- 1二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 21:47:07
『てぶくろ』
降りつづく雪の中、ぽつんと落ちていたのは片方だけの暖かそうな手袋。最初に見つけたのは小さなフラワリングタイム。彼女は中にもぐり込み、言うのです。 「ここで くらすことに します!」 確かに、フラりんが暮らすのにはいい大きさ。居心地も良さそうです。そこへやって来たのは、ライジョウドウさん。中に入りたいと言います。手袋の中にはフラりんとライジョウドウの二人。確かにこれも悪くない。ところが今度はブレイブロードがやってきて、言うのです。「わたしも いれてよ」あっという間に三人です。大丈夫かしら…。これで終わることなく、さらにやってきたのはライトニングホラーです。さらにさらに、メジロプログレスも、アルケミーも、しまいには驚くほど大きいバラカドボナールまで! いったい、そんなことって可能なの!?
ウク○イナ民話から生まれた絵本『てぶくろ』は、日本でも1965年に内田莉莎子さんの翻訳で発売され、今でも変らず子どもたちに読み継がれている傑作です。最初はただの手袋だったはずなのに、「いれて」「どうぞ」の繰り返しにより、子どもたちの心にはドキドキが生まれてくるのです。「ほんとに入るのかな?」「ちょっと怖そうなホーラ がやってきたけど、大丈夫?」「この後どうなるんだろう…」。新しいウマ娘が登場するたびに心配になり、ページをめくればその様子に驚き、絵本と一緒にハラハラするのです。
本スレは「自分がウマ娘だったら」を妄想するスレです。
スレを開いたあなたも自分のウマ娘になった姿を想像してみましょう。
前スレ
あにまんウマ娘になりたい部Part156|あにまん掲示板PokemonGOが流行る↓ピカチュウやイーブイなど可愛いポケモンに癒される↓しかし体は闘争を求める↓鉄臭さが欲しくなる↓アーマードコアを買う↓アーマードコアシリーズの収入が伸びる↓ウマ娘になる本スレ…bbs.animanch.comアーカイブ
Wiki
umamusumeninaritai @ ウィキ【12/15更新】@wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名...w.atwiki.jp - 2二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 21:47:34
参考になりそうなもの↓
https://bbs.animanch.com/board/199950/?res=3
お絵描きできない人向け
https://bbs.animanch.com/board/199950/?res=4
https://bbs.animanch.com/board/246596/?res=141
診断メーカー↓
ウマ娘になったらの診断をプログラミングして作った!|あにまん掲示板https://shindanking.wixsite.com/my-site-1おかしくなったから立て直した画像のような結果が出ますbbs.animanch.com※入部希望者へ※
際限なくウマ娘が増えてしまうことを避けるため、原則一人一ウマ娘でお願いします!
次スレは>>190を踏んだ人が建てること!
建てられない場合は他の人にスレ建て代行をお願いすること!
スレの管理ができなくなるモバイル回線で建てないこと!
いいー?
- 3二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 21:48:05
なげーよホセ
- 4クアドラプルグロウ22/11/03(木) 21:49:07
たておつかなー!
- 5二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 21:54:51
たておつでする
- 6レッカの中身22/11/03(木) 21:55:28
たっておーつ
- 7メジロエスキーの人22/11/03(木) 21:55:31
たておつー
- 8二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 21:55:45
たておつでおっぱい
…前スレ200は一体どうしろと? - 9クアドラプルグロウ22/11/03(木) 21:56:02
B72かな
何か文句あるかな - 10メジロエスキーの人22/11/03(木) 21:56:39
前スレ200は……とりあえず置いといてだな……
- 11クアドラプルグロウ22/11/03(木) 21:57:24
置いときましょー
それはそれとして前スレ最後の方だったのでまとめたSSを再掲しますね…
クアドラプルグロウのウマ娘ストーリー - uma-musumeになりたい部 @ ウィキ【9/30更新】1話「夢を教えて」 その日は選抜レースの日だった。 「いっちに、さんし…」 「すぅー…はぁ…」 『みんなやっぱり緊張してるんだな…』 そんなことを考えつつ、一人一人ウマ娘を眺めていた。 「ゲートイン完...w.atwiki.jp見て見て(直球アピール)
- 12フラリンを買いに22/11/03(木) 21:57:52
たておつでございます
- 13二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 22:00:58
たておつ
- 14ナックル宅の壁22/11/03(木) 22:05:39
たておつです
- 15二次元好きの匿名さん22/11/03(木) 22:06:04
- 16アルケミー22/11/03(木) 22:07:51
ウク ライナがNGに引っかかって笑いました
- 17メジロエスキーの人22/11/03(木) 22:08:25
どこかの誰かさんのNullカップもな()
- 18フラリンを買いに22/11/03(木) 22:12:30
- 19クアドラプルグロウ22/11/03(木) 22:21:05
- 20ブルーラグーンの人22/11/03(木) 22:33:22
- 21アルケミー22/11/03(木) 22:39:08
趣味が全開でとてもよろしい
レッドディザイアすきすき - 22クアドラプルグロウ22/11/03(木) 22:40:45
アルケミーとブルーラグーン…
同期疑惑のある2人が揃った…!!! - 23ヨゾラギャウサルのうまそうる22/11/03(木) 22:42:27
いちおつ
ブルーラグーンのひとに聞いてみたかったのだけど
ブルーラグーンの血統案として「ジャックドール×タニノアーバンシーの21」はいかがでしょうか? - 24ブルーラグーンの人22/11/03(木) 22:43:55
- 25ヨゾラギャウサルのうまそうる22/11/03(木) 22:52:39
なるほど
推しの直子であるのは大事ですね - 26キタサンアイドルの人22/11/04(金) 07:04:22
- 27クアドラプルグロウ22/11/04(金) 07:06:17
わざわざ答えてくれて&名前に選んでくれてありがとうございます!
フラリンの固有かっこいいですよねー!「刻」っていうのはやっぱり良い
普段のロリロリしさからのギャップとかも
あとバラカさんのデザインセンスは本当に感服
- 28メジロエスキーの人22/11/04(金) 07:29:38
好きな衣装はいろいろあって1つに絞れないから一旦置いといて……
・好きなウマ娘……シュウマツノカジツ。エスキモーの同室してもらってるからってのもあるんだけど、お団子とか小動物っぽいところとか口調とかラーメン好きなところとかが刺さる。あと体型m(ry
・好きな固有スキル……開花の刻(フラワリングタイム)。名前の時点で勝ってる(何に?)。スキルの説明とか演出も彼女にぴったりで文句なし
……SSの続き投げますね - 29メジロエスキーの人22/11/04(金) 07:33:42
─────
秋の天皇賞の次の週、私はあの話を聞いてからどうしても知りたかったことを聞き出そうとエスキーをお屋敷へと呼び出した。
「お屋敷まで呼び出してどうしたんですか? お話なら学園でもできるのに……」
「この際だからエスキーに聞いておきたいなーって思うことがあってさ。元の世界に戻ったら絶対教えてくれないと思うし」
お屋敷の私の部屋、2人ベッドに横並びに仲良く腰かける。私はそのままバタンとベッドに倒れ込み、エスキーもどうぞと手招きする。
「では失礼して……そんなに改まって言うということはわたしの出自の話ですか?」
私の誘いを受け入れ私と同じようにパタンとベッドに背中を預けるエスキー。私みたいに体重を後ろにかけて思いっきり倒れるのではなく、夜寝る時みたいに静かにそっと横になる彼女はやはり精神的に大人びているのだろうか。普段は子どもっぽい所もあるんだけど。
「流石エスキー、鋭い」
「そうじゃなかったらそれこそ寮の部屋でもできる話ですから。ねっ、わたしを追い出して姉さまと2人きりでお話した時みたいに」
「えっ、ウソ、バレてた……?」
まるで名探偵が如くあの時の真実を突き止めるエスキーを見て顔が引きつる。お互い口止めしていたから2人からバレた訳じゃないはず。ママも口が堅いし、私も誰にも漏らしていない。とすれば……どうして?
「落ちていた髪の毛……というのは流石に冗談です、引かないでください。匂いですよ、匂い。ウマ娘って人より鼻が利くんです。あの日部屋に戻って自分のベッドに寝転んだ時なんだかいつもと違う香りがしてですね。何の匂いかなと思ってその時はあまり気に留めなかったんですけど、別の日に会った時にエスキモーちゃんから漂う匂いがそれと全く同じでして。ああ、そういうことかと」
「す、すごーい……大正解だねー……」
見事な推理。おみそれしました。
「この際何を話したのかは聞きません。エスキモーちゃんはわたしとのレースのことでわざわざ姉さまを訪ねるような真似はしないでしょうし、仮にしたとしても姉さまは言わないでしょうから。逆にそれ以外のことであれば特に聞かれて困ることはないですからね。それで聞きたいのはわたしの出自、どうしてウマ娘になったか、でいいですか?」
「うん、それが聞きたかったの。ここだったら他の人に聞かれる心配はないから」 - 30メジロエスキーの人22/11/04(金) 07:35:04
親友(パパ)の秘密をわざわざ誰かに聞かれかねない場所で聞くことはしない。そもそも聞いても答えてくれない可能性はあったけど、それはこの子自身の秘密だかは当然のこと。
「どこから、といってもそんなに複雑な話ではないんですけど……」
そう切り出して話し始めたのは私と同じで少し不思議なお話だった。
「あれは今から3年ほど前の話でしょうか。姉さまが出場した第1回URAファイナルの中距離部門の決勝が見事姉さまの優勝で幕を下ろしたあとの話です。あの時理事長から呼び出しを受けたあとのトレーナールームへの帰り道、タキオンさんにクスリを飲んでくれといきなり声をかけられてですね。断ろうとしたんですけど、どうしてもと彼女にしては珍しく頭を下げてお願いされたものですから、そこまで言われたら仕方ないと飲んであげたんです。えっ? 人が良すぎないかって? 確かに今思えば他の人に頼んでくれって言ってもよかったかもしれませんね」
一旦立ち上がるとベッドの頭の方に置いてあった枕を1つ手に取り戻ってくる。枕は2つあるから私も残りの1つをなんとか寝転がりながら腕を伸ばして掴み、胸元へと抱き抱えた。そう私が横着している間にエスキーは再び私の横に腰かけ、今度は枕を抱え込みながら私の方を向いてパタンと倒れ込んだ。私も彼女に合わせるように体勢を変えて彼女へと向き直す。
「それでですね、飲んだ当初は何も起きなかったんですけど、トレーナールームに戻ってしばらくすると急に眠気が襲いかかり、そのまま横になって眠ってしまいました。そして次に目を覚ました時には何やら体が縮んでいて、目の前にはドーベル……いや姉さまがわたしの方を指さして『あなたは誰……?』と、そうおっしゃいました。その時初めて自分がウマ娘になったことに気づいたんです」
ここまでの話を聞いて私は1つの結論を導き出す。
「……タキオン先輩が全部悪いんじゃない?」
「発端は間違いなくあの人です。もちろん流石に罪悪感があったのか、クスリを分解するためにいろいろ走り回ってくれましたから、わたしはそれで彼女を許しました。姉さまたちと同じ速度で走ることができる、それだけでわたしは嬉しかったのですから……あとはこうしてウマ娘としてエスキモーちゃんに会えたこともわたしは幸せに思ってますよ」
- 31メジロエスキーの人22/11/04(金) 07:36:38
そう、元の世界に戻れば彼女と出会うことはない。彼女の姿を見ることができるのは全て媒体に保存された映像の中だけ。こうして手と手が触れ合う距離で直接話ができるなんてことは本来ありえない。
「私だってエスキーと会えて幸せだよ……ってなんだか湿っぽくなっちゃうね、やめやめ! 続き聞かせて?」
お涙頂戴の話をするのはずっと先でいい。まだ『夢』は終わりじゃないんだから。
「分かりました。といってもこれから先はエスキモーちゃんも知ってる話も入りますけど……それでそこからはお屋敷に行っておばあさまとお話をしたり、メジロ家の姉さまたちと模擬レースをしてそこそこ走れてしまったり……そのあとおばあさまの口利きでトレセン学園に入ってエスキモーちゃんを含めた皆さんと出会って今に至る……という訳です。こんな感じでいいですか?」
なんか一気に話が飛んだ気がするけど、聞きたい部分は聞くことができたからそれでよしとする……いや聞きたいことはまだあった。
「こんなこと娘の立場で聞くのもおかしな話なんだけどさ……」
「どうしたんです、エスキモーちゃん? ちょっとお顔が赤いですよ?」
本当に聞いていいものか、こんなこと聞いて怒らないのかなとは思うんだけど……ええい! どうせ『夢』なんだったら少しぐらい好きにしてもいいじゃない! ちょっと恥ずかしいけど聞いちゃえ!
「トレーナーになるまで女性経験は……?」
「……まあ一応は」
「トレーナーになってからは……?」
「ないですよ? エスキモーちゃんは何が聞きたいんです?」
その疑問はごもっともで、エスキーからしたらなんで親の恋愛事情を聞くのかということだろう。ただ本題はそれではなくて……
「何したらトレーナーから手、出してくれるかなーって……」
「あー、そっちでしたか……」
こんなこと聞ける子なんて他にいない。カジっちゃん先輩は薄々私たちの関係に気づいてそうだけど面と向かって聞ける訳ない。ママは……パパ──今はエスキーだけど──男性経験ありそうにないから、事情を全部知っていてその上元々男なエスキーに頼ることにしたってわけ。
エスキーは何と言えばいいのか言葉を選びながら私の質問に答えてくれた。
- 32メジロエスキーの人22/11/04(金) 07:38:07
「2人がどこまで進んでいるかは置いといてですね、男というのは普通相手が魅力的かつTPOが許せば手を出します。外で言ったら怒られそうな気がしますけど、まあ大体合ってますからセーフでしょう。じゃあなぜ彼が魅力的なエスキモーちゃんに手を出さないかというと……」
「いうと……?」
「エスキモーちゃんが学生だからですっ! むしろそれ以外にありませんっ!」
至極真っ当、当然の帰結に体に溜まった空気を全て外へ押し出すように大きく息を吐く。
「そう、だよね……じゃあ卒業まで待つしか……」
「……絶対周りにバレないって互いに誓えるならいいんじゃないですか?」
確かにそれはそうだ。教師に近い立場のトレーナーと学生である私が付き合うことに関して一番恐れているのは周りへバレること。それさえクリアしてしまえば……!
「……そういう場をセッティングしてもらえるならあるいは……いやいやそんな無理やり連れ込むような真似できないし……」
枕を強く抱き締め考え込む私を見て、「いやー若いですねー」なんて目の前の少女が余裕そうに宣う……あれ、なんか引っかかるような……
「ねえ、エスキー?」
「どうしましたエスキモーちゃん?」
「バレなかったらって話……もしかして自分自身経験あるとかってことは……ないよね?」
私の何気ない一言にエスキーの表情が固まる。これはもしかして……
「そ、そんなことあるはずないじゃないですかっ!? 言いがかりは駄目ですからねっ!」
これは……クロだ。
- 33メジロエスキーの人22/11/04(金) 07:39:03
「パパは最初の専属がママって言ってた……じゃあ今の時点でその経験があるってことは……?」
「あはは……少しわたしお手洗いに行ってきますねー」
枕を置いてそそくさとこの場を離れようとするエスキーの腕を引き、ベッドへ引っ張り込む。エスキーはなんとか逃げ出そうと抵抗するも体格差を活かして上から抑え込み、ベッドの上で彼女に覆い被さるように相対する体勢になった。
「ふぅ……ふぅ……ねぇ、エスキー? 洗いざらい話すかこのまま娘の私に襲われるかどっちがご所望?」
「えーっと、エスキモーちゃん? 冗談ですよね? だってわたしたち……」
有無を言わさずカウントダウンを始める。
「5秒待ってあげる。ごー」
「待ってください、そもそも証拠ないのに話すも何も……」
証拠なんて今から体に聞けば、ねぇ?
「よーん」
「あっ! 姉さまに言いつけますよっ! ですから、ねっ?」
それ怒られるのエスキーの方じゃない?
「さーん」
「えーっと……えーっと……ほら、また温泉行きません? おばあさまにまた話をつけて……」
温泉は魅力的だけどそういう問題じゃない。
- 34メジロエスキーの人22/11/04(金) 07:41:07
「にー」
「え、エスキモーちゃん? 顔がなんだか近づいてきてません……?」
すんでのところで逃げ出されたら困るし、ねぇ?
「いーち」
「ち、近っ!? もう顔がくっつきっ……!?」
……あれ、このまま行っちゃう? ほんと?
「ぜー……」
「分かりました、分かりましたっ! 全部話しますからっ!」
ギリギリの所で娘が親(ウマ娘の姿)を襲うという未曾有の事態を避けることができた。仕掛けたのは私なんだけど……強情なこの子も悪いよね? ねっ?
「とりあえず元の所で座り直してっと……途中で止めてもいいですからね?」
「わ、分かった。早く聞かせて」
そう言って互いに顔を赤らめつつ、彼女は文字通り赤裸々な話を小さな声で語り始める。それはもう途中で耳を塞ぎたくなるような話まで……
- 35メジロエスキーの人22/11/04(金) 07:42:34
─────
「はぁはぁ……こんな感じでいいですか……?」
本当に洗いざらい話してくれるとは思わなかった。流石にママの弱点を話し始めた時はこの子の口を塞ぎかけたけど、全部聞くと決めたんだから顔を真っ赤にしながらも相槌を打ちながら最後まで話を聞き続けた。
「ありがと……参考になった……かも」
今日分かったこと。互いに受け入れる環境が整っていて周りにバレなきゃ何の問題もなし!
……あれ? 元々この子に何聞きたかったんだっけ?
─────
『エスキモー……こっちにおいで……』
『もう我慢できない……』
『食べちゃいたいぐらい可愛いよ……』
「……はっ!? また夢……?」
エスキーからあんな話を聞いてからというもの、毎晩毎晩似たような夢ばかり見るようになった。これからという所で目が覚めるから、トレーナーの顔が近づいてくるだけなんだけど恥ずかしいにも程がある。目が覚める度にカジっちゃん先輩のだらしない寝顔を見て心臓のバクバクを落ち着かせるこっちの身にもなってほしい。
(最近トレーナーの顔もまともに見れなくなってきてるし……この前なんて……)
『なんか顔赤いけど大丈夫か? 熱あるんじゃ……?』
『そ、そんなことないよ!? 大丈夫大丈夫、心配しなくていいから……』
『いやいや、ここ最近ずっと真っ赤な顔しているんだから風邪引いているのかもしれない。ほら、おでここっちに寄せて』
『えっ!? そんなことしなくても……ひゃっ!?』
『やっぱり熱いな……ほら、保健室行くからオレの背中乗って』
『だ、だ、だ、大丈夫だからあああああ!!!!』
『お、おい! どこ行くんだ!?』
- 36メジロエスキーの人22/11/04(金) 07:43:12
(なーんてこともあったし、そのせいでタイムも全然……どうしたらいいんだろ……)
頭がボーッとする中不意に枕元に置いてあった携帯の画面が光り、そちらに気を取られる。何やら通知が来たみたいだ。
(えーっと……ママからだ! なんだろ……)
ママからメッセージが届いたことを知らせるものだった。アプリを立ち上げメッセージをチェックするとそこに書いてあったのは……
(えーっと……『次の休み一緒に出かけない?』……やった!)
まさかの2回目のデートのお誘いだった。思わずその場で小躍りしそうになったのをなんとか堪えて、『行く行く! ママはどこ行きたい?』と返事を返す。
(どこがいいかな……映画? 今度こそショッピング? カフェ巡りも捨てがたいけど……あっ!)
そうだ。この悩みを唯一話せる相手がいたじゃない。私たち2人の関係性を知っていて、かつ相談に乗ってくれそうな人。
そうと決まれば話は早い。週末に向けて何を相談しようかと朝早くから頭が高速で回転し始めた。
- 37メジロエスキーの人22/11/04(金) 07:43:39
- 38クアドラプルグロウ22/11/04(金) 07:58:46
まだしっかりよみこめてないのでささっとしか目を通せなかったんですが…これ…
だいぶ進んでません…!? - 39開花の刻22/11/04(金) 08:00:59
私の固有名が思ったより人気で嬉しいですわー!褒めて頂いてありがとうございますわ!そしてSSが投下されていますわー!読みますわー!
私は史実冠名に違和感なく溶け込んでるネーミングの皆さんが好きですわ〜
エスキー氏とかプログレス氏とかアイドル氏とか実際にいそう感があって素晴らしいと思いますわ〜
もちろんオリジナリティ溢れる方のネーミングも好きですわー!一人一人バックボーンがしっかりしていて、よく練られているのが伝わってきますわー!つまりみんな好きですわー!(無難) - 40クアドラプルグロウ22/11/04(金) 08:03:17
独断と偏見によるチームカオスビジュアルだけ発表された時の反応集
・カラレスミラージュ
元気はつらつな子だと思われる あと胸が視線を集めてキャラ発表前からそういう目で見られそう(失礼)
・ライトニングホラー
目を見ただけでわかるキワモノ枠として人気を博す 発表されてから加速する(?)
・キタサンアイドル
頭の属性がモリモリなので制服時点で人気出てコパノリッキーみたいになるやつ
みんなも反応妄想しようぜ! - 41クアドラプルグロウ22/11/04(金) 08:07:54
新着スレ(捏造)
・【新規ウマ娘】黒髪ボブの子さ
・この目がすごいことになってるやつ
・ツインテ、飾り紐、髪ぱっつん
・この溢れ出るマク×イク因子は…!?
・ウワーッ!片目隠し!
・ピンクロリちゃん(仮) - 42ラプ中22/11/04(金) 08:15:41
栗毛ツインテちゃん(仮)について語るスレ
>1
今回のライブでビジュだけ発表された栗毛の子について語るスレです。
キャラ名考察などにもどうぞ
>2
割と小柄だからドリジャ…?ってのも想像したけどこんな穏やかなイメージないからなあ…
- 43ラプ中22/11/04(金) 08:16:00
- 44メジロエスキーの人22/11/04(金) 08:17:04
・メジロエスキー
メジロなのは一発で看破されそう。ただ可愛い系になりそうなの誰かいたって話で盛り上がる。ただ育成で実装されたらシナリオで若干荒れそう
・メジロエスキモー
ドーベルに似てるなって話からわりと早めに特定されそう。ただ特定されても体型から高等部かなって思われそう。こっちもこっちで育成で実装されたらなんでこんなトレラブなのって史実漁りまくる人いっぱいで盛り上がるかな - 45ライトニングホラー中身22/11/04(金) 08:19:03
・アルケミー 錬金術とかなんか見た目がクールそうだし、冷静なタイプなんだろうなぁ.........なんだコイツただ可愛いかよ 保護欲が
- 46クアドラプルグロウ22/11/04(金) 08:27:58
- 47クアドラプルグロウ22/11/04(金) 08:28:54
(安価機能しちゃった うっかり)
- 48クアドラプルグロウ22/11/04(金) 08:31:25
【クアドラプルグロウ!】
>1
この流星は親譲りだったか
>2
黄金世代のトリプリティアラだよな?楽しみ
青春してくれよなぁ
>3
2よ、今すぐ史実戦績を調べるのだ すぐにだ
>4
あれで青春は無理がある
- 49二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 08:33:01
- 50クアドラプルグロウ22/11/04(金) 08:34:31
- 51二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 08:35:53
- 52クアドラプルグロウ22/11/04(金) 08:36:32
面白さは何より優先されますからね その精神受け取りましたわ
- 53ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 08:52:36
バラカドボナールさんのお名前ですね
あとはキタサンアイドルさんのお名前も好きです
馬主さんに愛されていたんだなぁ感というか、幸せな祈りを感じます
好きな固有スキル名はMarch-Hare, R/L-un-a-way!ですね。もう語感と意味がヒャッハーな感じがたまらんです
もうひとつ挙げるなら、Sink into the Mirageですね
こちらは語感がしっとりしているというか、絶妙です
好きな衣装名はHase Branche-Neigeがぶっちぎりで好きです
いや、もちろん皆さんのどの勝負服も素敵なのですが、背後霊的に白い子好きで……
ずっと気ぶり爺みたいな心持ちで読ませて頂きました!
というか最近ずっと気ぶってる気がする背後霊……
- 54ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:03:38
今ならSS投稿しても邪魔になりませんよね……ちょっと長いかも……
- 55ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:05:36
【逆巻く①】
雫が落ちる。水面が揺れる。波紋が広がる。水面は凪ぐ。雫が落ちる。水面が揺れる。波紋が広がる。水面は凪ぐ。雫が落ちる──
私は遊ぶ。
雫を落として。水面を揺らして。波紋を広げて。遊ぶ。遊ぶ。遊ぶ。
まるで海を操っているかのような全能感。
けれど。結局のところ。
──海は、なにも変わらない。
🌑🌒🌓🌔🌕🌖🌗🌖🌘🌑
サブトレーナーを辞めて、私は独立した。
引き止められることはなかった。辛いけど、当たり前。むしろ、私みたいなお荷物を今まで使ってくれたことに感謝しなきゃ。
そんなことより、あの芦毛ちゃん──ツキノミフネについてだ。
ツキノミフネ。高等部。身長172cm。スリーサイズは目算だけど、B88・W56・H87。月並みな感想だけど、すごく恵まれた体格をしている。
模擬レースに出走経験はなし。選抜レースも同上。当然、担当トレーナーもいない。 - 56ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:06:10
この事実を突き止めた時点で、トレーナーがついていないウマ娘たちを指導をする教官にもツキノミフネについて訊ねてみたけど、そもそもツキノミフネが教官の指導を受けたのは一度きり。以降一度も練習の場には現れていないとのこと。そういった生徒の情報は当たり前だけど少ない。仕方のない話。相手にする人数も人数だし、やる気のない生徒まで目に掛けてやれるほど教官という仕事は楽じゃないから。
同級生たちにもあたってみた。でも、すごく残念だけど、どうにも情報が見当たらない。わかったことは、トレーニングもせず、レースにも出走せず、毎日毎日街に繰り出しては遊んでいるということだけ。悪評とまではいかないが、競技者としてのツキノミフネは不評だった。しかも、走らない芦毛。そりゃ遠回しにだけど眼中にない、って扱いされるわ。意外と話しやすい子、だとか、一緒に遊ぶと楽しい、だとか、相談乗ってくれた、だとか。こっちが悲しくなるようなフォローばっかり。よく中央に居続けられたなあの子。 - 57ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:06:38
情報を纏めると、ツキノミフネは走りたがらないし遊び歩いてる不良みたいな子。で、結局走りはほぼ一切不明。
ここまで不明だと、走りも見ずにスカウトするなよってあの子に言われたけど、その言葉は挑戦状のようにも思えてくる。走りを隠し続けるツキノミフネ。走りを見ることができた者だけが、スカウトのチャンスを与えられる。こう考えるともりもりスカウト意欲が湧いてくる。あの娘を私は絶対に諦めない。意地でもスカウトしてみせる。
さぁ、まずはツキノミフネに会いにいかなきゃ!
って、決意してから一週間。
会えない!!! - 58ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:08:11
本日は二話掲載でいきます
クオリティは気にしないで…… - 59ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:09:15
【逆巻く②】
海の形を変えるんだっていうバカが現れた。
私は嗤った。できるわけないって、そう決まってるからできないって嗤った。嗤って、嘲って、脅かした。自分だって心の底では、海の形を変えることを望んでいるくせに。望んで、目指して、努力してきたくせに。それでも自分ができなかったから、なんて、くだらない理由で。
バカは私だったの? いいや、バカが大バカだったんだ。あらゆる当然を覆す、私がなりたかった大バカ。
信じられないものを私は〝視た〟
大バカ女が、少しだけ海の形を変えた。 - 60ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:10:11
🌑🌒🌓🌔🌕🌖🌗🌖🌘🌑
会えない。いや、ホントぜんっぜん会えない。
探してもずっと見当たらないし、どうにか見つけて尾行してもすぐ撒かれる。授業終わり教室入口で待ち構えていたのにいつのまにか逃げられたときは、うん。もう心折れそうになったよね。未来でも見えてる? ってくらい恐ろしい逃げ足だ。絶対逃げウマだよあの子。間違いない。
まあ、逃げられると追い掛けたくなるのがトレーナーの性だよね、とは思うけども。いやーここまで会えないのは普通にしんどい。このまま他のトレーナーに先越されたらどうしよう。
なんて、思ってたんですけどね。 - 61ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:10:45
「はちみー固め濃いめ多めひとつ、緩め濃いめ普通でレモン多め、ひとつ、あー、あと蜂の子スナック」
慣れた調子ではちみーを注文するツキノミフネが真横にいます。
いやなんで? ずっと捕まらなかったのに! どんな風の吹き回し? お、今人生で一回言ってみたかったセリフ言えた! ……てか、並ぶとやっぱりこう……デカいな……?! 私の頭ひとつはデカい。適性はスプリントかな? 走りを見ないことにはわからないけど。
「はい、泣き虫トレーナー」
そのままふたり揃ってベンチに移動して、ふたり揃って座る。ほっと一息つくと、ツキノミフネからはちみーが差し出された。泣き虫て……や、しょうがないけど。というか、ウマ娘だしてっきり両方飲むって思ってたからびっくり。受け取るけどもね? うーん。はちみー学生に奢られるトレーナーって一体……あとでお金返そ……さすがに悪いし。
「ありがとう」 - 62ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:11:22
にしても……正直、はちみーよりどうしても指の方に目がいってしまう。細いし長いし白い! 爪綺麗! 自爪だよね? わからん……おのれウマ娘理不尽。生まれつき美形種族がよ……
とかなんとか考えつつ、貰ったはちみーをちゅうちゅう吸っているわけだけど……これ──
「美味しい……」
普段私がやってる組み合わせより全然美味しい。美味しいっていうか、妙に口に合う。たぶんこの先、これ以上私にフィットしたオプションの組み合わせは今後一切現れないであろうってくらいのフィット感ッ!
この子……できるッ! ツキノミフネ! はちみーを知り尽くしているッ!
となりのツキノミフネを見ると、わかりやすくしてやったりって感じでにやにやしていた。ちょっとムカつくから、そっぽを向いてストローをじゅこじゅこ言わせてやる。 - 63ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:11:48
そのまましばらく、じゅこじゅこ、じゅこサクサクと食べ飲みする音だけが私たちの空間を満たす。そんな、心地よい静寂を破ったのはツキノミフネだった。
「で、スカウトまだ諦めないの?」
世間話のような軽さ。軽すぎて、私は一瞬何を言われたか分からなかった。
「……え?」
「あー、オッケーオッケー今の反応でわかった。諦めてないね」
ツキノミフネの笑みが深まる。ぴこぴこ、にこにこ。耳はよく動くし、心底嬉しそうな笑顔でこっちを見ている。見惚れるような笑顔を向けられているのに、なぜか私は、夜の海に身を投げたかのような寒気を感じた。 - 64ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:12:22
「面倒くさいとか諦めが悪いとかしつこいとか、ある意味当てを外されるっていうか、そういうの私結構好きなんだよね。だからちょっと靡いちゃった」
鼻歌さえ歌うほどの機嫌の良さで、ツキノミフネは語る。
「スカウトのチャンスをあげるよ。期限は明日1日。私は、どこかであなたを待ってる。見つけたら走ってるところ見せてあげるから、そこで改めてスカウトちょうだい。〝走らない芦毛〟にそこまでする価値ないって思ったなら勝手に棄権してもいいよ」
そう言い残して、ツキノミフネはベンチを立つ。ゴミを捨て、立ち去ろうとする前。こちらを振り返って、相変わらずの笑みを見せた。
「〝天命〟への叛逆、楽しみだね」 - 65ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:12:59
終わりです、お目汚し失礼致しました
- 66ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 10:26:07
ホントコイツ偉そうだな……偉そうなんだか卑屈なんだかちょっとわからない子ではありますがホント偉そうだな……
- 67クアドラプルグロウ22/11/04(金) 11:31:53
なかなかに癖の強いお方だ…
それはそうと私もSSを投げます!
7レスほどパクパクします!
日常回(+有馬)です - 68クアドラプルグロウ22/11/04(金) 11:32:22
トレーニング中「白紙の夢の話」
『クア』
「………」
『クア!!!』
「ぁ………とれー、なー…何かな………?」
…ここのところ、彼女はトレーニング中にぼうっとすることが多い気がする。
『次のレースなんだが、とりあえず”ヴィクトリアマイル”を目指そうと思ってる』
「………そうなんだ」
彼女は他人事のように言う。どこか誰かの、知らない予定を聞いたように。
『………君のレースだぞ?』
「うん。そうだね………わたくしのレースだ」
…どうも、あれ以来彼女はおかしい。
理由ははっきりしている。さすがにわかる。
けれど、解決の方法は………
『…”君の夢”の話なんだが』
「っ…!知らない!わからないよ!!!わたくしの夢?そんなの私が知りた………!」
『落ち着け!』
「あ、ごめんなさい…本当にわからないかな。”わたくしの夢”。誰か、わたくしに夢をくれないかな…」
『…また潰されそうになるだけだ』
「う………」
彼女はあれ以来”夢”の話を極端に嫌う。
前はあんなにも”夢”の話を楽しそうにしていたのに。
…早く彼女に”夢”を………そう思ってしまう。 - 69クアドラプルグロウ22/11/04(金) 11:32:44
トレーニング中「だれかの夢の輝き」
「………レース、それでいいかな。じゃあわたくし、また走るね」
『あぁ、待ってくれ。その前に期間が空くから、どこか1戦くらい走りたいんだが…』
「ぁ…?えっと…どこでもいいかな。トレーナーに任せるよ」
『え………』
…彼女はそのまま行ってしまった。
すっかり、レースに消極的になってしまっている…
それを、遠くから見守る一つの影があった。
「………」
その影に近づく、もう一つの影。
「ハァイ!…貴方も、あの子が気になる?」
「___」
「えぇ、わかるわよ。私もあの子は心配だもの。…あなたの大切な後輩なんでしょう?」
「___」
「…そんな貴方に、私は提案をしに来たの。」
「___」
「えぇ。…彼女には、少し酷かもしれないけど…今のままの方が、きっと辛いもの」
後日。
トレーナーの元に1枚の「果たし状」が届いた。
だがそれに応えるのは、まだ先の話。 - 70クアドラプルグロウ22/11/04(金) 11:33:00
有馬記念「黄金の夢の年末」
年末の大一番、”有馬記念”。
ツキノエルドラドも、それを走ることになっていた。
「よーし!今日こそ勝つんだ…!シチ姉に、見ててもらうんだ…!」
周りを見渡す。
同期のグラスワンダーやセイウンスカイ、キングヘイロー…
一つ上の世代の、メジロブライトやマチカネフクキタル、キンイロリョテイなどもいた。
(…アタシ、こんな中で走るんだ…!)
…ゲートが開いた。
(…体が、軽い)
彼女は軽い足取りで駆けていく。
(今なら絶対勝てそう…!!!)
軽い、軽い足取りで駆けてゆく。
「…あ、れ?」
不意に足がうまく動かなくなる。
目の前が揺れる。違う、揺れているのは自分だ。
「う、あ…」
最後尾でターフに倒れ込むエルドラド。
「…エルドラドっ!?」
シチーの悲鳴にも近い叫びだけが響いた。 - 71クアドラプルグロウ22/11/04(金) 11:33:11
有馬記念の後に「泡沫の夢の年末」
「…心房細動ですね。おそらくしばらくすれば自然に良くなると思います」
医者はそう告げる。
「よ、よかった…本当によかった…!」
「………シチ姉」
「あ、エルドラド…?まだ安静に…」
「…有馬記念は?」
「………いいから。無理はしないで…」
「アタシの”夢”のG1レースは…グランプリは…?」
「っ………」
言葉に詰まるシチー。
エルドラドの悔しそうな顔。
「…次こそ」
「え?」
「次こそ勝ってやるんだから!!!」
その目はすでに次を見据えていた。
「…すごいね、エルドラドは」
「シチ姉に褒められた!」 - 72クアドラプルグロウ22/11/04(金) 11:33:25
正月「あの日の夢の不安」
「…おかえり、クア!」
「姉や…!」
その日、クアドラプルグロウは正月ということもあり、実家に帰省していた。
クアが是非紹介したいとのことで、トレーナーも一緒だった。
(…”姉や”さんか)
事前にメールで今のクアの状況については伝えてある。
どこにでもいるような、普通の女性だった。
それより気になるのは…
『初めまして、クアドラプルグロウさんのトレーナーをしています。その…クアの両親は…』
「あ…っ」
「…中で話しましょう。ここでは寒いですよね?」
そう言って姉やは中に入れてくれた。
「クア、よければご飯作ってくれないかな?せっかくきてくれたのにお手伝い頼んでごめんね」
「全然大丈夫かな!姉やのお手伝い久しぶりだなぁ…!」
彼女は無邪気な表情で台所へと駆けて行った。
…少し前のぼうっとした彼女とは別人のようだ。
”姉や”の存在はそれだけ大きいのだろう…
「…先ほど、クアの両親…旦那様と奥様の話をされましたね。今から話しますよ」
『難しい話題なら無理に聞きませんよ?』
「いえ。クアを担当する以上、いつかは知って…というより、私から知らせるべきでした」
そう言って、姉やは語り出した。 - 73クアドラプルグロウ22/11/04(金) 11:33:43
正月「あの日の夢の勘違い」
…クアは、小さい頃から両親とほとんど話せませんでした。
旦那様も奥様も忙しく、海外を飛び回ってばかりで…
お世話係として住み込みで私を雇うほどです。
そんなクアが、奥様と話した時のことでした。
奥様は、思春期の頃の…レースをしていた時の”夢”を、クアに語りました。
本人は自覚していませんが、幼いクアはきっと…それで思ってしまったんでしょう。
この”夢”を叶えれば、奥様にもっと構ってもらえる…と。
もちろんこれが本当かは分かりません。ですが、小さい頃からたまに帰ってくる旦那様や奥様に頼まれごとをして、それを達成した時に褒めてもらって…
そういう小さな小さなやりとりのたびに、クアは幸せそうな笑顔を浮かべていたのです。
あの子はきっと…”夢”とあの日の”頼まれごと”を混同している。
だから、自分で自分にする頼み事なんてないから…”夢”がわからない。
そうなんだろうな、と…思います。
トレーナーさん。是非あの子に、本当の”夢”を見つけさせてあげてください。 - 74クアドラプルグロウ22/11/04(金) 11:34:09
正月「あの子の夢のこれから」
…言葉が出なかった。
何も、言えなかった。
あの子の”夢”。
それを見つけることは、気軽に決めてはいけなかったのかもしれない。
けれど、後悔はしない。
あの子の”夢”を、一緒に叶えたいから。
「…姉やー!トレーナー!ご飯できたよ!!!…って、あれ?どうしたのかな…?」
『あ、あぁ…なんでもないよ』
「ご飯にしよっか、クア」
「うん!見て見て、うまくできたかな!」
…出された料理は…お世辞にも美味しいとは言えなかった。
「ふふ…昔より上手くなったね、クア!」
「ほんと!?やったー!」
けれど、なぜだか優しい味な気がした。
…”彼女の夢”。
それに近づけそうな切符がポケットに入っていることを思い出した。 - 75クアドラプルグロウ22/11/04(金) 11:34:39
以上になります
日 常 - 76メジロエスキーの人22/11/04(金) 11:40:40
日常とは一体……
- 77クアドラプルグロウ22/11/04(金) 11:42:35
レースじゃないから日常ですよ(強引)
- 78ツキノミフネの背後霊22/11/04(金) 11:54:09
こんなにも日常って辛い物でしたっけ……?
- 79レッカの中身22/11/04(金) 12:10:42
料理つくって一緒に食べてるし…日常だね、うん
明らかになった真実がお辛いけど - 80ラプ中22/11/04(金) 12:41:58
日常だね(諦め)
そうか…そんな感じの背景が… - 81ラピッドホライゾン22/11/04(金) 12:52:59
- 82クアドラプルグロウ22/11/04(金) 13:17:13
かんたんアップデートですわ
主な変更点
・表情が増えたよ
・「EX」ってフォルダができたよ
EXの中身は特注品となっております
何かリクエストがあったら教えてくださいな
ファイルなう - アップロードされたファイルかんたんvol.4.zip (28.59 MB)d.kuku.lu - 83メジロエスキーの人22/11/04(金) 14:42:04
- 84キタサンアイドルの人22/11/04(金) 19:05:37
wikiに画像貼れてないので顔写真だけ…。
>>81さんをパク…オマージュしますね
アイちゃん
【ビジュアルのみ】
・髪についてるリボンだけでわかる定期
・なんで実馬は大きいのに胸はないんですか?ドウシテ
・アイドルじゃなかったらなんなんだよ!
【メイショウハンメイ(馬名風)】
・やっぱりな
・クソ重シナリオになりそうだな、布団乾燥機待機
・湿度四天王が埋まりそうだな
・海外とかは…いや問題なさそうだな5歳だし
・長距離最強(爆弾投下)ちゃんジャナイデスカヤダー
__
ゴコメちゃん
【ビジュアルのみ】
・だぁれぇ?
・ヒント 目の中の星、芦毛、レースの星空
・もしかしてコメット?
【名称判明】
・ワガママ王子様ウマ娘になるの草
・ああ…あのシロイアノムスメノムスメか……
・当たり前のようにG1取っていくやべーヤツ
・だが曇らせもあるぞ!気をつけろ!!
__
そして突然ですが小説投下!!
今回はG1なので少し豪華二本立てになっております。
- 85キタサンアイドルの人22/11/04(金) 19:06:55
【希望も絶望も踏み潰す怪物】
さて、いよいよ始まる。…ワガママとの勝負が!!
コメット「ふんふーん♪」
機嫌を取るため今僕は尻尾の手入れをしている。…尻尾は敏感な部分であり触られるのを嫌っているウマ娘も居る中尻尾を触らせてくれるのは信頼している証なのだろう。
コメット「もう良い。ありがとトレピ!」
コメトレ「うん、レース頑張って」
コメット「っしゃい!アイドルも見てるしカッコ悪いトコ見せられない見せない!!」
絶好調で仕上がりも当然抜かりはない。…この強さはやはりスポーツ心臓だろう。有名なウマ娘で言うとオグリキャップと似ている。
コメトレ「一応もう一回言っておくけど8番をマークしておいて」
コメット「そんなこと言われなくてもわかってる!!…あーもうやる気無くした……」
さっきまでのやる気はどこへやら…しかし本気では言っていないだろう、冗談と本当を見分けるのに最初は苦労したが今は大分わかってきた。その時の扱い方は…
コメトレ「……」ゴゴゴゴゴ
コメット「ぴぇ…」
こっちも全力で圧力をかけることだ。
コメトレ「冗談だって、ほらファン達がコメットのこと待ってる。アイドルも居るよ」
コメット「……なら仕方ない、走って差し上げますわ」
コメトレ「マックイーンの真似か?」 - 86キタサンアイドルの人22/11/04(金) 19:08:15
コメット「やってみたかっただけ。じゃ、ウィナーズサークルで!」
コメトレ「待機しとく!」
馬場は絶好の良馬場だ、彼女が活躍するには持ってこいだろう。そう思いながらウィナーズサークルの近くへと向かった。
_____
___
(レースはモブ1視点でお送りします)
モブ1(ゴールドコメットはまだ来ない!これなら行け)
【ドガッ!】
それはまさに怪物の足音だった。でも勝利は目前、気にしている場合じゃない。
モブ2「ひっ!」
モブ1(かなり開いてるから押し切れ…)
モブ1「…え…」
その時私は気づいた。あのウマ娘が無敗の三冠ウマ娘候補と呼ばれているかを。
それは圧倒的な力。全てを飲み込んでしまう力。この飲み込まれる感覚はレースで一緒に走らなければわからないだろう。
実況「ゴールドコメットが一着でゴールイン!!」
実況「圧倒的な走りでホープフルステークスを制しました!!まさに新世代の怪物です!!!」 - 87キタサンアイドルの人22/11/04(金) 19:10:13
___
長文失礼しました。
というかまた主役乗っ取られてるんですがトレーナーさん? - 88メジロエスキーの人22/11/04(金) 19:41:15
アイドルちゃんどこ……ここ……?
- 89残滓(大)22/11/04(金) 20:27:26
だらだらと長ったらしい駄文の投下を予告します。
このようなSSめいた文を書くのは初めてなのでどうかお許しを。
このレスを除いてざっと6レス分ほどになると思われます。語り部であり唯一(?)の登場人物はうちのロゴス氏です。
ちなみに、「λόγος」(読み:ロゴス)というギリシャ語にはたくさんの意味がありますが、今回は「思想」「論証」「演説」「神の言葉」「神」の辺りに焦点を当てています。まあ私も、この単語についてはググれば出てくる程度の知識しかありませんが。 - 90残滓(大)22/11/04(金) 20:30:05
気づけば私は、大樹のウロの前にいた。
時刻を見れば丑三つ時、どう考えても門限は超えているし、外泊届を出した覚えもなければ、夢遊病と診断された覚えもない。
それに昨日の黄昏時から降り続ける、「バケツをひっくり返した」という表現ではあまりに生温いほどの水の槍に打たれれば流石に目も覚めるだろう。夜間警備員の存在も考えに入れれば尚更、私が寝ぼけたままここまで来れる筈がない。つまりこれはおそらく夢である。
ところで、夢には意味を持つものがあるという。詳しい意味を全て覚えている者など学園でも数える程だと思われるが、此処に座すは中等部二年にして厨二病歴五年半。その程度の知識ーーネット上の眉唾物だがーーなら持っているので、雨に濡れる夢は癒しの前兆ということくらいはすぐに推測できる。 - 91残滓(大)22/11/04(金) 20:30:36
しかし、この夢の主役が雨と私のどちらでもないことは全くの無知でもわかるだろう。
…目前の切り株の、異様な気配を感じ取ったならば。
誘き寄せられるがままに、禍々しくも神々しさを感じられる大樹のウロへと歩む。
そして雨水の溜まった切り株の穴を覗き込んだ時、その真意を理解した。
底が見えない。どこまでも、どこまでも深淵が広がっている。
その中に腕が見える。たった一本で犇めくように、悍ましくも美しく見えるその手は、けれどただ一つ、助けてほしいと訴えてきた。
迷うことなく私はソレに手を差し伸べた。水面を破った右手にはすぐさま闇が纏わりつく。そして強く、私を引き込もうとする力が加わるのがわかった。 - 92残滓(大)22/11/04(金) 20:32:22
咄嗟に、切り株の縁に左手をつく。踏ん張って腕を引き揚げようにも足許が泥濘んでいてまともに力を込められない。ソレはこちらが逃れようとするのに合わせるように腕を引いてくる。…合わせるように?
試しに力を抜いてみる。すると途端に引力は弱まり、ゆっくりと確実に腕を飲み込んでいるだけだということがわかった。
時間があるなら此方にも分がある。力の差は明らかであるにも関わらず、ゆっくりと引き摺り込むという行動。おそらく相手の思惑はこちらに恐怖を与えることか、或いは此方の何かしらの行動を待っている。
ならば私にできることは一つ。説得だ。
「…何故、私を其方に引き入れようとする?」 - 93残滓(大)22/11/04(金) 20:34:10
極めて落ち着いて問いかける。闇はただ私を引き摺り込む。
「君達は一体何者なんだ?」
ただ、引き摺り込む。
…問いかけに応じるほど友好的ではないようだ。
ならば推測するしかない。
まずは状況を把握。ここは大樹のウロ。その中に入れるものと言えば堪え切れない想いの叫び。そういえば水は霊に関連付けられやすい。あの腕は救いを求めている。
そして類似物。水と想いといえば三女神像の噴水、なにしろ異世界のウマ娘から想いを受け継ぐとかいう噂がある。
然らば此処に潜むのは、恐らく雨水を呼び水として顕現した怨霊、それも夢破れた無念によるものだろう。
…そうであるならば、きっと私と気が合うだろう。
仮定に仮定を重ねた穴だらけの推理だが、これで賭けに出る。
「私と共に来ないか?」 - 94残滓(大)22/11/04(金) 20:36:29
恐らく怨霊であるソレに語りかける。
「幸せそうで妬ましいからという理由で私を引き摺り込むのなら、それは全くの的外れだ」
右手がぎりぎりと締め上げられる。
「私は常に、心のどこかで相手の気持ちを考えてしまう」
「周りに一人でも不幸な者がいるだけで、私はその不幸を嘆いてしまう」
ホープフルSの記憶を思い出しながら続ける。
「…心から笑えないんだ。勝っても、負けても」
「競い合う以上、どう足掻こうと敗者と勝者が生まれてしまうのが、当たり前なんだ」
いよいよ前腕が沈みきってしまった。
「しかし、他人の努力が報われないと私も悲しくなってしまう」
「才能の暴力に夢を潰されるのはとても可哀想だ」
「そして何より、夢が潰えたものが他人の夢を潰そうとするのは、本当に嘆かわしく、見ていて胸が潰れるように苦しくなる」
右腕の骨が断末魔を上げる。
「不幸になったからといって不幸を振り撒くのは無意味だが、これ以上ないほどに情状酌量の余地がある」
「きっと君にも、そして君を潰した彼等にも、そうするだけの理由があったのだろう」
愈々、右手が痛覚を失う。
「…本当に、クソみたいだろう?」
腕が、沈むのを止める。 - 95残滓(大)22/11/04(金) 20:37:17
「何故、我々はこんなにも苦しまねばならない?どうしてこんなにも努力が踏み躙られなければならない!?一体全体我々は何の罪を以て無能に生まれた!?」
「…あるいは、我々の夢を殺した彼等は、どうしてそこまで追い詰められてしまったんだ?」
右腕に火が灯る。蒼く暗い火が。
「私はそれを終わらせる方法を思いついている」
右手の炎が勢いを増す。縋り付くそれが私の味方であることを理解する。
「私はそれを成し遂げてみせる」
元来、日本神道的な神頼みは、自分の努力が人の及ばぬ力で潰えるのを防いでもらうものだと聞く。
故にこの場において私は切り株に宿る神に願っているようでもある。
「私は君達の願いを叶える」
しかし結局、願いを叶えるのは、
「だから君達は力を捧げてくれ」
供物や信仰を受け取るのは、
「私が君達の神になってやる」
私ではないか。
「私がこの地獄を変えてやる」
切り株の深淵は蒼炎に変わった。
「さあ」
私は右腕の自由を認識すると
「私に」
右肩までを切り株の穴に突き入れて
「憑いて来いッッ!!!」
縋る手の全てを引き摺り出したところで、意識が暗転した。 - 96ロゴスの遺志の残滓(大)22/11/04(金) 20:41:58
本当なんというか連投の基準もわからなかったので取り敢えずおおよそ1分ずつ間をおいて投げさせていただきました。掲示板初心者なので8レスも潰してよかったかわかんなくてあとほんとお目汚し失礼しました。
- 97二次元好きの匿名さん22/11/04(金) 21:19:35
- 98ラピッドホライゾンの人22/11/04(金) 21:22:23
- 99ナックル宅の壁22/11/04(金) 21:46:19
お疲れさまです。
どうでもいい話をさせてください。
ナックルさんがサッカー好きなのはお母さんの影響なんです。
ナックルさんが好きなチームは「リバプール」、お母さんのデイさんが好きなチームは「リーズ」。力関係はリバプールのほうが上位です。
それで先日この2チームがリーグ戦で対戦しまして、ウマチューブで母娘で同時視聴配信してたんですよ。
結果なんですけれども……。
2分ほどお時間をください。
SUMMERVILLE SCORES DRAMATIC WINNER! | LIVERPOOL 1-2 LEEDS UNITED | PREMIER LEAGUE HIGHLIGHTS
……2−1でリーズ(白)が勝利しました。
ナックルさんはリバプールが連携ミスから先制点を奪われたときは発狂する元気があったのですが決勝点を決められたときは感情を失っていました。
その横でデイさんの同期であるマヤノトップガンさんが『デイちゃんの前でサッカーの話はしないほうが良いよ。デイちゃんがずっと喋り続けちゃうから』と言ったほどのサッカー狂であるデイさんは「いよおおおっっし!!」と普段の温厚な性格からは想像できないような喜びようでした。(なお別枠の感想戦配信は2時間近く続いた模様)
というわけでこちらがYSDメーカー様で作成したデイさんのお顔です
- 100残滓(大)22/11/04(金) 23:04:24
言葉足らずすぎたので追記をば…
日の光を浴びて即座に飛び起きる。普段は日光が差し込む1時間は前にアラームが鳴る筈なのだが…やはりこの頃は寝不足だったか。
明日は皐月賞だというのにこのような杜撰な健康管理ではいけない。取り敢えず日課の走法ラーニングを済ませようと上体を起こす。
視界に飛び込んできた悲惨な光景は、私に全てを理解させた。
…窓が、開いている。
ソレが私の脳内で、「契約は締結された」と囁いた。
継承が完了した!
- 101残滓(大)22/11/04(金) 23:08:11
限界文字数に引っかからないように気を配ったのですが…後から見たら4つくらいで行けそうですね。
続きやらなんやらが纏まるのはまた暫く後になると思われますので、それまでは読み専とさせていただきます…
- 102メジロエスキーの人22/11/05(土) 07:07:09
ちゅ、厨二病……
まあそれはそれとして、SSの続き投げますね - 103メジロエスキーの人22/11/05(土) 07:07:52
─────
迎えた週末。今回のデート先は都内近郊の大型ショピングモールだった。待ち合わせ場所は学園の最寄り駅の改札前。私が早めに15分ほど前に到着すると、ママはその5分後に現れた。
「おまたせ。だいぶ待った?」
「ううん、私もさっき着いたところ」
11月も半ばを迎え、いよいよ肌寒くなってくる季節。街の木々の葉っぱもすっかり緑から黄、赤へと装いを新たにし、いつも歩く道も紅葉の絨毯に覆われてしまっていた。
「それじゃ行こっか。乗ろうとしてた電車の1本前のに乗れそうだし」
「うん! あー楽しみだなー、ママとのデート」
「外では駄目って言ったでしょ、もう……」
スキップしかねないほどルンルン気分で改札を通り駅のホームへと向かう私。それを捕まえにいくかのようにママは少し早足で私を後ろから追いかけてきた。
────
「あっという間に着いたね」
「エスキモーがいっぱいおしゃべりしてくれたからね」
最寄り駅に着き、数分歩いた先にモールはあった。都心にしては大きめなショッピングモール、今日の目的地だ。
「どこから回るの? ママは何か買いたい物あるの?」
「アタシはアロマとかかな……ってそんなにくっつかないでってば」
「えー、腕組むぐらいいいじゃない。ママのけちー」
家族なんだしそれぐらいはとゴネると「2人の時だけだからね」と渋々許可をくれた。
「で、そんな甘えん坊さんは何か欲しい物あるの?」
「うーん……下着とか服とかも欲しいんだけど、今日はそれが目的じゃないっていうか……」
「? まあそれはトレーナーと一緒に来て彼に好きそうなの選んでもらったらいいと思うんだけど……他に何かあるってこと?」 - 104メジロエスキーの人22/11/05(土) 07:08:50
そう、主目的は買い物じゃない。欲しい物はあるけど、それは私が自分で買う物じゃないから。
「……ちょっとモールの中ぐるぐる回ってからでいい?」
もう少し時間が欲しい。もう一度頭の中を整理する時間を。
─────
「ここ初めて来たけどすっごい大きいね。1日で全部回れなさそう」
お昼時、お洒落なカフェを見つけ2人でお店の中に入る。ショッピングモールの店舗にしては少しアンティーク調な造りをしていて、昔ながらの喫茶店のように感じた。
「そうだね。ママは買いたい物見つかりそう?」
店の奥の方のテーブル席へ案内され向かい合って腰かける。店の手前はファミレスでよくある形式の席だったけど、店の奥側は周りからあまり見えないような半個室の席となっていた。近くには誰も座っておらず、秘密の話をするにはもってこいの場所だった。
「うーん、お目当ての物なかったから今日はウィンドウショッピングかな。エスキモーの方は?」
「私も……欲しい物はあるんだけどさ……」
私のそんな落ち込んだ声を聞いてママは少し訝しげな表情を浮かべる。近くには誰もいないのにも関わらず、周りをチラチラと見ながら少し小声で私へと囁く。
「ねぇ、何かあったの? もしかしてトレーナーと上手くいってないとか?」
「……正解。ママすごいね」
この前エスキーと話した時と似ている。私が言わなくても何が言いたいのかを突き止めた2人。互いに勘が鋭いだけなのか、ただ単に私が分かりやすい性格をしているのかのどっちなんだろう。
「最近トレーナーと上手く喋れなくってね。原因は私だから私が変わればいいだけの話なんだけど、なかなか上手くいかなくて……」
「ふぅん……原因って自分では分かってるの?」
もちろん明白だ。ただ夢の話を一から百まで詳らかにするのは気が引けたからところどころ端折りながら、その前段階のエスキーとの話も掻い摘みながらママに説明をする。互いに運ばれてきたランチセットを口にしながら、私がひたすら喋りママが聞き役に徹する形で話が進んでいった。
- 105メジロエスキーの人22/11/05(土) 07:09:48
「──って感じなの……恥ずかしくてトレーナーの顔見れなくて……」
フォークとナイフを置き、深いため息をつく私。それに対してママも食べる手を止め私と同じように大きく息を吐いた。
「あの子は何を……! ええっと、いろいろ聞きたいことあるんだけど、それは全部エスキーに聞くことにするから一旦置いておいて……いっそのことトレーナーに自分のことどう思ってるのか改めて聞いてみるのはどう? 彼の本心を聞けばスッキリするんじゃない?」
「直接、トレーナーに……?」
直接本心を聞く、その発想はなかった。今この段階でトレーナーと話をするのは恥ずかしいから避けてたんだけど、ママがそうアドバイスしてくれるなら一度試してみよっかな……
「うん。もちろん恥ずかしいっていうのは分かるよ。アタシだったら聞けなくてモヤモヤして、そのモヤモヤがどんどん大きくなっていっちゃう、もちろんそうならないよう気をつけてるんだけど。ただあなたはアタシとは違う。ちゃんと自分の想いを相手に伝えられる子なんだから、正面からぶつかればトレーナーも応えてくれるよ」
「そっ、か……うん、頑張ってみる」
まるで自分自身に言い聞かせるようなママの台詞に勇気をもらった。今日家に帰ったらトレーナーとちゃんと話そうと心に決める。
「そういえば欲しい物って聞いてなかったね。アタシがプレゼントできる物だったらするけど」
欲しいもの、それは決まっている。ただそれはママには買えないもの。
「ううん、ママからは貰えないの。なんでかっていったら──」
─────
「じゃあまた明日。お出かけできて楽しかった」
「私も。じゃあまた学校で」
朝の待ち合わせ場所と同じ場所でママと二手に分かれる。ママは寮へ、私はトレーナーの家へと足を運んだ。
(恥ずかしくてもちゃんと聞いて、その上で伝えよう)
そう胸に決めたところでトレーナーの家の玄関までたどり着き、鍵を開ける。ドアを開けて歩いていった先のリビングにはトレーナーがソファに腰かけパソコンの画面とにらめっこしていた。
- 106メジロエスキーの人22/11/05(土) 07:10:56
「……トレーナー、ただいま」
「お、おかえりエスキモー。今日はドーベルさんと出かけていたんだっけ?」
そう言ってトレーナーはパソコンから顔を上げ、少し体を横にずらして私に座るよう促す。その言葉に甘えて私はバッグを膝に抱える格好でソファに腰かけた。
「うん、ちょっとお買い物しに。お互い買いたい物見つからなかったんだけどね。久しぶりに2人で出かけて楽しかったよ」
「そっかそっか。オレは一日中家に籠もっていたよ。今度のジャパンカップのこととか、それに向けたトレーニングのこととか朝から考えていたらもうこんな時間だよ」
「集中しすぎるのも考えものだな」と笑い飛ばすトレーナーの顔を見て、私は意を決したように言葉をぶつける。
「ねえトレーナー」
「ん、どうした?」
ママからもらった勇気、ここで使わずにどこで使おうか。
「私のことどう思ってるか教えて。担当じゃなく1人の女性として」
「エスキモー……」
あんな恥ずかしい夢を見ていたのは、元々私が心の奥底でかすかにトレーナーにしてほしいと願っていたから。それがエスキーの言葉で夢という形で顕現しただけ。だけどそれはあくまで自分の願望の話。トレーナーがどう思っているのかを彼の口から聞きたい。彼が何を望んでいるのかということを。
あまりにも唐突すぎたんだろう、トレーナーは言葉を必死に見つけようとして目線をあっちこっちに泳がせる。少し唸りつつも数分かかって紡いだその言葉は私が期待していたそのままの言葉だった。
「愛しているよ、1人の女性として」
嬉しい、ただ嬉しい。だけど私は自分が考えている以上に強欲で欲張りで欲深いウマ娘だった。
「……証拠、見せてよ」
欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい! 形にして、今見せて、貴方の私への愛情を。
- 107メジロエスキーの人22/11/05(土) 07:12:16
無意識ながらも気づいていたのかもしれない。もう長くはいられないと、もうすぐ離れ離れになってしまうと。だから、だからこんなに彼を求めてしまっている、『それ』を欲してしまっている。
私の目が、彼を貫かんとばかりにまっすぐな視線が彼が高く、そして堅く築きあげてきた心の壁を、絶対に崩さないと決めた堅牢な城壁を打ち砕こうとしていた。
「エスキモー……君はいいのか?」
もしかしたら焦っている心を見抜かれてしまっていたのかもしれない。だって彼はいつだって頑強に拒み続けてきたのだから。まだ早いと、卒業してからだと。
「……うん、いつでも覚悟はできてるから」
ただこの時私は気づかなかった。彼も焦っていたんだと。もうすぐ会えなくなるかもしれないことに彼もまた薄っすらと気づいていたんだということを。
「……みんなには絶対に秘密だからな」
「……うん」
彼が私の手を引いて2人暗い寝室へと向かう。ベッドの前で立ち止まると彼は私を押し倒し、その上に覆い被さって──
「……今まで我慢してきた分、全部ぶつけるからな」
長い夜が始まった。外が明るくなるまでずっと、ずっと。
─────
「ふわあぁぁぁ……っていたたた……」
迎えた翌朝、すっかり太陽が昇り、カーテンを閉じた部屋にもそのカーテンの隙間から光が溢れていた。
「結局トレーナーに好き勝手されちゃうだもんね……」
軽く1つため息をつく。自分から誘っておきながら最初から最後まで全部お任せしてしまったのは申し訳ないと思いつつも、途中からリードするなんて発想を頭から吹き飛ばしたトレーナーにも責任があると思う、たぶん。
- 108メジロエスキーの人22/11/05(土) 07:13:11
「シーツもちょっと整えてあるけどグシャグシャだし、そもそも私服着てないし……」
腰に手を当てながら家に常備してあった自分の下着と寝間着を着てリビングへと向かう。ただそこにはトレーナーがおらず、食卓の方に目を向けると空のお茶碗やコップ、そして玉子焼きやウインナーが載っているプレートが置いてあった。その横にはメモが置いてあって、
「『学園には連絡入れてあるから早く来ること!』だって。早く来いって今何時だ……と……あれ?」
部屋に掛けられている時計を見ると、針はとっくに11と12の文字を指していた。
「えーっと、結局朝方までしてて、私はそこからぐっすり寝ちゃってたってこと……?」
顔から血の気が一気に引く。お互い溜まりに溜まっていたとはいえ、いくらなんでもハッスルしすぎた……おまけに腰はガクガクだしまだ感覚残ってるし、これは登校できてもトレーニングになりそうにない。
「とりあえずシーツと布団洗って干すか……」
この時間だと今から行っても午前中の授業には間に合わない。だったら洗濯と夕飯の軽い支度でもして午後の授業から顔出した方がまだマシかな。
そう自分の中で結論づけると寝室とシーツや掛け布団を引っ剥がして洗面所の洗濯機にまとめて放り込みスイッチを入れる。その間に用意してくれていた朝ご飯を食べて使った分の食器を洗う。キッチンでそうしている間にセットしておいた洗濯が終わり、ピーピーとアラームの音が聞こえてきた。
「テレビ見てたら今日は一日中晴れるって言ってたし、外干ししちゃって大丈夫かなー」
布団もシーツもパンパンと軽く皺を伸ばすと、物干し竿にそれぞれ重ならないように干していく。あとは洗濯バサミで飛ばないように挟んで完了! 時計を見るとまだ12時前だったからパパっと夜の支度だけして、これまたトレーナーの家に置いてあった制服に素早く着替えて午後の授業を受けに学園へと駆けていった。腰はまだ痛かったから少し控えめなスピードで。
- 109メジロエスキーの人22/11/05(土) 07:14:55
─────
無事に午後の授業も終わり、トレーニングのためにトレーナールームへと足を運ぶ。ただ今のこの状態でトレーニングを行うのは若干、というかだいぶ厳しい。その旨をトレーナーに伝えようと腰をトントンと叩きながらゆっくりと部屋の扉を開けた。
「ねえトレーナー、朝食作ってくれてありがと。あとちょっと今日コースでのトレーニングはなしにしてもらえないかな……?」
「君のには及ばないけどな。トレーニングの件は……まあそうなると思っていたよ。だから今日はパソコンでジャパンカップの対戦相手の勉強だ。といってもオレがまとめたデータやレース映像を見てもらうだけなんだけど……ふわあぁぁ……」
お互い昨晩のことは言葉に出さず、スムーズにトレーニングへの話へと移行する。それにしてもトレーナーすっごく眠そう……
「……もしかしてほとんど寝てないんじゃない? 資料作ってくれてるなら私一人でも大丈夫だから、ちょっとだけでも寝たら?」
ポンポンとソファに腰かけた自分の膝を叩き、膝枕に使っていいよと提案する。それを聞いたトレーナーはもう襲いかかってくる眠気に耐えられないのか、自分のデスクからパソコンを持ってきてなんとか私の前に置いた。そこから倒れ込むようにソファに寝転がり、私の膝に頭を乗せ、スヤスヤと寝息を立てて眠りについた。
「お疲れさまトレーナー。私のためにありがとね」
左手でトレーナーの頭を静かに撫でながら右手でパソコンを操作し、トレーナーが作成した資料でジャパンカップで対戦するウマ娘たちへの対策を考える。
「……といっても基本はエスキーのマンマークでいい。最後スパートをかけるタイミングで他の子に邪魔されない位置を取っていれば」
『予想ペースはハイペース。ただ逃げ宣言しているウマ娘は出遅れ癖があり、もしその子が大きく逃げられなかったらミドルペースに落ちる』
- 110メジロエスキーの人22/11/05(土) 07:15:58
特別登録の発表自体はまだ先だけど、G1、しかもジャパンカップのような大レースになればその前の段階で想定メンバーは各種新聞で発表される。もちろんそこから怪我や不調で回避するウマ娘もいるが、逆に想定時点で名前がなく、特別登録時点で名前が初めて出るような子が仮にいたとしても1人や2人程度。トレーナーに丸投げするのは申し訳ないけど、2人ぐらいであれば簡単に調べ上げられることができるから、全員の情報を頭に叩き込むのにそう苦労はしない。
「えーっと、それで今回一番注意すべきは……まあエスキーか。次に注意するのは……あー、この子か」
ありがたいことに資料は注意すべきウマ娘順に整理されていた。エスキーが当然一番最初で、その次に載っていた名前は今年トリプルティアラを達成したばかりのウマ娘のものだった。
「『ストラテジーバード。重バ場でも良バ場でも関係なく最後までしっかり伸びてくる末脚を持っている。未だ負けなしで今後マーク要』か。確かに桜花賞もオークスも、最後の秋華賞もキッチリ最後捉えて勝ちきったもんね……」
主役不在とされた重バ場の桜花賞を外から差し切り桜の栄冠を勝ち取ると、今度はパンパンの良バ場だったオークスを真ん中からつき抜けて樫の冠を掴み取る。そしてティアラ路線最終関門秋華賞では堂々とした横綱相撲を見せ見事にトリプルティアラを達成。史上最少キャリアでの栄光を掴み取ったウマ娘としてメディアでの取り上げられ方も凄いものになっている。
「あとのメンバーは……まだ対戦経験のない子たちもいっぱいいる。これはちゃんと勉強しておかないと……」
しっかり頭に焼き付けようと前屈みになりながらパソコンの画面をしっかり見つめ、脳に情報を注ぎ込む。前屈みになっていたせいで膝の上のトレーナーの頭を胸で押し潰していたことには、トレーナーが少し息苦しそうな声を漏らすまで気がつくことはなかった。
「これで全員分終わりっと……おーい、トレーナー? もう見終わったよー」
手で軽く体を揺らすも起きる気配がない。むしろ寝返りを打ち、見下ろす私の顔と直接相対するように上を仰向けに体勢を変えていた。
「もう外も夕焼けに染まってきたし、早くしないと真っ暗になっちゃうよーおーい」
- 111メジロエスキーの人22/11/05(土) 07:17:10
自分の膝の上で安心して眠ってくれているのは嬉しいけど、早く帰らないとそもそもの門限を越えてしまう危険が出てくる。だからとっとと起きてほしいんだけど……あっ、そうだ。
「こうなったら……んっ……クチュ……ジュル……」
唇と唇を合わせるだけの優しいものではない。舌と舌を絡め合わせる深い形。もちろんトレーナーは眠りについているから私の舌がトレーナーの口の中を一方的にて蹂躙し、唾液と唾液が混じり合っていく。
トレーナーの顔を両手で押さえ貪るようにキスの雨を降らせる。流石にトレーナーも途中で目が覚めたのか途中から互いに舌を絡ませ合い、それにお互い息が続かなくなったところで唇を離すとお互いの舌と舌が透明な細い唾液の糸で繋がっていた。
「はぁ……はぁ……おい……もうちょっとまともな起こし方あっただろ……」
「はぁ……はぁ……いくら体揺らしても起きなかったトレーナーが悪くない……? というか途中からトレーナーも舌絡ませてきたじゃん」
お互いが肩で息を整えながらソファに横並びに座り直す。さっきまでの空気はどこへやら、すっかりいつもどおりの雰囲気に落ち着いていた。
「あれはだな……ってそんな話している場合じゃない。今何時だ?」
トレーナーは部屋をキョロキョロと見渡し時計を探す。私は目の前のパソコンのスクリーンセーバーを解き時間を確認する。
「18時前。早くしないとご飯一緒に食べられないよ?」
「早く片付けて家に戻るぞ……っていてて……」
- 112メジロエスキーの人22/11/05(土) 07:17:44
勢いよく立ち上がったトレーナーが腰を手で押さえる。トレーナーもトレーナーで昨晩のアレで痛めてしまったらしい……あれ、これマズくない?
「……私思ったんだけどさ」
「どうしたエスキモー?」
事実を完全に隠し通せたとしても、当然その後の何が起きたかがバレてしまえば元も子もない。トレーナーとそのウマ娘とはいえ、男女が暗くなるまで密室で2人きり。部屋から出てきたと思ったら互いに腰を押さえて息も少し荒い。
「他の子にこの状況見られたら……終わるよね」
「……! じゃあ少しずらして出るか……数分遅れていくから先に家に入って夕飯の準備しておいてくれ」
「はーい……いてて……」
今日1つ勉強になったこと。ハッスルしすぎると体痛めていろいろ大変なことになる。
(とりあえずレース前は禁止かな……)
─────
その夜は久方ぶりにあの白い部屋の夢を見た。
(えーっと、電池、電池……確かこの辺りに……あった!)
おもちゃ箱をひっくり返したかのように辺り一面に散らばる物の山。前に見た夢の時より数が増えている気がする。
(こっちはレース年鑑? でこっちは……え、何このドロドロした液体……こっちはトレーニング教本で……)
地面をキョロキョロ見渡しながらもまっすぐに光が反射してキラキラ光る、まるで黒曜石のような色をした電池を拾い上げる。
(これで2つ目。あとはこれを嵌めてあげて……)
そう時計の元へと歩き出したその時、またもやプッツリと部屋が真っ暗になったかのように映像が途切れた。
- 113メジロエスキーの人22/11/05(土) 07:18:32
長くなりましたが今日はここまで。それではまた次回
- 114二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 07:27:02
ウワーッ
犯 罪 ! - 115残滓(大)22/11/05(土) 08:01:24
設定を投げ…な………投げていいのかな……………投げたろ!(脳死)
出資者
契約した怨霊達のこと。ロゴスが名付けた。
ぶっちゃけ株主とかの方が適当に関係性を表しているけど、謙りすぎるとこいつらが気分を悪くするので。
目標は世界征服なのでレース関連の恩恵はほぼ皆無。ただし目標の達成が危ういとなると全力を貸してくれる。
尚、ロゴスは進捗を出したりしてこいつらの機嫌を取らないと魂を引き裂かれて死にます。 - 116二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 08:08:07
- 117残滓(大)22/11/05(土) 08:14:38
未勝利戦勝てるのすら一握りなんですから、負けた奴らの無念やら予後不良したやつの恨み言やら一カ所に吐き続けていたらこれくらいの怨霊余裕で出来上がりますよ。"ライ・ホウ・シャ"みたいな感じで。(俺の脳内設定)
- 118二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 08:15:39
ライ・ジョウ・ドウ?
- 119フラなんとかのひと22/11/05(土) 09:29:35
SSですわ〜!読みますわー!ウワーッ!こいつらうまぴょいしたんだ!
💮「仲間が増えて俺も嬉しいよ」
🚓「手出したんですか?」
💮「違います」
おそらくセンになったせいでクラシックに出れなくなった馬の恨みを集めたものと思われるが……
- 120ナックル宅の壁22/11/05(土) 14:03:59
怪文書失礼します。
「あるライブ後の控室」 - 121ナックル宅の壁22/11/05(土) 14:06:33
「……ユリさん……ライブ中に、客席からただならぬ言葉聞こえてきてさ……」
「……なんか言われた? あたしは聞こえなかったけど」
「…………『ユリナクてぇてぇ』とか『もう結婚しろ』って、何人かが……」
「…………」
「……なんだよユリナクて……」
「……もうみんなにバレてるなぁ……あたし達ふたりのこと……」
「落ち落ち落ち着けゆゆゆユリさん! まだだだだだだバババババババババレてる訳ではななななななななない!」
「お前が落ち着け!! ていうかふたり暮らしなのはみんな知ってるしもうお察しだと思うけどね!?」
「うぞおおぉぉ……人前じゃくっついたりしないように気をつけてたハズなのに……」
「でもナクって隣り合って立つ時あたしの脚に尻尾絡めたりしてるけどね。人前でも」
「ゑ? そんなことしたっけ?」
「無意識かよ! お前あたしのこと好きすぎだろ!!」
「う”お”あ”あ”あ”あ”……奇蹄グループのイメージに関わるんじゃないか心配になってきた……色ボケコンビと思われるのはマズい気がする……」
「うーん……最近エゴサした時はナクが心配してるような書き込みは見当たらなかったけどなぁ」
「あ、そう? でも無自覚でイチャついてないか意識しないと……。見せつけるとか趣味じゃないし……この控室も今はふたりきりだけど家ん中ってわけじゃないし……」
「……確かにな……」(控室のお菓子を食べる)
「あ、それ食べていいやつなん?」
「うん。スタッフのヒトが食べていいよって」
「まじか。私も食べるわ」
「おう。ほれ、あーん」
「ん。……うまっ!」
「おお。スタッフのヒトにありがとうって言っとかなきゃな……。
(……あれ? 今の充分イチャついたことにならんか?)
……。
…………まあいいか」
- 122メジロエスキーの人22/11/05(土) 14:23:50
はー、これ見よがしにイチャイチャしよって……
- 123二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 16:00:45
二人分アバター作って両方で致した方が何か言っておられますね……
- 124二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 16:47:03
あまりにそれはそう過ぎて芝生える
- 125キタサンアイドルの人22/11/05(土) 17:18:00
おおー!ssが大量ですよー!!
本当に関係ないんですがリ○グフィット終盤近くになるとすごい疲れますね…でも描写リアルに描けるしヨシッ!(良くない)
あとwiki色々と更新しました!
キタサンアイドル - uma-musumeになりたい部 @ ウィキ【10/17更新】(読み込めない部分は順次解放予定) 実馬のキタサンアイドル 血統 父キタサンブラック 母父ジャングルポケット 幸運の重戦車 牝馬でありながらそこいらの牡馬より馬体が大きい。 かなり気難しくプライドが高...w.atwiki.jp - 126フラワ筋肉の人22/11/05(土) 18:10:25
- 127メジロエスキーの人22/11/05(土) 19:49:08
プログレスの母がついに実装されたと聞いて
- 128二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 19:57:01
- 129プログレスの人22/11/05(土) 20:09:17
お姉(母)様!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
石は14000はありますわ!!!!!!絶対足りないと思いますけれどいつでも来てくれてもよくってよ!!!!!!!!!!! - 130ライトニングホラーの中身22/11/05(土) 20:32:50
プログレちゃんおめでとうなのです!
- 131クアドラプルグロウ22/11/05(土) 20:33:51
- 132クアドラプルグロウ22/11/05(土) 20:34:10
おめでとー!!!
- 133アルケミー22/11/05(土) 20:36:46
- 134二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 20:37:44
- 135プログレスの人22/11/05(土) 20:38:06
それやるぐらいならやらない方がいいと思うなー!?
- 136ラプ中22/11/05(土) 20:38:27
- 137二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 20:39:44
最近ボバーがだいぶ静かなん
- 138クアドラプルグロウ22/11/05(土) 20:48:52
- 139メジロエスキーの人22/11/05(土) 20:49:50
ボバーは明日の朝のBCクラシックにライバル(仮)のFlightlineが出るからもう寝てるんじゃね?
- 140二次元好きの匿名さん22/11/05(土) 20:51:44
- 141メジロエスキーの人22/11/05(土) 20:55:31
- 142クアドラプルグロウ22/11/05(土) 21:05:03
- 143メジロエスキーの人22/11/05(土) 21:28:32
- 144ライトニングホラーの中身22/11/05(土) 21:28:41
- 145クアドラプルグロウ22/11/05(土) 21:30:40
- 146二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 00:21:59
- 147ラプ中22/11/06(日) 00:49:02
希望者の方ようこそー
おー…変態ローテ… - 14814622/11/06(日) 02:19:46
ウイポ産故お許しを…
- 149メジロエスキーの人22/11/06(日) 06:53:05
牡馬ニキー、ライバル(仮)のFlightlineがBCクラシック圧勝したぞー
- 150キタサンアイドルの人22/11/06(日) 07:03:11
- 151残滓(大)22/11/06(日) 07:59:12
今夜また懲りずに駄文を投下しようかと愚考しております。
うちの子は右耳に苧環の花飾り、濃紺(青毛)の内巻き癖毛セミショートに朱目のまな板168cmです。
ドの付く陰のものですが日没後にカフェインをキメたが最後、箍が外れたように喋り出しますので歓迎会にはぜひエナドリを。
ところで戦績じゃなくてキャラ設定から考え始めた俺は邪道…?(今更になってwikiを確認した者の図) - 152カラレスミラージュの人22/11/06(日) 08:30:25
- 153ラピッドホライゾンの人22/11/06(日) 09:52:44
- 154カラレスミラージュの人22/11/06(日) 10:34:09
新人さん歓迎中に恐縮ですが、いつ規制が戻るか分からないので投げられる内にSS投げさせていただきます!過去作はこちらに
無彩の少女、虚飾の果て - uma-musumeになりたい部 @ ウィキ【8/25更新】▽タグ一覧 SS カラレスミラージュ Repetition does not transform a lie into a truth. —Franklin Delano Roosevelt 概要 カ...w.atwiki.jpというわけで無事レースに復帰した本編第8話「閑却」、10レスほど失礼します!(……多くない?)
- 155カラレスミラージュの人22/11/06(日) 10:34:32
「では、明後日のレースの話でも始めますか」
「はい! よろしくお願いします!」
残暑覚めやらぬ、それでいて涼やかな風を浴びる機会が増えてきた長月の後半。長袖の制服はどこか落ち着くなんて考えながら、ホワイトボードの前に立つトレーナーさんを眺める。
神戸新聞杯、阪神開催第11Rは芝2400m。中山開催のセントライト記念と並んで、クラシック三冠最終戦の下準備に相応しい威光を放つGⅡレースだ。今年はフルゲート18人、夏を超えて一回り以上強くなったウマ娘が犇き合っている。
「ではミラージュさん。我々が敢えて神戸新聞杯を選んだ理由、振り返っていきましょうか」
無駄に流暢な筆記体で書かれた“Why”の文字に苦笑しながら、手元のメモ帳を開く。どんな些細なことでも、書き留めておくだけで大分違うからね。
……トレーナーさんが次走を決めたのは、皐月賞直後。例の骨折の直後、リハビリ計画を練り始める前のことだ。だから“その後に何かが決まったとして”、それを反映する余裕はこの人にない。ベテラントレーナーさんなら違うんだろうけどね。
「まず、2400mのレースを走らせておきたかった。東京と阪神でコースは違いますけど、距離感覚としては2000からの2200より色々見れるでしょうから。あと日本ダービーのリベンジ」
「OKです、まずそれが一つ」
“2000→2400→2200→3000”の三番目にバツを打つトレーナーさん。ジュニア級の時はホープフルSを筆頭に2000mのレースしか無かったからね。出るのを見送った皐月賞トライアルも含めて。なんか2000至上主義すぎない? 気のせい?
その意味でも日本ダービーは出走しておきたかったんだけど……骨折がなくても7着だったからね。半月の間に青葉賞を走るのは厳しかったと思うし、けどリステッドの方は2000m! うーんままならない、なんて考えるのもほどほどに。
「次が遠征適性。一応京都ジュニア走ってますけどほぼ1年前ですし、どっちみち菊花賞は京都開催だから移動に慣れ直しておくのも悪くない」
「はい、これで遠征苦手とかシャレになりませんから」
トレセン学園、中山とか東京のアクセスはいいけど帰省したい時とか大変なんだよね。お父さんもお母さんもあっちの出身だから。 - 156カラレスミラージュの人22/11/06(日) 10:34:47
まあ当分戻らないって話はしてるし。危篤でもない限り連絡は取らないから、自分のことだけ考えて頑張って! なんて送り出してもらった以上はそれに応えるだけ。まあ悪いトレーナーに捕まっちゃったけど……
「あとは、まあ微差ですけど。神戸新聞杯の方が1週間後開催。リハビリ計画に支障を来してもマージンが取れなくはない」
「夏合宿を見るに完全な杞憂でしたが。まあ無事に治っただけ何よりです。逆より余程いい」
考えてみれば、私5ヶ月近く出走してなかったからね。12月から4月の9月ってトゥインクルシリーズ無礼無礼してない? とか聞かれたら返す言葉もない。ともあれ、あの日話していた内容はこれで十分。
空いたスペースに18人分の名前を並べていくトレーナーさん。どうも運がないのか、相も変わらず8枠18番とかいう大外枠を掴まされたのが私ことカラレスミラージュ。外側走るのが十八番だよねハハハ何考えてるんだろう。
「何やら変なこと考えてません?」
「ソンナコトナイデスヨ」
……トレーナーさん、夏祭り以来、私に向ける視線が若干変わってない? 少し警戒が混じっている感じというか。気のせいかな?
「……まあいいでしょう。では最後、もう面倒臭いのでズバリ聞きますね。『今年の神戸新聞杯の前評判は?』」
「『主役不在』。『どうせあの3人で決まり』……あはは、堪えますね」
今まで茶化し合っていた空気感は一転。頭と理屈では分かっていても、言葉には少しだけ棘が乗って。その反応を咎めることもなく、両腕を組んで静かに頷くトレーナーさんの姿。この反応も予想通りだったんだろうと思うと、癪に感じていたんだろうな。……少し前までは。
関東のセントライト記念、関西の神戸新聞杯。菊花賞トライアルとして知られる両レースは、共に上位3人へ優先出走権が与えられる。ではここで問題。誰でも分かる簡単なクエスチョン。
『「上位3人しか景品がもらえない大会に、国内最高クラスの選手が3人出る」と聞いて、「いや自分こそ」とモチベが上がる人はどれ程いるでしょうか?』
……答えは、確か5人だったかな。 - 157カラレスミラージュの人22/11/06(日) 10:35:06
かたや皐月賞ウマ娘、かたやダービーウマ娘。かたや2人の後塵を拝んでいるとはいえ、4着以下にかなりの差を付けてのブロンズコレクター。今年のクラシック級における台風の目は、先週揃って中山レース場に足を踏み入れていた。そうなれば、他の娘たちが出走回避を選ぶのも仕方のないこと。
少しでも輸送の頻度を減らしたいって娘だったり、いや自分は夏で成長したんだって娘だったり、積極的消極的を問わず3人に立ち向かった挑戦者も居たけど……結果については、言う必要もないよね。
けれどまあ、“敗者”は立派だと思うよ? 仮に負けると分かっていても、勇気を振り絞って同じレース場に立っていたことは間違いないだろうから。……“敗者”にすらなれなかった、臆病者の誰かさんたちに比べれば、よほど。
「情報は集めてきましたが、正直なところ。よほど上手く隠しているわけでもない限り、あの3人に敵う出走者は見当たりません。……当然、貴女も含めて」
「分かってます分かってます、自分の立場とか力量は弁えているつもりですよ!」
トレーナーさんの調査だけじゃない。他の名門トレーナーの評価とか、スポーツ新聞とかレース雑誌とか、大手メディアSNSその辺の噂話。媒体形式相手信憑性の一切を問わず、彼らが下した結論は同一。故にこそ『主役不在』。貼り付けられたラベルは何重にも補強され、剥がそうにも爪の方が割れてしまいそうだ。
「というわけでトレーナーさん! 私は今回どう走ればいいですか!」
だからこそ、私は彼に問う。この見る価値も無いレースにおいて、貴方は私に何を望むのかを。
リハビリ明けだから、とにかく怪我しないよう無事に帰って来て欲しいですか? それとも全力を振り絞って、勝利を獲って来て欲しいですか? それとも……
「好き勝手に走ってこい、復帰戦なんてそう味わえるモノじゃないからな。それに」
「それに?」
「……誰も見ちゃいないさ、お前らなんてな」
「……いやトレーナーさんは見ていてくださいよ!? 自分じゃ振り返りとか限界あるんですから!」
分かってる、分かってる。スポットライトの数は最初から決まっていて、その光を浴びられない存在が視線を集めることなんて出来っこないと。だったら、私がやるべき行動は、至極単純。
諦めてしまえ。 - 158カラレスミラージュの人22/11/06(日) 10:35:43
「っかし暇だな……」
ボトル片手にターフを眺めながら、一人呟く。担当から「レース終わりまで独りにして欲しい」と言われ、手持ち無沙汰なまま日曜昼のレースを眺めるオッサンが俺。
試しに第9Rのダート戦、誰が勝つか予想してみたが……脚の調子見て5番人気あたりが勝つと思ったら8着くらいに沈んでいった。専門以外は手ェ付けるべきじゃない、よく分かった。
「そろそろ10月も近いってのに、30度間近とか勘弁してくれ……」
猛暑日の連打を思えば、真夏日くらいで呻くなって声も聞こえてきそうだが。それで自分含め誰かがぶっ倒れることの面倒さを思えばこのくらい愚痴らせてくれと。どうせ誰も聞いちゃいないだろこんなオッサンの戯言。
「いやー暑いですねー……ちょっとしんどくなる……」
「……自分のトレーナーと一緒に居なくていいんですか?」
「色々あって今日は来てませんー……今日のレースはむしろ貴方と見たかったー……」
燃えるような髪色に似合わず、空のような瞳に微かな揺れを湛えて。茹だるような熱気に溶けそうな額へ、ぺたぺたと冷感シートを貼ってやる。多少は頭の周りも良くなったようで、情けなくうにゃっていた表情にも締まりが戻ってきた。
「遅くなりましたが、改めて。セントライト記念優勝おめでとうございます。ダービーから2連勝ですか、ご活躍のようで何より」
「ありがとうございますー、けど担当じゃない子をベタベタ褒めるのもどうかと思いますよー」
「返す言葉もありません、まあ夏の縁もありますからミラージュさんも許してくれるでしょう」
「彼女、滅茶苦茶いい子ですからねー。だけどそこに甘えるのはダメですから、『トレーナーさん』?」
「はは、耳が痛い……」
考えてみれば、担当が席を外している状態で他のウマ娘と会話する機会はそう多くなかったと。普通のトレーナーならサブ時代などで経験を積んでいるんだろうが、この辺りは自分の浅さを痛感させられる。
彼女も担当の不在には気付いているだろうが、敢えてそれを切り出す様子は無さそうで。第10Rの発走を見届けた後、口火を切ったのは相手の方だった。
「出走者数は2倍近いのに、観客は先週より遥かに少ないの、なんだか悔しいんですよー」
「それだけ貴方達が期待されているということでしょう? どうせ見るなら、強い選手が心震えるレースを繰り広げてくれるのを期待するのは当然のことです」 - 159カラレスミラージュの人22/11/06(日) 10:36:12
こちらのレースは盛り上がらない、そんな考えは言葉の端に留めて。
自分達の実力に驕るでもなく、同じレースを走れた相手の少なさを嘆くでもなく。彼女が気にしているのは、俗に言う世論というもの。一介の選手が意識するには大それた相手であるが……他者と競い合い高め合い、或いはライブに熱狂し。その過程を含めて重視する彼女にとって、今の舞台は到底納得し得ない状況なんだろう。
「……私達、取材頼まれたことがあったんです。『明後日の神戸新聞杯、誰に注目してるか』って。『主役不在』なんて自分達が報じたレースに、『主役』からの意見を聞いて流すなんて、それがどれほど酷いことか」
「…………」
「私もミツバも、『それを知るために行く』って誤魔化しました。ヘルツは口走り掛けていたけど……まあ、公式戦でミツバに先着したのが初めてだったし、テンション上がってたと思うので大目に見てあげて欲しいです。私達で口は封じたし」
……いつもは振り回されがちで困り面を浮かべる彼女が、珍しく怒りを滲ませているのを、少し意外に思いながら。
「他の子は知らないけど、私だったらそんな形で注目を……人気を集めたくなんてありません。それは実力と成果に裏打ちされるものであって、誰かの胸先三寸で決まるべき物じゃありませんから」
「……それを言えるだけ、貴方は強いウマ娘ですよ」
白鳥の水掻きという諺が存在する。優雅に浮いているように見える水鳥も、水面下で激しく水を掻いているという話から成立した言葉。……だったら、いくら水を掻いても浮かばれない水鳥は、果たしてどう振る舞えばいいんだろうな。
綺麗な白色とは掛け離れ、醜い鶩の子に似た少女の姿を思い返しながら、心中で一人呟いた。
「そろそろですねー」
「ええ」
第10Rを一番人気の勝利で結び、いよいよ本日のメインレース。本当に担当とは会わず終いで迎える羽目になったが……悔いたとしても今更の話か。
「……復帰レース、無事に走り切ってくれるといいけどー」
「こればかりは、祈るしかないでしょうね」
などと言っても、祈りなんて、実際のところは全く捧げちゃいない。彼女の脚は既に完治した、再び壊れるとしてもそれは単なる別の怪我に過ぎない。そこに天の思し召しなど関わるものか。
だからこそ、トレーナーとして俺が思うことは一つ。
お前は今、何を考えている? - 160カラレスミラージュの人22/11/06(日) 10:36:28
「……そろそろ」
少し座り心地の悪いパイプ椅子。GⅠ以外だと勝負服を持ち出す機会がないから、体操服に皺が寄っても多少は問題ないだろうと。トモの上に乗せていた手を下ろし、天を見上げたまま数時間。誰と話すでもなく何かを為すでもない、唯々途方も無く無意味な時間。
トレーナーに「レースが終わるまで1人にして欲しい」と伝えたのは、他ならぬ私自身。あの人と同じ空間に居ることを、どこか本能が拒絶していたから。そうして控室に独り籠ってこのザマとなれば、まあ情けないことこの上ないけれど。
『……誰も見ちゃいないさ、お前らなんてな』
彼の言葉が脳内で反響する。それは侮蔑でも嘲弄でもない、ただ純然たる事実の提示。その言葉に一瞬激昂が溢れ掛けたものの。一方で、私は確かに安堵を感じていた。その安堵は如何にして表出するに至ったのか。自分の一貫性の無さに、ほとほとウンザリした嘆息が零れ落ちる。
行ってきますを誰に告げるでもなく、無言のまま控室を立ち去る。地下バ道を進む中で、耳に飛び込んでくるのは誰かの声。
「──、────、──!」
「──────、────」
「────────」
会話を言語として認識できないまま、私の脚は舞台へ向かっていく。半年近く離れていたレース場という舞台は、これほど広く大きく騒がしい場所だっただろうか。靴底に伝わる土と芝の感触は、学園のトレーニングコースと似ているはずなのに、どこか違和感。
上を見れば、雲混じりの空が目を焼いてくる。陽の光に焦らされて、額に滲む汗。手の甲で軽く拭いながら、ゲート入りの瞬間を待つ。8枠18番、ゲート入りから発走まで、それほど時間は長くない。
深呼吸。面倒ごとを考えるのは終わりにする。阪神レース場に集った18人。この場に人々の夢を託されるスターは……きっと存在しない。疎に散った観客席は、それだけで私達に現実を突き付けてくれる。1人また1人とゲート入りが進む中でも、聞こえてくる歓声は落ち着いたもので。
最後に私が脚を踏み入れ、出走の準備は整った。もう一度だけ、深呼吸。誰もが私を見ないなら、もうそれでいい。トレーナーすら見ているか怪しいけれど、構わない。私がその舞台に届くためには……いや、やっぱり違う──
【今スタートが切られました!】
──私はただ、この脚で走りたい。 - 161カラレスミラージュの人22/11/06(日) 10:36:43
阪神2400m。GⅠレース未開催が勿体無いと言われる程度に、魅力的なコースと評されることもある舞台は、まず8分の1ほどを占める急坂から始まる。逃げ表明のヘカトンケイルとサックスアリカベがペースを作る中、相変わらずの定位置18番手……ではなく、後ろにマリーノグリズリーとミリシアアメル、追込ウマ娘を2人抱えての16番手と相成った。流石に夏を超えてGⅡレースに出走する面々、このアップダウンに振られても疲弊した様子は見えない。
【さあここからは長いコーナーに入る! 先頭を進む2人のペースは続いていくのか!】
観客席の前を通過しても、聞こえてくる声は大変小さいまま。先頭の逃げウマ娘たちがコーナーへ差し掛かったのを見届けながら、少しペースを上げる。どっちみち後方からインを突くのは無理、多少のロスは後で追い上げればいい。とにかく流れを狂わせないように。
ぐるりとコーナーを抜ければ、500m近いロングストレート。大局には影響しないまま迎える第3コーナーと第4コーナー。ここを抜けた時点でおよそ2000m、今までの私にとっての主戦場。前半と比べて緩い円弧を描く中、持ち味のストライドを維持したまま最後の直線へ。
……音が遠い。蹄鉄に足下の芝が削り抉られる音も、自分の口腔から溢れる吐息も、薄布を越したようにくぐもった物へ。汗が噴き出しているのに身体が寒い。瞼が垂れ下がりそうになる中、スタミナの尽き始めた脚で目指すはただ先頭。まだペースの上がっていない後方集団を置き去るように、1人また1人と。
【さあいよいよ最終直線だ! 仁川の直線で全てが決まる!】
ここまで走ってきて、観客席が視界に入った瞬間。ふと疑問が浮かんだ。先頭からの距離は残り8バ身ほど。見た感じ、先行策で突っ切っている面々はまだ余裕が見えて。
これ、届かなくない?
心臓が早鐘を打ち、肺腑が限界を訴え始める。気を抜けば倒れ込んでしまいそうな。ほぼ根性と執念だけで脚を回しているようなもの。届くか。届かないか。届かせるか。私は……
『好き勝手に走ってこい』
『……誰も見ちゃいないさ、お前らなんてな』
「……ッ!」
そうだ。どうせここで勝っても負けても、変わるのは私の成績と心中だけ。だったら私は、せめて悔いだけは残さないように、最後の一瞬まで。
あの日折れた右足を、全力でターフへ叩き付けた── - 162カラレスミラージュの人22/11/06(日) 10:36:57
────前に踏み出した一歩を、何かが掴む。ピッチのリズムが停滞し、ストライドが崩壊するよりも早く。黒い手が、私を引き摺り込む。浮遊感すら感じないほどの一瞬で、私の姿は地上から消え失せる。
頭は下へ、足は上へ。いつか見た記憶を焼き直すように、黒一色の空間を墜ちる。爽快感も無ければ不快感も無く、ただ目を閉じて身を委ねる。片足を掴んでいただけの何かは数を増して、全身至る所に這い回っていた。
時が止まる。重力への叛逆、私の身体は一点に縫い止められ。目を開いた眼前には、あまりにも見慣れた嫌悪と憎悪の対象。知らぬ間に勝負服を纏っていた私と、そっくり同じ装束、全く同じ肉体で。逆しまに立つ少女が、ニコリと微笑みかける。……余りにも、空虚な笑みで。
『──、─────?』
少女が口を開く。音の届かない空間で、確かに聞こえた声。それが日頃聞き慣れたものであることに、違和感よりも奇妙な安堵を覚える。
「そう、貴方は……」
薄ら暈けて色を喪った世界。空の青も芝の緑も土の赤も見えない、誰かさんの装いの様な場所。風も音も気配すら見えないこの場所に、ただ一人/二人で佇む私。つい先刻まで走っていたことすら忘れるような、歪に蕩けた安心感。
『────、───────』
少女の言葉が、全身の力を奪っていく。再び襲い来る浮遊感と墜落感。自分が何に執着していたのかさえ朧げに霞む中、束縛の消え失せた身体を無為に委ねる。
「……貴方(ワタシ)が、それを望むなら」
そんな中、たった一つだけ。
「私を」
閉じた瞼の裏、世界が黒く染まり直し。
「静めて」
塞いだ耳に、自分の発する音すら届かなくなって。
「鎮めて」
全てが空虚に堕ちる中、私(わたし)が少女(ワタシ)に願ったことは。
「…………沈めて」
【Sink into the Mirage Lv.1】 - 163カラレスミラージュの人22/11/06(日) 10:37:10
「えっ?」
隣から、気の抜けた声が耳に届いた。いや、彼女の声だけじゃない。ほんの一瞬だが、スタンド全体が静まり返った気配を感じた。だってそうだろう、“ほんの数秒前まで疲労に喘ぎ果てていたウマ娘が、人の変わったように冷静さを取り戻し”──あまつさえ、“このレース場を駆ける誰より速い末脚で先頭を目指し始めた”のだから。……違うな、冷静という表現は正しくない。
憑き物が落ちた、何かを捨て置いた。或いは、錘を外したと呼べばいいのか。
「えっ何あのストライド……!? 速っ、それより低過ぎない!?」
「皆さんとの砂浜トレーニングの賜物ですね。ピッチを上げながらストライドを広げる、その為に必要なバランス感覚、前傾姿勢の維持。大変素晴らしい経験をさせていただきました」
そういうことではないだろと、自分で自分を嘲笑うが。そんなことよりも。
全身の脱力が、遠く離れた観客席からでも見える。肩の荷を下ろし、体幹を支えるためだけに必要な最低限の力。両脚もバネと跳躍を活かし、一切の力みを見せず最高速へ迫っていく。
そして何より、全てが剥がれ落ちた表情。歓喜も悲痛も絶望も苦痛も見えぬ、表情筋の死に果てた能面少女。思考と感情を内側に閉じ込め、希釈し、飲み干して。其処に在るか無いかさえ定かならぬ存在。今まで見ていた景色と似ているようで、何かが狂った光景。虚飾を振り捨てて唯一残った、彼女の本質。
……無彩の蜃気楼。
「至れたようで、何よりってところか」
もっとも、今回の結果は偶然の産物だろうが。極限まで疲労して限界を迎えてからの発露など、実戦級でどこまで活かせるかは分かったものじゃない。全身へのダメージも見ておく必要があるだろうし、彼女があの状況を許容するかも別の話だ。……しかし、まあ。
「……少しは趨勢も揺らぐか?」
【カラレスミラージュ、今1着でゴールイン! 後続に4バ身以上の差を着けて、ジュニア級王者、ここに復活です!】
【2着に入ったのは──】 - 164カラレスミラージュの人22/11/06(日) 10:37:25
ゴール板を踏み越えて、観客席に手を振って。控室で着替えてライブを踊り切って……朧げな思考の中、もう一度控室の扉を叩くと。中から聞こえてきたのは男性の声。許可を貰って入室する。
「お疲れ様です、ミラージュさん。復帰戦勝利、見事でしたよ」
「……見てたんだ」
「お前のトレーナーだからな、他の誰が見てなくても俺は見なきゃならんだろ」
「義務感?」
「さあな」
ぶっきらぼうに、一見すれば仲が悪いと思われそうな会話。けれど、やっぱり私にはこの距離感が落ち着く。壁に背を預けていると、彼の視線が私の両脚へと向いていることに気づいた。
「……違和感?」
「いや、今のところ問題は無さそうだ。帰ってからゆっくり診ておきたいところだが、それよりも……」
そこまで言うと、彼は一度言葉を切って。顔を上げ、私の瞳を見つめてくる。彼の中に、私の虚ろな目が浮かぶ。
「レース後に……地に足の着いたお前と会話するなんていつ以来だろうな」
「……分からない」
記憶している限り。ホープフルSでは机に突っ伏しているか眠っているか。皐月賞の後は脚を折って普通に立てていたわけじゃなかったし、日本ダービーに至っては言及不要。そう考えると……レース場という舞台で走る私が、地に足を着けていなかったというのは何という皮肉か。
「まあ、何にせよ。『お帰り』だな、カラレスミラージュ」
「……『ただいま』、トレーナー」
それでも、こうして再び戻って来られたのは事実。今までの結果は取り戻せないにしても、これから先は自分の足で歩いていけるだけの未来がある。だったら、私は。
「次、菊花賞。……勝つから」
「良い意気込みだ。だったら残り1ヶ月、詰めていくぞ。覚悟は出来ているか?」
「……当たり前」
決意表明。差し出された彼の右手に、同じく右手を激しく叩きつける。空気を裂くような破裂音。この感触が、私が此処にいることをありありと伝えてくれた。
トレーナーから、観戦中の話をいくつか聞きつつ、阪神レース場を後にする。私が再び関西の地に戻ってくるのは……1ヶ月後。
近くて遠い、大切な人達に内心で別れを告げながら。私達は学園へと戻っていった。 - 165カラレスミラージュの人22/11/06(日) 10:37:47
以上です、スレ圧迫失礼しました!
というわけで次回もよろしくお願いします! - 166ラピッドホライゾンの人22/11/06(日) 11:01:32
完全復活で準備も万端でいよいよ菊花賞が楽しみですわー
- 167クアドラプルグロウ22/11/06(日) 11:31:20
- 168ナックル宅の壁22/11/06(日) 12:31:08
ナックル宅の壁です。よろしくお願いします。
- 169二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 13:24:54
このレスは削除されています
- 170アラシュパーパス22/11/06(日) 16:40:51
よろしくお願いしまーす!!
- 17114622/11/06(日) 16:53:46
皆さんよろしくお願いします!
- 172クアドラプルグロウ22/11/06(日) 17:07:05
- 173キタサンアイドルの人22/11/06(日) 19:07:36
小説投下!!
実は絵を描いたんですよー……色を塗る体力はアイちゃんにありませんでした - 174キタサンアイドルの人22/11/06(日) 19:08:11
打開策を見つけたダンスレッスンの後彼女と二人で案を出し合い実践した所、頭を空っぽにして走るということが一番現実的であり並走でも効果があった…のだがやはり考えてしまうのは彼女の癖らしく模擬レースでは逆効果となってしまっていた。
そして徹夜で昨日のホープフルsの映像を分析していた所、ノックの音がした。
[良いよ]
「失礼します。…トレーナーさん、徹夜ですか」
[あー、寝るの忘れちゃってね。弥生賞も近いしそろそろ追い込…]
そう言おうとした時、彼女は私の口を塞いだ。
「ダメです、前にトレーナーさんはワタシに一人で抱え込むなって言いました。それをそのまま返します」
[…そうね。あっじゃあ気分転換に遊園地でも行く?]
最近ずっと練習づめで疲れただろう、休養と彼女のことを
「良いんですか!?」
尻尾をぶんぶん揺らして耳をピコピコさせている、よほど嬉しいのだろう。
[かなり遅いクリスマスプレゼントよ。…実は福引で当てたチケットなんだけどね、有効期間間近の]
「トレーナーさん運が良いんですね」
[アイドルの幸運体質には負けるけど運は良いのよ。さ、早く着替えて遊びましょう!]
「はい!!」
〜遊園地到着〜 - 175キタサンアイドルの人22/11/06(日) 19:12:42
[…ねえ、気になってけどその駄洒落シャツは?]
「ルドルフさんに貰いました。さすがにジャージで行くわけには行かないので適当にあったのを着ました」
[よし、後でファッションを教えるわ。でもそれはそれとして何に乗る?]
「えーと…まずはコーヒーカップが良いです」
[じゃあそこに行きましょう]
〜🕛〜
[う……アイドル……回しすぎ……]
「ごめんなさい!一旦休憩しましょう!」
〜休憩後〜
「トレーナーさん、メリーゴーランド行きましょう!」
[うん、良いよ]
〜🕛〜
「それからここもここも!!」
無尽蔵の体力に驚きつつも彼女の楽しむ姿を見て心なしかこっちも元気が…という考えはすぐに消えた!
〜色々と乗り回した後〜
[体力…すごいね…やっぱり……]
さすがに徹夜した後はキツいか…と後悔しながらも改めて彼女のスタミナと体力を実感した。
「えへへ…ついはしゃいでしまいました…でも楽しかったです!トレーナーさん!」
…そしてアイドルの無邪気な笑顔が見られたことが何よりも嬉しかった。
__
同じような流れ見たな…って人正解です。裏テーマにこの流れという名のループから抜け出し果てへ向かうという物があるんですよね〜。そして今回は解析癖のある二人が脳死でやってるというのが…アイちゃん解説疲れたので横になりますね - 176クアドラプルグロウ22/11/06(日) 19:46:30
- 177メジロエスキーの人22/11/06(日) 20:46:11
欲望に従え……別におかしなことしてるわけでもあるまいし
- 178キタサンアイドルの人22/11/06(日) 20:58:07
- 179二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 21:00:37
可愛いねぇ
- 180二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 21:58:19
うちの子(ロゴス)基本設定
地方から見事な成り上がりを決め、中央でG1ウマ娘になった母親の二世。
根っからの走破タイムへの異常な執着と幼少期にレース場で見た大番狂わせにより限りなくブロックされにくい大逃げを強く好み、また逃げさせた彼女に追いつけたウマ娘はいない。
人生初の面接でやらかして入試に不合格。公立中学に通いながら3ヶ月ほど野良レースに出ていた所を現在の担当トレーナーにスカウトされ、中途入学試験を無事突破。
なかなかの自由人で、集団行動中にいつの間にかいなくなっていつの間にかどこかで買った食べ物を片手に戻ってくるようなことが多々ある。
座右の銘は「覆水盆に返らず」。現役中のある事件によってこの信念が大きく覆されるが、結局この座右の銘は変わらなかった。
クラシック6月前半時点でのロゴス
夢の中だと思って深夜テンションとその場凌ぎで半分出鱈目を吐き、割とヤバイ物を宿したことを後悔している。
やってしまったものは仕方がないし日常生活への影響もさほど無いので、構想まではできていた世界征服に本格的に取り掛かり始める。
例えるなら株式会社の取締役。大言壮語の果て、株主に見捨てられたら自己破産せざるを得ない段階まで行っちゃいました。
次のレスから予告してたSS擬きを上げる予定です。論理の名が泣くぞこんな内容。
ところで本入部(wikiログイン申請)になかなか踏み切れないのですが、私ってこんなのでこのスレにいていいんでしょうか?テーマに合わないと言われれば去る覚悟はできているのですが… - 181残滓(大)22/11/06(日) 22:12:15
東京レース場のウイナーズサークル、二冠目を獲得した栄誉あるウマ娘にインタビュアーが群がる。
「ーーーズバリ、三冠を阻む刺客となりうるウマ娘は誰ですか?」
「…名前は分かりませんが、私よりゴール板を早く踏むウマ娘ですかね。」
傲慢な返答は、観衆を大いに沸かせた。
「でも結局あれが真理なんだよね」
「どうした急に」
梅雨入りして屋外での練習が厳しくなってくる6月。貴重な良馬場でのトレーニング中、突然担当バが意味のわからないことを口走る。
ランナーズハイというやつなのか、ニヤつきながら"真理"などと宣うその姿はまさにオカルト系のヤバい人である。
「この前の無礼なインタビューのこと。私より先にゴール板を踏んだらそいつの勝ちって答えたあれ。」
「…あの件か。そりゃあルールだからそうなるだろ。」
「そういうことじゃなくて。結局私の戦法って、そもそも戦法って言っていいのかわからないくらい他のウマ娘のこと考えてないじゃん?
だから私に勝つための唯一の方法は"私を超える記録を出す"になるのかなって。…垂れるの覚悟で私からハナを奪って、他を勝たせる奴でもいない限りは。」
「そこまで言うか。随分と傲慢だな…いや、極一部からは『機械仕掛けの絶対神』とすら言われているんだから、それくらいの傲慢不遜さが逆にウケてるのか…?」
「…実をいうと『絶対』って呼び方には少し不満があってね。
結局のところ私は、バ群から逃げてスタミナを使った上での最高記録を掲示板に刻むだけしかできないんだよ。で、それを超えたらそいつの勝ち。単純な話だ。
…勝敗や順位という『相対性に囚われない』私の走りは、ある意味で『絶対』って言えたりして。」
流石に屁理屈か、と付け足した彼女はクスリと笑う。
「絶対、ねえ…」
…自身の限界と敗北について、笑いながら話す彼女に奇妙な感覚を覚える。思えば担当になってすぐの頃、彼女は特に誰に憧れたわけでもなく自力で大逃げに辿り着いたと言っていた。
「っていうか、そんなこと考えてないでトレーニングに集中してくれ。貴重な晴れだし何より危ない。」
「確かに。」
やはり彼女には年頃のウマ娘特有の"勝利への泥臭い執念"がどこか欠けているように思える。
(こいつは本当にウマ娘なのだろうか?)
担当になった時から拭えない疑念が、また少し現実味を帯びた気がした。 - 182メジロエスキーの人22/11/06(日) 22:29:41
wikiのログイン申請は部長が権限持ってるんだけど最近なかなか来てなくてね……
あと少なくともここの部にいるのに必要なのは、周り(既存・架空ウマ娘含む)へのリスペクトとウマ娘は1人1つのルールぐらいじゃないかな
- 183クアドラプルグロウ22/11/06(日) 22:40:01
190まで後わずか!
さぁ始まったかな!第何回目かもわからんチキンレースステークス!
解説はわたくしクアドラプルグロウがお送りするよ!
ちなみにわたくしは固定IP無しの弱者!だから解説だけするかな!
さぁさぁ!出走者集まれ!!! - 184クアドラプルグロウ22/11/06(日) 22:41:52
ちなみに出走者が集まらない場合はわたくしが一人で解説するだけの悲しいステークスになるかな!!!
さあさあ!集まれー!…集まって!!!(懇願) - 185ラプ中22/11/06(日) 22:44:39
良いことをお教えしましょう…
わたしは次のスレ画芸のネタを「決めてある」 - 186クアドラプルグロウ22/11/06(日) 22:47:15
- 18714622/11/06(日) 22:48:07
- 188クアドラプルグロウ22/11/06(日) 22:50:00
次のスレからでいいけど、是非設定とか聞いてみたいかな!
- 189ラプ中22/11/06(日) 22:52:24
公式ディスコ内でクアちゃんさんからお墨付きをいただいている私がスレ立てを執り行う
- 190アルケミー22/11/06(日) 22:52:55
- 191クアドラプルグロウ22/11/06(日) 22:53:37
- 192ラプ中22/11/06(日) 22:55:21
ケミ殿にお任せした(ディスコ参照)
- 193アルケミー22/11/06(日) 22:59:40
- 194クアドラプルグロウ22/11/06(日) 23:02:35
さあ!残りは梅タイムかなー!!!
- 195ラプ中22/11/06(日) 23:05:23
スレウメ(1856~1928、チェコの音楽家)
- 196ラプ中22/11/06(日) 23:06:38
200なら…何が起きるかなあ…
- 197クアドラプルグロウ22/11/06(日) 23:06:49
今回の200の座は誰の手に!?
- 198ラプ中22/11/06(日) 23:08:27
ウメノファイバー
- 199クアドラプルグロウ22/11/06(日) 23:09:32
埋め立て地
- 200二次元好きの匿名さん22/11/06(日) 23:09:36