- 1二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:17:57
- 2二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:18:56
こないだセガのスレでそんな感じのSSは見た
- 3二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:19:00
ないよ
- 4二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:19:09
探せ
それ以上はお前が始めた物語になるぞ - 5二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:19:50
書くんだ。
お前の望んでいるものはお前の中にしかない - 6二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:19:50
お前が書け
- 7二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:20:22
お前が書かないから無いんだ
- 8二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:20:50
え、ないの
じゃあ書くわ - 9二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:21:10
- 10二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:25:33
ヨシ!
- 11二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:27:25
結構良いSSだったけどなんでこのスレに投下したのか
- 12二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:36:41
俺はかつてダイヤちゃんとトレーナーのイチャイチャネタが読みたくてスレを立てたんだがお前らの予想した通りセガとジンクスに呑まれた
- 13>>122/11/02(水) 00:37:50
「さてジンクスについてのお時間です」ダイヤは小鳥のさえずりのような声で切り出した。「私はこれまで数多くのジンクスを打ち破って参りました。しかしながらその中には打ち破らなかったものも数多くあります。それはどういうものでしょう」
「……いいジンクス、だよな」俺はadobeを弄りながら答えた。キタサンブラックとの友情をより深められるジンクス。彼女はそれを尊いものとし、柔軟に受け入れて見せた。間違いない。俺がダイヤのことで間違えるはずがない。
「その通りです。私がURAを制覇できたのも、サトノダイヤモンドとして名を刻むことができたのも、またジンクスのおかげですね」柔和に微笑む彼女から、ふと目を逸らした。理由はなかった。なんとなくそうせねばと思ったのだ。
「私、ちょっぴりご都合主義なんです。だっていいジンクスは履行します。私とみなさんを結びつけたのだってジンクスなんですし、トレーナーさんとだって、新人トレーナーは勝たせることができないというジンクスを打破するために契約を交わしました」
「ああ」
「そしてパパとママは言いました。娘をよろしく頼む……と。あなたは狼狽えながらも頷きました。
さて問題ですよトレーナーさん。こんなやり取りを経た二人は、さてどうなるのでしょうか」
そういう意味じゃないだろう。否定する言葉はいくらでも思いついたが、どれも形となって吐き出されることはなかった。ただただ机に背を預けて足をぶらぶらさせている随分行儀の悪くなった彼女を否定することは、何となく嫌だった。
「ダイヤは執念深いんですよ? 打ち破るまで何度も足を運びました。この三年間、決して諦めませんでしたから」
彼女は軽やかな足取りで眼前まで迫ってくると、
「それに差し脚質って、最後の最後に差し切って勝利するといういいジンクスがありますよね? ふふっ」
URAも終わったし、彼女の望みも叶えることができた。
だけど清楚なようでいて破天荒かつ欲張りなお嬢様は、もうとっくに第二ラウンドを始めているのだった。
わからん - 14二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:38:25
その調子だ
- 15二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 00:40:03
良いぞ良いぞ
- 16二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 11:59:03
「イルミネーション、綺麗ですね」
「そうだね」
二人が担当契約をして何度目かのクリスマス。今年も街はクリスマスの賑わいを見せている。
「今年もこうしてトレーナーさんと一緒にイルミネーションを見られて、とても嬉しいです」
「大一番の前だからな。このところ追い込みモードだったし、今日はゆっくり羽根を伸ばそう」
「そうですね。トレーナーさんもお忙しい中時間を取っていただきありがとうございます」
「ダイヤのために時間を取るくらい、大したことじゃないさ。俺も気分転換できるしね」
年末の総決算、有マ記念。それを目前にトレーニングに仕事にと互いが忙しい中、「二人で出かけたい」と言い出したのはサトノダイヤモンドだった。
「しかし、珍しいな。ダイヤのこういうお願いは」
「そうですか?」
「時間を取ってほしいと言われても、レースに関することだったり短時間で終わるサプライズイベントみたいなものだったりで、行きたいところがあるから1日丸っと開けて欲しい、というのは無かった気がするよ」
「やっぱり負担をおかけしてしまったのでしょうか……」
「あぁ、違う違う。逆だよ」
「逆?」
「こういう我が儘はもっと言ってくれた方が、俺は嬉しい」
「え?」
「ダイヤは、サトノ家の悲願を背負いトレセンに来て、見事に果たして見せた。そしてそれで終わりではなく、後に続く子たちのための規範であろうと努力を怠らない。でも、だからこそ──年相応にはしゃいだりしているところを見ると、ちゃんと『今』を楽しめているんだなって、安心するんだよ」
「今を楽しむ……」
「うん。悲願も、努力も、未来のためのものだ。そしてそれは確かに大事なものだ。でも、それと同じくらい、学生である今しかできないことっていうのも大事だと思うんだ。そしてダイヤには、それをたくさん楽しんでほしいんだよ」
「トレーナーさん……。……わかりました!私、全力ではしゃぎます!」
「そんなに力むものでもないのだけれど……でも、うん、いいね。今日は全力で楽しもう!」
「はい!」
そう言うと、サトノダイヤモンドはトレーナーの手を取りあちらこちらへと駆け出した。
目についたお店に入っては、普段見ないものを見て目を輝かせる。
そんなサトノダイヤモンドの態度は、普段とはかけ離れた年相応の少女のもので、トレーナーはリラックスできている様子に満足気に頷くのだった。 - 17二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 11:59:21
ウィンドウショッピングでいくつかのお店を見て回った後、ふと、トレーナーは浮かんだ疑問を口にした。
「そういえば、今日の目的地はどこなんだっけ?」
この日の約束をするとき、サトノダイヤモンドは『行きたいところがある』と言っていた。
そろそろイルミネーションが点灯し、街を彩るころだが、ここまでそれらしき場所には立ち寄っていない。
「あ、はい。そうですね……ちょうどいい時間ですし、そろそろ行きましょうか」
そう言ってトレーナーの手を引くサトノダイヤモンドの先導に従って街を歩く。
だんだんと人が増えていき、混雑してきた。はぐれないようにつないだ手に力を入れる。
この先には確か広場があったな、などと考えて歩いた先で、その目に飛び込んできたのは──
「うわぁ……!」
「おぉ……」
そこにあったのは、例年以上に豪華になった特別製のイルミネーションだった。
絢爛豪華な舞踏会のホールも斯くやと言わんばかりの色とりどりのオーナメント。
見上げた人々は、思い思いに感想を口にし、あるいは言葉を失い、ゆっくりと歩みを進める。
二人もその流れに乗る。
「綺麗……ですね……」
「そうだな……。こんなにすごいなんて、想像もしてなかったよ……」
言葉少なに感動を分かち合う。
そのまま歩みを進めていると、広場の中心にあるクリスマスツリーの前にたどり着いた。
あまりに豪華な装丁に、少しの間、二人とも言葉をなくし、ただ見上げていた。 - 18二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 12:00:03
しばらくして、サトノダイヤモンドは、何かを決心したように言葉を紡いだ。
「トレーナーさん。……私、勝ちます。勝ってみせます」
「うん」
「そして、私はトゥインクルシリーズを引退します」
「うん」
「だから、そこから先の話は、担当ウマ娘じゃない一個人としての願いになります」
「……」
「私はこれからも、トレーナーさんの……あなたの隣にいたいと、思っています」
「ダイヤ……」
真っすぐ前を見て告げるサトノダイヤモンド。トレーナーはどう反応していいのかわからず返答しあぐねていた。
「……」
「……」
二人の間に沈黙が落ちる。先にそれを破ったのは、サトノダイヤモンドだった。
「すみません、困らせてしまいましたね。気にしないでください…とは言えません。大いに気にしていただきたいのですが……。ともかく、今は返事は結構です」
「そうなのか?」
「これは、私の決意表明と、私の願いを、はっきり口にしておきたかっただけですので」
「……わかった」
トレーナーを見ないまま、強い瞳と口調で、サトノダイヤモンドはそう告げたのだった。 - 19二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 12:00:59
帰り道、再びとりとめのない会話をしながら夜道を歩く。
その途中、トレーナーは聞いてみることにした。
「そういえば、なんであの場所だったんだ?」
「今回の装飾職人さんの作ったイルミネーションはいくつかあるみたいなのですが、あまりに見事なこともあって、見られるだけでも幸運なんだとか。そのせいか、そこで願ったことは叶う、なんていうジンクスもあるみたいですよ」
「ジンクスか」
返ってきたのは意外な答えだった。
──しかし、目の前の彼女にとってジンクスとは…。
と不思議に思うトレーナー。
その様子に気づいたらしいサトノダイヤモンドが、逆に質問をしてきた。
「不思議ですか?ジンクスを破らないのか?って」
「そうだね。これまでがこれまでだったから」
「そうですね。ですが、何も不思議なことではないのです」
くすくすと、サトノダイヤモンドは楽しそうに笑う。
「……私にとってトレーナーさんとのことは、ジンクスを味方につけてでも叶えたい大事なことだということです」
そう言って微笑むサトノダイヤモンドは、どんな宝石よりも美しく艶やかに輝いていた。 - 20二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 12:01:46
無いの?と言われると書きたくなっちゃうのが僕の悪い癖。
思ったより長くなっちゃったぜ。 - 21二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 12:02:47
サンキュー杉下警部
- 22二次元好きの匿名さん22/11/02(水) 12:16:22
こういうの少ないから助かる