|改訂版|マンハッタンカフェと焚き火コーヒー|ss|

  • 1二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:27:21

    夜。
    カフェのトレーニングを見た後、せっかく外に出たから、と久しぶりに焚き火をしていたところ、声をかけられた。

    「…焚き火、ですか…?」

  • 2二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:28:27

    ーあっ、カフェ。さっきぶりだね。
    「……はい。……こんなところで、焚き火ですか?」
    ーうん。せっかくの夜だし。楽しもうと思って。…あっ。片付けはちゃんとするよ。
    「…いえ、非難したいわけではなく。……何故、焚き火を?」
    ーコーヒーを飲もうと思って。
    「…焚き火で、コーヒーですか?」
    (ちょっと声色が変わった。そういえば彼女は、コーヒーが好きなんだっけ。)
    ー……君さえ良ければ、一緒に飲む?
    「…!…いいんですか?」
    ーいいよ。コーヒーを淹れるのはこれからだから。…あっ、椅子、持ってくるね。
    「……ありがとうございます。…コーヒーは何を使って淹れるのですか?…マキネッタ?パーコレーターでしょうか?……ああ、でも、ケトルしかありませんね。…ドリップですか?」
    ーううん。どれでもないよ。
    「……?…では、何を?」
    ー使うのはケトルだけ。レンメルコーヒーだよ。
    「…!…レンメルコーヒー…!聞いたことがあります。北欧で生まれた、焚き火で煮出す、アウトドアコーヒー…。」
    ー飲んだことは?
    「…いえ、ありません…。…あの、水や粉の量を計らないで作るとは聞いていますが……。…正直…、そんないい加減に作るなんて…。」
    ーまあ、一度飲んでみて。

  • 3二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:29:15

    ーまずケトルに水を淹れて、直接火にかけます。
    「……火、強すぎませんか?」
    ー大丈夫だよ。こんなもんこんなもん。グツグツに沸騰させるんだ。
    「…はあ、そうなんですか…。」
    ーついでにパンも焼こう。君も食べる?いちごジャムもあるよ。
    「…ありがとうございます。…いただきます。」

  • 4二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:30:13

    ー沸騰したら火から下ろして、コーヒー粉を突っ込む。
    「本当に計らないんですね。……あの、……入れすぎでは…?」
    ーネズミが歩いても足が濡れないくらいだよ。
    「…詩的ですね。」

  • 5二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:30:54

    ーコーヒー粉を入れたら少し待ちます。
    「どれくらいですか?」
    ーコーヒー粉が全て濡れるまでだよ。……もういいかな?
    「…感覚的ですね。」

  • 6二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:31:39

    いろいろあるんやな

  • 7二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:31:47

    ーそれから、もう一度沸騰させます。
    「…!…それでは、コーヒーの香りが飛んでしまいませんか?」
    ー確かにそうかも。
    「ええ……。」
    ーまあ、これした方が味がいいんだ。なんとなくそんな気がする。
    「ええ………。」

  • 8二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:32:23

    ーはい、できたよ。
    「…ありがとうございます。…やはり、あまり香りませんね。」
    ーそうだね。まあ、飲んでみてよ。
    「…いただきます。…あっ………美味しい。」
    ーよかった。
    「…少し強い苦味と、コーヒー独特のコクがあって、でもクセがありませんね。……コーヒー粉で口の中が少しザラつきますが、でも、コーヒーの味がしっかりとします。…とても飲みやすい、良いコーヒーです。」
    ーでしょう。
    「…火を、見ながらというのも、いいものですね。」
    ─そうだね。

  • 9二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:32:53

    ─パン焼けたよ。はい、どうぞ。いちごジャムたっぷり乗せとくね。
    「…ありがとうございます。」

  • 10二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:33:13

    「……。」
    ー…………。
    「…火、綺麗ですね。」
    ーパチパチって音も、楽しいよね。
    「はい…。いつも、焚き火を?」
    ーいや、今日は久しぶり。
    「そうなんですね。…何故、今日は?」
    ーうーん。…夜に焚き火をするのは元々好きだったんだ。それで、ここに来てからも何度か許可もらって、焚き火してたんだけど。最近、やってなくて。
    「……。」
    ─久しぶりにやろうかなってのと、それと、君のトレーニングみてたらね。…なんていうかな、無性に火が見たくなって。
    「……。」
    ー…仕事が終わって、それから火を起こして、眺めながらコーヒーを飲んでパンを食べる。この時間が好きなんだ。……今日やったのはね、そこに、カフェにも居て欲しいなって、思って。まあ、本当に来てくれるとは思ってなかったけど。
    ─……質素な夕食だよね。
    「……ええ。…でも、とても贅沢です。」
    ー…ありがとう。
    「……火は、神聖なものだそうです…。この火を見てると、確かにそうだなと思えます。……ここはとても、静かで、…悪いものはいません。…とても、落ち着きます。」
    ーうん、…君が言うなら、そうなんだね。
    「…はい。」
    ー……………。
    「……………。」

    それからお互い、何も言うことなく火を見続けた。
    星の明るい夜のこと。

  • 11二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:36:33

    カフェを無事お迎えできたので、前あげてた焚き火でコーヒーを飲むカフェのssをちょっと書き直してみました
    カフェのストーリー、思ったより怪異が多かったですが、それよりも個人的にはアレンジコーヒーを作れるくらい知識があるのに驚きました
    あとコーヒーノキ
    自分で育ててるなんてすごい

  • 12二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:37:09

    お迎えおめでとう!
    自分も出せたのでカフェ周りで何か書きたい

  • 13二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:37:09

    焚き火、一生見てられるし時々動画配信サイトで中継もされてるからな。
    薪が爆ぜる音に癒し効果もあるとかなんとか。
    あとは炎の揺らめきも視覚的に良いのかね。
    時期的にもぴったりやね

  • 14スレ主21/10/23(土) 01:42:20

    >>12

    カフェssは増えるべき

    >>13

    あのずっと見てられる感じなんなんだろうね

    焚き火見てる間はスマホから解放されるから安全を確保してみんなやるべし、と思ってます

  • 15二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:48:28

    描写は勿論のこと写真の雰囲気がまた良いですねぇ

  • 16二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 01:48:54
  • 17二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 02:02:48

    焚き火の、火が燃え盛ってるのも、薪の炭化が進んで薪の内から赤く光るのも綺麗で好き
    カフェは登山が好きな設定もあるから外でコーヒーを飲むことはあるだろうけど、多分ガスとかで淹れるだろうから焚き火はなさそう

  • 18二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 02:45:18

    このレスは削除されています

  • 19二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 02:45:56

    人それぞれの入れ方があるってなんか面白いね

    Lemmel Comic | Lemmel Kaffelemmelkaffe.jp
  • 20二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 03:12:40

    >>19

    雰囲気あっていいなあ。ちょっとやってみたい欲が沸いた

  • 21二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 03:29:47

    カフェスレに見せかけた巧妙な飯テロ

  • 22スレ主21/10/23(土) 09:27:41

    >>19

    >>20

    レンメルコーヒーいいですよ

    多分味だけならエスプレッソとかの方がいいですが、外飯効果?とでもいうんでしょうか?

    火を見ながら飲むと、全身で、「今、自分はコーヒーというものを楽しんでる。」って感じに満たされるというか

    もはや一種のアクティビティだと思ってます

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