ルフィ「ハンコック、何でだよ」 【閲覧,現パロSS,ルハン注意】

  • 1二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 19:18:55

    ※バッドエンドは絶対にないということだけを予め。キャラ崩壊かも

    隣でこちらに背を向けている彼女に、そう尋ねた。
    確か、おれの学校は今日、学校行事で修学旅行だったはず。
    どうしておれは、自分の通う学校の生徒ら今日泊まる宿じゃなくて、他校の修学旅行生が宿泊するホテルにいるのだろう?
    ゾロやウソップら仲の良い男友達じゃなく、ハンコックというさっき知り合ったばかりの女性といるのだろう?
    ここまでの経緯は、こうだ。

    修学旅行とは、学生にとっては良くも悪くも一大イベントとなる行事である。
    それを楽しみにする者、面倒くさがる者、さまざまな形でその日を迎える人がいるであろう。
    基本は、2年か3年の学生で行くことになるのが普通なのだが、ある学園では1年生が修学旅行に行く行事となっている。
    修学旅行といっても、楽しい自由時間ばかりではない。訪れた場所の観光名所である歴史的建造物にて、そこの関係者から退屈な歴史の話の
    を聞かされたりする時間も設けられているものだ。
    話を聞かず、居眠りしているモンキー・D・ルフィもまた、退屈しているその一人である。

    ビビ「ルフィさん、先生が睨んでるわよ」

    隣に座っていた学級委員に肩を揺らされるも、起きる気配はない。
    相変わらずねとビビは静かに笑い、彼の後ろから呆れて溜め息をついたナミが頭をはたいた。

    ナミ「これが終われば自由時間なんだから我慢しなさい。あとで呼ばれて自由時間が奪われても知らないわよ」

    それは困るので、目をギンギンに開き、理解できない歴史の話に耳を傾けた。

  • 2二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 19:19:53

    一応聞くけど転載イラストじゃないよね?

  • 3二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 19:21:35

    歴史の話など、大半の生徒の記憶には残らないだろう。せいぜい歴史好きなロビンか、他のクラスのローぐらいである。

    ようやく、話が終わった。

    何故だか、肩が凝ったかのような感覚に襲われる。

    これから自由時間ってところで、ウソップとサンジがルフィを挟むように肩を組んできた。


    ウソップ「ふっふっふ。ルフィ君、君のことだからきっと真っ先に土産屋だったり、食い物を探しに行くつもりであろう」


    ルフィ「ああ!そうだぞ!父ちゃんがすっげーうめぇ饅頭があるって言ってたから、土産ついでに俺も食いたいぞ!」


    サンジ「ルフィ君、土産もいいがこの修学旅行において我々は幸運だ。なんと!あの九蛇女学園の皆様と修学旅行先と日にちが一緒なのだ!

    これをはまさに運命と言わずなんたるか!」


    九蛇女学園とは、九蛇財閥グループが建てたとされる簡単に説明するならお嬢様たちが通う私立エリート女子高である。

    そこの生徒たちは美しくも、気高さを供え、結束は強く、思春期な男共の欲目などつけ入る隙がまるでない。


    ルフィ「興味ねぇな」


    ゾロ「俺もだ。エロガキの玉砕を見る趣味はねぇよ」


    サンジ「ああ?俺がフラれるのが決まってるような言い草だな?くそマリモ!」


    ゾロ「その通りだろ」


    いつもの喧嘩、見飽きることのない恒例行事。ルフィはその光景に笑う。




    >>2

    ご心配ありがとね。ワンピ学園のだよ

  • 4二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 19:23:15

    ルフィさん!どうしてそうなっちゃったのですか?

  • 5二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 19:24:37

    女学園のことは秒で頭の中から消えた。とにかくもまずは土産屋である。
    父ちゃんに、シャンクスとウタへの土産は例の饅頭を。じいちゃんには煎餅類でいいだろう。
    ゾロが売られている木刀で三刀流を行い、それをサンジがバカにしたのでまた喧嘩になっていた。
    そんな時、焦った顔でウソップがサンジを呼ぶ。

    ウソップ「サンジ!女学園の生徒たちだ!」

    サンジ「なに!?こんなマリモの相手をしている場合じゃねぇ!待っていてくれ!今このプリンスサンジが行くからね~~♡」

    ゾロが「アホか」と、呟く。
    本来ならば、突っかかるのだろうが今はそんなことをしている場合ではない。
    サンジには行かなくてはいけないのだ。
    ルフィとゾロは、2人が戻ってくるまで土産とは別に買った饅頭を食い始める。
    4箱目を食い終えた時、ウソップとサンジが暗い顔をして戻ってきた。

    ウソップ「まさか、引率の先生だけじゃなくて警備がいるなんてな・・・近づくことすらできねぇなんて」

    サンジ「俺は!俺は!何のためにここに!?」

    ルフィ「修学旅行だろ」モグモグ

    サンジの落ち込みぶりは異常である。そうまでして、お近づきになりたいものなのだろうか?
    そんな様子だったのだが、店番交代で出てきた女性店員が可愛かったので、すぐにいつもの調子に戻った。
    ウソップは「ちくしょー!」と、涙を流しながらやけ食いを始める。

  • 6二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 19:26:06

    釜はいるかい?

  • 7二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 19:30:13

    お!?あの時のスレ立てしてた人か‼︎いいぞ‼︎支援する‼︎

  • 8二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 19:32:53

    宿泊施設は、まぁ修学旅行生には充分異常な旅館であった。
    しかし、少し遠目にある高級ホテルの存在で、そこがいいと冗談だろうが不貞腐れる生徒もいる。
    旅館の従業員に失礼なものである。

    夕食後、ウソップが耳寄りな情報を持ってきた。

    ウソップ「おい、女学園の生徒らはあのホテルに宿泊するらしいぞ!」

    サンジ「なにーーー!?いやしかし、昼間のこともあったしな。知ってたからって、どうしろと?」

    ウソップ「1階にバイキングがあって、食事だけなら入れるみたいだけどな....けど、代金が学生の俺らでは手をだせねぇ」

    ルフィ「なんだ?食い放題か?」

    彼の耳には「バイキング」しか入ってこなかったようだ。

    ウソップ「だーけど、中に入らなくとも彼女らを『見れる』方法はあるぜ!」

    サンジ「見れる?」

    ウソップ「大浴場....」

    その一言を聞き、サンジは鼻血を噴き出した。

    ウソップ「大浴場があるからといって、もちろん混浴なはずはねぇけど、そこを覗ける小さな穴がどこかにあるって話だ!」

    サンジ「ヌオーーーーーー!!」

    いつの時代も、同じことを考え行動する者はいるものである

  • 9二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 19:34:44

    >>7

    はい、そうです。最初のを忘れてて、立て直そうとはしてましたが忙しくて今日まで伸びてしまいました。

  • 10二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 19:38:39

    釜の準備画像持ってないから代わりを頼んだ

  • 11二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 19:40:30

    ウソップ「先代の方が勇気をもって空けた小さくも覗き穴を探すも、浪漫じゃねぇのか?」

    サンジ「そうだ!浪漫だ!行こう!覗きに!」

    ルフィ「なんだ?食い物あるなら行くぞ!」

    どうやら、ルフィは「バイキング」に頭を支配されているせいで話をあまり聞いていなかったようだ。
    食いに行くのではない、覗きに行くのである。
    そして、決行となる夜の時刻を迎えた。
    学生が夜に抜け出し、他校の宿泊場所に訪れるのはバレでもしたら冗談では済まされないだろう。
    だが、危険を顧みずに足を踏み入れたい年頃なのである。
    欲とは制御を狂わせる。

    サンジ「おい、ウソップ!ここで間違いないのか?」

    ホテル近くまで行くと、急に緊張感が迫った。
    早く見たい一心もあるが、バレた時の危惧がより挑戦へと湧き立たせてくれる。
    難儀なものだ。

    ウソップ「まぁ落ち着け。怪しい動きはまだするなよ。通りかかった一般学生を装うんだ」

    ルフィ「なぁ、バイキングはどこだ?」

    当たり前だが、こんな場所にどこを見たって料理は無い。
    じゃあ、ホテルの中だなとルフィは二人を置いて突入するつもりだ。
    入ってはダメだ。覗くのは外からである。

  • 12二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 19:58:09

    よいのだ。ルハンはこういったので良いのだ。

  • 13二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 20:40:11

    本当になんでだよ!えっちいのきぼんぬ

  • 14二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 22:08:45

    ウソップ「あったぞ!この穴だ!間違いねぇ!」

    ホテルの裏、灯りすら少ないこの場所にあったのは本当に小さな小さな穴である。その発見を、なるべく声を抑えてサンジに知らせた。
    サンジはそれを聞き、我先に穴を覗こうとする。
    彼の鼻からは、すでに鼻血が垂れていた。
    ルフィは退屈そうに「バイキング....」と呟き、少し離れた位置で鼻をほじる。

    ウソップ「おい、覗いたらさっさと代わってくれよ!時間が命なんだからな!」

    サンジ「わかってるが、浴場じゃなくて脱衣所だ!よりによって誰もいねぇのか、穴が小さすぎて範囲が僅かすぎるのか、レディ一人見えやそねぇぞ!おれらでもう少し穴を広げてみるか?」

    ウソップ「ダメだ、その作業を今するのは見つかるリスクがデカすぎる!それにこれ以上穴を大きくする勇気も俺にはない!」

    もどかしくて仕方ない。せめて誰か一人でも通ってくれればと焦り、そう願っていると突然、次の瞬間に叫ぶ声が耳を走り抜けた。

    「誰じゃ!?そこにおる不届き者は!?」

    ウソップとサンジはドキリ!と驚きから心臓が飛び出しそうになり、冷や汗が垂れる。
    決して振り向くことはなく、急ぎその場から逃走した。
    幸い、灯りもあまり機能してるとはいえない場所だったので、顔も互いに確認できずであり、制服も見られていない。
    しかし、ルフィだけは逃げていなかった。
    やましさなくここに来ていたので、逃げるという条件反射はなかったのだ。

  • 15二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 22:10:19

    おっ!?進展きたな!?

  • 16二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 22:23:45

    「そなた...ここで何をしておる?うん?制服...他校の修学旅行生じゃな」

    ルフィ「ん...?あ、おれか。ここのホテルでバイキングがあるってんだから来てみたんだけどよ」

    「本日は我が九蛇女学園の宿泊がゆえ、外来の者は立ち入り禁止のはずじゃ。入れるわけなかろう」

    ルフィ「そうなのか!?くそぉ!何も食えねぇで帰るのかおれは!?」

    彼は本心から悔しがっているのだが、彼女からしてみればなんとか逃れるための演技をしているに映ってしまう。
    どのみち今から我が手で連行され、この者の学校に直接報を入れるというのに。
    素直に白状すればいいものにと、呆れて溜め息を溢す。

    「不埒な....浴場でも覗こうと企んでおったのであろう。咄嗟にしても、もう少しマシな嘘と言い訳をするのじゃな」

    「覗く?」

    「この壁の向こうは大浴場じゃ。どんな手や道具を使うつもりであったが知らぬが、こんな人もほとんど来ない裏でこそこそと。言い逃れはできぬぞ」

    「いや、だからおれは...!」

    「身にする制服からすぐにそなたの学舎を調べ上げ、そこの教員らと警察に報せてくれる!つい出来心での行いであろうとも、一生後悔をし続けるがよい!」

  • 17二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 22:33:37

    支援

  • 18二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 00:27:06

    タイトルでいよいよ監禁されたのかと思った

  • 19二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 06:55:23

    この状況だと否定できないからな

  • 20二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 07:11:13

    学パロルハンはたまらんねェ〜…

  • 21二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 11:18:50

    腕を掴み、ルフィを連れて行こうとする。
    そんな彼は、「あーあ、じいちゃんに怒られるだろうな」と過去の恐怖体験がフラッシュバックしそうになっていた。
    灯りの少なく、不気味さもあるこの場から早く去りたいハンコックの前に、突如として2人の男が行く手を阻む。

    「九蛇財閥の跡取り、ボア・ハンコックだな....」

    ハンコック「なんじゃそなたらは?そちの連れか?」

    ルフィ「いや、こんなやつら知らねぇよ」

    身なりが少し薄汚い。顔を確認しようにも、頭部は覆面で隠されていた。
    相手にしている暇はないと、反対へ方向を切り替えようとしたが後方からもさらに2人、似たような風貌のやつらが。
    違うのは、その手には脅し道具のつもりか青さびた鉄パイプを鈍器として握られていた。

    ハンコック「なんじゃ?身代金目当てで誘拐でもするつもりか?」

    「それも目的にある。だが個人的恨みも晴らしておきたいんだよ!お前とこの家が契約を蹴ったせいで!俺たちの会社も!工場も!家も!全て失われたのだからな!」

    ハンコック「わらわの知ったことではなかろう....仮にわらわがその契約を蹴ったとて、そなたらの企業努力不足のせいで潰れただけじゃ。経営と取引と、それに見合う技術力が無かっただけと諦めておれ」

  • 22二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 17:16:58

    >>21

    うん、まぁ、ごもっともだね。契約は相手側もタダじゃないし

  • 23二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 21:19:51

    まだ学生のくせにその見下す眼と態度で頭に血がのぼったのか、反社的に掴みにかかろうと手が動き、伸ばしてきた。
    しかしその手より先に、ハンコックの回し蹴りが男の顔へと炸裂する。

    ハンコック「ふん、所詮は反論もできぬ愚か者よ。男とは」

    まずは1人がノされた。その光景に周りは慄きで引いてしまう。
    だが、あんなまだ学生の女にだぞという考えの元によるものか、後方にいた男の1人がこんなことあってたまるかとがむしゃらに脅しの道具のつもりで握っていた鈍器で撲りにかかってきた。
    やれやれといった呆れの溜め息が出そうになった時、彼女が連行するつもりであった腕を掴まれている男が動き出す。

    ルフィ「ぬおーーーー!!」

    ルフィは振り下ろしかかってきた鈍器からハンコックを庇うように割って入り、頭で受け止めた。

    ハンコック「そ、そなた!何故!?」

    正直、助けられなくとも問題ないはずだったのだが、庇ってくれたことに驚きを隠せない。
    覗きで連れて行かれる彼にとって今の状況は、運が巡ってのチャンスだったはず。逃がれるタイミングだったかもしれないのに。
    何故?とハンコックの頭の中で混乱が染まり始める。

    ルフィ「効かーーーーーん!」

    頭から赤い液体を垂れ流しながらも、相手の腹部へ拳を叩きこんだ。
    こんなやつらルフィにとっては、お前を強くする!という理由で祖父からの理不尽なしごきに比べればずっとマシである。
    相手を殴り飛ばしたところで、もう1人がルフィに標的を変えて青さびにまみれた鉄パイプで撲りにかかるも、彼の背後から跳び越えてきたハンコックがその相手を蹴り飛ばした。
    残された最後の1人はどうすればいいか、どうすることもできず、思いつかず、なさけない悲鳴と共に他を助けようともせずに逃げて行ってしまう。

  • 24二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 21:31:29

    ズボン脱ぐ必要あるか?野生を縛る理性はいらねぇ!やってやるぜ!

  • 25二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 21:47:32

    >>24

    断空光牙剣じゃねーか!

  • 26二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 22:11:14

    ルフィ「いてて...なぁお前....えと....ハンモックだったか?悪いけどおれを連れて行く前にティッシュか何か持ってねぇか?血ぐらい拭いておきてぇ」

    ハンコック「ハンコックじゃ.....失礼な男じゃな...ハンカチならあるが....」

    差し出されたハンカチを受け取り、顔に流れた鮮血を拭うように拭いて、撲られた箇所を押さえる。
    ジンジンする熱持った痛みが、ハンカチ越しに手に伝わってきた。

    ハンコック「ここにあまり長居をしたくはない。場所を変えようぞ.....その怪我の治療ぐらいしてやろう」

    ルフィ「....おれを連れて行かなくていいのか?」

    ハンコック「もうよい....そんな気になれぬ」

    ルフィ「そうか...」

    ハンコック「表から堂々とそなたを連れてホテルに入るわけにはいかぬ。裏口から入り、今宵わらわの宿泊する部屋にゆくぞ」

  • 27二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 22:16:51

    ホテルをラブホと思ってしまった私を誰か斬れ!

  • 28二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 00:51:43

    ほほほほほほ守

  • 29二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 07:51:24

    保守

  • 30二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 11:14:32

    ハンコックの先導と案内でホテルの裏口から入り、他の生徒や教員に見られぬように従業員用エレベーターを使ってホテルの最上階まで一気に移動する。
    この階層からは他の生徒どころか教員らすら来ることはないので、コソコソする必要はなく、ようやく張っていた気を緩めた。
    最上階のペントハウス・アパートメントがハンコックが宿泊する部屋である。
    九蛇女学園の修学旅行は、生徒一人一人に宿泊の為の部屋が用意されるのだが、ここのホテルは九蛇財閥の経営下なので、その跡取りとなる彼女には当然というか、一番良い部屋が用意されていた。

    ルフィ「げーーっ!お前1人でこの部屋独り占めかよ!」

    ハンコック「ここはわらわの家の傘下として経営するホテルの1つじゃからな。気を遣ってか、媚売りか....まぁ、それはどうでもよいことじゃ。ほれ、適当な場所に腰を下ろしておれ」

  • 31二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 17:43:09

    いいね!

  • 32二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 23:00:49

    このレスは削除されています

  • 33二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 23:03:30

    >>32

    なんかワロタ

  • 34二次元好きの匿名さん22/10/26(水) 23:04:35

    >>33

    (スレ間違えたごべーん!)

  • 35二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 07:57:34

    こっからどうなるのか非常に楽しみだ

  • 36二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 08:04:20

    >>35

    俺はパンツ脱いだ

  • 37二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 10:22:18

    ルームサービスに、救急箱やら治療道具を持ってくるように頼む電話をかけたが、彼女は溜め息を挟んだ。
    どうも、自分が怪我したのかと思われ慌てられたようである。
    届けられた際に、男を連れ込んでいると知られたらまずいので、部屋を出て受け取りに向かった。
    その間を待つルフィは備えられているワイドキングか、クイーンロングか、あまりの大きさを誇るベッドに腰を下ろす。
    それは、自分の部屋の物とは比べ物にならないぐらいにフカフカであった。このまま力が抜けていくように、ベッドに身を預けて眠ってしまいそうである。

    ハンコック「ほれ、怪我の箇所を見せてみよ」

    先ほど、スタッフから治療はよろしいのですか?と聞かれはしたが、誰にも触られたくないから自分ですると理由を付けてきた。
    さっそく手当てにとりかかるも、慣れてない手つきで消毒から血を拭き取るためにガーゼを当てたりしていく。

    ハンコック「こ、こんなものでどうじゃ?」

    最後に丸みのある四角めの絆創膏を当て、その上からテープを貼られた。
    その上から指で軽く触れれば、小さくズキリとした痛みがある。

    ルフィ「ありがとな」

    こんなこと、誰かにしてやったにはハンコックにとっては初めてのことであった。
    記憶頼りの見様見真似であったが、なんとか成し遂げられておかしくも達成感がある。

    ハンコック「そういえば、そなたの名前を聞きそびれておったな」

    ルフィ「あぁ....おれはモンキー・D・ルフィってんだ」

    ハンコック「ルフィか....先のことは....礼は言っておく」

    よけいなお世話だったと最初に付けたしそうになってしまった。普段なら言っていたであろう。
    だが、どうしてか自分の明確な意思でそれを外した。
    彼に、言いたくないと思ってしまう。

  • 38二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 18:14:40

    胸がきゅんするんじゃあ

  • 39二次元好きの匿名さん22/10/27(木) 22:32:29

    いいねぇ(ニヤニヤ)

  • 40二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 04:51:47

    ニチャアァ

  • 41二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 11:16:23

    >>40

    こいつ、本気だ

  • 42二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 18:12:50

    >>41

    これをおかずに!?

  • 43二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 18:16:05

    保守っとこ

  • 44二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 23:59:30

    よいのだ。ルハンはこういったのでよいのだ

  • 45二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 10:50:59

    落ちるなぁ‼︎書けぇ‼︎待ってるからぁ‼︎

  • 46二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 10:52:57

    >>45

    保守ッとけ保守ッとけ!書いてる途中でサーバー落ちして消えることあるからSS書きは苦労するのだ

  • 47二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 22:02:10

    生きろオラぁ‼

  • 48二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 22:07:50

    あぶねぇ

  • 49二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 23:30:14

    ルフィ「いいよ。礼なんて食えねぇし。おもわずあぶねぇ!って勝手に体が動いちまってた」ニカッ

    ハンコック「そうか....その気概、羨ましく思うぞ。しかしそなた、あの場で何をしておった?こうして面と向かってみたが、とても不埒な真似をするような輩には見えぬが.....」

    ルフィ「いや、バイキングを...」

    ハンコック「本当に食事をしたくて彷徨っておったのか!?」

    ルフィは思い出したかのように、腹の虫が鳴った。
    気が抜け、笑いすら込み上げてきた。愛おしさすらある。

    ハンコック「直接下の会場に足を運ばすことはできんが、食事をここに持ってこさせることはできるぞ。どうじゃ?」

    ルフィ「本当か!?いやぁ、悪いな!腹が減って死にそうだったんだ!おれの学校が泊まるとこは御膳っつうのか?量が決まってたから!」

    フロントに連絡を入れ、バイキング会場から食事を持ってくるように頼み、再び彼女自らが取りに部屋を出る。
    しばらくして、彼女は大量の料理が乗せられたステンレス製のユーティリティカートを押して部屋に戻ってきた。

    ルフィ「ウホホォ~~~!!すっげ~~~!!」

    ハンコック「続け続けに持ってくるように言ってあるゆえ、遠慮せずともどんどん食してよいぞ」

    言われるまでもなく、「いただきます」の一声から無我夢中で食い始めた。
    品の欠片もない。普段の彼女なら指摘するはずなのに、嫌な気がしない。

  • 50二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 09:19:40

    保守!

  • 51二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 10:53:15

    次々と皿の料理が消えていき、ハンコックは運ぶのに大忙しである。
    部屋前まで運んできてくれたホテルマンに声をかけられた気もするが、構っていられない。
    提供できる料理が限界を迎えるという時に、ようやくルフィの食事が終わる。
    大満足な様子で、最初より数倍も膨らんだ身体でベッドに大の字になって身を預けた。人間とはこうも膨らむものなのか、人体とは不思議なものだと考えさせられる。
    ふと、少し目を離せば彼は元の姿に戻っていた。

    ルフィ「ごちそうさん!ありがとな!」

    ハンコック「この年頃の男は無限な勢いで食えると聞いたことあるが、あながち嘘ではなかったのじゃな」

    なにかと口うるさい豆みたいな婆さんの顔を思い出す。
    こんな時に脳裏に浮かべたくない顔なので、気を紛らわせるついでにお茶を淹れ始めた。
    何故か、自然と先にルフィの分を淹れて提供してしまっている自覚がない。

  • 52二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 18:19:49

    ルフィのお茶を先に淹れる描写好きすぎて天を仰いでる

  • 53二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 20:55:29

    年寄りって高校生は無限に食えると思ってるからな

  • 54二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 07:17:22

    よきかな…

  • 55二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 11:30:20

    ニョン婆の言われようで笑った

  • 56二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 17:58:45

    >>55

    あの婆さんはそういった立ち位置だ

  • 57二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 23:56:42

    お茶が淹れられた湯呑を彼女から渡され、一息。
    口の中に残る食事の味が流されていくようだ。
    ハンコックもまた、ベッドに座るルフィの隣に腰を下ろし、落ち着いた様子で茶をすすった。
    ふと、思い出したかのようにルフィが彼女に問う。

    ルフィ「お前、なんであんな場所でほっつき歩いてたんだ?散歩か?」

    ハンコック「ふぅ....わらわは生徒会長として、不届きに外出しようとした生徒はおらぬか見回りのつもりじゃった」

    ルフィ「生徒のすることじゃねぇだろ」

    その通りだ。学園経営者の者でも、それで生徒会長を務めていても生徒の立場だ。
    さっきみたいに、自分の行動のせいで何かあった際は責任を負われるのは教員達である。
    それを、迷惑という。

    ハンコック「わらわとて....所詮は自己安心を得るための勝手なことであるのは解かっておる。ふふふ、その生徒会長がこうして男を連れ込んでおるとはな」

    目を伏せるようにしたが、すぐに顔をこちらに向け静かに笑った。
    他の生徒に見られたなら、驚く顔をされるだろう。
    普段でなら気を張って口にしないだろう本音と気持ち含んだ言葉が、彼を前にしてつい出てきてしまった。
    学園の皆は、彼女に尊敬と羨望の眼差しを向けてくる。
    学業もスポーツも、常にトップであるが、それは常に完璧でいなきゃいけないプレッシャーに蝕まれてしまう。
    教員らも、自分への態度が他の生徒とは180度違う。
    学園では、誰にも相談ができない立場とならざるを得なくなってしまっている。

  • 58二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 06:29:53

    もう雰囲気がえっち

  • 59二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 06:31:58

    >>57

    >>自分の行動のせいで何かあった際は責任を負われるのは教員達である。

    それを、迷惑という。


    ロム兄さんの口上みたいな文体で草

  • 60二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 09:49:23

    よいのだ。こういったのでよいのだ

  • 61二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 19:04:09

    ルハンは健康に良い

  • 62二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 21:05:39

    保守

  • 63二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 01:19:30

    ルフィ「今になって後悔でもしてきたのか?」

    ハンコック「あぁ....それは微塵も考えておらなんだ。むしろ今は胸が晴れ晴れとしておる」

    ルフィ「にしし!そっか!」ズズゥ

    ルフィは茶を一気に飲み干すと、ベッドから立上がり湯呑をテーブルに置きに向かう。
    それを目で追うハンコックであるがなんだか、口奥に胸奥、爪先がむず痒い。
    それが悪い気はしておらず、居心地の良さがある。

    ハンコック「ち、茶のおかわりか?それとも風呂か?」

    ルフィ「え?いや、そろそろ戻ろうかなっ」

    ハンコック「あ...!う、うむ....」

    ルフィ「飯、ありがとな!」ニカッ

  • 64二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 10:24:59

    ホテルから出る手順は、この部屋に来る時と同じでいいだろう。そう考え、部屋を去ろうとする彼の背をハンコックは一点に見つめていた。

    ルフィ「また、どこかでな」

    『また』、それはいつか再びあるのだろうか?
    ここで今、見送ってさよならすれば二度と会えなくなるような気がして感じたことのない不安が込み上げてくる。
    他者の根拠のない述べ事はこれまで無視したり、追求したりしてきたのに、理屈とかもない不安。
    己が思考が脳内に巡るより先に、身体が勝手に動いて彼の学ランの裾を掴み、引っ張ってしまっていた。

    ハンコック「行かないで....」

    ルフィ「???」

    ハンコック「用意されたこんな広い部屋でただ独りでいるのは寂しいのじゃ!だから、行かないで!」

    咄嗟の思い付き言葉で彼を行かせないようにするマネをしてしまった。
    我儘であるし、相手のことを考えるのを忘れてしまっている独りよがりである。
    だが、ルフィは『独り』という言葉に弱かった。

  • 65二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 17:52:00

    きぶってもええのんか?

  • 66二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 19:58:06

    駄目じゃないか
    孤独を嫌う男の前で
    自分が『そう』であると示してしまったら

  • 67二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 01:00:27

    始めて心を開きかけてる男に行ってほしくはないもんなぁ

  • 68二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 08:55:50

    広い部屋ってのを言い訳に使うのは境遇からでもあるね。周りからすれば恵まれてはいるけど

  • 69二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 10:30:55

    投稿者です。急展開で無理矢理すぎますがエっちくなってしまいます。さすがに別のとこで書いた方がいいね

  • 70二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 10:34:56

    >>69

    カットして支部に上げなおすかテレグラフを使って最後まで書いて欲しいことをお前に教える

  • 71二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 10:35:14

    >>70

    カットってのはえっちなパートの辺りの事です

  • 72二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 10:47:48

    >>70

    >>71

    ありがとねぇ!とりあえず仕事帰ってからするよ

  • 73二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 18:29:33

    んふ!いい雰囲気だね!

  • 74二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 00:37:19

    イチャイチャルハンを‼︎ここで待つ‼︎

  • 75二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 01:34:45

    帰ってすぐに書いたから誤字脱字は許して

    喪失ルフィ「............」

    ハンコック「...ハァ....ハァ.....」ドキドキ


    左手はハンコックの右膝部を軽く当てる程度に掴み、脚を広げさせておく。手には、微かな震えが伝わってきていた。

    右手の方の指先は、己が生殖器の根本を添えるように掴む。

    彼女は恥ずかしさの照れもあり、初めて目にする男の逸物に少しの恐怖から顔を手で覆いたくなるも、目を逸らしてはならない覚悟を持つ。

    どうして、こんなことになっているのだろう?

    それすら、考えてもおらず。

    「行かないで」と言われ、じゃあもう少しのつもりだった。

    自分から引き留めておいて話すこともせず、彼女は口を開かず。ベッドの上で腰を下ろした両者は、背を互いに向かい合わせたまま、静かな空間で時間だけが無駄に過ぎていく。

    時計が22時の報せて数秒後、彼女から「ん.....!」と、何か力みが入ったかのような声が漏れた。そこから布の擦れる音を挟み、ルフィの背にハンコックはもたれかかる。

    学ラン越しからでも、伝わる体温と感触でそれはわかった。彼女は裸になっていること。

    風呂か?風邪ひくぞとなり声をかけようと振り返った瞬間に、抱きしめてきたのは覚えている。

    そこから…
    telegra.ph
  • 76二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 01:43:45

    >>75

    おっきした

    裸でいといてよかった

  • 77二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 09:11:19

    ルフィ「ハンコック、何でだよ」

    隣でこちらに背を向けている彼女に、そう尋ねた。
    まだ下半身に先ほどまでの感触が幻触として残り、改めてとんでもないことをしてしまったという罪悪感が湧いてくる。
    ルフィの尋ねに反応するかのように、彼女は体を起こす。
    まだこちらに顔を向けず、口を開いた。

    ハンコック「そなたのした行い...そなたからの空気と雰囲気、覗かせる威圧の色....」

    不適の混じった笑みを含め、こちらに顔を向ける。

    ハンコック「なによりも、わらをを見るその眼.....他とは向けられてきたものとは違う眼....それが気に入った....」

    ゆっくりと、唇と唇が触れそうになる位置まで顔を迫らせてきた。

    ハンコック「これでわらわはそなたの女じゃ.......そなたは過ちと捉えるか?」

    女が一度しか捧げられぬものを捧げたことにより、太ももを這うように伝った赤い線は、ベッドのシーツにシミとして刻まれている。
    返答の言葉が不器用でひねり出せず、ルフィはただ天井を見上げ、しばらくは口を開かない。
    そんな彼に、ハンコックは寄り添ってきた。

  • 78二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 09:50:49

    素晴らしいSS

  • 79二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 18:09:44

    この後どうなるんだろ…

  • 80二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 19:08:45

    さすがに一泊するわけには、いかなかった。
    戻ることを伝えると、今度は止めてくることはなく。
    夜中にこっそり自分の通う学校の生徒が宿泊する旅館へと帰り、見つかれば大問題だが外をよじ登って同室であるゾロに窓を開けてもらい、そこから侵入。
    同班であり、今件の原因となったウソップとサンジは驚いた顔をしている。正直、捕まることはなさそうだと思っていたが、帰ってくるのが遅くてもしかすればと心配していた。

    ルフィ「おれは寝る」

    それだけ言い、ウソップが寝るはずの布団へと潜ってすぐに眠りに落ちた。
    様子のおかしさもあり、首を傾げる。
    翌朝は、何事もなかったかのように点呼に姿を見せていた。

  • 81二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 23:17:21

    修学旅行二日目も最終日も、ルフィは一見楽しんでる様子もあったがどこか上の空な時もあった。
    その帰り、偶然にも九蛇女学園の修学旅行生を乗せたバスと並走する場面があり、サンジが窓から乗り出す勢いでメロリンし、投げキッス等でハートを飛ばす。
    馬鹿にしているのか、本当に笑えたのか、女学園の生徒らはクスクスと笑っていた。
    そのバス内で、頬杖をついて流し目で退屈そうに眺めていたハンコックであったが、向こうバスの中にルフィの姿を見つける。
    彼もまた、彼女と目が合う。視線を逸らしたら傷つけてしまうので、小さく手を振ってみた。
    するとルフィに向け、笑みを伴わせた目配せ送ってきたので何人かは石化した。

    ウソップ「サンジーーーー!!」

    石化したサンジがバスから落ちそうになったので、ウソップが慌てて胴に腕をまわして引き寄せる。

  • 82二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 07:46:27

    最後どうなるんだ…?連絡先もわからないだろうし

  • 83二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 08:45:22

    >>82

    制服から割り出せれる

  • 84二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 10:01:47

    >>83

    そういえばそうである

  • 85二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 21:15:48

    ルフィからしたら一応助けたとはいえ飯くれた初対面の女が自分の童貞を卒業させて処女も貰ったのわけわかんねぇだろうな。

  • 86二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 08:33:20

    家に着いたのは17時を過ぎたあたり。
    どうせ帰っても一人であるが、一応「ただいま」と挨拶を済ませれば、低い声で返事が返ってきた。
    あれは父親の声である。

    ルフィ「よぉ、父ちゃん。帰ってたんだな」

    ドラゴン「たまには帰らぬと、家に蜘蛛の巣がはりそうだからな。お前は....修学旅行と言っておったな。楽しんでこれたか?」

    ルフィ「あぁ!すっげぇ楽し...かったぞ!」

    ドラゴン「うむ?」

    修学旅行での思い出が脳内を巡った中で、あの一夜も当然にあるもので。言葉が詰まるように、間を置いてしまった。
    少し様子のおかしなとこがあるのを察した父であるが、あえて触れないでおく。

    ルフィ「じゃ!おれはエースやシャンクスにお土産を渡しに行ってくるから!」

    何事も全て、楽しい思い出で終わるものではない。しかし、振り返りはそれすらも考えてみればと昇華させることができる。
    修学旅行先で羽目を外し過ぎて落ち込むぐらい怒られでもしたのだろうか?
    まぁ、多感な時期なのだろうとドラゴンは変に心配は持たず、ルフィが買ってきた土産に手をつけた。

  • 87二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 10:29:56

    手学旅行での話なんて、よほどな問題を起こさなければ2日で話題にされなくなるものである。
    いつもの日常に戻るまで、そう時間は要しない。

    ルフィ「飯だぁぁぁぁぁぁ!!!」

    先ほどまで寝ていたが、昼休みの報せに飛び起きた。
    教室を飛び出し、急ぎ購買へと向かう。今日も争奪戦が始まるだろう。
    サボから弁当は渡されるのだが、年頃の男子とはそういうものだ。食に貪欲である。
    廊下を走り抜ける最中、放送で自分の名が流れ呼び出されたが無視しようとするもナミとビビに捕らえられてしまった。

    ルフィ「うわーー!!ナミ!!ビビ!!どういうつもりだぁ!?」

    ナミ「呼び出しくらったんだからすぐに行きなさいよ!」

    彼女の威圧には逆らえないので、しぶしぶ職員室へと足を運ぶ。
    そして到着して入るなり教員に手を引かれ、固定電話の前に連れてかれた。
    まず言われたのが「何をしでかしたお前?」であり、それに首を傾げる暇もなくルフィに用がある電話内容だと教えられ、教員は受話器を渡してきて、留守電のスイッチを切る。

    ルフィ「あ~~....もしもーし?」

  • 88二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 19:26:03

    お嬢様学校から名指しで呼び出されればこうもなろう‼︎

  • 89二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 23:47:27

    きっと息吹けばルフィの学校なんざ消し飛ばせるぐらいの学校なんだね

  • 90二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 08:30:03

    「責任取れ(結婚してほしい)」って言われるのかな?

  • 91二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 10:44:02

    「もしもし...」と確認をとるように返ってきた。受話器の先からする声に聞き覚えがある。
    前回の修学旅行で知り合った女性の声の者だ。

    ルフィ「ハンコックか?」

    ハンコック「そうじゃ♡あの日以来じゃな!」

    自分の名前を覚えてくれており、その名前を彼の口から呼んでくれたのがとても嬉しかったのか、明るめな声色へと分かり易く成っていく。

    ハンコック「そなた個人の連絡先は知らぬままだったのでな。着ていた制服から調べ、直接学校側に連絡を入れさせてもらった」

    ルフィ「わざわざと、そうまでしておれに何か用か?」

    ハンコック「じ、実はの....そ、そなたに弁当でもと。これから届けるゆえ」

    ルフィ「おぉ!そうか!いやぁ、昼飯の追加を買いそびれてたとこだったから助かるぞ!」

    この連絡のせいで行けなかったのではあるが、本人はそれで咎める気はないし気にもしていない。
    弁当をくれるというご厚意が、ただ嬉しい。

    ハンコック「ふふふ♪もう間もなく着くゆえ、そなたの学校グラウンドで待っておいてくれぬか?」

    ルフィ「グラウンド?校門とかじゃなくてか?」

    ハンコック「広い場所でないと着陸できぬのでな」

    ルフィ「着陸?」

  • 92二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 17:02:06

    こち亀の中川みたいなことするのか?

  • 93二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 00:28:11

    着陸なの草生えるな

  • 94二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 09:07:02

    グラウンドへ足を運ぶ最中、外が騒がしくなってきた。時折空から奏で聞えてくるてくる音が大きくなってきている。
    どう耳にしたってヘリの音であった。
    グラウンドに着陸した赤く塗装されたヘリにあるは九蛇財閥のロゴ。
    周りのリアクションだったり、目など一切気にとめず、ルフィは言われたとおりにグラウンドへと出た。
    ヘリの扉が開かれ、黒服に身を包んだ女性らがルフィの手前にまでレッドカーペットを敷き、その上をハンコックが品のある足取りで。
    手に持たれた風呂敷に包まれた重箱を渡したいが為。

    ハンコック「修学旅行以来じゃな。わらわはそなたに会いたくて仕方なかったぞ」

    ルフィ「かっちょいいご登場だな!」

    ハンコック「そなたに会えると思ったらつい気分の高揚してしまい、その表れでの」

    勿論のこと、こんなことを見せに現れたわけではない。手に持つ重箱を、そっと差し出してきた。

    ハンコック「わらわが愛を込めた手作り...う、受け取ってもらえぬか?」

    黒服を着た女性らが、受け取らなければどうなるかな?と脅しでもしているのか、銃口をチラつかせている。

  • 95二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 17:12:03

    いやこえーよSPら

  • 96二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 00:58:33

    多分めちゃくちゃ頑張ったんだろうな…

  • 97二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 03:10:10

    >>96

    ワンピ学園みたいに

  • 98二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 13:41:56

    こういう健気な所が可愛いのだ

  • 99二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 18:19:38

    ルフィ「おぉ!ありがとなハンコック!」

    後方でサンジから発火したが気にしないでおこう。

    ハンコック「本心から言うと、あ~んでもしてやりたいがわらわにも学業があるゆえ...」

    ルフィ「おう!それなのにわざわざ....まぁ、次に時間があるときに一緒に飯でもよ」

    それは、また会えるという意味となるので、ルンル~ン♪と喜び表わす足取りでヘリへと戻っていった。
    黒服らがレッドカーペットを回収し、続けてヘリへ乗り込む。
    離陸間際に、ルフィへ向け投げキッスを贈った。

  • 100二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 00:42:38

    クッソ可愛いなこのハンコック…。親はシャッキーとレイリーかな?

  • 101二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 04:29:18

    屋上に勝手に入り、おにぎりを食すゾロの隣で風呂敷を解けば、5段の重箱である。
    少し中がグチャついていたり、ほんのり火を入れ過ぎたおかずもあるが見てくれなんぞ気にするおとこではない。
    いつもと同じ要領で弁当にがっつくルフィに、ウソップが問う。

    ウソップ「ルフィ!お前あれ九蛇女学園のボア・ハンコックだろ!九蛇財閥の跡取りじゃねぇか!」

    ルフィ「ふーん。そうなのふぁ?」モグモグ

    続けてものすっごい形相のサンジが、ルフィに迫ってきた。

    サンジ「テメェ!!どこであんなお嬢様とお近づきに!!?」

    食事をかき込むのを一度やめ、口の中のを飲み込む。

    ルフィ「修学旅行で。あの時お前らも一緒に抜け出したじゃんか」

    覗き決行をバイキングと勘違いして付いて行った夜。あの時現れた声主である。
    最も、ルフィだけだったのでよかったものの、2人が残っていたらもっとややこしい事態になっていただろう。
    嫉妬で燃えるサンジを、ゾロがバカにするように呟いたので喧嘩を始めた隣で、食事を終えて片づけをしていると重箱を包んでいた風呂敷に紛れて花の香がついた紙が紛れ込んでいた。

    ルフィ(番号....?)

  • 102二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 09:41:46

    洒落たことをするね

  • 103二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 16:06:05

    連絡先かな?やりおる

  • 104二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 01:14:00

    現パロは健康にいいぜ

  • 105二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 10:50:52

    続き楽しみ

  • 106二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 11:02:23

    気ぶってもいいですか?

  • 107二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 18:58:00

    >>106

    いいよ!

  • 108二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 02:02:26

    よいのだ。娘に内緒でこっそりおかずにするのだ

  • 109二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 09:17:43

    あくびを挟み、家の引き戸を開いて帰宅。
    まだ父は家にいる。家に誰かがいるのは嬉しいものだ。
    しかし、寒気が走った。
    どう見たって祖父の履物である下駄がある。

    ガープ「おーうルフィ!!帰ったか!!」

    トイレから出てきた祖父の姿を確認し、わかりやすいぐらいに嫌そうな顔をする。
    今すぐ、家から飛び出したい。
    トイレから出てきた祖父に続き、急ぎ足気味でトイレに入ろうとする父がルフィに告げる。

    ドラゴン「ルフィ...用事がないなら、出かけるぞ。親父が飯を奢ってくれるみたいでな」

    ルフィ「めし~~~~♡」

    ガープ「おぬし、さっきまでの態度と違い過ぎやせぬか?」

    トイレに入ったドラゴンの「紙がない!」という叫び声が聞こえてきた。

  • 110二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 15:54:44

    じじいの入った後のトイレはきついぞ!!

  • 111二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 01:17:25

    モンキー一家の食費やばそうだな

  • 112二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 10:44:55

    焼肉でも寿司でも地獄だな

  • 113二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 11:07:53

    いいよね、作中では揃うことなさそうな親子三代

  • 114二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:13:38

    ガープ「わしが奢るんじゃら店を選ぶ権利は当然、わしにある!ここはいつも行きつけのカレー屋に」

    ドラゴンはそんな父の言葉を無視して、回らない寿司屋に入ろうとしていた。

    ガープ「待たんか!バカ息子!そこは大喰らいは入ってよい店ではないぞ!」

    ドラゴン「断るのか?男のくせにかっこ悪いな親父。男はメンツで生きているのであろう?」

    ガープ「ぐぬぬぬぬぬ!」

    ドラゴン「というわけだルフィ、今日の晩飯は寿司だ。回転ではないが、今から大人の場を知っておくのも悪くない経験だろう」

    ルフィ「わかった!」

  • 115二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 01:03:44

    帰宅したのは午後9時過ぎのこと。満足げに鼻唄を奏でるドラゴンと、あれが大人の場かとルフィは少し実感を得ていた。
    ガープは真っ白になっていた。一晩の浪費金額に後が怖い。

    ガープ「わし....帰る....」

    ドラゴン「親父、ごちになりました」

    ルフィ「ごちになりました!」

    ガープ「おぬしらぁぁぁ!」

    帰ってすぐ自分の部屋へと向かい、風呂までにベッドの上でゴロゴロしていたがふと思い出す。
    昼間、重箱と共に入っていた番号の書かれた紙。あれは連絡番号である。
    制服のポケットに突っこんだままだったそれを取り出し、夜分遅くに失礼であるのだがその考えは頭になく、その番号に掛けてみることにした。
    2回のコール音から、彼女の緊張が混じった「も、もしもし?」の返事が聞こえる。

  • 116二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 09:09:48

    初々しいけどルフィ君は童貞じゃないんだかわいいね

  • 117二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 19:18:01

    ルフィ「よぉ、昼間はありがとな」

    ハンコック「う、うむ....ど、どうじゃった?」

    ルフィ「美味かったぞ!」

    ハンコック「そ、そうか!///」

    電話の向こうで、ハンコックはガッツポーズから足をばたつかせているが見えるはずもなく。

    ルフィ「あの弁当箱、どうすりゃあいい?お前の学校に届けにいけばいいのか?」

    ハンコック「い、いや、学校ではなく....その.....学校とは違う場所で.....///」

    とにかく、デートをしたいと素直に出せない。理由をつけて外で会う口実を作れた。
    それだけで、今日の行動に意味はあったのである。

    ルフィ「しっかし、お前ヘリなんて持ってんだな!」

    ハンコック「あれは自家用の....」

    そんな光景を、風呂が空いたのを知らせに来たドラゴンがこっそりと覗いていた。
    息子から、いつの間にか女の気配がする。

    ドラゴン「色を知る年齢か.....」

  • 118二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 19:31:38

    風呂空いたのをわざわざちゃんとルフィに言いに来るドラゴン普通のとーちゃんやっててなんかほっこりする

  • 119二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:25:15

    ※ドラゴンはルフィが童貞卒業して九蛇財閥の跡取りであるハンコックの処女をいただいたのを知りませんり

  • 120二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 10:05:25

    約束の日は土曜。ハンコックは3日後のその日まで、まだかまだかと一日が長く感じているのに対してルフィはいつも通りであった。
    ウソップに休みの日に遊びに行かないかと誘われはしたが、先約があるので断りを入れる。
    それを聞き、サンジが悪魔の如く顔で迫り、「あのお嬢様とか!!?」と問いただしてきたが、隠すつもりもなく、なんでこんなに怒っているのかわからないままのルフィは「そうだぞ」と普通に答えた。
    そして週末の夜、明日は朝にちょっと出かけると、弁当箱を返してくると息子から突然言われたドラゴンは、あの重箱と風呂敷を洗った身なので察したのか何故か本人よりずっとそわそわしてしまう。

    ドラゴン「ル、ルフィ....明日の準備とかは?」

    ルフィ「へ?準備ってなんだよ?弁当箱返しに行くだけだぞ?」

    ドラゴン「お前はそうかも知れぬが、相手は勇気と覚悟を込めてくるやもしれぬのだぞ。それに失礼ないようにするのが....」

    ルフィ「ぐごーzzz」

    ドラゴン「寝るな突然!お前は親父か!」

    あいつ、着ていく服とか持っているのかと疑問が生まれる。
    基本、学ランでいる気がしてきた。
    無断でルフィの部屋のクローゼットを探すが、季節ごとの肌着とジャージぐらいしか見当たらない。
    ついでに、エッチな本もなかった。
    息子の性に不安を覚え、急ぎ家を飛び出す。
    本人の知らないとこではあるのだが、ドラゴンはそんなこと知るはずもない。

    ドラゴン「サボ!付き合え!」

    サボ「え!?なんですかいきなり!?」

    ドラゴン「ルフィの服を買いに行く。正直、おれだけではセンスが不安だ!途中、コアラも拾うのでお前らが選べ!」

    サボ「なに!?ルフィの!!それならおれも家でぐーたらしてるわけにはいかねぇな!!」

  • 121二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 10:12:15

    この世界だと目一杯親やってるドラゴンとーちゃんいいな…

  • 122二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 17:26:09

    なんでサボも乗り気なんだよ

  • 123二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:52:42

    ハンコックにとっては決行の土曜日。天気は曇り気味。
    玄関でサンダルを履くルフィの姿は袖と裾を捲り上げたジャージ姿。
    そんな息子をこのまま送り出すわけにはいかない父は、息子を呼び止める。

    ドラゴン「待て、ルフィ。いつものジャージではなく、これを着て行け。履物も替えろ」

    ルフィ「え?いや、いまさら着替え直すの面倒.....」

    ドラゴン「いいから、着ていけ」

    なんだか、気迫がある。しょうがないので、渡された紙袋に入っていた衣服に渋々着替えることにした。
    黒いスラックスを履き、羽織った赤いYシャツのボタンを留め、最後にネクタイを...なのだが結び方を知らない。

    ルフィ「ネクタイの結び方なんて知らねぇよ。つか、いらねぇよ」

    ドラゴン「バカ者。男は勝負時はネクタイと相場が決まっているのだ」

    ルフィ「そうなのか?じゃあ、今度じいちゃんが特訓じゃあ!ってきた時はネクタイしとかないと!」

    ドラゴン「その勝負事ではない」

    しょうがないのでドラゴンが結んでやり、最後に息子へ腕時計を渡してきた。男とは腕時計で会話するのだと教えるが、ルフィは全く興味なさそうな態度である。
    今まで、子に金を使うことはなかったのでドラゴンはやけに張り切っている。

    ドラゴン「行ってこい。それがお前の....!」

    ルフィ「行ってきまーす!」

    言い切れなかったのはまぁいいだろう。女を知る歳かと、仕事であまり接してやれなかったが幼い頃のルフィを思い出し瞼が熱くなる。
    しかし、ここで気づく。用意した革靴ではなく、いつものサンダルで出ていきやがった。

  • 124二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 23:56:32

    ストロングワールドスタイル…ってコト!?!?

  • 125二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 07:14:35

    ドラゴンさん太っ腹

  • 126二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 16:17:52

    親バカドラゴン頼りになるけどルフィが自由人すぎるから…

  • 127二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 01:17:00

    待ち合わせ場所であるメインストリートの中央広場噴水前にて、ハンコックはまだルフィの姿すら見えてないというのに頬を赤らめ、ソワソワが止まない。
    佇む彼女に、道行く他のカップルの彼氏側が思わず見とれてしまっている。
    他の男に言い寄られないか、物陰からバレないように見張っていた黒服の女性たちはルフィが約束の時間より遅れているのでお労しく思い、見守ってやることしかできないのがもどかしい。

    ルフィ「よぉ!ハンコック!遅れてわりぃな!」

    その声が聞こえ、彼女の顔がより一層と晴れやかにさせた。
    ルフィは出発とは違い、スラックスの裾を捲り上げ、ネクタイも緩めている。

    ハンコック「いいえ...////」

    照れもあってか目を合わせられず、しおらしく返事を返した。
    ルフィは、ハンコックに礼を述べて重箱を返したのだが、それだけですぐに「またな」の一言を残して立ち去ろうとする。
    いやいやいやと黒服の女性らは思わず飛び出しそうになったが、ハンコックは邪魔をするなと言いたげな目でサインを送ってきた。
    気づかれていたようだ。

  • 128二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 09:57:33

    勇気を出せ、一緒にいたいと言うのだ。己に言い聞かせ、ルフィの服袖を掴んだ。

    ハンコック「こ、これから一緒に!どうじゃ!?」

    つい勢いで、顔に迫って「一緒にいたい」という気持ちだけが先走ってしまい、誘い言葉を挟むことなく口から出てきてしまった。
    はっ!と我に返り、顔を手で覆い隠しながら距離を置く。

    ハンコック「す、すまぬつい....よ、よろしければ一緒に買い物だったり....食事を.....し、したく思いまして///」

    ルフィ「あぁ!いいぞ!」

    その返事だけで、心は晴れもよう。1つ気分の良い鼻唄でも奏でたい気分で、強くルフィを抱きしめたい。
    さて、物陰からずっとこっちを見守っている黒服らの存在だが、きっとこっそりついてくるので蹴散らしてこよう。

    ハンコック「す、少し手洗いに....」

    ルフィ「わかった。ここで待ってるからな」

    待ってくれている。あぁ、ルフィが自分を。それだけで嬉しさに酔ってしまいそうだ。
    一度その場から離れ、怒りの剣幕へ形相を変化させながら黒服の女性らのところへ急ぎ足で向かう。

    ハンコック「そなたら!散れ散れい!」

    重箱をその者らに渡しておき、邪魔をしないように言い聞かせておく。

  • 129二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 18:15:47

    ルフィは、そういうやつだよ

  • 130二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 01:03:40

    お付きの人たちもハンコックの事なんだかんだ大事に思ってそうなのが見えて好き

  • 131二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 02:30:56

    ハンコック「ま、待たせてすまぬ...」

    ルフィ「おう!じゃあ、どこ行くんだ?」

    しまった。一緒にいたいが目的だったので行先なんて考えてもいなかった。
    なんてことだ。こういった経験はないもので、ここからどういったスタートを切ればいいのかわからない。
    ちゃんと、予定を立ててくるべきだったのあろうか?
    昼食までまだ時間があるから、いきなり食べに行こうなんて言っていいものかと悩む。
    いや、こう悩んでる時間さえ無駄に過ごしてしまって、ルフィに「もういいなら帰るぞ」と切り出されないか不安になってきた。

    ルフィ「特に決まってねぇならちょっとジャージ買いに行くのに付き合ってくれねぇか?いやこの前さ、エースとサボって兄ちゃん達がいるんだけど、3人で山にカブトムシ取りに行ったらクマと出くわしちまってよ。逃げた先が崖で、つい落ちてお気に入りだったジャージがダメになっちまって....」

    色々とツッコミどころはあるが、ルフィからの提案に彼女はすごい速さで首を上下に振る。
    それを承諾したと受け取り、「よし、行くか」と足を進めようとしたが、ハンコックは何かを言いたげに言葉を詰まらせながらモジモジしていた。
    その様子に、何かあったのかと尋ねる。

    ハンコック「あ、あの....て、手を繋いでも良いか?///」

    ルフィ「なんだ、そんなことか」

    その手を取り、しっかり繋ぐ。彼女の手は、どこか冷たくも肌触りよいものであった。
    あれ?とふと思う。手を繋いだだけで、こう...奥底から感じたこともないような緊張感が僅かながらにルフィに芽生えていたのだが、まだ首を傾げるほどではない。
    そんなルフィの様子を遠くから隠れ覗いていたエースは興奮し、サボは涙を流し、付き合わされたコアラは二人に呆れている。

  • 132二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 08:23:58

    おい、兄二人

  • 133二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 08:38:37

    弟バカ2人はともかくコアラが巻き沿い食らってて草

  • 134二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 10:04:34

    初々しいけど初手で一発やってるのは当人達しか知らないのいいよね

  • 135二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 18:16:56

    ルフィにも亀並みではあるが恋の足音が迫っているのか…

  • 136二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 21:00:23

    あのお気に入りだったジャージはどこで買われたものだろうか?あれは、誕生日にサボから貰ったものである。
    自分のことを知るサボなら、洋服店ではなくスポーツショップで購入したものだろう。
    ショッピングモールに行けば、当然の如くあるので店探しをする必要はない。

    ルフィ「お、あったあった。ラッキー!半額になってやがる!」

    長いこと売られていたり、人気なかったり、季節の変わり目にある商品の一部の半額は学生にとってはありがたいものだ。
    ハンコックからしてみれば、こうして自ら歩いて買い物するのも数年ぶりのことだし、こういった店での半額の値札も初めて見るものなので新鮮味がある。

    ルフィ「う~ん....でも半額になっててもそこそこの値段はするなぁ」

    ハンコック「わ、わらわが出そうか?」

    ルフィ「は?いや、いいって別に。ダメにしたのはおれだから、おれの金で買い直さないと。くれたサボにずっと悪いと思ってたからな」

    まずは、財布にどれだけ入ってるか確認しておかなくては。
    財布の中を覗くと、昨日とは違いぎっちり入っている。
    何故だ?と困惑するが、金が足りずに手前で終わることとなったりしたらかわいそうだと父がこっそり入れといてくれたのを知らない。

  • 137二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 21:00:53

    サボ「ルフィ....あの山での一件、ずっと気にしてくれてたんだな!」ウルウル

    エース「おれももう、ルフィの意識の成長に感動して年甲斐もなく泣きそうだ」ウルウル

    コアラ「ルフィ君、財布開いてから固まってるけど殆ど中身がなかったのかな?」

    サボ「なに!そえはまずい!せっかくの初デートが金銭問題でこれ以上は...ってなるのだけは絶対にダメだ!今おれが助けにいくぞ!でもおれも金ないけどな!」

    エース「おれもいくぞ!おれもないけどな!」

    コアラ「静かに見守っといてあげなさいよ!そもそも見守る為に付いて今もおかしけど!いい?デートっていうのはいかなる事態も男側の手腕が...」

    エース「見ろよサボ、最近のサッカーボールは派手な見てくれのが増えたな」

    サボ「だなー...」

    コアラ「ぐっ...!」イラッ

  • 138二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 07:00:27

    ルフィはあればあるだけ飯に使っちゃいそうだけどいざとなったら太すぎる実家のお陰でじーちゃんとーちゃんからめちゃくちゃお金もらえそう

  • 139二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 07:28:35

    エースとサボのノリは平和だな

  • 140二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 15:59:12

    必然的に平和な世界すぎてエースとサボがめちゃくちゃ男子になってコアラが世話焼き姉ちゃんになってる…。

  • 141二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 00:37:36

    エースとサボが助けに行くぞ!から秒でサッカーボールに心奪われてるの完全に男子学生やっててあまりにも平和な世界で涙出てきた

  • 142二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 00:44:42

    いつも大量のレシートを入れっぱなしなので、財布の違和感に気づけず、金がぎっちり入れられているのには驚いた。
    使っていいのか?と疑ったが、自分の財布に入っていたものなので気にしないことにしておく。あとで何か言われたなら頭を下げよう。
    中学の頃にビビから色んな意味で教えられたことだ。
    ジャージを買えたのは良かったが、ハンコックにとって問題はその先のこと。普通に服を見に行きたいやコーヒーが飲みたいなり、適当な理由をつければいいのに心に頭が追い付かず、もうこれで終わってしまうのか?と焦りが出始める。

    ルフィ「11時前か...急ぐぞ、ハンコック!」

    父から贈られた腕時計で時刻を確認し、彼女の腕を取り走り出した。
    彼から急ぐ理由を聞く前に、なんて大胆な、駆け落ちして家から追われてるみたいと頬に手を添えて赤らめる。

    サボ「移動したぞ!この時間といったら、あれだな!」

    エース「あぁ、戦場となる前に席を確保すべしってやつだ」

    コアラ「??」

    引いてくれるその手を、自ら意識して強く握った。それに連れられて着いたのはフードコートエリアであるのだが、彼女にとってはこんなところに来たことがなく新鮮味のある風景であった。家族連れと老夫婦がちらほら。

    ルフィ「いやぁ、まだ席に余裕あってよかった!」

    空いている適当な席に座り、彼と向かい合う席に続けてハンコックも腰を下ろした。
    興味というのか、初見なのであたりについ目がいってしまう。
    様々な飲食店が並び、常に騒がしさが奏でられている。

    ルフィ「席取りは戦争になりかねないからな!早い方が良いぞ!」

    ハンコック「そ、そうなの....か」

    先ほどの握られた手の感触の残りを名残惜しそうに指で弄り、向かい合うこの状況がただ愛おしい。

  • 143二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 10:28:39

    休日のフードコートの昼は地獄である

  • 144二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 15:38:58

    青春って感じがして好きだ…!!

  • 145二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 00:03:24

    きゅんきゅんしてしまうわ…

  • 146二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 01:33:16

    ルフィ「よっこいしょ!」

    ハンコックに「待っていてくれ」と頼み、ルフィは一度席を離れ、数分の時間を置き2枚のトレーを両手に戻ってきた。片方には包装された大量のハンバーガーが積まれ、もう一方にはポテトの山、存在を忘れそうな2つのドリンク。ギョッとする光景である。
    席に戻り、数個のハンバーガーとポテトをハンコックの前に置いた。

    ルフィ「飲み物は無難にコーラにしちまったけどよかったか?」

    ハンコック「な、なんでも....そなと同じものを...///」

    ファーストフードなど、これまで口にしたことがなく、初めての実食である。
    味がしない。自分の為に差し出してくれたこと、こうして一緒に食事できている現状に胸がいっぱいのせいで味覚に余裕が持てない。

    ルフィ「ふぃあふぃふぁふぃ、ふひはわっへへはふはっはふぁ!(いやしかし、付き合ってもらってわるかったな)」バクバクバク

    ハンコック「さ、誘ったのはこちらからゆえ...」

    なんで通じたのかは気にしたら負けである。
    しかし、初デートの食事にしては特有の初々しさがないというか、それを遠くの席で見守る兄二人はルフィに負けないぐらい暴食気味に食いながらもどかしく思っていた。もっとこう、照れながらも頑張ってデートする弟が見たかったのである。
    2人は持ち金がなかったので昼食代はコアラに出してもらった。後日が怖いぞ。

  • 147二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 11:23:04

    食事が、終わってしまった。もう焦っている場合ではない、勇気とはまた違うが捻りださなければならない。
    そうしないと、これで終わってしまう。

    ルフィ「いやぁ飯も食ったし、おれの買い物も済ませれたし、そろそろ・・・!」

    ハンコック「じ、実は最近部屋の棚に空きが多いと思えてきて目に寂しいなと思っていたところじゃ!な、何か小物でも見に行きたいのじゃが・・・」

    咄嗟であり、精一杯である。少しの挙動不審で怪しさをもあるのだが、疑ってないか鈍いだけなのか、ルフィは「わかった!行こう!」と迷いのない返事がかえってきた。
    それがたまらなく嬉しい、そして安堵する。まだ、一緒にいれることに。

    初めて入った雑貨屋は流行ものや物珍しい商品の種類がありすぎで狭く感じてしまう。だが、こういった店が何故に人気なのか、需要なのかは解かった気がした。
    数と種類、購買意欲と物珍しさからのついで買い。
    まぁ、ただ通りが狭いのでルフィに少しくっ付けるのがハンコックにとっては嬉しいのである。
    咄嗟に言ったことだが棚に置く物はとりあえずは探さなくては。とりあえず適当に、たまたま目に入った岩塩ランプの一番大きいのでもいいかと考えていたが、ルフィが可愛くデフォルメされたとぐろを巻く蛇の大きめのぬいぐるみを持ってきた。

    ルフィ「これなんていいんじゃねぇのか?」

    ハンコック「うむ。それにしよう」

    即答であった。それは、ルフィが選んでくれたものであるからだ。
    理由はこれでいいか?

  • 148二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 18:34:07

    ルフィのチョイスが可愛いしそれに反応するハンコックも可愛い…。幸せな現パロだ。

  • 149二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 20:24:50

    雑貨店のあと、これまで買ってきたり貢がれたりしてきた服とは比べ物にならないぐらい低い値段の服を見たりしたり、ペットショップの熱帯魚コーナーに夢中な彼に微笑ましく思ったり、なによりルフィと買い物をしている今がなによりの幸福である。
    最後に、映画を観ようと誘った。観た映画は最近話題の恋愛もの映画であったが、若者人気ってだけで選ばれた男女俳優ばかりの映画はとてもつまらなかった。
    この映画の監督と脚本家のスポンサーになることはこれからないだろうと考える。
    でも、一緒に映画を観たっというシチュエーションはとても良い。

    ルフィ「もうこんな時間か....」

    曇り空だったのが、いつの間にか晴れて茜空。
    あっというまに感じ、名残惜しさできゅっと胸奥が締めつけられる感覚が襲う。
    そろそろ帰るかと、彼の口から切り出される前にあとほんのちょっとばかりの勇気を。

    ハンコック「そ、そなたの家にお邪魔しても、よ、よいか?////」

    ふり絞った勇気。胸が破裂しそうだ。
    顔が熱い。爆発してしまいそうなぐらい。

    ルフィ「なぁんにもねぇけど、それでもいいなら...」

    それは許可の返事である。ハンコックは強く首を上下に振った。
    ルフィの家までの帰路、互いの学校の違いといった何気ない会話。この時間も代えがたいものだ。
    勇気とは、こうも見返りを授けてくれる。
    エースとサボは、こっそり覗いていたが野暮だなとあとは二人に任せて去る。
    もしもの場合は、絡んでくるチンピラ作戦のつもりで着替えと変装はしていたが必要なかった。
    コアラは何故かスケバン衣装なのは触れてやらないことだ。

  • 150二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:17:37

    瓦屋根の入母屋造りの家。聞きなれた引き戸の音を奏でて帰宅。
    今日は、客人を連れて。
    ハンコックは、物凄く緊張していた。
    男の家に上がることすら初めてのことである。
    階段を上がって最奥にルフィの部屋があり、扉を開けば彼の普段の寝床がその眼に映った。
    床には脱ぎ散らかされた制服のみが目立つ。
    ベッドに、兄二人から貰った漫画を収納する本棚と、空き缶のが数本そのままの勉強机、ダンベル。
    寝れればいいというスタンスなのか派手さがない。

    ルフィ「あぁ....まぁ、好きなとこに座れよ」

    ハンコック「う、うむ....」

    ルフィの部屋にいる。ルフィの部屋にいる。これは彼の匂いか?と内心、とても落ち着いてはいられない。
    ベッドの腰を下ろし、その隣に彼もまたネクタイを外しながら座った。

    ハンコック「な、なんだかつい昔みたいに....///」

    ルフィ「昔?」

    ハンコック「修学旅行でのことじゃ。もう昔みたいに思えてしまってのぉ...あの時もこうしてベッドに座って....」

    ルフィ「お前に怪我の手当と、飯をごちそうになったな!」

    あの時は、まさか自分が規律を破って男を部屋に入れるとは信じられない行いであった。
    それを思い出し、意外に大胆なことをしたと笑ってしまいそうになるが、そのあとの自分がしたことへの罪悪感がチクリと喉を刺すような感覚が走り、強張った表情に。

  • 151二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 02:27:02

    返事もなく黙ってしまったハンコックに、ルフィは「どうかしたか?」と訊ねると、彼女は一度深く息を吐き、胸に手を当ててから宣う。

    ハンコック「わらわは.....そなたのことを好いておる....お、お主はどうじゃ?///」

    ルフィ「おれもお前のことは.....!うん!弁当もくれたし、今日は一緒に買い物や映画観て楽しかったし!好きだぞ」

    あぁ、なんて良い笑顔だ。しかし向けられるものは違う。

    ハンコック「そういった....好きではないのじゃ」

    ルフィ「じゃあなんだ?」

    ゆっくりと寄り添うように近づき、彼の顔に己の顔を迫らせ、息のかかり合う距離から、少し互いの瞳と瞳を見つめ合い、彼女からゆっくりと、なるべく気持ち深く唇を相手の唇へ押し当てた。
    それは長く、体温が行き交うような感覚と、まるで湿り気のような水気が唇に纏わりつくようで。
    そしてまた近づくときと同じように、ゆっくりと唇を離した。

    ハンコック「こ...こういうことじゃ////」

    ちらりと視線を向け、反応を確かめるもルフィは眉間にシワを寄せた顔をしていた。

    ルフィ「んー....?」

    悩む顔、考えている顔、どちらだろうか?
    その様子に何故か涙が溢れてくる。

  • 152二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 09:38:51

    ドキドキ

  • 153二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 11:20:24

    違う好きがあるのか?と疑問を覚えるルフィであったが、彼女の頬に一筋落ちた雫を見てそれは普段から皆に向けるものとはまた違ったのがあるのだなと知る。

    ルフィ「悪い....お前も含めて友達もみんな好きだ。その好きを1人ひとりそれぞれ違う見方があるのだとしたら、おれはまだ...それがどれなのか分からねぇ」

    ハンコック「ううん....よい...ルフィはそのままでよいのじゃ。あの時のを含め...わらわの方からの一方的な想いと意思じゃから。そうじゃから...」

    膝を抱え、そこに顔を埋める。こういった時、どうしたらいいのか経験皆無のルフィには厳しいものだ。

    ルフィ「あの時のことはその....さ...ウソップとサンジが読んでた本にあった状況と似たようなもので.....その、おれもなんで体がああやって動いたのか....いや、言い訳っぽいな。ダセェなおれ....。あれは不純なものだったのか?って胸に引っかかることもある。でも、お前の大事な何かをくれたっていうことは自覚して...」

    その口を、ハンコックは人差し指で唐突に止める。
    情けない顔を見せたと、親指で頬に残る涙痕を拭き、穏やかな笑顔を見せてきた。

    ハンコック「それ以上はよい...わらわだけが解っていればよい....」

    ちょっと無理をしているのは見えている。

    ルフィ「だけどよ!」

    ハンコック「静かに...もう一度、ちょっとだけ....静かに....////」

    その人差し指は他の指と共に彼の頬へ、一撫でから再び、じっくりと顔を迫らせてくる。
    ルフィは、今度は少し視線を逸らし、頬を赤らめてしまう。明確な「照れ」が芽生えていた。
    また再び、静かながらのキスがされて長く感じる数秒であったが、その静寂を三角巾を頭に巻き、割烹着姿のドラゴンが部屋の扉を開け打ち破る。

    ドラゴン「ルフィ、客人よ、晩飯ができたからよければ...!!」

    ハンコックは驚きから条件反射に振り向こうとしたが、ルフィは彼女の後頭部を手で押さえて父の方を向かせない。
    唇は繋がったまま、睨む目で父にすぐ去るように警告する。

  • 154二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 11:24:34

    三角巾割烹着姿のドラゴンかわいいけどかわいそう

  • 155二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 11:31:46

    三角巾割烹着姿のドラゴンで電車の中で声出して笑いそうになった
    ちゃっとずつルフィも意識してくれるといいね…ハンコックちゃん頑張って…

  • 156二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 18:28:57

    お前がご飯つくるんかい

  • 157二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 01:28:33

    ※少しパロディ要素あり

    キスを終えて、ルフィを少し強めに抱きしめたら彼から腹の虫の音が鳴る。
    それに笑い、彼の父が晩ご飯の用意をしているというので下へとおりた。
    ドラゴンはちょうど、居間に炊飯器を運んでいるところであった。座卓に並べられた料理は肉を使ったものが主。
    だが、どこか家庭的なもので優しい。
    いつもはテーブルがあって、椅子に座っての食事。だが今日は床に直接座っての食事。
    彼の父は何事もなかった様子で、息子もまた同様。これは信頼関係があってこそ。
    それに過ごした長さは関係ない。

    ハンコック「す、すみません。晩ご飯いただいてしまって」

    ドラゴン「まぁ、晩飯だから帰れと言うわけにはいかぬしな」

    ルフィの父は政治経済の新聞で見覚えがあった。かなり怖い表情だなという印象もあったが、そんな男が割烹着姿で正座をしながら茶碗に山盛りの米を盛っている。

    ドラゴン「む?つい息子と同じ感覚で量を盛ってしまったな」

    ハンコック「あ、いえ、大丈夫です」

    やり取りの間、ルフィはちゃんと手を合わせていただきますを挟んでから先に角煮とコロッケと肉じゃがをおかずに白飯をかき込んでいた。

    ハンコック「い、いただきますね」

    ドラゴン「うむ、ルフィを見習って遠慮せずにな」

    おかずの種類が一回の食事とは思えないぐらいに多い。こういう時、どれから手を付ければいいのか迷うものだ。
    無難かどうかはわからないが、ルフィが全く手につけそうにない根菜の煮物に箸を伸ばし、口に運ぶ。
    驚いた。雇っているコックよりずっと美味しい。腕か?それともこの場の環境か?
    稀に妹たちと一緒にする食事みたいに暖かい。

  • 158二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 08:57:43

    ドラゴンボールのあれか

  • 159二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 10:17:15

    >>158

    じゃあドラゴンがチチかよ

    父だけに

  • 160二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 19:07:01

    いいなぁ青春
    保守

  • 161二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 22:21:15

    父と子が、サイコロステーキの最後の一個を箸で取り合うという一悶着はあったが、今は両者食後の一服がてら茶で憩いの時間。
    時刻は20時、長居して甘えたままではいけない。

    ハンコック「そろそろおいとまを....」

    ドラゴン「うむ、そうか。ルフィ、おなごを夜に一人歩かせてはいかん。送ってやりなさい」

    ルフィ「おう!」

    ハンコック「あ、いえ...すぐ家前に迎えの車を来させてるゆえ」

    ドラゴン「そう言うな。客人の背中が見えぬまでが礼儀だ」

    正直ハンコックの内心、とても嬉しくてたまらない。ルフィが見送りをしてくれるということに。
    入る時と同じ音を鳴らす引き戸、そこを越えれば夜風が涼しく出迎える。
    家の前に、一台のリムジンが停まっており、あぁもう帰らないといけないのかと現実に戻されるようだ。

    ルフィ「さよならは言わねぇ、またな」

    ハンコック「ルフィ...その前に、一つ話してもよいか?」

    ルフィ「あぁ、いいぞ」

    少し、口籠る。これもまた、勇気が必要なことなのであろう。

  • 162二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 22:21:39

    ハンコック「わらわは、来年で卒業じゃ。卒業すれば大学に入り、社長業を継ぐ手続きもしなくてはならぬ。その時、そなたはまだ学生....互いに流れる時間も変わる....今日のように、またとはいかぬかもしれぬ....」

    ルフィ「またはくるぞ...。それにお前のそれは、まだ時間がある話だ。おれは、今のできることをみんなと、お前としてぇ。先を見るのも大事だけど、足元も見ねぇと歩めなくなるからな」

    そう、今日はとても楽しい一日だった。それが今である。
    曇りがかっていた何かが晴れるように救われた気がした。
    彼女は、「今日はありがとう」と礼を述べ...

    ハンコック「じゃあ、またね」

    ルフィ「あぁ!」

    ルフィに見送られ、迎えの車へ乗車。最後まで、彼の顔を目で追った。
    帰りの車の中、袋から今日買った大きめな蛇のぬいぐるみを出し、笑みを溢しながら顔を埋める。

  • 163二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 08:10:42

    今日の思い出は彼女にとっても忘れられないものになっただろうから結婚したなら思い出話で話して欲しいな

  • 164二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 08:17:22

    青春だぁ

  • 165二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 17:27:18

    夏....うだるような暑さに、ルフィは日陰で溶けかけていた。
    ゾロはわざと日光の照りつける場所で座禅を組んでいる。アホだ。
    見てるだけで暑苦しいので、イラつくサンジも日陰で行動不能の状態。
    三人仲良く、上半身裸である。
    そんな彼らに、ウソップがとっておきの本を持ってきた。

    ウソップ「やー!やー!夏の太陽にまいる諸君!ここは一度、良い方向に視点を向けようじゃないか!」

    ルフィ「肉がうめぇ」

    ゾロ「遅くまで鍛錬ができる」

    ウソップ「それは春夏秋冬だろうがお前ら!では、サンジ君!答えをどうぞ!」

    サンジ「水着!!!!!!」

    ウソップ「そう!夏といえば水着だ!だがぁ、おれ達には今のところ夏を満喫して、水着を着て海やプールへ共に行く女の子がいねぇ!そこで!ときめき!夏のグラビア特集だ!!」

    サンジ「ぬぉおおおおおおおお!!!神様仏様ウソップ様!!」

    ゾロが「アホか」と呟く、その隣で熱さにまいって話が入ってこないルフィのスマホに一通の連絡が入る。

    ルフィ(ハンコックから?急にどうした?)

    届いたメッセージには「今度、配下が経営するホテルのプールに行きませんか?」という内容と写真が添付されている。それは水着姿の彼女の自撮り写真であった。わざと、胸を強調するように撮られている。
    ふと、ちらりとルフィの方を見たゾロが気づいたので耳打ちで警告。

    ゾロ「おい、見なかったことにしてやるから隠せ。あの二人にバレたら色々うるせぇぞ」

    ルフィ「わかった」

  • 166二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 01:46:23

    保守

  • 167二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 01:52:53

    中の人ネタだけど多少恥じらいながらこんな感じでやってて欲しいなという願望

  • 168二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 02:54:56

    残暑残る秋の始め、ハンコックに放課後話があると朝方に電話がきた。
    校門前で待つと言うので、訳は聞かずに返事だけを返しておく。
    その日の登校中、たまたま幼馴染であるウタと出くわした。昨日の夜に遊びに来てて会ってはいるのだが。

    ウタ「ルフィ!ドラゴンさんに言っといてよ!投げキャラは使わないでって!」

    ルフィ「知らねぇよ!自分で言うか腕磨けよ!」

    ウタ「なにを!?強キャラ使っても雑魚の分際で....あ、そういえば、シャンクスが仕事で行った先のお土産を渡すように言われてたけど持ってくるの忘れてた。放課後、取りに来る?」

    ルフィ「わりぃ、今日の放課後約束があんだ。校門前で待っててくれるみたいだしお前の家に寄ってからってわけにも...」

    驚いた、そして確信した。前々から匂いはあったが、ルフィには女がいると。

    ウタ「あのルフィに女!!」

  • 169二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 02:55:34

    こうしちゃいられない。あのルフィがちゃんと女性の扱いができるか、あいてを大切に思えているのか不安があるので、すべきことをしなくては。
    放課後、ウタちゃんは男子更衣室に突撃し学ランを強奪。
    それに着替え、校門前へ。
    そこには絶対にそうであろう、ソワソワしながら待つ女性が一人。男子生徒だけでなく、女子生徒も彼女の美貌につい目を向けてしまう。

    ウタ「よーよー、そこの姉ちゃん。おれたちと遊ばない?(わぁ、綺麗な人)」

    質の悪いナンパ口調でハンコックに声をかけるウタと、その隣でわけもわからずに連れてこられたローとキッドはおれたちは何をしてるんだ?と困惑していた。

    キッド「おい!ふざけんな!こんなくだらねぇことしてる暇は....!」

    フッ!とウタが服下から伸びるチューブに息を入れれば、髪の輪っかが伸びて鞭のようにキッドの頬を強打する。
    鼻血を流して地面に伏せるキッドを見て、余計なことを言えばこうなるとローは黙っておくことにした。

  • 170二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 10:11:46

    なにやってんだよ幼馴染!

  • 171二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 20:10:02

    ハンコック「なんじゃ、そなたらは?」

    ごもっともである。女性が学ラン着て、自分にナンパしてきたのだからどう状況整理したらいいのか判らない。何かの勧誘かもしれない。

    ウタ「あ、どうも初めまして」

    ロー「おい、素に戻ってどうする!?」

    ウタ「おっと、いけねぇ...えー、姉ちゃん、おれ達と楽しい事しない?」

    ハンコック「そのコスプレ大会をか?」

    ウタ「コスプレ?これ変装というものよ。あたしほどになると学ランまで着こなして...!」

    ロー「もう扮する気ねぇじゃないか...」

    呆れるローは、今すぐにでもここを立ち去りたくて仕方ない。周りの目が痛い。
    しかし、救いの手とは突然現れるものだ。急ぎ足のルフィが現れたのだ。

    ルフィ「よう、待たせたな。あれ?お前らもどうした?」

    ハンコック「ル、ルフィ♡」

    ロー「おれはお前の幼馴染に巻き込まれ....って、いねーーーーーー!!!」

    ウタは、姿を消していた。自分でやっといて、いきなり二人の邪魔しちゃ悪いと気遣いに移行したのだ。
    どう見たって、ローが主犯にしか見えない。

    ハンコック「では、ルフィ♡近くに車を停めてあるゆえに、そこへ」

  • 172二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 02:23:25

    なんだかんだ、あのリムジンに乗車するのは初めてのことである。
    色々と、機会が重なることがなかったのであろう。

    ハンコック「今日は8月の28か...」

    ルフィ「夏休み終わってから3日経つのか...んで、今日はどうしたんだ?一緒に帰りたいだけってわけじゃなさそうだな」

    ハンコック「うむ。実はの、5日後にわらわの誕生日を祝う催しが関係者らを招き開かれる。わらわの誕生日という理由をつけて招かれ来た各界や他社の交流や、コネの作り場に利用されるというのもあるのじゃが....もし...できればそなたにも来て欲しいと思ってのぉ....もちろん、たくさんの料理が提供されるゆえ」

    ルフィ「本当か!?いくいく~~!!」

    まぁ、案の上いうか、ルフィは料理の出る宴やパーティには参加したがるだろう。
    その辺等に、ハンコックはほっと胸を撫でおろした。

    ハンコック「これを、招待状じゃ。会場へ入る際に必要となるのでな...」

    ルフィ「誕生日ってんのに招待状が必要なのか?」

    ハンコック「どこから聞きつけたのか、呼んでもない輩共が入ってくることがあるゆえ」

    招待状を受け取り、家まで車で送ってもらった。
    礼を言い、別れてからルフィは玄関前で困った表情。

    ルフィ「さて、プレゼントはどうすっかな?」

    センスもない。金もない。頼るしかない。

  • 173二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 10:22:23

    ルフィ「というわけでエース、サボ、何を渡せばいいと思う?」

    意外なことで、一瞬固まった。まさかルフィの口からそういったのが出る日がくるとは。

    サボ「あー...ルフィ、よくつるむナミちゃんやビビちゃんの誕生日にはなにをあげたことある?」

    ルフィ「大量の菓子パン!大量のお菓子!現金!スーパーの肉!」

    エース「間違ってもそれらをプレゼントするなよ....」

    とは言うが、みなが知らないだけでルフィからの贈り物なら石ころでも喜びそうなのがかのじょであるのだが。

    サボ「おれらを頼ってくれて悪いが、ダメなのは言えるが良い物は正直わからねぇな。こういったのは、コアラに聞いてみるが無難か?」

    エース「意見は多い方が良い」

  • 174二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 20:25:13

    スレ主は残りのレス数気にせずに書きたい事書いて欲しい‼︎そしてルフィのセンス…。助けてコアラちゃん‼︎

  • 175二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 21:10:22

    と、いうわけでサボがコアラに連絡を入れたのだがしょっぱなから物凄く怒られた。
    サボがするはずだった仕事を、彼がさぼったせいでコアラがするはめになったからだ。サボだけに。
    今度、バッグを買ってお高めのレストランに連れて行くを条件に宥めさせ、彼女からの意見を聞く。

    コアラ「ん~~?ルフィ君はまだ高校生なんだから背伸びする必要なんてないんじゃないかしら??あ、花だけってのはダメだからね。あくまでもメインの付け合わせで」

    サボ「お前、誕生日にスーパーのパック詰めされた特売肉を渡されて嬉しいか?」

    コアラ「う!それはちょっと.....うーん、高校生のできる範囲として決めておくなら1万から3万あたりのが無難?無理して高いブランドものとかはダメ。なるべくシンプルな見た目で、身に付けられるものがいいんじゃないかな?バッグとか衣類は避けて、ネックレスとかリングあたり。身に付けなくても部屋に飾っておくこともできるしね」

    サボ「よし!わかった!エース!ルフィ!いくぞ!」

    エース、ルフィ「「おう!!」」

    コアラ「え?ちょっと、あんた達思いつくままか!」

    ドラゴンさんの愛車を勝手に足として使い、アクセル全開!思いっきり車体を擦ったが、気にしないったら気にしない。

  • 176二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 00:32:56

    唯一知ってるジュエリーショップは大型ショッピングモール内にて。店構えだけで大人の香りがする。
    雰囲気に臆せず、いざや行かんとしたが、扉開けを行う店員が3人の服装と見た感じの歳を見定められ、入るのを止めてきた。
    てめぇらに帰る商品はないと言いたげな目を察し、エースとサボはこいつをぶっ飛ばしてやろうか?と考えたが、沸点が爆発する前に、店から女性が出てきて店員の男の額を小指で小突く。

    シャクヤク「こーら、せっかくのお客様にその態度は見過ごせないわね」

    店員は「か」と何かを言いかけてから、「店長」と呼び直す。
    女は少し睨む目を向けてから、3兄弟に「ようこそ、いらっしゃいませ」と挨拶し、店内へ誘導。

    シャクヤク「本日はどのようなものをお探しで?どなかに贈り物でしょうか?」

    エースがこいつが女に贈る誕生日のプレゼントを探しに来たと言おうとしたが、サボが止める。
    ここは、ルフィの口から言わせようと。

    ルフィ「誕生日プレゼントを探しにきた」

    シャクヤク「へぇ...あなたのような良い男に贈られるなんて、幸せ者ね。その娘のお誕生日は?」

    エースとサボは警戒する。教えてもないのに、何故に贈る相手が女だとわかったのか?
    いや、大抵はここで男が贈る為に買うといったら女性にへとかもしれないのだが。にしてもだ。
    なにより、この人の目が何か怪しい。ワザと言ったようでもある。

    ルフィ「9月2日だ」

    シャクヤク「9月....では、誕生石のサファイアを用いた物はいかがでしょうか?」

    サファイアが使われた指輪や、ネックレスらをガラスケース上で並べて紹介していくが値段を見て驚愕する。
    石が一番小さい物でも6万からだ。

  • 177二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 01:07:13

    ルフィ「たけぇな!うーん...」

    エース「ルフィ、カンパしようか?」

    ルフィ「いや、ちゃんとおれの金で買う...。悪い、ダセェかもしれねぇけどよ、他にないか?」

    申し訳なさそうな顔のルフィに、彼女は優しく笑っていた。

    シャクヤク「ではお客様、石にも誕生石だけじゃなくて誕生『日』石がございます。お酒や花みたく。9月の2日ならアイオライトかセミバロックパールになりますね。これらのは希少価値の関係から、お求めやすいお値段をなっております」

    並べられたそれらの石を用いた商品の中から、一目でこれだ!と思った商品を選ぶ。
    イヤリングのが一番安いのだが、学生だからという理由で妥協せずにアイオライトのペンダントを購入。
    予算ギリギリであるが、しばらく買い食いができないこととバイトをしようという考えが頭を過ぎるが、不思議な安心感と達成感がルフィの中に芽生えていた。
    プレゼントも買えた。店を去る彼の背を、シャクヤクはただ見つめる。

    シャクヤク「次はもっと良い買い物ができるように...ふふふ」

    店員が彼女のことを「店長」ではなく、「会長代理」と呼ぶ。今日はたまたまこの店へ視察に訪れていたのだが、前から次期社長、いずれは会長を継ぐハンコックより話を聞き、一緒にホテルプールへと行った際の写真を見せてもらっていたので顔を知っていた男が店に訪れた。
    本当に偶然である。彼女自身は驚きで久しく胸の高鳴りが止まないでいる。

    シャクヤク「なるほど....かっこいい子じゃないの」

  • 178二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 09:05:19

    当日は金曜日。放課後、プレゼントを取りに一度家に帰る。
    部屋からプレゼントと招待状を持ち出し、急ぎ足で家から発とうとしたが父が呼び止めてきた。

    ドラゴン「ルフィ、まさか学生服で行くつもりか?」

    ルフィ「悪いのか?」

    ドラゴン「悪いとは言わんが...」

    誕生日会と聞こえはいいが、社交の場として用いられるのでどういったものが渦巻くか、自分にも覚えがある。
    その中で、学生服の男がまぎれるのは浮くというか、確実に目のむけられ方が色々出てくるものだ。

  • 179二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 19:45:46

    くるか…今度こそちゃんとしたコーディネートが…

  • 180二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 02:11:00

    と、いうわけで父であるドラゴンがルフィにいつかと思い買っておいたスリーピースのスーツを今与えることにした。
    グレーのシャツから上にジレとスーツを、赤いネクタイは結んでやる。
    そして今度こそ革靴を履いて欲しい。

    ドラゴン「馬子にも衣裳だな」

    ルフィ「堅苦しいのは苦手なんだけどなぁ.....まぁいいや、ありがとな父ちゃん!」

    しかし、またサンダルを履こうとしていたので今回は革靴をちゃんと履かせる。
    ルフィに会場まで車で送ってやろうか?と提案したが、何故か目を合わせてもらえずに断られた。
    久々に車庫に眠る愛車を運転する機会になったかもしれないが、まぁいいだろう。
    明日、1人ドライブにでも行こうかな?

    ルフィ「じゃ、行ってくる」

  • 181二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 09:58:29

    電車を乗り継ぎ、中央大都市にある会場となる大ホールへと着いたのはいいが、ここまで来るのに感じた町並みの雰囲気は慣れそうにないところだ。
    ここらに住むのは富裕層ばかりとか、勝ち組だ!とかをバラエティー番組で観た覚えがある。
    受付に招待状を見せ、会場の案内を受けてから「誕生日の贈り物をこちらでお預かりしましょうか?」と尋ねられたが、直接渡すつもりだったので断っておいた。

    ルフィ「うーん...飯食ってプレゼント渡したらすぐに帰るべきじゃないのか?おれ」

    会場の扉前で立ち尽くす黒服の女性らはルフィのことを知っている者らだった。「よくきてくれました」や、「お嬢様も喜びます」と、さっきまで醸し出していた仕事人間感は抜けてルフィを歓迎する。
    会場には高そうなドレスなり、身なりの者達ばかりである。各業界の著名人や企業のお偉いさんにその親族ら。
    誕生日って、だけというのもあれでがここまで催されるものなのか?と疑問すらある。ハンコックが言っていた各界や他社の交流や、コネの作り場に利用されるというやつか。祝うという名目で来てるたやつらばかりではないということだろう。

    ルフィ「めーし♪めーし♪」

    料理は取り放題であるが、なんか全体的に一口サイズのが多い気がする。
    こういった場ではオードブルが提供されることが多い。シャンパンを片手にってのが、主なので。
    食おうとしたが、ハンコックを見つけた。
    数人の人に囲まれている。
    到着した人らは真っ先に、彼女へ祝いの言葉を贈りに向かっていた。社交辞令で礼の言葉を返したりするが、少しうざったそうな顔を覗かせていた。
    だが、チラリと周りに視線を配ませた際にルフィの姿を見つけ、表情が明るくなっていく。

  • 182二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 18:33:44

    形式的な接待が透けて見える相手の対応にうんざりしてたところに大好きなルフィが来てくれるの最高の誕生日だな

  • 183二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 00:23:51

    彼女へ向けて小さく、手を振った。
    ハンコックは囲む者らを邪魔とばかりに掻き分け、暴飲暴食を始めたルフィの元へ。

    ハンコック「来てくれてありがとう、ルフィ♡」

    その笑顔は、他の者らからすれば珍しい顔であった。
    美しくはあるが、どこか冷酷味のあった顔とは打って変わって、あんな顔ができるのかとイメージが覆される。

    ルフィ「おう!たんじょ...!」

    祝いの言葉を言おうとしたが、その口をハンコックが塞いだ。
    そして、耳で囁く。

    ハンコック「それは、また頼む。わがままで申し訳ないのじゃが.....」

    その理由は、単にここにいる人たちと同じように、まとめられたかのような、この場での祝い言葉で終わらせるのが嫌だからである。
    もしかしたら、後でだともう言わなくなってしまうかもしれないがそれでも構わない。
    たった一言の祝い言葉の為になのであるがルフィは、面倒くさいといった表情を一切せずに「わかった」と快く承諾した。

    ハンコック「ふふ♪好きなだけ食べてくれてよいぞ。もっと量のある肉中心の料理を出すように、あとで言っておくゆえ」

    「本当か!?」と、輝かす眼をしてとても嬉しそうだ。
    その顔をしてくれるだけで、嫌なことなどすっと抜けていく。
    そしてさらに、こっそりと、続けて彼の耳元で囁いた。

    ハンコック「もし、そなたが良いなら....この会のおひらき....終わりまで待っていてくれぬか?」

  • 184二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 09:19:05

    満足いくまで食ってから、途中に会場を抜けて外で終わりを待つ。
    駐車場には高級車ばかりが並んでいる。運転手が待機するのと、自らの運転で来た者、車好きかそうでないかの違いだろう。

    ルフィ「あ....渡しそびれたな」

    プレゼント、さっき話した時に渡しておくべきだったなぁと思いながら暗くなり始めた空の元で暇を潰そうとせずにただ待つ。

    ルフィ「しっかしハンコックのやつ、あんなに知り合い多いんだなぁ。うーん...あそこにいた人らからおれみたいのじゃなくて、すっげープレゼントとか貰ってるんだろうなぁ」

    なんて独り言を呟いたりして、気づけば人がちらほらと通っていき、駐車場から車が消えていく。
    すっかり夜の時刻、ルフィは、その場で寝ていた。
    硬いコンクリートの上で。

  • 185二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 20:12:01

    コンクリートから膝枕になってたりしないかな…

  • 186二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 20:40:04

    ハンコック「ルフィ...!ルフィ!」

    よくこの場で恥じらい持たず寝れたものである。
    ハンコックに揺さぶられ、起きるには起きたルフィだったが寝ぼけているのか、手はハンコックの胸を掴む。
    他の男だったら、問答無用で半〇しと社会的に終わらせるとこだが、「もう、しょうがないのぉ」と、苦笑いから彼の頬を優しく叩いた。

    ルフィ「ん....?よぉ、終わったか?」

    ハンコック「うむ♪待たせて悪かったのじゃ。残暑残る季節じゃが、寒くはなかったか?風邪はひておらぬか?」

    ルフィ「小せぇころから強くなる為じゃ!って、野山に放り出されて帰れずそこで寝てたりしてたからな。これぐらいどうってことない」

    幼い子にそんなことをさせる者がいるのか?と、ちょっとドン引きはしたが、迎えの車に案内する。
    普通は、こういったイベント後は疲れるものだが、ハンコックはルフィと一緒にいれるということでアドレナリンが湧いてとても元気であった。

  • 187二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 23:43:38

    いやぁ...めちゃくちゃ好きだ。ハンコックがかわいらしい。

  • 188二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 08:29:57

    帰りの車の中で、渡しそびれていたプレゼントをようやく渡せた。
    そこで初めて、祝いの言葉を贈る。
    ちょっとキザにだったり、カッコつけたり、他の言葉を添えてなんてせずに、素直に心から「誕生日おめでとうの」の一言を。

    ハンコック「誕生日など、いつから楽しくも嬉しくも思えなくなったのか忘れはしたが....はぁ♡今は、この時は、祝われるのがとても嬉しゅうてたまらない」

    ルフィから贈られた祝い品よりも遥かに高価な物などを幾つもいただいたが、荷物になるからと自分から直接受け取りはせずに、受付の者らが預かってはいるが、目を通しすらしない物もあるだろう。
    今、直接受け取って手にあるのは長時間持っていたせいでぐしゃぐしゃになっている袋。
    それは代えがたいものである。

  • 189二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 09:36:21

    ハンコックかわええなぁ
    最高の誕生日になってよかった!!

  • 190二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 19:32:26

    ハンコック「クリスマスの子供みたく、すぐに開きたいが帰ってからお目にかかるとしよう....」

    ルフィ「大したものじゃないけどな....」

    ハンコック「なにを言う...そなたが選び、そなたからの贈り物じゃ♪わたわにとっては至宝♡」

    そう言われて、体験したことのない嬉しさが込みあがってきた。
    いつもの友達間でやる、「おー!ありがとな!」とかのテンションとは違う。

    ルフィ「いやぁ、送ってもらってありがと。電車賃でギリギリだったからな」

    ハンコック「む?なにを言うか。こうしてやっと時間ができたのじゃ、せっかくじゃからわらわの部屋に招待したくての。そこで二次会とはちと違うが、あんな接待してくる社交場みたいな息苦しいものではなく気の休まる.....」

    ルフィ「いや、今からいきなり邪魔するのも....」

    ハンコック「わ・ら・わの、誕生日じゃぞ♪わがままの一つ許してくれるじゃろ?」

    こういった時の女は強いし、逆らったり拒否はするものではない。
    ナミやビビで身に染みている。

  • 191二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 00:38:53

    彼女は、タワーマンションの最上階に住んでいるのでエレベーターの上昇時間に割と時間を喰うものだ。
    その間、会話するよりもルフィの手を握る。握りたかっただけ、理由はない。
    少し、ルフィは「ふふっ」と溢すように笑う。
    もっとこうしていたいのに、いつも長く感じていたエレベーターの上昇時間が早く感じた。
    だが、今日はまだ解散じゃない。これからルフィを、自分の部屋に招く。

    ルフィ「お前、けっこう大胆になったな」

    ハンコック「ふふふ、わらわは元よりけっこうそうじゃぞ」

    ルフィ「そうだったのか?」

    それはルフィの前でだと、照れたりつい挙動不審になってしまうことが多かったからである。
    この半年で慣れたや克服したとかでは決してなく、微塵もなく。

    ルフィ「お、最上階みてぇだ。思ってたより早く着いたな」

    これは、ルフィも時間感覚が早く感じるようになっていたのだが、まだ自覚なく。

    ハンコック「はぁ....♡わらわがまさか、男を連れ込むなど♡今、ロック解除のパスワードを入力するのでの」

  • 192二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 09:02:09

    番号入力を行い、ロック解除された扉の先は、ルフィのイメージするマンション内の部屋とはとてもかけ離れた者であった。
    たぶん、イメージは団地にあるのだろう。
    玄関だけで、自分の部屋より広いかもしれない。
    使用人の女性ら数名が「おかえりなさいませ!」と出迎える。

    ハンコック「ご苦労。そなたら、今日はもうあがってよいぞ」

    唐突な命令にえ!?といった顔から、後ろにいるルフィを見てニヤついた顔と暖かい目に。

    ハンコック「なんじゃ?なんじゃその目は?」

    ここ数か月、心晴れな様子が多いお嬢様に使用人らはただ嬉しく思う。こういった歳頃は、重荷を忘れることがあってもいいはずだ。

    ルフィ「ん?」

    奥からこちらに向かってくる物音がした。
    犬でも飼っているのか?と思っていたら、現れたのは大きい蛇である。

    ハンコック「おーおー、サロメも出迎えご苦労じゃ」

    前に、テレビで観た熱帯雨林に生息するアナコンダよりもでかいんじゃないのかと思う。
    どこで、これを飼う許可を得れるのだろうか?

  • 193二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 12:10:59

    ボア家側今のところ歓迎してくれてるよね。

  • 194二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 19:57:49

    平和でなのがいい

  • 195二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 02:52:13

    サロメという蛇は、何故か判らないがとても愛嬌があるぞ。
    ルフィにもすぐに懐いた...のか?ご主人が連れてきた男だから愛想を振りまいているだけかもしれないが、頭のいい蛇である。

    ハンコック「何か飲むか?」

    ルフィ「なんでもいいや」

    かのじょはつい、いつものように使用人の方を呼ぼうとしたが、さっき自分が帰らせたのだった。
    こういったのは直していくべきだろう。今そう決意し、台所へと向かう。
    戻るとルフィは、窓に張り付くように夜景を眺めて

    ハンコック「では、ルフィ。プレゼントの方、空けさせてもらうぞ」

    ルフィ「あぁ...」

    袋から取り出し、包装を解き、現れたネックレスケースには見覚えのあるロゴが印されているのだが、今はそんなのよりもルフィからのプレゼントという証であるが大事である。
    贈られたアイオライトのペンダント、その色が彼女の眼に色を与え、それは今日貰ったプレゼント内にあるどんな宝石よりも満たされる美しさと、輝きと、価値がそこに。

    ハンコック「つけるぞ...」

    つけてもよいか?と尋ねはしない。
    身に付けられて、初めて意味を成すからだ。

  • 196二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 08:47:57

    アイオライトのペンダントが彼女の首へ、彩を。
    選んでくれて、贈り渡しに来てくれて、その全ての経緯までが尊い。
    嬉しくて、胸が締め付けられる。
    値段や、地位、権力では得られないこの高揚。

    ハンコック「ありがとう...ルフィ」

    もう、昔みたいな誕生日の迎え方はできないと思っていた。
    自分が選んだこと、そこに微塵も寂しさなどはないはずだったのに。
    この男と出会ってからは、氷に閉じ込められていたものがじんわりと。
    妹たちにも、会いたくなってきた。

    ルフィ「渡せてよかった....!じゃ、あまり遅くまで長くいちゃあ迷惑だろうから、おれは帰るか」

    しかし、まわりこまれた。

    ハンコック「ふふふふ♪皆は業務終了、もうじき終電がくる。ここで....」

    怪しげな笑みで、正面よりルフィを抱きしめる。
    ワザと強く。

    ハンコック「リミットまで♡こうして抱きしめておくからのぉ♡」

    蛇はしつこいものである。

  • 197二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 12:53:34

    いいわぁ。帰ってほしくないから抱きしめるのいいね。

  • 198二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 17:45:21

    このレスは削除されています

  • 199二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 17:46:16
  • 200二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 17:47:58

    まだまだ続くのじゃ‼︎

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