【SS】寒暖の激しい季節に

  • 1二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 20:03:55

    トレセン学園は衣替えの季節だ。
    …だと言うのに。

    「ねー、今日あっつくない?」
    「マジそれなー。今日は夏服着てきてよかったぁ」
    その日の朝はそこそこ暑かった。
    衣替えとはいえ、あまりの暑さに無視して夏服を着てくる子は多かったし、流石に普段注意する風紀委員も今日ばかりは見逃して_

    「おはようございます、トレーナーさん…」
    『あ、バンブー。おは…うわぁっ!?』
    …そこには、注意はしないまでも冬服をばっちり着込んできた風紀委員長の姿があった。

    『だ、大丈夫か…?暑いんじゃ…みんなも半袖だぞ…?』
    「大丈夫っスー…ほら、みんなはともかくアタシは風紀委員っスし…」
    …その声にはいつもの覇気はない。
    とはいえ、今から着替えさせるのも現実的ではないだろう。授業ももうすぐ始まる。
    『なあ、ちょっとだけ購買に付き合ってくれるか?』
    「何か用事っスか?了解っスー…!」

    『えーと…あ、あった!』
    手に取ったのは棒アイス。
    『これ、食べよう!』
    「えっ…いいんスか!?じゃあありがたくいただきます!」

    彼女はアイスを頬張る。
    「つめたっ…!?」
    『大丈夫?』
    「大丈夫っス!…美味しいっス」
    『ならよかったよ。…少しでも、涼しくなればいいけど』
    「へへっ…お気遣いありがとうございます、トレーナーさん!」

  • 2二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 20:04:05

    …その日の夕方。
    「さっむー!朝あんなに暑かったのになんでさー!」
    「いやほんとそれな。夏服着てきたの後悔してきたかも…」
    その日の夕方にはそこそこ気温が下がってしまっており、寒さに震える生徒が多く出ていた。
    かく言う自分も…
    『もう一枚上着着てくればよかった…』
    「あ、トレーナーさん!お疲れ様っス!」
    『あ、バンブー。おつかれ!』
    彼女は寒さに震えるこちらをしげしげと眺める。
    「…トレーナーさん!これ、どうぞっス!」
    そうして彼女に差し出されたのは暖かいコーヒーだった。
    「朝のお返しっス!…今度は寒くなったんで、あったかいものをって思って!」
    『いいのか?ありがとう!…あつっ』
    熱い。だが暖かさが身に沁みる。
    「いやぁ…暑くなったり寒くなったり、大変っスね」
    『そうだな…早く安定するといいけど…まあ、今は仕方ないし…今日はいい日だったから、まあいいかなって』
    自分は、彼女にもらったコーヒーの湯気が立ち上るのを眺めながらそう返した。

  • 3二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 20:04:46

オススメ

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