- 1木主です。22/11/03(木) 16:01:17
- 2二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 16:02:04
釜を煮込んでおくから頑張って書け
- 3二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 16:03:20
分かる。俺もその方のファンアート大好き。それはそうと、待ってるからな、スレ主🍲
- 4木主です。22/11/03(木) 16:04:13
「わたしの将来の夢は世界一の歌手になって、世界中のみんなを幸せにする歌を届けることです!」
ライブステージ上で高らかに歌い上げるように、私は自分の夢を教室の中で披露する。自分が将来やりたいこと、叶えたいことを端から端までめいいっぱい書き上げた作文用紙を、大好きな楽譜の様に手に持ちながら、腕をピンッと前に出して、胸を張りながら自信満々に立っている。
今の私は、まるで夢にまで見た歌手のよう。
想像する。自分の目の前にはきっとたくさんの観客がいて、私の歌を待ち望んでいる。
目をこらす。私の歌を通して、幸せそうなみんなの笑顔が見える。
耳を澄ます。そう、その次には、きっとみんなの幸せな歓声が……。
「なにそれwwガキっぽww」 - 5木主です。22/11/03(木) 16:07:48
ナイフのような尖った口調で一人のクラスメイトが私に口汚い言葉を投げ捨てる。
「……え?」
「おまえ自分の親が誰だかわかってるのかよwww」
「なれる訳ないでしょw…おまえなんかがww」
「夢見すぎぃww」
「ねぇせんせー、ウタの番なんか飛ばして次いこーよー」
「歌だけ上手くても意味ないってww」
「歌なんかでみんな幸せにできんなら今すぐやってみせろよwwwオラww」
「ほんっと、こいつこのクラスにいらねぇよなぁ…」
「学校やめちまえおまえ」 - 6木主です。22/11/03(木) 16:13:10
壮絶な罵詈雑言が、私の心に尖ったナイフの様に一つ一つ、いくつもいくつも、突き刺さっていく。先程まで私がいた輝かしいライブステージは、真っ暗闇に染まり、私だけが赤いスポットライトに照らされてぽつんと立っている。私の眼前に広がる観客全員が私に白い目を向け、私の一手一足を嘲笑い、ケラケラと後ろ指を指してくる。
「コラコラ……お前ら言い過ぎだぞ…w」
味方だと思っていた先生までもがヘラヘラとした薄ら笑いを浮かべながら、心にも思ってない注意をみんなに発する。
忘れていた……いや忘れたかったかもしれない。
そう、この教室に私の味方なんて居なかった。
支えてくれる人なんて一人もいなかった。
誰一人……私の歌を信じてくれる人なんていなかった。
手に持った作文用紙を引きちぎりそうになるくらいぶるぶると震わせながら、私はステージから逃げ去るように自分の席に座る。
何も言い返せなかった。
何も歌い上げることなんて叶わなかった。
その場から逃げ去るなんて歌手失格なのに。
……私にできることなんて……みんなを幸せにするなんて夢……そんなもの叶わないと心の中で思ってしまった。
……泣かない。
こんなコトで泣かされちゃダメ。
私は大人なんだから泣いちゃダメ。
一人で生きていかなくちゃダメだから……絶対泣かない。
私は胸からこみあがってくる、吐きそうになるくらいドス黒い濁流を、自分の小さな腕で必死で胸に押さえつけながら机に伏した。 - 7二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 16:13:40
ここまで嫌われてるし親ディスられてるしシャンクスはヤクザなんか?
- 8二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 16:14:58
- 9二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 16:20:59
教師お前教職降りろ
- 10二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 16:31:58
二次だしリアルの話をするべきではないけど現実でも生徒をいじって笑い者にする教師とかいるんだよな…
- 11二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 16:32:45
このレスは削除されています
- 12二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 16:38:06
教師の件は悪かったな
裏垢を晒し上げておいた - 13木主です。22/11/03(木) 16:50:46
━━━━━━━━
「…………親がなんだってのよ」
ブランコに揺れながら、一人、孤独に、人気のない公園で不満を吐き出す。遠くで私と同じくらいの子供たちが睦まじく遊んでいる声が木霊して聞こえる。今の私にはそれだけで虫唾が走る気分がした。夕暮れの光もうまもなく私が座ってる位置まで闇に包み込もうと逃げる準備を始めている。
……私の親、シャンクスはこの国では知らない人がいない大悪党……いわゆる"マフィア"ってやつ。入学当初はそんなことみんな知らなかったら、私が歌えば、たちまちみんな向日葵よりも明るい笑顔を私に向けていた。
試験前の忙しい時だろうが。
喧嘩で泣いた後だろうが。
家で嫌なことがあった後だろうが。
みんな私の歌で幸せな笑顔になっていた。私にとってそれは太陽の光よりも眩しくて、かけがえのないものだった。
そんなある日、私の担任がシャンクスのことをポロッと漏らしたせいで、私の周りは一変して変わり果ててしまった。
ある人は怖がって私を避けるようになって。
ある人は面白半分でちょっかいをかけてきて。
ある人は涙を流しながら私の前にひれ伏して。
そして、私が無害だとみんなが理解した日には、みんな私に逆恨みをしだして 、私のあることないことを噂しては、泥よりも汚らしい言葉を私に投げつけてきた。
そして、いつの間にか私の歌を真剣に聴く人はいなくなっていた。
私は、ひとりぼっちになった。
「ウタァ!見ろよこの犬!ルゥみてェにでっけェケツwwして……あれ?」
……忘れてた。そういえば私の歌をちゃんと聴いてくれる物好きなやつ、まだ一人だけいた。この耳が壊れそうきなるくらい騒がしいガキンチョだけが、私の歌をいつまでも聴いてくれていた。 - 14二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 16:52:16
やはりシャンクスは良からぬ仕事をやっていたのか...
ジョルノみたいだな... - 15木主です。22/11/03(木) 16:52:20
- 16二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 17:00:50
ゼハハハハ...
まだ様子見だな... - 17二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 17:01:28
教師がわざとやってんのかというレベルで意識低すぎる
- 18二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 17:17:26
- 19木主です。22/11/03(木) 17:18:05
「どうしたウタ?そんなしょんぼりして」
「しょんぼりなんかしてない…!ていうか何の用?今日は修行ない日でしょ?何も用ないならあっちいってて」
一人になりたい私は、そうやってルフィに対して素っ気ない態度をとってしまう。……正直、心の中では慰めて欲しいと弱い気持ちがあった。頑固者のシャンクスすら虜にしてしまう不思議な明るさを持つ子だから、きっと話をしたら私も元気になれるはず。……でも2歳年下のガキンチョにそんな不甲斐ないマネしたくないと、ルフィ顔負けのガキンチョプライドが邪魔をした。
そんな風に思いふけってると、ルフィは何事もないように私の隣にあるブランコに立ち乗りして、わんぱく坊主顔負けの身体能力で大振りにブランコを揺らし始めた。
「何かあったろ」
「何もない」
「もしかして腹減ったか?カエルならさっき捕まえたけど、一緒に食うか?」
「食わない!ていうか、お腹減っててもそんなばっちぃもん食べない!」
「じゃあ何だよ」
「しつこい!何もないって言ってるでしょ!いいからあっち行って!」
「絶対ェやだ」
……しつこっ!!なに!?私の事好きなの!?
心の中でそうツッコミを入れるくらい、今日のルフィはやたら食い下がる。……まあ、いつも勝負事で結構食い下がるやつだけども、今日はまるで駄々をこねる子供のようにいつにも増してやたらとベッタリとしてくる。
……え、もしかして私の心の中のぞいてたりする?
……私が落ち込んでるって気付いてそばにいるの?
……そんなトンチキな能力あり?
……私の頭までアホになってくような雰囲気に飲まれながら、私は首を犬みたいに左右にブンブンと振って正気に戻ろうとする。
そしたら、さっきルフィが攫ってきたおデブな犬が、私を犬と間違えたのか、近付いてきた。
この犬も寂しかったのかなぁ、ルフィに着いてくるなんて。
私は、その犬を憐れんで顎を優しく撫でようとする。そしたら、犬はバウッ!と私に叫んでから、さっさと公園の出口の方へ走っていってしまった。
はぁ……また嫌な気分になった。
ため息を着いた私は多少投げやりにルフィに話しかけた。
「ねぇ、ルフィ。……ルフィって将来何になりたい?」 - 20二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 17:44:41
ゼハハ...
- 21二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 17:54:12
えっちな展開を期待して支援する
- 22木主です。22/11/03(木) 18:02:34
「将来……将来かぁ。……消防士もいいけど……やっぱアレだろ!」
「"アレ"?」
「"この国で一番偉ェやつ"!これ一択だ!」
……訳の分からない回答に一瞬私の脳がエラーを吐き出す。あまりにもフワフワとしたその回答にさっきまで落ち込んでいた私も、さっきまでの心をどこかに放り捨てて思わずツッコミをいれてしまう。
「……え?どういうこと?大統領にでもなるつもり?」
「はぁ?だいとーりょーなんて嫌だよおれ。あんなの自由じゃねェ!もっともっと自由で、何にも縛られねェ偉ェやつにおれはなる!そんでこの世界を一からひっくり返す!ししっ!」
……めちゃくちゃすぎる。
ガキンチョでも言わないような、あまりにもおとぎ話みたいな話を自信満々に話すその姿に一瞬呆れてしまう。しかし、そのすぐ後に、その回答があまりにも"ルフィらしい"ことに気付き始め、何か心の底から底抜けに明るい黄色な感情がふつふつと湧き上がり、私の喉まで到達すると、私の口から笑い声が漏れてしまう。
「プッ……プハハハハww!何よそれぇ〜w!意味不明すぎて笑えてくるw!あんたっぽいっちゃあんたっぽいけど、やっぱガキンチョすぎるねw!ルフィはw!」
「おい!?ウタ笑うんじゃねェ!?おれは"いんけん"なんだぞ!!」
「それを言うなら"しんけん"でしょ?まったく……頭までガキンチョなんだからぁ……はい、今ので私の182連勝目ね。」
「は!?ム!ムギギギギ!今のは勝負じゃねェだろ!ウダァァァァァ!抗議だ!今のは無効だ!」
「出たw負け惜しみぃ〜ww」 - 23木主です。22/11/03(木) 18:02:56
なんだか……いつも通りの調子に感化されて、さっきまでの嫌な感情がどこか遠くの方に北風で飛ばされた気さえしてくる。今ルフィと話してる時間は、間違いなく今の私にとって何よりも欲しかったもので、私の心をじんわりと癒していくものだった。
……良かった。このまま終われば、ルフィに弱い所を見せずに明日からまた頑張れる。
……そう。また一人で、自分に向き合える。
そう思っていると、ルフィの口から私が一番答えたくない話題が出てくる。
「じゃあ、そういうウタは、一体何になりてェんだよ?」 - 24木主です。22/11/03(木) 18:03:44
だいぶ先だけど……頑張れ……!
- 25二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 18:15:54
これって何年生とか設定とかある?
- 26二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 18:18:02
- 27二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 18:20:49
- 28二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 18:20:50
- 29二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 18:26:18
皆イッチのインスピレーション元好きねぇw
- 30二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 18:39:27
- 31木主です。22/11/03(木) 18:46:10
「私……私か……わた…し……は……ね」
ルフィに全部さらけ出して楽になってしまいたい。
でも、正直に答えてしまおうかどうしても迷ってしまう。
気にしてないつもりでも、さっき言われた言葉のナイフは私の心に刺さったまま、未だに自分の心を抉ってくる。
何より、私はさっき自分で自分のことを歌手になる資格なんてないと思ってしまった。
そんな私に「歌手になりたい」と言う資格なんてあるだろうか。
私が……私が出した答えは……
「わ、私キャビンアテンダントかな!ほら!私みたいにプリチーな女の子にはああいうのピッタリでしょ!ほら!私笑顔可愛いし」ニコーッ!
……自分の心に、そしてルフィに対して嘘をつくことだった。私は泣きそうな青色の心を表面に出さないように取ってつけたような笑顔をルフィに向け、両の手の人差し指をほっぺに当ててあざといポーズをする。
やっぱりあんなこと言われて、もう歌手になりたいなんて怖くて言えない。
そう、弱虫な私は……私の夢から完全に逃げ出した。
すると、怪訝そうな顔をしたルフィが、突然ブランコを降りて、私の目の前にスタスタと立つと、私の目に視線を合わせながら、大胆にもキスをする寸前くらい、私に顔を近付けてくる。
「わっ///!わわっ///!」
突然のルフィの行動に、私は逃げ腰になり、背中の方向にブランコから滑り落ちてしまい、ちょうどルフィに押し倒された形になる。ルフィが私の頭を手で支えてくれたから痛くはなかったが、当の相手は私の事なんか意にも介さず、マジマジと私の顔を見つめ続けている。
目の前に迫る、よく見ると整った顔立ちをした2歳年下の男の子の顔に、不覚にも女の子としての恥ずかしさが芽生え、視線を右に逸らす。たまに唇と唇が触れそうになり、ルフィの吐息が私の鼻ら辺にこそばゆく当たる。
さすがの私も、たまらずに顔が段々と紅くなってくのを感じた。
「な、何///?ルフィ///?急に大胆じゃない?……やだなぁ……やっぱ私の事好きなの///?」
そんな感じで冗談を飛ばしていると、ルフィはいつにも増して真剣な声色で私に向けて言葉を向けてきた。 - 32木主です。22/11/03(木) 18:46:56
「何が笑顔だよ」
「お前ェ、泣いてんじゃねェか」 - 33木主です。22/11/03(木) 18:51:31
原作通りルフィ7歳×ウタ9歳だから、大体小学1年生と小学3年生の話として書いてます。
ちなみに先の展開ちょい出しすると、いま書いてるのは過去編みたいな感じで、後で現代(ルフィ19歳 ウタ21歳)に時間軸飛びます
- 34二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 19:14:48
元の創作好きだし、これもめっちゃ面白いから期待しかない
- 35二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 19:18:02
この話大好き。だが、小1の頃間違えて夢発表のとき、「サッカーボールになりたい」って言ったことが思い出されて辛い
- 36二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 19:20:04
ゼハハ...
早く気ぶりたいぜ... - 37二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 19:24:11
- 38木主です。22/11/03(木) 19:24:46
「あ……あれ?…何で……?」
ルフィに言われて気付く。
私の目からは、幾つもの線を私の肌に作りながら、冷たい涙が滴っている。
驚いて、とっさに手で拭っても拭っても目からは涙が止め止めもなく流れ続け、公園の冷たい土を濡らしていく。
「人前では泣かない」って決めたのに、さっきまでは我慢出来たのに……なんでだろう、ルフィの前では我慢出来なかった。
自分でも思いもしない行動に驚いてると、ルフィが優しく、それでいて怒りも感じさせるような声色で私に聞いてくる。
「……誰かに泣くくらいひでェことされたのか?」
ダメ!泣いたら!今泣いちゃったら……!ルフィに年上として示しがつかないじゃない!
私の方が年上なのに……不甲斐なく泣くなんていやだ!
私は傍から見ても苦しい言い訳を、涙声でルフィに訴える。
「わ、私……私……エグッわ…ウグッわた……泣いてない!泣いて……うう……泣いてなんか……ズビッ…私お姉ちゃん……だ……エグッもん……ウアア!ウウウウン……!」
酷い泣き声だと自分でも思う。
自分でも何を言いたいのか、何を言ったのかさっぱり分からないくらい、思考もぐちゃぐちゃ。
でも耐えきれない。
涙は滝のように次から次へと溢れ出していく。
誰かにさらけ出したい溜まりに溜まった言葉が胸から溢れ出していく。
ルフィは私の手を強く握り、私のおでこと自分のおでこをゴチんっとぶつかるように合わせて、毅然と口を開いた。
「……話してくれ」
私の心はついに決壊した。
今まで我慢していた言葉が、タガが外れた様に次から次へと口から飛び出していく。
いつにも増してぐちゃぐちゃなその言葉は、まるで子供が作った音痴な歌のようだった。
「わ、私……エグッ世界一の歌手になりたいって……グズッ…みんなを…幸せにする歌を作りたいって言ったら……みんなが"なれる訳ない"……ウグッ…ってひどいこと……ウゥッ私に……アアアァ…私の歌なんか!ウゥ誰も聞いてくれる訳ないって……!!」 - 39木主です。22/11/03(木) 19:27:06
はい、自分もこのパート書くの心が辛くなってきたので、休憩がてらみんなウタちゃんの新時代ライブ聴きにいきましょう
続きは今日のライブ後か明日の夜くらいに投下します - 40二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 19:37:43
わかったべ
- 41二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 19:57:01
鎌を煮込んで!!君を待つ!!!!
- 42二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 19:58:42
釜を煮込め釜を
- 43二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 20:34:23
ほ
- 44木主です。22/11/03(木) 20:49:31
「"私の歌なんか誰も聞いてくれない"?……なぁにバカなこと言ってるんだお前ェ」
ルフィは呆れたような目線を向けた後に、私に優しく呟いた。
「おれはお前ェの歌いつも聴いてるじゃねぇか」
ルフィの発言は当たり前な事実を述べただけ。
本当にただそれだけだった。
でも、何故か分からないが、私の心の中の何かを溶かしていく。
そして大切な何かを思い出させていく。
私は、ひょっとしたら"歌を聴かない人"ばかり目を向けて、"歌を聴いてくれる人"を見捨てていたのかもしれない。
大きなステージでもなく、大きな音響設備も無く、ただダンボール箱の上に立ってマイクも無しにめいいっぱい歌う等身大の私を見てくれていたのは、ルフィだけだったことに気付いた。
「な、なんで私の歌なんか……!」
自分の中でずっと疑問に思っていたことが口を割いて出る。ルフィと他の人は何が違うのか、単純に気になったのかもしれない。
正直、答えなんか求めてなかった。
それでもルフィはストレートな答えを私に投げかけた。
「好きだからにきまってるだろ?」
「〜〜ッ!!!//////」
……ルフィのストレートは私の心にクリティカルヒットした。
きっと"そういう意味"じゃないんだろうけど、こんなこと恥ずかしげもなく言うやつ初めて見た。
私はあまりにも飾り気のないド直球なルフィの告白に顔を烈火のごとく熱くしていく。 - 45木主です。22/11/03(木) 22:19:04
「それによぉ?"歌手になれねェ"だ?それも嘘だ!だって頑張ってんのに出来ねェものがあったら、世界でだれも夢を叶えることなんて出来てねェ!頑張ってるのに出来ねェものがあるなんて理不尽すぎる!それはおれがゆるさねェ!ウタ、お前ェ、歌のべんきょーとかすげェ頑張ってんじゃねェか!だからお前ェの夢は絶対叶う!」
ルフィの熱く、素直な言葉が、私の胸に刺さったナイフを一本ずつ抜いていく。いつの間にかあれだけ溢れ出てた涙も止まり、ただただ温かい気持ちが胸の中を満たしている。
それでも不安感はまだ残っていた。
私はずっとひとりぼっちだと思っていたから、いつの間にか心が弱くなっていたのかもしれない。
自分が強がっていただけなのを素直に認めて、ルフィに素直な不安を吐露する。
「でも、私だけが頑張っても、他の人が私の夢を止めるなら叶えられるものも叶えられないよ……?」
「そっか……じゃあ約束だ、もしお前の夢を邪魔してくるやつがいるってんなら……」
ルフィは息をすぅっと吸った後、ありったけの声量で私に向かって叫んだ。
「おれが全員ぶっとばすッ!ウタ!お前ェの歌声はおれが絶対ェ守ってやる!だからお前ェは前だけ見て進んでろ!にっしっし!」
心が晴れていく。
ルフィの笑顔が私の暗かった部分を全て照らしてくれる。
その時のルフィは、まるで太陽みたいに輝いていた。
こんなに晴れやかな気持ちになったのはいつぶりだろう?
ルフィは色んなしがらみから私を解放してくれた。
私はさっき大泣きした時とはまた違う涙を流す。
きっと、それは嬉し涙ってものだと思う。 - 46木主です。22/11/03(木) 22:19:23
「ありがとう……ルフィ……私頑張る。絶対歌手になってみんなを見返すくらいでっかい歌手になってやるんだから!!」
ルフィと同じくらいの声量で大きく、改めて、自分の夢を掲げ、ルフィのおでこをどつき返す。その後、二人して目線を合わせて笑いあった。
でもその後、急に不安が襲ってきた。一度不安を吐露したら、依存性のように何度も何度も不安が湧き上がってくる。
だから……私は甘えるように、ルフィの目を見つめてこう聞いてみる。
「……だから……だから…私の事ずっと守ってね」
「……当たり前ェだ!」
にこりと笑うルフィを私は愛おしく見つめていた。 - 47二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 22:22:11
エッッッッ!!!も!!!
- 48二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 22:26:33
ルフィはどうなるのか
- 49二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 22:52:59
このレスは削除されています
- 50二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 23:00:04
とりあえずスレお気に入り登録しといた
期待 - 51木主です。22/11/03(木) 23:25:01
「ねぇ、そろそろ馬乗りやめてよ……重い」
「あ、すまねェ……」
そろそろ我慢出来ないくらいルフィの体重が重くなってきたからちょっと不機嫌にそう呟くと、ルフィはさっきまでの威勢がどこへやら行ってしまったかのようにささっと私の上からどいた。
私はルフィの温もりを前面に感じながら、地べたから立ち上がり、汚れてしまった背面の砂埃を手でパッパと払う。
……少しの間、公園周りの生活音しか流れない気まずい沈黙が流れたあと、ルフィが唐突に私に話を投げかけてきた。
「あ!そうだ!おれが偉ェやつになった時に付けるマーク!これせっかく描いてきたからお前にやるよ!」
そう言うと、ルフィは自分のポッケの中をまさぐり、私の前でしわくちゃになってよく分からない紙を広げる。よくよく目を凝らしてみると、そこにはひょうたんとも、デコポンにも見えるような、シャーペンで書かれた奇妙な形をしたマークが書いてあった。
「なにこれ……」
「シャンクスの麦わら帽子だ!おれのマークに採用した!」
「へたくそ」
「なにィ!?!?せっかく一時間かけて描いたのに!?!?」
私がマークのことをけなすと、ルフィは鉄砲で打たれた鳩のような目玉をしたあと、本気で落ち込んだような顔を見せながらうなだれてしまう。
けれどもそれは一瞬の話で、顔をブンブンと振って、両頬をパンパンっと叩きあげるとすぐに元気な顔に戻って、私に"大事な約束"を持ちかけてきた。
「まぁ、いいか……よし!これは今からおれのマークじゃなくて、おれたち二人の"夢を叶えるためのマーク"にする!それをもらったら、お互いに夢を叶えるまで絶対ェに諦めたり、立ち止まったりしねェことを誓う!そんで、何か邪魔があったらお互いに助け合う!これがおれたちの約束だ!いいな!」 - 52木主です。22/11/03(木) 23:38:24
「えぇ〜"絶対に諦めない"かぁ……ちょっと約束が重すぎない〜w?」
調子が戻ってきて、ちょっとルフィをからかいたくなってきた私は、意地悪そうにそう呟いて、小悪魔みたいにクスクスと笑ってみせる。
「……なんかいつものウタに戻ったのは嬉しいけどよ、やっぱお前ェ、ちょっとウゼェな」
ルフィは怪訝そうな顔をしながら、私をジト目で嫌そうに見つめる。私はそうして油断した彼の姿を見て次の行動に移る。
「……嘘!約束!」
私はルフィに向かって全速力で飛び込み、自分の両腕をルフィの背中に回して、力いっぱい抱き締める。私よりも身長が一回り小さいルフィは、私の胸あたりに顔が埋まってしまい、ワプッワプッと苦しそうにもがいている。私はそんなことも気にせずにルフィのことを力いっぱい抱きしめてその温もりを感じる。
……やっぱりそうだ。さっきルフィに馬乗りされて、あんなこと言われてから、あいつの温もりが何故かいつもと違うように感じる。ドキドキとして、自分の心拍数がどんどん上がってくるのを自分でもいやというほど感じる。これってもしかして……。
「ヒュー!ヒュー!またルフィとウタのやつ二人でイチャイチャしてんぞ!」
「ルフィもあんな女と付き合うなんて物好きだなぁ!プププッ!」
「これが世にいう"二人きりのコンサート♡"ってやつですか!?よっ!ラブラブライブ!」
「質問来てた!二人は公園で何してたの?……結論!エッチなこと!いやぁ〜ん!ハレンチ!ほーりつ事務所に連絡しなきゃぁ〜!」 - 53二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 23:46:43
見事にクソガキしかいなくて草
- 54木主です。22/11/04(金) 00:08:27
……さっき私に対して散々嫌なことを言った奴らに一番見られたくない場面を見られてしまい、思わずため息を漏らす。どうしてこうも今日はツイてないんだろう……。
そう、私自身はきっと今日の運勢ランキングは最下位ど真ん中。きっとひとりぼっちだったら世界を滅亡させてやろうと思うくらい落ち込みまくってただろう。
でも今日は、そんな暗闇を照らしてくれる"太陽"がいた。
「よし!手始めにアイツらぶっ飛ばしてくる!」
ルフィはそう言うと私の腕をガバッと外して、私のことを意地悪くなじってくるヤツらに猛スピードで一目散に走っていく。
「ちょ……ちょっと待ってルフィ!あ…」
イテッ!!ウワー!!ルフィナニスンダヨー!?
オメェラトリアエズイッパツナグラセロ!
ジョ、ジョウダンダッテ…ワー!?イテー!ヤベーコイツ!?ニゲロー!!
マテーコノヤロー!!
そのうちいじめっ子もルフィも、トムとジェリーみたいな追いかけっこをしながら、一緒に地平線の彼方に見えなくなってしまい、あの騒がしい声も聞こえなくなってしまった。
一人ポツンんと公園に取り残された私は、とぼとぼと歩きながら近くのベンチにちょこんと座る。
……濃い一日だった。絶望から始まり、希望で締める一日。まるで世界最強のジェットコースターに乗った後みたいな鈍い疲れがどっと身体を襲う。
眠気眼で、私はさっきルフィに貰ったクシャクシャの紙を目の前に持ってきて見つめる。
「"私のこと守ってくれる"…か……」
その時、私の胸の中で"何か"が確かに生まれたのを感じた。生きるための心臓でも、感情を生み出す心でもない何か。温かくて、私を奮い立たせてくれて……絶対手離したくない"何か"が。
私はそれを"恋心"と呼んだ。
……それを理解してから、ルフィが帰ってくる一時間後まで、私はすやすやとベンチで眠りこけた。
夕日は沈んだのに、私の顔は多分まだ紅かった。 - 55二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 00:09:11
気ぶっていい?
- 56木主です。22/11/04(金) 00:09:53
「懐かしいなぁ……」
窓の外に広がる雨降るビル群を眺めながら私は12年前の記憶を懐かしむ。
今でも鮮明に覚えている、絶対に忘れられない……というよりずっと心の中に残っている"恋の衝撃"。
いつかの私の"太陽"と再会して、恋に落ちる瞬間まで、私はこの思い……あの"約束"を絶対忘れない。
私はこの最悪な日々をもがきながら生きている。
「忘れない誓い、いつかの夢が私の心臓……か。」
「ん〜ここかぁ?……違う!?……くっそぉ…やっぱ都心の道はよく分かんねェから嫌ェだ!」
To be continued…… - 57二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 00:12:06
- 58木主です。22/11/04(金) 00:12:19
- 59木主です。22/11/04(金) 00:15:18
ということで第一部完です
あともう少ししたら……ラブコメパートとエッチパートいける……!
早くルウタイチャイチャ書きたい……!
けど、疲れたので明日また出直します!
デデデデ!ありがとよみんな!勇気づけられるいい感想が見放題だ! - 60二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 00:55:18
なんと良質なルウタSS
敵わぬ…ポロッ - 61二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 01:11:58
- 62二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 07:20:28
- 63二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 07:40:17
イイなそれに雰囲気がすごくいい
- 64二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 10:51:05
どれくらいルフィと離れてたんだろう
- 65二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 15:40:43
続き期待!
- 66木主です。22/11/04(金) 16:13:55
- 67二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 16:15:14
いくらでも待つ!
- 68木主です。22/11/04(金) 21:23:06
━━━━━━
窓際に座る私の視界に入り込む景色は、幼い頃に私が見たあの原風景とは全く正反対の冷たい景色を映す。あの時私が全身で感じた、木陰から覗く太陽の光が明るく照らす、色鮮やかな色や、混じり気のない澄み渡った空気の音が支配する空間とは大違い。エレジア駅にそびえ立つビル群はまるで無表情を顔に貼りつけた巨人のように道行く人々を見下し、今にも彼らを潰してしまうとも思えるくらい大きな影を都市に落としている。私は嫌な現実から目をそらす為に、まぶたで視界を遮り、脳内世界に自らを逃れた。
"太陽の王子様"と、彼に守られる"月のお姫様"。
暗闇に引きずりこもうとする影を打ち払い、お姫様を優しく抱きしめる温かい王子様の身体。そのまま王子様は、色とりどりの花々が咲き乱れ、どこまでも広がる青い海と空の下までお姫様を連れていく。ここはお姫様が心に秘めた最愛の思い出から形作られた歌のステージ。鳴り止まない動物達のバックコーラスと、自然の音が紡ぎ出すバンドに合わせ、永遠にも近しい歌を歌いながら、王子様とお姫様はお互いを優しく支え合いながら千夜を踊りあかす。
音楽が鳴り止むと、物欲しそうな二人の目線が重なりあい、吸い込まれるように、二人の影が重なり合う。王子様の優しい手は、顔、首、腕と、お姫様の肌をガラスを扱うように、甘く撫でていく。やがて時が経つと、お姫様は純白のベールドレスを大地に投げ捨て、王子様に自分の生まれたままの姿を晒す。
数多の幸せな目を向ける動物たちが見守る中、今度はお互いの身を重ねて…………。
「ウタ……社長が部屋までお呼びだ」 - 69木主です。22/11/05(土) 00:02:14
- 70二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 00:03:06
楽しみに待ってます
- 71二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 01:16:46
溢れ出す文才...
- 72二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 06:48:30
期待保守
- 73木主です。22/11/05(土) 09:48:07
申し訳なささと同時に、どうしようもない恐怖に対して脅える様子で、私より二回りも大きい初老の男性が声をかけてくる。先程まで私が見ていたおとぎ話のような映像は次第に暗転していき、冷たいビル群の映像に切り替わっていく。
「…………はぁ。今いいとこだったのに」
手に持った風船を割られた子供のようにふくれっ面を浮かべながらちょっとした嫌味を私がぼやくと、私のマネージャーのゴードンが、声をかけてしまったことについて必要以上に陳謝しだす。
「す、すまないウタ……私はいつも君に迷惑をかけてばかりだ……」
今にも身を投げてしまいそうな暗い雰囲気のゴードンに向けて哀れみの視線を向けると、すぐにいつも通りの"天使の笑顔"を作ってゴードンを励ます。
「気にしないでゴードン!会社命令なんだから文句なんて言わずに守らなきゃいけないのは当然よ。……それよりさ!この前の私のメジャーデビュー前告知!あの動画どのくらい伸びた……!?」
「……あぁ…あぁ!私でも驚くくらい好調だ。既に動画サイトでもSNSでもトレンド欄は君の話題で溢れかえってる……みんな君の歌声を待ち望んでる。」
「……そっかぁ!ふふっ!私の歌を待ってる……かぁ!夢に向かって一歩前進ね……楽しみ!」
夢見てた未来に一歩駒を進められたことを素直に喜ぶ。やっぱり自分の欲しかったものにもうすぐ手が届きそうだと実感できるのは嬉しい。
……でも。……でもなぁ。あいつが隣にいてくれて、この喜びを二人で見られたらもっと嬉しいのになぁ。
私は叶うはずがない高望みな夢を心の中で願ってしまう。まるで果てしない砂漠の下で桃源郷の存在を望むように。
少し間を置いて頭の中で話題が逸れたことにハッと気付くと、それをかき消すように首を左右にブンブンと振り、ゴードンから社長が私を呼ぶ理由を聞き出そうとする。
「…………それで?社長が呼んでるんだって?何の要件で?」
私がそう聞くと、元気になりかけていたゴードンから一気に笑顔が消えて無くなり、バツが悪そうに下に俯いてしまう。そのままゴードンは眉間に皺を寄せ、悔しそうに口を歪めた。
……拷問でも受けているかのような酷い表情だった。 - 74二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 10:07:31
社長はトットムジカかな
- 75木主です。22/11/05(土) 10:48:46
「……あぁ。……まぁ、そうよね。」
私は半分諦めるような、飽き飽きするような返事をゴードンに向ける。顔に作った"天使の笑顔"も剥がれかけて、今は苦悶混じりの笑顔になってしまっているのが自分でも分かる。
……こびり付いた無情な現実が、私の目を、鼻を、口を、身体を、どうしようもないくらいどす黒い黒で蝕んでいく。……あんな奴になんて二度と会いたくないのに。
……でも、捕らわれの身に拒否権などない。
私は……もはや奴隷だ。
沈黙が支配する部屋の中で、私がイライラしている時に癖でやってしまう足踏みがガンガンと鳴り響く。一時間にも二時間にも思えるこの世界一無意味な刹那が私の神経をずっと逆撫でし続けるからだ。
……色々な考えや思いが頭の中を駆け巡った後、私は突拍子もなしにガンっと椅子から立ち上がり、そのままゴードンの前に向かい、彼に見えるよう顔を上げて、無理やりな笑顔で言葉を残す。
「……行ってくる。」
私はゴードンの左腕を軽くっポンッと叩くとスタスタと素早く部屋の出口へ向かった。仮にもお世話になった恩人を不安にさせたくないから、早くその場から去りたかった。すると、ゴードンがこちらを振り返らないまま、いつにも増して大きな声で私を呼び止める。
「ウタ!!!」
私はその呼び声に答え、ドアノブに手をかけたところでピタリと止まり、ゴードンの方へ耳を傾ける。少しの沈黙の後、優しさと虚しさが混じった声で彼はこう告げた。
「……気を付けて行ってきてくれ。」
その言葉を聞いて私も優しい言葉を返す。
「心配しないでゴードン……私は大丈夫だから。」
親子のような会話をした後、私はドアノブを回して扉を開く。足元には重厚感のあるどぎつい紫色のカーペットが見える。私はその場にはいない約束を誓った少年の手を心の中でギュッと繋ぎながらそこに足を踏み入れ、部屋を後にした。
「え!?おれの行きてェ場所は隣駅にある!?やっべェ!!時間がねェ!!どうすりゃいいんだ!……仕方ねェ……走るか」 - 76木主です。22/11/05(土) 12:26:12
音楽レーベル「トットムジカ」
世界一の最大手音楽レーベルで、その名前を耳にしたことの無い人なんて一人っ子いない、音楽を愛する少年少女の誰もがが夢見る楽園。
……でもそんなのただのまやかし。
そう、この楽園の正体は、この会社の社長……ムジカの独善的な肉欲と莫大な資金だけが幅をきかせた、穢れた世界。それはまるでアーティストが形作る純粋無垢な楽曲からは想像もつかない"魔界"。
……その醜悪な顔を思い出すことですら虫唾が走るアイツは、世間体では"ムジカ聖"として名が通ってるが、そんな輝かしい存在じゃない。
アイツは"魔王"だ。
音楽の才能に恵まれないままこの世界に踏み入れた者は、楽曲を世間で売り捌き、スター街道を駆け上がるために、社長であるムジカに身も心も全て差し出し、魂を売らなければならない。
……私はそうやって骨の髄までしゃぶり尽くされて廃人同然になってしまった同業者をたくさん見てきた。……ほら?アーティストってたまに突然世間体に出なくなることあるでしょ?あれはこれのせい。
当然その暴虐な歯牙は、それなりに見込みがある才者も例外じゃなかった。ある人は社長の鬱憤ばらしに殴られ、ある人は社長の目にかかり半ば強引に家へと連れていかれ、またある人は社長の気まぐれで淫らなことを強制させられた。
当然私も……。
「嫌なこと思い出しちゃったな……」
社長室のドアの前に立った私は底なし沼のど真ん中に立った気分でドアの向こうを想像する。最悪の空間に通ずる地獄の門。
"この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ"
重々しい獣の声で、扉がそう唸っている気がする。 - 77木主です。22/11/05(土) 12:26:40
不安に押し潰されそうになった私はスタジャンの左袖をめくり、左手の甲につけているアームカバーを愛おしく見つめる。そこには、ひょうたんとも、デコポンにも見える……いや、麦わら帽子にしか見えないマークがプリントされている。未だに温もりを感じるそのマークを、私は自分の左頬にくっ付けて、甘えるような口ぶりで言葉を発する。
「ルフィ……今日も私を守ってね……」
左手を頬から外すと、私はそれにそっと口付けをしてからはぁっと長めに息を吐く。そして、すぐに息を吸い込み覚悟を決めた顔を作り上げた。
"一線だけは超えさせない。"
ただそれだけを願って心の紐を固結びで強く結び、社長室のドアを開ける。
「はぁ!?連絡橋が大雨で通行止め!?おれこの先に行きてェのに!!……仕方ねェ、泳ぐの苦手だけどここ泳ぐしかねェか……」 - 78二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 12:27:21
今日もってことは手を出されていないってことでいいんですよね!
- 79二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 12:34:30
セクハラとか身体的接触はされてるっぽいが
- 80二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 13:24:54
あれ、もしかして胸糞ある?
- 81二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 13:30:07
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- 82二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 13:42:51
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- 83二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 13:46:13
一線を越えてないとしてどこまでさせられてるのか気になるな
- 84二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 14:09:29
- 85二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 14:10:45
んでも胸糞要素があるのなら最初に言わなかった理由は一切が謎のままだねぇ
- 86二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 14:25:21
ムジカ社長に猿神銃打ち込んでええのんか〜?
- 87二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 14:28:52
父親が学校の子供でも知ってるレベルで有名なマフィアなのによくやるな社長
- 88二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 15:23:29
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- 89二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 15:24:58
待て、あにまん民。スレ主とルフィを信じてドンと構えていろ。
- 90二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 15:33:03
あにまん民は曇らせにはキャッキャッするけど胸糞まで行くとドン引きして散っていくか弱い種族だから…
- 91二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 15:38:41
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- 92二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 15:51:24
REDでみんな脳破壊されてるからこれ以上破壊されるとタヒんじゃうからな…
- 93木主です。22/11/05(土) 17:15:19
- 94二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:16:56
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- 95二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:18:45
主のやりたいようにやってくれ、俺は読み続けるから。
- 96二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:21:23
イチャラブハッピーエンドが待ってるならなんでもいいぞ!
- 97二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:23:13
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- 98二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:31:48
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- 99二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:32:52
反応なんて気にするな、好きに書けばええんや
- 100二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:33:26
伸びてるから投稿来たかと思いきやお気持ちばっかりではないか貴様ァ!
- 101二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:33:34
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- 102二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:33:38
まあ ブラウザバックすればいいだけだからスレ主を信じて待つよ
- 103二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:34:14
- 104二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:34:38
好きなように書いてくれ
- 105木主です。22/11/05(土) 17:36:31
- 106二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:37:30
- 107木主です。22/11/05(土) 17:40:07
感想が無いと……一人になる……一人になるのはお気持ちされるより痛ェ……!!
- 108二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:40:37
- 109二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:43:07
- 110木主です。22/11/05(土) 17:45:19
ちなみについでに質問なんですが、そろそろ序盤の子供時代パートをpixivに挙げようと思ってるんですが、そのリンクってここに直接貼っていい感じですか?
- 111二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:45:33
申し訳ないがお気持ち書き込んだ人は自分のコメント削除して欲しい
折角面白い作品なのにあれこれ注文付けててうんざりする - 112二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 17:46:24
大丈夫 ただ 先頭のhは抜いた方がいいね
- 113木主です。22/11/05(土) 18:04:02
↓胸糞パートです。次スレにも詳細は伏してあらすじを載っけますので、見たくない方はブラバしてください
- 114木主です。22/11/05(土) 18:05:25
「待ちくたびれえ〜もう少しでわちし本人が出迎えに行くとこだったえ〜」
品性の欠片も感じさせない汚らしい声が私を出迎える。会社内の他の部屋とは何もかもが違う、キラキラとした金色と胃が痛くなるような紫に囲まれた部屋の中で、高そうな木材で作られた机と椅子に脚を載っけながら、とても人を出迎える格好でない様子で"魔王"は待ち構える。お洒落だと思ってるのか、似合ってもない中性風の羽付きの帽子を深々に被り、その下から野性的なしたり顔が覗いていた。
ただひたすらに不快。そんな感想しか出てこない。
「勝手に来なくていいから。手短に済ませたいから早く要件話してくんない?」
私は社長の言葉をまともに相手をせず、手短に用事を済まそうと素っ気なく応対する。
「むっふふ♡そんなかっかするんじゃないえ♡話は後でゆっくりとすれば問題ないえ♡」
社長はケタケタと笑うと、その醜い贅肉まみれの身体からは考えられないくらい俊敏な動きで社長席から立ち上がり、私の方へ近付いてくる。そして、顔が重なり合う寸前まで、自分の醜悪な顔を近付けて、ゴキブリ以下の醜い笑みを浮かべて私の顔を品定めし始めた。
この世のものとは思えない光景に私は視線を右にそらす。社長の口から漂う鼻がひん曲がるほどの臭いに思わず顔をしかめながら、地獄のような体験にただひたすら身を委ねていると、社長は許可もなしに私の髪の毛に触れ、また不快な言葉を口に出す。
「ん〜いつ見ても可愛らしい顔だえ〜♡髪もサラサラでいい匂いもするえ〜♡」
耳を塞ぎたくなる最低最悪な性発言と近くで見ると思ったよりも巨漢なその身体に恐怖感がぶり返し、脚の方がふるふると震え出す。私は頭の中でルフィの顔を思い浮かべながら必死に脚の揺れを抑えて、強気な姿勢を崩さずに言い返してやる。
「気安く触らないでくんない?不快。」 - 115二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 18:05:45
- 116二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 18:12:57
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- 117木主です。22/11/05(土) 18:15:34
暴虐の限りを尽くす社長に少し強めの口調でそう返すと、社長は急に人が変わったように目玉を剥き出しにして怒りを込めた口調で私をなじってきた。
「目上の人間に対する口の利き方がなってないんじゃないかえ〜!?ふんっ!!」
怒りのまま放たれた社長の不潔で毛だらけな大きな両手が、強引かつ乱暴に、私の胸を鷲掴みにする。相手のことなど一切考えない我儘な力加減で私の胸が社長の指の形に合わせて変な形に潰れていく。そのまま社長は、手に掴んだ柔らかいモノを、まるで玩具を弄ぶかのように左右別々に前後上下と揺らし、揉みしだき、高笑いをする。
「むっふふふふ〜ん♡相変わらず牛のようにでっかい乳だえ〜♡歌手として置いとくにはもったいない淫乱な身体をしてるえ♡」
男の人に胸を揉まれると相手が誰であろうと気持ちいいと聞いたことがあるが、あんなの嘘に決まってる。現に私は今不快感と、コイツに対する怒りしか持ち合わせてないんだから。
「………そんなくだらない用で私を呼んだの?……バカバカしいわね。」
私は屈しはしないと、なおも強気な姿勢で社長に相対する。すると、私の胸を揉みしだいて機嫌を取り戻したのか、余裕があるようすで社長が声をかけてくる。
「まぁそう意気地になるんじゃないえ……せっかく二人きりになったんだえ…もっとわちしとの時間をゆっくり楽しむんだえ〜♡」
そう言うと、胸から不快の塊であった手が一瞬離れる。しかし、社長は間髪を入れずに、今度は両の手の人差し指をピンッと伸ばしながら、私の胸に照準を合わせて、触れるか触れないか、微妙な距離を保ちながら愛撫でしてくる。ゲームでも楽しんでるかのように下劣な笑みをニヤニヤと浮かべながら、服の上から私の胸のぷっくりと突起した部分を見つけようと、不規則にぐにぐにと指を押し込んでくる。そうして目当てのものを見つけると、その指を奥までぐに〜っと押し込み、親指も使いながらクリクリとこそばゆく摘んできた。 - 118二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 18:18:16
ア"ァー!!太陽神!ハヤクッ!
- 119二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 18:19:26
全く感じてなさそうでよかった
- 120木主です。22/11/05(土) 18:54:37
「……おっと楽しみすぎてすっかり要件を忘れてたえ〜♡前の話の続きだえ。お前にわちしの女になることを許可するえ。毎朝毎晩わちしの元で愛し合いながらこれからの人生を歩んでいくといいえ〜。今の暮らしからは考えられないくらいの大出世……悪くない話じゃないかえ〜……?」
"愛し合う"?バカな発言もいい加減にして欲しい。私からコイツへの愛なんて1mmも存在しない。それに、金で女を釣ろうとする態度が子供の頃のあのクソガキたちの親にそっくりで無性にムカムカしてくる。
流石に不快感が限界まで高まってきた私は、イライラした様子でついに社長に煽り返した。
「その話は2回ぐらい断ったはずよね?もう忘れたの?……あ、アンタのミジンコ未満の小さい脳みそじゃ覚えてられない話だったって訳ね。悪かったわね配慮出来なくて」
私の煽りが相当効いたのか、みるみるうちに社長の顔が曇っていく。そして私に対して睨みをきかせると、さっきよりもドスの効いた声で脅しをかけてくる。
「……あんまり調子に乗ってると痛い目を見ることになるえ?」
社長はドアノブを捻るように私の胸の赤い部分を180度ぐにっとつねり回す。その動きに合わせて、渦巻き状に私の胸が歪んでいく。
「痛ッ!…グッ…!……ンンッ…」 - 121木主です。22/11/05(土) 18:55:11
体験したことない痛みに思わず声が出てしまう。社長は私の声を喘いだものと勘違いしたのか、鬼の首を取ったような顔で下品な笑い声を浮かべながら先程の話を続ける。
「……むっふふ♡その我慢している顔と声も可愛らしいえ〜。今すぐ謝罪してわちしの女になるならもっと有名な作曲家やプロデューサーをお前に付けてやってもんいいんだえ〜?そうすればお前の夢とやらをもっと早く叶えることができるんじゃないかえ〜?」
……私とルフィの夢に泥をかけるようなその発言にカッと頭に血が上ってくる。でもダメ。ここで怒りに任せて行動をしたら、私が今まで積上げてきたことが全て水の泡になってしまう。……ルフィとの約束を破ることになってしまう……。
頭に冷静さを取り戻した私は、社長の右手が私の下半身に伸びたのを見てそろそろ潮時だと判断し、社長の手から逃れて扉の方向へとささっと移動する。そして唾を吐き出すように、社長に対して否定の意志を突きつけた。
「そんなのいらない…。私は自分の実力で夢を叶えたいから。……話は済んだね?なら私帰るね」
重たいドアをガチャリと開け、私は社長室を後にする。扉が閉まる直前に社長室から見下すような声で社長の本音が聞こえた。
「……強情な女だえ。」
「………………最低ッ」
「はひぃ〜……溺れかけた〜……死ぬかと思った〜……ふぅ…うあぁ!しまったぁ…服が水ん中の枝に引っかかってめちゃくちゃ破けちまったぁ!……これ会社の人になんて説明すればいいんだ……まぁ過ぎたことはしょうがねェか!あと少しで目的地に着くんならこのまま直進だ!待ってろぉぉぉ!ウタぁぁぁぁ!」 - 122二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 18:56:17
来たか!ルフィ!
- 123二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 19:07:25
- 124二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 19:10:05
- 125二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 19:26:43
原作よりマイルドだな(白目)
- 126二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 20:19:38
ジョイボーイ早く来てくれ
- 127木主です。22/11/05(土) 22:00:15
社長室から少し歩いた後、壁にもたれかかった私は、スタジャンの右ポケットからピンク色のケースを取り出し、そこから二粒ほど錠剤を取り出すと、さっき感じた不快感をかき消すように大袈裟にそれを歯で噛み砕いて喉に飲み込む。
ストレス緩和剤の「ネズキノコ」の成分によって、私の不快感はあっという間に消え去った。色々な錠剤を試して見たけど、やっぱりこれがいちばん効く。……まぁ、あんまり飲みすぎると不眠症になるから無闇に服用したくは無いけど。
……あの忌々しい社長に会えば、必ず髪・顔・腕のどこかは触られるし、さっきみたいに胸や尻、太ももは社長の欲求不満に合わせて道具みたいに触られることも最近では多くなってきた。
……でもファーストキスはまだ譲ってないし、いわゆる"ご奉仕"というものもまだやった事ない。……そして…私の下半身にある……一番大事な秘部は未だ触られたことすらない、純血のまま。
だって……だってそれは全部ルフィにあげたいんだもん。だからああやってアイツが満足しそうなタイミングを見計らってセクハラを切り上げる。覚えたくもなかったけど……これがこの世界で生き残るために覚えた私の処世術だった。
……何となくわかる。ああ言う不遜な態度を取ってくる奴は調子に乗らせるのも、逆上させるのも良くないって。だから、ある程度は許容させて、一線を超えるラインを見極めて撤収することを覚えた。
……正直諦めかけたことなんて数え切れないくらいある。一歩間違えれば奈落の底まで落ちてしまうこの綱渡りが私にとってストレスになるくらいなら、いっその事全て諦めて魂を売ってしまう方が簡単だって。
……でもその度に私の中にいるあの少年が、私を引っぱたいてでも止めてくれた。
そう心の中にはいつも彼の姿があった。
でも……でも……やっぱりすぐそばで守ってくれる方が嬉しいよ、ルフィ。
「……ダメだね…そんなの高望みだもん……。」 - 128二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 22:02:40
ルフィーー!!早く来てくれーー!!
- 129二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 22:08:12
僕はね、ルフィとの思い出を頼りにぎりぎりで耐えているウタをルフィが王子様のごとく助けていちゃつく話が大好きなんですよ。だからこのssは俺によく効くぜありがとうスレ主!
- 130二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 22:21:09
痛み(曇らせ)はいつかは引いて(晴れて)いくけどよォ、傷(胸糞)ってのは傷痕(トラウマ)となっていつまでも蝕み続けるから、本当に気をつけてほしい。
- 131木主です。22/11/05(土) 22:48:35
「ウタ!!大丈夫だったか!?」
部屋に戻るとゴードンがいの一番に私に走りながら近付き、私の身を案じる。
「大丈夫……いつも心配しすぎで逆にこっちが心配になっちゃうよゴードン」
私は困り眉のままゴードンに笑いかけ、冗談を言う。それを見たゴードンは更にいたたまれない気持ちになったのか、目に涙を浮かべて私に贖罪を懇願するように私に謝罪をいれる。
「すまない……私が……私が不甲斐ないばかりに……いつも……いつも君が犠牲になってしまう……!」
……中学生になった頃、私を残してシャンクスは姿を消してしまった。それと入れ替わりで、私を立派な大人に育ててくれたのは他でもないゴードンだった。ゴードンと共に、こじんまりとした事務所で、それなりに音楽活動をして、それなりの人数を幸せにしながら、少しずつ活動の幅を広げていく。私はそれだけで幸せだった。
でも、私が高校卒業を間近にしたある日、忌々しい"魔王"が私の歌唱力……いや違う、きっと私の容姿に目を付けて、半ば強引にゴードンの事務所をトットムジカの支配下に置こうと、買収を迫った。
当然、ゴードンは猛反対して、それに対して激しく抵抗してくれた。……でも……結果的にそれは焼け石に水だった。逆上した"魔王"は、"罰"と称し、裏社会の人々を引き連れて、事務所を襲撃し、ゴードンに対して酷い拷問を行った。それは脅し以外の何物でもなかった。ロッカーの影からただただその一部始終を見ることしか出来なかった私にとって、思い出すだけでも忌々しい映像。
……そう、それでゴードンは心が折れてしまって、今に至っている。
私はゴードンの顔を見つめる。焼き焦げた肌の色がゴードンの本来の肌と対比してパッチワークのようにまばらに出来ていて、まるでフランケンシュタインの怪物のような酷く物悲しい様相をしている。
……私いつもこう。昔も今も、私の夢の道の途中には邪魔なものばかり。誰も彼もが私の夢を簡単に否定して踏みにじってくる。
ねぇ、それが現実なの?……本当にこんなの……こんなのが現実だなんて信じたくない。信じたくないよ。
ねぇ、誰か答えてよ……
「……助けて…………ルフィ」 - 132二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 22:57:09
はやくこいよルフィ!
- 133木主です。22/11/05(土) 23:35:44
12年ぶりに私の口から弱音が吐き出される。ずっと蓋をしてきた鈍く重い痛みが、何故かこの瞬間どうしようもなく痛くなってきて、思わず口に出てしまった。
それに呼応してかどうか、それは神のみぞが知ることではあるが、急激に廊下の方が急に騒がしくなり始める。
ワリィ!!ジカンギリギリニナッチマッタ!!アレェ…?ダレモイネェナ
隣の部屋から騒がしい声が響く。部屋を間違えたのだろうか?何者かがドタドタと音を立てながら私の部屋の周辺をぐるぐると駆け巡る。
……私はその声になぜか聞き覚えがあった。
……耳にしただけで心が温かくなり、私の心を癒してくれる。
……私を暗闇から引っ張りあげてくれる、太陽のような声。
……なんでだろう私の目に涙が溜まってくる
……どうしてだろうどうしようもなく持っていたあの心がもう一度鼓動を始めた気がした
騒がしい足音は私がいる部屋の前で止まる。
すりガラス越しに見える人影は、何かを考え込み、しばらく黙った後、割れるくらいの力で扉を叩く。
部屋のドアを叩く音は、まるで解放のドラムのように聞こえた
「ウタアアアアアア!!会いに来たぞおおお!!」 - 134二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 23:38:39
ついに会えたか…!
- 135二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 23:42:18
来たか……
- 136二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 23:42:56
来たぁ!!
- 137二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 23:43:41
ドンドットット
- 138二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 23:44:44
太陽神のご降臨だあああああ
- 139木主です。22/11/05(土) 23:51:02
- 140二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 23:51:44
乾杯!!
- 141二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 23:52:11
デデデデ!ありがとよ!ルウタのイチャイチャワクワクし放題だ!
- 142二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 23:53:42
ありがとう!
楽しみに待ってます - 143二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 23:54:37
んでも明日まで待てるかに関しては一切が謎のままだねぇ(待ちます)
- 144二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 00:08:17
現パロルフィ
大概身内に偉い人が多い上に本人が超人なのでムジカ聖など恐るに足らぬと聞く… - 145二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 00:19:51
ルフィしっかり来てくれたな
- 146二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 00:21:13
- 147二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 00:28:13
見聞色で見えた
ムジカ聖は、二人がイチャついてる裏でシャンクスやガープ達の保護者組に社会的に殺されるね! - 148二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 03:29:51
- 149二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 03:34:31
- 150二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 03:40:49
- 151二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 03:43:59
- 152二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 04:30:33
今のところシャンクスが娘の幼少期を稼業のせいで台無しにした上に
肝心な時に守れてない凄いダメな父親になってるんだけど挽回の機会は訪れるんだろうか - 153二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 08:27:46
うそだろ御本人!?起きたばっかでまだ夢みてんのかな…?
- 154木主です。22/11/06(日) 08:59:54
Yabe……
前に自分が建てた過去スレの内容↓を見たっぽいツイートしてたから、"もしかしてここの掲示板巡回してるのかなぁ?"と思ってましたが……まさか直々に出向いてもらえるとは……
ありがたく使わせてもらいます……
【CP注意?】ルフィがウタの鼻をツンツンするシーンが好きなんだ……|あにまん掲示板ttps://ikejo.net/hana-sawaritagaru-shinri-17902ところで、このサイトによると「男性が女性の鼻を触りたがる心理」として・好意を持った女性へのスキンシップとし…bbs.animanch.com - 155二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 09:08:51
そっか確かに!あのツイート見覚えあると思ったら…!
- 156二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 09:17:06
なんという神スレ…!!前方に神SS、後方に御本人支援絵!!ここまでかァ!!!
敵わぬ…ポロッをツイートしてたからもしやとは思ったけどほんとにここの存在を認知していたとは…チャカ様テンプレを把握してる辺りルウタだけを見てるわけではない様子でおれは……びっくりした - 157二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 09:55:39
御本人様?!いつも素晴らしいイラスト拝見してますよ!
- 158二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 10:35:40
- 159二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 10:44:42
あの大変差し出がましいかもですが
よければこのSS大変おススメですのでよろしければ
ここだけウタの手助けもあり、ルフィもエレジアに向かっていたら|あにまん掲示板なお、炎に包まれるエレジアの様子を映した映像電伝虫には、ウタの歌声が世界を滅ぼすと言う撮影者に、泣きながら反論したルフィが直後に吹き飛ばされる姿が記録されている。bbs.animanch.com - 160二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 11:39:01
- 161二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 15:35:57
もう次スレたってる? もしあったら教えてほしい できたらURLも
- 162二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 15:40:31
このスレもあなただったとは...そんなことあるものなんだな
- 163木主です。22/11/06(日) 16:57:26【CP注意/現パロSS】ウタちゃんは守られたい Part.2|あにまん掲示板木主です。Part1https://bbs.animanch.com/board/1210991/↑114レス〜から胸糞系の描写が挟まったため、そうした描写が苦手な方への対策として2スレ目に移行しまし…bbs.animanch.com
お待たせしましたー!!次スレ建てました!!
今日一日中お出掛けなので夜くらいに少しだけ更新します!!
少々お待ちください!!(_ _)
- 164二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 17:11:57
奇跡のコラボレーション
- 165二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 19:26:14
- 166二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 07:19:39
本人に見つかるとかそんな偶然あるもんなんだな……
- 167二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 18:37:32
ご本人様に描いて貰えるなんて羨ましい…
- 168二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 22:33:45
神ファンアートからの神SSからの神支援絵
……なるほどこれが"ひとつなぎの大秘宝"か…… - 169二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 10:28:11
最the高
- 170二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 19:15:51
こんな所でご本人登場を経験するとはな……
- 171二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 01:15:05
今全部読んだ
続きも期待