- 1◆8wovNSzFUo22/10/22(土) 21:57:36
約束のSSです。大遅刻してすまない…
要望を貰ったとこ↓
ウマ娘のSSを|あにまん掲示板書きたいからいい概念とか書いて欲しいシチュがあったら投げてほしいbbs.animanch.com次レスから投下始めます
- 2◆8wovNSzFUo22/10/22(土) 21:57:46
レースを見た。
懐かしい顔があった。乱暴者の、ヤエノムテキ。
あのガキ大将がテレビに出るほど有名人に
レースを見た。
懐かしい顔があった。乱暴者の、ヤエノムテキ。
あのガキ大将がテレビに出るほど有名人になっている程のウマ娘になっているとは思わなかった。
幸いにして連絡はつく、少し茶化す意味でも会ってみようか。
連絡してみると、思ったより早く返答が届いた。
当日、少し早めに待ち合わせ場所に行くと既にヤエノの姿はあった。
顔つきは当時に比べて凛々しくなっているが、私服のセンスは変わらずに感じる。
「久しぶりですね、トッポ」
「その呼び方覚えてんのかよ、ヤエノ」
自分は当時ヒョロくて背が高いのもありトッポと呼ばれていたのだが、どうやらその頃のあだ名を覚えていたらしい。そちらでしか覚えていなかったという方が案外正しいのか。
「立ったままでもなんでしょう、座って話しましょうか。」
「あぁ。遅れてきたのも俺だし、俺がだすよ」
「おや、良いんですか?」
「…あんま食わんでくれよ」
くすり、とヤエノは笑う。
随分と雰囲気が大人びた。あの頃は少しからかいの言葉が飛べば次の瞬間には拳が飛んでいたものだが。
成長したんだなぁ、と少し実感した。
空は僅かに曇り空。雨が降らなければ良いんだが。
「貴方から連絡が来るとは正直意外でしたよ」
「ん?なんでだよ」
「…言葉を選ばず言えば、恐れから付け入っていたのかと思っていましたから」
「…」
…正直、驚いた。あの時期なんてそう難しい事は考えられないものだ。その回答が出てきたということは冷静に当時を振り返れるだけの余裕が出来たという事だろう。
「…そうでもねぇよ」 - 3◆8wovNSzFUo22/10/22(土) 21:58:07
「おや、他に理由が?」
「あぁ、あるよ」
「ではなぜ?」
…時折走る時に見せていた姿に魅せられていたから、などと。
「…小っ恥ずかしくて言えるか、内緒だ内緒」
「…むう」
僅かに眉を顰めるが、息を吐くとすっと戻る。
「…レース、見たよ。たまたまだけどさ。」
秋の天皇賞。その勝利した姿をたまたま目にした。
あの頃よりずっと輝いて見えて…かっこよかった。
「少し懐かしくなってさ…けど、ヤエノは変わったな」
顔つきにあの頃の面影はある。しかし、あの頃より随分と落ち着いた雰囲気を感じる。
あの頃のギラついたヤエノが脳に焼き付いている自分としては…少し、寂しい。
「…変わって、いませんよ」
少し、伏し目がちにヤエノは言う。
「結局のところ、私はあの頃のままなのでしょう。力で全てをねじ伏せていたあの頃と、何も変わらない…愚劣で、粗暴なウマ娘です」
僅かに首を振りながら、遠くを見るようにそう語る。
「故に…」
確かめるように僅かに頷いて、ヤエノは続けた。
「変わろうと決めましたから。自らを証明する為にも…トレーナーさんの為にも。」
その瞳には確かな決意と、あの頃のギラギラとした熱が確かにあった。
あぁ、確かに変わっていないのかもしれない。けれど悪い事ばかりじゃない。あの頃の熱もまた、変わっていない。
「…ヤエノはかっこいいなぁ」
「む…お世辞はいいんです」
「本音だよ本音」
僅かに漏れた本音を、茶化すようにして誤魔化して。
ヤエノ。お前はもっと輝けるよ。
あの頃の俺をそうしたように、きっともっと沢山の人を虜にできる力が、お前にはきっとある。
どうか、沢山の人をその姿で勇気づけてやってくれ。 - 4◆8wovNSzFUo22/10/22(土) 21:58:22
「それじゃあな、ヤエノ。」
「ええ、トッポ。また。」
振り返りながら手を振るヤエノを見送って、少し空を見る。
僅かに晴れ間が差し込み、晴れる兆しを感じる。
僅かに目を閉じ、ふぅと息を吐く。
振り返って、帰路につく。
「…もう一回、頑張ってみよう。」
彼女のようなウマ娘を見逃さないように。
自分が支えになれるように。
彼女は変わっていた。けれど変わっていなかった。
ならば、自分も。
胸に蘇ったこの熱と一緒に、そっと帰り道を歩く。
決意を決めた少年の姿が、そこにはあった。 - 5◆8wovNSzFUo22/10/22(土) 21:59:41
要望頂いた「ヤエノが粗暴なガキ大将だった頃に友達だったスネ夫ポジがたまたまレース見てヤエノに会いに行って昔とだいぶ変わってて寂しくなったけどやっぱりヤエノはかっこいいってなってトレーナーを目指してみるSS」を自分なりに出力してみました。
大遅刻してすまない、要望くれた人が見に来てくれればいいんだが… - 6◆8wovNSzFUo22/10/22(土) 23:25:31
前スレの流れを継いで書いてほしい概念があれば書いていってくれ
- 7二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 23:30:00
あー好き…
- 8二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 23:40:17
やはりこのスレ主すごい…
ま、前スレの33でほのぼのな話が浮かんだらお願いします - 9◆8wovNSzFUo22/10/22(土) 23:46:15
オグリとクリークか
シングレ軽く読んだ感じこう…天然×天然で化学反応起きそうな感じで好きな組み合わせだ
少し練ってみるよ
あ、良ければ11まで埋めておいておくれ… - 10二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 23:49:57
やったぜ
優先しなくても大丈夫なのでゆっくりでも全然構わない! - 11二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 00:02:04
スネオ切ない…
- 12二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 10:48:27
保守
- 13◆8wovNSzFUo22/10/23(日) 19:32:22
出来上がったのだぜ!投下していくぜ!
- 14◆8wovNSzFUo22/10/23(日) 19:32:45
「うーん…」
スーパークリークは悩んでいた。
今度開催される予定の模擬レース。デビュー済みの自分はもちろん参加しないが、レース後に少し料理を振る舞う事にしたのだが…
「すこーし、違う気がするんですよねぇ…」
何かもうひと工夫必要な気がする、しかしそれがどうにも掴めない、というもどかしい感覚を覚えていた。
「どうすれば…あら?」
ふと横を見ると映る、白い髪。
もちろん知っている。レースを一緒に競ったお友達。
「オグリちゃん!」
突然隣に居たのには驚いたが、居る理由は考えればすぐに分かる。
「…食べますかぁ?」
「いいのか!?」
その言葉に続くのは可愛いお腹の音。
お腹に手を当てて恥ずかしそうにしている様は本当に可愛らしい。
「いいんですよぉ、なんなら食べてくれた方が嬉しいです」
そう言って、器に注いで渡す。
「そうか…!じゃあ…いただきます…!」
それを嬉しそうに受け取ると、そのまま美味しそうに食べてくれた。
…ひと皿はあっという間だった。
満足気だけど、すこし寂しそうなその表情に
「おかわりも沢山ありますからね〜」
と言ってあげると、とても嬉しそうにオグリちゃんは笑った。 - 15◆8wovNSzFUo22/10/23(日) 19:33:01
「やっぱりクリークの料理は美味しいな。」
一皿どころか、一鍋ぺろりと頂く勢いで食べながら、オグリちゃんはそんなふうに言う。
するとふと疑問に思ったのか、
「ところで、クリークはなんでシチューを作っていたんだ?」
晩御飯には半端な時間だが、と聞いてくる。
時間は日が沈み始めようかという時間帯。実際晩御飯には早すぎる。
「実は悩んでまして…」
「悩む?クリークは悩みがあるとシチューを作るのか?」
「いえ、実はですね…」
オグリちゃんに事情を話すと、神妙な顔で頷いた。
「難しいな…私もそういうのは苦手なんだ」
「ええ…どうすればいいんでしょう…」
うーん、と二人で唸っているとオグリちゃんが思いついたように顔を上げた。
「そうだ。まだ一杯分位は残っているよな?」
「ええ、残ってますけど…」
「少し待っていてくれ。」
そう言うと、オグリちゃんはお皿を置いて外に出ていった。
…何をする気なんでしょう? - 16◆8wovNSzFUo22/10/23(日) 19:33:14
そのまま待っていると、汗だくの状態でオグリちゃんが戻ってきた。
「オグリちゃん…!どうしたんですか…?」
「あぁ…レースの時くらい…頑張って…走ってみた…」
なるほど、模擬レースの後に振る舞うものならレースの後のバテの中食べる事になる。
それなら疲れている状態で食べると、また違う感想が出るかもしれない。
「クリーク、またおかわりを貰っても良いだろうか?」
「ええ、もちろんですー」
そう言って最後のひと皿を渡すと、あっという間に平らげた。
口元を拭くと、少し考えるような仕草の後に
「…味は、このままでいいと思う。ただ、レース後だからもう少し…こう、さらっと食べる事ができるといいかも…しれない。」
必死に考えながらオグリちゃんはそう言う。
なるほど、もっとスープっぽい方が運動後は食べやすいだろうか。
「…なるほど、作ってみますね」
私は腕まくりをすると、今日二度目のシチュー作りに取り掛かった… - 17◆8wovNSzFUo22/10/23(日) 19:33:27
日が沈み、月が登ろうかという頃にシチューが出来上がった。ゆっくりと、口に運んでみる。
「…うん!いい感じです!」
違和感が消え去った感覚がする。これならきっとみんな喜ぶだろう。
「あぁいうのは苦手で…役に立てただろうか」
「もちろんです!オグリちゃんのお陰ですよ〜」
「そうか、よかった」
少し照れくさそうに頬を掻きながらオグリちゃんは言う。
「その…それで、なんだが。クリーク…」
そのまま、少し遠慮がちに何かを言おうとする。
内容は分かりきっている。
…もう、オグリちゃんは食いしん坊ですねー…♪
「はい、良かったら食べて行って下さい」
そう言って、私はまたシチューを注いだ器をオグリちゃんに渡した。
「!あぁ!ありがとうクリーク!」
心底嬉しそうにオグリちゃんが笑う。
その後、鍋のシチューをオグリちゃんが平らげ、その日のシチュー会議は終了した。
後日の模擬レース後の振る舞い会は工夫した甲斐あってみんな喜んで食べてくれた。
ただ…振る舞い会にオグリちゃんが少し恥ずかしそうに食べに来ていた時には、ちょっと笑ってしまった。 - 18◆8wovNSzFUo22/10/23(日) 19:34:18
あ゙い゙!゙ごん゙な゙感゙じ゙で!゙
- 19二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 20:19:07
- 20◆8wovNSzFUo22/10/23(日) 23:10:47
- 21◆8wovNSzFUo22/10/23(日) 23:11:57
要望あったらどんどん書いていってくれ
余裕のある時に書いてみるので… - 22二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 05:01:04
容易にイメージ可能なすごく”らしい二人”の話だスレ主ありがとうね!
満たされた気分で二度寝できそう - 23◆8wovNSzFUo22/10/24(月) 15:03:29
要望飛んでこないし前鯖のやつから選んでこようかな
- 24二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 21:24:00
なんかデジたんのやつ
- 25◆8wovNSzFUo22/10/25(火) 08:58:07
というかこれまた別スレでやった方がいいんだろうか
自分色んな人からレス欲しいっす!