- 1二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 20:34:16
日中との寒暖の差が広がり始めた秋の夜、私はトレーニングを終えた後、一緒にトレーナーさんと学食を食べ、約束していた夜の散歩のため外に出て行きます。
秋の夜空は、月が輝いていて、私の想像していた夜よりも明るく感じました。
優しく照らされている月夜を二人で見ながら、学園を歩いていく。昼間よりも少し肌寒いくらいの気温で、心地よい風が吹いていました。
その風に揺れる木々の葉の音を聞きながら、中庭を目指して行きます。葉っぱがカサカサと擦れる音は、どこか心が落ち着くと供に枯れ葉が風で散る様子はとても寂しげでした。
日中は賑やかな中庭も夜は静まり返っていて、遠くから聞こえるウマ娘達の笑い声や話し声が微かに聞こえてくる。
私たちはベンチに座って、コロコロコロ、コロ、コロと、時おり鳴いているコオロギの声に耳を傾けながら、満天の星空を見上げました。
リーン、リーンと今度は鈴虫の虫の声が鳴き、コオロギの独奏から二重奏へと変わります。
私は虫の声を集中して、聞くために目を閉じて耳を澄ませていると、リィリィリィ…………リィリィリィという音が聞こえてきました。
キリギリスでしょうか? それとも、他の虫なのでしょうか? とても綺麗な音色で、他の虫たちと混じりあい、三重奏となっています。
私は隣にいるトレーナーさんの方に目を向けると、彼もまた同じことをしているのか、私と同じように目を瞑っていました。
私は彼の肩に頭を乗せて、少しだけ虫の音を真似て鳴きました。
すると、彼は驚いたようにこちらを見て、微笑み返しました。
虫たちの演奏だけが響き、そのまましばらくそうしている私たちの様子を、月だけがそっと、静かに見守っていてくれるのでした。 - 2二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 20:36:09
キリギリスをギリギリスと誤字でした。すみません。先ほど指摘された方、ありがとうございます。
- 3前スレ222/10/13(木) 20:38:21
それはそれで面白かったし幻想的な雰囲気をむしろぶち壊してしまって申し訳ない…
透き通るようなお二人の掛け合いがとても心地良かったです - 4二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 20:45:10