- 1二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 15:10:21
天皇賞・秋。
このレースは私、いや、私たちにとって特別なレースです。
天気は晴、芝良、去年とほぼ同じ条件のコースとなり一層特別感が強くなっていきます。
「よう、前走は散々だったな、お前。」
青空から差し込む光を草木が遮り、影がかかるゲート前、私は一人のウマ娘さんに声をかけられました。
「あ、あの時は調子が悪かったんですよ・・・。」
前走は7着だった。あの時は太め残りだったとはいえ公式のレースでは私にとって最低着順だった。
「腹の調子がか?」
「うぐぅ・・・。」
人が気にしていることを平気でつついてくる・・・。やっぱり私はこの人が苦手です。どうしてスズカさんはこの人と仲良くできるんでしょうか。
でも、仲良くはできなくてもこの人が心の奥底で秘めているものは何となくですが感じ取れる気はします。
やさぐれているだけで本当に悪い人ではないんだと思います。
「そういうわけもあって俺たちは一番人気にはなれなかったな。」
「そうですね。」
この秋の天皇賞には『一番人気は勝てない。』というジンクスがある。
昨年の一番人気はスズカさん。そしてそのレース中にスズカさんは骨折。競争中止となりました。
「で、その一番人気様はゲート前で何をやってるんだ?」
「セイちゃん・・・。」
セイちゃんはゲートの中が大嫌いだそうです。どうしてだろう?
「・・・まぁいい。」 - 2二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 15:10:29
「・・・改めての確認、いや、宣言だ。一度しか言わねぇ。」
だらけていた空気が一気に引き締まったように感じ、私も気合を込めなおします。
「・・・はい。」
「このレースは俺にとって、お前にとって、あいつにとって大事なレースだ。一番人気のジンクスに咬みつけねぇのは不本意だがそこは本題じゃない。やることは単純明快、俺たちでバ連を取る。それだけだ。このレースだけは絶対に取れ。」
「はい。」
正直なところ一着を目指すのは当たり前のことだが、今回はそれ以上の意味がある。
「ま、せいぜい頑張りやがれ。俺はいつものように走るだけだ。お前もいつものように走ればいい。」
「わかりました!!」
元気よく返事したことで機嫌を損ねたのか悪態をつきながらゲートに消えていきました。
私も返事してくれなかったことにへそを曲げつつ私もそれに続くようにゲートに向かいます。
このレースは私、いや、私たちにとって特別なレースです。
見ていてくださいスズカさん。これが私たちがスズカさんに送る『メッセージ』です。 - 3二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 15:13:01
終わり。スペちゃんとステゴ(リョテイ)さんの妄想がはかどったので投稿してみました。
ちなみに結とか書いてますが単発です。 - 4二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 15:15:54
アリだから♡押してあげる!
- 5二次元好きの匿名さん21/10/24(日) 15:34:51
ワーイ