【FILM N.G.】ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」 part8【SS】

  • 1FILM N.G.22/10/28(金) 23:38:47
  • 2FILM N.G.22/10/28(金) 23:41:09
  • 3FILM N.G.22/10/28(金) 23:43:07

     大好きな人に罪を押し付けていたのだと知った、自分こそが地獄を作ったの張本人なのだと知った少女の悲痛の声。

    『―――ごめん……ッ! ……ごめんなさい!! ごめんなさい!! ごめんなさい!! ごめんなさい!! ごめんなさい違うのわたしじゃないわたしは悪くっ……ううううッ!!! うあああああああああ!!? ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!! ごめんなさいごめんなさ―――』

     幾ら泣き喚いた所で戻ってくるものなど何一つ無いと云うのに少女はただ顔を覆って慟哭する。

    「おおおおああああァアーーーーッ!!!」

     その慟哭を腹の底から吐き出すようにルフィは咆える。自分目掛けて放たれた光線に向かって拳を突き出す。
     黒い稲妻が迸り光線と共に消え去る。吹き荒れる攻撃の余波の真ん中を突き抜けてルフィはトットムジカの直ぐ近くにまで接近した。

    「……お、まえが……!!!」

     眠っている。だから現実での意識は無い……その筈なのに。

    「……あいつの、ウタの所為な訳が……あるか……ッ!!! 全部、全部……!!!」

     太陽の笑みが怒りの業火に変わる。
     振り上げた右脚が雲を貫くが如く伸びた。その脚の先は巨大に膨らみ武装色の覇気によって強く硬く成る。ただそこに在るだけで周囲へ圧力を与える強大な力の塊、それをルフィは力の限り引き落とす。

    「お前が居る所為だろうがァアアああああああああーーーーッ!!!」

  • 4FILM N.G.22/10/28(金) 23:43:18

     振り下ろされた“斧”。それはトットムジカの脳天へ向かって真っ直ぐ落ちる。
     魔王は避けない。利かないと分かっているから。どれだけ人間が必死に藻掻こうとも己が害されることなど有り得ない。
     ―――そう思っていた魔王の過信を、“彼ら”は打ち砕く。




    「行っけェええええーー!!! ルフィーー!!!」

     ウソップは声の限り伝える。想いを。何処までも真っ直ぐ突き進むルフィの想いを仲間へと届ける為に。

    「“ゼウス”!!!」
    「“魚人空手”!!!」

     ナミが呼び出した雷雲ゼウスがジンベエの覇気を纏った正拳へと巻き付き、トットムジカの遙か頭上から打ち下ろされる。

    「「“雷公槍(サンダーランス)―――“鬼瓦正拳”!!!」」

     その拳は大槍の如し。降るは鬼の雷。




     現実とウタワールドその両方で同時同箇所へと放たれた攻撃が―――遂に魔王へと届く。
     トットムジカの顔面、その左半分が大きく引き裂かれた。

  • 5二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 23:51:35

    勝ったな風呂で寝てくる

  • 6122/10/28(金) 23:52:19

    おい何だい風の歌姫ってのは

  • 7二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 23:53:17

    ま、まさかな いや、あはは そんなわけ

  • 8二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 23:56:21

    >>6

    そっちが知らなきゃ誰も知らない定期


    と思ったけどそのコテハンはどっちなんだい!?

  • 9二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 23:58:14

    お疲れ様

  • 10二次元好きの匿名さん22/10/28(金) 23:59:02

    >>8

    あごめん

    別スレのつけっぱだった

  • 11FILM N.G.22/10/28(金) 23:59:52

    今日の更新はこのぐらいで


    まあ良いじゃないか1が何人居ても

  • 12二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 00:01:05

    風の歌姫でもう吐きそうになってる でもなんとか最後まで見届けるよ、、、

  • 13二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 00:13:04

    風のゆくえ絡みの名前じゃないの?誤字?

  • 14二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 00:14:10

    >>13

    風のゆくえ絡みだからみんな悶てるんじゃないですかね…

    (RED見つつ)

  • 15二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 00:14:56

    (前スレ199を見て)
    うーん…
    じゃやっぱスレ支援するしかねーな

    ついでに楽譜はトイレに流すしかねーな

  • 16二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 00:35:53

    まあ
    トットムジカも可哀想な奴なんだ
    同情くらいはしてやってくれないか?

  • 17二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 06:41:43

    同情ならいくらでもしてやる
    だがウタを連れて行くのは許さん。

  • 18二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 08:05:48

    ルフィの万物の声を聞く才能でトットムジカの中の声を聴かせるのマジで天才かと思った(n回目)

  • 19二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 18:12:43

    保守

  • 20二次元好きの匿名さん22/10/29(土) 23:59:33

    のばしのばし

  • 21FILM N.G.22/10/30(日) 00:38:33

    やあ。遅れてすまない。掲示板が使えない間に書けた分があるので投稿しますね

    一本筋を通して逝った“Z”はヒーローだったよ

  • 22FILM N.G.22/10/30(日) 00:39:56

     エレジアに響く魔王の絶叫。久しく忘れていた身を裂かれる痛みにトットムジカは眼を真っ赤に染めて怒り狂う。その標的は無論この傷を負わせた憎き人間、麦わらの一味。

    「……ッ!!!」

     羽虫を叩き潰す。動作としてはそれに近いがトットムジカがその攻撃に込めた殺意は息苦しくなる程に重い。それを真面に受けたルフィは魔王の掌の内でぺしゃんこに潰され、手の打ち合わせで発生した衝撃波が地面を捲り上げる。

    「~~~~ッうがァアああああ!!!」

     意識が飛びそうな威力、それをルフィは歯を食い縛って耐えると自分を潰す両手を体を回転させて左右に弾き飛ばす。額から流れる血が眼球を伝おうとも視線は真っ直ぐ魔王を捉える。
     高速で回転したまま地面を強く蹴り出す。

    「あいつの“新時代”の夢をォーー!!!」

     拳の暴風雨が魔王に向かって降り注ぐ。

    「お前がァアああああーーッ!!!」




     ただ真っ直ぐに、ルフィがただ真っ直ぐに狙いを定める場所をウソップは見聞色で感じ取り仲間へと伝える。

    「胴体!!!」

  • 23FILM N.G.22/10/30(日) 00:41:06

     妖刀が覇王を纏い、魂の喪剣に黄泉の冷気が宿る。

    「“閻王三刀龍”―――」
    「“フラーズダルム”―――」

     剣士が2人、仲間が開いた道を駆け抜けて渾身の一撃を叩き込む。

    「“一百三情(いっぴゃくさんじょう)・飛龍侍極(ひりゅうじごく)”!!!」
    「“オーケストラ”!!!」

     地獄の大王の刃は森羅万象斬り捨て、魂の王(ソウルキング)の刃は死者を凍て付かせる。



     トットムジカの胴体、その前面部分が半壊した。絶叫は上げずとも魔王の表情は痛みに歪み胴体の傷から怨念を溢れ出させる。遙か昔から積み重ねられた幾千幾万もの負の感情がまるで現代に甦ったように生々しい慟哭と怨嗟をエレジアの大地へ轟かせる。

    「……いやァ……!? あ、あ……ああァ……!!」

     トットムジカと深く繋がるウタはそれを頭に直接流し込まれる。その慟哭と怨嗟は彼女の心の傷を開いて抉り、かつて自分の手によって起きてしまったエレジアの悲劇を当時のままに呼び起こす。

    「わ、わたし……わたしの所為で……! みんな死ぬ……うあああ!? わた、しが……殺した……いやああァア、ああああああ!!?」
    「おおおお落ち着くべウタ様!!? しっかりしてけろ!!?」

     眠る麦わらの一味を戦闘の余波から守っていたバルトロメオ。彼はウタも同じように保護していたのだが急に錯乱し出した彼女に狼狽える。

  • 24FILM N.G.22/10/30(日) 00:49:47

    何とか声を掛けて落ち着かせようとするもウタの耳に届かない。彼女の目に映るのは屍となったエレジアの人々の姿、耳に聞こえるのはそんな彼等の悲鳴と怨嗟のみ。

    「……わ、わたしが……なに? ……殺してない……だって肉体が滅んでも……こ、心は……! ううゥ……!? 違う!!? わたしの“新時代”は!!! みんなを……!!?」

     幾ら自分に言い聞かせようとも過去は変わらず、犠牲者達の血と腐臭はまるで少女の両手に絡み付くように染み込む。

    「わたしは救世主……だから……みんなを救って―――……“この手”で?」

     国一つ滅ぼした穢らわしい手。世界中の皆が喜んでくれる歌声こそ何の罪も無い人々を死に追いやった最低最悪の代物。
     ウタは黒く染まっていく視界で夜空を見上げる。

    「……ああ……そうだ、わたし……ただ、“逃げたかった”だけ……」

     魔王の暴走で炎上するエレジアに照らされる夜空。光によって更に昏くなった星の消えた空を見上げてウタは呟く。

    「わたしみたいな人間を頼ってくれた……みんなと……逃げたかったんだ……この世界の全部から……何もかもから」

     理解してしまう。

    「……“ウタワールド”はわたしの世界、わたしの物……どうしたって皆の物には、ならない。自分の意志で行くことも帰ることも出来ない世界なんて―――」

     物心付いた時から“ウタウタの実”の能力を持っていたが故にこれまで正しく認識出来ていなかった事実を。

  • 25FILM N.G.22/10/30(日) 00:50:22

    「そんな世界……牢獄と同じ……これじゃあ……“心”を救えない!!!」

     心さえ救われれば肉体がどうなろうと構わない。その考えが根底に在って初めて成り立つのがウタの計画。“新時代”の夢。

    「……ふっ……あは! あははははははははは!!? はははははははははは!!?」

     事がここに至ってウタはようやく気付く、気付いてしまった。自分が作ろうとしていた“新時代”では世界中の人々を救うことなんて土台無理な話だったのだと。過去の悲劇で盲目になり“独善”を押し付けようとしていたのだと。
     自分の言う“新時代”は所詮、国を滅ぼし大勢の人々を死に追いやった人間の世迷い言だったのだ。

     ウタはそう理解し……全てに絶望した。

  • 26FILM N.G.22/10/30(日) 00:55:56

    今日はここまで。保守や感想ありがとうございました
    盛り上がってまいりました

  • 27二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 00:58:41

    盛大にウタが曇ってまいりました

  • 28FILM N.G.22/10/30(日) 00:59:15

    予告








    『“太陽”よ“絶望”をはらえ』

  • 29二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 00:59:37

    乙ー
    決着近づいてきましたね…

  • 30二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 01:05:15

    ウタが曇れば曇るほど、最後に晴れてルフィと結ばれるEndが良い味になる

  • 31二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 01:20:18

    太陽が絶望を照らして風になるんだな
    シャンクスとバギー、ベガパンクはどうなるのやら

  • 32二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 01:34:12

    1本筋を通した漢はかっこいいよ

  • 33二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 09:06:09

    勝ったな(確信)

  • 34二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 11:58:14

    斧、暴風雨、映画では届かなかった技は着実に届いている

  • 35二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 13:30:57

    保守するぜぇ。俺たちは山賊だ。が、別にスレを荒らしに来た訳じゃねぇ…

  • 36二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 15:56:27

    保守

  • 37二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 21:44:08

    保守

  • 38二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 00:48:58

  • 39二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 04:55:41

    ほしゅ

  • 40二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 07:25:38

    保守

  • 41二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 11:21:23

  • 42二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 17:37:00

    >>34

    ガトリングもお忘れなく

  • 43二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 22:03:14

    ほっしゅ

  • 44FILM N.G.22/11/01(火) 00:16:05

    保守ありがとうございます!本当にお待たせしました!
    なんかバトルばっか書いてる気がするけど冷静に考えたら原作もバトルばっかだから問題無いな!ヨシ!
    書けた分投稿します!

  • 45FILM N.G.22/11/01(火) 00:20:31

     魔王の攻撃の余波が眼前に迫る。それはバルトロメオが展開したバリアによって防がれ内側は無事、だが外は当然ながら地面が砕け建物は崩壊……その光景が余計にウタの心をかき乱す。
     いつだって傷付くのは自分以外の何か。

    「『もう……いいよ、ルフィ……』」

     傷だらけのルフィにウタは告げる。地形さえ変わる程の激闘の中で届いているのかわらかない。だがそれでも彼女は伝えるのだ。

    「『もう戦わなくていい。わたしが……わたしが死 ねば……それで全部終わるから』」

     ウタは自分の体を包む魔王の力に目を向ける。それはまるで骨の髄にまで根を張るかの如く彼女を縛り付けている。当初ウタが望んだ“死ぬ瞬間まで目覚めている”と云うそれをトットムジカが叶えようとする力の顕れ。時間が一秒一秒と過ぎる度に命の灯火が小さくなるのを感じる。

    「『……ごめんね。皆……やっぱりわたしなんかが、救世主なんて……成れるわけ無かったんだ』」

     ナイフを取り出す。自分の左手を貫いた刃を。

    「『こんな……血塗れの手なんかで』」

     ウタはその鋒を今度は自身の喉元へと突き付けた。

    「ッ!!? 何しようとしてるべ!!? 止めるべウタ様!!?」

     今のウタには制止の声も届かない。魔王の闇に当てられ過去のトラウマを呼び起こされた彼女には地獄しか感じられない。
     ウタには見える、エレジアで亡くなった人々の憎悪に満ちた目と惨たらし姿が。
     ウタには聞こえる、エレジアで亡くなった人々の悲鳴と自分に向けられた呪詛が。
     それら全てが1人の少女に向けられている。罪悪感が心をズタズタに引き裂いて磨り潰していく。

  • 46FILM N.G.22/11/01(火) 00:21:30

    「『……これで全部、終わるから』」

     もう耐えきれない。ウタは目を閉じ首に刃を突き立てて何もかも終わらせようとした―――

    「うるせェー!!! バカ野郎ォー!!!」
    「『ッ!!?』」

     だが出来なかった。身が竦む怒声を浴びせられてナイフを握る手が止まる。

    「『……ル、フィ?』」

     ルフィだった。地面に手を着き荒い息を吐いて喘ぐその姿は弱々しく見える。心臓のドラムも初めと比べればかなり小さい。無理をした反動がここに来て表出したのだ。
     それでも叫ぶその声は力強く。

    「何度も、言わせんな!!! まだ、わかんねェのか……!!! お前はァ!!!」

     地面に叩き落とした拳を支えにルフィは震える脚で立ち上がるとウタに告げる。

    「お前が今!!! 苦しんでんのも!!! 泣いてんのも!!! この“歌”が在る所為だろうが!!!」

     ドン!!!と再び鼓動が強く打つ。解放のドラムが息を吹き返す。これが命を削る行為なのだとしてもルフィは意に介さない。
     勝つ為に。勝って彼女を救う為に―――

    「こんなのが、あるから!!! ……いけねえんだ!!!」

     両の拳を強く握り締め。

    「お前を苦しめるだけの歌なんて……おれが全部ぶっ壊してやる!!!」

  • 47FILM N.G.22/11/01(火) 00:22:13

     放つのは拳の乱れ打ち。

    「ああああああああァーーッ!!!」

     魔王の地盤ごと抉るような蹴り脚に激突する銃乱打(ガトリング)。




    「―――右脚!!!」

     蒼炎が猛り、悪魔が咲く。

    「“魔神風脚(イフリートジャンブ)”!!!」
    「“悪魔咲き(デモニオフルール)”!!!」

     ロビンは己自身を核にハナハナの能力で巨体を咲かせる。その姿はまるで悪魔の如く、ロビンはこの巨体を活用してトットムジカの脚を捻り押さえ込む。

    「“大渦潮(グランジャグジー)クラッチ”!!!」

     本来なら関節技に使うその技を今は拘束として用いる。それも全ては仲間の攻撃を最大限に威力を引き出すために。

  • 48FILM N.G.22/11/01(火) 00:23:03

    「“牛肉(ブフ)バースト”ォーー!!!」

     蒼い爆炎が魔王の脚を蹴り砕いた。




     トットムジカの右脚が砕けたと同時にルフィが吹き飛ばされた。

    「うわァああー!!?」

     それは鞭のようにしならせたトットムジカの左脚。それを真面に受けてルフィの体は地面を削りながら飛ばされていく。

    「麦わら屋!!! まだ目を逸らすんじゃねェぞ!!!」

     ローが吹き飛ばされたルフィの代わりに前へ出ると、鬼哭を突き出しその刀身を地平まで届くのではと思わせる程に伸長させた。

    「“麻酔(アナススィージャ)」

     刃がトットムジカの脚を貫通する。物理的な破壊を伴わないからこそ貫けた刃。このままでは無意味な貫通だが……これは次の攻撃への布石。刀身を伸ばせば伸ばす程にそれを使用した時の“波動”は強力になる。

    「……悪ィが修繕費なんて請求すんじゃねェぞ」

  • 49FILM N.G.22/11/01(火) 00:23:22

     トットムジカを貫いて伸び続けた刃が断崖へと突き刺さる。頂上にエレジアの城が立つ崖に。

    「“穿刺波動(パンクチャーヴィレ)”!!!」

     凄まじい破壊の衝撃が刀身から発生、刀身の先端が突き刺さった崖が大きく陥没して崩壊する程の威力が魔王に炸裂した。




    「左脚だー!!!」

     鉄人が空気砲を構え、彼を包むように幻影の船が包む。

    「夢の世界だからか? 不思議なことも在るじゃねェか、なあサニー!!!」
    「サ~……! ニ~……!」

     フランキーの頭の上に乗ったサニー号が気合いで体を震わせる。それに呼応してか幻影の船……“サウザンド・サニー号”の姿はどんどんと色濃くなっていき、遂には幻想的に輝く船体を露わにした。
     フランキーの空気砲を依り代にして顕現したサウザンド・サニー号。その船首である獅子の口が開く。

    「行くぜェ~!!! ウタワールド限定! “スーパー”!!!」
    「“ガオォオオオオオオオン”!!!」

     サウザンド・サニー号に搭載された最強兵器、射線上の物を破壊し尽くす空気の大砲“ガオン砲”がフランキーの“風来砲(クー・ド・ヴァン)”とサニーの咆吼と共に発射された。

  • 50FILM N.G.22/11/01(火) 00:25:50

    書けた分はこれで以上です。続きはまた明日。ここまで読んでくださりありがとうございました


    ハロウィンウタちゃんかわいい

  • 51二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 00:27:01

    いつもお疲れさまです。次回も楽しみにしてます。

  • 52二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 00:27:32

    >>46

    ムハハ!油断したなウタ!麦わらの一味はこういう奴らだ!

  • 53二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 07:24:03

    あげ

  • 54二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 07:47:07

    サニーが空気砲を依り代に船体顕現→W砲撃、展開がスーパー熱いぜ!まさに劇場版⋯⋯!
    何となく大好きな某鈍器作品思い出してワクワクしてしまった
    やはりメカはロマン

  • 55二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 14:47:02

    保守!

  • 56二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 16:42:20

    バトル描写も素晴らしい(負担ガン無視で動いてるルフィ大丈夫かな…チョッパーとローが居るから杞憂だろうか…)

  • 57二次元好きの匿名さん22/11/01(火) 22:03:47

  • 58FILM N.G.22/11/02(水) 00:06:27

    保守感謝です。少し短いですが書けた分を投稿します

  • 59FILM N.G.22/11/02(水) 00:07:39

     エレジアの城が崩壊する。崩れる崖と共に落ちて地鳴りを起こす。

    「『…………』」

     12年。それだけの間過ごしてきた故郷とも呼べる“家”が失われて行くのをウタは黙って見送る。今日死ぬと決意していた筈なのに帰る場所が壊れていく光景に胸が締め付けられた。

     瓦礫と土砂が吹き荒ぶ中でトットムジカの咆吼が轟く。音の津波が土煙と混ざり合いながら周囲の全てを破壊しながら迫り来る。鉄壁のバリアの中でウタは視界を覆い隠す土色の音撃へと手を伸ばす。その手の先に居たのは自分に麦わら帽子を托した男。

    「『……ル、フィ……』」

     バリアの壁に手を触れる。感覚を失った指先で縋り付きながらウタは彼の名前を呼ぶ。

    「『ルフィ』」

     何度も否定した。何度も拒絶した。それでも自分を救うことを諦めなかった男の名を。

    「『ルフィ!』」

     ウタは熱い物が目から溢れ出したのを感じた。魔王の力の影響で五感の殆どが失われている筈なのに、どうしてこんなにも熱く感じるのか。それはきっと―――

  • 60FILM N.G.22/11/02(水) 00:08:19

    「『ルフィーッ!!!』」

     初めて、心の深海へ沈めていた“想い”を汲み上げたから。

    「『お願い……』」

     ずっとずっとずっと言いたくて、でも口に出せなかった言葉。自分に言う資格など無いと思っていた。エレジアの人々を皆殺しにした大罪人である己がそれを求めるなど、死んでしまった彼等に対する冒涜だと思っていたのだ。きっとエレジアの悲劇の真相を知れば彼女を責め立てる者は大勢居るだろう。だからウタはその想いをずっと胸の内に留めていたそれを、今初めて伝える。


    「『“助けて”』」


     だってきっと彼は待っていたから。彼女からその言葉を聞くことを、ずっとずっとずっと。

    「……!!!」

     音の津波が消し飛ぶ。爆発のような衝撃の中心に居たのはウタが呼び掛け救いを求めた男。彼は光輝くような白い姿で宙を舞いながら魔王の咆吼よりも大きな声で応える。


    「当たり前だァアアアアああああああああーーッ!!!」


     託された想いで心臓のドラムを叩く解放の戦士は全身に力を漲らせる。
     全ては眼前の魔王を倒し“自由”を勝ち取る為に。

  • 61二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:12:02

    勝ち申した

  • 62FILM N.G.22/11/02(水) 00:12:05

     トットムジカは度重なるダメージによって肉体を欠損しているが逆に憎悪や憤怒を抱くことで力を増幅させ、そうして更に強大になった力で以て目の前の小さくも目障りな男を消し去ろうと動き出す。
     振るうのは2対の腕。魔力を限界近くまで込めた四本の腕は宵闇の中で妖しく輝く。爪の先が掠るだけでも甚大な破壊を齎すであろう“死の腕”がルフィへと向かって振るわれる。

     だとしても。彼が怯むことは無い。

    「“ゴムゴムの”ォオおおおおーーッ!!!」

     ルフィの両腕が視界に映らぬ高速で打ち出される。
     覇王色の黒い稲妻を纏って長く長く伸びる腕が空中を乱反射するように曲がりくねりながら疾走、黒き大蛇の群れがその顎によって音符兵士を食い破りその牙(こぶし)を目指すべき先へと連れて行く。

    「“九十九(ナーガ)―――!!!」

     魔王の死(うで)と黒き大蛇が衝突する。百に迫る黒蛇の群れが凄まじい疾さでトットムジカの腕に牙を突き立て覇気(どく)による破壊の花を咲かせる。

    「―――蛇神(ラージャ)”ァアアアアああああーーッ!!!」

     黒き蛇神の牙と死を運ぶ魔王の腕とのぶつかり合いが世界を揺るがす。覇王色の覇気を纏った攻撃特有の波動―――それが瞬く間に百を超えて発生する。

    「おおおおォオオオオーーッ!!!」

     蛇神の力が続く限り黒蛇は生まれ続ける。宵闇さえ喰らい尽くさんばかりに黒蛇の群れがエレジアを駆け抜ける。魔王さえ身動き取れなくなる程の打撃の応酬が放たれ続ける。

     解放のドラムが鳴り渡る。

  • 63FILM N.G.22/11/02(水) 00:12:56

    本日の更新はここまで。読んでくれた皆ありがとうございます

  • 64二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 01:25:11

    涙出そう

  • 65二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 07:19:46

    負ける気がしねぇ

  • 66二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 13:53:45

    ウタ…言えたじゃねェか…

  • 67二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 17:49:41

    ほしゅ

  • 68FILM N.G.22/11/02(水) 18:42:18

    保守感謝です。本日の更新でございます




    最後の一撃は、せつない。

  • 69FILM N.G.22/11/02(水) 18:43:45

     ウタワールドに居るウタの肉体は既に9割以上が闇の吞まれいつ消滅してもおかしくない状態。この世界での支配権はもう魔王が掌握していると言って良い。

     そんな中で魔王の動きが止まった。あれだけ暴虐の限りを尽くしていたトットムジカが現実での猛攻を受けて一時的に隙が生まれたのだ。両脚も失ってその場に崩れ落ちる魔王の巨体。

    「うおおおおおおー!!! 今だお前らァーーッ!!!」

     ウソップの叫び。彼はチョッパーと共に全速力で駆けながら仲間達に呼び掛ける。

    「ウソップ!? あんた何泣いてんのよ!?」
    「それは気にすんな!! 今はとにかく!!」

     ウソップは涙を拭い瞳に力を込めるとカブトを成長(グローアップ)させそれを地面へと突き立て構える。

    「ルフィの想いを!!! あいつの友達を救いたいって願いを―――!!!」

     見聞色の覇気でルフィを視ていたウソップには現実の光景と同時に彼の“想い”が流れ込んでいた。
     苦しくて、悲しくて。それでも皆を救いたくて……でも助けて欲しい。そう嘆く友(ウタ)を救いたいと命を燃やして戦うルフィの想いが。

    「おれ達が未来(さき)へ繋げろォーーッ!!!」」
    「……!!!」

     もう彼等は何も聞かない。ただ一丸となって動き出す。

  • 70FILM N.G.22/11/02(水) 18:44:40

    「ソニア! マリー! 露払いをせよ!! わらわ達の武威でルフィの征く道を……切り拓け!!!」
    「「はい姉様!!!」」

     ハンコックの強大な覇気が込められた蹴りが軍勢に風穴を開け、サンダーソニアとマリーゴールドが人獣形態へと変形しその巨体を活かして散り散りになった音符兵士を薙ぎ払う。

    「迷子になるなよマリモヘッド!!!」
    「ほざけクソコック!!!」

     切り拓かれた道をルフィの両翼が真っ先に駆け抜ける。そんな彼等に続けと麦わらの一味全員が渾身の力を込めてトットムジカへと向かう。
     地獄の大王宿りし三刀が、燃え上がる魔神の脚が、黒雲から降り注ぐ雷が、全てを狙い撃つ星が、怪物の巨大な蹄が、咲き誇る巨躯が、超合金の将軍が、凍て付く黄泉の魂が。武技を極めし正拳が。

     魔王の腕を打ち砕いた。




     魔王トットムジカは困惑する。己がこれ程までに追い詰められたのは過去に一度しか無かったから。何故(なにゆえ)己が目覚める時機でこのような強き者達が集うのか……それは幾ら考えようとも答えの出ない問い。だが目覚めたからには魔王としての役目は果たさなければ。
     “破滅させる”。それだけが魔王(おのれ)の存在理由、この世界から“痛み”を消す為の唯一の手段。

     トットムジカは自身に集積された怒りと呪いを力に変える。欠損した箇所がまるで砲身の如く光を発し始め、今にも爆発してしまいそうな力の高まりを感じさせる。

     忌々しいあのゴム人間はもう力尽きた。あれだけ無茶を重ねたのだ、指一本すら動かせなくなっているだろう。ドラムのような心臓の音も今は聞こえてこない。そう考えたトットムジカはエレジアを丸ごと消し飛ばす気持ちで蓄積した魔力を放とうとして―――

  • 71FILM N.G.22/11/02(水) 18:45:33

     ……ドン……ド……

     その音を聞いてしまう。

     ……トッ……ト……

     一体何度目なのか。何度起き上がってくれば気が済むのか。

     ドン、ドッ……トッ……ト……!

     どうして? 何故―――

     ドンドットット! ドンドットット!

     “両方の世界で”あの男は起き上がってきたのか?
     トットムジカにはわからない。ウタウタの能力者やその力によって生み出された魔王自身でも無い限り両方の世界で同時に活動するなど不可能な筈なのに。

     ドンドットット!! ドンドットット!!

     何がこの男をそこまで突き動かすのか?

  • 72FILM N.G.22/11/02(水) 18:46:31

    「『……“ゴム……ゴム、の”ォ……!!!』」

     現実とウタワールドを映す魔王の眼に映し出される“巨腕”。両方の世界で振り上げられた小さな島よりも巨大な拳が引き絞られながら大気を震わす程の力と覇気を込めていく。それと同時に鳴り響くドンドットット♫ドンドットット♫と云うドラムの音がエレジア中に響き渡る。

    『……a……a、a……』

     遙か昔、何処かで聴いた気がする……そうトットムジカが風化した過去の情景に思いを馳せた時―――

    「『“猿神銃(バジュラングガン)”ッ!!!!』」
    『―――!!!』

     神の鉄槌が振り下ろされた。四肢を失えども巨大な魔王の体をねじ伏せて余りある程の拳が叩き付けられる。トットムジカは最後の力を振り絞って全ての魔力をこの拳に抗する為に放出する。
     二つの世界で激突する二つの力。迸る覇王の黒き雷がまるで世界に走った亀裂のように広がる。
     互角のように見えるぶつかり合い、しかし拳の表面が魔力の放出によって引き裂かれていくのを見た魔王は勝利の可能性に笑みを浮かべ―――

  • 73FILM N.G.22/11/02(水) 18:47:35

    「『もう誰も失わねえように!!! 誰も遠くになんか行かせねえように!!!』」
    『……ッ!!?』

     拳が更に強く押し込まれ、魔王の肉体が崩壊を始める。

    「『おれはァ!!!』」
    『~~ッ!!!』

     トットムジカは歯を食いしばる。世界の怒りと呪いを一身に集めた己が一人の人間に負けるなど“二度”と在ってはならないのだ。そうでなければいけない。そうでなくては―――


    「―――ᚷ(g)……ᚨᚺ(ah)―――」
    『――――――』


     そんな時、魔王はその“歌”を聴いた。

  • 74FILM N.G.22/11/02(水) 18:48:22

    「―――ᛉᚨᚾ(zan)……ᛏᚨᚲ(tak)―――」

     本来ならそれは魔王を顕現させて魔力を奮わせる破滅の歌。それが聴こえる方へ目を向ければ己(トットムジカ)の歌い手たるウタが今にも息絶えそうな様子でその“歌”を紡いでいた。
     破滅の歌なのに、それなのにどうして? どうして魔王(じぶん)の力が弱まり、反対に目の前の人間の力が強まるのか?

    「―――ᚷᚨᚺ(gah) ᛉᚨᚾ(zan)―――」

     困惑する。何故、どうして、と。
     魔王は涙を流しながら自分を見詰めるウタを見る。何故自分を見てそんな悲しそうな顔をするのかわからなかった。憎まれこそすれ、そのような憐憫の目を向けられる理由など無かった筈なのに。

    「―――ᛏᚨᛏ(tat) ᛏᚨᛏ(tat)―――」

     一体あの娘は何を“見た”のか“聞いた”のか。
     解放のドラムによって掘り起こされた風化した記憶、その果てに魔王と深く繋がっていた少女は何を知ったのか。
     わからない。わからない。自分がどのようにして生まれたのかさえ忘却してしまった魔王はもう思い出すことなど出来はしない。
     ただ―――

  • 75FILM N.G.22/11/02(水) 18:48:51

    「――― ᛒᚱᚨᚲ(brak)―――」

     枯れ果てた筈の泪が溢れそうな程に懐かしく狂おしいその歌を聴いて……ああ、自分はようやく“終われる”のだと……そう思えた。

    『――――――』

     神の鉄槌、その衝撃が魔王の全身に突き刺さる。

    「『ああああァーーッ!!!!』」
    『――――――』

     解放の戦士が打ち出した“祝福されし一撃”を受け入れた魔王は―――その存在を粉々に砕いて散らしたのであった。

  • 76FILM N.G.22/11/02(水) 18:50:46

    今日の更新は以上です。ここまで読んでくれてありがとうございました

  • 77二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 18:56:58

  • 78二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 19:30:57

    完全勝利ぃ!

  • 79二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 19:32:04

    安らかにな、トットムジカ

  • 80二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 22:59:22

    これで決着…か?
    ウタがルフィに助けられるだけで終わらず最後にルフィを助ける側にもなってるのが凄くイイ

  • 81二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 23:08:40

    俺たちの新時代を聴きながらこのssを見てみろトブぞ

  • 82二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 23:10:20

    悪だと明言されたトットムジカだけど哀れみを感じてしまう…

  • 83二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 07:55:29

    トットムジカとは決着ついたとしてもまだこの後海軍とかクロスギルドとかも来るんだよな…
    続き楽しみにしてます

  • 84二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 08:22:52

    そういやRED本編でもシャンクスとの同時攻撃の後に二人が並んだシーンでニカが現実世界の衣装になってたもんね……ウッ
    もうこれが本編になりませんか???(血涙)

  • 85二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 11:01:02

    そうだよ…ずっとウタとルフィが一緒に協力してトットムジカを倒すところが見たかったんだ

    でもトットムジカが悲しい存在ってのはやっぱそうだよな

    設定の時点でもう劇中唯一の悪役とされちゃってるし実際の所業を考えればクソ楽譜と言われるのも無理ないんだけど、俺はまだそう呼んだことはない クソ楽譜だけどな


    >>81

    ルフィとシャンクスの回想部分がトットムジカの忘却してしまった過去の映像が朧げに映されるやつ……

  • 86二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 16:25:25

    ほっしゅほっしゅ

  • 87二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 20:01:17

    ほしゅ

  • 88二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 00:03:51

    hs

  • 89二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 02:52:13

    涙が止まらぬ……!

  • 90二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 07:17:07

    保守

  • 91二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 07:27:02

  • 92二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 12:00:41

    ほしゅ

  • 93二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 18:19:29

    ほしゅ

  • 94FILM N.G.22/11/04(金) 23:40:36

    遅くなってごめんよ。保守感謝!
    ちょっとだけ更新させていただきやす!

  • 95FILM N.G.22/11/04(金) 23:41:24

     白い結晶が降り注ぐ。
     まるで雪のような、しかし指先で触れると温かなそれがウタワールドを幻想的な輝きで染め上げる。

     配信を見ていたファン達は突然ウタの周囲に降り始めたそれを見て驚く。だがそれを微笑みながら掌で受け止める彼女を見てこの光景も何かしらの演出なのだと思う。それに何より―――

    『皆、今日はたくさんわたしの歌を聴いてくれてありがとう』

     その笑顔は美しかった。

    『名残惜しいけど……そろそろお開きにしよっか』

     これまでも魅力的な笑顔を見せてくれる皆の歌姫だったウタ。だけど今浮かべているそれは何処か違っていて。

    『遅くまで観てくれて本当にありがとう……それでね、最後に皆にちょっとしたお願いが在るんだ』

     水のように透き通った柔らかな、でも少し悲しそうな……大事だった“重荷”を下ろしてしまったような微笑みでウタはこの配信を観る全ての人々に伝える。

    『三日後、ああ日付変わってるから明後日かな。その日にライブする会場のエレジアだけど……実はあんまり綺麗じゃないんだ』

     えへへと照れ臭そうに笑いながら困ったように“事実”を伝える。

    『誰も居ない、寂れて、廃(すた)れた……だけど12年、わたしが過ごしたエレジアでどうしても初めてのライブをしたかったの』

     映像に映るライブ会場は夜の闇もあいまって寒々しさを見る者に感じさせる。ウタワールドなら幾らでも華やかに彩ることが出来る筈なのにウタはそれをしない。夢の中だが彼女は出来るだけありのままの光景を映し出させる。

  • 96FILM N.G.22/11/04(金) 23:42:22

    『本当はもっと夢のような素敵なライブ会場にしたかったんだけど……あはは、駄目だ言い訳ばっかり浮かんでくる。そうじゃ無いの。本当に皆に伝えたいのは―――』

     ウタは正面からファンと向き合う。

    『エレジアは寂しくて悲しい場所……だけど、それでも、皆にわたしの歌を聴きに来て欲しいです』

     そうしてウタはこの配信を観る全ての人々に願いを伝えた。それを聞いた彼女のファンの返答は勿論。

    「そんなの当たり前だよ!」
    「場所なんか関係無いさ!」
    「ぼく達はウタのファンなんだから!!!」

     行くに決まっている。だって貴女の歌が好きなのだから。

    「「「「ウタの歌を聴きに行くよ!!!」」」」

     貴女が歌ってくれるのが好きなのだから。

    『……うん……うん!』

     ウタは瞳から溢れそうになる物を堪えながら、とびっきりの笑顔で締め括る。

    『わたしも! 皆を待ってる!!!』

     そうして初ライブの前に急遽始められたゲリラ配信“N.G.”は終わりを迎えた。ファン達にとっては本番前の嬉しいサプライズで、ウタにとっては大きな転換点。

  • 97FILM N.G.22/11/04(金) 23:43:00

    「……待ってるから」

     配信を切ると共に“ウタワールド”が閉じられたことで眠りに付いた電伝虫を撫でるウタ。彼女も既に体力の限界、もう目を開けていることさえ辛かった。
     それでもウタには眠る前にするべきことが在った。彼女はバルトロメオの肩を借りながら頼りない足取りでルフィの元へと向かう。トットムジカを倒してそのまま地面に倒れ込んだルフィの元へと。

    「ルフィ」
    「ん」

     仰向けに寝そべるルフィの傍に腰を落としたウタ。彼女は自分の頭に被せられていた麦わら帽子を手に取るとルフィの頭へと返す。

    「いつの間にか……こんなにもこの帽子が似合う男になってたんだね」
    「そうかァ?」
    「うん。本当に、よく似合ってる」

     そう言ってウタは水平線を見る。そこは薄らとだが夜の闇だけではない青さが生まれてきていた。それは“夜明け”の証、だんだんと広がる光がエレジアを群青に染めていく。

    「ルフィ」
    「ん」

     もう見ることは無いと覚悟していた光を全身に受けながら、少女は笑顔を浮かべて少年に伝える。

    「ありがとう」

     一言、だけど多くの想いを込めて伝えられた感謝の言葉にルフィも笑顔を返す。

    「ししし! ……おう!!!」

     斯くして魔王との激闘は幕を下ろし、一人の少女の命は懐かしき少年の手によって救われた。

  • 98FILM N.G.22/11/04(金) 23:45:26

    ―――




    「―――目標、“歌姫ウタ”を発見」

     しかしそれは同時に新たな戦いの幕開けを意味する。

    「任務、“歌姫ウタの抹殺”を開始します」

     夜明けは近く……だが太陽は未だ昇らない。

  • 99FILM N.G.22/11/04(金) 23:45:55

    本日の更新は以上です
    それでは皆さん良い夢を

  • 100二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 23:53:32


    この作者が良い夢を言って言うときはだいたいろくでもない気がしてきた()

  • 101二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 23:57:40

    そろそろ来そうだとは思ってたけどこのタイミングで?
    2人を寝かせといてやってくれ、死ぬほど疲れている(ガチ)

  • 102二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 01:52:07

    >>101

    なあに2人が完治するまでロメオがバリアで守り続けてくれるさ!!

  • 103二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 06:02:13

    そういえば海軍も出張ってきてたね!

  • 104二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 06:28:54

    こんなに良い雰囲気なんだから見逃してくれないかなあ…駄目?
    皆もだけどルフィが疲れてるだろうし助っ人とか来てくれるのかな

  • 105二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 10:08:14

    ボスを倒した後に新しい脅威が来るの原作みがある

  • 106二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 10:09:37

    モリアを倒した後のくま襲来みたいな?

  • 107二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 10:11:26

    海軍もCP0の牛羊コンビも当日着とか言われてたけど
    早く着いたのかそれとも別の誰かか

  • 108二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 10:33:42

    part7で大将2人とセラフィムが超特急でエレジアに向かってるって言われてるしその辺でしょう

  • 109二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 14:54:15

    ほしゅ

  • 110二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 19:27:14

    本当に>>1尾田先生じゃないの?

  • 111二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 22:23:13

    ほしゅ

  • 112FILM N.G.22/11/06(日) 00:23:49

    感想保守感謝!
    “FILM”とは銘打ってる本作ですけど書いてる感じ的には“エレジア編”ですね
    長いわ!もう15万文字超えるぞバカ野郎この野郎!映画の尺じゃねーぞこれ!


    はい。じゃあちょっと書けたので投稿しますね

  • 113二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 00:25:27

    麦わらの一味+ローハンコバルトだけで魔王倒したんだから海軍は赤髪海賊団とクロスギルドに何とかしてもらえばいいか

  • 114FILM N.G.22/11/06(日) 00:25:53

     “クロス・ギルド”の船が海を進む。新たなる“四皇”バギーに率いられた彼等の士気は高く目的地であるエレジアにあと一日と少しで到着するとあって深夜だと云うのに目が冴えていた。ただ目が冴えている理由はそれだけでは無く……

    「歌姫の配信最高だったなァー!?」
    「こりゃ生で会うのが楽しみだぜ!」
    「U・T・A! U・T・A!」

     ウタの歌配信でテンションが上がっていたことが理由として大部分を占めていた。船上での騒ぎはもう宴と遜色無いぐらい盛り上がりを見せていた。

    「ギャハハハハ!! 飲めや騒げや野郎共ォ!! 今のうちに英気を養っとけー!!!」
    「「「「はい座長!!!」」」」

     陽気な部下達からの尊敬を一身に集めるバギーはそんな深夜の宴を盛り上げつつも―――心の中では頭を抱えていた。

    (いやいやいや!? どうするよおれ!? もう直ぐエレジアに着いちまうじゃねーか!?)

     バギーは焦ってた。まだこの事態をどう収めるのか何も思い付いていなかったから。

    (部下がやられ! クロコダイルから尻を叩かれ! ここまで来ちまったが……よりにもよって相手はあの“麦わら”!! 碌なことにならない臭いがプンプンしやがる!!?)

     バギーはルフィとの思い出を振り返って渋い顔をする。インペルダウンで脱走協力した時を除いて基本的にルフィと関わると碌な目にあわない思い出しかない。
     正直言って全く気乗りしない。だがバギーとしても自分の命が掛かっているのだ。このままクロス・ギルドの看板に泥が付いたままでは本気でクロコダイルに殺されてしまうかもしれないのだ。

  • 115FILM N.G.22/11/06(日) 00:26:47

    「……ヤるしかねェのか」

     大海原へ遠い目を向けるバギー。そんな彼の姿を部下達は好意的に解釈する。

    「おい見ろよ。座長が苦悩してる」
    「ああ。仕方ねェよだって相手はあの麦わら」
    「伝説のインペルダウン大脱走では共に命を預け合った仲……思う所も有るんだろう」

     実際のバギーは保身しか考えてないのだが、部下からは海賊らしい悪辣さと偉大な男の要素を併せ持つ理想の座長と思われているのだから擦れ違いが凄まじい。

    (……これ、戦争になっちゃうだろ)

     このままルフィと敵対すればそれは即“クロス・ギルド”VS“麦わら大船団”が開戦されると云うこと。大船団に新たに加入した“九蛇海賊団”の戦力も加味して規模としては正に戦争と呼ぶに相応しい物になるのは想像に難くない。決して少なくない損害が発生するだろう。

    (それはそれでクロコダイルに殺されるのでは? ……あれ? おれ詰んだ?)

     考えれば考える程にバギーは自分の状況がどうしようも無くなっていることを目の当たりにしてしまう。

    (涙が出ちゃう、だって座長だもん……いやおれトップになるつもり無かったんだけど!!? なーんでおれが派手にこんな責任を負わなきゃならねェんだ!!?)

     もう気分は処刑台に向けて歩を進めている状態。バギーはもう逃げ出したくて仕方が無かった。

  • 116FILM N.G.22/11/06(日) 00:27:46

    (……スッゲ~都合良くなんか丸く収まらねェかな~?)

     そのうちバギーは考えることを止めて現実逃避を始める。誰かおれを夢の世界に連れて行ってーと本気で思ってしまう。可哀想に見えるが今までの所業を考えれば同情の余地は無いのでバギーの内情をよく知る幹部達は「座長詰んだな」「次の座長はどっちがなると思う?」「クロコダイルじゃね?」と勝手に先のことを話し始める。慰めたり状況を打開する案を出す者は一人も居ない。しかし今のバギーはそんな幹部達の失礼を見咎める余裕も無い。

    (やべェ本当にやべェ!? どうすりゃ良いんだよ俺は―――)

     そうして自分の命が風前の灯火のように感じられていたバギーの元に、“ある一報”が伝えられた。

    「座長!!? 大変です座長!!?」
    「んあ? どしたん?」

     気の抜けた返事だが報告を持ってきた部下は余程慌てていたのかバギーの様子に気付くことも無く大声で続きを伝える。

    「ふ、船が!!? 海賊船がこちらに近付いて……!!」
    「……航海してりゃよく有ることだろう、何をそんなに……」

     バギーはそう言うが部下の様子が尋常では無いので彼から双眼鏡を受け取ると実際に自分の目で確認することにした。

  • 117FILM N.G.22/11/06(日) 00:28:29

    「……ん?」

     そして。

    「……は?」

     バギーは予想外の船が此方に近付いて来ているのを見てしまった。

    「ハァアアアアアアア!!?」

     バギーの驚愕から始まり乗船する部下全員にまで波及した衝撃は近付いて来た海賊船の船長が声を掛けてきてからも続くことになる。

    「―――よう、バギー。久し振りだな!」

     その男はバギーにそう気安く声を掛けてきた。

    「て、ててて、てめェは!!?」

     バギーは目を剥く。自分に対してこんなにも馴れ馴れしく……親しげに声を掛けてくるような憎たらしい男など一人しか知らない。

    「偶然会ったにしちゃ……航路が同じだな」

     男は腰に差した剣“グリフォン”の柄に手を掛け―――

    「ぬおおおおおォ~~ッ!!?」

     海が荒れたと錯覚する程の“覇気”が迸りバギーは大慌てする。

  • 118FILM N.G.22/11/06(日) 00:28:57

    「は、派手に何しやがるクソバカ野郎が~!!?」
    「悪いなバギー。敵船につき少々……威嚇した」
    「ふざけんじゃねーぞ!!? 今の部下の何人が意識飛ばしたと思ってやがる!!?」

     バギーはバラバラの能力で上半身を飛ばすと目の前の男の胸倉へ掴み掛かって揺さぶる。それに男……“赤髪のシャンクス”は堪えた様子も無く「はははは!」と笑いながら同じ船で見習いをした幼馴染みでもあるバギーに接触した理由を伝える為に口を開く。

    「バギー。お前がもしエレジアに向かうつもりなら……言っておくことが有る」
    「ああん!? 何だァ!?」

     あの強烈な覇気を飛ばした赤髪のシャンクスに対して一歩も退かずに詰め寄る座長に尊敬の眼差しを向けるクロス・ギルドの面々を尻目に、2人はとても重要なやり取りを交わす。

     そうしてシャンクスの話しを聞いたバギーは―――

    「な、なんだとォ~~!!?」

     後に、これからの局面を大きく揺るがす“とんでもない事態”を引き起こすことになるとは……目が飛び出そうな程に驚いているこの時点では想像だにしていなかった。

  • 119二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 00:29:55

    遅い!!!!もっと早くこい!!!親父!!!

  • 120FILM N.G.22/11/06(日) 00:31:26

    今日の更新はここまで。読んでくれてありがとうございます




    ノリや勢いで展開を広げると自分の首を絞めるから皆もSSを書く時は気を付けるんだぞ♡

  • 121二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 00:32:20

    乙でした〜
    腐っても四皇にその態度取れるのやっぱお前大物だよバギー…

  • 122二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 01:18:01

    >>119

    偶然新聞を見たのがきっかけでエレジアに向かって2週間前に現地入りしたルフィと違って

    シャンクスは映画の方とある程度同じ感じだろうから…

  • 123二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 06:37:52

    おつー

    >ノリや勢いで展開を広げると自分の首を絞めるから皆もSSを書く時は気を付けるんだぞ♡

    わかるぅ……

  • 124二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 10:18:55

    この描写だとバギーはあの覇気を受けてるけど平気で突っかかってる風にも見えるな
    そりゃ部下達とのすれ違いも加速しますわよ

  • 125二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 10:21:29

    シャンクスのその時々の本気度合いにもよるんだろうが、
    中将の一部を持ってくシャンクスの覇気に普通に耐えてる(というかそんなリアクションすらない)バギーもやっぱそれなりに雑魚ではないのよな…

  • 126二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 19:12:47

    >>125

    シャンクスクラスにもなれば群衆の中から1人だけ狙わない、みたいなことも可能なんだ

  • 127二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 22:07:42

    ほしゅ

  • 128二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 05:04:27

  • 129二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 08:07:58

    たもつ

  • 130FILM N.G.22/11/07(月) 09:15:57

    ごめーん!更新今日も無理そうです!
    明日の夜になると思います!

  • 131二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 18:49:17

    >>130

    了解した

  • 132二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 18:52:04

    補習

  • 133二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 18:52:34

    ほしゅ

  • 134二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 00:43:52

    のばしのばし

  • 135二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 07:25:39

    ほし

  • 136二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 16:34:08

    ほしゅほしゅ

  • 137二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 19:01:55

    ほしゅ

  • 138FILM N.G.22/11/08(火) 23:14:26

    保守感謝です。全然書けてなくて本当に申し訳無い
    生存報告兼ねた投稿しますね

  • 139FILM N.G.22/11/08(火) 23:15:16

     その者達の接近に気付いた麦わらの一味は疲労困憊の身を押して臨戦態勢に入った。
     空気を切り裂く甲高い飛行音が鳴り響き、直後―――

    「―――!」

     地面を砕いて着地する“セラフィム”。彼女は自身の両肩に捕まっていた大将2人を下ろすと掌を構え、そこに眩しい輝きを伴う光熱が収束される。

    「何だ!!」
    「子供!? でもすごく大きい!?」
    「ッ!!? ヤベーぞ!! ありゃ“レーザー”だ!!!」

     セラフィム……“PX(パシフィスタ)”の基本武装として搭載された光学兵器“レーザー”の照準が誰に向けられているのを全員が察する。

    「狙いはウタだ!!!」

     突如現れた存在に命を狙われるウタ。あまりに急転した事態に彼女は付いて行けず呆然と目が眩むような光を眺める。

    「……ッ!!!」

  • 140FILM N.G.22/11/08(火) 23:15:27

     或る者は戦う為に駆け出し、或る者は守る為に駆け寄る。そうして新たな戦いの火蓋が切って落とされようとした……その時だった。

    「―――“攻撃止め”……少し待ってはくれやせんか?」

     大将の1人である藤虎イッショウが待ったを掛けた。

    「…………」

     その言葉を受けてセラフィムはレーザーを放つ為にチャージしていたエネルギーを霧散させ微笑みを浮かべて自身に命令を下したイッショウをじっと見詰める。それは感情の読めない表情ではあるが何故こんな命令をしたのか説明を求めているようにも思えた。

    「あ! おっさん久し振り! 元気してたか?」
    「……ええどうも。ちょっと会わねェ間に随分と強くなったようで、一味の皆さん共々」

     ルフィの言葉にイッショウは笑顔で応える。海賊と海軍という敵対する立場であるが互いに好意的な印象を持っており少々緊張感に欠ける邂逅であった。
     その緩みかけた空気がもう1人の大将であるボルサリーノが口を開いたことで再び張り詰める。

    「おやおや~? 攻撃を止めたりしてどうする気だい~?」
    「…………」
    「元帥からわっしらが請け負った仕事は“歌姫ウタの無力化”……勿論生死は問わずのね~。今が千載一遇のチャンスだと思うがねェ~?」

     生死問わずの無力化。それを聞いた麦わらの一味からヒリつくような怒りが発せられる。

  • 141FILM N.G.22/11/08(火) 23:41:39

     一触即発の空気。それを止めるのはやはりイッショウであった。

    「まあまあ落ち着きなさいや。どうも状況が海軍(こちら)が想定していたのとは違うようで……」

     イッショウは激しい戦闘が在ったと一目でわかる、もとい臭いや肌で感じた彼は荒れ果てたエレジアの地を踏み締めながら己が考えを口にする。

    「歌姫さん、“事情聴取”と行きましょう。何があんたを心変わりさせたのか……興味が在りやす」
    「…………」
    「後日改めて、と行きたい所ですがあっしらもそう余裕は無くてね。今から手早く済ませましょうや」

     海軍はウタがライブで“世界転覆計画”を実行すると考えていた。だが実際にはその三日前に急遽始められたゲリラ配信で計画を実行……結果的に未遂だったが海軍も世界政府も気が気では無かった。
     もし仮にウタが最後のタイミングで“ウタウタの実”の能力を使っていたら……5割以上の人々が夢の世界に囚われていた筈。それなのに現実ではそのような事件は発生することも無く“N.G.”の配信はただただ静かに幕を下ろしていた

  • 142FILM N.G.22/11/08(火) 23:43:55

    今日の更新はここまで。ちょっと眠気がひどくて何書いてるかわかんなくなってきたよ
    皆も夜はしっかり寝ような!
    ここまで読んでくれてありがとうございました!

  • 143二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 23:46:08


    無理せず休んでくれや

  • 144二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 09:55:38

    保守

  • 145二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 10:13:32

    ウタちゃん今多分クソ程眠いと思うんで事情聴取はお昼寝挟んでからじゃダメですか…

  • 146二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 19:09:41

    ほしゅ

  • 147二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 22:14:52

    一応保守 更新楽しみ

  • 148FILM N.G.22/11/10(木) 00:26:16

    保守ありがとう。ちょっとずつでも更新するぜ!

  • 149FILM N.G.22/11/10(木) 00:27:26

     イッショウは穏やかだが芯の通った声でウタにその真意を問う。

    「世界中の人を夢の世界へ虜(とりこ)にする筈だった計画、どうしてあんたは止めたんですかい?」
    「…………」
    「この場の状況から麦わらのルフィとその一味……そして他にも名立たりし海賊が協力して計画を阻止したのだろうと推測できやす。だがそれでも断行は出来たでしょうに」

     そう問われたウタは左手に視線を落とす。治療により新たに包帯が巻かれたそこにはもう“新時代”を誓ったマークは存在しない。鈍い痛みと滲む赤だけが在るだけ。

    「わたしが止めたのは……」

     心身共に限界まで疲弊したウタは擦れる意識を辛うじて繋ぎ止めながら、しかしはっきりと今の想いを言葉にする。

    「……この力で……皆を本当に幸せにするのは無理だって、気付いたから」
    「…………」
    「此処(げんじつ)から夢の世界(ウタワールド)に逃げ込めれば幸せになれると思ってた。でもそれは皆がわたしの力に囚われるってことで……それはきっと誰かにとっての牢獄」

     自由を愛する者にとってウタが創る“新時代”は窮屈で息苦しい場所であっただろう。ウタは自分を守る為に前に立つルフィの背を見ながら改めて思う。

  • 150FILM N.G.22/11/10(木) 00:28:05

    「“大切な友達”1人満足させられない世界じゃあ……皆を救うなんて土台無理だったんだよ。だからわたしは叶えるのを止めたんだ、新時代の夢を」

     そうして今の思いを伝えたウタ。彼女の真意を聞いたイッショウは薄く笑むと頷く。

    「……成る程。よくわかりやした」

     イッショウは懐から“電伝虫”を取り出すとそれに向かって話し掛ける。

    「だそうですが……あっし的にはもう脅威は無いと思うんですがねェ?」

     電伝虫から応答がくる。聞く者全員が直ぐにわかる程の怒りを滾らせた声で。

    『―――おどれは毎度毎度……!!』

     念話の相手、元帥サカズキが咆える。

    『どれだけ勝手すりゃ気が済む!!! ええ!!? 藤虎ァ!!!』

     電伝虫越しだと云うのに気の弱い者であればそれだけで腰が抜けてしまいそうな迫力で以て怒声を放つサカズキ、しかしイッショウは全く堪えた様子も無く言葉を返す。

  • 151FILM N.G.22/11/10(木) 00:30:05

    「勝手と言いますが……あっしの前に居る子はファンの為に歌を贈ろうとする一人の歌手。海軍が動く理由は無くなったと愚考しやすが?」
    『……ッ!!! 呆れたことを抜かす!! おどれは本当に理解しちょるんか!!? 目の前の女がどういった存在なのかを!!!』

     何かを叩き割った音が鳴り、次に燃えて爆ぜる音が響く。サカズキが拳を振り下ろしたテーブルが破壊されて溶岩の熱により火を上げたのだ。
     正に火山の如く怒るサカズキはその意識をウタに向けて言う。

    『ウタ!!! わしは貴様を見逃す気は毛頭無い!!! 貴様の言葉には何一つ信用に足る物が無いからじゃ!!!』
    「……!」

     ウタの背筋が震える。サカズキの炎よりも熱く鋭い眼光が見えた気がして息が苦しくなった。

    『心変わり? 無理だとわかった? ……巫山戯ちょるんかッ!!?』

     サカズキはウタの発言が信じられない理由を怒りながらも間違い無く伝える。

    『土壇場になって止めるような軟弱者が……!!! 何処でまた心変わりするかわかったもんじゃありゃせんわ!!!』
    「ッ!!?」
    『小娘一人の気まぐれで世界が振り回されたとあっちゃ秩序が成り立たんじゃろがァ!!! 計画を企てた時点で貴様の処遇は決まったも同然!!! 悪の芽は可能性から潰す!!! 世界を揺るがす力を持ちながら確固たる信念も無い歌姫ウタに対してわしの出す答えは一つ―――!!!』

     元帥、延いては海軍として。サカズキは“正義”を背負って告げる。

    『ここでくたばれ!!! 世界の為に!!!』

     徹底的な正義。サカズキはその信条の元にウタの存在を許しはしない。

  • 152FILM N.G.22/11/10(木) 00:31:52

    今日の更新はここまで


    大変だろう?「元帥」

  • 153二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 00:32:29

    正義って何なんだろうね?

  • 154二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 02:43:12

    サカズキさん別に間違ってないからこっちとしても見てて辛いんだよなァ....

  • 155二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 06:27:09

    そうなんだよなあ、やめたし、もうしないっていってるなら良いだろうって気持ちもわかるし、
    一度やったんだ、次もやんないとは限らねぇだろっていうのもわかるし

  • 156二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 07:00:35

    >>155

    ルフィとかシャンクスみたいなウタの人となりを知ってる人間ならもうやらないだろうって分かるけど、サカズキは基本的に何も知らないからね...

  • 157二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 14:39:18

    このレスは削除されています

  • 158二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 19:27:00

    >>156

    知っててもやるだろうけど…(クザンの件)

  • 159二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 22:27:31

    うーむ、納得出来てしまう
    ウタが海軍に認められる世界なんてあるんだろうか

  • 160二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 23:58:45

    ほし

  • 161二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 00:01:05

    天竜人制度を黙認してるので
    どうこう言える立場じゃない。

  • 162二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 00:06:43

    心変わりして未遂に終わったとはいえやろうとしてたことは本当のことだからな…
    また心変わりして実行しようとする度に世界規模の大事になる以上はね

  • 163二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 07:30:33

    ほっほっほっしゅ

  • 164二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 15:27:47

    保守させていただきやす

  • 165二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 15:41:59

    このレスは削除されています

  • 166二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 15:46:17

    『土壇場になって止めるような軟弱者が……!!! 何処でまた心変わりするかわかったもんじゃありゃせんわ!!!』

    このセリフ刺さるわぁ

  • 167二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 21:17:05

    ほし

  • 168FILM N.G.22/11/11(金) 21:19:06

    保守ありがとう。ゆっくりゆっくり更新だね
    毎日が休みになれ~!

    はい更新します

  • 169FILM N.G.22/11/11(金) 21:37:48

     徹底的な正義。サカズキはその信条の元にウタの存在を許しはしない。

    「―――それじゃあ元帥の決定が下ったことだし……」

     よって海軍大将は己が務めを果たそうと動き出す。

    「歌姫ウタ。光の速度で蹴られたことは在るかい?」

     閃光。

    「え?」

     瞳が瞬くよりも速く“それ”はウタの眼前へと迫り来る。彼女は自身に襲い掛かる脅威に反応出来ず、ただそれを視界に収めることしか出来ない。
     ボルサリーノが放つ強力な蹴り。それがウタの頭部へと叩き込まれる―――

    「……!!!」
    「おやァ~……!? これはこれは」

     それをルフィが脚を割り込ませて止めたのをボルサリーノは驚嘆の面持ちで見る。“ピカピカの実”の能力による常人では視認不可能な速度の攻撃に追い付いた……いやそれよりも“早く”行動に移っていたのだ。
     見聞色の覇気による“未来視”。

    「満身創痍なのによく動く。それだけ彼女が大事かい? 麦わらのルフィ~」
    「当然だ!! ウタはおれの友達だ!!!」

  • 170FILM N.G.22/11/11(金) 21:39:57

     立ち上がるのさえ辛い状態の筈。だがルフィは一歩も退かず大将と向き合う。

    「ウタをやるってんならおれが相手だ!!!」
    「……2年でこれとは……若者の成長は予想を越えてくるねェ~」

     ボルサリーノは覇気を込めて武装した自らの脚に掛かってくる圧力に一筋の汗を流す。気を抜けば打ち破られると感じさせる程のルフィの覇気にボルサリーノは認識を改める。

    「“四皇”相手は骨が折れるなァ~……!!」

     今、目の前に居るのは2年前の力不足だった若者では無い。海軍最高戦力である大将が本気で相手取らないといけない難敵……四皇の一角であると。
     ボルサリーノから発せられる空気が張り詰めたの感じたイッショウは溜息を吐きつつ仕込み杖から刃を引き抜く。

    「……変わりやせんね麦わらのルフィ……友の為に命を懸けやすか。あっしとしては気乗りはしません、ですがこれも大将としての務め」

     イッショウの周囲に掛かる重力が増して範囲内の地面が僅かに沈む。“ズシズシの実”の重力操作によって大地を軋ませながら大将藤虎は光の映さぬ目で睨め付ける。

    「であれば……此方も命を賭けてお相手しやす! “戦闘開始”!!!」
    「……歌姫ウタの抹殺を再開」

  • 171FILM N.G.22/11/11(金) 21:40:10

    「ッ!!? 来るぞ!!!」

     大将2人の本気、そしてイッショウの号令と共に戦闘行動を再開させるセラフィム。その三名を前に麦わらの一味を初めとした海賊達が迎え撃とうと動き出す。
     激突は必至。

    「―――待ってくれェーッ!!?」
    「……!!!」

     そんな両者の間に身を晒して待ったを掛けたのは……ゴードンだった。

    「“止まれセラフィム”!!?」
    「……!!!」

     イッショウが間一髪の所でセラフィムを制止する。ゴードンの胸には“石の槍”の鋭い先端がギリギリの所で止まっていた。

    「…………」

     セラフィムは長大な石槍に変化させていた左手を突き出した体勢のままイッショウに顔を向ける。感情が無い筈なのにまるで無言の抗議でもしているように感じるのは短時間で命令を二転三転させたからか。しかし命令は絶対なのかセラフィムは大人しく石槍を崩壊、バラバラと纏わり付いていた物が剥がれるように元の左手に戻した。

    「……一体どういうつもりですかい? 元エレジアの国王さん。下手すりゃ今ので死んでましたよ?」
    「ゴードン……どうして……」

     困惑しながら問いかけるイッショウとウタ、そんな彼等にゴードンは涙ながらに答える。

    「……これ以上……!!! もうこれ以上この子達を傷付けるのは止めてくれェー!!! 全ては私の責任だ!!! ウタは何も悪く無い!!! ……全部……全部私が招いてしまったことなんだ!!!」

     出血により顔色は悪く息も荒い、それでもゴードンは力の限り訴える。

    「私が救ってやらねばいけなかったのに……! あの子の心に踏み込むのを恐れてしまったんだ!!! 薄々気付いていた筈なのに、私は彼女の計画をただ見ていることしか出来なかった……私は大馬鹿者だ!!! 」

  • 172FILM N.G.22/11/11(金) 21:41:28

    今日の更新はここまで
    ちょっとキリ悪くてごめんね。明日の夜にまた続き書けると思うので

    それじゃあおやすみなさい

  • 173二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 21:48:48

    ゴードンさん、今はアンタが頼りだ

  • 174二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 23:20:21

    ゴーちゃん...

  • 175二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 07:06:23

    >>今、目の前に居るのは2年前の力不足だった若者では無い。海軍最高戦力である大将が本気で相手取らないといけない難敵


    えぇ、2年間の修行に加えて、カタクリ戦でのスパルタ特訓、ワノ国での過酷なレベリングの結果ここまで来ましたよ

  • 176二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 16:11:36

    >>175

    しかも近くにシャンクスまで来てんですよ

    一味を相手すんのもめんどいのにこれはセラフィムと大将2人では無理

  • 177二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 16:14:06

    >>175

    カイドウ「おれが育てました」

  • 178二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 16:53:25

    >>177

    君とCP0のおかげで覚醒できました

  • 179二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 20:50:42

    ほし

  • 180FILM N.G.22/11/12(土) 23:11:59

    保守ありがとうございます
    書けた分を投稿しますです

  • 181FILM N.G.22/11/12(土) 23:12:37

     痛む傷など知らぬとばかりに立つ姿。その背を見るウタは何を思うのか。

    「ウタウタの能力やトットムジカの危険性ばかり不安視して私はウタから人との交流を、当たり前の日常を取り上げた……間違いだったと今ならわかる! 彼女に本当に必要だったのは辛い時に支え合える、喜びを分かち合える人との“繋がり”だった!!!」

     暗く濁った目をした少女が歌姫としての役割を得て光を取り戻した。しかし過去の真実は再び彼女に影を落とす。国を滅ぼした自責の闇は少女が背負えるような物では無く、遂には“新時代”に希望を托してそこへ逃げ込もうとした。一度閉じてしまえば二度と戻っては来られない楽園(ろうごく)へ、世界中の人々を引き連れて逃げ込もうとしたのだ。

    「ウタをそこまで追い詰めてしまったのは私だ!! 弱い私は彼女の手を引いてやれなかった!! だからこそ―――」

     悲しくて、辛くて、苦しくて。この世界から逃げ出した……そんなウタの手を掴んで離さないでくれた人が居た。
     手を離せば何処までも羽ばたいていく鳥のような彼女を、自身が傷付くことも厭わず手を伸ばし続けて掴み取ってくれた人が居た。

    「ようやく手にしたウタの“繋がり”を今度こそ守る!! もし貴方方がウタの罪を問うと言うならば……その罪の全ては私の物、私が背負うべき物だァ!!!」

     それがエレジアの悲劇で生き残った己が命の使い道なのだとゴードンは海軍大将に対して一歩も臆すること無く叫んだ。

  • 182FILM N.G.22/11/12(土) 23:12:56

     ゴードンの秘めた思いを聞いたウタは胸が締め付けられるように痛んだ。

    「ゴードン……!!」

     ウタにとってゴードンは音楽の全てを教わった先生であり、そして12年の時を過ごした……赤髪海賊団の皆とは違うもう一人の家族。そんな家族からの愛情をずっと受けていたのだと今になって知ったウタは涙を溢す。

    「……泣けるね~2人の絆。引き裂くのが心苦しいねェ~」

     だが。

    「どいてくだせェ。アンタのような良い人を傷付けたくはねェ」

     既に元帥からの指令は下されている。ならば世界政府管轄の暴力装置たる海軍本部大将はその絶大な力を振るうのみ。
     触れる者を焼き尽くす光と全てを圧し潰す重力が迸る。

    「……退がってろおっさん」
    「ルフィ君! だが……!」
    「海賊と海軍が面と向かってんだ!! やることは一つしかねェ!!!」

     ルフィは鼓動のドラムを鳴らそうとするが出来ず、代わりに血流を加速させてボロボロな体の力を底上げさせる。そして同じように満身創痍の体に鞭を打って立ち上がる仲間達に号令を掛ける。

    「行くぞお前らァーー!!!」
    「「「「おう!!!」」」」

     戦いは止められない。海賊に守りたいものが在るように海軍にも通すべき正義が在る。
     新たなる四皇とそれに味方する海賊、そして大将と平和主義の兵器。両者の凄まじい激突が荒れ果てたエレジアの地を大きく揺るがした。

  • 183FILM N.G.22/11/12(土) 23:50:34

    「―――ウ、ウタ様達の守りはおれに任せるべよォ!!!」

     バルトロメオのバリアによって身の安全は保証されたウタとゴードン。それは同時に戦闘による余波を気にしなくて良くなったことを意味する。

    「“八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)”」
    「ギャア!? 眩し過ぎだべ~!?」

     ボルサリーノから飛来する無数の光弾がバリアを連続して叩く。物理的な被害は完全に遮断するバリアであるが眩しいのだけはどうにもならない。

    「レディに向かって……何しやがるゴラァーー!!!」
    「おおっと~!」

     サンジが繰り出す燃え盛る蹴りをボルサリーノも同じく蹴りで迎撃、両者の熱が干渉し合ってより強い熱を呼ぶ。

    「やる気かい~? “黒足”。それに~……」
    「“海流一本背負い”!!!」

     激突する両者に向かって襲い来るのは水の塊。ボルサリーノを標的として放たれたそれを彼は光となって高速回避する。

  • 184FILM N.G.22/11/12(土) 23:50:47

     ジンベエが魚人柔術によって投げ出した海流はボルサリーノが消えた後も残留していた光熱にぶつかり大量の水蒸気を発生させた。近くに居たサンジも頭から水を被ったような状態になったが気にした様子も無くただ“悪魔風脚”の火力を燃え上がらせ続ける。

    「“フォグ・蜃気楼(ミラージュ)=テンポ”―――“幻霧妖精(ウィウィアヌス)”!!!」

     発生した水蒸気をナミが天候棒により霧として定着させ周囲一帯に幻の風景を作り出す。

    「光は空気に満ちる水によって拡散されて弱まる……能力者相手に何処まで通用するかわかんないけど!!」
    「流石だぜナミさん!!」
    「わしらが相手じゃ……黄猿!!!」

     強力なピカピカの能力に対して有利な戦場を作りだした彼等はボルサリーノと相対する。

    「う~ん。船長が傑物なら部下も厄介この上無いねェ~……」

     ボルサリーノは指先から撃ったレーザーが想定よりも威力が出ないことを確認すると苦笑し、それでも余裕の在る態度は崩さずに動き出した。

  • 185FILM N.G.22/11/12(土) 23:54:45

    今日の更新はここまで。読んでくれてありがとうございます
    次の更新は明日の夜を予定しています。その時に次のスレを立てようかな?

    それじゃあおやすみなさい


    本スレとはあんまり関係無いけど神っぽいウタを置いときます

  • 186二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:57:32

    神絵師と神SS師とかこのスレ主無敵か?

  • 187二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 00:43:08

    >>186


    絵文両道とは正にスレ主の事...

  • 188二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 00:45:48

    敵わぬ…(ポロッ)

  • 189二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 01:18:11

    >>186

    あらゆる物語を紡ぐ“SS”の力と、あらゆる想像を形にする“絵師”の力・・・・・・本当に無敵だよ

  • 190FILM N.G.22/11/13(日) 08:28:19

    用事で出掛ける前に次のスレ立てとくので残りは埋めてもらって大丈夫です!
    それじゃあ次スレ立ててきます

  • 191FILM N.G.22/11/13(日) 08:31:39
  • 192二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 08:38:38

    乙埋

  • 193二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 09:27:50

    埋め

  • 194二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 09:36:03

    うめうめ

  • 195二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 10:10:20

    埋め

  • 196二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 10:19:20

    お疲れ様。

  • 197二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 12:23:55

    終幕が近そうでドキドキする

  • 198二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:23:26

    埋め

  • 199二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:24:13

    ume

  • 200二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:24:34

    200ならきっとゴードンは笑顔

オススメ

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