私は闇のウマ娘SS書き【百合注意】

  • 1二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 20:19:34

    心がささくれ立っているので今からキング×フラワーSSを書きます

  • 2二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 20:20:15

    なにっ
    スカイの脳破壊

  • 3二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 20:21:59

    う 嘘やろっ こ、こんな事が こんな事が許されて良いのかっ
    まあスカイにはそういうシチュが似合うって言われたら否定できないんやけどな ブヘヘヘヘ

  • 4121/10/22(金) 20:52:40

    短距離やマイルのレースに出走するようになってからフラワーさんと練習する機会が多くなった。
    彼女の人となりはスカイさん経由で聞いたものばかりだったが、おおむね言っていた通りだったと思う。
    家庭的で、優しくて、女の子らしい女の子。
    スカイさんが惚れるのも納得できる話だ。
    ……まあ、本人は彼女への恋慕を隠し通せていると思っているようだが。

    ある日、フラワーさんがお弁当を作ってくれた。
    どうやらスカイさんにお弁当を作ってきたのだが、どこにも見当たらなかったらしい。
    捨てるのも忍びないので私に食べてほしいのだという。
    中身は魚料理が多かった。
    おいしいわ、と伝えると彼女はぱあっと笑顔の花を咲かせた。
    なんとも愛らしい少女だ。
    お弁当箱を洗ってから返そうとするとそのままで構わないと言われた。
    そして私の好物を尋ねてきた。
    明日からも作ってくれるそうだ。
    スカイさんをはじめ、いろんな人にお弁当を作っていることを聞いていた私は丁重に断ろうとした。
    「いつもトレーニングに付き合っていただいているお礼ですから……ひょっとしてご迷惑でしたか?」
    そう言うなり落ち込んでしまった彼女を見て、思わず卵焼きが好物だと伝えた。
    また、笑顔の花が咲いた。

    翌日、さっそくフラワーさんがお弁当を作ってくれた。
    出汁がきいていておいしい卵焼きだった。
    味わっていると、こっちのほうは甘い味付けですよと彼女が自分のお弁当箱を差し出してきた。
    一つとって食べると、柔らかな甘みが口の中に広がった。
    ずいぶんと抜けた表情をしていたらしく、今度から甘い味付けにしますねと微笑みながら言われた。
    気恥ずかしさを紛らわすために頬を熱くさせたまま話題を変える。
    「フラワーさんはすごいわね、私も教わりたいくらい」
    「じゃあ、今度教えましょうか?」

    この日以来、少しずつフラワーさんと過ごす時間が増えていった。

  • 5121/10/22(金) 21:21:00

    お世辞にも上手いとは言えない私の料理の腕はフラワーさんの指導でめきめき上達していった。
    時折フラワーさんとお弁当を作りあうようにもなった。
    何度か繰り返すうちに私はなにかお返しをしたいと思った。
    思案しながら街中を歩く。
    服、はさすがに高価すぎるだろうか。
    花も彼女のほうが詳しいだろうし……。
    などと考えていると、ある看板が目に入った。
    ガラス細工づくり体験教室。
    これならいい贈り物になるかもしれない。
    私は喜び勇んで店に飛び込んだ。

    結論から言うと作製は大失敗に終わった。
    花をかたどったつもりが、よれてグニャグニャになっていた。
    一応ヘアピンにしてもらったが、贈り物には適さないだろう。
    ため息をついていると後ろから声をかけられた。
    「キングさん?」
    フラワーさんの声だ!
    とっさにヘアピンを後ろ手に隠す。
    あら奇遇ねなどと世間話で誤魔化した。
    相変わらずかわいらしい笑顔だった。

    ふっとお母さまが作ったクリスマスケーキが脳裏によぎった。

    急に黙り込んでしまった私をフラワーさんが心配そうな顔で見つめている。
    「……これ、あなたにあげるわ。いらなかったら、そう言ってちょうだい」
    手作りのヘアピンを差し出す。
    フラワーさんはきょとんとした表情をしたが、すぐ笑顔になってそのヘアピンを髪につけた。
    「ありがとうございますキングさん!」
    彼女の笑顔はへっぽこな私まで照らしてくれているみたいで。
    胸の鼓動が早くなっていることにさえしばらく気がつかなかった。

  • 6121/10/22(金) 21:23:10

    ご飯食べてお風呂入ってきます

  • 7二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:23:35

    これは闇なんかじゃねえぞ!!!
    もっと声高に叫んでゆけ

  • 8二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:25:48

    もうこの時点でん"っ!!!(尊死
    ってなってる

  • 9二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:28:30

    >>4

    フラワーの作った卵焼き食べたくなってきた

  • 10121/10/22(金) 22:32:03

    日用品を買いにいつもの商店街ではなく、大きめのドラッグストアへ向かう。
    寮に入ってから妙に所帯じみた気がする……。
    なんてことを店頭の値引きされたティッシュペーパーを眺めながら思っていると。
    「誰か……!」
    店の裏手からか細い叫び声が聞こえた。
    コンクリの地面を蹴って声のする方向へ向かった。
    そこには大柄な男たちが誰かを取り囲んでいた。
    男たちの隙間からへっぽこなガラスの花が見えた。
    大きく息を吸う。
    「おーっほっほっほ!!!いったいなにをなさっているのかしら!?」
    天高く笑い声を響かせる。
    仰天した男たちがこちらをにらみつける。
    しかし、はっとして表情になるとすぐさまどこかへと走り去ってしまった。
    このままでは周りの客や住民、少なくともドラッグストアの店員が様子を見に来ると察したのだろう。
    まあ、逃げるあたりやましいことがあるのには違いないだろう。
    彼らの後を追うことはせず、囲まれていた少女に声をかける。
    「大丈夫フラワーさん?」
    彼女は小さな身体をさらに縮こませていた。
    いくらウマ娘とはいえ、大人数に囲まれて恐怖で動けなくなってしまったのだろうか。
    それとも、自分の力で他人を傷つけてはいけないと我慢したのだろうか。
    いずれにせよフラワーさんに先ほどの連中がつらい思いをさせたと思うと無性に腹が立ってきた。
    怒りを抑えつつ、できるだけ明るい声で話しかける。
    「怪我はなさそうね。助けを呼びたいときは『助けて』って叫ぶよりみんなが興味を覚えるような内容のほうが……」
    いきなりフラワーさんが胸に飛び込んできた。
    一瞬動転しかけたが、彼女が肩を震わせているのを感じてそっと抱きしめた。

    華奢な身体から名前の通り花のような香りがした。

  • 11121/10/22(金) 22:57:56

    ドラッグストア騒動から数日、不審者集団が逮捕されたというニュースが報道された日の夕方。
    私は空き教室に呼び出された。
    教室の中には夕陽に縁どられた小柄な後姿が見えた。
    「フラワーさん?」
    声をかけると彼女はゆっくりと振り向き微笑んだ。
    いつもの朗らかな表情ではなく、どこか愁いを帯びた笑みだった。
    「……キングさん、そのままでいいので聞いてください」
    「え、ええ……」
    なにかあったのだろうか。
    フラワーさんが一歩私へ歩み寄る。
    「私、スカイさんのことが好きなんです」
    「……!そう……そうなのね!」
    私は心の中で飛び跳ねて喜んだ。
    スカイさんの恋路がようやく叶うのだ。
    しかし、フラワーさんの表情は曇ったままだった。
    さらに彼女が一歩近づく。
    心なしかさっきより歩幅が小さい気がした。
    「でも、キングさん……私は」
    唇を震わせながら彼女は言った。


    「私はあなたのことも好きになってしまいました」


    氷で串刺しにされたような気分だった。
    呼吸が荒くなる。

    私は、親友の恋をぶち壊そうとしているのだ。

  • 12121/10/22(金) 23:22:36

    「ふ、フラワーさん……?」
    彼女のほうへ手を伸ばそうとする。
    「わかってます!こんなことはいけないって!」
    悲痛な叫びに思わず手を引っ込める。
    彼女の目からは涙があふれていた。
    「それでも……私の料理をおいしそうに食べてくれるあなたが。手作りのヘアピンをプレゼントしてくれたあなたが。毅然とした態度で私を助けてくれたあなたが、頭から離れないんです……!」
    フラワーさんが私の胸へすがるように顔をうずめる。
    「だから……お願いですから私のことを振ってください……!あなたとは付き合えないって、突き放してください……!」
    小さな身体を震わせながら彼女は懇願した。

    私が言うべきことははっきりしている。
    あなたとは付き合えない、スカイさんとの恋を応援するわ。
    でも、そんな言葉は私の口からは出なかった。

    本当に私が彼女を突き放したら、彼女は私をあきらめきれるだろうか。
    ひょっとしたらスカイさんと付き合えても、心がバラバラに引き裂かれてしまうのではないか。

    ……そんなものは言い訳で、ただ私自身がフラワーさんをスカイさんに渡したくないと思っただけなのか。

    自分でも判別しようのない思いのまま、私は彼女の細い肩に手を置いて自分の身体から離した。
    そして彼女の瞳を見つめて言った。


    「……私もあなたのことが好きよ、フラワーさん」


    だから一緒に壊れてしまいましょう。

  • 13121/10/22(金) 23:42:25

    「ん~♪フラワーのお弁当はいつもおいしいねえ」
    昼休み、カフェテリアでスカイさんがにこにことフラワーさんが作ったお弁当に舌鼓を打っている。
    「ふふっ、喜んでもらえてよかったです」
    フラワーさんが嬉しそうに微笑む。
    すでに食事を終えていた私はその様子を見ながら紅茶を一口飲んだ。
    「そういえばさ」
    スカイさんがお弁当箱を見ながら話す。
    「フラワー最近お弁当に卵焼き入れること多くなったよね、甘いやつ」
    カップを持つ手が震え、水面が波打つ。
    「は、はい……苦手でしたか?」
    「まさか!フラワーが作ってくれたものならなんでも大好きだよ!」
    そう言ってスカイさんはまたお弁当を食べ始めた。
    スカイさんからは死角になっているテーブルの陰で、フラワーさんと手をつないだ。
    彼女の手も震えていた。

    スカイさんを含め、私たちが付き合っていることは誰にも話していない。
    ……話すことができない、と言ったほうが正確だろうか。

    それでもこの秘密が暴かれる日がいつか来るだろう。
    あるいはずっと来ないのかもしれない。

    打ち明けて今までの関係をぶち壊すか。
    あるいは罪悪感に苛まれながら一生だまし続けるか。

    どちらがより罪深いのか。


    それがわかる日が来るまで、私は小さな共犯者の手を握り続けるのだろう。

  • 14121/10/22(金) 23:44:49

    いつもなら

    キングはそんなことしねえ~!
    フラワーはスカイを一途に想い続けるだろお~!
    スカイはフラワーに対してちゃんと心情を思い図ったうえでイケメンムーブするから~!
    安易にモブを悪役にすんじゃねえ~!

    みたいなブレーキがかかったと思うので、皆さんは心がささくれ立ったまま書き込みをしないようにしましょう
    お目汚し失礼しました

  • 15二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:54:02

    めっちゃすこだぁ

オススメ

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