- 1◆tuGRi/cUNE21/10/23(土) 22:38:21
B「お…おい、どうしちまったんだよA。熱でもあるのか?」
A「いや…俺、ライアンのこと好きだったのに散々悪口言ってたじゃん。嫌われて当然なのに、その『当然』にも思い至ってなかったじゃん」
B「ま、まあ、それはそうだな……(少しは客観的に自分を見れるようになったんだな)」
A「で、多分俺あのままだと、ライアンに似た子を見つけようと風俗狂いになったり、ショッピングモールで偶然出会ったライアンファミリーから身を隠そうとするけど、向こうには全然覚えられてなくてスルーされたりしそうじゃん?」
B「(!!)……お、おう、そういう未来もありえたかもな」
A「ていうか多分、俺、実際にそうなってんだと思うんだよ。おかしなこと言ってるようだけど、俺、なんとなく分かるんだ。俺じゃない俺が、ライアンを逆恨みしてライアンのトレーナーに釘を刺されたり、同窓会で久々に会ったお前との格差に打ちのめされたり、そういう経験をしてるんだよ」
B「は、はは……何言ってんだよ、A。変なモンでも食べたか?」
B「…………」
B(『このA』にその記憶があるはずがない。いや、このAに限らず、Aに他の世界線の記憶は無い)
B(……正確には、漠然とした後悔の意識だけは仄かに共有されている。その積み重ねで、最近は良いと思ったウマ娘に手当たり次第にアタックする勘違いチャラ野郎になったりもしてたが。極端なんだよなコイツ)
B(それにしたって、これほど具体的な記憶の継承は、今までになかった……『このA』には、期待してもいいのか?)
男子A「ライアンとかないわww」男子A「あいつ男みたいやしwwww」男子B「でも胸でかいぞ。顔もよく見りゃかわいいし」男子A「まあ確かにwwでもやっぱないなww」男子B「そういやメジロライアンって彼氏おるらしいぞ」男子A「えっ」男子…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:39:15
ウマ見沢かな?
- 3二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:39:29
Bこそホントお前なんなんだ
よくAにそこまで付き合えるな… - 4二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:39:34
だからBは何者なんだよ
- 5二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:40:19
Bはなんで他世界線のAを知ってるんだよ
- 6二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:40:35
何でリーディングシュタイナーになってるんだBは
- 7◆tuGRi/cUNE21/10/23(土) 22:40:48
A「それだけじゃないんだ。……そう、それだけじゃないんだよ……! お前に話してるうちに、思い出してきた」
B「……思い出してきたって、何を?」
A「俺は……そう俺は、チケットのことを好きになってたこともあった」
B「(!!??)」
A「『その俺』は、大学生で、チケット……ああ、お前に話しても分かんないか、ウイニングチケットってウマ娘と、まあまあ仲良くしてたんだ。……まあ、俺が思ってるほどには、向こうはそう思ってなかったんだけどな、はは」
B「(Aとウイニングチケットが友人同士の世界も確かにあった……だけどライアンと関わりのある世界よりは少ない)」
B「(言ってしまえば珍しい部類の世界……そんな世界の記憶まで受け継いでるのか……!?)」
A「チケットもトレーナーと付き合っててさ、二人で温泉旅行に行ってる写真を見せられたんだ。俺はその写真に写るタオル一枚のチケットを目に焼き付けて、トイレでヌいてたよ。こうして口にしてみるとほんと惨めだな」
B「(ほんとにな)はは、えらく具体的な夢だな」
チケゾー「A君おもしろーい!」A「ったく(笑)男子と話してるみたいだよ」チケ「なにおう!これでも付き合ってる人いるんだから!」A「え?」bbs.animanch.com - 8二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:41:35
もしかしてこれって感動的な総集編?
- 9二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:42:39
うおおおおお!
A君スレの続編だあああああ! - 10二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:43:39
- 11◆tuGRi/cUNE21/10/23(土) 22:44:05
A「いや、それが夢じゃないんだよ。俺はチケットからトレーナーとの夜の営みの内容を聞き出そうと躍起になってた。今にして思うと露骨すぎたけど、そのときの俺は『さりげなく』聞けてるつもりだったんだ」
B「そんなモン聞き出してどうするんだよ」
A「夜のオカズにするに決まってるだろ。だって、俺の妄想じゃなくて、本当にチケットがやったことを聞き出せたなら、オ●ニーの精度が違ってくるじゃんかよ」
B「(根本的なとこは変わってねえなコイツ……)そういうモンか」
A「そういうモンだ。でも、さすがに露骨すぎてチケットにバレてな。トレーナーに相談されて、随分と詰められたよ」
B「それは災難だったな」
A「まあ、本当に災難なのはチケットとトレーナーのほうだけどな」
B「!?」
B「(Aがここまで成長するなんて、この世界線は何が起こってるんだ!?) - 12二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:46:48
なんかワクワクするんだけど、Aなんかにワクワクさせられて負けた気もする
- 13二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:48:42
また懐かしい概念だな……
立ち絵すらないオリキャラ未満みたいな
存在だったA君がついに光を浴びるのか - 14◆tuGRi/cUNE21/10/23(土) 22:49:32
A「それにしても俺って、違う世界でもボーイッシュなウマ娘を好きになるんだな。我ながら笑えてきた」
B「はは、そりゃお前はお前なんだから、女の子の好みもそうそう変わらないだろ」
B「(なんだ、覚えてるのはライアンとチケットの二人だけか。それだけでも初めての現象だが)」
B「(とはいえチケットのことは話しながら思い出したって言ってたし……ここはちょっと、こっちから促してみるか)」
B「……なあ、A」
A「どうした? そんな真剣な顔して」
B「ライアンと、チケ……その、ウイニングチケットって子以外のことを、好きになったことはあるのか?」
A「ん? いや……俺が覚えてるのはそれくらい……。……いや……なんだ……これ……違うぞ……まだ、ある……!」
B「(! やっぱり思い出したか!)」 - 15二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:50:49
認識が世界線を超え始めたのか
そのうちA君でゲラゲラ笑ってた俺たちの世界の存在もバレてしまうのかな - 16二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 22:52:31
なんだよコレは……
- 17◆tuGRi/cUNE21/10/23(土) 22:56:39
A「ああ……! 俺、俺の知らないウマ娘を何人も知ってる……! あの子も、この子も、あの子も……!きっと、この世界のどこかにいる。我ながら滅茶苦茶なことを言ってるようだけど、間違いなく、あの子たちはみんな、実在するんだ……!」
B(正解だよA……お前は何度も小学生~30歳前後程度までの人生を繰り返している)
B(だけどそれはすべてお前であってお前じゃない。それぞれの世界のお前はそれぞれにその後の人生を歩んでいる)
B(だけどどの世界も、二点を除けばすべて同一の世界なんだ。一つは、お前とお前を取り巻く環境。もう一つは、俺)
B(俺だけは、すべてのお前を知っている。すべてのお前の失敗を、この目で見続けてきた)
B(だけどそれも、この世界で終わりになるかもしれない……!)
B「……なあA。話してくれないか、一つ一つ、そのウマ娘たちのことを」
A「あ……ああ。むしろ、聞いてくれ。頭がおかしくなったみたいで……俺も話しながら、整理していきたいんだ」 - 18◆tuGRi/cUNE21/10/23(土) 23:05:16
A「ハルウララって子がいた。ピンク色の髪をして、なんていうか、天真爛漫? って感じの子。ぶっちゃけると、バカっぽい子だなーって思ってたんだけどな」
B「天真爛漫っていうなら、その子もやっぱりボーイッシュ系なんじゃないのか?」
A「いや、ボーイッシュっていうのともちょっと違うというか……なんていうか、何も知らない子供みたいな感じだったな。少なくとも『その俺』は、そういう風に感じてた……と、思う」
B(ハルウララの無垢さを付け入る隙とみなして、ハルウララに想いを向けた世界線も確かにあったな)
A「俺はウララ、ああ、ハルウララのことをウララって呼んでたんだけどな、ウララに、勉強を教えてあげてたんだ」
B「お前に勉強教えられるとか相当だな」
A「うっせー、ウララはそれくらい勉強できなかったんだよ。俺はウララに憎まれ口を叩きながら、正直なところ、優越感を感じてたんだ。勉強を教えるという行為を通じて、俺はウララを自分色に染めていけるような気にさえなっていた」
B「それは思い上がりが過ぎるな」
A「まったくだ。でも『その俺』はそう信じてたんだよ。でも……ウララは俺が思ってるほどお子ちゃまじゃなかった。ウララも……自分の担当トレーナーと、付き合ってたんだ」
ウララ「Aくん凄いね!そんな難しい問題解けるんだ!」|あにまん掲示板bbs.animanch.com - 19◆tuGRi/cUNE21/10/23(土) 23:14:41
B「あー……それは残念だったな。まあ、でもその世界せ……そのお前は、ウララって子に特に嫌われることはしてないんだろ?」
A「まあ、ライアンやチケットに対してよりはな。でも、俺は不純な動機でウララを見下して、勉強を教えるという立場で悦に浸ってたんだ」
B(これまでの世界線での後悔が累積されて、自虐的になってるってとこだろうか)
B(これまでのAは後悔はしても反省はしない、したとしても履き違えた教訓を受け取る奴だったが)
B(さすがのAもこれだけ繰り返し脳を破壊され続ければ、ってことなのか? いや、まだ様子を見るか)
B「でもまあ、それだけで済んだならいいんじゃないか」
A「そうかもな。でも、嫌な思い出だけじゃないんだ。そう、あれは……ゴルシ……ゴールドシップってウマ娘だ」
B(ゴールドシップまで思い出したのか! ……いや、むしろキャラの濃さ的には一番思い出しそうだな。うん) - 20二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:16:56
B君の強キャラ感嫌いじゃない
- 21◆tuGRi/cUNE21/10/23(土) 23:22:25
A「ゴールドシップっていう銀髪の、背の高いウマ娘でさ。とにかくやることなすことぶっ飛んでるんだけど、一緒に遊んでて面白いんだ。で、ゴルシのほうも、俺に対して同じことを思ってくれていた」
B「……へえ。それはよかったな」
A「でも、ゴルシはトレセン学園に進学して、俺は地元に残ったままで、ゴルシとは離れ離れになった。それでも、すぐにまた会えると思ってんだけどな。現実は厳しかったよ。広い世界に出て、俺なんかとの遊びで満足してた世界が、どれだけちっぽけだったかって気付いちゃったんだろうな」
B「……まあ、学校が変わったら疎遠になるっていうのは、珍しい話じゃないしな」
A「そうなんだよな。だけど俺は、根拠もなくゴルシとの友情は永遠だと信じてたんだ。……いや、友情じゃないな。俺はゴルシのことを、結局異性として見てたんだから。正直、ゴルシが男だったら、俺はそこまで執着しなかっただろうな。疎遠になったことを、いつまでも引き摺ったりとかはさ」
B(…………)
B(ゴールドシップとAが幼馴染の世界線は一つじゃない)
B(Aの言う通り、そのままトレセン行を契機に疎遠になってしまう世界線がほとんどだが)
B(そうはならなかった世界も……あった)
ゴルシ「アハハハハッ!やっぱりAと遊ぶのっておもしれーな!」A「そりゃあこっちの台詞だよ!」A「…なあ、やっぱり中央行くのか?」ゴルシ「おうよ!このゴールドシップ様は地方に収まるような器じゃねーからな!」A「アハハッ、お前ならそういうと思ったよ」A「なあゴルシ、俺…お前のことが…」ゴルシ「ん…bbs.animanch.com - 22二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:27:42
唯一レベルでAが救われた話あったなそういや
- 23◆tuGRi/cUNE21/10/23(土) 23:32:27
B(Aとゴールドシップがひと夏の思い出を育み、夏祭りをきっかけに恋心を自覚する)
B(Aとゴールドシップが結ばれて、トレセン入学後も関係は続いている)
B(そんな、Aにとってハッピーエンドといえる世界も、確かに……あったんだ)
A「ゴルシ以外のウマ娘の話もこれからするつもりだけどさ、やっぱりゴルシとが一番上手くやれてたなあ。自分で言うのもなんだけど、本当に仲の良い友達同士だったと思う」
A「だけど、それも俺が思うほどのものじゃなかったのかもな。現に疎遠になったんだから。でもまあ、これはまだいい思い出として仕舞っておけそうな部類だわ」
B「……そう、か。なら……よかったな」
A「おいおい、どうしたんだよそんな暗い顔して。なんにせよ、今ここにいる俺とは関係のない話なんだからさ」
B(違う……違うんだよA)
B(お前がゴールドシップと結ばれる、お前が救われる世界線はあったんだよ)
B(実際にその世界のお前は、きっと末永く幸せに生きていくんだ。でも、確かにお前の言う通り……今ここにいるお前とは、関係のない話かもな)
B(皮肉だな……強い後悔のおかげで色々思い出せたのに、最も救われた世界線の記憶は、その『後悔』が無いから思い出せないなんてな……)
ゴールドシップ「あたしだって彼氏くらいいるぜ」|あにまん掲示板桜が舞い散る春のある日「なぁトレーナー、チョコとかねぇの?せんべいにまんじゅうって随分ジジくさいチョイスじゃね?」「俺はまだ30だ!じじいじゃねぇって、そもそも早くトレーニング行けよ!」「まぁまぁ水く…bbs.animanch.com - 24二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:35:03
ガチで救われてる世界線のやつだ…
- 25二次元好きの匿名さん21/10/23(土) 23:36:53
ちょいちょい知らないAのヤツあるな
俺はまだ未熟だ… - 26◆tuGRi/cUNE21/10/23(土) 23:42:19
A「気を取り直して、次の子の話するぜ。その子はなんていうか、儚げな雰囲気の美少女でさ。サイレンススズカってウマ娘だったよ」
B「儚げか。それはちょっとボーイッシュ系から離れたな」
A「ああ、俺はボーイッシュ系がタイプなんだけど、そうじゃない子を好きになった俺も結構いるみたいなんだよ」
A「スズカとは小学生の頃同じクラスでさ。そのときからスズカは足が速かったんだ。まあ、ウマ娘なんだから俺たち人間よりは速いのは当たり前なんだけどさ。それでも俺は、スズカに走りで勝とうと躍起になってたんだ。小学生特有の負けず嫌いってヤツだったのかな? さすがにそのときの俺の心情までは思い出せないわ」
B「ウマ娘に走りで、か……それは無謀な挑戦だな」
A「ああ、無謀も無謀だった。でも、それが『その俺』の生き甲斐みたいになってたんだな。中学に進学して、スズカはトレセン学園に入って……残された俺は、心にぽっかり穴が開いたような虚無感に襲われたんだよ。そのときやっと自覚したんだ。『俺はスズカのことが好きだ』って」
B「いなくなってから恋に気付いたパターンか……それはかなり後悔しそうだな」
B(まあ、どれだけコイツが後悔したかはよく分かってるけども)
B(ただ俺は、この世界線ではAの友人ではなかった)
B(違う試みをしてみようと思って、あえてAとは距離を取っていたんだ。……意味のない試みだったけどな) - 27◆tuGRi/cUNE21/10/23(土) 23:53:07
A「俺はそのまま中学を卒業したんだけど、高校に入ってしばらくしてから、スズカがレースにデビューするって話を聞いたんだ。それで、いてもたってもいられなくなって、当日現地に向かったよ。あわよくば声をかけようと思っていた。声をかけることすらできなかった小学時代を取り戻すように。でも」
B「でも?」
A「俺は、洗練されたフォームでターフを駆け抜けたスズカの姿に圧倒されて、見入ってしまって……結局、声なんてかけられなかった。いや、声をかけようとしたことさえ忘れてたんだ」
A「スズカの汗で湿った胸元が、風になびいた髪と尻尾が、すらりと伸びた手足が、勝利の後の恍惚とした表情が、とにかくスズカのありとあらゆるすべてが……俺には安直に、『エロい』と感じられたんだ」
A「俺は家に帰ってすぐにパンツを下ろして、スズカの姿を思い出しながら何度も抜いたよ。最低だって泣きながら、でも手は止められなくて、勃たなくなるまで、一晩中扱き続けたんだ。気持ち悪い奴だったよ」
B「一晩中って、すげえな……」
B(さすがにAの部屋の中でのことまでは観測できてないから、それは知らなかったな……)
B(まあ、Aがただならぬ様子で家に駆け戻るところまでは見てたから、スズカさんで抜いてたんだろうなとは思ってたけど)
B(一晩中っていうのは予想外だったわ……知りたくなかった……)
サイレンススズカの同級生だった少年の話注意。これはスズカのBSS作品です。苦手な方はブラウザバック推奨こうやって掲示板にSSを描くのは初めてなので拙い文章になってるかもだけど許してほしい。パソコンで打ったのでスマホだと見にくいかもそれでも…bbs.animanch.com - 28◆tuGRi/cUNE21/10/23(土) 23:57:49
何名か当たられた方もいらっしゃいますが、過去のA君スレの総集編的なSSのつもりです。
振り返りがメインでこのSS自体のストーリー部分はオマケ。
今晩中に一気に書き切ってしまうつもりでしたが、予想以上にA君スレあったので明日の夜にまた続き書きます。
保守は自分で勝手にするつもりです。
こんなネタ翌日に引っ張るほどじゃねーだろと思う方も多いかもしれませんが、また明日気が向いた方はお付き合いいただければ幸いです。 - 29二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:03:26
面白くなってきたな…
- 30二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 00:03:37
乙!自分のゴルシ紹介してくれてテンション上がったわありがとう!やっぱりA君ネタでAと結ばれるのって少数なんだね…
- 31二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 07:09:03
A君はライアンのイメージが強いけど他にも色々手を出して(※出せてない)るんだなって
- 32二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 12:31:44
保守
- 33二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 15:11:21
スズカさんの勝利後の「はぁ…っ♡」って声は確実にエロいから俺はA君を責められない
あれは絶頂時と同じ音が出ている - 34二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 22:41:13
なんかストーリーラインに既視感あるなと思ったらこれあれだ、ひぐらしだ
- 35二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 22:42:30
りゃいあんの鳴く頃に
- 36◆tuGRi/cUNE21/10/24(日) 23:20:36
A「でも、スズカとは別の記憶もあるんだ」
B「別の記憶?」
A「ああ。『その俺』は、スズカともちゃんと話したことがあった……はずなんだ」
B「はずなんだって、ずいぶんと自信がないな」
A「まあな。だって、ランニング中のスズカを見つけて話しかけたんだけど、『どちら様ですか?』と言われちまったんだから」
B(あー……あの世界線か……)
B「……それはキツいな。向こうはお前のことをまったく覚えてなかったってことだろ?」
A「そういうことになるな。……でも俺は、そんなスズカのことが好きだったんだと思う。自分が夢中になれるもの以外は文字通り眼中にないような、そんなスズカが」
B「……そうか」
A「お!スズカじゃねえか。」|あにまん掲示板bbs.animanch.com - 37◆tuGRi/cUNE21/10/24(日) 23:30:36
A「って、スズカのことしみじみと語った後で別のウマ娘の話するのもアレだけど、次はナイスネイチャってウマ娘だ」
B「(コイツほんとポンポン思い出していくな……)ナイスネイチャっていうのは、どんな子だったんだ?」
A「ああ、なんていうかサバサバ系? に見えて、実はしっとりしてるタイプ……だと俺は勝手に想像してるんだけど」
B「(まあ、当たりだな。問題はAの前では絶対しっとりしてるところなんて見せないってことだけどな)なるほど」
B「で、そのナイスネイチャとはどんな流れで失恋したんだ?」
A「おいおい、勝手に失恋したって決めつけてんじゃねえよ」
B「(だってそうだろ…)悪い悪い」
A「まあ、失恋以前の問題だったんだけどな。『この子いいなー』とは思ったんだけど、それだけだ」
B「つまり、何のアクションも起こしてないってことか(まあこれまでも割とそうだけどな)」
A「ああ……なんか、話しかけてみようかなーとは思ってた気がするんだよ。そのことを、なんかお前に相談した気がする。それで、お前からは何て言われたんだっけかな……?」
B(そのときは俺もまだ世界線を渡り歩くようになって時間が浅かったからな。お前の節操の無さと浅はかさに唖然として何も言えなかったよ)
A「ネイチャならワンチャン行けそうじゃね?(笑)」B「……」|あにまん掲示板bbs.animanch.com - 38◆tuGRi/cUNE21/10/24(日) 23:34:27
ちょっとしか書いてないけど今夜はここまでにします。
A君の軌跡を振り返りながらちょこちょこと進めていきますのでまた明日! - 39二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 23:34:38
今見たんだけどスズカとAってすごい数多いね?
- 40二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 06:43:00
保守
- 41二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 06:50:00
今更A君の存在に気づいてしまったので書きたくなってきたゾ……
- 42二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 10:15:25
- 43二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 15:09:22
廻る世界
- 44◆tuGRi/cUNE21/10/25(月) 23:10:55
A「ていうか多分、『どの俺』も、ウマ娘を好きになるたびにお前にそのことを話してたような気がすんだよ」
B「(まあ大体はそうだな)ふーん……それは友達甲斐があるな」
A「まあお前に何言われても、俺は止まらない気がするけどな」
B(よく分かってるじゃないか)
A「で、思ったんだけどさ」
B「おう」
A「実はお前が俺のこと好きで、俺をウマ娘に盗られるのが嫌で止めてたりしてなw」
B「(何言ってんだコイツ)……心配すんな、それは絶対無いから」
A「だとしたら辻褄が合うくね?」
B「合うくねえ」
A「ま、俺にそんな趣味は無いけどなw」
B「俺にもねーよ(腹立つなコイツ)」
B(……とはいえ、コイツを見捨てるという選択肢は俺にはない)
B(俺がこのウンザリするような繰り返しから脱するためには、否応なしにコイツが鍵になるからな。ただそれだけだ)
B(『このA』はやたら記憶を継承してるけど、あまり期待しすぎないようにするべきだな)
Aくんに惚れてるBくんの可能性もあるのでは…?小さい頃から家が隣同士で仲の良かったAくんと Bくん。小さい頃は何も考えず無邪気に遊んでいられた2人だが大きくなるに連れてBくんは Aくんに密かに恋心を抱いていく。しかしAくんはアイドルやウマ娘が好き…bbs.animanch.com - 45◆tuGRi/cUNE21/10/25(月) 23:30:23
A「あと、なんとなく記憶にあるんだけど」
B「今度はなんだ?」
A「俺、ライアンのこと好きな癖に散々悪口言ってきたじゃん」
B「まあ、そうだな(俺はお前の想像の十倍はそれを聞かされてるけどな)」
A「それがライアンの友達にバレて、お前がそのことでライアンの友達に詰められてる光景がおぼろげに記憶にあるんだよ。しかもその子もウマ娘だったと思う。不思議な記憶だよな」
B(! それは俺とマックイーンが親しい世界線の記憶…!)
B(確かにその世界線で、俺はマックイーンにお前がライアンの悪口を言っていることを問い詰められた、だけどそれはお前が知るはずのない記憶だぞ…!?)
B(まさか、主観以外の世界線の事象までもが『このA』の中に流れ込んできているのか……!?)
メジロマックイーン「Bさん、お話があります。」マックイーン「Aさんがライアンの陰口を言っていたというのは本当ですの?」B「……いや、それは…」マックイーン「友人を守りたくなる気持ちはわかりますわ。でもわたくしとあなたの仲だからこそ正直に話して欲し…bbs.animanch.com - 46二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 06:47:20
保守
- 47二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 07:50:17
保守
- 48二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 11:19:27
A君何度も墓から掘り起こされてんな
- 49二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 19:11:13
A君の曇らせは不滅
- 50◆tuGRi/cUNE21/10/26(火) 23:28:47
A「それと、ちょっと奇妙なことがあってさ」
B「(俺たちが置かれている状況自体が奇妙なんだけどな)奇妙なこと?」
A「ああ。さっき思い出した記憶の中だと、俺とお前がトレセン学園の関係者になってる記憶もあるんだよ。ウマ娘にお近づきになりたいあまりそんな記憶を捏造しちまってるのかな」
B「ははは、どうだろうな」
B(そういう世界線があるかないかでいうと、ある)
B(ただ、俺は中央トレセンのトレーナーになんとか受かったけど、コイツは受ける前から挫折して事務員としての採用だが)
A「その記憶の中だと、俺はスズカが失恋して落ち込んでいるところに優しく声をかけて俺になびかせようって目論んでたな」
B「それはひどいなw(いや、ほんとに)」
A「俺はライアン一筋のつもりだったんだけど、こうもスズカのことを何度も思い出してると、気持ちが揺らぎそうになるぜ」
B(どっちにしても報われないんだけどな)
A君「ワンチャン今のスズカさんならいけるんじゃね?」B「……」|あにまん掲示板A「憧れの沖野Tがおハナさんと婚約したの知ってショック受けてるとこに、俺が優しく慰めたらなびくんじゃね?ww」B「いやお前……、……もういいわ」A「前々からスズカさんには親近感あったんだよなー、なんか…bbs.animanch.com - 51◆tuGRi/cUNE21/10/26(火) 23:42:38
B(それにしても、なんで俺はいくつもの異なる世界線を渡り歩き続けてるんだろう)
B(本来の俺は、小中高と普通に卒業して、身の丈に合った大学に入って、身の丈に合った就職をして)
B(Aとは昔同級生だったってだけで、卒業した後には自然と疎遠になっていた程度の間柄だった)
B(ある日気付いたら俺は十代の頃に戻っていて、そしてAが言うんだ)
A『ライアンとかないわww』
B(……って。それからだ、俺が不規則なループに囚われてしまったのは)
B(ループの起点も終点もバラバラ。だから対策も立てられない。寝て目が覚めたらループしていたことも、起きているときに突然ループすることもあった)
B(だけど今では分かる。このループの鍵となっているのは、Aだ)
B(俺がAから離れれば離れるほど、再ループさせられる可能性が高くなっていた)
B(だから俺はAと同じ進路を選ぶよう心掛けるようにした。しかし再ループに突入する条件はもう一つあったんだ)
B(それこそが、『Aが「僕が先に好きだったのに」状態に陥り、脳を破壊されること』)
B(……コイツ、もしかして悪霊か何かの類だったりするんだろうか?)
惨めだなAよケヒヒッ 愉快愉快おまえの矜持も!!!!!未来も!!!!全てを捧げてもどうにもならず!!!!!惚れた女が他の男により汚されいくのを眺めるしかない!!!!惨めだなぁ!!!この上なく惨めだぞ!!!!A!!bbs.animanch.com - 52二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 23:43:42
祓え
- 53二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 00:40:54
学生のころのちっぽけなプライドを守り、優越感に浸るために言ったたった一言で嫌われ、BBSされ、再会したと思ったらイチャイチャされた上でキスまでされて追い討ちをかけられ、最終的に呪いの王にゲラゲラされる
芸術作品としてこれ以上ない仕上がりすぎる - 54二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 07:15:13
A君派生スレまでまとめていくのか、すごいな
- 55二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 14:51:43
保守
- 56二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 01:08:49
保守
Bくん苦労するな… - 57二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 01:15:58
あにまん掲示板の歴史と言っても過言
- 58二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 01:21:24
これを見れば見るほどゴルシとかいう法則の外の存在…いやまぁゴルシだし
- 59二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 01:39:05
- 60二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 06:45:48
A君じゃなかったとはまさかの新事実
- 61◆tuGRi/cUNE21/10/28(木) 13:49:23
A「で、思い出したんだけど、さっき話したトレセン学園の関係者になってる記憶だけどさ」
B「ああ……スズカが失恋しているところに付け入ろうとしたやつね」
A「そうそうそれ。その記憶なんだけどさ、どうも続きがあるみたいなんだよ」
B「続きってことは、また別の記憶ってわけじゃなくて、地続きってことか(となると、あの世界線だな……)」
A「そういうこと。『その俺』はスズカは高望みしすぎたなって反省して、セイウンスカイっていう別のウマ娘を狙うことにしたんだ」
B「(十分高望みだけどな……)セイウンスカイ、ね。その子はどんなウマ娘なんだ?」
A「ああ、ショートカットでどこか飄々としててさ、名前通り空に浮かぶ雲のようなウマ娘だった」
B「その子にはアプローチかけたのか?」
A「なんか死ぬほど興味なさそうな顔で『キモッ……』って呟かれた……」
B「(スカイにそこまで言われるなんてよっぽどだな……)ご愁傷様」
A「しかもなんか革ジャン着た筋肉ムキムキのボディガードまでいたしさ、わけわかんねえわ。そいつが『あたっ!』とか言って俺の胸に指突っ込んできて、そこから先の記憶がないんだよな」
B(秘孔を突かれたか……セイウンスカイには何故かケンシロウが付いてる世界線が少なからずあるからな)
B(正直俺にもあの男の存在はよくわからん)
A君「スカイなら俺でも余裕っしょwww」B君「おい」|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/72585/A君「担当トレーナーに片想いしてるって聞いたけど恋愛クソザコらしいし、優しくアプローチしてれば、普通に考えて俺の方に気が移るっ…bbs.animanch.com - 62◆tuGRi/cUNE21/10/28(木) 13:57:32
A「ボディガードといえばもう一人いたわ。ハルウララのことは話したよな? その記憶の中の俺もウララ狙いだった」
B「子供扱いしてたら担当トレーナーと付き合ってたっていうウララか」
A「そうそう。でも、その記憶の中だと俺はウララに勉強を教えてあげたりはしてないっぽいんだよな。そもそもそんなに話したことがなさそうな感じがする」
B「それは不思議だな」
B(まあ、Aとウマ娘の関係性は世界線ごとに異なるからな。一応友人と呼べる付き合いをしている世界線もあれば、蛇蝎の如く嫌われている世界線もあるし、そもそも何の関わりも無い世界線もある)
B(そのランダム要素もまたこのループの厄介なところなんだよなあ)
A「俺は男慣れしてないウララなら簡単に落とせそうって話を、確かお前にしてたんだ」
B「(ああ、してたな)そうなんだな」
A「顔も良いし、よく見れば体も悪くないって話をしかけたら、慌てた様子のお前に全力で止められたっけ。なんでだよって思ったときには、見たことない屈強な男が『ウララさんをそんな目で見るんじゃねえ!!!』とか言いながら割り込んできてボコボコにされたよ。今思い出してもゾッとするよ」
B(S……S元だな)
B(ケンシロウと同じであの人も謎なんだよなあ、何故かウララのトレーナーをしてたりすることもあるし)
B(不確定要素はこのAだけで十分だっていうのに)
A君「男慣れしてないウララなら簡単に落とせそうwww」B君「え」|あにまん掲示板A君「あいつならちょっとコナかければ簡単に落ちるでしょwww 意外とあれで顔はいいし、体の方もよく見れば…」B君「バッ!やめろ!!」A君「え、なんだよそんな慌て…グハッ!!」S君「ウララさんをそんな目…bbs.animanch.com - 63二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 17:05:53
このレスは削除されています
- 64◆tuGRi/cUNE21/10/28(木) 17:06:11
A「あと他のウマ娘でいくとマチカネタンホイザって子もいたな。いつも俺に優しくしてくれる子だった」
B(お前にだけ優しいわけじゃないけどな……って、『あの世界線』でも俺コイツにそう言ったな)
A「だから俺は他の奴に先を越されないように告白したんだよ! ちゃんと告白できただけ成長してるだろ?」
B「そ、そうだな……(その辺のお前は完全に勘違い軽薄告白テロ野郎になってたんだよなあ)」
A「でもさ、マチタン……あ、マチカネタンホイザのことね。マチタンにも彼氏がいたんだよ」
B「もはやお決まりのパターンだな」
A「ホントだよ、ウマ娘たちの風紀は乱れてるぜ」
B「(お前が言うなや)ははは、それでお前はどうしたんだ?」
A「マチタンにお願いして、別のウマ娘を紹介してもらった。イクノディクタスっていう子だったな。確かに可愛いんだけど、ちょっとキツそうなタイプだったからなー、俺の好みではなかったな」
B「(贅沢言うなや)ははは……」
A君「もう、ライアンの事は忘れるよ」B君「それがいいな」A君「そのためにも、今からマチタンに告白してくる!」B君「えっ」|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/24013/A君「ライアンとあんなことになったのは、自分の気持ちに素直じゃなかったのと、行動を起こさなかったことが原因だろ?」B君「……ま…bbs.animanch.com - 65◆tuGRi/cUNE21/10/28(木) 17:19:04
A「でもさ、なんやかんや言っても俺の本命はライアンなわけじゃん」
B「俺の知ってるお前はそうだな(『この世界のA』というだけでなく、Aの片想いの相手で一番多いのがライアンだからな)」
A「だろ? だからさ、正直ライアンで色々妄想したりもするわけだよ」
B「お、おう……どんな妄想なんだ?」
A「そりゃ、睡眠薬を飲ませて昏睡したライアンを俺のテクニックで虜にして、トレーナーの奴から寝取るシチュエーションよ」
B「キモッ」
A「えっ?」
B「あ、いや、なんでもない(思わず声に出しちまったわ……)」
A「ライアンのトレーナーには一部始終を収めたビデオを送り付けてさ、ライアンは身も心も俺のものになってるわけよ」
A「俺に歯向かう奴はみんなライアンが鍛えられた肉体でボコボコにしてさ。俺に泣きながら食って掛かるトレーナーの奴を、お前が止めるんだよ。お前は俺とライアンの仲を誰よりも祝福してくれてさ。妄想の中でも、やっぱ親友だな」
B(気持ち悪い妄想に巻き込むなや!)
A君(再会したライアンに一服盛り、昏睡うまぴょいに及ぶ俺……)|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/22791/A君(送り付けられた動画を見て、絶望の涙を流すあいつのトレーナー……)bbs.animanch.com - 66二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 17:23:12
保守
- 67二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 18:38:53
A君って第一次ブームと第二次ブームあったよな
- 68二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 21:22:01
A君絶対ゴールドシチーとかにはアタックしないだろうなあ
- 69二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 22:01:10
保守
- 70二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 06:45:32
保守
- 71二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 06:46:25
このレスは削除されています
- 72二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 12:22:45
保守
- 73◆tuGRi/cUNE21/10/29(金) 22:47:00
A「……いや、待てよ。今思い出したんだけどさ」
B「今度はなんだよ」
A「俺が好きになったウマ娘とお前が付き合ってた記憶もあるぞ! どうなってるんだB!?」
B「そ、そんなこと俺に言うなよ…! その記憶の中の俺に言えよ…!」
B(俺がエイシンフラッシュの担当トレーナーになって、自然と親密になっていった世界線のことだな)
B(まさか俺がウマ娘と付き合うことになるとは思ってなかったけど、三年間苦楽を共にしたエイシンフラッシュに思い入れがあるのは事実だ)
B(その関係性すらループによって無に帰してしまったときには、初めてAに対して殺意が湧いたもんだ)
B(それ以来、俺はトレセン学園のトレーナーになっても、エイシンフラッシュの担当にはならないようにしてきた)
B(エイシンフラッシュの担当にされかけるたびに、適性がどうの相性がどうの理由をこじつけて、別の子にしてほしいと頼み込んだもんだ。当然変な目で見られたけど、仕方ない)
B(だって、どうせ数年でリセットされてしまうんだ、それならいっそ、もう二度とフラッシュと親しくなりたくない)
B(A……俺がこんな悲しい思いをしているのはお前のせいだ)
B(…………)
B(だけどA……俺があの夢のような三年間を送ることができたのも、お前のおかげ、なんだよな……癪には障るけど……)
A君「やっぱエイシンフラッシュみたいな子と付き合えたらいいよなw」|あにまん掲示板A君「えっ?Bとフラッシュって付き合ってんの?」bbs.animanch.com - 74二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:51:01
保守
しかし何度ループしてもウマ娘にbssするって…ああ、ウマ娘はみんな美少女だからか - 75◆tuGRi/cUNE21/10/29(金) 22:55:54
A「確かに、今ここにいるお前は俺の不思議な記憶の中のお前とは別人だもんな。いきなり怒鳴って悪かったよ」
B「あ、ああ……分かってくれたらいいよ(まあ、同一人物なんだけどな)」
A「でもさ、ここまで振り返ってきた記憶の中でも一段と不思議な記憶があるんだよな」
B「ケンシ……よくわからんマッチョにボコられる記憶よりもか?」
A「ああ。その記憶の中には、グラスワンダーってウマ娘が出てくるんだけどさ、俺、そのウマ娘には恋してないんだよ」
B「タイプじゃなかったってやつか?」
A「いや、美人なのは間違いないんだよ。でもその記憶の俺は、グラスワンダー……いや、グラスさんに対して尊敬? に近い感情を 抱いてたというか……その一方で恐れてたというか……畏怖? してた感じだったな」
B(まあ、グラスワンダーを怒らせると怖いからな)
A「なんか俺はグラスさんの舎弟だったっぽかったし。ヤンキー漫画みたいなやり取りをしてた気がする」
B(確かにあの世界線は謎だったな……A、お前の言う通りあの世界はヤンキー漫画そのものだったよ。他校の不良の殴り込みもあったし、波乱万丈な学生生活だったわ)
B(そしてお前は実際、グラスワンダーの第一舎弟だったわ……ある意味これまでの世界線で一番良いポジションだったんじゃないか?)
グラス「お久しぶりです、A君…」 A「!グラスさん…」|あにまん掲示板A「うっす!お久しぶりぶりっす!屠礼戦校での御活躍はいつも拝見させてもらってるっす!」グラス「ありがとうございます。A君もお元気そうで何よりです」A「ざっす!ところでそっちのツレは……グラスさんのトレ…bbs.animanch.com - 76二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 23:03:49
上から読んでいったけどまだ語ってて草
A君スレって俺が知ってるより遥かに多かったんだな… - 77◆tuGRi/cUNE21/10/29(金) 23:17:00
A「いや待てよ、もっと不思議な記憶があったわ」
B「ウマ娘の舎弟になってる記憶よりもか?」
A「ああ。なんかよくわからん世界に召喚? されたんだよな……それも二回も……」
B(それはガチで知らないぞ……Aが別の世界線の記憶と夢とを混同してるのか?)
B(いや……あるいは俺が知らない、行っていないだけの未知の世界線の記憶まで流れ込んできているのか……?)
B「……召喚、ってどういうことなんだ?」
A「なんか同じように呼び出された奴らと戦わさせられるっぽかったわ。クラスがどうの宝具がどうの言ってたけどよく覚えてないんだよなー…でも、俺以外の呼び出された奴らはみんな歴史上の人物だったんだよ」
B「なんだそれ……お前だけ場違いじゃないか?」
A「ああ、絶対そうだった。俺を呼び出したマスター? ってヤツも『なんだコイツ…』って顔してたもん」
B「で、お前はその世界で戦ったのか?」
A「さあ? でも、その記憶が無いってことは、呼び出してすぐに『コイツ使えねー』ってなって捨てられたのかもな、はは」
B「二回目はどうだったんだ?」
A「そりゃもう俺の顔見た瞬間絶望の表情よ」
B(わかるわ……)
お前の事をマスターって呼ぶのかよえ?ほら俺だよ中学の時同じクラスだったAだよ、何度か話しただろ?お前男ばっかと遊んでたしなー!え?今はエドモンと付き合ってる...へーそっか...bbs.animanch.com僕が先に好きだったのに。ぼくがさきにすきだったのに。ボクガサキニスキダッタノニ|あにまん掲示板bbs.animanch.com - 78二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 23:29:25
bくん羨ましすぎる
- 79二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 07:23:58
保守
- 80二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 13:05:15
保守
- 81◆tuGRi/cUNE21/10/30(土) 23:52:10
A「あと、さっきの記憶みたいなファンタジーじゃないけど、なかなかにシュールなの思い出したぜ」
B「それはどんな記憶なんだ?」
A「なんか、ウマ娘とヒトがSEXするのには『種付けおじさん』っていう立会人が必須って設定だった」
B(それも俺知らないぞ……そんな立会人のことなんて、名称すら聞いたことがない)
B(フラッシュとそういう関係だった世界線でも、そんな話出なかったし、もちろんそんなおじさんの立会なんて必要なかった)
B「(とりあえず情報を探るか)その『種付けおじさん』っていうのは、具体的に何をするんだ?」
A「えーと、確か基本は見てるだけだった。俺たち普通の人間とウマ娘とだと、筋力も体力も桁違いだろ? だからSEXのときにヒートアップしすぎて人間側に取り返しの付かない怪我を負わせてしまう事例が多発して、『種付けおじさん』の立会が義務付けられたって感じだったな」
B「いざというときは、その『種付けおじさん』が止めに入るってことか?」
A「まあ、そういうことだろうな。でさ、その記憶の中だと、俺も『種付けおじさん』になってたんだよ」
B「(コイツに見られながらしたくはないな……)すげえじゃん、実際に仕事もしてたのか?」
A「それがさ……ライアンとトレーナーのSEXに立ち会うはずが、断固として拒否されてさ」
B「(そりゃそうだろうな)立ち会えなかった、ってわけか」
A「そうなんだよ。で、代わりの『種付けおじさん』が部屋に入っていってからライアンの喘ぎ声が聞こえて来てさ、それ聞きながら独り哀しくシコってたよ」
B(Aが惨めな思いするのはそんなぶっ飛んだ世界線でも、変わらず共通なんだな……)
貴様らにAの進路先を教えてやろう|あにまん掲示板bbs.animanch.com - 82二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 23:58:55
おいb!てめえフラッシュとすませてるんじゃねぇかああ!!!
- 83◆tuGRi/cUNE21/10/31(日) 00:05:45
A「ライアンにスズカ、ウララ……色んなウマ娘に恋しては散ってる記憶ばかり思い出したけどさ」
B「ああ……正直それを聞かされて、俺は戸惑ってるよ(こんなこと初めてだからな)」
A「はは、悪い。あまりにリアルな記憶なもんで、話さずにはいられなくてさ。お前に話せて少しスッキリしたよ」
B「それはよかった(俺は今までよりもモヤモヤしてるけどな……)」
A「それで、こうして口に出して話していくと、気付いたんだよな。どの記憶でも俺はロクなことしてねえなって」
B「ははは……(何も言えねえわ)」
A「ライアンを好き放題傷つけておいて、万一にも好きになってもらえるかもしれないなんて自惚れてた俺に対する罰なのかもな。俺じゃない俺の記憶が、一気に流れ込んできたのはさ」
B「罰、ね……。だったら、これからは同じ轍を踏まないように気を付けていかないとな」
B(Aが犯した罪はそうかもしれない。でも、それに巻き込まれている俺に対する罰は、どんな罪が原因なんだ?)
B(Aを止められなかったことか? そんなことで? まさか!)
B(……なんにせよ、今のAは自分の罪を自覚している。これで、長い長いループも終わりを迎えてくれたら嬉しいんだけど)
B(それを確かめる術は、俺にはない。これからも、いつ訪れるか分からないループに怯えながら、自分が歩んできたその世界線での人生がリセットされることを恐れながら、日々を生きていくしかない)
B(なあA……いつになったら、俺たちは繰り返さなくてよくなるんだろうな)
Aくんアンチスレ昔少し話したくらいの人間のことなんてさっさと忘れちまえ!未練ったらしいんだよ!bbs.animanch.com - 84二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 06:29:54
保守
- 85二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 11:21:55
さり気なくいい思いしてるB君…
- 86二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 11:25:35
- 87二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 18:46:11
- 88二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 23:40:07
これはこれでssとして1本かけそうだな…どこかのループで再びフラッシュにつかまるもあのフラッシュとは厳密には違うんだとか思いつつみたいな
- 89二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 23:50:06
AとBの苦しみはいつ終わるのか
そもそもこの物語にオチはあるのか - 90二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:40:14
A君スレも目ぼしいのは取り上げられたから終わりは近そうではある
- 91二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 07:16:09
保守
- 92二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 15:16:17
保守
- 93名無しのanonymous21/11/02(火) 02:22:56
保守
- 94二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 07:28:09
保守
- 95二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 12:34:53
A君の未来はどっちだ
- 96二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 16:42:08
このレスは削除されています
- 97◆tuGRi/cUNE21/11/02(火) 21:24:03
更新滞ってましたが今夜続き書きます。
- 98◆tuGRi/cUNE21/11/02(火) 23:28:32
A「そういや、お前以外の知り合いが出てきた記憶もあったわ」
B「俺以外の?」
B(コイツの交友関係はそこまで狭くはないけど広くはないし、何より薄いんだよなあ)
A「ああ、オタクとチャラ男いるだろ? あの他に友達いなくていつも二人でつるんでるような奴ら」
B「(自分を棚に上げてとんでもない言い草だなコイツ)ああ、あの二人ね。それがどうしたんだ?」
A「久々に会って、相変わらずシケた奴らだと思ってたらさ、ダイタクヘリオスってウマ娘とメジロパーマーってウマ娘のトレーナーになってんだよ!」
A「ギャル系なのは俺のタイプじゃないけど、オタクにも優しいギャルっていうの? すげーフレンドリーな感じでさ!」
A「俺はこれだけ多くの記憶があるのに一度もトレーナーになれてないってのに、アイツらずるくね?」
B「ははは、残念だったな(お前は不純な動機を見透かされて面接で落とされるだろ……)」
A「くっそー、俺がトレーナーになってる記憶の一つや二つないのかよー……」
A君「あ、オタクとチャラ男じゃん、おーいwww」 オタク君「え…」 チャラ男君「うわっ…」|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/22791/A君「は?何その反応、傷つくんですけどwww」オタク君「ご、ごめん…」チャラ男君「…チッ」B君「おいA、やめとけって」A君「久…bbs.animanch.com - 99◆tuGRi/cUNE21/11/02(火) 23:44:44
B「でも、お前だって事務員になってる記憶はあるんだろ? 中央トレセンの事務員も狭き門だぜ?」
B(トレーナーよりはなり易いとはいえ、事務員だって結構な倍率だ。正直下心丸出しのAが就職できた世界線があること自体驚きなくらいには)
B(まあ、せっかく苦労して就職したトレセン学園でコイツがしてたことは、失恋後のスズカに付け入ろうとしたり、セイウンスカイを恋愛クソザコと侮って馴れ馴れしく声かけたりなんだけどな)
A「そうかもしれないけどよ、やっぱり憧れるのはトレーナーだぜ。なんたって、ウマ娘と仲良く親しくなれるんだからな! その事実だけでもトレーナーという職業に夢を見ずにはいられないだろ!」
B「(そこまでハッキリ言い切られるともはや清々しいな)でも、トレーニングのメニュー考えたり、ウマ娘の体調やメンタルにも気を配ったり、大変だと思うぜ?」
B(実際かなり大変だった。俺のような元々平凡に就職していたはずの人間には特にだ)
B(ループのアドバンテージでなんとか受かったようなモンで、本来の、ループなんて無い一度きりの俺じゃ、絶対になることはできなかった職業だろうな)
A「そういうのは確かに大変そうだけど、ほら、俺って結構人見知りしないタイプじゃん? トレーナーってのは担当ウマ娘とのコミュニケーションが大事なわけだし、案外向いてたりしないかなあ」
B「どうだろうな」
B(事務員になった世界線のお前、ウマ娘たちからむっちゃ陰口叩かれてるけどな……)
Aとかいう事務員、キモくない?|あにまん掲示板なんか初対面で、すっごいなれなれしく声かけてこられたんだけど発言といい、態度と言い、下心丸出しだしさそういうの迷惑なんでやめてくださいって言っても、ニヤニヤ薄気味悪い笑顔浮かべるだけだしあのBとかいう…bbs.animanch.com - 100二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 07:00:47
最近もA君スレ立ってるの笑う
- 101二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 07:09:00
もしかしてA君が少し報われる展開って需要ない!?
- 102二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 07:37:03
- 103二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 11:17:53
保守
- 104二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 18:17:20
保守
- 105二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 22:03:11
保守
- 106◆tuGRi/cUNE21/11/04(木) 00:13:57
A「よし決めた! 記憶の中に無いなら、俺自身が叶えればいいんだ!」
B「叶えるって……トレーナーになるってことか!?」
A「ああ、その通りだ。これから必死に勉強して、レースについても詳しくなって、中央トレセンのトレーナーを目指す!」
B「本気で言ってるのか……? 超が付くほどの難関だぞ?」
B(俺だってループのアドバンテージ抜きだとあんなの突破できやしない。ましてやAは俺より成績は良くないし、ループをループとして自覚しているわけではない分、俺ほどのアドバンテージは期待できない)
B(コイツがウマ娘のトレーナーになったなら、それは今までに無い世界線……何かが変わるかもしれないって期待は生まれるが)
B(さすがにそこまでの奇跡、起こるはずがないだろうな)
A「おいおい、その顔は俺のことを疑ってるな?」
B「いや、だって……目指すものがものだし……お前、こういうときいつも途中でやる気なくすじゃねえかよ」
A「まあ、それは否定できないわ。でもさ、俺、最初の最初に話戻すけどさ……気付いたんだよな。俺がウマ娘と付き合おうだなんて、おこがましかったって」
B「…………」 - 107◆tuGRi/cUNE21/11/04(木) 00:16:01
A「だから、ライアンのことは諦めた。記憶の中にある他のウマ娘たちのことも、一度直に会ってみたい気持ちはあるけど、まあ、このまま思い出として取っておくよ」
B「……それなら、なおさら、トレーナーを目指す必要がないんじゃないのか?」
A「まあ、話は最後まで聞けよ。……確かに、俺はウマ娘たちに相応しくない。認めたくないけど、俺の中に残るこの不思議な記憶の数々のロクでもない顛末を思うに、それは間違いなさそうだ」
B「A……」
A「だけどさ。やっぱり、俺、『ウマ娘』のこと、好きなんだわ。一生懸命に走るその姿を、俺自身が支えられるようになれたら……そんなことを、考えてしまう俺がいるんだ。お前に色んな記憶の話をしてるうちに、その気持ちはどんどん強くなっていった」
A「ほんの十分二十分だけど、それでも、俺は今までの人生でなかったほどの強い気持ちを感じてるんだよ。俺は初めて、自分が本気でやりたいことを見つけることができた。それはきっと、記憶の中の俺が、数えきれないほど失敗してきたおかげなんだ」
A「そのおかげで俺自身は、失敗せずに済みそうだ。……あ、でもライアンのことはもう失敗してるか。また今度、ちゃんと謝らないとな。許してもらえるとは思えないけど、はは」
B「……。本気なんだな、A」
B(今までに無いほどに真剣な目。真剣な声。こんなAは見たことがないし、これほどまでに強い決意を感じさせる声が、Aの口から発せられたことなんて今までになかった)
B(俺は……信じていいのか? このAになら、長く果てしないループの終わりを、見出してもいいのか?)
B(俺は……) - 108◆tuGRi/cUNE21/11/04(木) 00:23:43
B「…………。お前が、そこまで言うなら、俺もお前と一緒に頑張るよ」
A「一緒にって……お前も、中央トレセンのトレーナーを目指すってことか!?」
B「ああ……そういうことだ(どっちかというと、お前が無事にトレーナーになれるようサポートするってことだけどな)」
A「マジか、それは本気で嬉しいわ! ……さてはアレか、俺の記憶の中にあるエイシンフラッシュの担当狙いか?笑」
B「……ははっ。それも……悪くないかもな」
B(このAが奇跡を起こせたなら、つまり、中央トレセンのトレーナーになれたのなら)
B(そのときは俺も、恐れることなく……もう一度、フラッシュの傍にいよう)
B(だからA……俺は本気でお前を支える。お前も本気で、俺に夢を見せてくれ)
A「俺はもう、軽率にウマ娘に声をかけたりしない。自分勝手にウマ娘を好きになったりしない。俺は純粋に、ウマ娘の力になれるような俺になる! なってみせる!」
B「その息だ、A! 早速明日から勉強漬けの毎日になるぜ!」
A「うえっ、明日から!? まだ何年も先の話だぞ!?」
B「甘い! 中央トレセンは年単位で勉強漬けになっても受かるとも限らない難関なんだよ! 今さら後悔しても遅いからな! お前は俺をその気にさせちまったんだから、その責任は果たしてもらうからな!」
A「うええ……」 - 109◆tuGRi/cUNE21/11/04(木) 00:30:50
B(こうして、俺とAの猛勉強の日々が始まった)
B(Aの決意は本物だったようで、俺の指導にも熱意を持って応えてくれた)
B(とはいえ、順風満帆だったわけではない)
B(Aは何度か心折れかけたし、それを受けて俺自身も挫けそうになった)
B(それでも、Aがトレーナーになるという目標を投げ出さなかったのは、俺の情熱の賜物……)
B(と、言いたいところだが、ライアンの影響が大きいだろう)
B(あの日から程なくして、Aはライアンに過去の非礼を心から詫びた)
B(ライアンは戸惑っていたが、『このA』は反省も後悔も、何よりライアンに対して謝りたいという想いも、これまでのAとは比べ物にならない)
B(だからその想いは自ずと伝わり、ライアンはAを許してくれた)
B(そこから恋が芽生え……とは、もちろんならなかったが)
B(Aが俺と一緒にトレーナーを目指していることを知って、たまにAにも声をかけてくれるようになったという)
B(まあ、それだけのことと言えばそれだけのことなんだけど、辛く苦しい勉強の日々において、ライアンが気にかけてくれているという事実は、とてもありがたく、大きかっただろう)
B(定期テストでのAの成績も、これまでの世界線ではありえないほどの成長曲線を描いていった) - 110◆tuGRi/cUNE21/11/04(木) 00:41:37
B(そして、高校を卒業し、大学を卒業し、桜舞い散る季節)
B(俺とAは、中央トレセン学園にいた)
B(それだけなら、これまでにも数は少ないが無い話ではなかった。Aが事務員として採用される世界線はあったからだ)
B(だけど、今回の世界線では。俺だけではなくAも、トレーナーとして採用されて、トレセン学園の門を潜った)
B(数え切れない世界線で積み重なっていった、Aの後悔、自責、絶望……
それらが、Aになんとしてでも失敗しない、という強い決意と、それに見合う力を与えてくれたのかもしれない)
B(俺は、『このA』を信じてよかったと、心の底から思っている)
B(そして、あの日Aと話したように、俺は学園側に自ら希望する形で)
B(エイシンフラッシュの、担当トレーナーになることができた)
B(どれだけ願っても、俺を初めて愛してくれた、そして俺が初めて愛した、『あのエイシンフラッシュ』は帰ってこない)
B(だけど、『このエイシンフラッシュ』とも、幸い俺は、良好な関係を築くことができている)
B(過去は変えられない。だけど未来は変えることができる)
B(そんな使い古された綺麗事を、こうも痛感することになるとは思ってもいなかった)
B(A……お前は本当に、散々俺を振り回してくれたよ)
B(だけど今となっては、アイツも俺の良い友人だと、断言することができる)
B(なんたって、共通の目標のために共に汗と涙を流してきた仲なのだから) - 111二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 00:42:48
やっぱりBいいやつすぎるでしょ…
こりゃフラッシュに持ち帰られても仕方ないわ - 112◆tuGRi/cUNE21/11/04(木) 01:01:04
B(それから数年後)
B(俺とAは、ある日の仕事帰りに一緒に飲みに行った)
B(まあ、長い……長い長い付き合いのトレーナー仲間だ、別にその日が久し振りというわけでもなかったけども、二人とも次の日が休みだったし、トレーナー同士話題には事欠かない)
B(Aは、GⅠウマ娘の輩出こそまだ出来ていないものの、ウマ娘をこよなく愛する人柄やそれに起因する熱意もあり、若手としては上々の実績を挙げていた)
B(トレーナーとしての実績は俺のほうが上とはいえ、それはほとんどエイシンフラッシュの活躍の賜物だ)
B(今では俺のほうが、Aを参考にすることもあるくらいなのが、ちょっと悔しくもある反面、嬉しくもある)
B(過去のAをよくよく知っている俺だからこその感慨だろうな、コレは)
A「ウチのリボンマーチ、なんとかプレオープンで3勝できてさ。クラシック級の間にオープンウマ娘の仲間入りできて、とりあえずは一安心だよ」
B「そっか、最近のマーチは併走トレーニングで重賞ウマ娘に勝ったりしてたもんな。この夏で一気に強くなってるのが傍から見てる俺にも分かるし、最後の一冠……菊花賞には、間に合うんじゃないか?」
A「ああ、俺もマーチもバリバリそのつもりだよ。長距離対策を念入りにしてきたし、セントライト記念で上位に入って優先出走権を貰って、菊花賞で最高の状態に持っていく」
B「いきなりセントライト記念か、格上挑戦になるけど大丈夫か?」
A「はは、お前に心配されると、昔を思い出すな。バカなことばっか言ってた昔の俺を……まあ、そのほとんどはあの不思議な記憶の中の出来事だけどな」
B「はは……懐かしいな」
B(俺とAが二人で話すときは、当然昔話に花を咲かせることもあるので、Aの言うところの『不思議な記憶』、つまり他の世界線の話をすることも時折あった)
B(ループをしなくなって久しい今、本当の本当に遠い記憶の中の出来事だ) - 113二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 01:04:02
俺が書いたやつあるやん嬉しいなぁ
- 114◆tuGRi/cUNE21/11/04(木) 01:15:59
A「俺はさB、お前に感謝してるんだよ。お前が助けてくれたから、俺はこうしてトレーナーとしてここにいる」
B「謙遜するなよ。確かに最初はそうだったかもしれないけど、実際に頑張ったのはお前自身だろ」
A「いや、俺は誰かに助けられてばかりだよ。お前や、ライアンや、マーチ……それに他のトレーナーや事務員の皆さんにさ」
B「……やっぱり、お前の頑張りだわ。俺の知る昔のお前は、そんなことを言う奴じゃなかったからな」
A「おいおい、お前の中の昔の俺、どれだけひどい奴なんだよ笑」
B「ひどい奴なんだよ笑」
A「ははは! ……ま、今日は飲もうぜ! せっかくだし昔のことも今のことも、これからのことも色々話したいしさ!」
B「……だな! リボンマーチの菊花賞制覇を祈願して、もう一度乾杯するか?」
A「いやいや、それなら、エイシンフラッシュの天皇賞制覇も祈願させてくれよ! 宝塚は残念だったけど、フラッシュならきっと勝てる!」
B「当たり前だろ? 宝塚はペース配分をミスしてしまった部分もあったけど、去年の有馬に続いて三冠ウマ娘の走りを間近に体験できたのは大きかった。秋のフラッシュは、一味も二味も違うぜ」
A「そいつは恐ろしいな。じゃあマーチが菊花賞勝ったら、有馬で直接対決だな!」
B「ああ! それじゃあ、フラッシュの天皇賞秋勝利と、マーチの菊花賞勝利を祈願して……」
A&B「「乾杯ーー!!」」 - 115◆tuGRi/cUNE21/11/04(木) 01:30:35
A「……ところでさ、B」
B「どうしたんだよ、A。真剣な顔して」
A「俺、お前に言ったことがあるよな。『俺がウマ娘と付き合おうなんておこがましかったな』って」
B「……ああ……懐かしいな。お前がトレーナーを目指すって、俺に言ったあの日の、全ての始まりの言葉だったな」
A「俺はその言葉を、一度だって忘れたことがなかった。……今だから白状するけど、ライアンと仲直りできたときに、ちょっと心が揺らいでしまったりもしたよ。でも、俺はその言葉を肝に銘じて、今日までやってきた」
B「よく知ってるよ……俺も今だから白状するけど、お前はいざトレーナーになったら、ウマ娘に見境なくちょっかいかけようとするんじゃないかって、疑ってたりもした」
A「おいおい、信用ないなあ」
B「そりゃそうだろ、お前の言うところの『不思議な記憶』の中のお前の人物像はそんな感じなんだから」
A「ははは、それもそうだな。……で、俺はウマ娘の力になれる俺に、少しはなれたようには思ってる。まだまだ、俺の目指すところには遠いけど、それでも、最高のトレーナーになるだなんて、大それた夢を口にする資格くらいは、今の俺には、ちょっとくらいはあるんじゃないかって、自惚れてたりするんだよ」
B「……自惚れではないだろ。お前の努力と熱意は俺が保証する。それどころか、今じゃお前が、俺の目標かもしれない」
A「は? 俺が? おいおい冗談キツいぜ」
B「冗談じゃねえよ。お前を見てきたから、強い意志があれば奇跡は起こせるんだって、今の俺は心から信じられるんだよ」
A「俺、そんなすごいことしたか?」
B「したんだよ。お前が気付いてないだけでさ」
A「……?」 - 116◆tuGRi/cUNE21/11/04(木) 01:45:42
A「……まあいいや、話を戻すぜ。俺、今でも、自分がウマ娘と付き合おうなんておこがましいと思ってる」
B「…………」
A「誤解しないでほしいんだけど、トレーナーとウマ娘が付き合うこと自体は、レースや学業に悪影響がなければ本人たちの自由だと俺は思ってる。お前とフラッシュのことは心の底から祝福してるしさ。だけど、やっぱり俺自身には、過ぎた願いだ」
B「……A、お前、マーチのこと」
A「……はは、やっぱりお前には分かっちゃうか。参ったな……こういうの、俺の口から言わないと格好付かないのにな」
B「……。格好付くような柄じゃないだろ、お前は。昔からさ」
A「それもそうだな。じゃあ、お前が指摘してくれたのに乗じて、あと酒の勢いもプラスして言っちまうけど、俺はマーチのことが好きだ。LIKEじゃなくてLOVEの好きだ。あわよくば付き合いたいと思ってる」
B「A……」
A「言わんとしてることは分かるぜ、あれだけ散々な記憶がありながら、懲りない野郎だって」
A「でも……今の俺は、きっと、あの記憶の中の俺のようにはならないって、そんな自惚れもあってさ」
A「……いや。そんなのは全部言い訳だな」
A「俺はマーチのことが好きで、お前に『おこがましくなんかないよ、応援するぜ』みたいな言葉をかけてほしいだけなんだ。ズルい野郎だよ、はは……」 - 117◆tuGRi/cUNE21/11/04(木) 01:53:50
B「……まったく、昔から、お前って奴は、相も変わらずバカなことで悩んでんだな」
A「バッ…!?」
B「それだけ客観的に自分を見れてるのなら上等だろ。マーチがお前に対して信頼以上の感情を向けてるのは、俺から見ても明らかだ。お前も、気付いてないとは言わせないぞ」
A「いや、それは……まあ……」
B「お前まさか、『自分がマーチと付き合うなんておこがましいから断るべきなんだろうけど……』とか考えてんじゃないだろうな? 俺に言わせりゃ、一丁前にそんなこと考えてること自体がおこがましいわ」
A「ははは……やっぱりお前には敵わないわ」
B「当たり前だろ。俺はお前とは、年季が違うんだよ」
A「何言ってんだよ、同い年だろ?」
B「……はは。人生の密度が違うんだよ」
A「ムカツク台詞だな、おい」 - 118◆tuGRi/cUNE21/11/04(木) 01:58:07
B「気にすんなよ。……実はさ、俺、今日に至ってもまだ、一抹の不安ってやつがあったんだよな。確信が持てないというか、またどこかで『始まって』、つまり今この日々が『終わって』しまうんじゃないかって」
A「……? 何の話だ?」
B「分かんなくていいさ。……だけど、今確信できたわ。この世界は、これからも続いていく。俺も、お前も、フラッシュも、マーチも」
A「わけわかんねーぞ、B。ちょっと飲みすぎたんじゃないか?」
B「ははは……そうかもな。今夜は気分がいいからな。ま、とにかくそういうことだから、もうひとつ改めて、乾杯しようぜ。お前とマーチの恋路が幸福なものでありますように、とかそういうので」
A「えー、やだよ、恥ずかしい。大体、まだ付き合ってるわけでもないのに……」
B「何照れてんだよ、本人がここにいるわけでもないのによ。よし……店内のみなさーん! ここにいるAの恋を応援して乾杯しまーす! みなさんもご協力お願いしまーす!!」
A「!? ちょっ、何やってんだよ! マジで恥ずいって!! ……分かったよ! やればいいんだろやれば!!」
B「分かればいいんだよ! じゃあA、お前とマーチの未来が、素敵なものでありますように!」
A「俺とマーチの未来……」
B(そして、ようやく終わりを迎えたループの先、この世界線が、俺たちにとって輝かしいもので在り続けますように)
A&B「「乾杯ーーーー!!」」
完 - 119◆tuGRi/cUNE21/11/04(木) 02:04:15
これで完結とさせていただきます。
A君スレのすべてを紹介したわけではないですが、A君の歴史をある程度振り返ることができて感慨深かったです。
A君の担当ウマ娘をリボンマーチにしたのは僕の好みです。色白で可愛い子なのでゲームで見かけたら「ああ、この子か」とでも思ってやってください。
この後は僕のSSとか無視でA君語りスレにでもしてもらっても構いませんし、このまま落としてもらっても構いません。
ちなみにこのSSの仮タイトルは『A君OF THE END』でした。
A君スレに終止符を打つつもりで(無理やり)ハッピーエンドにしましたが、あくまでも僕個人のSSに過ぎないので、これからも細々とA君スレが生まれるのを密かに期待しております。
あと、もう一つのEND案で『AがトレーナーになってBが安堵したのもつかの間、「ウマ娘と付き合うのはおこがましいから人間にアプローチするわ!」となったAが、桐生院狙いを宣言する』というのもありましたけど没にしました。
以上、長々と失礼いたしました!
これまで保守&コメント&いいねありがとうございました! - 120二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 02:26:35
- 121二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 03:14:10
おつかれー!
数々の世界で敗れてきた意味があってよかったなAくん
そしてそれにずっと付き合わされてきたBくんはこの世界でのフラッシュと末長くお幸せに - 122二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 03:20:34
お疲れ様だ、長いループを抜け出せたしB君もあのフラッシュはいなくなたけど、今のフラッシュともちゃんと向き合えていてえらい
Aも頑張れよ、応援するからな
あとここまで書ききった1に拍手を - 123二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 03:23:06
フラッシュが出た有馬と宝塚で勝った三冠ウマ娘はオルフェーヴルだな
- 124二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 08:41:37
- 125二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 09:05:21
私の未成年観測みたいですき
- 126二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 10:21:16
フラッシュ×B君すきになっちゃったじゃん
どうしてくれるんだ - 127二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 10:23:04
- 128二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 13:36:40
お疲れ様です!
この完結した所だとAはリボンマーチと、Bはフラッシュと、ライアンはトレーナーと結ばれる...ってコト!?
なんにせよAはしっかりと改心したしそれぞれ幸せになって欲しいなぁ... - 129二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 14:34:54
フラBのフラッシュが旧世界フラッシュにヤキモチやくとこ見たいよ
- 130二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 17:09:42
A君がターンA君になったのか……
- 131二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 21:21:30
でも、その続きが見たいんだよねえ・・・
例えば、A君が恋破れてフラッシュとB君が幸せになってく間にトレーナーとしてもうまくいかなくなって、担当してるウマ娘にマーチちゃんに懸想してたのが知られて少し気味悪がれて距離置かれて・・・
それでB君に連絡してもB君も今が幸せすぎて、そして「このAなら大丈夫だろ」って思って適当にあしらって子供も生まれたことも暴露しちゃうんだ・・・
下らない妄想ですまない、気味が悪いと笑ってください・・・ - 132二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 07:03:41
お疲れ様です!
Aもついに完結かぁ
なんで流行ったんだろ - 133二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 07:59:57