- 1二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:00:16
ごべーーーん!!保守失敗してごべーーーん!!
もう一度!スレ立て許してくれねェがなァ!!おれもっどみんなのSSよみでぇんだよ!!!
前半でお題を出し合い、一レス(1000文字)以内で短文SSを書いていくスレだ。収まらなければはみ出ても良いよ。出てるお題に沿わなくても良いよ。ダイス振っても練習になると思うよ。
SSの練習、腕試しなんでもござれ。閲覧注意つけてないから直接のエロ・グロ・CPはなしな!
それらを書きたい場合はTelegraphを使ってくれたら良いよ。
>>5~>>35くらいまでは何かしらのSSのお題。扉絵お題を想像してくれると良いかもしれないな。でも何でも良いよ。
>>25からはお題を選んでだれでも自由にSSを書いていってくれ。お題に安価つけたり、名前欄使ったりしてどのお題かわかるようにしてくれるといいな。
また>>100まで続いたら>>101から>>110くらいまでまたお題募集しようと思う。保守がてらにお題出してくれるのも大歓迎!
- 2122/10/21(金) 21:00:53
・前スレ⤵︎
【SS】1レス内でSSを書いていくスレ|あにまん掲示板ここは前半でお題を出し合い、一レス(1000文字)以内で短文SSを投稿していくスレだよ。収まらなければはみ出ても良いよ。出てるお題に沿わなくても良いよ。ダイス振っても練習になると思うよ。SSの練習、腕…bbs.animanch.com・Telegraph⤵︎
TelegraphTelegra.ph is a minimalist publishing tool that allows you to create richly formatted posts and push them to the Web in just a click. Telegraph posts also get beautiful Instant View pages on Telegram.telegra.ph・Telegraph使い方のTelegraph【Special
thanks】
/匿名で長文を貼りたいお前に教える-09-03TelegraphTelegra.ph is a minimalist publishing tool that allows you to create richly formatted posts and push them to the Web in just a click. Telegraph posts also get beautiful Instant View pages on Telegram.telegra.ph - 3二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:01:10
立て乙
- 4122/10/21(金) 21:01:38
【前回出たお題 1】こちらから書いてももちろんOK!
1.シャンクスを巴投げする決意を固め、泣きながら実行するウタ
2.怪異にやたら強い剣士概念の話
3.海兵ロシナンテに命を救われた民間人の話
4.モモの助をかわいがっているオーロジャクソン号の見習い二人
5.モモの助と錦えもんの疑似父子がワノ国後も疑似父子する話
6.ウソップとサンジのお夜食バンザイ
7.スワロー島時代のハートの海賊団旗揚げ組のほのぼの
8.チョッパーとローがまじめに医者の話してるところ
9.ナミとロビンの何気ないが仲間の絆がわかる日常
10.海軍本部中将ガープの夢の話
11.21歳ウタと7歳ルフィのおねショタ
12.百獣海賊団の幹部飲み会でお互いの性癖暴露大会
13.ロシナンテが海軍に入隊した時のセンゴクの話
14.あるドレスローザ市民の回想
15.モブ視点から見たローやハートの海賊団員の話
16.四皇麦わらのルフィに恨みを募らせる少女
17.ウタがシャンクスとの日々を回想する話
18.兄弟(姉妹)ケンカするシャーロット家の人々
19.船出をテーマにした話
20.ぼったくりバーの昨日のお客様 - 5122/10/21(金) 21:02:14
【前回出たお題 2】
21.ヴィンスモーク兄弟の話
22.『愛してる』を言う話
23.いつもの姉貴と実は姉貴に激重感情抱えてるぺーたん
24.ミョスガルド聖とロシナンテの話
25.河松と日和が2人でカッパ巻き(日和の好物)食べる話
26.ユキヒョウになったローをかまいまくるハートの船員たち
27.キッドがキラーと音楽を聴く
28.フランキーとアイスバーグがサニー号を作る時の話
29.たしぎと子供たち
30.コビーとヘルメッポが切磋琢磨する話
31.CP9達の秘密
32.シャンクスを見かけたあるモブの話
33.怪異とスモーカー
何か抜けてたらごべん! - 6二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:02:34
2年間の修行する一味の話
- 7二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:03:14
ルフィとスモーカーの共闘
- 8二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:03:34
海兵時代のロシナンテを知る海兵の話
- 9二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:03:41
ロジャー海賊団の日常の話
- 10二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:04:14
- 11二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:04:24
クロッカスさんとラブーンの日常
- 12二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:04:43
ブルックの50年の話
- 13二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:04:48
海と誰か(誰でもいい)の話
- 14二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:05:09
ハートの海賊団と稀覯本、もしくはレアなコインの話
- 15二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:05:58
海軍本部食堂にて。今日のランチ
- 16二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:06:27
一味がみんなでご飯食べている時の一幕
- 17二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:06:41
第一回技名のカッコよさ選手権 in麦わらの一味男子一同
- 18二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:07:11
ノラの見てきたカルガラとノーランドの話
- 19二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:07:14
マキノがCP9だったら……
- 20二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:07:26
ブルックの伴奏に合わせて甲板でダンスする話
- 21二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:07:34
ドレークが星を見る話
- 22二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:07:49
さよならを伝える話
- 23二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:08:11
海軍の誰かが任務の報告書を書く話
- 24二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:08:12
センゴクさんがロシナンテの墓参りに行く話
- 25二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:08:25
- 26二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:09:07
夢の中に死者が出てくる話(ただの幻でも本人でもOK)
- 27二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:09:13
モモがもう一回サンジに名乗りを褒めてもらう話
- 28122/10/21(金) 21:09:32
安価間違えてる……35までお題募集してるよ!
泣いてる人に寄り添う仲間の話 - 29二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:10:11
ブルックの歌に勇気付けられたファンの話
- 30二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:10:21
おでんと白ひげ、あの世で酒を酌み交わす
- 31二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:10:26
シャンクスとバギーの思い出話
- 32二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:11:40
お姫様たちのお話
- 33二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:11:47
あの世からルフィを見守ってるエースの話
- 34二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:12:45
No.2から我らが船長へ
- 35二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:12:45
- 36二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:13:09
怪異に付かれやすい旧三大将とそれを祓うセンゴクさんの話
- 37二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 21:15:02
以上かな!
みなさんお題たくさんありがとう!ここからは自由にss書いていってくれ。練習場所になれば嬉しいからお気軽に!【閲覧注意】はつけてないのでエログロCPはTelegraphを使ってね!
追加お題も思いついたら是非どうぞ! - 38二次元好きの匿名さん22/10/21(金) 22:17:28
立て乙です。落ちて残念だったからありがとう。
サニー号展望台の屋根に腰掛けてゾロは一献の酒を傾けた。
夜風は涼しく、秋島が近いのだろう。その所為もあるのか澄み渡った空には鏡のように丸く白い月が上っていた。他に明かりも不要なほどに美しい。ワノ国で買い込んだ米の酒を杯に注ぐ。さらさらと水の如しそれは、汚染が進む前、美しかったワノ国の水で造られたものだという。飲んでみればそれは、故郷で大人達が飲んでいた懐かしい味がした。
シモツキ村。
ワノ国の酒の味と共に自然と思い出された。ワノ国によく似た故郷の村だ。師匠と友人たち、そして、生涯勝つことのできない、幼いまま時の止まった親友が眠る村。
今日ばかりは良いかもしれない。
昔を懐かしむいとまなど自分に許しては来なかったが、今日はなんとなくそういう気分だった。
葡萄酒とも麦酒とも蒸留酒ともちがう喉を焼く端麗で華やかな酒に舌鼓を打ちながらゾロはゆっくりと空を見上げた。空島よりも遠い場所にいる人を思う。
ワノ国の戦いを経て、より強くなったが、まだ足りない。
白鞘の名刀をわずかに抜いて、キンとならす。約束を忘れていないことの戒めに。
まだ、親友のいる場所へ名は届いていないだろう。
- 39二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 04:19:45
保守しておくね
- 40二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 10:33:38
「じじい」
呼ばれて振り返れば、気まずそうな顔をした青年が一人立っていた。思わず足がすくむ。
エース。
そう呼ぶべきだろうが、喉が引き攣ったように動かなかった。なぜ、どうして、疑問と詰問が相まった思いで胸が塞ぐ。結局残るのは肌身に慣れた悲しみと寂しさだ。
「…何か言えよ」
目を逸らしながら口を尖らせるエースに近づく。自分の体躯を考えると小さいと言っていい体だった。
握り締めてばかりだった拳を解いて、彼の頬を挟んだ。彼の姿は覚えている時のまま、二十才の青年だ。もう二度と成長することのない姿のままだ。
「じじい?」
不満そうに睨みあげる顔は、幼い頃から変わっていない。いつでもそうやって自分を睨んでいた。乱暴な自分は憎まれていただろうか、恨まれていただろうか。答えを聞くことはもうできない。
徐々に気まずさと羞恥で視線は下がる。けれど、振り払ってまで離れることはなかった。それがどれだけ嬉しいか、きっと彼はわかるまい。
「…おまえ…」
痛かっただろう。怖くはなかったか。
熱かっただろう。悲しくはなかったか。
悔しかっただろう。恨みに思わなかったか。
死に顔は、穏やかだったのだろうか。
身勝手に聞いてしまいたいことが渦を巻く。
「文句があるなら聞くよ、アンタにはその権利がある」
不貞腐れた顔は不安だからだと知っている。
「わしが代わってやりたかった…」
ついに溢れた言葉にエースが目を見開いてガープを見上げた。
「……おまえの運命も、痛みも、悲しみも、わしが代わってやれれば、どれほど…」
「じじい…!?」
そんなことを言われると思わなかったのか。自分が恨み言を言うと思ったのか。
両の手に収まる孫を抱き寄せて、ガープはその薄い背をあやすように叩いた。小さな赤子を寝かしつけたわずかな日々を思い出す。たった20年も守り切ることの出来なかった愛する家族は、ぎょっとしたあとに恐る恐るガープの背に腕を回した。
「すまねェ、じいちゃん……。でも、後悔はねェんだ」
「生きてさえいてくれれば良かった…。本当じゃ…」
「うん…、あんたはおれをはじめっから愛してくれていたんだな…、ありがとう」
炎のように温かな温もりは風に吹き消されたように消える。
夢は終わった。
- 41二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 17:18:45
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 42二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 17:24:22
夢でくらいエースとガープが逢えていればいいなぁ。ガープってエースの最後の顔も、墓参りにも行けないからなんか辛い。
- 43二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 22:25:09
桜の綺麗な春島だった。
島について一番に冒険に飛び出したルフィが森を抜けた先の丘で見つけた一本の大きな桜の木。
それを見つけた興奮のままに船へと帰ってきたルフィがここで宴をしようと言い出したのはほぼ必然のようなものだった。
宴も終盤になってきた頃すっとブルックがバイオリンを手にとって立ち上がった。
突然の動きにみんなの視線を集めながらもスタスタと桜の木に向かって歩き一際太い枝にトンっと飛び上がって絶妙なバランスを保って立つ。
そのままブルックはその骨の肩口にバイオリンをおき弓を当てて音を紡ぎ始めた。
ウィンナワルツ『春の声』春の喜びを歌ったワルツの定番曲。
曲が始まって数小節。また一つ立ち上がる影があった。その人影ーーサンジはすぐ隣のレディの前でお辞儀をする。
隣のレディーーロビンは驚きというよりは少々躊躇いの表情だった。「本当に?」とでも言いたげな表情を浮かべるロビンにサンジは柔らかく微笑んで答えた。
ロビンはまた少し躊躇った後そっと右手を差し出した。その手をとっていつものようにデレっとしかけたサンジにロビンが一言二言何かを告げる。
サンジはそれに頭を軽く振り顔を引き締め手を引いて桜の木の下へと歩みを進めた。
そして二人は軽やかにステップを踏み始める。月と舞い散る桜のコントラストの下くるりくるりと回る二人とその奥で穏やかに音を奏でる骸骨。その光景はさながら一枚の絵画のようだった。
曲が終わった途端わいわいと三人に駆け寄るウソップたちにブルックとサンジはロビンよりも先に言葉を発した。
「ヨホホホホホ今の曲は春の曲なんですよ。この素晴らしい桜の木を眺めていたら一曲弾きたくなってしまいました。」
「昔店に来た年上のレディにダンスを教えてもらったことがあってな。懐かしくてどうしても踊りたくなってロビンちゃんにお付き合い頂いたんだよ。」
そう二人がぽんぽんと素早く答える。口を開きかけたロビンは少しだけ目を見開いたあとそっと微笑んだ。
そう、今ナミからの質問攻めににこやかに答える麗しい黒髪のレディがぽろっと溢れるように教えてくれた春とワルツの美しくも少し悲しい思い出。席が近いお陰でたまたま聞くことができたブルックとサンジはまだ少しそれを秘密のままにしておきたかった。
いつかまた彼女が誰かにその思い出を話すこともあるだろう。でも今日だけは3人だけの秘密のままで。
- 44二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 22:28:22
- 45二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 02:26:14
桜の木の下で踊るロビンちゃんとサンジと音楽奏でるブルックサイコーに綺麗ですね!!
ロビンちゃんの心もおもんぱかる騎士道に溢れた二人最高にかっこいい。
月の下の桜舞い散る中っていうシチュエーションも美しくて、きっと夢のように綺麗なんだろうなって想像します。この三人しっぽり淑やかでいいなー!
- 46二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 07:26:21
長い長い日々でした。
毎夜のように、都合の良い夢をみては現実に打ちのめされる。波間に小さな鯨の頭を見て、耳に彼らの歌声を聞いて、その全てが幻だと突きつけられるあまりにも生々しい現実。
夢というのはシロップの海のようなもの。溺れて死んでしまえばどれほど幸せだったかわかりません。夢と現実の境がわからなくなった年も、きっとあったでしょう。──その頃のことはあまり覚えていないのですけれど。五十年の内、本当はほんの少しだけ記憶が曖昧な時期があります。心が死んでいたのかもしれません。
けれど、死んで骨だけで蘇って、たった一つのチャンスをふいにできるはずもない。男が一度、必ず帰ると言ったのだから。
ヨーキ船長の、仲間達の思いを背負って約束を果たしに行かなければならないのですから!
船室に刻んだ月日の傷跡。骨になっても誰が誰だかわかるように印をつけた仲間達。
調律を欠かさないピアノ。バイオリオン。チェロ、コントラバス。時折静かにかき鳴らしては、苦く笑ったものでした。
楽器で心は偽れません。
さみしいと、辛いと、死にたいと。心の内が素直に響いてしまう楽器をいつしか楽器を保つ最低限しか弾かなくなりました。五十年でずいぶんと腕は落ちたかもしれません。
でも今は違う。
五十年の夜を越え、私は太陽と出会いました。
ねえラブーン。
あなたに会える日はきっと近い。
- 47二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 10:30:07
支援
- 48二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 17:02:20
ちょうどスリラーバーク編無料公開で見直してたから懐かしい。やっぱりブルックの過去編は泣けるんだよな。
- 49二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 00:42:59
保守
- 50二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 08:23:49
保守ついでにお題
ハートの海賊団の日常 - 51二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 17:09:43
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 52ノベロー設定借りました22/10/24(月) 20:55:54
「え、今日街にいかないの?」
「おう、一週間くらい港に行ってくる」
ベポが途端に不安そうな顔をする。そのふわふわとした頭を撫でて、シャチとペンギンは苦笑した。シャチが少しかがんでベポに尋ねる。
「ベポも来るか? ベポなら大丈夫だと思う」
「えっ、行ってもいいの?」
「朝早くなるけど起きれるか?」
「うん! でも港で何するの?」
「港が凍っちゃったから、今からは素潜り漁解禁なんだ。かきいれ時だし、今後外の島からあんまり食料が入ってこなくなるから、自分たちで食いぶち稼がねェと! 久しぶりだけど頑張るぜ」
ペンギンの解説に、ベポは不思議そうな顔をする。ベポにとっては初めてのスワローの冬である。
「そうなんだ……」
「お前の故郷だとそんなことなかった?」
「うん、ゾウの海はすごい下にあるから」
「下?」
ベポに頷かれて二人は首をかしげる。その意味を知るのはもっと先の話だった。ローに一言告げると、見に行くと行って聞かず結局四人で港に足を運んだ。
流氷で凍り付いた港には掘っ立て小屋がいくつか出来ている。集まっているのは女や子供、港が凍っている間に出稼ぎに出ない人間たちだ。二人が顔をだすと皆がわっと集まってくる。
「シャチ! ペンギン、お前ら来てくれたら百人力だ! うちの組に来てくれよ」
「まっかせとけ!」
「この子と熊の子は?」
「見学。あったかいとこに居させてやってよ!」
二人は早々に服を着替えると臆すること無くあっというまに氷の隙間から海に滑り込んでいく。ぎょっとするローを横目に少し離れた沖でわっと声が上がった。
「おれが一番!」
ペンギンの槍の先にはねているのは大きな魚だった。
「おれ二番だけど二匹とったァ!」
シャチの腕には二匹の魚がピクリともせずに抱えられている。先ほど港から飛び込んで、人の泳力でたどり着ける距離なのだろうか。困惑していると、恰幅の良い女性がローとベポに微笑みかけた。
「ありがとね、医者ンとこの坊主。あの子達がまた海に入れるようになるなんて思わなかったよ」
「おれは別に」
「ははっ。見ておいで、あの子たちは本当に海を飛ぶように泳ぐんだ」
ローは頷きベポを抱え直して沖に目を向けた。さらに魚を抱えた二人が楽しげにこちらに手を振る。ベポが体ごと手をふり、ローもまた小さく手を振った。
スワローの冬はこれからが本番だった。
- 53二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 21:15:37
最新話でスワローの文化が気になりすぎて書いてしまった。スワロー島の風習というか北の海の文化どんなんなんだろう。
- 54二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 05:37:39
つる中将の艦と別れてマリージョア海軍本部へ戻る。今はG-1支部となったかつての海軍本部跡地は、その一角に共同墓地があった。正義に殉じた海兵達の魂の眠る古くからの墓地がいつからあるのか、センゴクは知らない。センゴクが入隊する頃にはもう古びていたので旧本部の設立と同時に作られたのだろうと考えていた。
最寄りの酒保では墓地のための花束がいつも売っており、それは近年で売り上げを伸ばしている。そこでいつものように花束を買い求めて、センゴクは久しぶりに息子同然の男の墓を訪れた。花の絶えない墓地の中、ドンキホーテ・ロシナンテ准将と刻まれた墓石の前に立つ。
(最近はなかなか来れなくて済まないなロシナンテ)
墓石の大きさに比べ、小さな識別タグだけが収められた墓だ。北の海からここまで遺体を腐らせずに持ち帰る技術は無く、ロシナンテの体はは海兵として海に還っていった。不思議と満ち足りた顔だったと、沈痛な面持ちのつるに告げられたのが唯一の救いだったが、理由がわからなかった。
けれど、彼と会ってその理由がようやくすとんと腑に落ちた。
嗚呼、おれのばか息子は己の正義を貫いたのだ。
それが分かった時、どれほど嬉しかったことか。
どれほど会いたかったことか。
どれほど褒めてやりたかったことか。
死者にはどれも叶わぬことで、足は自然と彼の墓に向かっていた。
墓石を軽く掃除して花を手向ける。
(ロシナンテ、お前の愛した子どもに会ったよ。海賊なんかになっていたが……、まァいいさ。怪我はひどかったが、どこかすっきりとした顔をしていた。やり遂げた男の顔をしていた)
次の手配書の写真はすこし面立ちが変わっていることだろう。金額がつり上がっているのは少し頭が痛いが、仕方あるまい。
(よくやったな、ロシナンテ。お前の手で、一人の子どもの命と心を救った……そう簡単にできることではない。お前にしかできなかったことだ。よくやったな……)
センゴクはしばらく瞑目し、息を吐いて踵を返した。半隠居とて仕事はまだ山のように残っている。
胸にはひゅうひゅうと彼の形のさみしさが空いている。二度と埋まらぬ穴だ。それでも、少しだけさみしさが埋まったような心地がしていた。
- 55二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 14:31:53
このレスは削除されています
- 56二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 20:41:47
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 57二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 03:30:16
またまた保守
- 58二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 03:37:30
おぎゃあおぎゃあと赤ん坊が泣く。ぎょっとしたのはその子を抱えていた赤髪の少年だ。となりでのぞき込んでいた赤鼻の少年はぎょっとしてのけぞる。
「あら、眠いのかしら。赤太郎くん少し揺すったら寝てくれるわ」
「えっ、えっこんなに泣いてるぜ!?」
「大丈夫大丈夫。寝床を準備してくる間だけよ」
「おっ、おれも手伝うぜおトキさん!」
「バギー!」
おトキは優雅に笑いながら船室に駆け込んでいく。ついていくバギーは泣いている赤ん坊から逃げたに違いない。
「えええ……、泣くなよ日和ぃ…」
赤ん坊は声も枯れよと泣いているので、シャンクスまで泣きそうだ。
「シャンクス、子守歌でも歌ってやれよ」
「子守歌ァ!? そんなん知らねェよォ!」
アドバイスしたクルーは口だけだして手伝う気はさらさら無いどころか、シャンクスが右往左往しているのを面白がっている節がある。
「えーっ、どうしよう、顔真っ赤だよ」
シャンクスはうろうろと日和をぎこちなく抱いたまま固まっている。立ち上がると落としそうで甲板から立ち上がれもしなかった。
顔をしかめながらぎこちなく腕を揺らす。おでんやおトキがしているのを思い出している。
「あとは子守歌だよ子守歌。泣いてる子にはそれが一番だ」
「…おーやすみ、あかちゃーん、いいこーでねー」
「ぎゃはははは、下手くそォ」
「うるせェ!……くっそォ、日和ぃ…泣くなよォ」
調子っ外れの子守歌に見守っていたクルーがけらけらと笑う。シャンクスの泣きごとに、ふと赤ん坊の泣き声が小さくなる。
「おっ!」
「眠くなっただけだろ」
「おれの子守歌のおかげだろ!?」
「絶対違うね」
ふえ、ふえ、とわずかな泣き声になってきた赤ん坊は、すうっと目を閉じて眠る。腕の中で眠る赤ん坊にシャンクスは目を輝かせ、ほっと息を吐いた。おトキがへとへとのシャンクスから日和を受け取って笑う。
「ありがとう、助かったわ」
「お母さんって大変だなァ……」
しみじみと呟くまだ幼子の枠を出ない少年に呟かれたおトキは朗らかな笑い声を立てる。
確かにあったオーロジャクソンの日々の一幕はいまはもう遠い過去の中。
- 59二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 11:56:53
保守
- 60二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 21:09:15
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 61二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 05:32:56
保守
- 62二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 11:56:52
保守
- 63二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 17:10:44
保守
- 64二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 17:24:57
- 65二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 18:20:53
感想ありがとう〜!!二つとも書いたので感想もらえて嬉しいー!!!ちょっと心折れかけてたけど頑張るねー!
- 66二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 18:38:38
二年前、ラブーンの頭につたない海賊旗が描かれてからクロッカスはそれまでよりもずっと落ち着いた生活を送っていた。麦わらの一味を追いかけるようにやってきたかつての見習い小僧を初めとして、リヴァースマウンテンを越えてくる東西南北の海賊船を見送り、時に沈め、時に激励する日々をラブーンと共に暮らす。
ラブーンの中に入り、治療をしなくて済むようになった分どこか心穏やかだった。彼がレッドラインを突き崩そうとすることはもう無い。
「ヨホホホ~ヨ~ホホ~ホ~」
波の落ち着いた夜に、クロッカスは何十年かぶりに彼らの歌を口遊ぶ。クロッカスにとってはこの歌はいつまでもあの気の良い海賊団の歌だ。長身のアフロの音楽家を筆頭にした音楽団がかき鳴らす伴奏と、船長たちが賑やかに歌う海賊の唄。
けれど海賊王の船を下りる間際に彼らの敗走を知ってから、歌う度に胸が塞ぐ唄になっていた。
今はちがう。麦わらの一味に出会ってから少しづつクロッカスの痛みも薄れていった。
口ずさむと、ラブーンの大きな目がきょとんとクロッカスを見下ろす。
「覚えているか──なんて、愚問か。お前の一番好きな唄だ」
ブオオとラブーンが応じる。その声が弾んでいる。一緒に歌ってあの唄を! なんて聞こえるようだった。全く、これほどに唄が好きなアイランドクジラなんてラブーンの他にいるものか。
「ビンクスの酒を──」
クロッカスが口遊む。
それに合わせて巨大なクジラが楽しげに声を上げる。人とクジラのデュエットが、双子岬の日常になるのもそう遠くは無い話だった。
偉大なる航路、新世界。いつもの唄を弾いていたブルックはふとバイオリンの手を止めて空を見上げた。
「…不思議ですね。お前の声が聞こえたような気がした…ラブーン」
ブルックはそう呟くと、もう一度弓を上げて愛すべき唄をかき鳴らす。二人の距離は、もう世界の半分もない。
- 67二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 20:38:27
>>4 7スワロー島時代のハートの海賊団旗揚げ組のほのぼの
「なあ、シャチは美容院で働いてんだよな」
ローが唐突にそんなことを言う。シャチは目をぱちくりとさせながら、頷く。
「突然どうしたんだ?何か店に用か?」
そう聞くと、ローは「あー、いや」と言葉を濁す。
シャチがなおも首をかしげていると、ローが何か言おうとするが、口を閉じる。また何か言おうとして…とそれを繰り返した。その様子をシャチが黙って見ていると、ぶっきらぼうに言った。
「…俺の髪、切ってくれよ。最近鬱陶しいんだ」
それを聞いて、シャチはぽかんとした。
「…俺が?」
「ああ」
「もっと店に上手い人いるけど…」
「…」
「…? ローさん?」
「…俺は!」
そこでローの語気が少し荒くなる。
「お前に切ってほしいって、そう言ってるんだ!」
「!」
シャチは今になってようやく気づく。ローの顔が少し赤みを帯びていることに。さっきの物言いがこの不器用な人の精一杯の言葉だということに。
「…ふはっ」
「なっ…」
「ははははっ、あはははは…」
「なんだよ、笑うな!くっそ、恥掻いた気分…」
突然笑いだしたシャチにローはむくれる。
「…ごめん、ローさん。髪、やらせてくれ。俺に」
ローは一瞬虚をつかれたような顔をしたが、ベポすぐにフンと言い、そっぽを向く。それが照れ隠しであることは明らかだった。
…次の日、調子に乗ったシャチによって散髪されたローを見たペンギンとベポが吹き出すのは、また別のお話。
勢いで後先考えず書きました。ハートの海賊団と言いながらベポペンギンほぼ出ませんでした。すいません。
- 68二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 03:29:05
かわいー!!ハサミとか刃物持った人間を真後ろに立たせるのって信頼ないとできないもんな!シャチへの信頼見えてる〜〜!照れ隠しするローも子供らしさを取り戻してる感じでほのぼのしちゃうな!
- 69二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 11:55:45
とりあえずほしゅ
- 70二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 17:08:06
「なんだか今日元気ですね、ヘルメッポさん」
いつもの鍛錬を終え、心なしかウキウキとしてみえるヘルメッポさんに水を向ける。シャワーを浴びているヘルメッポさんはどうにも心当たりがなかったようだ。
「あ? 別にそんなこたァ……あ」
ふ、とヘルメッポさんがつぶやく。何か心当たりがあったのだろう。ひぇっ、ひぇっと引き攣るような独特な笑い声がシャワー室に響く。
「え?なんです?」
「いや、おれァ思いの外単純だったと思ってよ」
「えー?」
「お前わかんねェの?見聞色でさァ」
「もうコントロールできるようになりましたよ。それにヘルメッポさん隠そうとすると全然別のこと考えるから」
「お陰で見聞色への対策訓練、わりといい線行ったんだよなァ」
ヘルメッポさんはふんふんと鼻歌を歌いながらシャワー室から出てくる。そこでふとハッと思い出したようにニヤリと笑う。
「おまえは明日機嫌がいいよ。ついでに明後日はひばり中佐のテンションが高ェ」
「え? 未来視ですか?」
「ひぇっひぇっ!んなわけあるか、考えりゃあわかるよ。あー、腹減った!」
ヘルメッポさんはやっぱり機嫌が良さそうに本部の食堂へ向かう。
ぼくは彼に駆け寄りながら首を捻るばかりだった。
「ヘルメッポさ〜ん!お昼ご飯何にします?ぼくA定食にします!今日はぼくの好きな定食の日でしたァ!やったーー!」
「ひぇっひぇっひぇっ!!お前もおれも単純だなァ〜」
- 71二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 17:11:20
- 72二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 03:14:01
保守しとく
- 73二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 07:11:53
「あ、一品忘れてた」
そう囁かれたウソップは驚いてテーブルを見回す。所狭しと並ぶ大皿小皿小鉢の数々は見事にテーブルを埋め尽くし、クルーたちの腹を満たしている。
「どうするか…。夕飯に回してもいいんだが」
「サンジくんの料理は美味ェ。よって出されたらみんな食う」
「そりゃ分かってる」
毎食毎食ウソップもクルーたちも感動とともに彼を賞賛するが、そのたびに毎回律儀にこのコックは嬉しそうに笑う。料理を褒められた時の彼の顔は本人の年の頃より幼く、ちょっと可愛いと思っているのはウソップ他デリカシーのあるクルー達の公然の秘密であった。
「だがまァ今食っても美味いが、実は数時間寝かせても美味いんだアレ」
「サンジが言うなら間違いねェなァ~~半分にしねェ?」
「…そうするか!」
立ち上がろうとするサンジを押さえてウソップは立ち上がる。
「サンジくんは座ってなさい」
踊るように道化て席を立つ。聞き耳を立てていたナミやロビンがもう既にウキウキしているのが面白かった。今だけ鍵の掛かっていない冷蔵庫を開けて言われた皿を取り分ける。ついでにルフィに奪われる前にとつまむ。
「すげ~美味ェ~♡」
「おい! ウソップ何食ってん……追加メシだァ~~♡」
目を輝かせて伸ばしてきたルフィの頭を弾いて下がらせ、テーブルの皿をいくつかシンクに戻してそこに並べる。途端に視線が輝く。
「すげェ~~~♡」
「スーパーに美味そうじゃねェの!」
「ヨホホホ! ほっぺが落ちそう! ほっぺないんですけど!」
「…ふん」
並べた皿に男達の歓声が上がる。サンジはナミとロビンに取り分ける。ついでに、と言うていで食事の勢いに負けて腰が引けたジンベエにも取り分ける。
「ありがとう」
「あいつらに負けたら無くなるから気をつけなよ親分」
「ああ。次は負けん。それにしても美味いなァ……」
しみじみと呟くジンベエに、サンジは子どものように得意げに笑う。
「美味しいわ、サンジ」
「これ好き♡ 美味しい!」
ロビンとナミにも褒められてサンジはデレデレと相好を崩す。
(ほんと、メシ出してる時が一番笑うなァサンジ)
サニー号には今日も美味ェの合唱が響いていた。
- 74二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 14:39:56
保守!
- 75二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 22:28:18
保守代わりにお題:悪夢(誰でも可)
- 76二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 04:14:13
あっ!と三つの船から悲鳴が上がる。しまった!という顔をしたルフィとキッド、諦念を滲ませたローが船首を突き合わせた三つの船の真ん中の海へ三つが一つに合わさった水音を立てて落ちる。
「あンのバカ……!」
「キッド!!」
ゾロを筆頭に麦わらの一味が悲鳴をあげ、ぼちゃんぼちゃんと水音が増える。
「なんでお前らまで落ちてんだチョッパー!ブルックー!」
ウソップの悲鳴にジンベエがワシが行こう、と滑るように甲板から飛び込んでいき、ルフィとブルック、チョッパーを抱えて浮き上がる。
「なんで泳げんのに飛び込むんじゃ」
「「ごべんなざい〜ありがど〜」」
一方でキッド海賊団は半数が必死にキラーを押しとどめていた。甲板に足をかけるキラーは慌てている。
「キラーさん!だめですってキラーさん泳げなくなってるんですから!」
「ファッファッ…!」
「他のやつが行きましたからー!落ちるー!」
その言葉通り、泳げるクルーが4、5人がかりでキッドの巨体を引き上げ、かつ彼の義手も一人が抱えている。
「ひでえ目にあった……、なァトラ男…」
当たり前のように自分達のクルーに引き上げられているところだろうとルフィがへにゃへにゃになりながら近くにいるだろうローに尋ねる。
ところが、返事があったのは頭上から。
「あァ、そうだな」
ポーラータング号の甲板でニヤリと笑いながらタオルで髪を拭いているローに、ルフィだけではなくキッドもぎょっと海面から甲板を見上げる。
「いつのまに……!?」
「なんでもう海上がってんだトラ男!?」
ローは鼻を鳴らして中指を立てる。
「お前らとは格が違うんだよ」
もちろん、直後に三人揃った大げんかが始まったのはいうまでもない。
海中から引き上げたハートの海賊団は楽しげな船長にやれやれと肩をすくめ、濡れたツナギを硬く絞った。
- 77二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 12:48:45
保守
- 78二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 19:14:16
保守
- 79二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 05:15:55
こんなところまで入り込んじゃあ行けないよ海賊。花束なんかもってどこに行くんだい。この先は墓場だよ。海賊に殺された海兵達のな。
あ? お前さん肝が太いな……。七武海だからといってお前らが海賊なことには変わりないんだが。
分かった、分かったよ。お前の悪魔の実の能力は知ってる。バラバラにされちゃあ堪らねェ。普通の海賊ならさっさととっ捕まえれるものを。
で、どこに行きたいんだ?
──は……?
ドンキホーテ・ロシナンテ中佐?
なんでお前がその名を。
……いや、良い。案内すると言ったのはおれだ……。
びっくりしただけだよ、もう十年以上前に死んだおれの友人の名前を海賊から聞くことになるとは思わなかったんだ。ロシナンテの墓参り? 本当か! へえ……はは。
へへっ、そうかそうか。こっちだ。何を笑ってるかって? そりゃあ……ちょっと嬉しいのさ。あいつのことを話せる海兵なんて殆どいなくなっちまった。頂上戦争や海戦で……。おれなんかの身分であの人にお目通りも叶わねェし!
あの人? いや……おれが口にするのはなァ。
まあでも海賊だろうがおれの仲間の話ができるのは嬉しいさ。
懐かしいなあ……、正義感が強くて、嘘が下手でそれであほみたいに優しい海兵だった。おれの同期だったんだ。今は退役されたんだがゼファー先生にしごかれた仲間でな。腕は立つし、同期の中では出世頭だったんだが、いかんせんドジっ子でな。
知ってる? へへ、そうかそうか。
じゃああいつの好きな花は知ってるか?
丁度良い、近くに花屋があるから見繕ってやるよ。まあお前さんが好きな花でも喜ぶだろうが。
なんだよ、そんなに変な顔して。
さてついた。ここだよ。誰か来られてたのかな、掃除してある。久しぶりだな、ロシナンテ。
──じゃ、おれは行くよ。
あんまり長居すると海賊嫌いに見つかるから気をつけな。海賊に殺された海兵の墓場なんだから。
いいよ、礼なんて。
……あいつのこと忘れないでいてやってくれよ。
- 80二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 11:34:05
age
お題提供: バトルシーン描写(誰でも可) - 81二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 17:37:19
寝てる間にスレが落ちないための早めの保守と
お題提供: if もしもナミとかマキノとかがバロックワークスのエージェントだったら…… - 82二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 00:15:29
保守支援
- 83ハートと稀覯本とレアコインの話22/11/01(火) 01:14:50
- 84二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 01:22:16
めっちゃくちゃいい話……!!白い本、白いコイン……!彩りも美しいけどどこか島の雰囲気と同じようにSSにもセピア色の物悲しさがあって、でも余韻はすっきりとしていてすごい綺麗な物語!
店主のおじいさんとご友人の背景も重厚だから想像が膨らむな。こういう人がまだきっといたのかもしれない。
個人的には物を落とさないように鬼哭をきゅっともつローに人柄と性格が出ていてとても好きです。
- 85二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 06:57:18
保守しておく
- 86二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 12:41:42
「なんだってお前と…!」
不服そな顔を隠さない海軍将校に、麦わら帽子を被った少年のような相貌の男がにししと笑う。
「いいじゃねェか。ケムリンもあいつ嫌いだろ? おれもだ」
バチン、と音を立てて腕を引き戻したルフィが敵から意識を逸らさないままスモーカーの目をのぞき込む。
はァ、と深いため息を吐いてスモーカーもまた腕を煙に変じた。一寸先も見えぬ煙がモクモクと葉巻の香りを伴って敵船の甲板に広がっていく。ルフィがその行動の意図を問う前に真横に立ったスモーカーが呟く。
「……お前の見聞色なら動けンだろうが」
「おう!」
ルフィの力強い返事と共に煙が一瞬で拡散し、足下さえも見えない白い闇に覆われる。
白い闇の中でルフィは目を閉じる。鋭敏に研ぎ澄まされた見聞色は、カタクリとの戦いで既に未来視の域にまで達している。
外道を働いた海賊の鋭く焦りを滲ませた声。
下っ端の悲鳴が煙の中に響く。
ルフィは唐突に目を見開くと腕を振りかぶった。弾丸よりも素早く動く腕が煙の中を突っ切り、大きな音を立てて地面に人を叩き付ける。
「──逃がさねェよ」
少年然とした男から出るには、あまりにプレッシャーのある断言。
海の皇帝の一画の名は飾りでは無い。
一人煙に紛れて逃げだそうとしていた船長が情けない悲鳴を上げた。
その宣言と共に煙が晴れる。その光景を目にした船長は愕然と顔色を絶望に変えた。
「やるなァケムリン」
「ふん」
煙が人の形に集束した甲板。犇き合っていたはずの百人近い船員は全て煙の檻に巻かれている。
ルフィの拳が船長の頭を叩き、船長はがくりと首をたれた。気を失った船長を甲板に放り投げ、ルフィは麦わら帽子を押さえながら船縁に飛び上がる。背後から忍び寄っていた煙は麦わらを捕らえ損ねて霧散する。
「ししっ、じゃあなケムリン!」
「チッ……」
百人近くを一人で制圧し捕縛しているスモーカーに三十億の首を相手にする余力は無い。ルフィはいたずらが成功したガキ大将の目を輝かせ、楽しげに腕を伸ばした。ぎゅんぎゅんと伸びるゴムの腕はついに手先が見えなくなり、その反動で体が飛んでいく。
「ゴムゴムの──ロケットォ!」
目をこらせば、水平線近くに太陽の船が見えた。
「次は捕まえるからなァ」
煙とともに苛立たしげに吐き出された言葉に、捕らえられた海賊達はがたがたと震え上がった。
- 87二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 19:40:08
保守
- 88二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 02:52:55
- 89二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 11:51:50
落ちるの怖いから保守しとく
- 90二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 20:37:56
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 91二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 20:44:37
- 92二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 06:15:07
保守
- 938622/11/03(木) 12:45:11
- 94二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 20:42:20
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 95二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 06:32:54
保守
- 96二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 12:00:54
ドリィと呼ばれていた頃、星はただ手の届かない美しいなにかだった。
どうやっても手が届かないものというのは諦めがつく。遠くで輝いているものを、ただ綺麗だとつぶやいているだけでいいのだから楽なものだった。
特に、一年の僅かな日数、雪雲の晴れた日の北の海の満点の星空ときたら、ダイヤモンドを散りばめてもこれほどの美しさではないだろうと思うほどだった。
「何してるドリィ!この穀潰しが!」
パリン!と酒瓶が投げつけられてドレークは慌てて頭を隠して身を縮こめた。赤ら顔の父に蹴り付けられて身を固くする。寒さや、痛みや、空腹でいつもドレークは小さく身を縮こめていた。
「星なんぞ見てもおまえに何がわかる!星を見て航路がわかるでもねェ癖に!」
「……」
昔、星を見て方角を定める術を教えてくれたのは父だった。
もう父は忘れてしまったかもしれないが、小さなドレークの手をとって指を合わせ、あれが北極星だと優しく教えてくれたことをドレークは忘れられなかった。
今はもうドレークは北極星を見つけられない。
ただ、手の届かない美しさを見つめるだけだ。
──話を聞き、そうか、と頭を撫でてくれた人がいた。
「あれが北極星だ。ドレーク」
「──はい」
「必ず北を示す。お前が忘れている間も、あの星は北を示し続けていた」
「どうしてですか?」
「気になるか?」
うなずくと、彼は頬を緩めていそいそと古い初心者向けの天体の本を引っ張り出してきた。海軍が発行しているものらしい。
「残しておいてよかった。ちょっと書き込みはあるが良い本なんだ。ドレーク、よく学びなさい。この世にはなかなか手の届かないものなどないのだから」
X・ドレークと呼ばれる今。
やはり星は美しい天体だった。
- 97二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 20:09:31
保守
- 98二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 05:13:50
保守
- 99二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 06:40:09
訪れた島は酷く荒廃していた。
「海賊だろう。海からの砲撃痕がある」
上官が痛ましげに村を見遣って呟いた。確かに砲撃が村を襲い、放火の痕がある。
「一体どこの海賊が――」
と呟きかけて茫然とした。きっと自分でなければ分かるまい。
「まさか、ドフィ」
信じたくはないが、落ちた羽を見てそう直感した。 - 100二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 14:45:03
100きた
次のお題あげかな? - 101二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 14:50:18
お題 if もしもナミとかマキノとかがドンキホーテ海賊団の幹部または最高幹部だったら……
- 102二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 15:07:31
お題失礼します…!
お題提供「おでんが家族に料理(おでん)を振る舞う話」 - 103二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 15:08:45
お題
シモツキ村時代ゾロとくいなの日常 - 104二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 15:10:11
新兵時代の旧三大将とゼファー先生の話
- 105二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 20:07:15
お題 if もしもナミとかマキノとかロビンとかがインペルダウン署員だったら……
- 106二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 21:48:52
ビンクスの酒か海導の話
- 107二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 02:06:56
ローとコラさんの話
内容はお任せ - 108二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 02:15:29
宴で歌う海賊たち(セレクトはお任せ)
- 109二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 06:31:17
ヴィクトリア・S・ドルヤナイカの話
- 110二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 06:31:34
映画パロ(なんでもいい)
- 111122/11/06(日) 06:33:35
追加のお題ありがとう!またのんびり自由にss書いていってほしい。でもエログロCPはTelegraphつかってねー!
SSだけなのもあれだから感想とか雑談とか相談とか挟んでくれたら嬉しい! - 112二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 14:16:03
ほしゅほしゅ
- 113二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 21:00:41
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 114二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 21:01:23
ほーしゅー
- 115二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 06:50:08
ほしゅ
- 116二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 17:15:43
このレスは削除されています
- 117二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 20:38:32
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 118二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 21:09:03
保守
- 119二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 02:24:28
だって二本なら一本で斬り合うよりも手数が増えるだろ!
馬鹿だね、けっきょく負けてるじゃない。
そういう少女はけらけらと笑って竹刀を振った。少年はぐっと息を詰めたがその目にはまだ熱い闘志が燃えている。
「もう一本!」
「何度やっても同じ結果だろうけどね」
それでも少女は少年に向かって正眼に竹刀を構える。少年は片方を上段に、もう片方を下段に構えてぎろりと少女を見据える。
少女もまた、飄々とした空気を崩さぬまま少年が斬りかかるのを待ち構える。
少年の踏み込みは鋭く、上段から振り下ろされた一撃は並みの大人よりも早い。けれど少女はわずかな足さばきで踊るように避ける。
少年のもう片方が少女の胴を狙う。
少女はその追撃を竹刀で受け、くるりと竹刀を巻き込む。
竹刀ごと少年の体が傾ぐ。
竹刀を巻き込まれた少年は冗談のようにあっけなく竹刀を手放して地面に倒れた。
もう片方を握って立ち上がる前に、少女の竹刀の切っ先が少年の喉元に突きつけられる。
まるで真剣を突きつけられているかのような気迫に、少年はゴクリと息をのみそして「まいった」と悔しげに呟いた。
「まだまだ甘いね」
「くいな、もう一本!」
「もう約束の20本勝負は終わり。次の勝負はまた明日にしよう」
不満そうに口をとがらせる少年に少女は手を伸ばす。
「帰ろう、ゾロ。今日はうちで食べていくんでしょ」
「…そうする。でも明日朝からするの忘れるなよ」
「寝坊しないでよね」
くいなの手を取って立ち上がったゾロは、足下の砂を払って竹刀を構え直す。切っ先が触れる位置に立ち直した二人は、そろって竹刀を腰に差し直して頭を下げる。
「「ありがとうございました!」」
丁度見計らったようにご飯だよ、と呼ぶ男の声が聞こえてゾロとくいなは顔を見合わせる。
「おれが先」
「あんたには負けない」
二人は違う顔で同じ表情を浮かべ、そろって声のする方に駆けだした。
- 120二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 12:00:13
「モモ、これ食うか?」
ルフィとゾロはまだ目を覚まさない。花の都のど真ん中の城を新将軍や赤鞘の面々が整えてくれたおかげで、サンジたち麦わらの一味は戦闘の疲れを取っていた。アラバスタ王国の宮殿に比肩する豪華な城で寝泊まりするのは、たまの贅沢といった様子でナミたちは楽しんでいる。サンジも心ゆくまでワノ国の料理を勉強できて満足していた。
そんな折に、こっそりと仕事の合間を縫ってきた錦えもんがモモの助の夕餉を作ってくれないかと頼んできたのである。わざわざ男──しかも今まで悔しい思いをさせられたクソガキ──に作ってやるのは……と顔をしかめたサンジだが、結局馴れぬ厨の一角を借りて簡単な夜食を作っていた。広大な厨は物慣れなかったが、むしろ良い勉強になったと思う。
「ったく……」
お玉を取って味噌汁の味見をする。我ながら絶品である。いくつか適当に拵えた料理と竈で炊いた白い飯を携え、教えられたモモの助の──将軍の執務室へ向かう。引き戸を開けながら顔を出して冒頭のように尋ねると、何やら難しそうな顔をして本とにらみ合っていたモモの助がぱっと顔を上げた。目が輝いているのは、幼い姿の頃と何も変わっていない。
「サンジ!サンジのご飯でござるか!?」
「飯足りねェなら言えばいいだろう」
「いつもと同じりょうを作ってもらっておるのだ。おおきくなってから食べても食べてもおなかがすくのでござる」
急激に成長した分の栄養を取ろうとしているのだろうか、続くならチョッパーに相談した方が良い、と脳が勝手に算段をつける。モモの助の前に盆を出せば、モモの助がわぁっと歓声を上げる。
「あたたかいご飯でござる~~!」
「作ってもらえよ」
「毒味がひつようゆえ、どうしても冷えるのでござる。いましぬわけにはいかぬゆえしかたないのでござるが、あたたかいごはんは美味しいでござる~。それにサン五郎の料理はぜっぴんでござる」
にこにことかなりの量を作ってきたサンジの料理をモモの助はぺろりと平らげていく。船に居たときよりも肩の力が抜けているように見えるのは、重責をわずかでも下ろせたからだろう。
「……まァよくやったよお前は。かっこよかったぜ」
座ってようやく手の届く頭をかき混ぜる。
モモの助ははにかんでスープをすすり込んだ。
- 121二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 18:07:52
- 122二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 18:12:01
か、かわいいーーー!!ブルックとチョッパーのエミュもめちゃくちゃ上手くて、こんなんもうnovelサニーですわ!
ブルックもチョッパーも耐えがたい孤独を耐えて救われた人なんだな……と。ブルックも同じように孤独の夢に目を覚ました時に、みんなの生きている音楽に耳を澄まして安堵した夜があったんだろうなって思うとたまらない。チョッパーへの伝え方も優しくておしゃれでブルックらしくて素敵!
良いお話をありがとう!!!
- 123二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 22:16:25
夜耐え保守
お題出して良いならウソップの発明品の話 - 124二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 06:43:17
保守
- 125二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 16:53:11
ほしゅっ
- 126二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 17:05:56
- 127二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 19:29:28
- 128二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 02:14:31
ほしゅ
- 129二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 12:08:44
保守!
- 130二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 18:28:03
読んでいただきありがとうございます。
褒めていただいてとても嬉しいです。
悪夢というお題を考えたときに誰に見せるかで悩んだんですが、一味全員見る要素あるなと考えてじゃあ全員にしようと決めました。そして文章にしたのは最近辛かったサンジ君です。ウソップはそういうところがさりげなく出来そうだなと思って彼に任せました。長くなるのでそれぞれ一味全員を出せなかったのが無念ですね。
- 131二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 01:22:06
保守
- 132二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 11:47:00
保守
- 133二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 21:38:06
保守
- 134二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 05:04:52
保守
- 135二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 15:54:09
- 136二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 20:32:26
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 137二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 07:57:41
保守
- 138二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 16:30:39
ほしゅ
- 139二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 20:34:15
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 140二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 07:24:15
保守
- 141二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 17:21:33
保守
- 142二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 23:43:10
良いSSばかりだな!
みんな読んでくれよな! - 143二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 09:14:08
保守
- 144二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 17:30:34
保守
- 145二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 00:24:36
★
- 146二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 11:28:23
保守
- 147二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 17:48:55
最高です…
なんだかんだご飯を作ってあげるサンジ、
サンジのご飯に嬉しそうな顔するモモ、
他のご飯は毒味をしてからじゃないと食べられないけどサンジのご飯なら毒味をせずに食べられるモモ、
↑それを解っていてモモの為に頼んだだろう錦えもん、
サンジが座らないと頭を撫でられないぐらいに大きくなったのに頭を撫でてあげるサンジとそれにはにかむモモ
短い話の中のすべてが優しさと可愛さにあふれていて感動しました…
- 148二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 05:05:30
保守
- 149二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 05:08:30
マリンフォード頂上戦争の爪痕も深く残る海軍本部オリス広場。まだ一週間もたっていないかの戦争の爪痕は生々しく地面に残る。炎と斬撃、氷塊、そして血痕と涙。
海軍の混乱を一先ず置いて、海兵達が執り行ったのは戦争の犠牲者たちの追悼だった。目覚めたばかりのコビーとヘルメッポも取るものとりあえずに制服に袖を通してオリス広場に並ぶ。
壮観であった。ほんの一時、午前の業務の合間を縫ってしか行うことのできない追悼式。つい先日までは処刑台の座していた場所へセンゴク元帥が立ち、その下には将校達が起立している。だが、コビーは理解する。人一人分の間が将校たちの間に空隙を生んでいる。だれもまだそこに居た人の空白を埋めることは出来ていない。
凶事を告げるオックス・ベルの二点鐘。空は曇天にかきくもり、強い潮風が外套に鬱憤を晴らすように叩き付ける。
瞑目と慟哭。声なき声がコビーの脳を揺らす。なぜ死んだ。貴様がいない世界など。生き残ってしまった。これからどうすれば。悲しい、苦しい。さみしい。恋しい。
コビーの瞑目の隙間から滂沱と涙が落ちた。ヘルメッポが慌てた様子で肩を抱いて慰める。みればそれはコビーだけではなかった。頽れて、立ったまま、涙を流す海兵のなんと多いことか。
──海がみている
と凪の海に投げ込まれた礫のように将校から歌が聞こえた。大将の誰かだったかもしれない。中将であったかもしれない。幾人かの将校から始まったその歌は時代のうねりのようにオリス広場に広がる。
世界の始まりを。
海は知っている。
世界の終わりを。
最後には海軍の合唱となって、さみしくオリス広場を包み込む。
ガープ中将が良く通る声を合わせ、大参謀も小さく唇が動いていた。元帥と大将は口元を引き結んでいる。
コビーとヘルメッポも腹の底から歌を歌っていた。
──蒼きその先へ
余韻を残してオリス広場が再び静まりかえる。
それでも、海兵達の目には光が戻っていた。
彼らと同じ場所へいつか向かうその日まで、己の正義を貫かねばならない。
- 150二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 15:10:38
保守
- 151二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 15:13:08
神ssすぎる
保守 - 152二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 19:15:30
保守
- 153二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 19:16:13
保守一個で12時間もつからそんなに保守しなくても……
- 154二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 19:18:46
うめ
- 155二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 05:03:20
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだったから保守してたらこうなった……
- 156二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 15:35:08
懐かしい夢を見て目を覚ます。
スクリューが海中を進む音が響き、ポーラータング号は順調に進んでいる。ベッドの横のブルズアイの向こうには暗い海中。
その向こうに、雪が降っていた。音も無く降りしきる海の雪。その間を銀の鱗をきらめかせる魚が飛んでいた。
「──マリンスノウ」
ポーラーでも見るのは久しぶりだった。海中の死の振る雪。科学的な説明などいくらでもつけれるというのに、自分の声が出てほっとした自分に気づく。
ここはもう、あの運命の島ではない。海中に降る雪は冷たくもなく、ここは世界一安全なローの宝箱だ。
シーツを蹴って膝を抱えた。
「……コラさん」
美しい風景を見る度に思う。感動に震える心を感じる度に思う。
「──世界はこんなにきれいだよ」
それをアンタと分かち合えればどれほど良かっただろう。
- 157二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 15:35:29
短くなっちゃった……
- 158二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 21:19:00
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 159二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 05:03:45
保守
- 160二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 16:07:47
保守
- 161二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 20:37:04
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 162二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 05:01:41
保守
- 163二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 11:12:22
このスレを保守しに来た!!!ドン!!!
- 164二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 19:29:58
保守
- 165二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:54:22
鍋を煮やして!!!!
SS師を待つ!!! - 166二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 05:02:46
保守
- 167二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 07:08:00
- 168二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 07:09:04
もちろんいいよー!!
- 169二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 07:09:21
4に一覧あるし大丈夫だと思うよ
- 170二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 08:39:42
このレスは削除されています
- 171二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 08:41:24
>>10 既に1コあがってますが、ゾロの月見酒のお話
時系列は新世界入ってすぐ辺りを想定してます
穏やかだが肌寒い風が吹いている事以外は特に何事もない月夜
ゾロはトレーニングルームで見張り番という名目の晩酌をしていた
お気に入りの盃に並々と酒を注げば、水平線を照らす月が揺れながら写る
下弦と言うには少々太いが、まだ満月には手が届かない
そんな月夜に思い出すのは、“偉大なる航路”に入って最初に上陸した島での事だった
「思えばあれがお前の……お前らの初陣だったな」
ゾロは傍に置いた刀ー三代鬼徹ーの柄を撫でながら独り言ちると、「らしくねェ」と言って盃を煽った
酔い潰れた仲間達を狩ろうとしていた大量の賞金稼ぎを相手に、大立ち回りを演じたあの夜
せっかくの機会だからと、ゾロは一番馴染む親友の形見ではなくローグタウンで手に入れた“新入り”達で戦った
月光を受けて踊るのは、妖しく閃く禍々しい刃と凛と美しい軽やかな刃
だが、あの夜の輝きの片割れは既にゾロの傍にはなかった
盃に写る月を眺めながらゾロは思う
もしも刀に意思があるのなら、今頃はアイツの近くにいるのだろうか
それとも、あの巨大な幽霊船と共に気ままに海を渡っているのだろうか
どちらでも構わない、とゾロは笑う
「お前にも、必ず届けるからな」
そう言って盃の中身を飲み干し、水面を照らす月を見据えた
- 172二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 11:44:28
ゆ、雪走……!!無くした刀を惜しんでくれるゾロだから名刀が自然と集まってくるのかもしれないですね。雪走を悼みつつ雪走にも名を轟かせようとするゾロめちゃくちゃカッコいい……!月夜の雰囲気も素敵で、情景が目に浮かぶようでした!
- 173二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 18:09:40
ほかの方は、夜頃くるのかな?
待ってまーす! - 174二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:38:21
ホシュホシュの保守!
いろんな作品、お待ちしてます! - 175二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 08:11:55
保守
- 176二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 08:48:32
>>4 朝から失礼します。前スレで出た怪異に強いゾロのお話
巻き込まれサンジや刀神様の捏造があります(サンジごめん!)
ボリュームがオーバーしてしまったのでこちらに書きました
なんでかtelegraphの使い方が見れないので、読めない場合はお知らせください(pixivで上げてリンク貼ります)
とある“男”の語った話むかーしむかし、この辺りには製鉄とその鉄の加工で栄えた島があったとりわけ包丁や鋏といった日用の刃物を作ることに関してピカイチで、その美しさと丈夫さはワノ国の刀にも負けないと評されていたんだ
だがある時島は突然滅び、島に残されてた刃物はみんな海に棄てられた
大方、あの技術が武器作りに転用されることを恐れた連中の仕業だろう
あの島の連中は、そんな事微塵も考えちゃいなかったのにな
何がなんだかわからないまま棄てられたんだから当然浮かばれるわけもなく、奴らは長い年月の中でドロドロした感情を凝り固まらせていた
そんなある日、一隻の船が奴らのナワバリを通りがかった
獣だか花だかわからねェ巫山戯た形の船首がついた、それなりにデカい船だったよ
そしてどうも、奴らはその船に乗ってる人間のことを気に入っちまったらしい
すぐに周りの海やら天気を操ってソイツを引っ張り込んだ
奴らが引っ張り込んだのは片目の隠れた金髪のあんちゃんで、奴らは《これでいっぱい使ってもらえる》とか《いっしょに何を作ろう》とか言って大喜びだった
元々が包丁だった連中が大喜びするってェことは、あのあんちゃんは相当腕の立つ料理人だったんだろうな
金髪のあんち…telegra.ph - 177二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 18:04:21
保守
- 178二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 20:28:15
保守
- 179二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 23:42:25
>>4 怪異に強い剣士概念、搦め手?編
時系列はスリラーバーク前で、サンジ視点でお送りします
「うちの船を沈めようなんざ、百万年早いんだよ」それはどんよりとした曇り空の日のことだった海図制作中のナミさんと読書中のロビンちゃんにお茶を持っていった帰りにふと甲板を見ると、ウソップとマリモが将棋をしていた
将棋はチェスに似てるが少し違うゲームで、最初うちではマリモしかルールを知らなかった
おれのいた場所からは盤面はよくわからなかったが、表情からウソップが苦戦しているのはわかった
「うーむ、この振り飛車は苦しい……」
「さっ、どうでる?」
ウソップは頭を抱えて自分の駒を動かす
ウソップの駒の動きを確認した後、少ししてマリモも駒を動かす
そうやって互いの駒を動かしたり取ったりを繰り返した後、しばらくしてウソップが「まいりました…」と頭を下げた
「やっぱお前強いなー」
「ははっ、よく村のじいさん達とやってたからな」
簡単の声をあげるウソップにマリモは笑ったが、
「さて…それじゃ、さっさと帰ってもらうぜ」
直後、戦闘時のようなギラリとした視線をウソップに向けた
「えっ?お前、何言って?」
「お前、さっき言ったろ。「その振り飛車は苦しい」って。一番最初にお前が言った通り、“ひしゃく”はやったぜ?」
戸惑うウソップにマリモはニヤリと笑う
振り飛車?ひしゃく?…telegra.ph - 180二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 08:15:59
保守
そろそろ200だし、次スレいるかな? - 181二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 16:29:30
保守
- 182二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 21:51:14
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守
マキノがCP9だったら……の最初にもしもを付けるのを忘れてた - 183二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 23:54:23
保守
- 184二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 08:31:06
age
- 185二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 09:18:50
「……傳ジロー、都に行ってみたいでござる」
政務が空いたほんのわずかな隙間を縫い、こっそりと隠れるように、気恥ずかしげに囁かれて傳ジローは胸が突かれるような気持ちを覚えた。
一瞬言葉に詰まった傳ジローをどう思ったものか、モモの助はぱっと袖を離して手を振る。
「あ、いや忙しければ良いのだ」
「いえ! そんなことはございません」
思わず語気荒く否定し、モモの助は驚いた後眉を下げて笑う。
「良かったでござる。都に詳しいのは日和もそうなのだろうが、日和に聞くと荷物持ちにされそうでござるから」
「将軍様を荷物持ちにはいたしかねますな。我らが持ちましょう」
「頼むでござる。あやつ拙者に容赦が無いのだ。二十六にもなっておてんばが治っておらぬ」
呆れた顔に親しみを滲ませるモモの助に、傳ジローは苦笑した。日和がお転婆でいられた時期は短かった。小紫としての完璧な太夫姿を今ようやく脱ぎ捨てて、光月日和を堪能していることを傳ジローが一番知っている。
「どちらに参りましょうか」
「こっそり行くことはできるか?」
「ええ。拙者に頼んだということはそういうことでしょう」
「流石は傳ジロー! そうなのでござる、拙者将軍でありながら都のことをあまり知らぬゆえ……」
モモの助は恥ずかしそうにはにかんだ。花の都への道連れの願いは殆ど将軍としての責務ありきのものだと、はっと気が付く。誰もつけねば心配される。将軍として知らない野は情けない──そういう気持ちからでたものだ。姿は立派でも、この将軍様がまだ八つであることは、幼な姿をみている自分は知っている。
傳ジローは曇り掛けた顔をことさら明るくしてモモの助に微笑みかけた。
「……では、花の都を"物見遊山"いたしましょう」
「えっ」
ぎょっとしたモモの助の顔が、じわじわと赤らんでそっぽを向いた。
「物見遊山など、拙者将軍でござる……!」
「最近は美味いそば屋や茶屋も増えました。サン五郎どのに教わって外つ国の料理をだす店もあるのだとか」
モモの助の顔がそわそわと落ち着かぬ様子になり、傳ジローは含み笑いで立ち上がった。
「参りましょう、モモの助さま」
「……おぬしには昔から敵わぬ」
傳ジローはあはは、と声を立てて笑った。これほど変わり果てた自分を変わらないというモモの助に、どれほど安堵したことか。きっと将軍様には分かるまい。
- 186二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 15:20:55
やっぱいいね、平和になった後のワノ国の風景…!
- 187二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 20:57:19
寝てる間にこのスレが落ちるのがやだだから
今のうちに保守 - 188二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 22:47:38
保守
- 189二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 07:49:00
保守
- 190二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 17:59:24
- 191二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 23:09:22
保守
- 192二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 10:01:16
保守
- 193二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 20:41:40
ほっほっ
- 194二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 03:08:31
そろそろパート3用意しとくか
- 195二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 12:52:12
- 196二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 19:54:55
次スレありがとうございます
こっちは埋めますか - 197二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:01:00
うめ
- 198二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:04:24
うめうめ
- 199二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:04:34
うめうめうめ
- 200二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:04:44
うめるぜ