- 1二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 21:59:38
前スレ
麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル 107スレ目|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/116561/SSまとめ&キャラ紹介https://w.atwiki.jp/luckycomestrue/ワンピ、ウマ娘双方へのリス…bbs.animanch.comSSまとめ&キャラ紹介
麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル SSまとめwiki【9/9更新】麦わら海賊団 占い師 マチカネフクキタル SSまとめwikiへようこそ SSまとめ(元スレ1~10) SSまとめ(元スレ11~20) SSまとめ(元スレ21~) 以下元スレです。 まとめにはもしかしな...w.atwiki.jpワンピ、ウマ娘双方へのリスペクトを忘れずに。
相手の存在しない記憶は極力否定ではなく、より強力な存在しない記憶で殴り返しましょう。
基本的により厳格な設定を考える場ではなく、より面白い記憶で殴り合う場所なので思いついた幻覚は流れ無視して気兼ねなく投げてok。
スレが荒れて来たらバスターコール発動(フクを変な声で鳴かす)。
荒れるからルドルフ夫とルドルフの年齢のことはモンジョン構文で話す
荒れるから原作でまだわかってない部分・未実装キャラの話はなるべく避ける
SS書き様は神。
次スレは>>190が立ててください。
- 2二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 21:59:51
よくやった若い大将
- 3二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:00:45
よくやった若い大将…そろそろ中年か?
- 4二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:01:12
立て乙
菊花賞といえばこのスレならフクとライスね… - 5二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:01:31
乙! ルフィも海賊王じゃなくて海賊王子だと、
グレードダウンした感じがしてイヤがりそうだな - 6二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:02:26
たて乙
百八煩悩鳳! - 7二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:02:35
- 8二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:02:53
だからよ!!おれは海賊王になるんだよ!!王子になりてェわけじゃねェ!!
- 9二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:03:51
引いてないから分からんがカワカミ的な王子ってどんな感じなんや…?
- 10二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:04:16
高身長がステータスはともかく、低身長は魅力ない=ウマムスメ族は種族単位で魅力ないは論理の飛躍だし、ちょっと主張するにもネガティブ方向過ぎたわね
- 11二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:05:10
- 12二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:05:20
サンジ概念騙るぜ…!!
一応、妄想では疲労困憊状態(料理作りすぎ)のまま庇ってバトル開始
攻撃の反動ですらフラつくありさまだが、最後の力を込めて「羊肉ショット」を繰り出すも、キョーシがウマ娘状態になったので緊急停止
自身の蹴りの反動と、カウンターになったキョーシの攻撃でダウン
アジトにて支配されて守りに着く
ロビンはそれを目撃して、救助のために情報を求めて暗躍開始
フクキタルとチョッパーによるアジトへの二面作戦の際に迷子になったゾロもアジトへ入ってきて栄養剤ぶちこまれて元気になったサンジと戦闘
ロビンが水で首輪を無力化できることを突き止めて戦闘を止める
他の捕まってる人を一気に助けるために海水引き込み
ウソップの活躍で一組目の操られ組が解放された後で、「まだこいつらがいるんだ」と出したところで「よぉ、世話になったなぁ…!!」とビキビキで登場 このくらいかな? - 13二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:09:02
- 14二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:12:51
- 15二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:12:55
このレスは削除されています
- 16二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:13:18
- 17二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:15:25
いいね。
私の概念を上げると
ウマ娘誘拐犯という勘違いで一部(サンジ、ロビン、ルフィ、ゾロあたりかな)を除いて一味たちは防衛隊に檻に放り込まれてしまう。
そんな中、活動をしていたキョーシはドーベルを狙い誘拐しようとするものの、その直前にサンジが参上。キョーシと戦うのかと思いきやウマ娘に変身したキョーシにボコられる。
ドーベル「あんた……なんで!?」
サンジ「レディの零す涙が聞こえたもんで……早く逃げろドーベルちゃん!」
キョーシ「っ、させるか! ウマ娘空手、阿寒湖特別!!」
サンジ「ぶへー!!」(ガードもせずにもろに喰らうサンジ)
ドーベル「な、なんで反撃しないの!?」
サンジ「おれは……たとえ中身が男でも……女は蹴らん!!」
ドーベル「巫山戯てるの!?」
サンジ「だが、足止めすることぐらいなできる!! あとは任せたドーベルちゃん!!」
ドーベル「っ……ごめん!」(全力で仲間のところへ走りだす)
ドーベルに後を託してキョーシの足止めを行うサンジ概念はありですか?
この後、バッシュによってチョーカーを取り付けられてしまいゾロとロビンと戦う。
そんな中で、水(海水)を浴びれば拘束は緩むことが判明。状況打開の一手を見出すとか。
- 18二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:16:16
これはプリファイの王子様であって、
カワカミが望む王子様像とはまた別の話かも知れないしね
アプリだと周囲の求める理想像と自身の在り方のギャップに悩むシーンがあって、
だからこそ導き手としての王子様、ってトレーナーを連想させる存在が必要だったんだけど、
この世界だとそんな悩みを抱えるシーンはまず起こらないだろうから、
この辺りのギャップは結構大きいだろうね
- 19二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:18:07
ルフィはパワフルな女性に好かれるってイメージがあるんだけど、カワカミの王子ルフィ概念って割と解釈違いなのかな?
- 20二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:18:32
ウエディングイベントだと「王子様をぶんどりますわー!」って言ってるし、
そのフィジカルで迫るのもカワカミの魅力だとは思うんだよな
ナイスネイチャの金持ち彼氏が綺麗に消えたみたいに、
ウマ娘に理想の男性像を語らせたくなかったので、
アプリでは王子様についてあまり触れていない、ってのもあるかも知れないね
- 21二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:20:14
- 22二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:20:58
現状だとルフィを王子様認定して迫るカワカミはCP9フラッシュほど解釈違いでもなさそうだし、後は書き手次第でいいんじゃないかな?
- 23二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:21:16
まあルフィに惚れてるハンコックがパワフルにも程があるからな…
- 24二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:23:29
- 25二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:24:47
ところでキングはドレスローザのコロシアムでキングパンチ貯めの邪魔をせずに正面から挑みに行って敗退とかが似合うと思うんすよね
- 26二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:26:10
だな、ルフィは共に歩むタイプと言うよりは人を引っ張るタイプだし別にそれに憧れ背中を追いかけるカワカミは解釈違いにはならない
- 27二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:27:48
プリンセスのイメージかぁ…個人的なイメージは、よくある『素敵なお姫様になれば王子様が迎えに来る』じゃなくて
『自分磨きをして王子様を迎えに行くお姫様』って感じかなぁ…。
こう…ストファイのリュウの『俺より強い奴に会いに行く』に近いモノを感じてる。
それが誰かとかどんな人とかは解らないけれど、そういう人に巡り会うために己を磨いて走ってる感じ?
だからシナリオで『よくあるイメージ』との乖離からくる反感とかギャップに苛まれているというか…上手く言えんな…
そんな感じだから、ルフィを王子様というイメージは割と有りなんじゃあないかなって思う。 - 28二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:28:52
麦わらの一味の先輩方カッケー箱推し派バルトロメオ
インペルダウンのルフィ先輩ヤベー単押し派ウオッカ
ドレスローザのルフィ様は私の王子様ガチ恋勢カワカミ
相変わらず大船団はまとまらねえな! - 29二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:29:10
闘技場でキングを応援してたカワカミだったけどキングがオモチャにされて「……あら?私、どうしてこんなところにきたのかしら……?」ってなるやつ?
- 30二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:29:12
- 31二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:30:55
- 32二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:31:48
安定のかませサンジ
- 33二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:32:01
ルフィに好印象なウマムスメ属は
ルフィに人生救われたフク
危機を救われた諸島勢
カッコよさに惚れてルフィ単推しになったウオッカ
弟バカのテイオー
王子様を見つけたカワカミってところか
個人的にはフクからは敬愛
諸島勢からは感謝
ウオッカからは憧れ
テイオーからは姉弟愛
カワカミからはガチ恋愛感情ってイメージ - 34二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:33:19
- 35二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:33:44
ドフラ倒してもらったライスもかなり好感度高いんじゃないかな
- 36二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:33:55
- 37二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:34:21
- 38二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:35:37
- 39二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:35:47
- 40二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:37:04
- 41二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:40:34
- 42二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:43:39
- 43二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:44:25
プリンセスの諸々について考えたんだけど、キングを理想像の一つにしていた事もあるから、
『キングみたいな大海賊になりたい』と『素敵なお姫様になりたい』の二つの理想像を持っていて、
どっちかに寄るともう片方から遠のく、みたいな感じの苦悩が有ったとかどうだろうか。
なんやかんやあって、最終的に「いつかワンピースを手に入れて海賊王ならぬ海賊王女になる!」みたいな感じになって、
それを目指してキングの元で特訓している最中に、ルフィと巡り会う…みたいな。
なんやかんやについては未定。そして、海賊王女になる!と言うたびに海賊女王じゃないのか、と突っ込まれる。
そんな妄想。 - 44二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:44:26
ルフィの件で張り合うバルトロメオとウオッカがヤンキー過ぎて可愛い
ゴーイングルフィセンパイ号にルフィを招待しようとするバルトロメオの横で、
自分の水上バイクにルフィを乗せてハシャいでるウオッカがいて、
どっちがルフィを連れていくか口論してる二人が見えるよ
(ルフィは水上バイクに夢中で完全に我関せず状態)
ゾウに着いていこうとしてキングに引きずられるカワカミも見えるよ
- 45二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:45:18
- 46二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:46:07
ルフィがやばい奴の代表だからね……
- 47二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:46:08
世界政府に中指突き立てながら各地で大暴れする海賊になるファンがマトモなワケねぇだろ!!
- 48二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:46:12
ヤバいやつの側にはヤバいやつしか近付かないんだよ!
- 49二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:46:25
大丈夫、その推してる相手(ルフィ)が一番ヤベーイから、相対的にふつーよふつー(感覚麻痺
- 50二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:46:30
- 51二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:48:16
まあ世界政府三大機関全てで大暴れなんてロジャーでもしてない大悪行だし……(次点マリンフォード襲撃とインペルダウン脱獄のシキ)
- 52二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:50:10
やっぱ主人公は違うわ
- 53二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:50:14
無理に話題を打ち切って新しい話題を出すなんておこがましく、
面白い話題に誰もが乗っていくというのが正しい在り方なんだなと解るな
誰もスレの流れなんて制御できないのさ・・・! - 54二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:51:33
何気なく出した話題が拾われて議論になるとか割とよくある
ち、違っ……そんなつもりじゃ……ってなる - 55二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:57:02
ウワーッ!厄介オタク!
- 56二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:57:15
ルフィ総受けというか、ルフィ愛され展開は私性合
- 57二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:57:43
- 58二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:58:11
- 59二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:58:17
諸島編長いらしいで単独スレ立てていいと思う
- 60二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:58:46
- 61二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:59:26
- 62二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:59:31
ところでローさん!!わたフクキタルの占いによるとドレスローザのあなたには女難の相が出ているそうですよ!!刃物に注意だそうですのでローさんの刀に開運グッズつけときますね!!
- 63二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:59:34
コビーがキタちゃんと青春みたいになってるのなんかムカつくよね、嫉妬的な意味で
- 64二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:59:36
- 65二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:00:08
このレスは削除されています
- 66二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:00:48
一般海兵のレス
- 67二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:00:55
- 68二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:01:01
- 69二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:01:26
諸島編の人は分割して連載形式にするのはどうかな
個別スレ立てるのもちょっと違う気がする - 70二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:01:31
200レス行っちゃう系? もしかして
- 71二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:02:19
- 72二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:02:25
- 73二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:03:01
はい、まさに自分がエピソードオブライスシャワーの人です
- 74二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:03:03
- 75二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:04:33
一味全員がそれぞれの敵と戦う展開の方がすくねぇから問題ねぇよ、見どころさえあれば誰も気にしないさ!
- 76二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:05:38
確かに延々とSS書いては修正して、ってのもキリがないし、
諸島上陸部分まで投下します - 77二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:06:01
ありがとう……感謝の言葉しか出ないよ……!
- 78二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:06:47
確かにそれっぽそう。フランキーあたりも世話焼きそう。
- 79二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:07:20
「ヤハハハハ、お前が祈るちっぽけな神など、
本物の恐怖の前には……無意味!」
暗闇から声が響く。自慢げな声色は己への肯定に満ちている。
無力さを噛み締める。その声に抗うどころか、声の主を直視しないように、
何も見えない中、更に両目を瞑ろうとする。耳を塞ぎたいのに、身体は動かない。
「恐怖こそが神なのだ。恐れ慄き、地を這って許しを乞うべき存在だ。
屈した恐怖が過ぎ去る束の間、人は初めて安寧を得られる……」
違う。声が出ない。シラオキ様は、そんな神様じゃない。
頭の中で否定する度に声は鳴り響き、その姿さえ近づいてくる。
違う。一歩も動いていない。それなのに、その存在が大きくなっていく。
「ならば、お前の祈る神などいない。――――“放電(ヴァーリー)”」
雷鳴が轟いた。稲光に反射し、自信に満ち溢れた偉丈夫の姿が見える。
強烈な光に包まれ、脊椎を震わせる衝撃が身を焼き、その恐怖に耐え兼ね――――
「うぎゃああああああ!!!!」
目が覚めた。真っ暗な室内には二人の寝息が微かに聞こえてくる。
静かに寝台から降り、女部屋の扉を開け、夜の潮風を浴びて気持ちを落ち着かせる。
「ふぎゃぎゃ……また、あの夢……」
寝間着から伸びた尻尾、ピョンと立ち上がるウマ耳。彼女の名前はマチカネフクキタル。
ウマ娘と呼ばれる地上最速の種族であり、このゴーイングメリー号で偉大なる航路を進む、
“麦わらの一味”の占い師。彼女は溜息を吐き、しょぼくれた表情で暗い海原を眺めていた。 - 80二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:08:15
「おーい、フクキタル。聞いてるのかぁー、返事しろー」
朝日が昇り、各々が朝食を取るために集まったダイニングでは、
ボーっとしているフクキタルの横で、ウソップが肩を小突いていた。
「ふわっ、ウソップさん。……あの、私に何か御用ですか?」
「いや、別にねぇんだけど、早く食べないとルフィに全部取られるぞ」
遠慮がちに伝えるウソップを尻目に、フクキタルのトーストは既に伸びた腕が掴んでいた。
その伸び切った腕をサンジが掴むと、新たに焼いたトーストをフクキタルの皿に乗せる。
「行儀の悪いことしてんじゃねぇ、ルフィ」
「フクのお代わりあるなら、冷める前に喰っちまわないとさー」
「フクキタルちゃんには焼き立てを食べて欲しいのは、お前の言う通りだ。
だが、お前が横から喰う理由はねぇ。ほれ、自分の皿に集中しろ」
サンジが大カモメの目玉焼きをルフィの前に滑らすと、新たな獲物を前にしたルフィは、
伸ばした腕を引っ込めると、頬がパンパンになる程に目玉焼きを貪り始める。
「フクキタルちゃん、船酔いかい? ほら、オレンジジュースもあるよ。
ナミさんのミカンを使った、搾りたて100%の極上品だ」
「そうよー、残したらダメだからね?」
ルフィに向けた声とは打って変わって、サンジは優しい口振りでジュースを勧める。
朗らかに同調するナミが大事にしているミカンだとフクキタルも解っており、
冷えたオレンジジュースを飲み始める。甘い喉越しが少しだけ気分を潤した。
「お、美味しいです」
「ん? おい、おれのには酒を混ぜてくれ」
「おめぇには冷や水だ。コイツは朝飯で酒のつまみじゃねぇ!」 - 81二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:08:53
朝から青筋を浮かべて言い争いを始めたゾロとサンジを、微笑を浮かべたロビンが眺める。
食事を終えたチョッパーがフクキタルの傍に近寄り、沈んだ表情をじっと見つめる。
「なあ、フクキタル。どこか調子が悪いのか?
おれ、船医なんだから、おかしかったら言ってくれよ」
「だ、大丈夫です。チョッパーさん、その……悪い夢を見ただけで……」
「あら、遂に海軍に捕まったのかしら?」
「そ、そういうのじゃないですけど……」
穏やかな微笑みのまま黒い冗談を口遊むロビンに対し、フクキタルは首を振った。
その程度なら杞憂に過ぎないのだ。寝起きで仲間の顔を見れば、そんな不安はすぐに吹き飛ぶ。
だが、これは自分の問題なのだ。空島で味わった恐怖が拭えず、青海に降りても尚、過去を引きずっている。
「夢の話ならおれに任せろ! 知ってるか、タコってのは夢を見るんだ。
恐ろしい夢を見る余り、身体が真っ青になったまま戻らないタコがいてな……」
「スゲェー、不思議タコじゃねぇか!」
「ウソップ、フクキタルは本当に悩んでるんだぞ!」
「あ、いや、わるいなフクキタル。ついつい話したくなっちまって……」
小さなチョッパーが真剣に諫めると、ルフィはキョトンとした顔を浮かべ、
ウソップは慌てて話題を変えようと、視線を空に向け、あれこれ考え始める。
「あ、その、大丈夫です。本当に、夢の話ですから……。
ご、ごちそうさまでした! サンジさん、ナミさん、ジュース美味しかったです!」
「あれ、フクキタルちゃん! まだ全然食べてないじゃないか!」
居心地が悪くなって飛び跳ねるように席を立ったフクキタルを、一同はじっと眺めている。
追いかけようとするサンジに対し、「放っておけ」とゾロはその背中に声を掛けた。
実際、掛ける言葉もなかったのか、渋々戻ったサンジはフクキタルの食器を片付け始める。 - 82二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:09:32
「そうね。占い師さんも、空島の一件ではすっかり落ち込んでいたから」
「そうかぁ? 楽しかったけどなぁ」
「アンタみたいに能天気なヤツばかりじゃないのよ」
フクキタルの残したトーストに舌鼓を打つルフィの頭に、呆れたナミの手刀が飛んだ。
ウソップも腕を組んで頷き、同意を示す。とはいえ、空島の一件を恐れるフクキタルの心境に、
最も共感が深いのは彼なのだが。
「まあ、おれは勇敢なる海の戦士として、あれくらいの冒険はドンとこい、って感じだが、
普通のヤツなら命がいくつあっても足りない危険ばっかりだったからな」
「ウソップはスゴイなぁ。おれも、もっと勉強して危険が増えないようにガンバるからな!」
いつもの調子で会話を続ける一同だが、その多くがある一つの懸念を抱いていた。
“フクキタルはこのまま一味を抜けて、冒険を辞めてしまうのではないか”と。
とはいえ、例外はいる。食事を終えたルフィはパンパンに腹を膨らませながら、
「ごっそーさん!」と言い残すと、ダイニングを一抜けして甲板へと歩いて行った。
「まあ、アイツが船を出たいと言うなら、無理に引き留めることもねぇ」
「おい腹巻き、もう一度言ってみろ! そんなこと冗談だって言っていいわけ」
「冗談じゃねぇさ。航海を続ければ、アイツより強いヤツはごまんと立ち塞がる」
苛立ったサンジも口を閉ざす。東の海で彼の前に立ち塞がり、敗北を刻んだ最強の剣士。
それを知って尚、その可能性を口にするゾロの声色に、突き放すような冷たさはなかった。
「おれ達が守れるとは限らねぇ。フクキタルが強くならねぇと、仕方のねぇ話だ」
「はいはい。二人とも、たらればで話したって、仕方ないでしょ。
――――ルフィが行ったんだから、とりあえずは見守りましょう」
能天気と揶揄された船長だが、その度量の広さや真意を見る目は誰もが理解している。
ナミの仲裁に二人は押し黙り、全員がそっと息を殺してルフィとフクキタルの会話に耳を澄ませた。 - 83二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:10:40
「なぁフク、冒険つまんねぇか?」
能天気な声調から発せられる、人によってはグサリと突き刺さる一声。
ダイニングでは全員がずっこけたような騒音が響いたが、フクキタルは気にも留めなかった。
「ルフィさん。その、楽しいですよ。
見るものみんな初めてで、その、辛いこともありますけど、
ルフィさんもナミさんも、みんな優しくて、今日も心配してくれて、
私……あの時、皆さんと一緒に旅がしたい、って、本当に言えて良かったと思ってます」
ポツリポツリと、フクキタルは凝り固まっていた心境をルフィへと吐露した。
あの時、二度の奇跡を目撃し、突き動かされるままに尾いていった一行が包囲され、
思い浮かんだヴィジョンのままに連れ出し、なんやかんかで一緒の船に乗った。
前も見えぬ嵐の中、ジョッキを掲げて各々の夢を宣誓する五人を傍から眺め、
――――フクキタルは初めて、大凶であっても共に歩みたい、と願ったのだ。
「そっか。じゃあ、次の島に出航だ!」
「はい! 次の島って、確か船大工さんの町だって――――」
満面の笑みを浮かべるルフィを見ていると、フクキタルも抱えた不安が薄れたように思えた。
天真爛漫に生きる少年に見えて、その両の瞳は誰よりも先を見据え、大きな夢を追っている。
彼と共に夢を追いたい。あの時、なんとなく口走った“長生きしたい”という夢だって、
数々の冒険を経た今となっては、全く別の色を映し出している。
「急ぐ旅じゃあねぇしさ。折角だから、寄り道しようぜ」
ルフィがポケットから取り出したのは、砂時計にも似た“永久指針”と呼ばれる方位磁針。
行先を示す刻印を見たフクキタルは両の目を丸くし、 - 84二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:11:38
「ふぎゃああああああああ!!!!!」
絶叫し、何事かと駆け付けた一味が、ルフィへと詰め寄った。
「おいルフィ、フクキタルちゃんに何しやがった!?」
「ちょっとそれ、“永久指針”じゃない! なんでアンタが持ってるの!?」
サンジがルフィの首根っこを掴み、その手に持つ“永久指針”をナミが取り上げた。
島によっては量産もされている“永久指針”自体は珍しいものではないが、
それをルフィが持っているという事実に、全てのお宝を管理するナミは驚きを隠せない。
「それな、オペラがくれたんだよ」
「くれた!? タダで!? なんで!?」
「くれるって言うからさ。アイツいいヤツだぞ、だから悪いモンじゃねぇよ」
血相を変えたナミの詰問にも、ルフィも何処吹く風とばかりに笑っている。
“世紀末海賊団”の船長であるテイエムオペラオーとモックタウンで接触したと、
後になってナミ達は聞かされていたが、その時は空島出航もあり、気にする余裕もなかった。
「それで、指針は何処を指してるのかしら?」
「えーっと、“Islands of Tracen”……トレセン諸島?」
ナミが読み上げた行先を聞くと、ルフィを除く一同はフクキタルへと視線を向けた。
“トレセン諸島”、彼女の種族である“ウマ娘”が根城とする諸島であり、
即ち、彼女の故郷である。当の本人は顔を真っ青にし、ぶるぶると両脚を震わせている。
「る、ルフィさん! 私、絶対絶対行かないですからね!
知ってますよね、私、トレセン諸島から家出してローグタウンに来たんですよ!」
「いいじゃねぇーか。トレセン諸島にだって宴があるんだろ?」
「レースが終わったら宴はありますけど、私絶対に行かないです!」 - 85二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:12:15
「おいおい、折角なんだから実家に顔を出すくらい、いいんじゃねぇか?」
「無理には勧めないけど、トレセン諸島なら確か、一日あれば着くのよね」
頑なに首を振るフクキタルに対し、ウソップが取り成すように話を振る。
周辺の海図が多少なりとも頭に入ったナミもまた、無理のない進路だと促した。
「ナバロンの要塞でほとんどの食糧が押収されてしまったものね」
「黄金は取り返したが、酒はちょっとした残ってなかったな」
落下した空島から不時着した先は、不幸にも海軍の誇る鉄壁の要塞、ナバロンだった。
空島で入手した黄金を取り戻すのが精いっぱいで、貨物のほとんどは要塞に置いてきてしまったのだ。
現実的な目線でゾロとロビンが上陸を提案する中、一人肩を震わせる者がいた。
「フクキタルちゃん。……おれは紳士として、レディーに無理強いはしたくない。
それを解った上で、……頼む! 是非、トレセン諸島を案内してくれないか!?」
「うわあ、サンジ! 熱出した時のナミより顔真っ赤だぞ! 大丈夫か!?」
金髪を振り乱して頭を下げるサンジの表情は、背丈の低いチョッパーには伺い知れた。
鼻の下を思いっきり伸ばし、血走った目はハートマークを浮かべている。
「エロコック、てめぇさっきまでの心配はどうした?」
「黙れクソマリモ! いいか、トレセン諸島と言えばだな、
乙女達がレースに汗を流し、ウイニングライブでは笑顔で魅せる歌とダンス!
男として、一度はこの目で見てみたい! なあ頼む、フクキタルちゃん!」
ゾロの皮肉を背に受けながら、サンジは必死の懇願でフクキタルに縋り付く。
それに押し負けたフクキタルは、あー、うー、と困ったように視線を彷徨わせる。
「そ、それは確かに、諸島では今もレースをやってますけど……」 - 86二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:12:50
「レースだったら、あの“サイレンススズカ”も出走してるのかしら?」
ロビンが“ニュース・クー”を取り出すと、そこにはトレセン諸島の記事が載っていた。
早速、サンジが食い入るように記事を読み始め、卒倒せんばかりの勢いで声を上げる。
「そうだ、サイレンススズカ! バラティエの客が言ってたんだよ!
“ニュース・クー・レース”では、当時の最強世代にぶっちぎりで勝利、
“最速の機能美”、誰が言ったかは知らないが、飾るに相応しい言葉だぜ……」
「最速のレースだって、なんかワクワクしてくるな!」
「なあ、フクキタル。その、行きたくないから、行かなくてもいいんだぞ?
おれ、レースは見たいけど、フクキタルがイヤなら、おれ、ガマンするからさ……」
サンジの熱弁にすっかり興味を持ったウソップとチョッパーだが、
流石にチョッパーがおずおずとフクキタルの様子を伺うと、ウソップも慌てて口を閉ざす。
「ま、まあおれも“島に上陸したら死んでしまう病”が再発するかも知れないからな」
「えぇー!? それじゃあどうしたって、トレセン諸島には行けないじゃないかあー!!!」
ウソップのウソに驚いたチョッパーは、ついつい諸島に行きたいと本音を喋ってしまう。
他の面々もトレセン諸島に興味を示しており、それがフクキタルにとって誇らしい反面、
“サイレンススズカ”の名を聞くと、何処か気まずさを見せながら、問い掛ける。
「その、諸島はヨソの人に慣れてなくて、居心地悪いかも知れないですけど……」
「構うものか。どうせおれ達はお尋ね者だからな」
「その、島に入るには険しい海流があって……」
「誰に言ってるのよ、フクキタル。私達、この船で空島に入ったのよ?」
フクキタルが思い付いく懸念は全て、ゾロとナミに切って捨てられた。
家出をした諸島への再上陸は後ろめたい反面、故郷への懐かしさがフクキタルの後ろ髪を引く。 - 87二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:16:31
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- 88二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:17:49
「よーし、進路は変更だ! トレセン諸島、行くぞぉー!」
躊躇するフクキタルの背中を押すように、ルフィの鶴の一声が響き渡った。
観念したフクキタルは不安を振り切るように、久方ぶりの明るい笑顔を見せた。
「わかりました! 皆さん、トレセン諸島へご案内します!
レースにライブにニンジン料理、楽しいところでいっぱいですよ!」
「それじゃあ、“永久指針”に従って進路を変更するわよ。
いい? メリー号はもうボロボロなんだから、無理はさせられないの」
ナミの指摘通り、間欠泉にも似た海流に乗って空島まで一味を運んだメリー号は、
マストを始めとする船体の数々に痛々しい継ぎ板が張られている。
「“トレセン諸島”の“ウマ込み海流”に巻き込まれたら、
この船は間違いなく沈むから、覚悟の上で進むからね」
「あー、なんだろーなー、急に“海流で目が回る病”が……」
「ウソップー! 死ぬなぁー!」
顔を真っ青にしたウソップが心臓を抑え、フラフラと千鳥足を作る。
無論、この船にドクターストップなどあるわけがない。船医も大慌てだ。 - 89二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:19:02
「アラバスタで闘ったスマートファルコン、
あのウマ娘の走法を取り入れれれば、おれはもっと強くなれる」
「一滴の血も流さず、誇りのみを賭けてレースに挑むってか。
あの偉大なる巨人の戦士達のような、アツい戦いが見られるかもしれねぇ」
「スズカのレース、そんなに速いなら見てみたいなぁー、
なあ、おれトナカイだけど、レースに参加できないかなー?」
「チョッパー、女の子が一生懸命汗を流すのがいいんだろうが。
ウマ娘達だらけの夢の楽園。みんなにおれの料理を味わってほしいなぁ」
「フクキタル、レースに出るなら絶対に一着取るのよ!
こうなったら、アンタに全額ベットするから!」
「ナミさん! ウマ娘のレースにお金を賭けるのはご法度なんですよ!」
「楽しみだなぁー、トレセン諸島! ナミー! まだ着かないのかぁー!?」
清々しい騒がしさの戻ったメリー号の様子を、ロビンは愉しげに眺めていた。
先ほど取り出したのは、BW時代のナンバーズに渡された、古い新聞だった。
「優しい船長さんね」 「どうだかな。宴が楽しみなだけだろ」
ぶっきらぼうに応えるゾロだったが、フクキタルの元気が戻ったのに悪い気はしなかった。
ロビンは女部屋へと戻ると、ナバロン要塞で入手した新聞を一瞥した。
「だから、これは私だけの秘密。――――今はね」
【サイレンススズカ骨折、レース復帰は絶望的か】、ロビンは本棚の隙間に畳んだ新聞紙を挟み込んだ。 - 90二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:21:33
【ウマ娘】
地上最速の人族と呼ばれ、その走行速度は平均値でも“超カルガモ”に匹敵する。
頭部のウマ耳と尻尾が特徴的であり、種族全てが女性という特色を持つ。
人の知能と馬の本能を兼ね揃え、スピードへの拘りがその最たるものである。
その本能を満たす為か、諸島では定期的にレースが開催されており、
重賞と呼ばれるレースを制した者は、例外なく尊敬の対象となる。
レースの他、ウマ娘武術と呼ばれる武道が諸島内では伝えられており、
優れた腕前を持つ者が大海賊や海軍将校として名を馳せている。
尚、“悪魔の実”はウマ娘の間では教えた技に背く外法とされ、
加えてレース出場権を喪失することから、力を求める者であっても忌避する。
他種族に比べて加齢が遅く、膂力にも優れたウマ娘はかつては魚人や人魚と同じく、
奴隷売買の人気商品であり、現在もシャボンディ諸島などで秘密裡に取引されている。
現在は七武海代行・オグリキャップによって、トレセン諸島の縄張りが宣言された上、
武術を磨いたウマ娘達による警備隊の編成により、人攫い事件はゼロに等しい。
差別的背景や島内での独自の文化は魚人族との類似が見受けられるが、
魚人族より人に近しい為か、海軍内での小規模派閥が生まれる程には人間との交流がある。
他種族との婚姻によってのみ種を確立できるという歪さも、要因の一つだろうか。 - 91二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:22:33
「ゾロ、花火が上がってるぞ! 何だろう、オマツリかなー?」
「ゾロ、ボサッとしてないでこの瓶を針路目掛けて投げなさい!」
晴天に上がった花火の音に気を取られ、チョッパーは傍にいたゾロに話しかける。
花火を眺めてたゾロを注意したナミが、小瓶の入ったブリキバケツを投げ渡した。
ゾロの腕力で放られた小瓶達は海面に浮かび、不規則な海流の動きを伝えてくれる。
「サンジ君、面舵を九十度! ルフィ、ウソップ、一旦帆を降ろして!
この海流に乗れば、風に頼らなくても、あの小島までは辿り着けるわ」
「す、スゴイです! ナミさん、あの海流を突破できるなんて!」
海流の周囲には座礁したガレオン船の破片が浮かび、海流の激しさを物語っている。
フクキタルが告げた海流の法則は、彼女が僅かに知る範囲に過ぎなかったが、
ナミの指示は機敏かつ的確であり、メリー号は何の支障もなく航路を進んでいく。
「私は世界一の航海士よ? 仲間の帰省くらい、どうってことないわよ」
「頼もし過ぎるぜナミさぁーん!!!」
「航海士さん。あの入り江、船を停泊するには丁度いいんじゃないかしら?」
望遠鏡を手にしたロビンが示した先には、崖壁を抉ったような入り江が見えた。
崖壁の高さを目測で確認したナミは、その入り江を停泊先に決め、全員に指示を出す。
かくして、船頭泣かせの難所と呼ばれる、トレセン諸島のウマコミ海流を突破し、
入り江に到着したメリー号は錨を降ろし、一行は諸島上陸の足掛かりを作ったのであった。
「なーんだ。あの花火、一発だけで終わっちゃったな」
「火薬でもシケってたのかね?」
花火の続きが待ち遠しかったチョッパーは残念そうに呟き、ウソップも同調する。
こうして、入り江にメリー号を隠した一行は、トレセン諸島に足を踏み入れるのであった。 - 92二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:23:30
「おおー、上陸だー!」
メリー号が岩陰の入り江へと到着し、両腕を高々と掲げたルフィが感嘆の叫びを上げる。
入り江の崖壁はメリー号を隠すほどに大きく、ルフィは一足早くマストの見張り台まで昇ると、
見張り台から蹴り跳び、崖の縁先へと飛び乗った。
「ルフィ、縄梯子を張れ!」 「ああ、解った!」
サンジが放り投げた縄梯子をルフィは受け取り、手近な樹幹へと括り付ける。
縄梯子を伝ってゾロやサンジが後を続き、ウソップとナミ、チョッパーも追って来る。
「フクー! 早く来いよー!」
「ルフィさーん、私まだ心の準備が出来てませーん!」
「船長さん。占い師さんは私の方で見ているから、いってらっしゃい」
未だに上陸を渋っているフクキタルをロビンが庇い、細やかな笑みと共に全員を見送った。
フクキタルとロビンを除いた一行は、島一帯を見下ろせる小高い丘へと登っていった。
「ありゃあ、誰もいねぇぞ?」
「誰も住んでねぇんじゃねぇか?」
「でも、あれ。――――ほら、あそこに畑と集落があるわ」
ナミが指差した先には畑群が一面に広がり、周辺には家屋が並んでいる。
だが、集落には誰もおらず、一行は訝しみながらも集落へ続く畦道を下って行った。
「あれだけの畑が管理されてるんだぜ。集会か何かで留守にしてるんじゃねぇか?」
「とはいえ、人がいねぇのは有難ぇ。おれ達はお尋ね者だからな」
ウソップの推理を耳にしながらも、一行は畑の傍へと近づいていく。
ルフィが無造作に畑の作物を一本引き抜き、泥付きのまま思いっきり齧り付いた。 - 93二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:23:58
「うめぇ! サンジ、これニンジンだぞ!」 「バカ! 勝手に食ってんじゃねぇ!」
サンジに怒鳴られながらも、ルフィは気にせずにニンジンを口に放り込む。
その傍で青鼻をひくつかせていたチョッパーが、不審そうに眉を顰めた。
「さっきの花火、この島から上がったみたいだぞ」
「どれどれ……。あの煙か? 歓迎の花火、ってわけじゃあなさそうだが……」
先程までは諸島の祭りか、と騒いでいたウソップだが、
物見櫓から一筋の硝煙が昇るのを見つければ、嫌な予感を口に出していた。
案の定、物見櫓から人影が覗く。その頭頂部にはピンと起立したウマ耳があった。
「お前たち、このカサマツ島で何をしている!?」
物見櫓から警戒の声が響いた。全員が櫓を見上げると、葦毛のウマ娘が銃口を向けている。
「おれ達、諸島に来たんだ」
「来たのは解ってる、何をしに来た!?」
「お、おれ達は仲間の故郷に来たんだ!」
ルフィの率直すぎる物言いに苛立つウマ娘。焦ったウソップはルフィの影に隠れて口を挟んだ。
瞬間、銃撃がルフィの足元を削った。ギョッとしたウソップがルフィの背中へと身を隠す。
「ウソを付くな! オグリとタマモクロスの海賊船とは全く別物だ!
お前たち、性懲りもなく人攫いにやって来たんだろうが!」
もう一度、狙いを定めるウマ娘が仰天した。ルフィの両腕が何十メートルも伸び、
ウマ娘の構えていた猟銃が掴まれると、思いっきりひったくられたのだ。
抵抗の最中に引き金を引いてしまい、銃弾がルフィのどてっぱらに命中するが、
銃弾は貫通するどころか、ルフィの背中を引っ張り、パンと弾ける音が櫓の屋根に響いた。 - 94二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:24:36
「か、身体がゴムみたいに伸びてる……。なんだ、化け物か!?」
「おれ達、フクキタルの故郷に来たんだー!
海賊だけど人攫いはしねぇから、その銃を降ろしてくれよー!」
何事もなかったかのように振る舞うルフィに動揺を隠せないウマ娘は、
銃を取り返そうと揉み合う中、足を滑らせると物見櫓から身を乗り上げてしまう。
「う、ああああああ!!!」
「バカ、ルフィ! レディーは丁重に扱え!
お前、あの娘にケガさせたらメシ抜きだからな!」
サンジにドヤされるまま、ルフィは伸ばした両腕を引き寄せ、
物見櫓の真下まで一気に接近し、思いっきり息を吸い込み、風船のように腹を膨らませた。
「“ゴムゴムの風船”!」
バヨン、と軽快な音と共に、落下したウマ娘はルフィの膨らんだ腹の上で跳ねると、
落下の衝撃を殺されたまま、柔らかい地面の上に落ち、横たわっている。
「ありゃりゃ、びっくりして気絶しちまってる」
「アホかルフィ、レディーにクソ怖い思いさせてるんじゃねぇ!」
大急ぎで駆け寄ったサンジがルフィを蹴り飛ばすと、ルフィはボヨンボヨンと跳ねて行った。
ウマ娘の脈を測り、命に別条がないと解ればサンジは安堵し、咥えたタバコに火を付けた。
「あんまり歓迎されてはいないようだな……」
「サンジ! おれ、この娘の手当するから!」
「ああ。おれもちょっと、この娘の様子を見て来る」 - 95二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:25:28
同じくウマ娘に駆け寄ったチョッパーが隆々とした人型に変身すると、
倒れたウマ娘を抱き抱え、近くの小屋の扉を開け、屋内に入っていった。
それに続いて、サンジも悠々と煙を吸ってから、揉み消したタバコをポケットに入れて後を追う。
「全く、上陸早々に大騒ぎして……」
「とりあえず、フクキタルを連れて来るか。
アイツがいないと話がややこしくなりそうだ」
呆れ顔のナミとゾロ。二人の視界の隅から猛速で走り寄る人影が近付いて来る。
フクキタルか、と予想して振り向く二人だが、ポニーテールを振り乱して一直線に駆けるのは、
フクキタルとは全く別のウマ娘だった。
「バクシンバクシーン!!! フジマサマーチさんからの危険信号の花火です!!!
貴方達、まさか悪い海賊さんですね!?」
「あっ、おれ達は良い海賊です」 「そうですか、それではお邪魔しましたー!!!」
ウソップの適当な返答に人影は回れ右をし、元来た道を真っ直ぐに戻っていく。
が、すぐに踵を返して戻って来ると、瞬く間に二人の前へと立ち塞がった。
「ちょや!? 海賊に騙されるとは何たる迂闊!?
海賊の皆さん、このカサマツ島にぬけぬけと上陸したからには、
トレセン諸島警備委員長のサクラバクシンオー、黙ってはいませんよ!」
「あのね、勝手に入ったのは悪いとは思ってるけど、何も人攫いなんて考えてないわよ。
私達、フクキタルの故郷に顔を出しに来ただけなんだから」
詰め寄るバクシンオーに言い返すナミだったが、銃声が響くとハッとして視線を離した。
離れた家屋の塀へと身を隠したウマ娘が、手にしたリボルバーで威嚇射撃を行ったのだ。
「フリーズ!!! パイレーツの皆さん、ここから一歩もドントムーブ!!!」
「おいおい、随分と穏やかじゃあねぇな……」 - 96二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:26:24
テンガロンハットにネルシャツを着たウマ娘の警告に対し、ゾロは腰の刀へ手を当てた。
一方、銃を恐れないルフィはニンマリと笑いながら、悠々と拳銃のウマ娘に近寄っていく。
「なー、おれ達フクキタルの仲間なんだよー」
「シャラップ! フクキタルは去年に家出して行方知れずデース!!!
それに、貴方達はフジマサマーチを拉致しましたネ!?」
「な、なんですとー!? タイキシャトルさん、本当ですか!?」
尻尾をピンと逆立てるバクシンオーが素っ頓狂な声を上げ、ゾロを睨み付ける。
睨み返すゾロは説得が不可能と察すると、腰の刀を抜いてナミへ怒鳴り声を上げた。
「ナミ、フクキタルを連れて来い!
アイツを見せねぇと、コイツら納得しねぇぞ!」
「解ってるわよ! ゾロ、ルフィ、ウソップ! あの二人を足止めして!」 「お、おれもかよー!?」
気弱なウソップの叫びを背に、ナミは一直線に元来た畦道を駆け上がっていく。
追い縋ろうとするバクシンオーに回り込んだゾロが、三本の刀を抜いた。
「ちょっと待ってろ。今から証拠を見せる」 「むむ……。まさか血の惨劇を見せよう、ってわけですか――――」
ダン、と地面を蹴ったバクシンオーがゾロへと浴びせ蹴りを仕掛けると、
ゾロは峰を向けた二刀によって蹴り足を受け止め、一撃の重みを噛み締める。
「随分と強烈な蹴りじゃねぇか。諸島のウマ娘ってのは、これが当たり前なのか?」
「フッフッフッ、諸島一番のトップスプリンターの私であれば、
スピードを乗せたバクシンで、これくらいは朝飯前です!」
バクシンオーの健脚とゾロの二刀が交差し、互いに一歩も譲らぬ押し合いが始まる。
フクキタルやスマートファルコンから垣間見たウマ娘武術の強さ、その技量を体感し、
これが勘違いからの衝突だと解っていても、ゾロは強敵との闘いを予感し、その頬を歪めた。 - 97二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:27:58
「“ゴムゴムの風船”!!!」
タイキシャトルの銃撃をルフィが膨らませた腹部で受け止めるも、
ブハッと苦悶の表情を浮かべて息を吐き出し、銃弾があちこちに飛んでいく。
「い、痛でぇぇぇぇ!!!」 「ルフィ!? まさか、“海楼石”の銃弾か!?」
ゴムの身体に銃弾は利かない、と高を括っていたウソップは驚愕し、
激昂したルフィはタイキシャトルへと接近し、振りかぶった拳を放った。
「痛てぇじゃねぇか!!! ゴムだけど痛てぇぞ!!!」
「オーウ、“麦わらのルフィ”なら知ってマース。
一億ベリーのプロップス、絶対に油断できませーん!」
ルフィの拳打とタイキシャトルの蹴撃がぶつかり合う。
タイキシャトルの放つ剃刀のような蹴りの連撃とルフィは真っ向から拳で打ち合い、
ゴムの反動と柔軟性を生かした反撃を放つが、ウマ娘特有の軽やかな身のこなしが直撃を避ける。
ホルスターから抜かれた二丁目のリボルバーがルフィを狙い、その銃口からルフィが身を逸らす。
「二丁拳銃とウマ娘武術のクロスオーバー、ヒットすればベッドでおねんねデース!」
「あの至近距離でルフィの動きを捉えるなんて、あのウマ娘とんでもねぇぞ……」
援護のタイミングを見計らないながらも、ウソップは眼前の激戦に興奮を隠せない。
異能力の介在しない真正面からの衝突でルフィとタメを張る相手など、いつぶりだろうか。
伯仲する乱打の応酬の中、先に仕掛けたのはタイキシャトルだった。
「ウマ娘武術冠二番、“白鳥鉄杭(スワン・ステークス)”!」
ルフィの拳撃に身を捩って避けながら、空を裂く中段回し蹴りがルフィの胴体を狙う。
ゴムの柔軟さを利用し、咄嗟に避けたルフィだったが、その蹴り足は崖壁を抉って尚、勢いが殺されない。 - 98二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:29:01
「スッゲェー!」 「な、なんつー蹴りだよ……。ルフィ、援護するぞ!」
蹴りの威力に呆然とするウソップは、手にしたパチンコでタイキシャトルを狙う。
がま口から取り出した卵をパチンコに宛て、引き絞ったゴム紐を解き放ち、ウマ娘の側頭部を狙う。
「“必殺・新鮮卵星”!」 「グッドスナイプ! ですが、まだまだ甘いデース!」
タイキシャトルは僅かに首を動かして卵を避け、べしゃりと音を立てて卵黄が四散する。
ウソップは射撃の腕に自信はあったが、乱戦中の不意打ちが避けられたのは初めての経験だった。
“白鳥鉄杭”を避けたルフィが足を止め、横っ飛びになりながら拳を放った。
「“ゴムゴムの銃弾(ブレッド)!」
牽制のように放たれた一撃をタイキシャトルは目視もせずに身を逸らして避け、
カウンターのように放たれた銃弾が、ルフィの肩口に命中した。
「“麦わらのルフィ”のパンチ、全部お見通しデース!」
二丁のリボルバーをホルスターに収めたタイキシャトルは飛び上がって崖壁を蹴ると、
ルフィの真正面へと飛び込みながら、蹴り足を振り下ろすように縦回転し、
「冠一番、“惹流・回輪(ジャック・ル・マロワ)”!!!」
互いの距離が空き、飛び退けば避けられる距離。だが、ルフィは仁王立ちになると、
両の拳を握りしめ、迫るタイキシャトル目掛けて両拳の乱打をぶちかます。
「避けられねぇ……、“ゴムゴムの銃乱打(ガトリング)”」 「ハードなフィストラッシュ、絶対に押し切りマース!!!」
縦回転するタイキシャトルの全体重を乗せた浴びせ蹴りが、拳の乱打を真っ向から切り開く。
雨あられとなる拳の連撃がタイキシャトルを押し戻さんと、互いの全力が衝突する。 - 99二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:29:32
「“三刀流・鬼切”!」
「“バクシン流・水晶滑舞(クリスタル・カップ)”!」
ゾロの振り抜いた三刀を足裏で受け止めたバクシンオーが、
その勢いのままゾロの三刀と肩口を蹴って駆け上がり、中空へと飛んだ。
振り向いたゾロは交差した二刀で放たれる踏み蹴りを受け止め、ニヤリと笑う。
「大した跳び蹴りじゃねぇか」
「まだまだぁ! 貴方が“参った”と言うまで止まりませんよぉ!」
華麗なバク宙の後に着地したバクシンオーにゾロが迫り、手にした二刀を振り下ろす。
峰打ちではあるが加減はない。それを許さぬ程、眼前のウマ娘は高い練度の武術を誇っている。
二峰を裏拳で受け流したバクシンオーの掌底を、ゾロは咥えた和道一文字で受け止める。
「行きますよぉー! “バクシン流・王者見参(マイル・チャンピオン)”!」
目にも止まらなぬ掌底の乱打がゾロを襲い、怒涛の連打を巧みな刀捌きで受け流す。
斬り合いと打ち合い、息も付かせぬ攻防の中、一瞬の隙を突いたゾロがその身を滑らせる。
「“二刀流・刀狼流し”」 「“バクシン流・疾風・王者見参(マイル・チャンピオンシップ)”!」
“刀狼流し”の旋回に受け流されたバクシンオーが、その勢いを乗せたまま腰を捻り、
高回転の後ろ回し蹴りをゾロの側頭部に浴びせ、バクシンオーの踵には確かな衝撃が伝わった。
「効か、ねぇな……」 「まさか!? この一撃を耐えるなんて、オグリさん以来ですよ!?」
“刀狼流し”の剣勢を保ったまま、身を低く屈めたゾロがもう一捻りとばかりに双刀を振るった。
瞬間、雄々しい剣気が旋風となって舞い上がり、バクシンオーの姿勢を崩して吹き飛ばす。
「“二刀流・龍巻き”」 「ちょわわわ、何という気迫!?」 - 100二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:29:52
土の地面にすっ転んだバクシンオーが慌てて立ち上がり、ゾロの剣気に慄きを隠せない。
フラつく頭部を振って意識を覚醒させたゾロは、視線を彼方へやると三刀を納めた。
「もう少し手合わせ願いたかったが、生憎時間切れのようだな」
「なっ、どうして刀を納めるんですか!?」
バクシンオーが問い詰める中、入り江に繋がる丘から大きな声が響いた。
涙目になって駆け寄るのはマチカネフクキタルだ。息を荒げながら乱戦の中に飛び込んで来る。
「み、みなざぁぁぁ~~~~ん!!! 戦いを、やめでくださぁぁ~~~い!!!」
バクシンオーがギョッとしてフクキタルを見返し、乱打と競り合っていたタイキシャトルも、
フクキタルに気付くとルフィの拳を蹴り返して後方に飛び、着地と同時にフクキタルに駆け寄った。
「フ、フクキタルゥー! ベリーベリー、お久しぶりデース!」
タイキシャトルがフクキタルをしっかりと抱き留め、ワンワンと泣き叫んでいた。
再会を喜び合う様子にルフィとウソップも闘いの手を止め、呆気に取られたように二人を見る。
「ハァ……ハァ……。やっと追い付いた……ほら、喧嘩はこれでおしまい……」
フクキタルを追っていたナミも息を荒げて足を止め、大粒の汗を流している。
丘の上から悠々と近付いてきたロビンが事態を察し、そっと微笑んだ。
「良かったわ。刃傷沙汰になる前に解決したのね」
「おいお前ら、レディーが寝てる時に何騒いでるんだ!?」
扉を押し開けたサンジが様変わりした光景を呆気に取られて眺める中、
タイキシャトルに抱きしめられたフクキタルによって、諸島まで到着した事情が明かされたのであった。 - 101二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:30:48
【トレセン諸島】
“偉大なる航路”の前半に位置する諸島。
諸島の半分が“凪の海”に属し、他の諸島は荒れた海流に囲まれ、
通常の航行では上陸不可能の諸島である。
十数の地方島と中心部の本島で構成されており、
本島と地方島間の浅瀬には大型海王類は侵入出来ないため、
小舟であっても緩やかな海流に従って、それぞれの島を移動できる。
“凪の海”間には海流が存在しないため、日によって変わる風向きを利用するか、
海上を走る以外に移動の方法がない。
かつては本島・地方島では別々の文化を築いていたが、
大海賊時代の到来により、とある航路の中継地点となる諸島には、
海流に阻まれても尚、大量の海賊が流入した結果、一部の地方島は遺棄され、
現在は住民のほとんどが本島で生活を送り、地方島は食料の生産拠点となっている。
本島ではウマ娘達によるレースが盛んに行われ、一部の新聞がスポンサーとなり、
レース結果やウイニングライブの様子は、世界経済新聞の娯楽欄で知ることが出来る。
諸島への入港方法は近隣の島からの定期船のみであり、一部の商人との取引により、
ログの溜まった“記録指針”と引き換えに、他国の嗜好品との交換貿易が行われる。
諸島の名産品は“ニンジン”、他国では“トレセンニンジン”とも称される。
通常のニンジンに比べて栄養価に優れ、育ちも早いため島内の料理には必ず出て来る。
デザート用の甘味に優れた品種もあり、ウマ娘達のソウルフードともいえる。 - 102二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:31:18
- 103二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:31:48
もうこの時点で名作を確信してるわ
- 104二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:32:22
この完成度、僕のデータにはないぞ!?
- 105二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:32:26
乙です
顔合わせとしてキッチリ戦うのが素晴らしいです - 106二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:32:35
乙でした
1レスあたりの文章量これだけあって今90レスでまだ序盤か、やっべえ(語彙力消失)
あと自分が提唱した概念が地味に拾われてて嬉しい - 107二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:32:44
良作の香りが凄いしこの時点で満足感がヤバい(語彙力)
- 108二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:34:58
おつです!
タイキバクシンはもうちょい強くてもいいかな~って思いますが、まあこんなもんでも妥当かなって。
領域を発動すればもっと強くなるのかな。
トレセン諸島の設定周りは秀逸だと思います。
なるほど、記録の溜まったログポース……考えたこともなかった……
面白い設定を見せてもらえて嬉しいです!
世界経済新聞にトレセン諸島の情報が載っているということは、世界政府に加盟している世界線ですか?
- 109二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:35:38
投下乙です!
質の高い文章もさることながら、ウマムスメという種族そのものやトレセン諸島の設定自体もきちんと詰めてあって感服の一言に尽きます。
何よりワンピ側のエミュが上手い……ウマ娘をちゃんとワンピの世界に違和感なく落とし込めてるのが凄い……。
次回が楽しみです。ここまでよく詰められてるとあんまり意見に流されないで自分の発想と構成を大切にしてほしい気持ちがあります。 - 110二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:38:08
- 111二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:40:18
お見事の一言です
すでに名作の気配しかしません - 112二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:43:43
- 113二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:46:18
- 114二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:47:09
バクシン流って書いてあったからバクちゃんが武術を魔改造したのかなって勝手に思ってた…
- 115二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:47:20
なるほど、質問に答えてくださりありがとうございます。
確かにモルガンズなら金になりそうなトレセン諸島のレース関係の報道はしますね。
トレセン諸島にとっても外貨は欲しいでしょうから、納得の話です。
マイル云々はミスでしたが……本当に野暮でしたね、ごめんなさい。
まあこの時点でのルフィゾロも前半の海では上澄みも上澄みですし、まあ妥当なところだと思います。
両者様子見してても可笑しくないしね!!
以上です。
上質なSS、ありがとうございました!
- 116二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:49:44
まあ両者に圧倒的な実力差があるのはアレだしね
- 117二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:49:55
政府云々民間企業には関係のない話だし、アイツ止めても止まらないだろうし、むしろ止められるようならなんかあると思って首突っ込むよね
- 118二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:52:26
しかしこうしてSSを見ると……
フクキタルとエネルの相性最悪だな!! しってたけど!! - 119二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:53:07
- 120二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:55:06
神と神官という形ならなんとかなりそうだけど、それさえエネルの胸三寸でどうなるかわからんしね……こわぁ……
- 121二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:56:56
- 122二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:57:55
- 123二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:58:02
このレスは削除されています
- 124二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:58:22
- 125二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:59:31
このスレはエネルに見張られています
- 126二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:59:33
タバコの火ィ、ほしかったところだ……!!
- 127二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:01:21
思考が読めるのか?まずい…
- 128二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:01:39
ゴムゴムのォ……黄金回転弾ーーーー!!!
- 129二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:02:14
(文字が読めるのか…マズい……!)
- 130二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:03:05
- 131二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:05:15
まぁ掲示板という性質上当然の書き方なんだけど文盲扱いしてたのは失礼過ぎて芝2000m
- 132二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:07:49
※作中で出てきた“ナバロンの要塞”はアニメオリジナルエピソードに登場する要塞です。
海軍の保有する難攻不落の要塞なのですが、アニメでは空島から降りた直後、
このナバロン要塞の付近にメリー号が不時着し、海軍の軍勢に囲まれるエピソードがあります。
SS本編そのものにはほとんど無関係なので、原作のみを読んでる正当な読者にとっては、
いきなり出て来ても解らないかもな、と思って補足しました。
ナバロン編を絡ませると海軍ウマ娘と闘うシーンが出来るんじゃないかな、と勝手に期待して、
話に放り込んだけなので、特にナバロン要塞編を見なくても楽しめるかと思います。 - 133二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:09:15
- 134二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:09:33
ナバロン編はわちゃわちゃしてて結構好き
- 135二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:17:04
ナバロンで任務帰りの羽休みに来ていたタイシン概念はあり?
ナバロン見たことないから私は語れない。 - 136二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:18:45
- 137二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:39:32
小ネタ:ここだけドフラミンゴが本気でライスに愛着が湧いてしまった世界線
ロー「テメェ……ライスに一体何を吹き込んだ……!?」
ドフラ「フッフッフ……単純なことだ。コラソンを殺したのはローだと言ってやった」
ロー「なっ……!?ふ、ふざけんじゃねェ!!なんてことを……!!」
ドフラ「そしてこの手で復讐鬼として育ててやったんだ。十三年かけてな!そう、十三年……長いようで短かったような……」
ドフラ「あいつ結構マメでなぁ……誕生日とか律儀に覚えてて頭悩ませて毎年違うものプレゼントするタイプだ。去年は手作りのケーキだった」
ドフラ「厨房覗いたらちっこい手で懸命にクリームを泡立てて……ご苦労なことだ。しかもバレてねェと思ってやがる。サプライズだと。驚くフリも中々骨が折れるが、しかしおれが本気で喜んでると思い込んで嬉しそうにしてるあいつの顔は中々…………」
ドフラ「…………なあ、もしかしておれがコラソン殺ったのバレたら嫌われるんじゃねェか?」
ロー「何言ってんだお前……」(ドン引き) - 138二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:40:55
やっぱサンジすげぇわ……
だから過労死寸前までおかわりしても仕方がないよね…… - 139二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:41:28
本当に何言ってんだお前過ぎる…
- 140二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:41:31
最低なんだこいつッ!!
- 141二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:43:05
- 142二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:45:05
- 143二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:46:35
そんなことはねえぞ、正直サンジは作れる量ならマジで底が見えない
- 144二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:47:12
実力三位と言う丁度いいポジションのせいで何かとかませになるサンジだけどな!
フィールドが厨房かつレディーに料理を振る舞うとなったら負けるわけはねぇ! - 145二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:48:01
んー、そっか。
サンジが料理して疲労困憊するシーンってあったっけ? - 146二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:49:17
- 147二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:50:43
- 148二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:51:31
- 149二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:51:49
それ以上やぞ正直
- 150二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:52:55
でも、流石に複数人体制でしょ、トレセンの食堂って。
あれか、宴の時にトレセンの料理人と一緒になってサンジたちは料理。
サンジはそこでトレセン諸島のご当地料理を学び、後日フクキタルに振る舞って喜ばせるという……
ありだね!
- 151二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:55:05
このオグリンお腹ベッて出てるの可愛いな……
- 152二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:55:11
結婚式場で暗殺されかけてから逃げっぱなし戦いっぱなしの状態が続き休まずウエディングケーキ仕上げてもピンピンしてケーキを沖まで出荷した男だ
料理に専念できる漫画のコックとはスタミナが違う - 153二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:55:37
別スレで版権キャラにトレセンの料理人やらせるなら誰?って話題の時は、
バイタル料理の腕やウマ娘へ料理を振る舞う熱意を買われてサンジが本命だったな。
唯一の欠点とされたのは喫煙くらいで、ナンパも全く問題視されてなかった。 - 154二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:56:38
・めっちゃ味はいい
・99のバイタルレシピ
・いくらでも作れる
・その上速度も速い
世界トップレベルのコックやぞ - 155二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:57:10
だな、普段サンジでガチで体調悪い子にトニオさんが主流だった
- 156二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:57:55
ウマ娘にモテる要素の塊のような男
- 157二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 01:00:51
マックイーンが会うたびにメジロ家にスカウトしてそうな料理人
- 158二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 01:01:17
もしかして一味でトップクラスに人間辞めてたんだな、サンジ。
オヤジのかいぞ……母親の愛情を一身に背負って生まれたおかげなのかね。 - 159二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 01:03:11
ルフィは人たらしな所があるから単純にウマムスメ達から好かれる、サンジは言わずもがな、ウソップは子供のウマムスメになつかれる、ゾロは一部にぶっ刺さる、チョッパーは可愛がられそう
- 160二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 01:04:30
走るの速くて優しくておいしいごはんいっぱい作ってくれる
- 161二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 01:08:06
- 162二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 01:08:35
- 163二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 01:10:09
- 164二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 01:11:03
- 165二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 01:44:41
あそこでロビンの好感度稼がないとだからな
- 166二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 06:00:54
いつの間にか190が次スレ立てる文化が生まれてる…
逆に今までみんな適当に立ててたのによくスレ被りとかしなかったな - 167二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 06:07:10
贅沢いわねぇからサンジのバイタルレシピ最初から最後まで味わってみてぇ
- 168二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 07:58:28
- 169二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 08:59:46
クッソ贅沢、俺も食べたい
- 170二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 09:05:12
- 171二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 10:02:12
今日のONE PIECEでローの後ろで歩いてるライスちまっこくて可愛かったな(幻覚)
- 172二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 10:57:14
俺も何回かあったわ
- 173二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 11:44:45
- 174二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 11:50:27
- 175二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 11:53:13
- 176二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 11:54:01
- 177二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 11:55:12
やはりサボは長男…
- 178二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 11:57:04
- 179二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 11:58:28
それならルドルフ70代だった!?が出来るな
- 180二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 11:59:04
ホントはダメだけど!ルフィが姉のテイオーにいたずらされながら甘やかされる同人が読みてえ!
- 181二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:09:18
- 182二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:12:00
フクがこんなかっこしたせいで動揺してケータイ落としちまった……
- 183二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:12:56
エースは大体の相手につっけんどんだし、
テイオーにも同じような反応だろうな
ルフィはテイオーにはいじめられるからイヤな顔するけど、
かまってくれるから内心は好きだし、毎年来るのを楽しみにしてる
ルフィが海賊に捕まる一件からはテイオーとエースも仲良くなるけど、
ルフィの取り合いになって喧嘩が始まり、それをサボが仲裁するイメージだな
サボは貴族生まれだし、イヤな両親にも見えるけど学識はありそうだから、
レディーファーストくらいは教えられてて、テイオーにも穏やかに接しそう - 184二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:14:19
エースと言い合いになると先にテイオーが手を出して取っ組み合いの喧嘩になって最終的にテイオーの方が泣かされるの好き
- 185二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:21:55
サボがそれをニヤニヤしながら眺めているくせにお別れするとき一番悲しみそう
俺も、悲じぃーぞぉっていうルフィ達… - 186二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:23:01
俺も変な声出しちまった…
- 187二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:23:06
愛されルフィ大好き
- 188二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:34:46
ウマムスメ族の謂れもない偏見を教えられていても、サボはテイオーを一人のレディ、もしくは悪友として野山を遊び回ってくれるだろうという安心感。
なんであんなクソ親からこんなに出来た子どもが生まれたの? - 189二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:38:29
- 190二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:46:09
- 191二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:47:22
- 192二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:48:06
- 193二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:49:18
>>200ならローライスは幸せになる
- 194二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:49:37
- 195二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:51:10
- 196二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:51:36
- 197二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:52:09
200ならライスのバストが(ry
- 198二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:52:43
>>200ならフクのバストを盛るペコ
- 199二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:52:43
- 200二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:52:49