- 1二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 06:49:34
少年「おい!急げよ!プリファイ始まっちまうだろ!」
少女「ごめんってば~。ケンちゃん朝強いよね。毎週こうして見るようになってから一回も寝坊してないでしょ。」
少年「当然だろ!俺たちが目指してるのはあのカワカミプリンセスだぜ?プリファイを毎週リアルタイムで見るくらいしねぇとな!」
日曜日の朝に少年の家に集まってプリファイを見るようになってから三年が経つ。部屋にはプリファイとカワカミプリンセスのDVDやブルーレイが棚にずらりと並べられていた。
少年「かぁーっ。やっぱりかっけぇぜプリファイは!」
少女「ゼッタイダメダーに追い詰められたときはどうなるかと思ったけど王子様との絆があんなふうになって逆転しちゃうなんてね~!」
少年はクローゼットに駆け寄り一着の洋服を取り出す。それは濃いピンクに菱形がついたドレス、カワカミプリンセスモチーフで作られたプリファイの公式グッズ。背中のファスナーを無視してスカート部分から勢い良く被りポーズを取る。
少年「華麗に!優雅に!勇ましく!」
少女「カッコいい~!空手やってるだけあるね~!私もやろ~っと。」
少女もクローゼットからピンクのドレスを取り出し勢い良く被りポーズを決める。
少女「華麗に!優雅に!勇ましく!」
少年「めっちゃカッコいいぜー!」
気づけば日がてっぺんまで登っていた。
少年「あ、やべ。そろそろ俺塾行かなきゃなんねぇんだ。」
少女「私も部活の朝練があるんだ~。じゃあ今日はここで解散だね。」
少年「…おう。忘れ物すんなよ、気をつけて行けよ。」
少女「うん。ありがとう~。」
少女がいなくなってから少年はドレスを脱ごうとする。しかし少しキツくてうまく脱げない。
少年「また身体大きくなったのかよ…」
ふと鏡に目をやるとピンクのドレスに似合わない男の体躯が映っている。似合わない─
少年「いや、プリンセスは心の持ちようだってカワカミプリンセスも言ってたんだ。俺だって似合わないなんて、姫になれないなんてことはない、ないんだ…」
少年は言い聞かせるように、かすれた声でプリファイのオープニングを口ずさみながらドレスを脱いで塾へと向かった。
みたいのが見たくなりました… - 2二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 06:53:36
日曜日、沈んでいく夕日を眺めているような寂寥感……
- 3二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 07:34:18
ウマ娘の生態全然知らない新参だから続きが書けない…!
しかしきっと己の目指す姫を見つけて進んでいけるんだろう日焼けした少年は… - 4二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 07:40:50
強くて綺麗でキラキラなお姫様への憧れは、強くなろうと思った切っ掛け、として折り合いを付けて成長していくのもアリだよね
- 5二次元好きの匿名さん21/10/19(火) 07:43:28
声変わり特有の掠れた声なんだろうなぁ
この少年の声は