- 1二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:12:36
ルドルフとシリウスが話し合ってる所を後ろからひっそり見てたら、いきなりシリウスから「お前はどう思う?」みたいな事を聞かれてその時だけは担当のルドルフに合わせるんだけど、後日シリウスに君の言い分も理解できるって一人の時に話し手からこれからどうするべきかを色々、話し合ってから妙にシリウスの距離が近づいて来て、ある日ルドルフから「最近、君はシリウスとどうにも仲が良いようだね。それ自体は大変結構なのだが、君が誰のモノなのか忘れていないか?」みたいなことを生徒会室で言われたその瞬間に、シリウスが部屋に入って来てトレーナーの方を一瞥するなり無言で手を掴んで、引っ張って行こうとした瞬間に背後から凄まじい殺気を放つルドルフとこっちも負けじと殺気を放つシリウスに取り合いされて〜
- 2二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:14:08
なるほど。
続けなさい。 - 3二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:14:45
全人類の夢と言えよう
さあ続けて? - 4二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:15:30
いいですね!
- 5二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:17:09
自分じゃ気付いて無いかもしれんがお前さんには才能がある
- 6◆gi2tzM.uxg21/10/22(金) 21:22:00
スレ主だけど、やれっかな〜時々SSは書いたりしてるけど、これ・・・やってみるか。
- 7二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:22:29
- 8二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:24:16
♂トレのままで良い。♀トレ版は貴殿が考えろ
- 9◆gi2tzM.uxg21/10/22(金) 21:25:44
- 10二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:30:25
これはシンボリ家のお婿さん
- 11二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 21:35:21
言い出しっぺの法則
- 12◆gi2tzM.uxg21/10/22(金) 22:16:23
※とても短い上に駄文です。
今日の残業も終わり、寮に戻っている最中どこからか話し声が聞こえた。普段なら特段興味も持たず、そのまま通り過ぎてしまうが何故か今日はどうにも気になってしまい、声の方向に歩いて行った。
どうやら、女性の声のようだ。遠いのか、よほど小さい声なのかまだ全然、聞こえない。この建物の角から聞こえるが・・・。
「・・・大勢の生徒を従えて度々、コースを占拠しているだろう。これには多くの批判が集まっている。君なりの主張があるのはわかるが、他の生徒の成長を阻害する理由にはならない。」
「じゃ、私が仕切るのをやめたとして、だ。アイツらの面倒はどう見るつもりだ?」
慌てて、建物の角に隠れる。どうやら、とんでも無い所にクビを突っ込んでしまったようだ。このまま回れ右で帰っても良いのだが、どうしても話しの内容が気になるためここでもう少し盗み聞きをする事にした。 - 13二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 22:17:55
ふむ、シリウスとルドルフでトレーナーの左右の手を引っ張りあって離さなかった方が勝ちというふうにすればいいのでは?
- 14◆gi2tzM.uxg21/10/22(金) 23:18:39
僕が担当しているシンボリルドルフが話している相手は、シリウスシンボリ。名前がルドルフに似ているが容姿はあまり似ておらず唯一、似ているところは男性よりも女性人気の方が高いと言うところであろうか。
そのため、暇な時にエゴサをしているとそれなりの確率で僕に対する批判的な書き込みが散見される。別に慣れたことなので、興味は無いがこれがルドルフの方に向かうと話しは変わってくる。
そんな事よりもルドルフたちはこんな夜更けに何を話し合っているのだろうか?女子が二人で夜遅くにする話しと言えば大概、恋愛絡みのもので和気藹々とした空気が流れているはずだがこの二人の間には、そんな空気は流れていなかった。
話しの大まかな内容は、次の通りである。
シリウスは、様々な都合で成長が遅れているウマ娘の面倒を一括で見るのでは無く、個人個人に合わせた育成プログラムを作って強くなって行くと言うもの。
一方のルドルフは、シリウスの意見に一部同調するもののそちらばかりに気を取られ、全体のバランスが崩れてしまっては本末転倒、そのため一括した育成を行うべきであると言う意見であった。
確かに両者の言い分は納得できる所がある。事実、此処でさえ親の事情や何やらで実力がありながら去っていく生徒は多い。正々堂々、自分の実力でぶつかり砕けるならまだ諦めもつくが、それ以外の理由で走ることが出来るのにも関わらず、去らねばならない悔しさは想像に難くない。
無論、トレセンは地方中央問わず奨学金制度があるため、それを利用し給付型奨学金の対象に選定されれば最低限『卒業』は出来る。
が、それには地方の遠征費や消耗品・・・靴や蹄鉄、勝負服などの実際に走る所の金は入っていない。『学費』のみしか出ていないのだ。そして、その学費以外の消耗品の金額がバカにならないほどの金額で、庶民には払い続けるのは難しい。そのため、ウマ娘が身内にいる家庭では、一族総出で金を出し合いなんとか通わせているのが現状である。それで活躍できれば言う事なしなのだが、そうは行かない。 - 15◆gi2tzM.uxg21/10/22(金) 23:56:21
何故なら、中央のトップ層の出自を調べれば、ほとんどが富裕層で締められている。中には、ネイチャやオグリ、スペの様な富裕層出身で無いにも関わらず、素晴らしい結果を残している者もいるがそれもほんの一握りで、多くのウマ娘は、メイクデビューすら出来ずにターフから去っていくのだ。そして、メイクデビューを制したとしても重く伸し掛かる多額の金に押しつぶされて身動きが取れなくなる。
おそらく、シリウスは懐事情がかなり厳しい生徒とトップ層との差を埋めるにはどうすれば良いのか、考えた結果がアレなのだろう。
確かにこれは、シリウスの言うことに一理あるだろう。事実、僕も訓練生時代は貧困どころか親がいなかったため、あの手この手で学校に通い、実力だけで伸し上がって来た経験があるから痛いほどに共感できる。が、しかし・・・
「おい、アンタ。コソコソ聞いてたんだろ?どっちが正しいか言ってみな。」
建物の陰に隠れていた僕の方を見ながら、シリウスが指を差す。このまま、逃げる訳に行かないので大人しく建物の陰から二人の方へ向かい歩き出す。
「トレーナー君・・・?君だったのか。」
ルドルフが驚きながら僕の方を見る。嘘だ、ルドルフは僕がいる事を知っている。僕が最初に二人を見た時に一瞬だけ、ルドルフの耳が後ろを向いていた。
なぜ、驚いた表情を見せるのか理解に苦しむがそんな事はどうでもいい。ルドルフの飄々とした態度は、いつも通りで慣れっこだ。こんな、わざと違うことを言うことも。
「ほぅ・・・ルドルフのトレーナーだったのか。それなら、答えはどうせ一緒なんだろ?」
「そうだね、学園の運営には広い視野が求められる。全てのことをバランスをとりながら進めないといけない。木を見て森を見ずになる事だけでは防がなければならないと思うよ。」
「なるほど、アンタも管理する側の意見ってワケだ。上から物を言われるのは、気に食わないが───────いいぜ次はアンタもろとも沈めてやるよ。そっちの堅物と一緒にな。」
と彼女は満足げに話し、その場を立ち去った。 - 16◆gi2tzM.uxg21/10/22(金) 23:56:33
「トレーナー君は、シリウスの言い分に全て賛成しているのか?」
ルドルフが、僕の横に着いてゆっくり歩き出した。僕もそれに合わせて静かに歩き出す。
「まさか・・・でも、一理あるとは思うよ。彼女の話し。」
「本当か?私には、少々子供じみた言い分にも聞こえるが。」
「けど、子供の言い分って結構正論な事もあるよ。」
そう言い切る前に僕の身体は左肩を中心に半回転していた。
「私が最も気にかけているのは、君の意見が私と同じかどうか・・・だ。それで、どうなんだ?トレーナー君。」
ルドルフは、僕の両肩をがっしり掴んで力を込める。それこそ、鎖骨がみぞれ状に砕けるんじゃ無いかと思うほどに。
そんなに、僕の頭の中がルドルフ一色では無いと不安なのだろうか?
「・・・僕の全ては、君のものだよ。全部、何もかも。」
「・・・そうか、それなら良かった。君と私は一心同体、手放すつもりは微塵もないよ。」
と言い終わると僕の肩から手を離しポケットから携帯を取り出し誰かにかける。大方、自分のところの寮長で急な予定が出来たから、外泊許可でも採るのだろう。電話一本で外泊許可など他の生徒には到底マネできない。いやはや・・・やはり彼女は、皇帝よりも暴君の名前の方が似合っているようだ。 - 17二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 23:58:42
- 18◆gi2tzM.uxg21/10/23(土) 00:32:57
翌日、今日はルドルフが会議で今日の練習は、久々の休み。最初は、色々遊ぼうと思っていたが、噂のシリウス率いる独立愚連隊を見物する事にし、占拠していると噂のターフに向かった。場所は道すがらで出会ったウマ娘に聞いて辿り着いた。
「・・・アレか。中々、元気が良さそうだね。」
視線の下には、まぁお世辞にもガラの良いとは言えないウマ娘が10人か・・・20人ほど屯していた。各々、柔軟をしたり走り込みをしたりと予想していたよりも活気がある。
そこで、僕は斜面に腰を下ろし、彼女たちの走りをじっくり観察することにした。熟成度にばらつきこそあるものの彼女たちの走りは中々悪くなかった。無論、トレーナーがついているウマ娘には劣る部分はあるものの、トレーナー無しでここまでの仕上がりな事は、正直に言うと驚きであった。
「おいッ!そこのアンタ!!何見てんだ!?」
その中の一人が僕の方を指差し、近くにいた二人のウマ娘と共に斜面を登りつつ此方に近づいて来る。
「いや、僕はシリウスシンボリに用事があって来ただけだよ。別に君たちを追い出したりとか文句を言いに来た訳じゃない。」
「本当か?・・・オメェ確か、シンボリルドルフのトレーナーだよな?」
三人組の一人のウマ娘が僕を睨みつけながら、襟首に手を伸ばす。どうやら、かなり血気盛んなご様子だ。普段は知らせてもらってないから、血の気が多くなっているのだろうか?
「確かにそうだけど、別にルドルフの指示で来たわけじゃない。」
「本当か?ウソクセェなぁ・・・。」 - 19◆gi2tzM.uxg21/10/23(土) 00:41:57
と言いながら彼女は僕の襟首に力を入れ直し、右手で握り拳を作る。流石にそれは不味い。ウマ娘にストレートを喰らわされた日には、顔が半分なくなる。比喩表現抜きに顔が無くなる。事実、過去に人間男子とウマ娘のボクサー同士で殴り合わせた特番の生中継で、ウマ娘のボクサーが放ったストレートが顔にヒットし、その男子ボクサーは顔が潰れてそのまま意識不明のまま死亡したと言う悲惨な出来事があったのだ。今、僕の目の前にいる彼女は、プロボクサーでは無いものの人間との出力差が大体5倍ほど差をつけて上回っているウマ娘に殴られて無事でいられる保証なんてどこにも無い。そして、ここで僕の顔が半分無くなるのは仕方ないとしてもその後に、烈火の如く暴れ回るルドルフを停める手段がどこにもない。下手したら、殺されるんじゃないのか?ルドルフに・・・
「おい、何やってんだ。」
声の方に視線を送るとそこには、シリウスシンボリが立っていた。
「シリウスさん・・・コイツが私たちのことをジロジロ見てくるモンですからイツものかと思って・・・」
「こいつは、そんなじゃ無い。そんなことよりもさっさと、練習に戻れ。来週、選考なんだろ?」
「分かりました、それでは・・・」
と言うと僕を地面に降ろし三人は、またターフに戻って行った。
「・・・ウチの連中が迷惑をかけた様だな。申し訳ない。」
「いや、別に問題ないよ。何もされてないから。」
着ているポロシャツの襟を直しながら首を鳴らす。
「ところで今日は何の用だ?前回のご高説の続きでもしてくれンのか?」
彼女は、手に持っていたスポーツ飲料のキャップを開けて気持ちよさそうに喉を鳴らしながら胃に送る。
「そんなつもりは無いけども、この前のキミの話しのより深い意見が聞きたい。」 - 20◆gi2tzM.uxg21/10/23(土) 00:48:01
思ったよりも長いぞこれ・・・今夜はここまで、明日に続きます。
- 21二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 00:48:55
たまらん……
- 22二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 08:49:17
おつ
頑張れ - 23二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 09:02:25
私は冴えないアラサー男ですがイケメン俺様系女の子にマウント取られたり命令されたり取り合われたり束縛されたり振り回されたり顎クイ壁ドンされたいですね
- 24二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 09:19:34
保守
- 25二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 09:21:05
力作の予感がするからお気に入りしました。期待してるぞスレ主
- 26◆gi2tzM.uxg21/10/23(土) 11:04:09
立話をするのもアレなので、近くにあったベンチに腰掛け詳しい話しを聞くことにした。
「単刀直入に聞くけど、シリウスの目的は何?」
「私の目的?ターフを占拠してる事か?」
話しを始めた瞬間に目つきが若干鋭くなる。そりゃそうだ、自分のやっている事が批判されそうになっているのだもの。でも、僕の聞きたいことを引き摺り出すには、そうするしかないシリウスには、申し訳ないと思っているのだが。
「そう、なんでやってるのか不思議に思ってさ。だって、トレーナーがついてない上に教官もいない。教師や生徒からの評判は悪く、模擬レースで走ってもそれらが足を引っ張ってどんなに好成績を残してもトレーナーがつくとも思えない。・・・やる意味ないよね。」
「あぁ・・・どう言う意味だ?」
予想通りの反応。さて、大事なのはここからだ。
「そのままの意味だよ。君の理想がどんなに高尚で、正しい物だとしてもその理想が、やっている事に追い付いてない。このままだと君はただの周囲に反りの合わすことの出来ない偏屈な夢想家として孤立することになる。」
「・・・」
シリウスは何も言わずに視線を逸らす。彼女自身も今のままでは不味いと言うことは重々承知しているのだろう。そして、それに対する回答が見つからない事も分かっているのだろう。
「だから、君が面倒を見ているチームのトレーナーを僕が務めると言うのはどうかな?」 - 27◆gi2tzM.uxg21/10/23(土) 11:16:11
「へぇ、アンタがアイツらのトレーナーを?皇帝のお気に入りのオモチャが一人で勝手にルドルフ以外のウマ娘の面倒を見て怒られないものかね?」
中々、手厳しいことを言う。事実、僕の周囲の評価は『皇帝のオモチャ』と言うもの。なんで、無名の新人がデヴュー前から期待されているシンボリルドルフのトレーナーになれた事に対する疑問と批判は今現在も続いている。正直に言うと僕にも理由は分からない。同じ視座に立つ者として気に入られ、トレーナーになったがルドルフの言う視座とは何なのであろうか。個人的には、時々ルドルフと話しや思考がズレている瞬間が時々あるので、案外僕はルドルフのトレーナーとしては、失格なのかも知れない。
「毎週、木曜日ルドルフは会議で数時間ほど空いていてね。この時間の中だけなら、何の問題もない。別に僕が面倒見ている事をルドルフに密告する人も居ないでしょ。」
「いいぜ、それならアンタがアイツらのトレーナーだ。大人が一人いる方が色々、楽そうだしな。」
その日から僕は、二股をかける事にした。多分、ルドルフにバレれば只では済まないだろう。が、それも自身に対する罪と罰なのだから仕方ないだろう。 - 28二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 11:40:39
はいお気に入りポチー
- 29二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 11:58:59
トレーナー君ひょっとしてルドルフの重さに気がついてないパティーン?
- 30◆gi2tzM.uxg21/10/23(土) 12:02:22
それから、最初の数週間は碌に言うことを聞いてくれなかったが、シリウスの助けもあって何とかトレーニングをする事ができた。まず、主な感想としては、全部が全部という訳ではないけども案外いい走りをする子も居ると言うことだ。
流石にG1でルドルフとバチバチにやり合えるかと聞かれると怪しいが、G2G3くらいなら問題なく走れる子が数人ほど居た。メンツの性格はドイツもコイツも気性難ばかりであると評判であったがぶっちゃけ言うとルドルフよりも性格は丸いため全然、気にならなかった。
世間では、ルドルフはとても賢くトレーナーの言うことを理解していて素直なウマ娘と言う評判で通っているが、実際にはルドルフはかなり頑固で、どんな事でも自分の思い通りならないと気に入らない様だが、そのボーダーラインを上手く引き分けているため、周囲からは気性難だなんて冗談にも思われていない。
が、どうにも彼女は僕周りの事で思い通りにならないと激しい憤りを感じるようだ。以前、僕が単独でテレビ番組で出た時に女優と仲良く話していたら、それがかなり気に入らなかった様で学園に帰ると正門前で耳を寝かせ、前掻きをしているルドルフが仁王立ちしていた。
この様にルドルフの方がかなり激しい気性をしているのだから不良で、斜に構えているくらいは可愛いものである。
さて、そんな事よりも来月の上旬に模擬レースを控えている子がいるからその最後の仕上げを考えねば。足の速さは問題なし、走るのは芝では無くダートだから、パワーを伸ばしておくべきかそれとも・・・
「・・・トレーナー君。どうかしたのか?少し上の空のようだが・・・」
生徒会室で、来客用のソファに腰掛けボーッと教本をペラペラと眺めながていた所を突然、声をかけられ現実に引き戻される。
「あっ、いやね・・・今後のトレーニングをどうしようかと思ってね。URAとアオハルを制したけど、これからも二人で走り続けるのだから・・・色々、準備しないといけないし・・・」
そう言うとルドルフは生徒会長席から立ち上がり、僕の方へ静かに歩いてくる。そのまま、僕の股座に膝を押し込んだ。
「そうか・・・だが最近、私と君だけの領域に誰かが紛れ込んでいる様だが・・・誰だろうな?」
そして、僕の耳元でルドルフはこの様に呟いた。 - 31二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 12:12:31
大作の予感
- 32◆gi2tzM.uxg21/10/23(土) 12:40:06
ルドルフが何かと手の掛かるウマ娘だと言うのは、初日で察していた。実際にそうだった。三年間一緒に走ってきて彼女の事を理解しているつもりだった。が、今日のルドルフは初めて見た。今までのルドルフとは全く違う。今までのは強いて言うなら、女の子特有の可愛い重さ。まだ、笑って流せて冗談話しで飲み会で話せるレベルであったが、今日のは違う。
何と言うべきか・・・肉食獣が、獲物を狩る時のソレだ。獲物の首に牙を添わせ、生殺与奪は自分次第と言わんばかりの冷たい態度、少しでも応対を誤れば容赦無く首元に牙を立てるだろう。
「そうだね───最近、ここ数週間。シリウスのチームの面倒を毎週木曜日だけ裏でこっそり見ている。」
そう言うとルドルフは、僕の耳元から離れ向かいのソファに腰掛けた。
「やっぱりそうだったか。素直に言うのは感心したよ、まぁ君が私に嘘を言うとは微塵も思っていはないのだが。」
最後の方で、言葉が冷たく鋭利になる。そりゃそうだ、僕はルドルフに対して大嘘をかましたのだから、怒って当然だ。頬を一回、引っ叩かれるので済むのならば喜んで叩かれよう。しかし、そんな簡単なことではこの話しは解決しない。自分の心身全てを捧げてなんとか怒りが収まるかどうかであろうか。
「君に嘘を言って平然としていられるほど僕は、図太い神経をしてないよ。」
「しかし、君は私のトレーナーであるにも関わらず、別のウマ娘の面倒を見ている。これはどう言うことだ?」
「この前の・・・君の言い分は最もだ。一部に重きを置いて全てがおざなりになるのは問題だと思う。だけど、それで一部の人が捨て置かれるのは、納得できない。だから、君のトレーナーとしてそれなりの評価もあり、時間もある僕が面倒を見れば良いと思ってさ」
「それ自体は、大変結構だがなぜ黙っていた?実際に言っていれば、問題なく許可したものを」 - 33◆gi2tzM.uxg21/10/23(土) 12:41:34
本当か?ルドルフが自分のいない所で、自分のトレーナーが別のウマ娘とイチャイチャするのを許すわけがない。何があろうとも。そのまま、お互いに押し黙っていたら、会長室のドアが開いた。
「ルドルフ?お前のトレーナーに用が・・・お、ここに居たのか。ちょっと来てくれ、ウチのチームのウマ娘がチームファストに喧嘩を売っちまってさ、話し合いでケリを付けたいから監督者として来てくれないか?」
と言いながらシリウスは僕の手を引っ張ってターフに向かおうとする。
「シリウス」
背中に氷柱が突き刺さる。ルドルフが激怒していることは、ルドルフを見ないでも明らかだ。
「あぁ?」
シリウスもそれに対して、殺気を放ちルドルフに対抗する。そして、シリウスは僕から手を離し指をパキポキ鳴らしルドルフに躙り寄る。今の僕にできることは、自分の身体を顧みずに間に入って仲裁することだけだろう。多分、大怪我は免れ得ないだろうが、自分に対する罪と罰なのだからしょうがない。と自分に言い聞かせながら、二人の間に自分の身体を滑り込ませた。
ー了ー - 34二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 12:46:17
- 35◆gi2tzM.uxg21/10/23(土) 12:48:02
以上でこの話しはおしまいです。もし好評であるのなら、別スレか何かで続きを書くかもしれません。それでは、皆さんの感想やご意見をお待ちしています。
- 36二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 12:50:24
自分の優秀さを自負して変に卑屈にならずルドルフを理解してるからアフターケアもしっかりできるトレーナー
シリウス愚連隊の面倒見るのも自分の理想への手助けになることを頭でわかってるけど欲望が理解を拒むルドルフ
うーん真っ二つで済めば御の字かな - 37二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 13:02:06
独占力マシマシルドルフちゅき
- 38二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 13:03:05
続き期待
- 39◆gi2tzM.uxg21/10/23(土) 13:42:15
このまま、続きを書くのもアリだと思いますが、皆さんの中でこのシチュで書いて欲しいって言う要望が有れば、それを書くのも良いかもしれないと思っているのですが、どうでしょうか?
- 40二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 15:07:31
個人的な意見としては「神のなさりたいように」と思います
- 41二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 15:17:14
…こんな場末の掲示板に載せるのではなくpixivなりもっと人目につくサイトにあげた方が良いのでは?ちょっと最高すぎてびっくりしちゃった…
- 42二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 15:22:02
続きも見たい、別シチュも見たい
心が二つある~ - 43二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 15:54:53
たまらん
- 44二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 17:11:44
欲しい
もっと欲しい - 45二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 21:13:56
あげ
- 46二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 01:06:29
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