泣き…?うえ、と?

  • 1二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 18:59:05

    【泣き上戸】
    お酒を飲み、酔うと泣いてしまう癖のこと。ストレス・感情を溜め込んでしまう人が、酔いによってそれらを表出することも…

    トレセン学園のトレーナーは、様々なトラブルにも対応する能力が求められる。
    担当ウマ娘のコンディションは勿論のこと、レース場の状態把握、時には担当外のウマ娘が引き起こす騒動への対処など、トレセン学園で起こるあらゆるトラブルに落ち着いて対応する能力が求められるのだ。
    …ということを、トレーナー免許を取り学園に所属した直後に聞かされたときは、何やら危険な現場に当てられたのかと、少々戸惑った記憶がある。
    しかしそれも過去の話、自分も担当ウマ娘に付いて多少は慣れたものだと思っていた。

    「グスッ…ヒンッ…トレーナぁー……っ」

    担当ウマ娘のトーセンジョーダンが、友人に支えられながら、真っ赤な顔で泣いてトレーナー室にくるまでは。

  • 2二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 19:00:27

    「ど、どうした?怪我したのか?」
    「うっ、うぅ……うわぁぁぁん!…」

    どう見ても普通ではない状態。ただ、足運びはもたついているが、引き摺っているようにも見えない。直近も爪の状態は悪くなかった筈だ。一体何が…

    「あのー、ジョーダンのトレーナーさん…ですよね?すみません!この子の友達のメジロパーマーです」

    メジロパーマー。名門メジロ家のウマ娘だが奔放で、ジョーダンともよく付き合いがあると聞いている。ギャル?友達らしいが、名家出身らしい気品のある振る舞いが見える。ジョーダンを支えながら挨拶をしてくれた。

    「その、今ジョーダン酔っちゃってるみたいで」
    「酔ってる?」

  • 3二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 19:01:25

    期待

  • 4二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 19:02:02

    まさか学園内で飲酒をしたと?いや、ジョーダンは誤解されやすい面もあったが、自分から規則やルールを破るような子ではない。

    「いや、お酒飲んだとかでは…あーいや、広義には飲んだと言えちゃうかも?いや、でもジョーダンは何も悪くなくてですね?」
    「パーマーさん、私から言いますって」

    そう声を上げたのはゴールドシチー。同じくジョーダンと仲が良く、度々ジョーダンの話でも聞いていたウマ娘だ。

    「その、パーマーさんが差し入れってことでお菓子をくれたんです。所謂、『ウイスキーボンボン』ですね」

  • 5二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 19:05:40

    ウイスキーボンボン…ウイスキー入りのチョコ菓子か。ただアルコール度数は控えめで、未成年が食することも確か、法的な問題は無かった筈だ。それをメジロパーマーからの差し入れで口にしたと…

    「メジロ家の中でも酔っ払う子とかいなくて…ごめんなさい。軽率でした…ジョーダン、2粒くらい口にしてから様子が変で…」

    申し訳なさそうに謝るメジロパーマー。彼女に悪意が無いことは疑うまでも無い。ただの事故だろう。

    「ジョーダン、急に黙ったと思ったら、そこから泣き出しちゃって…」
    「そんなことが…」
    「はい。…私やパーマーさん、ヘリオスさんにも『ゴメン…バカでゴメン…』って繰り返すばっかりで…それで、そのうち『トレーナー、ごめん…ごめん…』って…」

    ゴールドシチーが状況を話してくれた。ジョーダンは元々、嫌なことがあったら内に溜め込むタイプだ。酔った勢いでそれが表に出てしまったのだろうか。

  • 6二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 19:13:24

    「それで、私たちの、友だち間で起こったトラブルなんですけど、中々治らなくて…トレーナーさんといた方が何か、ジョーダンも助かるかなって」

    ゴールドシチーの説明で、ここにジョーダン達が来た理由は概ね理解できた。担当ウマ娘が己の名を呼んでいたのなら、断る理由などあるわけもない。

    「わかった、後はこちらで見よう。ここまでジョーダンを連れてきてくれてありがとう」

    泣く止む様子もないジョーダンの手を引いて、ゴールドシチー達の元から自分の方へ引き寄せた。

    「後は何とかするよ。みんなは、それぞれのトレーニングとかに戻って大丈夫だから」
    「は、はい。…よろしくです」

    ゴールドシチー・メジロパーマーからジョーダンを預かり、2人を見送った。


    「…パーマーさん見ました?ジョーダンのトレーナーさんの…」
    「ね〜…ジョーダンの手引いて、肩抱えて…そのまま私たちに『戻って大丈夫』ってさ〜」
    「ジョーダンが懐くわけですね…」

  • 7二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 19:23:52

    トレーナー室に小さいが冷蔵庫が置いてある。どの程度酔ってしまっているかは把握しきれていないが、備蓄してあるミネラルウォーターをゆっくり飲ませてみよう。
    ジョーダンを部屋のソファに腰掛けさせて、水を取りに行こうとしたが…

    「と、トレーナーっ!!ど、どこ行っちゃうの?やだぁ、行っちゃやだぁー…」
    「ま、待っててジョーダン。すぐ戻るから」

    少し側を離れた途端、ジョーダンは寂しそうに声を上げた。1本だけミネラルウォーターを手にして、すぐに彼女の側に戻る。

    「ごめんな、水、持ってきたからさ。ちょっと飲もうか」
    「うぅ…ゴメン、トレーナー…おおきい声出してゴメン…グスッ」

    これまで見た中でもかなり取り乱しているジョーダン。しかしチョコ菓子程度のアルコールでここまで…ウマ娘の毒物への耐性はヒトより強い筈だが、アルコール類は個人差があるのか…何にせよ、成人してもジョーダンにお酒は飲ませない方が良さそうだな、この調子では…。

  • 8二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 19:29:05

    「体の具合は悪くないか?気持ち悪かったりしない?」
    「うぅぅ…うん。だいじょーぶ…爪も大丈夫だし…」
    「毎日ケア頑張ってるもんな。えらいえらい」
    「うー…グスッ……うっ、うう、うわああぁん!!トレーナーが優しいよぉぉ!!ゴメン〜…」

    ああもう完全に酔っ払いだ…泣き上戸になってしまう人は、知り合いだといない気がする、なんて考えたりした。しばらくは話を聞きながら、落ち着くのを待つしかないな。

    「よしよし、謝らないで大丈夫だジョーダン。頑張ってるんだから、な?」
    「う、ううっ、あたし、バカだからっ…いろんな人にもバカって思われてるからぁっ。トレーナーのドーリョーさんにだって…ヒンッ…」
    「…?俺の、同僚?」

  • 9二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 19:33:15

    よくわからんけどジョーダンって真面目な感じするよな

  • 10二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 19:42:43

    付き合いのある同僚は何人かいるが、ジョーダンに直接そのようなことを言うような奴が…?心当たりは何も無いが、許せない話だ。

    「…誰かから、何か言われたのか?」
    「あ、あたしじゃ、なくって、トレーナーがぁ…」
    「俺が?」
    「『おまえ担当、バカ』ってぇ…言われてたじゃぁん!ウウッ…ゴメン、バカでゴメンなさいぃ」
    「担当、バカって…ああ」

    成る程そういう…最近、度々「担当バカ」であると言われるが、どこかでそういう会話を聞かれてしまったのだろう。
    何だか恥ずかしいことのような、ジョーダンが意味を知らなくてよかったような、しかし知らないせいで嫌な思いをさせてしまったのは申し訳ないような…

    「あれはジョーダンの事じゃなくてさ、俺がバカだって話をしてたんだよ」
    「トレーナーはぁ、バカじゃないもぉおおん」
    「それにさ、むしろ褒められてた話だから」
    「バカって言ってホメてるワケないしぃぃ!」

    それは、そうだね…と口から出てしまいそうだった。言葉の意味とは難しいものだなと…。

  • 11二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 20:00:14

    実際にバカじゃないですか(辛辣)

  • 12二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 20:01:23

    >>9

    能天気ではないからな

    自分の頭が悪いこともそんな自分と優秀なトレーナーが不釣り合いなことも気にしてるし改善しようとはしてるんだ、上手くいかないだけで

  • 13二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 20:01:46

    「グスッ…トレーナー頭いーのに、あたしバカなせいで、他の人からなんか言われてたら、ゴメンって…」
    「大丈夫だ。心配かけてしまったんだな」
    「ほ、ほんとならトレーナー、もっと頭いー子の担当の方がいいのにっ…あたし、みたいなバカじゃなくて」

    ジョーダンは真面目で繊細な子だ。それに、自分に自信がない。吹っ切れてバカな自分も受け入れていたが、やはり拭えないものもあったのだろう。

    「…ジョーダンを担当して後悔したことなんて一度も無いよ。俺が、好きで担当を続けてるんだよ」
    「……ほんと?」
    「本当だって」
    「…それならさ」

    そういうと、俺の横に座っていたジョーダンは、こちらに近付いてきた。肩を寄せ合う距離まで…そして、手を繋いで。
    …何だかこの距離感は、ちょっと、良くないような…。

  • 14二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 20:17:15

    「あたしバカだけど、でも…トレーナーいなくなんの、イヤだ…ずっと、一緒にいてよぉぉ…」

    これは、担当トレーナーとして、一緒にいて欲しいと、そう言っているのだろう。そうだ、こんな距離感なのはちょっとアレだけど。そういうことだ。
    …だからジョーダン、そんな潤んだ綺麗な目で見ないで。

    「…もちろんだ。離れたりしないさ。俺たちは『バカコンビ』なんだから」
    「…へへへぇ。トレーナーと、バカコンビとか、ウケるー……」
    「…ジョーダン?」
    「……スー…スー…」

    寝てしまったようだ。ガッチリ、手を繋いでくっ付いたまま。どうにも心臓に悪い場面もあったが、これでひと段落だろうか。
    …こんな状態、たづなさんにでも見つかったら大目玉だろうか。まあ、担当の実家挨拶に行ったり、プロポーズ同然のこと言ったり、一緒に無人島行ったりするような奴等もいるんだ。…これくらい、可愛いものだろう。

    ジョーダンが起きるまで、適当にレース映像でも見ておこう。しばらく、ここからは動けないから…。

  • 15二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 20:28:31

    …気づいたら、トレーナーにくっ付いてて、なんでか、手、つないでて…あれ?あたし、なんでこんなことに…

    …あー、そうだパーマーからお菓子もらって、そしたらなんか、頭グルグルして…やば。なんかトレーナーにもメーワクかけたっぽいな?
    でもなんでトレーナー、手つないでくれてんだろ…?

    ー俺たち『バカコンビ』なんだからー

    …!…ちょっと、思い出してきた、かも…ちょーハズいじゃん、あたし。
    でも…へへ…いいよね、バカコンビなんだから。…だから、もう少しだけ、このまま…。

  • 16二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 20:31:02

    終わり。ジョーダンは泣き上戸っぽいなぁ、酔ったついでにトレーナーとのイチャイチャが見たいなぁと思って書きました
    今夜からのうまゆる、ジョーダンの出番が楽しみなジョーダンスキーです

  • 17二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 20:31:50

    最高だった
    ありがとう

  • 18二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 20:32:19

    良いものを読みました
    ありがとう

  • 19二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 20:33:36
  • 20二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 21:59:12

    今日のうまゆるはまだジョーダン出番なかったか…

  • 21二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 23:54:03

    いつかバイバイするまで、とかなんとか言ってたけど色々あってトレーナーとずっと一緒にいてくれ…

  • 22二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 01:02:11

    >>12

    おバカなのを本人が一番気にしてるのよね…

  • 23二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 02:00:01

    ありがとう
    これで明日も頑張れるよ

  • 24二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 09:26:02

    ジョーダンに限らずギャル組はなんか皆お酒弱そうなイメージある
    シチーも結構ダメな感じの酔い方しそう

  • 25二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 17:47:01

    泣きそう ジョーダン
    寝てそう ヘリオス
    酒には強そう パーマー

  • 26二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 21:26:24

    >>25

    ヘリオス寝てそうなのわかる

    開幕にひとしきり騒いだあとにスヤァ…( ˘ω˘ )してそう

オススメ

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