スペお姉ちゃんと初めてあったのは北海道の大食い選手権で……ウマ娘の部で優勝したんですよ、スペお姉ちゃん!」 - 263二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 21:20:55
保守
- 264二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 07:19:06
保守
- 265二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 12:33:57
保守
- 266二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 18:54:37
保守
- 267二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 21:07:23
保守
- 268二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 23:07:02
保守
- 269◆Gxt.9RpBHQ21/11/05(金) 00:27:41
「大食い選手権。」
それはまた何ともウマ娘らしいイベントだ。
ウマ娘の部で優勝したというスペシャルウィークはさぞ大食い……いや、健啖家なのだろう。レイファサージは見るからに少食そうだが、どういった経緯で憧れたのだろうか、憧れるほどの食べっぷりだったのか?
「はい。家族5人で連れてってもらったんです、私も出場して4位になったんですよ。スペお姉ちゃんの半分も食べれませんでしたけど……」
「え。4位?出場したの?」
小学生の部とかあったのかな?いや、話し方からするとスペシャルウィークと同じ部だろう。
まさかこの姿でかなり食べるのか、レイファサージ。
「小さいから良く驚かれるんですけど、結構食いしん坊なんですよ、私。
この時のイベントも私がよく食べるからお母さんが探して来てくれて行くことになったんですから。」
人は見かけによらないと言うが、ウマ娘はもっとだな。こんな小さな体で僕の数倍も食べるのか……
「へ、へぇ……じゃあその時に、たくさん食べるスペシャルウィークさんを見て憧れたのかな?」 - 270二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 07:51:53
保守
- 271二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 11:59:44
保守
- 272二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 20:56:43
保守
- 273二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 23:47:22
保守
- 274◆Gxt.9RpBHQ21/11/06(土) 02:26:52
「確かに凄いとは思いましたけど、そこに憧れたわけじゃないですよ?私が憧れたのはスペお姉ちゃんの優しさと、夢を聞いたからです。」
「実はイベントが始まる前に弟がはぐれちゃって、みんなで探す事になったんです。最初はみんなで探してたんですけど見つからなくて、途中からお母さんとお父さんと私で別れて探してて……そうしたら、スペお姉ちゃんが弟を肩車しているのを見つけました。」 - 275二次元好きの匿名さん21/11/06(土) 08:45:09
保守
- 276二次元好きの匿名さん21/11/06(土) 17:17:42
保守
- 277◆Gxt.9RpBHQ21/11/06(土) 18:01:27
「迷子になってた弟を見つけて一緒にお母さん達を探してくれてたみたいで、私が見つけて声をかけたら一緒に家族のところまでついてきてくれました。弟が降りたがらなくて迷惑をかけちゃいましたけど全然気にしてない様子で笑って許してくれて、家族と合流した後は二人で会場に向かいました。」
「あ、スペお姉ちゃんは地元が近くだったみたいで、会場に行く途中いろんな出店の人達から応援されてて、にんじんジュースとか貰ってたんですよ。
ふふ、これから大食い選手権なのにおかしいですよね。」 - 278二次元好きの匿名さん21/11/06(土) 23:23:15
保守
- 279◆Gxt.9RpBHQ21/11/07(日) 04:06:01
「歩いている途中にも好きな食べ物とか、どこから来たのかとか色んなことをお話して仲良くなって、大会が終わったあとも集まって一緒に遊んでくれました。
そして帰る時間になってお別れをする時、また会う約束をしたんです。いつになるか分からないけど、きっとまたどこかで会おうって。」
「その時にスペお姉ちゃんの夢を聞いて、憧れたんです。日本一のウマ娘になるスペお姉ちゃんと一緒に走りたい、隣に立ちたいって思ったんです。
……これが私とスペお姉ちゃんとの出会いと、私の憧れる理由ですね。」
「なるほど……とても優しくて、大きな夢を持っている人なんだね、スペシャルウィークさんは。
ところで、また会おうって約束は、トレセン学園で会おうってことだったのかな?」
「いえいえ、特に具体的なことは何も決めてない口約束みたいなものでした。お母さん達は連絡先を交換したみたいですけど、携帯電話もまだ持ってなかったので連絡も簡単に取り合えなかったから、その時は本当にいつか機会があればという感じの約束でした。
私がスペお姉ちゃんと走りたいから、勝手にトレセン学園に押しかけて行ったわけです。」
「スペお姉ちゃんがトレセン学園に行って走るのは聞いていたので、家に帰ってから直ぐに私でも入学できるか調べて、飛び級している先輩を見つけました。
それでお母さんとお父さんに今すぐトレセン学園に入りたいことを伝えて、なんとか説得して入学しました。ただ、びっくりさせようと思って隠してたら、まだスペお姉ちゃんは来てなかったんですけどね……。」
「私の入学の経緯はこんな感じです。スペお姉ちゃんが転入してきて初めてこっちで会ったときはとっても驚いてて面白かったなぁ。」 - 280二次元好きの匿名さん21/11/07(日) 09:53:46
保守
- 281二次元好きの匿名さん21/11/07(日) 18:01:20
保守
- 282◆Gxt.9RpBHQ21/11/07(日) 21:35:23
……なんというか、これは、物凄い行動力だな。
もはや執着心と言うべきか、憧れの相手を追いかけて親元を離れてまでここまで来てしまうとは……。
そしてやはりというべきか、レイファサージは見た目相応の年齢であるようだ。普通の中等部のウマ娘とは比べるべくもない体格だったし、初等部があると言う話も聞いたことがなかったから何かしらの事情があると思ったが飛び級してきたのか。
飛び級制度なんて、きっと親御さんも反対したはずだ、まだ幼い彼女を一人送り出すなんて心配でたまらないだろう。
それを説得して入学試験も突破するとは、とてつもない決意とポテンシャルだ。
思い出し笑いをしている彼女からはその可愛らしい仕草とは裏腹に、恐ろしいまでの想いの強さを感じる。 - 283二次元好きの匿名さん21/11/08(月) 00:01:21
保守
- 284二次元好きの匿名さん21/11/08(月) 08:46:01
保守
- 285二次元好きの匿名さん21/11/08(月) 14:55:14
保守
- 286◆Gxt.9RpBHQ21/11/08(月) 21:56:21
ようやっと憧れの相手に逢えて、これから一緒に走って行けると思っていたところにスペシャルウィークのデビューが決まってしまった。
手が届きそうなところまで来たからこそ、置いていかれる事に大きな焦りと不安を感じたのだろう、無茶だと分かっている模擬レースに出てしまうほどに……
その結果として、自分の力では間に合わないということを悟ってしまったのだろう。その胸中は今でも察するに余りある。 - 287二次元好きの匿名さん21/11/09(火) 03:51:34
保守
- 288二次元好きの匿名さん21/11/09(火) 10:02:23
保守
- 289二次元好きの匿名さん21/11/09(火) 18:45:09
保守
- 290◆Gxt.9RpBHQ21/11/09(火) 23:12:18
レイファサージが走る理由、それは上辺だけを見ればウマ娘の中でもとても軽いものに感じるだろう。だが、ただそれだけの理由で突き進んできたその想いの強さは、決して誰にも負けることはない。
その強さを知った今、僕の決意も新たにしよう。
「うん、ありがとうレイファサージ。君の想いと決意の強さを、僕はまだ甘く考えていたみたいだ。
……もう一度約束する、君の夢を絶対に叶えてみせる。どんなことがあっても、必ず。」 - 291二次元好きの匿名さん21/11/10(水) 05:44:59
保守
- 292二次元好きの匿名さん21/11/10(水) 13:28:23
保守
- 293◆Gxt.9RpBHQ21/11/10(水) 18:57:42
「一年デビューが遅れてもシニア級までいけば一緒に走れるレースがあるはずだけど、今年デビューするってことはクラシック級で走りたいレースがあるんだろう?皐月賞か、菊花賞か、ダービーか……そこに焦点を当てて行くとして、デビュー戦の他に1回か2回勝っておく必要があるね。そうなるとどのレースを走るべきか……」
レイファサージの適正は模擬レースから見て恐らく短距離、クラシックは中長距離だからスタミナの強化と距離への対応を目処にして鍛えていこう。
「今回の模擬レースだと短距離で走っていたけど、やっぱり距離が短いほうが得意なんだよね?」
「んーん、と……短距離が一番得意なのはそうなんですけど、マイルはとても苦手なんですよね……。中距離は普通に走れて長距離はちょっと苦手かなぁ。」
「あと、クラシックで走りたいのはその通りです。他は置いておいても、ダービーだけは絶対に走りたいんです。」 - 294二次元好きの匿名さん21/11/10(水) 22:35:38
保守
- 295二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 03:44:50
保守
- 296二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 12:19:32
保守
- 297二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 20:01:17
保守
- 298二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 07:28:11
保守
- 299二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 16:10:34
保守
- 300◆Gxt.9RpBHQ21/11/12(金) 20:54:00
短距離が得意でマイルが一番苦手とは珍しいな。
普通は得意距離から離れるほど苦手になるものだが、ペース配分の問題だろうか。だが、中長距離がそこまで苦手ではないならクラシックで走ることを考えれば好都合だ。
「マイルが苦手なのは意外だけど、ダービーを走るのに中距離を苦手にしないなら良い情報だね。
そうなるとまずデビュー戦は短距離にするとして、ダービーまでに中距離のレースを走っておこうか、ジュニア級の間に中距離レースというと……ここらへんかな?」
10月前半プレOP 黄菊賞
11月前半プレOP 百日草特別
11月後半プレOP 葉牡丹賞
11月後半G3 京都ジュニアステークス
12月前半プレOP エリカ賞
12月後半G1 ホープフルステークス - 301◆Gxt.9RpBHQ21/11/12(金) 21:01:14
「あとはクラシック3月末までにも5つある、まずは未勝利戦を勝ってからになるけど……どのレースにでようかな。恐らく未勝利戦を勝てればどれでも出場出来ると思うけど。」
ジュニア級でいくつのレースに出るか判定
一番多い数字が回数になります。
dice6d3=2 2 1 1 3 2 (11)
- 302◆Gxt.9RpBHQ21/11/12(金) 21:03:08
- 303二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:01:29
加速
- 304二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:02:35
京都ジュニアステークス
- 305二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:03:10
エリカ賞
- 306◆Gxt.9RpBHQ21/11/13(土) 00:00:44
デビュー戦で短距離を走るならダービーまでに3回、最低2回は走っておきたいな。ジュニア級のうちに2回走っていくべきか、レイファサージにも聞いてみよう。
「僕の意見としては、今年中に2回走って見ようかと思う。レイファサージはどうかな?走りたいレースとかないかい?」
「どれも距離は同じですよね、得意なレース場とかもまだありませんし……重賞2つとかではなければ、トレーナーにお任せしちゃっていいですか?」
「分かった、じゃあ日程が厳し目になるけど……[京都ジュニアステークス]と[エリカ賞]の2つがいいと思う。
京都の方は初の中距離レースでG3だし、重賞の雰囲気に慣れて貰う意味合いで走ってもらいたい。勝てなくてもいいから怪我なく走りきって欲しい。
エリカ賞の方で2勝目を狙うつもりで行こうと思う。」 - 307二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 09:52:46
保守
- 308二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 19:56:17
保守
- 309◆Gxt.9RpBHQ21/11/13(土) 19:58:13
僕のプランを伝えてみたが、少し難しい顔をしているな……いきなり重賞というのはやはり不安が大きいだろうか。
「最初に重賞、ですか……ちょっと不安ですけど、分かりました。でも、負けてもいいって言われると悔しいですね……。」
勝たなくてもいいと言ったところに不満があったようだ。模擬レースで立て直した時も思ったが、負けん気が強いみたいだな。
「すまない、勝てなくてもいいと言ったがもちろん勝つつもりで走ってほしい。ただ、目標をつけるとしたら何よりも平常心で最後まで走りきって欲しいんだ。
このレースで負けてもまだ次はあるから、無茶はしないでくれ。君の走り方からしても、冷静に周りを使って走るのが一番強いと思うしね。」 - 310二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 23:27:16
保守
- 311二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 09:54:49
保守
- 312◆Gxt.9RpBHQ21/11/14(日) 16:29:35
そう伝えると納得のいったような顔で頷いてくれた。
本番にならなければどうなるかは分からないが、恐らく無茶はしないで走ってくれるだろう。
今年のレースについてはレイファサージと合意はとれたし、次は練習内容について話すとするか。
「レースの予定も決まったし、次はデビュー戦までの2ヶ月でどう行動していくか決めようかと思う。
今回は短距離だからまずはスピードを重視するのがいいかな、パワーを鍛えて早いうちに弱点を補うのもいいかもしれない。」
「そうですね……デビュー戦に勝たなきゃはじまりませんし、私もまずはスピードを鍛えたほうがいいと思います。」
※アプリ通り半月1ターン制で行きます
今回は4ターン
行動は全てトレーニング5種のうちから選択、お出かけやお休みは無し
ターン毎にダイスでイベントの発生判定、サポカイベやシナリオイベ等
トレーニングの種類は安価します、1ターン1安価だと多いですかね?今回4ターンなので2ターン1安価でやってみます
- 313二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 20:05:09
スピード
- 314二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 20:05:27
スピード
- 315二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 20:05:54
スタミナ
- 316◆Gxt.9RpBHQ21/11/14(日) 21:01:22
スピードとスタミナ……何か天啓のようなものを感じた気がする、この2つにしよう。
「よし、今月はスピードを上げる練習にして来月はスタミナを鍛えて行こう。デビュー戦で戦いそうな子はこっちで調べておくから、まずは体を鍛えることに重点を置いていこう。」
「分かりました。今日はこの後どうしますか?お昼どきはちょっと過ぎちゃいましたけど……。」
思ったより時間が経ってしまってたな、気づいたら少しお腹が空いてきた。恐らく学園の食堂で食べるだろうけど、一応レイファサージにも聞いておくか。
「ちょっと長話が過ぎたね、まだ食堂はやってる筈だけど、何か外に食べに行きたければごちそうするよ。
それと今日はレースの後だしご飯を食べたらゆっくり休んで、明日から様子を見ながら練習していこうか。」
「分かりました、今日のご飯は食堂で食べるので大丈夫です。
それじゃあ、これからよろしくお願いしますね、トレーナー!」
「うん。こちらこそよろしくお願いします、レイファサージ。」 - 317二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 23:55:00
保守
- 318二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 07:38:54
保守
- 319二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 13:49:32
保守
- 320二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 21:35:55
保守
- 321◆Gxt.9RpBHQ21/11/15(月) 22:13:25
「僕はこれから担当申請とかの手続きをして来るから、今日はここで解散しようか。明日は朝ご飯食べてから練習場で集合にしようと思うけど、大丈夫かな?」
「大丈夫です。
……あの、トレーナー。ありがとうございます、私をスカウトしてくれて。あの時は取り乱しちゃったけど、勝てるって言われた時も心の中では嬉しかったんだと思います。その後も信じてくれたことはもっと、もっと嬉しかったです。
……そ、それじゃあまた明日!」
そう言って保健室から小走りで出ていく彼女。
「あ、ちょっと……また明日ね!あんまり足に負担をかけないようにするんだよー!」
結構な距離を移動していたがこちらの声は聞こえたようで、こちらに一度手を振ってから学園の方へ歩き出した。
急に駆け出したから少し驚いたけど、そんなにお腹が空いてたのかな?そう考えると僕もお腹が空いてきたな、何を食べようか……
「すみません、今、レ……保健室から出たあの子に声をかけてましたけど、どういったご関係ですか?」 - 322二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 07:48:46
保守
- 323二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 08:09:25
保守
- 324二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 14:29:07
保守
- 325二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 20:38:02
保守
- 326二次元好きの匿名さん21/11/17(水) 07:29:41
保守
- 327◆Gxt.9RpBHQ21/11/17(水) 17:33:38
そう話しかけられ後ろを振り返って見ると、二人のウマ娘がそこに立っていた。
一人は栗毛色の髪をツインテールに結び頭にティアラを載せている娘で、もう一人は右目が隠れるまで伸ばした黒髪に流星模様が特徴的な娘だ。
「僕のこと…でいいのかな?」
にこやかに笑いながら頷く栗毛の娘に対して、もう一人の娘は険しい顔のままこちらを見つめ続けている。 - 328二次元好きの匿名さん21/11/17(水) 21:13:51
保守
- 329二次元好きの匿名さん21/11/18(木) 02:52:04
保守
- 330二次元好きの匿名さん21/11/18(木) 10:17:55
保守
- 331二次元好きの匿名さん21/11/18(木) 18:34:48
保守
- 332◆Gxt.9RpBHQ21/11/18(木) 21:57:08
「ああ、僕は彼女の担当トレーナーでね。ついさっきスカウトしたばかりなんっ⁉」「やっぱり、アンタが……!」
いきなり胸ぐらを掴まれた⁉何か気に障ることを言ってしまったか?
先程までの微笑んでいた様子とは打って変わって鋭い剣幕で睨んできている……!
「レイを泣かして攫ってったのはアンタね……!担当トレーナーだなんてぬかして、覚悟は出来てるんでしょうね⁉」
「ぐ、うぇ…」締められる力がだんだんと強くなってきている……!ウマ娘に本気で締められたらひとたまりもない、なんとかしなければ! - 333二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 02:53:38
保守
- 334二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 11:39:56
保守
- 335◆Gxt.9RpBHQ21/11/19(金) 20:12:11
「おいスカーレット、締めすぎじゃねえか?浮いてるぜ、そいつ。」
「…………」
「んぐ……っはぁ!」
力が緩んだ……というか離してくれたみたいだ。黒髪の娘が止めてくれたみたいだが……
「とりあえず「これ」に入れてウチの部室まで運んじまおうぜ。ここじゃあ人目につくしな。」
そう言って彼女は何かを取り出した。
なんだアレは、ズタ袋か⁉止めてくれたのはいいが、彼女も僕に怒りを抱いてるのには変わりないか!
まずい、逃げ─── - 336二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 23:29:48
保守
- 337二次元好きの匿名さん21/11/20(土) 07:41:13
保守
- 338二次元好きの匿名さん21/11/20(土) 16:26:21
保守
- 339二次元好きの匿名さん21/11/20(土) 21:55:45
保守
- 340二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 00:02:43
保守
- 341◆Gxt.9RpBHQ21/11/21(日) 02:22:33
「よっこらしょっと」
一瞬で捕まって、彼女達の部室まで運ばれてしまった……
運ばれている最中に暴れても危ないし大人しくしていたがここはどのチームの部室なんだろう。
「さて、ここならゆっくり聞けるな。なあ、オッサン?」
顔だけ出されて椅子に拘束された。脱出はもう諦めたし、弁明させてもらうしかないな。 - 342二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 09:06:35
保守
- 343二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 16:36:48
保守
- 344二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 22:42:24
保守
- 345◆Gxt.9RpBHQ21/11/22(月) 02:18:20
いつも保守ありがとうございます
- 346二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 12:10:18
保守
- 347二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 21:17:26
保守
- 348◆Gxt.9RpBHQ21/11/23(火) 03:31:05
「君たちはレイファサージの友達か?」
「顔を出して第一声がそれかよ。随分面の皮が厚いみたいだなぁ⁉」
「……ええ、そうよ。だからこそあの子を泣かせたアンタは絶対に許さないんだから……!」
二人とも怒り心頭といった様子で言葉を返してくる。
彼女らの話を聞くにあの出来事がすでに噂になって広がっているようだが……多分に事実を含んでいるから否定できない。
「すまない。君たちの言うことは事実だ。僕がレイファサージを泣かせてしまったことは間違いないし、攫ったと言われても否定できない行動をしてしまった、反省している。」 - 349二次元好きの匿名さん21/11/23(火) 09:33:14
保守
- 350二次元好きの匿名さん21/11/23(火) 18:28:37
保守
- 351二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 00:03:31
保守
- 352二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 08:00:10
保守
- 353二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 15:08:44
保守
- 354二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 22:23:19
保守
- 355二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 07:23:18
保守
- 356二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:56:05
保守
- 357◆Gxt.9RpBHQ21/11/25(木) 23:06:00
「お、おう……いや、俺らに謝って済む話じゃねえんだよ!事実だって認めるなら尚更レイに近寄らせるわけにはいかねえ!」
「反省してるとかどうでもいいの、この学園から今すぐ出ていきなさい。アンタがレイを悲しませた以上、二度とあの子の前に顔を出さないで!」
「……いや、スカーレット、出ていけは言い過ぎじゃねえか?」
黒髪の娘は比較的穏健な考えで接してくれているみたいだな。栗毛の娘からは甘いと怒られているけど。
彼女たちの言い争いになる前にこちらから話を続けよう。そういえば名前を聞いて無かったな、ウォッカとスカーレットと呼ばれていたが……。
「あー……話をしているところすまないが、君たちの名前を教えてくれないか?教えたくないなら大丈夫だけど。」 - 358二次元好きの匿名さん21/11/26(金) 07:42:12
保守
- 359二次元好きの匿名さん21/11/26(金) 17:51:43
保守
- 360二次元好きの匿名さん21/11/26(金) 22:40:01
保守
- 361二次元好きの匿名さん21/11/27(土) 07:08:08
保守
- 362二次元好きの匿名さん21/11/27(土) 14:46:51
保守
- 363二次元好きの匿名さん21/11/27(土) 23:17:59
保守
- 364二次元好きの匿名さん21/11/28(日) 10:10:39
保守
- 365◆Gxt.9RpBHQ21/11/28(日) 19:48:22
「はぁ?なんでアタシがアンタなんかに教えなきゃいけないの?そもそもこれからいなくなるヒトに必要ないでしょ。」
「あー、そうだな……俺がウオッカでこいつがダイワスカーレットだ。」「ウオッカ!」
「まあ、いいじゃねえか。あれだ、メイドの土産ってやつだと思えばよ。」
ウオッカにダイワスカーレットか、ちょっと酒のウォッカとは少しイントネーションが違うみたいだな。
「そうか、ありがとうダイワスカーレット、ウオッカ。」
「それで先程の話の続きになるけど、僕はまだここを出ていくわけにはいかない。君らに何を言われてもやることがあるんだ。」 - 366二次元好きの匿名さん21/11/28(日) 23:13:05
保守
- 367二次元好きの匿名さん21/11/29(月) 07:20:06
保守
- 368二次元好きの匿名さん21/11/29(月) 13:54:47
保守
- 369◆Gxt.9RpBHQ21/11/29(月) 22:04:24
「僕はレイファサージのトレーナーだ。どうしてもここは譲れない。」
はっきりと意思を伝え彼女たちを見つめ返す。きっとまた怒りを買ってしまうけど、何をおいてもこの事は譲るべきではないと思った。
「…………」
二人ともが最初の頃のような視線でこちらを見つめてくる。
静寂の中じっと目を合わせ続けているとダイワスカーレットが口火を切った - 370二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 07:58:50
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- 371二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 17:28:46
保守
- 372二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 22:41:16
保守
- 373二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 09:11:06
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- 374◆Gxt.9RpBHQ21/12/01(水) 17:26:12
「アンタが譲れなかろうが、アタシは認めないわ。まだ短い付き合いだけど、レイが泣いているところなんて見たことない。
あんな体でこのトレセン学園にきて、見るからに辛そうな練習のときでも弱音を吐かずに頑張れる子なの。
どんな非道いことをされたらあの子が人前で泣くか想像もできないし、どんな理由があってもそんなことをしでかしたアンタを近づけるわけにはいかない。」
「……それに何より、レイに担当のトレーナーが付くのは早すぎるのよ。アンタの口車に乗せられてあの子が取り返しのつかない怪我なんてしたら、アンタのことも、止められなかったアタシも一生許せないんだから!」
「俺も大体おんなじ意見だな。オッサンが思ってるほど悪いやつじゃねえっていうのはちょっとは分かったけど、信用できねえ。
またアイツを悲しませるかもしれねぇヤツにトレーナーを任せるなんてできねえんだ。
身体が出来上がってきたらうちのチームに入れる予定だったしな。」 - 375二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 23:15:33
保守
- 376二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 08:54:32
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- 377◆Gxt.9RpBHQ21/12/02(木) 17:14:58
やはり将来的にはスカウトしようとしているチームがあったのか、だがそれでは───
「間に合わないんだ。」
「あん?」「……何の話?」
「レイファサージは今年デビューしないと駄目なんだ。かの──」「ッッ!」
右頬に大きな衝撃を感じると同時に椅子から投げ出される。
「ウオッカ⁉」 - 378二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 23:26:22
保守
- 379二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 07:55:38
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- 380二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 18:11:31
保守
- 381二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:49:26
保守
- 382二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 09:33:04
保守
- 383二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 18:35:50
保守
- 384二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 23:32:00
保守
- 385二次元好きの匿名さん21/12/05(日) 10:50:04
保守
- 386二次元好きの匿名さん21/12/05(日) 11:06:54
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- 387◆Gxt.9RpBHQ21/12/05(日) 11:10:02
「て、てめぇ……ふざけるな、なんて……今何つったんだてめぇは⁉」「や、やめなさいウオッカ⁉」
横たわる自分に追い打ちをかけるように掴みかかってくるウオッカ。頬の痛みと揺れる視界で今にも吐きそうだ。
「今年⁉笑えねぇ冗談はやめろ!今のあいつがレースで走ったらどうなるか分からないはずがねぇだろトレーナーなら⁉あいつを殺す気なのかてめぇは!!」
「落ち着きなさいウオッカ!血が出てるわよ⁉」 - 388◆Gxt.9RpBHQ21/12/05(日) 19:55:22
口の中を切ったようで血の味が広がっていく。口の中に溜まっていくそれを呑み込んで会話を続ける。
「んぐっ……レイファサージの夢は今年じゃなければ叶わない。」
「夢だぁ⁉どんな夢があってもあいつの命より大事な訳ねえだろ!トレーナーなら絶対に止めるべきだろうが!」「……レイの、夢?」
「ウオッカ、アンタはレイから夢とか聞いたことある?」「あぁ⁉……いや、ねえ……けど、知ってようがこいつは止めなきゃいけない立場だろ!」
「えぇ、アタシも同じ考えよ。でも、気にならない?アタシ達の知らないレイの夢について。」
「……確かに、気になるっちゃあ、気になる、けど。」 - 389二次元好きの匿名さん21/12/06(月) 01:07:55
保守
- 390二次元好きの匿名さん21/12/06(月) 11:52:45
保守
- 391◆Gxt.9RpBHQ21/12/06(月) 21:39:41
「でしょ?だから一回落ち着いてそいつを離しなさい。……ほら、ティッシュあげるからアンタも鼻血止めて。袋から出すから自分で押さえなさいよ。」
「ああ、ありがとう……助かるよ。」「アンタを助けた訳じゃないわ、これ以上怪我されたら問題にされそうだったからね。」
ダイワスカーレットから貰ったティッシュを鼻に当てて血が止まるまで押さえていると、二人の会話が聞こえて来る。
「顔なんて殴ったら痕が残ってマズい事になるでしょ?本当にバカね、ウオッカ。」「い、いやお前も締めてたじゃねーかよ!確かについ手が出ちまったけどお前に言われるのは納得いかねえぞ⁉」「アタシはほら、周りに人がいないのも確認してたし怪我もさせてないからセーフよ。」「なんだよセーフって……」 - 392◆Gxt.9RpBHQ21/12/07(火) 00:21:04
……よし、鼻血は止まったな。
「うん、喋れそうだ。いいかな?」
じゃれあってる二人に確認を取ると、こちらを向いて揃って首肯した。
「まず率直に言うとレイファサージの夢は、スペシャルウィークというウマ娘と日本ダービーを走りたいというものだ。知ってるかな?スペシャルウィークさん。」
「スペ先輩って、そりゃあ知ってるも何も──」
「ウチのチームメイトよ。」
「そうなのか?じゃあ君達もチームスピカ所属なのか。」
チームメイトについては詳しく聞いていなかったが、なるほど……レイファサージと親しい人たちが多かったみたいだ。
「まあ、確かにレイのやつはスペ先輩にベッタベタで大好きなのを隠そうともしてねーし、本番のレースで走りたいと思ってたのもなんら不思議じゃあねえ。ねえが……」「無茶ね。」 - 393二次元好きの匿名さん21/12/07(火) 11:28:22
保守
- 394◆Gxt.9RpBHQ21/12/07(火) 19:27:30
「スペ先輩とレイとじゃあ歳が離れすぎてるわ。まともに考えれば二人が同じレースで走るのは不可能だって、わかるはずよ。……もちろんレイだって。」
「分かっていたと思うよ、僕もね。」
分からなかったはずがない、きっと入学した時点で気がついていただろう。だって──
「君達がレイファサージの夢を知らなかったってことがその事を証明している……と思う。」
「……んん?よくわからねえぞ?」
「…………説明、して、もらえる。」 - 395◆Gxt.9RpBHQ21/12/07(火) 23:07:50
「この学園に来るウマ娘は、目標とか夢を持って入学する娘が大半だと思う。それが漠然としてたり明確だったりは様々で、きっと君達にもそのなにかは有るんだろう。」
そしてそれは、きっと他者から否定されるようなものではないはずだ。
「ああそうだ、スペシャルウィークさんの夢については知っているのかな?」
「?ああ、日本一のウマ娘になるってやつだろ?今のところ三冠目指すっていう方向になってるけど……それがどうかすんのか?」「その夢についてはどう思う?」
「もちろん応援してるぜ、夢はでっかい方がカッコいいよな!」
「ならレイファサージの夢はどうかな?」
「それは……応援は、できねえけど……」「むしろ、止めに入るわね。」「スカーレット……」 - 396二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 09:13:10
保守
- 397二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 18:58:24
保守
- 398◆Gxt.9RpBHQ21/12/08(水) 20:26:21
「まだ身体ができていないのに他の娘と競り合いが起きるレースは言わずもがな、それを目指して無理に練習することすら体に毒なの……もし知っていたなら絶対に止めていたでしょうね。」
「それが分かっていたから、言わなかったってことか……。」
「無茶な夢だと分かっていたから他の人には話せなかったんだと思うよ。一人で練習するより大人数でするほうが効率がいいし、夢に協力してくれると考えてたとしたら君達にも話してたんじゃないかな。」
恐らくこの二人なら、危険な夢でさえなかったら全力で協力してくれるだろう。今の状況もレイファサージのためを思って動いてくれたのだから。
「で、でもそんな無理してる感じはしなかったぜ⁉俺が気が付かなかっただけかもしれねぇけど……」
「いいえ、アタシも気がつけなかったわ……それに思い返しても明らかに無茶と言えるようなことは無かったはずよ。」
「そこは見てないから分からないけど、無理にならないギリギリを知ってたんじゃないかな。レースに限らず色々考えてる娘だったし。」 - 399二次元好きの匿名さん21/12/09(木) 06:59:47
保守
- 400◆Gxt.9RpBHQ21/12/09(木) 18:05:00
「無茶だとわかった上で、絶対に諦めるつもりは無かったんだろうね。もしかしたらあと一年あれば、本当に自力で戦えるようになっていたかもしれない。
……でも、そうはならなかった。」
「スペ先輩がデビューしちまった、か……クソッ、知ってたらトレーナーに話してなんとかしてやったのに……!」
「過ぎたことは仕方ないわ、ウオッカ。それに、もし止めれたとしても良い方向に行くとは限らないわよ。」「な、なんでだよ?レイが無茶しなくても済むかもしれねえんだぜ?」 - 401二次元好きの匿名さん21/12/09(木) 23:01:30
保守
- 402◆Gxt.9RpBHQ21/12/10(金) 00:08:25
「一年先までずっとひとりで抱え込んでたら、今は大丈夫でも途中で潰れちゃうかもしれないわ。それに自分のせいでスペ先輩のデビューが遅れたって思って責任を感じるかもしれないしね。」
「あー確かに、自分が足を引っ張ってるって思ったらへこんじまうだろうし、気にしないでデビューしてくださいって言う姿が目に浮かぶな……。」
「でもそうなると、どうすりゃ良かったんだよ!いや、これからもどうすればいいんだ⁉なんとかできねえのかよ、スカーレット……。」
「そうね…………今からできる事だと……。」
ウオッカの問いに思案顔で答えるダイワスカーレット。彼女の中で完璧に解決する手段は恐らく出てこないだろう、もし出てきたのならそれはそれで興味深いが。
「まず一つ目の案として、レイに諦めてもらう。これが一番安全ではあるわ。問題はどう説得するか、ね。」 - 403二次元好きの匿名さん21/12/10(金) 11:10:31
保守
- 404◆Gxt.9RpBHQ21/12/10(金) 19:02:26
「二つ目は、1年……できれば2年待ってシニア級のレースで勝負すること。ダービーでは走れないけど一緒に走ることはできるから、完全に諦めさせるよりは納得してくれるんじゃないかしら。正直、1年しっかり鍛えても危ない気がするけど、今すぐよりはずっとマシね。
……アタシはなんとか説得して諦めて欲しいわ。どうしてもレイが危ない事をするのはイヤ。もし取り返しのつかない怪我なんてしたら皆悲しむし、その事すら気に病んでどうなるか想像するのも嫌になるわね。」
「うーん……俺はその二つなら、後の方がいいんじゃねえかって思うぜ。どのくらい強く想ってる夢かはレイと話さねえと分かんねえけど、少なくとも他人に言われて簡単に変えれるモンじゃねえはずだ。もし俺がレイの立場なら諦めるってのは聞けねえ話だし、できる限りあいつの夢は否定したくねえしな。」
それぞれで別の案を推しているようだ。もし二人がレイファサージを説得するなら、後者に落ち着きそうだけど……
「まだ、もう一つあるだろう?ダイワスカーレット。」 - 405二次元好きの匿名さん21/12/10(金) 22:50:49
保守
- 406二次元好きの匿名さん21/12/11(土) 10:07:36
保守
- 407◆Gxt.9RpBHQ21/12/11(土) 17:19:02
「……無いわよ。」
こちらを睨みつけながらそう答えるダイワスカーレット。やはり認めるつもりはないんだろう。
「今年デビューするという選択肢がある。君が懸念していることも分かってる上で僕は、レイファサージには出来ると信じている。」
「アンタが信じている事がなんの根拠になるって言うのよ!ただの新人トレーナーが!自分が傷つかないからってレイの夢につけ込んであの子を利用しようとしているんでしょう!」
「いろいろ長々と話したけど、結局結論は変わらない!アンタがトレーナーなんて絶対、絶対に認めないんだから!」 - 408二次元好きの匿名さん21/12/11(土) 22:52:24
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- 409二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 10:02:16
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- 410◆Gxt.9RpBHQ21/12/12(日) 18:06:04
「確かにスカウトを受けてくれた理由としては、夢を応援すると言ったからだと思う。でも、僕がスカウトしたのは模擬レースで彼女の走りを見たからだ。身体のベストはまだ先だろうけど、現時点でも走れると判断したんだ。」
「そのアンタの判断が信用ならないってのよ!他のベテランのトレーナーとかならまだしも無名のアンタを誰が信じられるの⁉」
それを言われてしまうと厳しいが、だからこそ考えていた事がある。
「確かに信用しづらいと思うけど、君達も直接模擬レースを見たわけではないだろう?レイファサージがレースで本気で走った姿はまだ見たことが無いはずだ。」
「そ、それは……」「まあ、見たことねえな。」
「だから、君達自身の目で確かめて欲しいんだ。いまと、これからを。」「いまと?」「……これから?」 - 411二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 23:59:02
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- 412◆Gxt.9RpBHQ21/12/13(月) 01:07:55
「つまりは協力して欲しいんだ。練習とかレースとか、勿論できる範囲でいいけど。」
既に仲が良くてチームに所属している相手なら、レイファサージも多人数でも抵抗なく受け入れられるだろうし、効率の良いやり方も知っているかもしれない。
彼女たちの性格や関係性から考えて断ることは難しいだろう、実際に練習を見に来てしまえば世話を焼いてしまう確率が高い。
……正直、これを言うのはかなり卑怯だとは思うがこちらには大きなチャンスなんだ。なんでもやると言ったのだからこの程度でためらうことはない。 - 413二次元好きの匿名さん21/12/13(月) 10:32:10
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- 414◆Gxt.9RpBHQ21/12/13(月) 17:52:00
「明日の朝からレイファサージと練習場で集合する予定でね、できればその時に来てほしいんだ。朝食を食べてから来るように話したから3人で一緒に食べてから来てくれると丁度いいと思うんだけど──」「いや、ちょっ、ちょっと待てよ!」
「俺らが何も言ってねえのに勝手に進めんなよ!協力するなんて言ってねえしむしろ止めようとしてるんだぜ⁉」
「でもここでもし僕を辞めさせたとしても、結局レイファサージと直接話さないと意味がないんじゃないかな?
協力するしないは置いておいて、明日揃っている時に話し合わないと答えは出ないと思うよ。それに僕もこの場で考えを変える気はないしね。」
「えぇ……?確かにレイを説得しなきゃいけねえし、明日行くべきなのか?」
「バカね、乗せられてるわよウオッカ。コイツを置いて今日中に説得すればいいじゃないの。」
「それだと説得は出来ないと思うよ。言葉だけじゃあ彼女の心は曲げられない。
君だって走りを見ないで頭ごなしに否定されたら受け入れられないだろう?」「うっ、それは……そうね……。」
「だから、直接見てほしいんだ。それと明日まで無理に説得しないで欲しい。もし僕がスカウトしたせいで君達が喧嘩になったりしたら申し訳が立たない。」
「喧嘩になるほど詰め寄ったりはしねえよ!なぁスカーレット!」
「本当かなぁ、つい言いたくない事とかカッとなって言っちゃうことも絶対に無いと言えるかな?
あーまた鼻血が出てきた。」
鼻を掴んで大袈裟に血が出ている振りをする。多少は負い目に感じてくれれば話を飲んでくれそうだけどどうだろう。 - 415二次元好きの匿名さん21/12/13(月) 22:32:37
保守
- 416二次元好きの匿名さん21/12/14(火) 09:38:01
保守
- 417◆Gxt.9RpBHQ21/12/14(火) 19:17:00
「う、す、すまねえ……大丈夫か?カッとなって手を出しちまうなんて滅茶苦茶ダセえことした俺に信用なんてできねえよな……しかもヒト相手に……。」
思ったより気にしてる……!そこまで責めるつもりはなかったのにそうも凹まれると逆に罪悪感が湧いてきてしまった。
「いやいや、大丈夫だよほら血も気のせいだったし特に大きな怪我はないから。ちゃんと手加減はしてくれてた筈だよすぐに喋れたわけだしね。」
「何やってんのよアンタ達は……はぁ。分かったわよ、明日までレイに断らせようとしなければいいのね。」「え、いいのか?」
「アンタの言うことも間違ってないからね。あくまでも説得に関してだけど!」
「そうか、ありがとう!嬉しいよダイワスカーレット、ウオッカ!」
なんとか穏便に話を済ませられたな、レイファサージを交えて話し合えば逆に説得できる材料は揃っている。
このまま懐柔できれば……予想外の戦果に笑みが溢れる。
「ふふふ……。」
「……ねえ、笑ってるとこ悪いけど口から垂れてるわよ。」「うわあ、やっぱマズかったんだよ!保健室連れてかねえと。」「ん?」
口もとを指し示され手で拭うと血が垂れていたようだ。油断して飲み込み損なってしまったか……
保健室に連れて行こうとするウオッカに大したことないと断りを入れて一人で向かうことにする。
「それじゃあ、明日はよろしく、二人とも。話聞いてくれてありがとう、またね!」
「ちゃんと保健室いけよー!またな!」
「何で普通に打ち解けてる感じなのよ、アンタは……。首を洗って待ってなさいよ!」 - 418◆Gxt.9RpBHQ21/12/14(火) 23:43:12
さて、保健室で治療してもらったし今日は担当申請書を出せば必要なことは終わりかな。
それにしても保険医の先生からまた来たのかコイツみたいな目で見られたのは居心地が悪かった、転んだって言ったら呆れられたし。
……そういえばこの申請書ってどこに出せばいいんだっけ?理事長と秘書の方から渡されたけど呆然としてて忘れてしまった。
とりあえず理事長に会いに行けばいいか。 - 419二次元好きの匿名さん21/12/15(水) 10:46:41
保守
- 420◆Gxt.9RpBHQ21/12/15(水) 21:09:12
さて、理事長室に来たけど来客中だったりしないだろうか。アポも取ってないし不在の可能性もあるかと考えていると、扉の奥から声が聞こえてきた。
この快活な声と熟語の組み合わせからして間違いなく秋川理事長だろう。誰と話しているかは分からないけど、恐らく秘書のたづなさんもいるだろうしノックして見るか。
「はい、少々お待ち下さい。」
その返事から少し経つと、扉から緑の制服を来た女性が姿を現した。理事長秘書の早川たづなさんだ。
「お待たせしました、あら。新人トレーナーの妻寺さんですね。どのようなご要件ですか?」
「担当スカウトの件で申請書を持ってきました。もし来客中でしたら後日また参りますが……。」
中の人にも聞こえるように会話をする。中の会話は止まっているようで、こちらへ耳を傾けているようだ。
たづなさんの様子からして聞かれても問題ない人達がいるのだろう。
「ずいぶん早く見つかりましたね。良いパートナーであれば何よりですが……。」
そういってたづなさんが奥に目配せをすると、返事が帰ってきた。
「招聘!入ってもらって構わないぞ、たづな!」「かしこまりました。」 - 421二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 08:42:49
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- 422二次元好きの匿名さん21/12/16(木) 17:46:56
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- 423◆Gxt.9RpBHQ21/12/16(木) 19:06:23
「では、どうぞお入りください。理事長以外にも一人いらっしゃいますけど、気になさらないでくださいね。」
まさか一緒に通してもらうことになるとは、学園関係者であるのは間違いないだろうが誰なんだろうか。
「失礼いたします、新人の妻寺です……⁉ほ、本日は担当申請書の提出に参りまして、その、来客中に申し訳ないというか……。」
特徴的な鹿毛に大きな流星……それにこの風格は間違いない、シンボリルドルフ!
ここの生徒会長でもあるから理事長室に来ることもあるのだろうけど、なんで僕なんかを一緒に通させたんだ?
「無用ッ!こちらから招き入れたのだから心配はしなくて良い。ゆっくりと話を聞かせてくれたまえ!」
「私の事は気にしないでくれ、と言いたいところだが難しいだろうか。生徒会長のシンボリルドルフだ。
新たに契約を結ぶという二人に興味索然でね、すまないがここで聞かせてもらっても構わないかな?
なに、私の事は路傍の石とでも思って行雲流水に話し合ってくれ。」 - 424◆Gxt.9RpBHQ21/12/16(木) 23:20:25
こううん…?前に演説を聞いた時も難しい言葉を使っていたけど、普段からこういった喋り方なのかな。
「受領!担当申請書を見せてもらおう!」「あ、はい。どうぞ。」
「ふむふむ……ん?中等部の一年生なのか。名前はレイファサージ……聞き覚えがある気がするな!」
「ほう?レイファサージと仰りましたか?それはまた……。」
「強記!確か君は全生徒を覚えているのだったな!どのような生徒だったのか教えてくれないか?」
「そうですね、まず特筆するべきは飛び級制度の利用者ということでしょう。現在この制度の利用者は学園全体で2名のみですが、もう一人と比較しても幼いと言っても差し支えない年齢ですね。
人柄としては英明果敢というに相応しく、学科においては学年以上の知識を有しているようです。将来有望であることは間違いありませんが、時期尚早ではないかと……。」
「驚愕ッ⁉飛び級生とは随分特殊なウマ娘をスカウトしたようだな!むむむ……。」 - 425二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 10:28:05
保守
- 426二次元好きの匿名さん21/12/17(金) 21:44:53
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- 427◆Gxt.9RpBHQ21/12/18(土) 00:49:46
「質疑!なぜわざわざ特異なウマ娘を選んだのか!その理由と育成方針について答えてもらおうか!」
「理由の方は簡単です。彼女の走りを見て、優れたウマ娘であり僕の教えられる事と相性が良さそうだと思ったからですね。
模擬レースの内容から見ても展開を考えて走るタイプだと分かったので、力になれると思いました。」
「ほう!確か君はレース学に造詣が深いのだったな!教え甲斐のありそうなウマ娘だったというわけだな!」
【納得】と書いた二文字の入った扇子を広げて笑う理事長。さっき見たときと文字が変わっていないか……?
いや、そんなことよりも僕のことを知っていてくれたのか。理事長にとっては有象無象の新人トレーナーに過ぎないだろうに。
きっと僕だけでなく全員のトレーナーについて覚えているのだろうが、認められているように感じて嬉しさがこみ上げてくる。
「ではもう一つの方針について聞こうッ!こちらはどうなっている?」 - 428二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 12:09:25
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- 429二次元好きの匿名さん21/12/18(土) 22:23:05
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- 430◆Gxt.9RpBHQ21/12/19(日) 03:19:19
「方針については、厳しいスケジュールになりますが来年のクラシックレースに出場するつもりです。」
「来年のクラシックか!む?らいねん……来年とは何年後だたづな!」
「来年は一年後ですね、つまり今年中のデビューが必要になりますが……」「錯乱ッッ⁉正気か妻寺トレーナーよ⁉いや、まさか早熟で既に体が完成している可能性も……?」「有り得ません。」
「私の記憶では彼女はまだ120センチにも満たない体格です。今年からトゥインクルシリーズに出るのは些か以上に危険行為かと。
……勿論、そこのトレーナーも理解しているでしょう。知小謀大の輩で無いことを願いたいものだが……」 - 431二次元好きの匿名さん21/12/19(日) 14:32:23
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- 432◆Gxt.9RpBHQ21/12/19(日) 21:31:03
凄まじいプレッシャーが全身を突き刺す。
表面上は落ち着いているように見えるが、先程の二人に詰め寄られた時よりも数段怖いな……流石は7冠バ、いや生徒会長というべきか。
だがそれよりも恐ろしい気配を後ろから感じるのはなぜだろうか。こちらからは最早命の危機すら感じるが、一体ナニが存在しているのだろうか。
この部屋にいるのは4人だけだし、消去方からあの人だけしか残っていないが本当にヒトから出ているものなのか、これが?
確かめたい気持ちと恐怖がせめぎ合って体が動かない……
「鎮静!落ち着け二人とも!私も少し怖い!」
そう理事長が言うと恐ろしい気配が霧散していった。
緊張が解けて背中から冷や汗が吹き出てくる。
情けない事に助け舟を出されるまで口を開けなかった、こんな醜態ではレイファサージを安心されられないだろう。もっと強くならないと。 - 433二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 08:44:24
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- 434◆Gxt.9RpBHQ21/12/20(月) 18:09:51
「ぁ、ありがとうございます、理事長。
それで、今年デビューという判断に到った理由ですが、第一に模擬レースを見て可能だと感じました。
結果は3着と飛び抜けて優秀な数字ではありませんが、レース展開は殆どレイファサージが支配していました。アクシデントがあった為順位を落としてしまいましたが、それさえ防げればトゥインクルシリーズにも通用する能力があります。」
「彼女がそれだけ成長している事は大慶至極、だがアクシデントとは聞き捨てならないな。一体何が起きたのか説明してもらおうか。」
「ええ、簡単に言えばコーナーでの接触事故です。状況も合わせて説明させていただいてもよろしいですか?」「……ああ、よろしく頼む。」 - 435二次元好きの匿名さん21/12/20(月) 22:58:42
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- 436二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 10:35:04
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- 437◆Gxt.9RpBHQ21/12/21(火) 19:40:27
「……ふむ、成程。故意ではなく焦心苦慮の末での出来事というわけか……。」
「はい。事故とは言いましたが本レースであれば起こりうる範疇ですし、問題にするべきはレイファサージの体格の方でしょうね。」
レースの一部始終を話し終え、それぞれが紅茶などを飲み一息つく。長話のせいで出されたお茶は温くなってしまったけど、結構美味しいな。
「模擬レースを見た君の所見を聞いて、尚の事泥船渡河のように感じるな。
君自身、彼女の未成熟さを把握している上で何故、そんな軽慮浅謀にすら思われる計画を建てているのか……彼女の方に要因があるのかな?」 - 438二次元好きの匿名さん21/12/21(火) 23:15:33
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- 439二次元好きの匿名さん21/12/22(水) 11:03:14
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- 440◆Gxt.9RpBHQ21/12/22(水) 20:49:01
「要因……そうですね、2つ目の理由として、レイファサージの夢が来年のクラシックレースに出場しなければ間に合わなくなってしまったことです。
夢の内容を大まかに言えばあるウマ娘とダービーを走ることで、その相手が今年デビューしてしまった。」
「ダービー、か……確かに其処を目標とするウマ娘は多い。だが特定の相手と共に走るというのは一草一木に限られるだろう。特にデビュー前ともなると寡聞にして聞き覚えがないな。」
自分も聞いたことが無かったけど、あのシンボリルドルフでも無いのか。まあ本レースを走る前からそういう相手がいる事は殆ど無いのだろう。
「むむむむ……!疑問!良いだろうか妻寺トレーナー!」
「は、はい、大丈夫です。」
急に聞こえた溌溂とした声に驚いてしまった。シンボリルドルフの落ち着いた声に慣れてしまっていたからか。 - 441◆Gxt.9RpBHQ21/12/22(水) 21:52:54
「ダービーで走ることと件の相手と走ること、同時でなければ駄目なのだろうか⁉
既にデビューしてしまっているならばクラシックを待ってもらうことは出来ないが、シニア級ならば数年の猶予ができるのではないか?
ダービーについても本格化した後に走れば勝てる確率が高くなるだろう!」
「駄目とは言えませんね。というよりも殆どの人がそう考えるでしょうし、きっと今からでも、本気で説得すればレイファサージは受け入れると思います。」
「提言!ならば」「──しかし」
「そうした場合、彼女の心には傷が残るでしょう。
いつかは忘れるかもしれない。新しい目標を見つけてすぐに立ち上がれるかもしれない。
それでもここで折れたことは心の奥深くに決して消えない傷を刻み込んでしまうと思います。
その痛みを受け入れることが成長だと言う人もいるかもしれませんが…………」 - 442二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 08:49:19
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- 443二次元好きの匿名さん21/12/23(木) 18:23:37
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- 444◆Gxt.9RpBHQ21/12/23(木) 21:08:49
「僕はそうなったレイファサージよりも、夢を諦めないで走り続けた彼女のほうがより強く、魅力的なウマ娘に成長すると思っています。
肉体だけでなく精神的なものを含めれば、今年デビューすることがベストだと考えました。
……折れた彼女を見たくないという僕のエゴも入ってしまってるかもしれませんが。」
「ふ、む……」「むむむ……!」
二人とも考え込んでいるようだ。
URAの運営としては危険性や批判を考えると許可し難いのだろう、それでも僕達の夢の為になんとか通してもらわなければ……!
「少し、よろしいですか?妻寺さん。」
「たづなさん……?はい、お願いします。」
今まで静観していたたづなさんからの質問か、どんな内容だろうか。 - 445二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 08:29:05
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- 446二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 17:29:51
保守
- 447二次元好きの匿名さん21/12/24(金) 23:22:01
保守
- 448◆Gxt.9RpBHQ21/12/25(土) 10:40:45
「ありがとうございます。では最初に、怪我や故障についてはどのようにお考えですか?
成長していくと言っても、期限の短い目標に焦って体を壊してしまうかもしれません。
レースにしろ練習にしろ、急げば急ぐほど怪我のリスクは大きくなっていきます。もし重大な故障を起こして走れなくなってしまった場合はどうするのか。
……走れないということはウマ娘にとって、とても、とても辛い思いをさせてしまいます。」
人差し指を立てながら話し始めるたづなさん。
どこか悲痛さを感じさせる声が、重みを持って胸に沈み込んでいく。
「そしてもう一つ、レイファサージさんが走ることによってトゥインクルシリーズに批判が集まること。
恐らく普通に走るだけでも、はじめて見る人達には不安な印象を与えてしまうのではないでしょうか。もしレース中に事故が起きれば、間違いなく大問題になるでしょう。
URAもただではすみませんし、何より他の生徒にも大きな被害が及びます。」
二本目の指を建ててそう続ける。当然のことだが、そうなったら僕の首一つでは到底、収まる事態ではなくなるだろう。 - 449◆Gxt.9RpBHQ21/12/25(土) 21:26:46
「そして最後に、トゥインクルシリーズに出ることでの心の負担についてです。」
「心の負担、ですか?それは……」
どういう事なんだろうか?怪我の恐怖や敗北による焦り、だろうか。
「新人の妻寺さんが気がつくには難しいかもしれませんね。
トゥインクルシリーズは国民から大きな注目を集める興行です。勿論、出場ウマ娘達にも目が向きますね?」
「……あ、ああ!」
そういう事か!全く考えの外だったけど、とてつもなく重要な問題じゃないかこれは!
「G1出場ともすればマスコミからの取材依頼も来ますし、出場にあたっての事前会見は避けられません。
これは一般的なウマ娘での話ですが、レイファサージさんはそれ以上に注目されるでしょう。
これまでに無いことですから私達も想像でしか言えませんが、その走りが良いにしろ悪いにしろ好奇の目に晒される事は間違いないでしょう。」 - 450二次元好きの匿名さん21/12/25(土) 23:42:09
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- 451二次元好きの匿名さん21/12/26(日) 09:22:36
保守
- 452◆Gxt.9RpBHQ21/12/26(日) 10:35:11
「以上の3点について、どのように対処するかお聞かせください。」
「………………わかり、ました。」
「まずレイファサージの問題について、これまで夢について誰にも話さずに一人で抱え込み続けてきた上で、怪我をせずに自力で鍛えていたことから、精神力の強さと目的意識の高さを持っています。
彼女自身の強さと、僕のできる全てでレイファサージを支えます。絶対に怪我はさせません。」
「もう一つのURAへ与える不利益について、ですが……
レイファサージへ集まる注目を良い方向に変えることで、URAの利益にできる可能性があります。
故障なく走れれば、年齢的に他のウマ娘よりも長期間出場できるので、そこもアピールポイントになる、かと。」 - 453◆Gxt.9RpBHQ21/12/26(日) 16:43:16
「……すみません、僕が思いつけたのはこれだけです。」
詭弁でしかない。
デメリットを直接解決する方法ではないし、メリットも楽観的な予測で、例え良い成績を残せてもそうなるとは限らない。
長期間走ることについてもレイファサージにその気がなければ実現しない。彼女が嫌がれば無理矢理に走らせる気もさらさらない。
「滅茶苦茶な事を言っているのは分かっています。
怪我をさせないなんて言葉だけで信用できないのも、どうなっても多くの人に迷惑をかけてしまうことも。
それでも、どうか──」
「どうか!レイファサージを今走らせて頂けないでしょうか!
僕にできることなら何でもします!それでも全く力が足りないのも分かってます!何かあれば僕一人でどうにかできる問題じゃない事も!
だからどうか、僕達に力を貸してください!
到底返せるものではないですが、僕のことなら命でも何でもお渡ししますから!
お願いします!僕の為に、泥をかぶってもらえませんか!」 - 454二次元好きの匿名さん21/12/26(日) 21:40:46
このレスは削除されています
- 455二次元好きの匿名さん21/12/27(月) 00:01:38
このレスは削除されています
- 456◆Gxt.9RpBHQ21/12/27(月) 00:02:18
時計の音が妙なほど大きく耳に響き、心臓が痛いほどに脈を打っている。
あまりの情けなさに涙が出てきそうだ。
レイファサージを支えて見せると言っておいて、自分の力では何もできないこの体たらく。甘すぎる見通しに顔から火が出できそうになる。
「まさか、面と向かって泥をかぶってくれと言われるとは瞠目結舌だな。しかも年上の男性からなど曠前空後と言うしかない。」
呆れもしないといった様子で話すシンボリルドルフ。
その声に何か呆れ以外の感情が込められているように聞こえるのは願望だろうか。