いいじゃない。たまには同じお布団でも

1二次元好きの匿名さん21/10/22(金) 23:39:58

最初。最初よ、覚えてるでしょ？
お引越しするときに大きなベッドを買ったじゃない。忘れたとは言わせないわ
それで浮かれながら一緒に眠って……結局暑くって、風邪引いちゃったときのこと
なんで？　って……あなたがキングのことを押し出したんじゃない
そのくせあなたはのほほんとしちゃって……本気でこの人でよかったのかしらって後悔したわ

狭いわね。このベッド、何代目だったかしら
……前まで川の字だったものね。敷布団も悪くはなかったけど、やっぱりスプリングがあるのとないのとではずいぶん違うわ

あの子のこと？
……平気よ。今年の選抜レースでは……ええ、トレーナーは得られなかった。それは事実よ
それがなに？　キングの娘よ？　諦めるはずがないじゃない。来年にはきっと、あの子のことを心から考えてくれる、一流のトレーナーと出会えるはずよ

――ねえ、そうでしょ？　

……いいえ、あなたは担当すべきじゃなかった。私たちの私情で今の担当ウマ娘を蔑ろにするのは許さないわ
それに、あの子には広い世界を知って欲しいの
賭けたっていい。あの子は私たちよりもっと遠くへ行けるわ
そうしたらそこでどんな景色が見えたのか、お土産話を楽しみにしていましょう？

なに？　え？　お母様が？
……んもう、せっかく格好よく収めようとしたところで。ちょっと前まで私たちに付きっ切りだったのに、すっかりおばかなお祖母ちゃんじゃないの……

……ふぁ。日付、変わるわ。もう寝ましょうか
そうだあなた、明日お母様に言っておいてちょうだい？
少しは孫離れしなさいって