【閲覧注意】シャカ「リリス、お前"猫(サテライト)"降りろ」リリス「え?」

  • 1二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:19:34

    「リリス、今日を以ってお前を猫(サテライト)から追放する」
    「…は?」
    それは突然の宣告だった。
    電伝虫越しに正(シャカ)から追放宣言を受けた悪(リリス)は豆鉄砲でも喰らったかの様な表情をしている。

    が、少しして高笑いし出した。
    「ク、ククク………アハハハ!!シ、シャカ、それは何の冗談じゃ!?冗談を言うだなんてお前らしくも」
    「嘘や冗談の類じゃない、私は真面目に言っているのだ」
    ピシャリと冷ややかな声を浴びせられ、リリスの顔から余裕の笑みは消え失せる。
    「せめて…せめて理由を聞かせてくれんか!?わしが一体何をしたんじゃッ!!?」
    「お前の奇行が目に余るからだ」
    「き、"奇行"じゃと!?そんなシーザーでもあるまいし…‼︎」
    「"アレ"未満だ、今のお前は…」
    電伝虫の向こうのシャカは溜息混じりに訳を話し出した。
    「『研究費の為』だの言ってエッグヘッドに近づいたものから略奪を繰り返すお前の蛮行…」
    「それらが表沙汰になる前に揉み消せるのなら構わんが、お前が先日襲った1隻の船…」
    「アレが何だと言うんじゃ!?ノコノコとこの海域に流れ着いた危機感の無い難破船以外の何者でも」

  • 2二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:20:20

    「アレは天竜人の船だ」
    その単語を聴いた途端にリリスの顔は青ざめ、冷や汗が滝の様に流れ落ちた。

    『天竜人』
    世界政府を作った19人の王達の末裔。
    マリージョアに住まう、『神』に等しい彼らに手を出すのは
    自殺行為以外の何物でもない。

    「もう私にはお前を庇いきれん、政府から『お前を差し出せ』と催促もされている」
    「じきに監獄船がここを訪れるからそれまでそこで待て」
    次々と耳に入ってくる情報に、リリスの頭脳は完全にショートしていた。
    いや、思考停止した頭でもただ一つだけ導き出せたものがあった。

    「(こ…ここに居たら不味い!!!)」

    必要最低限の私物や発明品を運び込み、あたふたと身支度をし出すリリス。

    ノシ…ノシ…

    その背後から近づくひとつの巨影。

  • 3二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:20:43

    自分で自分を追放するという新しい追放型

  • 4二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:21:39

    「おめェなにやってんだ?」
    「アトラス…‼︎」

    それはサテライトの一体、PUNK-05『暴』のアトラスだった。
    「た、たすけてくれアトラス!!シャカが変な事を言い出したんじゃ!わしを追放するとかどうとか…!」
    「ほうほう、…それでおめェは何してんだ?」
    「見れば分かるじゃろ!?ここを抜け出す支度じゃ!頼む‼︎お前にも荷物を纏める手伝いを…」
    「あァ?いやそういうんじゃなくて」



    「部外者がこんな所で何してんだって聞いてんだよ」
    冷徹な眼差しで見下ろすアトラス。
    その眼には"友好的"のユの字も感じられず、
    リリスは寒気に襲われた。

    「……何を言っとるんじゃ…?…ハッ!まさかアトラス!お前シャカに何かされッッガブフッ!!!」

    突如腹部に強い圧迫感を覚えたリリス。
    そのせいで最後まで喋る事が出来なかった。

    「………?」

    リリスは自分の腹へゆっくりと視線を下ろす。


    そこには、アトラスの巨拳が深々と突き刺さっていた。

  • 5二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:22:09

    えっちじゃん

  • 6二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:22:37

    「ッッッッッッ!!?!?」
    「お゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ッッッッ!!!!」

    倍以上の体格差のある相手からの一撃に
    戦闘タイプとは真反対のリリスの臓物はぶちゅりと嫌な音を立てながら圧迫され
    口から勢いよく嘔吐した。

    「な゛…な゛にずる゛んじゃ…わ゛しはお前の仲間、悪(リリス)だぞ…?ヴッ!ブエ゛ェッ…!」
    「悪(リリス)?…あー、確かそんな奴がサテライトに居た気がするが、先日除名処分を受けたと聞いてんぞ」

    額をトントンと叩きながら遠い過去の記憶でも思い出すかの様に喋るアトラス。
    よく見るとその額には青筋が浮かび上がっていた。

    「ゲホッ…ゲホッ、……い、居た気がするも何も‼︎これまで何百回も顔合わせておるじゃろ!!?」

    口から吐くものを吐き出し切ったリリスは蹲りながらも
    必死に訴えかけた。
    短気で粗暴だが話は分かるアトラスだけが今の彼女にとっては頼みの綱である。

    「お願いじゃッッ!!このままではわしは政府に連行されてしまう!!!お前だけがたよ゛り゛ブベッッ!!?」

    目に涙を浮かべながら助けを求めるリリスの顔面に鋭い蹴りが突き刺さる。
    助命を強制的に中断されたリリスの身体は
    地面に水平に吹き飛ばされて壁に激突した。

  • 7二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:23:00

    生存者いたのか?
    見つけた時はもう無人だったで押し通せないか……揉み消せないって事は無理だったんだろうなぁ

  • 8二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:23:26

    平静を取り繕っていたがとうとう限界に達したのか、
    ソレを皮切りにアトラスが捲し立て始めた。

    「おれァ興味ねェって言ってんだよ‼︎!"天竜人"に手ェ出したマヌケの事なんざァ!!!」
    「バカなのかおめェ!!?世界貴族に手ェ出したら不味い事ぐらいガキでも知ってる事だぞ!!!」
    「こっちはおめェの尻拭いなんざしたくもねェんだ!!!!」
    「あァそうか!!おめェは確か『悪』担当だったな!となる頭も『悪』いって事か!!?それはすまなかったよ!バカに何言い聞かせても治る訳ァねェよな!!?」

    1発1発に体重を乗せたアトラスの脚が
    床に蹲るリリスの全身をガシガシと蹴りつける。
    全身痣塗れで所々骨も折れているリリスは最早悲鳴を上げる事すら叶わなかった。


    暫くして海軍の監獄船がエッグヘッドに着港した。
    現れた海兵達に、ピクピク痙攣しているズタボロのリリスをアトラスが投げ渡す。

    この日より、"Dr.ベガパンクの1人"リリスは
    ただの罪人リリスに成り下がった。

    数日後、監獄船は着港し、リリスは黒服の男に囲まれながら
    "目的の場所"に連れて行かれた。

  • 9二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:24:32

    リリスは絶望した。

    エッグヘッドを追い出された時点で既に絶望はしていたが
    監獄船から降ろされた自分が連行された場所が何処かに気づき
    更に深い絶望に襲われた。

    そこは天竜人達が住まうマリージョアであった。

    「なっ……!何故マリージョアなんじゃ!?わしはインペルダウンに連れて行かれるのではないのか!!?」
    「天竜人がお前を御所望なのだ。世界貴族の寵愛を受けられる事を光栄に思え」

    世界貴族の"寵愛"
    これが意味する事を理解したリリスの顔は強張る。

    「ぁ゛…ぁ゛…!わ、わし…わしはこれから…」

    「ン〜、よくぞあの"ベガパンク"をここに連れてきてくれたえ」
    「……ッッッッ!!!」


    そしてその"寵愛"を与える者の声が聞こえ、この世の終わりの様な顔となった。

  • 10二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:24:58

    これがメスガキわからせですか

  • 11二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:26:16

    天竜人の宮殿内の一室に連行されたリリス。
    そこは拘束具やら拷問器具やらが並び、
    明らかに生活居住区ではない部屋だった。

    黒服の男達がリリスを床に押さえつける。
    そして服を捲り上げられ、雪の様に真っ白で綺麗な背中が露わになった。

    「た、頼む!!!やめてくれ!!!お願いじゃ!!!」
    「ムッフ〜ン、煩い女は嫌いだえ〜‼︎」
    「ヒッ…!」

    傍に立っている天竜人の片手には、
    充分に熱せられて赤く染まっている焼きゴテが握られている。

    「やめるのじゃ!!!そんなもん押し当てられたらわしが死んでしまうぞッ!!?」
    「喧しいえ、コレを押した段階で死ぬ確率はわちしの統計だと30%未満なんだえ」
    「3割もあれば充分死ぬわ!!!」

    「も、もし死んだら…!!…そうじゃ!!!わしは偉いんじゃぞ!!?」
    「せ、世界最高の頭脳を持つわしが死んだら多大な損失が…‼︎」

    「そ〜れ行くえ!五月蝿い身体を熱々の紋章で黙らせてやるんだえ〜!」

    リリスの戯言など馬耳東風な天竜人は焼きゴテを構える。
    赤熱した焼きごてがゆっくりとリリスの背中に迫る。

    「お願いじゃァ!!やめてくれ!!!やめ…‼︎……おねがいじますッッ!!!や゛め゛でくだざい゛!!!」

    背後から迫り来る熱気にいよいよリリスは取り乱した。
    しかし彼女の嘆願も虚しく焼きゴテは一定の速度で背中に接近する。

  • 12二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:27:07

    「や゛べでくだざい゛ッ!!!!やべ……」

    ジュウゥゥ

    焼きごてが押し当てられた。

    肉の焼ける香ばしい匂いが辺りに立ち込める。

    「ア゛ア゛ア゜ア゜ァ゛ァ゛ァ゜ッ ッ ッ ッ ッ ッ!!?!!?!!!!」

    凡そ世界最高の科学者とは思えない知性の欠片も感じられない絶叫。
    300℃近くの熱が一瞬にして背中の表皮を通過し
    そのまま真皮と皮下脂肪の細胞を高熱で破壊する。
    脳から全身に危険信号を発したリリスの身体は
    彼女の肉体の限界を超えて暴れようとするが
    押さえつける男達の膂力がそれを許さない。


    十数秒……彼女にとっては無限に等しい時間が過ぎ、
    漸く天竜人の所有物となる"禊"は終了した。

    「アッ…ア゛アッ……ケハッ…!」ピクピク

    床で白目を剥いて痙攣しているリリス。
    染み一つない綺麗だった背中には『天翔ける竜』の紋章がくっきりと刻まれていた。



    リリスの地獄は終わっていない。
    寧ろこれは始まりに過ぎなかった。

  • 13二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:28:22

    命乞いするときに自分の頭脳がどうとか言うの定番だけど興奮するえ~

  • 14二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:28:37

    「お願いじゃ!!!出してくれェェ!!!!」

    ある時は檻の中で怪鳥に啄まれ

    「ガバボボボゴ…!!ブブゲベババ…!!!!」

    ある時は奴隷の魚人と水中で殴り合わされ

    「ヴゥ…!オ゛エ゛ェ……ッッッ」

    ある時は天竜人が気に入って連れてきた下々民だった"モノ"を
    剥製に加工する作業を手伝わされ

    そんな苦痛と絶望に満ちた時間だけが流れ、
    数週間が経過した。


    「おい奴隷、こっち来いえ」
    「は、はい!!ただいま!!!」

    この頃になるとリリスも『口答えせずに従順にする』という
    一般的な奴隷の教養を身に付ける様になった。

    『大人しくしていれば痛い思いは少なくて済む』

    大天才の脳細胞が生み出した結論である。

    「今日はお前に日頃頑張ってるご褒美を与えてやろうと思ったんだえ」
    「ご、ご褒美…ですか」
    「(ご褒美?…いや、どうせロクなモンではないのじゃろう…しかし我慢じゃ…!我慢さえしていれば)」

  • 15二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:29:41

    「こいつだえ!」

    リリスの目の前に発情したヒューマンドリルが現れた。

    リリスの頭の中は真っ白になった。

    「あっ…あっ……!」
    「そうかそうか!声も出ない程嬉しいのかえ!!」 




    「い゛や゛じ ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ゛っ゛!!!!」

    我慢でどうこうなる限度を通り越した悪夢。
    リリスは逃げ出そうとする。
    しかし飛び掛かったヒューマンドリルによって床に組み伏せられた。

    「い゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ゛!!!!」
    「それヤるんだえ"ヤルキマンマンドリル1号"!!!」
    「猿と下々民に大した差は無いから子供が産まれる筈だえ!!」
    「た゛すげでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ッ゛ッ゛!!!!」
    「天才の子は天才と相場が決まってるんだえ‼︎わちしは賢いんだえ!!!」

  • 16二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:30:38

    ヒューマンドリルに押さえつけられたリリスはここに来た初日と同じくらい、
    いやそれ以上にじたばた暴れたが
    彼女の細腕ではこの巨大猿の腕力をどうこうできる訳もない。

    体力が続く限りもがいていた彼女は、
    暫くすると四肢から力を完全に抜き、
    されるがままの体勢に移った。
    もう彼女には現実と向き合うだけの気力すら残されていない。

    リリスが大人しくなると、それまで押さえつける以上の事を何もしてこなかったヒューマンドリルが動き出す。
    どうやら活きの良い彼女の暴れっぷりを見物して楽しんでいたらしく
    これ以上抵抗をしてこないと分かるや否や
    コトに及ぶ下準備を始めた。

    ポタポタな大粒の涙を流し続けながら、
    リリスは己の過去を思い返す。

  • 17二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:31:20

    素晴らしい…

  • 18二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:32:00

    「(どうして…どうしてこうなったんじゃ?)」

    力ずくで服を破かれる。

    「(わしは…研究したかっただけなのに…)」

    下着も取り払われた。

    「(なのにだれもわしに研究ひをくれない、けん究させてくれない…)」

    耳元にヒューマンドリルの荒い息が吹きかかる。

    「(みんないじわる…わしはわるくない…わしはわるくないもん…)」

    背中の"竜の蹄"を愛おしそうに撫でられる。

    「(わしは………わしは……)」


    そそり立つ熱いモノが尻に押し当てられた。


    「(あ)」



    「……いや〜中々な見世物だったえ〜、腹の調子はどうだえ?」
    「」
    「おい、どうしたんだえ?」

  • 19二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:32:33

    シーザーきてくれ

  • 20二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:32:58

    身の毛もよだつ様な醜行が終わると天竜人が声をかけるが
    当のリリスは全く反応しない。


    「おい奴隷、なんとか言うえ」
    「…」



    「あー、あぅうぅーア?…アぁー!!」
    「‼︎?」

    リリスは壊れた。
    口から涎を垂らし、目の焦点は合っていない。
    現実逃避の極地に達した彼女の精神は赤子へと退行してしまった。

    「ひっ…!〇〇聖、…こ、これはどうすれば…?」
    「うーむ」

    限界に達して壊れた人間の惨状を目の当たりにし、
    恐怖を覚える黒服達。
    それに対し、『この手のモノ』は見飽きてきた天竜人の対応は冷静であった。


    「コレもう要らないえ、何処かに捨ててくるえ」

  • 21二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:33:37

    「あーあうぁー、い〜〜〜〜!!!」
    「世界一の大天才も壊れちまったらこのザマか…」

    リリスは現在、数週間ぶりに監獄船に乗せられていた。
    向かう先はインペルダウン。
    世界最高の頭脳の端くれが他者に行き渡るのを防ぐ為に
    Level6に収容されるのだろう。

    「お!リリスちゃん、また何か造ったのかい?」
    「アウゥゥーー!!!」

    海兵に向かって元気よく制作物を見せつけるリリス。
    その手には『ブリキのロボットのおもちゃ』が握られていた。

    当然、監獄船にそんなモノを作る材料などある筈もないのだが
    船内に転がっていたゴミやら金属片やらをかき集めて作り出された。

    「はは、腐っても天才って訳か…まぁ"コレ"を見た人間の何人が『世界一の大天才"だった'科学者』だと見抜ける事やら…」
    「ワビュビュー!」
    「あいて!?」

    リリスがロボットを弄ると、その腕がロケットパンチの如く飛び出し
    海兵の身体にポコっと当たった。

  • 22二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:34:23

    「こら!人にそんなもの向けちゃダメだろ!!」
    「ウゥ〜〜」キャッキャッ
    「はぁ…全く」

    リリスは反省した様子すらなく、手を叩いて喜んでいる。
    海兵は溜息を吐きながら甲板を転がっていったロボットアームを拾いに行った。

    「監獄暮らしになったらもう娯楽なんざ無いだろうし、これくらいは大目に見てやるか…」

    そして足元のロボットアームを拾う為に屈む。

  • 23二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:35:05

      
      
    カチッ…カチッ…カチッ…

    「………ん?」
    「ウーゥー‼︎」キャッキャッ


    ロボットアームから何やらタイマーの様な音がかすかに聴こえた。
    後方では相変わらずリリスが無邪気に喜んでいる。



    カチッ…カチッ…

    「…なんだなんだ〜?リリスちゃん、またドッキリしようってかい?」
    「…」
    「……あれ?おーいリリスちゃん?」

    突然声が聞こえなくなった為、海兵が振り返ると

  • 24二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:35:27

    この海兵優しい

  • 25二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:36:11

    リリスは頭を抱えて床に這いつくばっていた。

    「………え?」



    カチッ…カチッ…

    相変わらず海兵の手の中のアームからは音がする。
    リリスは僅かに振り返り海兵を見据える。




    その瞳には確かな知性があった。


    カチッ

    リリスは一言だけ呟いた。

    「…………………BOOM!」



    次の瞬間、監獄船は大爆発を引き起こした。

  • 26二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:36:56

    やりやがった・・・

  • 27二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:38:02

    「ゲボッ…わしは悪くないもん…わしは悪くないもん!!!」

    荒波の中、船の残骸である木片にしがみつきながら
    リリスはうわ言の様に同じ台詞を繰り返していた。

    結論から言うとリリスは正気だった。

    マリージョアでの悪夢の日々で摩耗した精神は
    崩壊一歩手前であったが、すんでの所で
    『気が狂ったフリをしてインペルダウン行きになる』
    という妙案が彼女の中に浮かんだ。

    彼女はずっと正気だったのだ。

    「悪くないもん…!悪くないもん…!」

    いや、"半分"正気だったと言う方が正解だろうか。
    奴隷に身をやつしていた時間は、確実に彼女の心を壊していき、
    既に手遅れの所まで来ていた。
    『自分は何も悪くない』と周りに責任転換し、
    幼子の様に泣き続ける今の彼女は
    科学者として平和や秩序を志していた面影すら残っていない。

    幾度となく波を被り、リリスの体力も限界が近づいてきた。
    水平線の向こうまで何一つ見えず、大海原の真っ只中を彷徨う絶望感だけが
    彼女の中を埋め尽くす。

  • 28二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:38:21

    悪魔の実の能力者でもなし殺、しておけばよかったねぇ…

  • 29二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:38:42

    「わじ…悪ぐ…」

    やがてリリスの目の前は真っ暗になっていき、
    深い眠りへと落ちていった。

    気を失う寸前、彼女は微かに人の声を聴いた。

















    「シュロロ、なんだこいつァ、人か?…んん‼︎まさかこいつ…!」

  • 30二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:39:04

    うわクズだ

  • 31二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:39:32

    シーザーキタ━(゚∀゚)━!

  • 32二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:39:36

    よりによってそいつかぁ……

  • 33二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:39:39

    流石のクズも同情するか?

  • 34二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:40:04

    来たか…シーザー

  • 35二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:40:22

    なんだろう
    この時のシーザーは、ロビンが色んな組織を転々とした後のクロコダイルみたいな安心感がある

  • 36二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:40:52

    「………はッ!!」
    「……お目覚めか?"お姫様"?シュロロロ!!!」

    リリスが目を覚ますとそこは気球な中であった。
    目の前には見覚えのある男が立っている。

    「お前は…シーザー・クラウン!!!」
    「いかにも!おれこそが天才科学者シーザー・クラウンだ!!
    「そういうお前は確か……ベガパンクの猫(サテライト)の1体…悪(リリス)だったか…?」

    直接的な面識は一度か二度しか無いが、
    科学班でオリジナルのベガパンクの同僚であったこの男の事はある程度知っている。

    シーザーもまた、口ではまるでうろ覚えの様な言い草だが、
    実際には『憎きベガパンクの分身体』の事ははっきりと記憶していた。


    「なぜわしを助けた……?」
    「あァん?別に助けた訳じゃあねェよ、偶然気球で通りかかったら海面に水死体が浮かんでるもんだから、身ぐるみ剥いで捨てちまおうと思っただけだ」
    「しかしその水死体は息があった!……しかもよくよく見ると何処か見覚えのある奴だった、誰だったと思う…?」

  • 37二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:41:50

    「こいつァウケる!!"あの"ベガパンクが物乞いみてェな格好で海に漂ってるってんだからよォ!!!」
    「しかも何だその背中は!?……"天翔ける竜の蹄"‼︎!天才極まってついに奴隷の趣味にでも目覚めたってか!!?」

    リリスは自身の身体を見た。
    単に気球の中が汚れるなが嫌だったからなのだろうが、
    ボロボロだった服は多少はマトモな服に着替えさせられている。
    その際に背中の焼印もシーザーに見られた様だ。



    「ヴ……ヴゥッ……」
    「おほォ!?ここまで侮辱されちゃ流石のベガパンクといえど泣いちまうのか!!?」
    「ヴゥッ…!……ヒック…!」
    「いいぞいいぞ〜⤴︎好きなだけ惨めに泣き喚けェ!!」

    目に涙を浮かべ、俯きながら肩を震わせるリリスと、それを愉快そうに見物するシーザー。

  • 38二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:42:57

    「……ヴエ゛ェ゛ェ゛〜〜〜ン゛!!!」
    「…のわァッ!!!?!?」

    リリスはシーザーの懐に飛び込んだ。

    「ジィーザァァァァァァ〜〜!!!!」
    「なんだこいつ!?やめろ気色悪ィ!!ひっ付くんじゃねェ!!!」
    「ごわがっだよ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!」



    ひとしきり泣き喚き、落ち着いたベガパンクは、ことの顛末をポツリポツリと話し出した。

    「背中が熱くて…!痛くて!!」
    「ウンウン」
    「最後は野蛮な猿の…あの凶悪な…ヴップ、…すまん、これはもう、思い出したくもない…」
    「オーオー、カワイソウニカワイソウニ」

    今にも泣きそうな顔で悲劇の数々を語るリリスと
    ソレを右から左に聴き流し、涙と鼻水で汚れた己の衣服を拭く事に集中しているシーザー。

    「…特にあいつらは絶対に許さん…!天竜人め…!"世界政府"め…‼︎」

    「みんなころしてやるんじゃ!!!」
    「ソウカソウカ、ソレハソレハ………ん?」

  • 39二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:43:02

    シーザーエミュうますぎだろ

  • 40二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:43:18

    >いいぞいいぞ〜⤴︎

    余裕で脳内再生できて草

  • 41二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:43:56

    このクズ好き

  • 42二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:44:27

    『世界政府を殺してやる』、リリスがそう発言した途端、
    シーザーは手をピタリと止めた。

    世界政府の科学班を追い出され、危うく監獄送りになりかけたシーザーも
    政府の事は快く思っていない。
    あわよくば"仕返し"の一つくらいはしてやりたいとさえ思っている。

    だが、このシーザー・クラウンという男はなかなかに保身的である。
    政府に喧嘩を売ればただでは済まない事も重々承知している。

    「……」
    「な、なんじゃシーザー…わしの顔に何か付いとるのか…?」

    シーザーはリリスをしっかりと見据えた。

    今目の前には"世界最高の頭脳"がある。
    しかもその頭脳を持つ者は偶然にも、強い憎悪の念を政府に向けている。



    「………なァリリス…おれに一つ"策"があるんだが…」


    シーザーの口角は歪に吊り上がった。

  • 43二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:45:18

    相槌多分めっちゃ棒読みだわ

  • 44二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:45:23

    「報告ゥ〜〜!!!マリージョア上空に謎の飛行物体が!!!」


    マリージョアに警報が響き渡る。
    天竜人の居住区域上空に謎の"飛行船"が旋回していた。
    しばらくすると、飛行船の下部から紫色のガスが散布される。

    「なんだえ!?身体が固まっ…!」
    「お゛ゲ…!吐き気がずる゛えぇ…!」
    「ヒッ…!ガスに触れるな!!屋内に避難しろ!!」

    ある者は身体の表面が真っ白に硬化し、ある者は激しい目眩と麻痺に襲われ
    マリージョアは瞬く間に地獄絵図と化した。

    「飛行船を撃ち落とせ!!
    「誰が乗ってるのか知らんがこれは政府に対する明らかな反逆行為だ!!!」

    当然ガスの元である飛行船を撃ち落とそうとする者が現れたが
    その途端に飛行船は別種の白いガスを周囲に散布し、
    蜃気楼の様に揺らぎながら姿を消した。

  • 45二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:45:34

    お前船降りろ系のネタスレかと思ったらとんでもねぇSSに辿り着いた...

  • 46二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:45:49

    なぜかこのシーザー頼り甲斐があるな

  • 47二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:46:38

    「シュロロロロ!!天竜人め、中々思い通りの反応をしてくれた!!お陰で良い実験データが撮れたぜ!!!」
    「そうじゃな!!!お前の殺人ガスとわしの光学迷彩を合わせるだけで見事に奴らを手玉に取れたわ!!!」


    一方、飛行船内では実験の成功を喜ぶ2人の科学者がハイタッチをしていた。






    マリージョアの惨劇に続き
    各地の政府関連の施設で似た様な事件が立て続けに発生し、
    辛うじて撮影された写真を元に、事件の主犯に懸賞金が掛けられた。


    "マスター"シーザー・クラウン 7億1200万ベリー

    "自称ベガパンク"リリス 8億9000万ベリー

    この日、史上最悪の犯罪者のコンビが生まれた。


    〈〈おわり〉〉

  • 48二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:48:17

    まあこの2人が組んだらこれくらいは簡単だろうな

  • 49二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:48:19

    オワッチャッタ...

  • 50二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:49:51

    見事なSSだと、お前は語り継がれる…

    頭脳面の最強コンビができたけどシーザーは追い詰められたらあっさりリリス見捨てて自分だけ逃げそう

  • 51二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:52:20

    面白かった

  • 52二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:54:56

    曲りなりどころかガチモノのベガパンクブレインを野放しにしたらどうなるかの一例

    本編では「おどけるバカは囮か!」みたいな反応してたからリリスも普通に確認ぐらいするか
    そもそも「不幸な事故」として世界政府がもみ消して態々言及しないか
    シャカがドラゴンと繋がってた事が影響するかでまあ船降りろにはならないだろうけど
    だからこそのIFといえる…曇らせかと思いきやシーザーとの大暴れENDとは度肝を抜かれた

  • 53二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 17:55:25

    かわいそうかわいい
    あ〜バッキバキだよこんなん見せられたら

  • 54二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 18:00:38

    信頼してたシーザーにもピンチの時あっさり見捨てられて泣きじゃくってほしい

  • 55二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 18:03:18

    他のサテライトが見たらどんな反応するか

  • 56二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 19:21:27

    神SSだった

  • 57二次元好きの匿名さん22/10/30(日) 20:13:26
  • 58二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 05:46:30

    > 一方、飛行船内では実験の成功を喜ぶ2人の科学者がハイタッチをしていた。

    ここすき

  • 59二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 14:26:02

    リリスちゃんかわいそうかわいい

  • 60二次元好きの匿名さん22/10/31(月) 19:48:09

    このリリスちゃんはシーザーに頼んで腐食性のガスか何かで背中の龍の蹄と、「PUNK-02」の数字の部分だけ焼いてそう

オススメ

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